JP3341357B2 - 圧電体薄膜素子 - Google Patents
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Description
射装置等の圧電素子、半導体記憶装置、焦電型赤外線検
出器等に用いられる強誘電体薄膜装置に関する。
特開昭62−252005が開示されている。
(ZrXTi1-X)O3+Yの場合において、組成比が、0
≦X<0.55、Y=0の範囲に限定されており、バル
クの多結晶体のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)に於い
て、結晶構造が正方晶系の化学量論的組成に限定されて
いた。
囲に限られており、PZTの結晶粒の中のドメインの自
発分極の75%以上が一方向を向いていた。
来技術を用いた強誘電体薄膜素子には以下に示す問題点
が存在する。
i)=1と化学量論的組成であるため、製造方法が困難
である。
結、またはスパッタ法等の成膜時の高温処理時にPbO
の形で、Pbが抜けやすく、化学量論的組成に制御する
ことは、非常に困難である。
置、焦電型赤外線検出器素子においては、成膜後に分極
処理をする事が許されるため、Zr組成比Xが0≦X<
0.55の範囲に限られる必要がない。
るもので、圧電特性、強誘電体特性、焦電特性が良好な
圧電体薄膜素子を提供することを目的とする。
は、 金属膜が形成された基板上に、チタン酸ジルコン
酸鉛薄膜を具備する圧電体薄膜素子であって、前記チタ
ン酸ジルコン酸鉛薄膜の化学式をPb1+Y(ZrXTi
1-X)O3+Yで表した時、0≦X<0.55、0≦Y≦
0.5の範囲であって、且つ、結晶構造が菱面体晶系で
あることを特徴とし、また、上記において、広角X線回
折法により測定した前記基板の主面方向の前記チタン酸
ジルコン酸鉛薄膜の回折強度の内、{111}面方位の
回折強度が70%以上と強く配向していることを特徴と
する。また、金属膜が形成された基板上に、チタン酸ジ
ルコン酸鉛薄膜を具備する圧電体薄膜素子であって、前
記チタン酸ジルコン酸鉛薄膜の化学式をPb1+Y(ZrX
Ti1-X)O3+Yで表した時、0.55≦X<1、0≦Y
≦0.5の範囲であって、且つ、結晶構造が正方晶系で
あることを特徴とし、また、上記において、広角X線回
折法により測定した前記基板の主面方向の前記チタン酸
ジルコン酸鉛薄膜の回折強度の内、{001}面方位の
回折強度が70%以上と強く配向していることを特徴と
する。また、上記において前記チタン酸ジルコン酸鉛薄
膜は、15モル%以下の不純物を含有することを特徴す
る。また、上記において、前記不純物は、Nb、La、
Ta、Nd、W、Mo、Mn、Ba、Sr、Ca、Bi
の少なくとも1種であることを特徴とする。また、上記
において、金属膜が白金、金、白金イリジウム、白金パ
ラジウム、白金ニッケル、白金チタンの何れかであるこ
とを特徴とする。本発明の液体噴射装置は、上記の圧電
体薄膜素子を具備することを特徴とする。
基づいて説明する。
薄膜素子の第1の実施例である薄膜圧電振動子の断面図
である。
酸化を行い、1μmのSiO2膜102を形成する。
Ti層103と膜厚3000AのPt下部電極104を
直流スパッタリングにより形成した。
温度で行った。
主面垂直方向に対して、<111>配向している。
ッタ法により形成した。
の基板温度で行った。
(ZrXTi1-X)O3+Yを用いた。
を得るために、O2雰囲気中、600℃で、3時間熱処
理を行った。
層106、及び膜厚2000AのAu電極107を順次
蒸着し、最後に、PZT膜105の下部に於ける単結晶
Si基板101にSiO2膜102に至るまで開口部1
08を設け、強誘電体薄膜素子を作成した。
ターンを示す。
射ピーク以外は、ペロブスカイト構造のPZTの反射ピ
ークである。
は、0.05、Zr組成比Xは、0.50であり、<1
11>配向度は、80%であった。
は、P(111)=I(111)/ΣI(hkl)で表
す。
の高角反射法で、波長にCuKα線を用いたときの2θ
が20度〜80度のPZTの全回折強度の和を表す。
(111)、(210)、(211)、(221)、
(310)結晶面反射強度の総和である。
1)結晶面反射強度を表す。
配向した膜厚2μmのPZT薄膜の圧電定数d31のZr
組成比X依存性を示す。
定数も示した。
バルクのPZTの圧電定数より、70から100%<1
11>配向したPZT薄膜の圧電定数は、大きな値を示
した。
範囲に於いて、バルクPZTに比較して、飛躍的に大き
い値を示した。
組成範囲で、正方晶系で有るのに対して、配向薄膜の場
合は、菱面体晶系となることによると考えられる。
の範囲、すなわちZr組成比Xが0.55から1の範囲
では、組成比Xが小さいほど圧電定数が大きくなるが、
薄膜の場合には、更にXが0から0.55の範囲まで及
んであるためだろう。
した場合の圧電定数d31のPbO過剰組成比Y依存性を
示す。
11>配向度は、70から100%である。
Oの過剰分Yに大きく依存しており、Yが0より小さい
と急激に低下し、Y=0.5より大では、バルクPZT
並みまで低下する。
小さくなる理由としては、粒界へのPbOの析出である
ことがわかった。
あることが望ましい。
<111>配向Ptを用いて説明したが、PZT薄膜の
<111>配向度が、70%以上となれば良く、Au、
Pt−Ir、Pt−Pd、Pt−Ni、Pt−Ti等他
の金属膜でも良い。
に取り説明したが、液体噴射装置、半導体記憶装置、焦
電型赤外線検出器等にもそのまま応用できることは自明
である。
に基づいて説明する。
薄膜素子の第2の実施例の断面図である。
高周波スパッタ法により、MgO基板201の主面方向
に対して<100>配向のPt下部電極202を形成す
る。
中、200℃の基板温度で行った。
ッタ法により形成した。
の基板温度で行った。
(ZrXTi1-X)O3+Yを用いた。
ペロブスカイト結晶構造のPZTを得ることができた。
層204、及び膜厚2000AのAu電極205を順次
蒸着し、特性を評価した。
ターンを示す。
の反射ピーク以外は、ペロブスカイト構造のPZTの反
射ピークである。
は、0.10、Zr組成比Xは、0.60であり、<0
01>配向度は、98%であった。
は、P(001)=I(001)/ΣI(hkl)で表
す。
配向した膜厚2μmのPZT薄膜の比誘電率εのZr組
成比X依存性を示す。
処理した後の膜厚方向の比誘電率である。
電率εも示した。
バルクのPZTの比誘電率εより、70から100%<
001>配向したPZT薄膜の比誘電率εは、大きな値
を示した。
範囲に於いて、バルクPZTに比較して、飛躍的に大き
い値を示した。
組成範囲で、菱面体晶系で有るのに対して、配向薄膜の
場合は、正方晶系となることによると考えられる。
範囲、すなわちZr組成比Xが0から0.55の範囲で
は、組成比Xが大きいほど比誘電率が大きくなるが、薄
膜の場合には、更にXが0.55から1の範囲まで及ん
であるためだろう。
た場合の比誘電率εのPbO過剰組成比Y依存性を示
す。
01>配向度は、95から100%である。
す。
の過剰分Yに大きく依存しており、Yが0より小さいと
急激に低下し、Y=0.5より大では、バルクPZT並
みまたは、それ以下まで低下する。
あることが望ましい。
<100>配向Ptを用いて説明したが、PZT薄膜の
<001>配向度が、70%以上となれば良く、Au、
Pt−Ir、Pt−Pd、Pt−Ni、Pt−Ti等他
の金属膜でも良い。
して、純粋な組成のPZT薄膜を用いて説明したが、勿
論若干の不純物が混入されていてもさしつかえない。
るものとして、Nb、La、Ta、Nd、W、Mo、、
Mn、、Ba、Sr、Ca、Bi等があり、15モル%
以下を加えることは可能である。
よれば、バルクのPZTに比較して圧電特性、強誘電特
性、焦電特性を飛躍的に向上させることができる。ま
た、薄膜であるため、スパッタ法、化学気層成長法等で
容易に製造することができる。また、薄膜圧電振動子、
液体噴射装置等の圧電装置、半導体記憶装置、焦電型赤
外線検出器等に応用することができる。
図。
折パターンの図。
数d31のZr組成比X依存性を示す図。
組成比X=0.45に固定した場合の圧電定数d31のP
bO過剰組成比Y依存性を示す図。
面図。
折パターンの図。
率εのZr組成比X依存性を示す図。
組成比X=0.60に固定した場合の比誘電率εのPb
O過剰組成比Y依存性を示す図。
Claims (8)
- 【請求項1】 金属膜が形成された基板上に、チタン酸
ジルコン酸鉛薄膜を具備する圧電体薄膜素子であって、 前記チタン酸ジルコン酸鉛薄膜の化学式をPb1+Y(Z
rXTi1-X)O3+Yで表した時、0≦X<0.55、0
≦Y≦0.5の範囲であって、且つ、結晶構造が菱面体
晶系である圧電体薄膜素子。 - 【請求項2】 請求項1において、広角X線回折法によ
り測定した前記基板の主面方向の前記チタン酸ジルコン
酸鉛薄膜の回折強度の内、{111}面方位の回折強度
が70%以上と強く配向している圧電体薄膜素子。 - 【請求項3】 金属膜が形成された基板上に、チタン酸
ジルコン酸鉛薄膜を具備する圧電体薄膜素子であって、 前記チタン酸ジルコン酸鉛薄膜の化学式をPb1+Y(Z
rXTi1-X)O3+Yで表した時、0.55≦X<1、0
≦Y≦0.5の範囲であって、且つ、結晶構造が正方晶
系である圧電体薄膜素子。 - 【請求項4】 請求項3において、広角X線回折法によ
り測定した前記基板の主面方向の前記チタン酸ジルコン
酸鉛薄膜の回折強度の内、{001}面方位の回折強度
が70%以上と強く配向している圧電体薄膜素子。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れかにおいて、前記チ
タン酸ジルコン酸鉛薄膜は、15モル%以下の不純物を
含有する圧電体薄膜素子。 - 【請求項6】 請求項5において、前記不純物は、N
b、La、Ta、Nd、W、Mo、Mn、Ba、Sr、
Ca、Biの少なくとも1種である圧電体薄膜素子。 - 【請求項7】 請求項1〜6の何れかにおいて、金属膜
が白金、金、白金イリジウム、白金パラジウム、白金ニ
ッケル、白金チタンの何れかであることを特徴とする圧
電体薄膜素子。 - 【請求項8】 請求項1〜7の何れかの圧電体薄膜素子
を具備することを特徴とする液体噴射装置。
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JPH06350154A (ja) | 1994-12-22 |
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