JPH05170878A - ポリエステル共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリエステル共重合体の製造方法

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JPH05170878A
JPH05170878A JP33510391A JP33510391A JPH05170878A JP H05170878 A JPH05170878 A JP H05170878A JP 33510391 A JP33510391 A JP 33510391A JP 33510391 A JP33510391 A JP 33510391A JP H05170878 A JPH05170878 A JP H05170878A
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JP
Japan
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polyester
acid
formula
copolymer
diol
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Withdrawn
Application number
JP33510391A
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English (en)
Inventor
Kazuo Yamagata
一雄 山形
Toranosuke Saito
寅之助 斉藤
Hironori Kadomachi
博記 角町
Daishirou Kishimoto
大志郎 岸本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Sanko Co Ltd
Original Assignee
Sanko Chemical Co Ltd
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的性質および成形加工性に優れ、さらに
柔軟性および耐熱性に優れたポリエステル共重合体を製
造する。 【構成】 下記一般式〔I〕で表される脂肪族ジカルボ
ン酸、脂肪族ジオールおよび下記一般式〔II〕で表され
るジヒドロキシ化合物を構成成分とするポリエステル
(A)と、テレフタル酸を主に含有する酸成分と、エチ
レングリコールおよびブチレングリコールのうちの少な
くとも1種を主に含有するジオール成分を構成成分とす
る芳香族ポリエステル(B)とを、ラクトンモノマーに
溶解させた状態で反応させる。 【化1】 (式中、nは0〜10の整数)。 【化2】 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立してアルキレン
基、pは3または4であり、qおよびrはそれぞれ独立
して0または1以上の整数を示す)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性エラストマーと
しての性質を有し、機械的強度および成形加工性に優
れ、さらに柔軟性および耐熱性に優れたポリエステル共
重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テレフタル酸を主に含む酸成分と、エチ
レングリコールおよびブチレングリコールのうちの少な
くとも1種を主に含むジオール成分を構成成分とする芳
香族ポリエステルと、ラクトンおよび/またはポリラク
トンとを反応させることにより得られるポリエステル共
重合体は、常温においては該芳香族ポリエステルに由来
するセグメントが物理的架橋を形成してゴム弾性を示
し、しかも高温下においては上記物理的架橋が消滅する
ので、射出成形、押出成形などの成形法によって種々の
成形体に加工することができ、熱可塑性エラストマーと
してホース、チューブ、各種工業用品、電気部品、電線
被覆材など様々な用途がある。
【0003】上記芳香族ポリエステルと上記ラクトン類
とを構成成分とするポリエステル共重合体は、芳香族ポ
リエステルとラクトン類の組成比を変えることによりそ
の性質を変化させることができる。例えば、芳香族ポリ
エステルの組成比を低くすると、柔軟性の高いポリエス
テル共重合体を得ることができる。しかし、この場合に
は、ポリエステル共重合体の物理架橋が弱くなるので、
十分な物性を得ることができないという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を解決しようとするもので、その目的は、機械的性質お
よび成形加工性に優れ、特に柔軟性および耐熱性に優れ
たポリエステル共重合体組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のポリエステル共
重合体の製造方法は、下記一般式〔I〕で表される脂肪
族ジカルボン酸、脂肪族ジオールおよび下記一般式〔I
I〕で表されるジヒドロキシ化合物を構成成分とするポ
リエステル(A)と、テレフタル酸を主に含む酸成分
と、エチレングリコールおよびブチレングリコールのう
ちの少なくとも1種を主に含むジオール成分を構成成分
とする芳香族ポリエステル(B)とを、ラクトンモノマ
ーに溶解させた状態で反応させることを特徴とし、その
ことにより上記目的が達成される。
【0006】
【化3】
【0007】(式中、nは0〜10の整数を示す)。
【0008】
【化4】
【0009】(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して
アルキレン基を示し、pは3または4であり、qおよび
rはそれぞれ独立して0または1以上の整数を示す)。
【0010】本発明に使用されるポリエステル(A)に
含有される脂肪族ジカルボン酸は、下記一般式 〔I〕で
表される化合物である。
【0011】
【化5】
【0012】(式中、nは0〜10の整数を示す)。
【0013】このような化合物としては、例えばシュウ
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ス
ベリン酸、セバチン酸が好適に用いられる。炭素数nが
10を越えるジカルボン酸を用いると、得られるポリエ
ステル(A)を用いた成形体の各種物性が劣る。
【0014】本発明に使用される上記ポリエステル
(A)の構成成分である脂肪族ジオールとしては、以下
に示すグリコールが挙げられる。
【0015】上記グリコールとしては、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタン
ジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカン
ジオール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロ
ヘキサン−1,2−ジオール、シキロヘキサン−1,3
−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シク
ロヘキサン−1,4−ジメタノールなどが挙げられ、こ
れらは単独で使用されてもよく、2種以上が併用されて
もよい。
【0016】本発明に使用される上記ポリエステル
(A)の構成成分であるジヒドロキシ化合物は、下記一
般式〔II〕で表される化合物である。
【0017】
【化6】
【0018】(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して
アルキレン基を示し、pは3または4であり、qおよび
rはそれぞれ独立して0または1以上の整数を示す)。
【0019】上記〔II〕式において、アルキレン基R1
およびR2としてはエチレン基またはプロピレン基が好
ましく、qおよびrは0または1が好ましい。例えば、
次式〔C〕で示される4,4''−ジヒドロキシ−p−タ
ーフェニル、次式〔D〕で示される4,4'''−ジヒド
ロキシ−p−クォーターフェニル、次式〔E〕で示され
る4,4'''−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−p−ク
ォーターフェニルなどが好適に使用される。これら化合
物は液晶性の低分子化合物である。
【0020】
【化7】
【0021】
【化8】
【0022】
【化9】
【0023】これらの化合物は、公知の方法により製造
することが可能であり、例えば、4,4'''−ジヒドロ
キシ−p−クォーターフェニル〔D〕は、Journalof Ch
emical Society,1379-85(1940)に記載の方法に従って合
成することができる。
【0024】前記ジヒドロキシ化合物〔II〕はそれぞれ
単独で使用してもよく、あるいは2種以上を併用しても
よい。
【0025】液晶性の分子は一般に結晶性が高く、上記
化合物もその結晶から液晶状態への転移点が高い。例え
ば4,4''−ジヒドロキシ−p−ターフェニル〔C〕の
結晶状態から液晶状態への転移温度は260℃であり、
4,4'''−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニル
〔D〕のそれは336℃であり、4,4'''−ジ(2−
ヒドロキシエトキシ)−p−クォーターフェニル〔E〕
のそれは403℃である。液晶状態とは、溶融状態にお
いても分子が配向状態を保持している状態をいう。
【0026】従って、これらのジヒドロキシ化合物〔I
I〕がポリマー鎖中に組み込まれた場合、そのポリマー
は柔軟性に富み、かつ耐熱性が高いという性質を有す
る。つまり、このポリマー中において、ジヒドロキシ化
合物〔II〕に起因する成分が結晶性を示し、しかもその
融点が高いので、このジヒドロキシ化合物〔II〕の配合
量が少量の場合でも、この部分が強固で耐熱性の高いハ
ードセグメントとなり、これがポリマー内において物理
的架橋を形成する。その結果、ソフトセグメントに由来
する柔軟性を損なうことなく耐熱性の高い熱可塑性エラ
ストマーが得られると推察される。
【0027】上記ジヒドロキシ化合物〔II〕の含有量
は、ポリエステル(A)を構成する全モノマーの0.1
〜30モル%が好ましく、より好ましくは0.5〜20
モル%であり、さらに好ましくは1.0〜10モル%で
ある。ジヒドロキシ化合物〔II〕の含有量が少なくなる
と、ポリエステル(A)の耐熱性が低下し、多くなると
弾性率が高くなり、かつ柔軟性が低下するため、熱可塑
性エラストマーとして不適当になるためである。
【0028】以上のような構成成分からなるポリエステ
ル(A)は、一般に知られている任意の重縮合方法を用
いて製造することができる。例えば、 ジカルボン酸成分とジオール成分とを直接反応させる
方法、 ジカルボン酸の低級エステルとジオール成分とをエス
テル交換を利用して反応させる方法、 ジカルボン酸のハロゲン化物とジオール成分とをピリ
ジンなどの適当な溶媒中で反応させる方法、 ジオール成分の金属アルコラートをジカルボン酸のハ
ロゲン化物と反応させる方法、 ジオール成分のアセチル化物とジカルボン酸とをエス
テル交換を利用して反応させる方法、などの方法があげ
られる。
【0029】重縮合する際には、一般にポリエステルを
製造する際に使用されている触媒が使用されてよい。こ
の触媒としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セ
シウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロ
ンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲ
ルマニウム、錫、鉛、アンチモン、ヒ素、セリウム、ホ
ウ素、カドミウム、マンガンなどの金属、その有機金属
化合物、有機酸塩、金属アルコキシド、金属酸化物など
があげられる。
【0030】特に好ましい触媒は、酢酸カルシウム、ジ
アシル第一錫、テトラアシル第二錫、ジブチル錫オキサ
イド、ジブチル錫ジラウレート、ジメチル錫マレート、
錫ジオクタノエート、錫テトラアセテート、トリイソブ
チルアルミニウム、テトラブチルチタネート、二酸化ゲ
ルマニウム、三酸化アンチモンなどである。これらの触
媒は2種以上併用してもよい。
【0031】反応時には、重合と共に副生する水、アル
コール、グリコールなどを効率よく留出させ、高分子量
のポリマーを得るために、反応系を重合後期に1mmH
g以下に減圧することが好ましい。
【0032】本発明に使用される芳香族ポリエステル
(B)はテレフタル酸を主に含有する酸成分とジオール
成分を構成成分とする。
【0033】上記ジオール成分は、エチレングリコール
およびブチレングリコールのうちの少なくとも1種であ
る。上記ブチレングリコールとしては1,4−ブタンジ
オールおよび1,3−ブタンジオールのいずれも使用さ
れ得る。
【0034】上記芳香族ポリエステル(B)には、上記
以外の脂肪族グリコール、芳香族ジオール、テレフタル
酸以外の芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸、または脂肪族ジカルボン酸を構成成分として含有
させてもよい。これらの含有量は、芳香族ポリエステル
(B)を構成する全モノマーの10モル%以下であるこ
とが好ましい。
【0035】上記脂肪族グリコールとしては、例えば、
プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオー
ル、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、1,10−デカンジオール、シクロペンタン−1,
2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シ
クロヘキサン−1,3−ジオール、シクロヘキサン−
1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノ
ール等が挙げられる。
【0036】上記芳香族ジオールとしては、例えば、ヒ
ドロキノン、レゾルシン、クロロヒドロキノン、ブロモ
ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、フェニルヒドロキ
ノン、メトキシヒドロキノン、フェノキシヒドロキノ
ン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルサルファイド、4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェ
ノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス
フェノールA、1,1−ジ(4-ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェノキ
シ)エタン、1,4−ジヒドロキシナフタリン、2,6
−ジヒドロキシナフタリン等が挙げられる。
【0037】上記芳香族ジカルボン酸としては、例え
ば、イソフタル酸、5−スルホイソフタル酸の金属塩、
4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’
−ジカルボキシジフェニルサルファイド、4,4’−ジ
カルボキシジフェニルスルホン、3,3’−ジカルボキ
シベンゾフェノン、4,4’−ジカルボキシベンゾフェ
ノン、1,2−ビス(4−カルボキシフェノキシ)エタ
ン、1,4−ジカルボキシナフタリン、2,6−ジカル
ボキシナフタリンなどが挙げられる。
【0038】上記芳香族ヒドロキシカルボン酸は、芳香
族ポリエステル(B)に剛性や液晶性を付与する化合物
であり、サリチル酸、メタヒドロキシ安息香酸、パラヒ
ドロキシ安息香酸、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香
酸、3−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メトキ
シ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メチル−4−ヒドロ
キシ安息香酸、3−フェニル−4−ヒドロキシ安息香
酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ
−4’−カルボキシビフェニルなどが挙げられ、好まし
くは、パラヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−
ナフトエ酸、4−ヒドロキシ−4’−カルボキシビフェ
ニルなどが用いられる。
【0039】上記脂肪族ジカルボン酸としては、炭素数
が10以下の化合物が好ましく用いられ、例えば、ポリ
エステル(A)の構成成分として挙げた上記化合物が挙
げられる。
【0040】以上のような構成成分の上記芳香族ポリエ
ステル(B)は、一般に知られている任意の重縮合方法
を用いて製造することができ、例えば上記ポリエステル
(A)を製造する方法として挙げた上述の方法が採用さ
れ得、同様に上記した触媒が使用され得る。
【0041】このようにして得られるポリエステル
(A)と芳香族ポリエステル(B)は、ラクトンモノマ
ーの存在した状態にて反応に供され、ポリエステル共重
合体が製造される。
【0042】この際に使用される上記ラクトンモノマー
は、開環してポリエステル(A)および芳香族ポリエス
テル(B)のカルボキシル基および水酸基と反応し、脂
肪族鎖を付加する性質を有する。ラクトンモノマーとし
ては、環の中に4個以上の炭素原子を有する化合物が好
ましく用いられ、より好ましくは5員環〜8員環であ
る。例えば、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクト
ン、γ−ブチロラクトン、エナントラクトン、カプリロ
ラクトンなどが挙げられる。上記ラクトンモノマーは2
種以上を併用してもよい。
【0043】上記ポリエステル(A)と芳香族ポリエス
テル(B)とを上記ラクトンモノマーに溶解させた状態
で反応させる際には、それぞれの成分の割合は、ポリエ
ステル(A)、芳香族ポリエステル(B)および上記ラ
クトンモノマーの合計量において以下の割合であること
が好ましい。
【0044】ポリエステル(A)の割合は、20〜80
重量%であることが好ましく、特に好ましくは30〜6
5重量%である。20重量%未満では、生成するポリエ
ステル共重合体の柔軟性と耐熱性を十分に得ることが難
しい。80重量%より多いと、芳香族ポリエステル
(B)に由来する物理架橋が弱くなるため、生成するポ
リエステル共重合体が十分な物性を得られない。
【0045】芳香族ポリエステル(B)の割合は、20
〜65重量%であることが好ましく、特に好ましくは2
0〜55重量%である。20重量%未満では、芳香族ポ
リエステル(B)に由来する物理架橋が弱くなるため、
生成するポリエステル共重合体が十分な物性が得られな
い。逆に65%より多くなると、生成するポリエステル
共重合体の柔軟性が不十分になる。
【0046】ラクトンモノマーの割合は、15〜60重
量%であることが好ましく、特に好ましくは15〜50
重量%である。15重量%未満では、常温においてポリ
エステル(A)および芳香族ポリエステル(B)がラク
トンモノマーに均一に溶解しないため、ポリエステル共
重合体の合成が困難になる。逆に60%より多くなる
と、生成するポリエステル共重合体の耐熱性が劣る。
【0047】上記ポリエステル(A)、芳香族ポリエス
テル(B)、および上記ラクトンモノマーの混合は、通
常、樹脂を均一に混合できる公知の方法を用いることが
できる。例えば、プラストミル、押出機、ニーダー、バ
ンバリーミキサーなどによる溶融混練法により行われ得
る。
【0048】本発明の製造方法で得られたポリエステル
共重合体は、プレス成形、押出成形、射出成形、ブロー
成形などの溶融成形方法により、所定の成形体とされ
る。例えば、自動車部品、電気・電子部品、工業部品、
スポーツ用品、メディカル用品などに好適に使用され
る。
【0049】自動車部品としては、例えば、等速ジョイ
ントブーツ、ラックアンドピニオンブーツなどのブーツ
類、ボールジョイントシール、安全ベルト部品、バンパ
ーフェイシア、エンブレム、モールなどが挙げられる。
電気・電子部品としては、例えば、電線被覆部材、ギア
類、ラバースイッチ、O−リングなどが挙げられる。工
業用品としては、例えば、油圧ホース、コイルチュー
ブ、シール材、パッキング、Vベルト、ロール、防振・
制振材料、ショックアブソーバー、カップリング、ダイ
ヤフラムなどが挙げられる。スポーツ用品としては、例
えば、靴底、球技用ボールなどが挙げられる。メディカ
ル用品としては、例えば、メディカルチューブ、輸液バ
ック、カテーテルがなどが挙げられる。その他、弾性繊
維、弾性シート、複合シート、ホットメルト接着剤、他
の樹脂とのアロイ用素材として好適に用いることができ
る。
【0050】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて説明す
る。各項で得られたポリマーの物性の測定は、以下に示
す方法によって行った。
【0051】物性の測定 試料の作製:得られたポリマーを射出成形(射出圧1
500kgf/cm2,金型温度70℃、シリンダー温
度220℃)によって成形し、3号形ダンベルおよび厚
さ3mmのシートを作製した。このダンベルおよびシー
トを用いて、以下の方法にしたがって物性を測定した。
【0052】表面硬度(ショアD硬度):ASTM
D2240に準拠し、Dタイプデュロメーターにて表面
硬度を測定した。
【0053】ビカット軟化温度:JIS K−720
6に準拠して、荷重1kgにて測定した。
【0054】(1)ポリエステル(A)の合成 アジピン酸ジメチル3.842kg(20mol)、エ
チレングリコール2.98kg(24mol)、および
4,4'''−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニル
5.07kg(0.15mol)のモノマー混合物に、
触媒として二酸化ゲルマニウム2gと、安定剤として
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン
4gおよびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
ホスファイト4gとを加え、反応系を窒素下において加
熱し、200℃で2時間保ち、エステル化反応を行っ
た。次いでこの反応系を30分間で320℃まで昇温
し、この温度で20分間常圧で保持した。その後、30
0℃に降温し、1mmHg以下に減圧した状態で2時間
重縮合反応を行った結果、薄黄色の樹脂が得られた。
【0055】得られたポリエステル(A)の極限粘度
〔η〕を、オクトクロルフェノール中、30℃で測定し
た結果、極限粘度は1.2であった。
【0056】(2)芳香族ポリエステル(B)−の合
成 攪拌機、温度計、ガス吹き込み口及び蒸留口を備えた反
応容器に、テレフタル酸ジメチル1.94kg、ブチレ
ングリコール2.02kg、触媒としてテトラブチルチ
タネートを少量加えた。反応容器内を窒素で置換した後
に反応系を昇温させて180℃で3時間反応させた。反
応とともに、反応容器内からメタノールが留出しはじ
め、ビス(δ−ヒドロキシブチル)テレフタレートが得
られた。
【0057】次に、反応系を250℃まで昇温し、蒸留
口を真空器につなぎ、反応容器内を1mmHgに減圧し
た状態で2時間反応させた。反応とともにブチレングリ
コールが留出し、反応容器内には極めて粘稠な液体が生
成した。生成物を水中に投入して急冷することにより回
収した。
【0058】得られた芳香族ポリエステル(B)−の
極限粘度〔η〕を、フェノール/テトラクロロエタン
(60/40)中、30℃で測定した結果、極限粘度は
0.6であった。
【0059】(3)芳香族ポリエステル(B)−の合
成 攪拌機、温度計、ガス吹き込み口および蒸留口を備えた
反応容器に、テレフタル酸ジメチル1.94kg、エチ
レングリコール1.39kg、触媒として酢酸カルシウ
ムおよび三酸化アンチモンを少量加えた。反応容器内を
窒素で置換した後に反応系を昇温させて180℃で3時
間反応させた。反応とともに、反応容器内からメタノー
ルが留出しはじめ、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレ
フタレートが得られた。
【0060】次に、反応系を260℃まで昇温し、蒸留
口を真空器につなぎ、反応容器内を1mmHgに減圧し
た状態で2時間反応させた。反応とともにエチレングリ
コールが留出し、反応容器内には極めて粘稠な液体が生
成した。生成物を水中に投入して急冷することにより回
収した。
【0061】得られた芳香族ポリエステル(B)−の
極限粘度〔η〕を、オクトクロルフェノール中、30℃
で測定した結果、極限粘度は0.5であった。
【0062】(4)ポリエステル共重合体の合成 (実施例1)攪拌機、温度計、ガス吹き込み口および蒸
留口を備えた反応容器に、ポリエステル(A)500
g、芳香族ポリエステル(B)−250gおよびε−
カプロラクトン250gと、1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)ベンゼン1gを仕込み、反応容器内
を窒素で置換した後に、反応系を攪拌しながら250℃
に加熱した。反応系が均一になってから、1時間反応さ
せると均一で粘稠な液状となった。続いて、窒素気流下
で30分反応させた後、ガス吹き込み口を真空ポンプに
つなぎ、反応容器内を1mmHgに減圧した状態で、さ
らに30分反応させ、ポリエステル共重合体を得た。
【0063】上記で得られたポリエステル共重合体につ
いて、表面硬度およびビカット軟化温度を、上記測定方
法項および項の方法によって測定した。その結果を
下記表1に示す。後述の実施例2、3および比較例1〜
5の結果も合わせて表1に示す。
【0064】(実施例2)ポリエステル(A)を400
g、芳香族ポリエステル(B)−を350gとしたこ
と以外は、実施例1と同様にした。
【0065】(実施例3)芳香族ポリエステル(B)−
を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポリエス
テル共重合体を得、これについて実施例1と同様の試験
を行った。
【0066】(比較例1)上記ポリエステル(A)につ
いて、表面硬度およびビカット軟化温度を測定した。
【0067】(比較例2)ポリエステル(A)を加え
ず、芳香族ポリエステル(B)−を700g、ε−カ
プロラクトンを300g用いたこと以外は、実施例1と
同様にしてポリエステル共重合体を得、これについて実
施例1と同様の試験を行った。
【0068】(比較例3)芳香族ポリエステル(B)−
を用いたこと以外は、比較例2と同様にしてポリエス
テル共重合体を得、これについて実施例1と同様の試験
を行った。
【0069】(比較例4)ポリエステル(A)を加えず
に、芳香族ポリエステル(B)−を400g、ε−カ
プロラクトンを600g用いたこと以外は、実施例1と
同様にしてポリエステル共重合体を得、これについて実
施例1と同様の試験を行った。
【0070】(比較例5)芳香族ポリエステル(B)−
を用いたこと以外は、比較例4と同様にしてポリエス
テル共重合体を得、これについて実施例1と同様の試験
を行った。
【0071】
【表1】
【0072】表1より、本発明の製造方法によって製造
されたポリエステル共重合体は、柔軟性と耐熱性に優れ
ることがわかる。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、機械的性質および成形
加工性に優れ、さらに柔軟性および耐熱性に優れたポリ
エステル共重合体を製造することができる。このポリエ
ステル共重合体は、各種部材に好適に使用することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸本 大志郎 大阪府茨木市三島丘2丁目11番20号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式〔I〕で表される脂肪族ジカル
    ボン酸、脂肪族ジオールおよび下記一般式〔II〕で表さ
    れるジヒドロキシ化合物を構成成分とするポリエステル
    (A)と、 テレフタル酸を主に含む酸成分と、エチレングリコール
    およびブチレングリコールのうちの少なくとも1種を主
    に含むジオール成分を構成成分とする芳香族ポリエステ
    ル(B)とを、 ラクトンモノマーに溶解させた状態で反応させることを
    特徴とするポリエステル共重合体の製造方法。 【化1】 (式中、nは0〜10の整数を示す) 【化2】 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立してアルキレン基
    を示し、pは3または4であり、qおよびrはそれぞれ
    独立して0また1は以上の整数を示す)
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