JP3344779B2 - 手摺笠木の防水構造 - Google Patents

手摺笠木の防水構造

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JP3344779B2 JP19188193A JP19188193A JP3344779B2 JP 3344779 B2 JP3344779 B2 JP 3344779B2 JP 19188193 A JP19188193 A JP 19188193A JP 19188193 A JP19188193 A JP 19188193A JP 3344779 B2 JP3344779 B2 JP 3344779B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、キャンチバルコニー
等の腰壁の上端に設けられる手摺笠木の防水構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、キャンチバルコニーの手摺として
図6に示す構造のものがある。腰壁30の上端に被せた
笠木31は、笠木受33を介して腰壁30に設置し、笠
木31の下部両側の立下り部31aを笠木受33と共に
タッピングビス32で腰壁30に固定している。パイプ
手摺の手摺支柱34は、下端を笠木31と共に笠木受3
3にビス35で固定してある。笠木31の長手方向のジ
ョイント部や手摺支柱34の固定部34aでは、シーリ
ング材を塗布して防水し、また前記タッピングビス32
の固定部分にもシーリング材を充填している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の笠木構
造では1次防水しかしておらず、次のような問題点があ
る。すなわち、ジョイント部や支柱固定部34aではシ
ーリング材による防水となっているため、シーリング材
に温度変化や劣化で切れ目等が生じると、その切れ目等
から笠木31内に雨水が浸入することがある。しかも、
このように雨水が一旦入ると、そのまま腰壁30の内部
へと浸入してしまい、腰壁30に染みや腐食を生じさせ
る恐れがある。
【0004】この発明の目的は、笠木内に雨水が浸入し
ても、腰壁の内部まで浸入することがなく、かつ容易に
排出される手摺笠木の防水構造を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の手摺笠木の防
水構造は、腰壁の上端に被さる下向き溝形の水切り板を
設け、その外側に笠木を被せたものである。笠木は、下
向きに開口する中空形状に形成されて開口の両側縁に立
下り片を有するものであり、前記水切り板に被さって両
立下り片が水切り板の両フランジの下部外面に重ねられ
る。笠木の底板部分には水抜き孔を設ける。腰壁は、キ
ャンチバルコニー等のように屋外に設けられたものであ
る。
【0006】
【作用】この構成によると、笠木内に雨水が浸入して
も、腰壁の上端に被さった水切り板のために雨水は腰壁
の内部までは浸入しない。また、笠木内の雨水は、笠木
の底板部分に設けられた水抜き孔を経て笠木外に排水さ
れる。
【0007】
【実施例】この発明の一実施例を図1ないし図5に基づ
いて説明する。この実施例は、図5に示すように外壁A
から屋外に突出したキャンチバルコニー1の腰壁2の上
端に設けられる手摺3に応用したものである。腰壁2
は、図1のように形鋼フレーム4の両面に壁面材5,5
を張付けて構成されている。手摺3は、図2のように手
摺笠木7の上面に一定間隔を隔てて複数本の手摺支柱8
を立設し、これら手摺支柱8間を上手摺材9と中桟10
とで連結したものである。
【0008】手摺笠木7の内側において、腰壁2の上端
には下向き溝形の鋼板からなる水切り板6を被せてお
く。手摺笠木7は、図1のように下向きに開口する中空
形状に形成した鋼板7Aの外面を化粧材7Bで覆ったも
のであり、開口の両端縁には立下り片7bが形成されて
いる。鋼板7Aの立下り片7bから天板部7aにわたる
途中の水平な底板部7cには水抜き孔11が形成されて
いる。手摺笠木7の天板部7aの下面における手摺支柱
設置箇所には下向きコ字形の笠木受12を配置する。こ
の笠木受12と手摺支柱8の下端とで手摺笠木7の天板
部7aを挟み付け、ビス13で笠木受12、手摺笠木7
および手摺支柱8を一体に接合することにより、手摺笠
木7の天板部7aの上面に手摺支柱8が立設される。手
摺笠木7の化粧材7Bには手摺支柱8の下端が嵌合する
開口が設けてある。
【0009】手摺笠木7は、その下面に接合した笠木受
12の両フランジ12a,12aと、鋼板7Aの両立下
り片7b,7bが水切り板6の両フランジ6a,6aの
下部外面に重なるように腰壁2の上端に配置し、立下り
片7bをフランジ6aおよびフランジ12aと共にタッ
ピングビス14で腰壁2に接合する。タッピングビス1
4による固定部を含め、腰壁2の壁面材5の上端と手摺
笠木7の間に生じた溝状部分にはシーリング材15を充
填する。前記手摺笠木7の水抜き孔11は、このシーリ
ング材15よりも外側に離れて設けられる。
【0010】図4に示すように、前記水切り板6の接続
部ではブチルテープ等の止水テープ16A,16Bが用
いられる。すなわち、図4(A)のように水切り板6の
一端外面には工場で予め止水テープ16Aを貼付けてお
き、接続する水切り板6をその止水テープ16Aの上に
重ねる。さらに、図4(B)のように上側の水切り板6
の端部から下側の水切り板6に跨がるように別の止水テ
ープ13Bを貼り付けるる。このように2枚の水切り板
6が重なって接続される部分では、2つの止水テープ1
6A,16Bによる2重防水構造を採る。
【0011】図2のように、笠木7の接続部ではシーリ
ング下地17と笠木ジョイント18とが用いられる。シ
ーリング下地17は接続される2枚の笠木7,7の下面
側にこれらに跨がるように配置され、その表面にはシー
リング材が塗布される。笠木ジョイント18は手摺笠木
7の外面に沿った下向き溝形であり、接続される2本の
手摺笠木7,7の上面側にこれらに跨がるように配置さ
れ、その両フランジ18a,18aを手摺笠木7の両側
部にタッピングビスで接合することにより、2本の手摺
笠木7,7が接続される。手摺笠木7のコーナ部ではコ
ーナ用のシーリング下地17A(図3)と笠木ジョイン
ト18A(図2)が使用される。なお、手摺笠木7の接
続部と、水切り板6の接続部とは重ならないように相互
に長手方向にずらして位置設定する。
【0012】この構成の防水構造によると、手摺笠木7
の内側に水切り板6を設けて2重防水構造としたため、
手摺支柱8の固定部や手摺笠木7の接続部から雨水が手
摺笠木7内に浸入しても、水切り板6で止められて腰壁
2の内部まで浸入することがない。また、手摺笠木7内
に浸入した雨水は、その底板部7cに設けた水抜き孔1
1を経て外部に排水されるので、笠木7内に雨水が溜ま
ることもない。水抜き孔11は、シーリング材15から
離れて設けてあるため、排出される雨水が壁面材5の外
面を伝わることがなく、壁面材5を雨水で汚すことが防
止される。また、水切り板6は腰壁2の上端に被さる薄
い部材であるため、この水切り板6を設けない簡易仕様
とした手摺に対しても他の各部材は共通して使用でき
る。さらに、水切り板6を設ける場合に、手摺笠木7を
意匠上の要望等から種々の断面形状のものに変形して
も、各形状の手摺笠木7に対して水切り板6を共通部材
として使用することができる。
【0013】
【発明の効果】この発明の手摺笠木の防水構造は、手摺
笠木の内側で腰壁の上端に下向き溝形の水切り板を被せ
ることにより2重防水構造とし、手摺笠木の底板部分に
は水抜き孔を設けたため、手摺笠木内に雨水が浸入して
も、腰壁の上端に被さった水切り板のために腰壁の内部
への雨水の浸入が防止される。また、その雨水は笠木の
底板部分に設けられた水抜き孔を経て笠木外に排水され
る。このように防水性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である手摺笠木の防水構造
を示す縦断面図である。
【図2】その手摺の分解斜視図である。
【図3】同手摺のコーナ部の分解斜視図である。
【図4】同手摺笠木の水切り板の接続手順を示す説明図
である。
【図5】同手摺を取り付けたベランダの概略を示す縦断
面図である。
【図6】従来の手摺笠木の防水構造を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
2…腰壁、3…手摺、6…水切り板、6a…フランジ、
7…手摺笠木、7b…立下り片、7c…底板部、8…手
摺支柱、9…上手摺材、11…水抜き孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−299670(JP,A) 実開 昭55−154227(JP,U) 実開 平1−61332(JP,U) 実開 昭58−31338(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04F 11/18 E04B 1/00 501 E04D 13/15 301

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屋外の腰壁の上端に被さる下向き溝形の
    水切り板を設け、下向きに開口する中空形状に形成され
    て開口の両側縁に立下り片を有し前記水切り板に被さっ
    て前記両立下り片が前記水切り板の両フランジの下部外
    面に重なる笠木を設け、この笠木の底板部分に水抜き孔
    を設けた手摺笠木の防水構造。
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