JP3334579B2 - 優れた外観を有する電気亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

優れた外観を有する電気亜鉛めっき鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はムラ等の表面欠陥
が無く、白色度が高い電気亜鉛めっき鋼板の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気亜鉛めっき鋼板は家電製品、自動
車、建材等の広範な用途で使用されている。近年、家電
用途で無塗装で使用される各種クロメート処理電気亜鉛
めっき鋼板の需要が増大しており、電気亜鉛めっき鋼板
の重要な用途になっている。この用途では無塗装で使用
されるので、表面外観に優れていることが要求される。
【0003】優れた表面外観の条件としては、ムラ等の
表面欠陥が無いことが第一である。この表面ムラとして
はめっき後あるいはクロメート処理等の化成処理後に識
別されるムラとめっき後前記した用途で製品になるまで
の間に経時的に現れるムラとがあり、この両方のムラの
発生防止が重要である。
【0004】ここで、めっき鋼板のムラを発生原因で分
類すると、めっき装置の不具合によって生ずるムラとめ
っき原板の表面欠陥に起因するムラがある。前者のムラ
についてはめっき装置の不具合を直すことにより改善さ
れる。しかし、後者のムラについては原板の表面欠陥を
改善すれば当然解消されるはずであるが、工業的には原
板の表面欠陥を完全に取り除くことは困難であり、実際
的な改善策は報告されていなかった。
【0005】そこで、本願発明者等はこのような原板の
表面欠陥に起因するめっきムラの解消方法の検討を行
い、めっき前処理の酸洗液に少量のSnイオンを添加する
ことによりムラを解消する技術を開発し、特許出願した
(特開平8-41679号公報)。この技術により原板の表面
欠陥に起因するめっきムラは、めっき後あるいはクロメ
ート処理直後の時点ではほぼ認められなくなった。
【0006】しかしながら、このようなクロメート処理
鋼板でも経時的にムラが発生することがあり、このムラ
は、原板の表面欠陥に起因すると考えられる形態のムラ
であり、その対策が求められている。このムラがクロメ
ート処理鋼板で発生しやすい黒変と同じであるか否かは
不明であるが、類似現象と考えると、耐黒変性を改善す
るための以下の技術が提案されている。
【0007】特開昭60-77988号公報には、亜鉛めっき浴
中のNiイオンを、不純物として含まれるPbイオン量の5
〜500倍で、Znイオン量の1/25以下で、かつ、10g/l以
下含有させた亜鉛めっき浴で電気亜鉛めっきし、続いて
クロメート処理することによって耐黒変性を改善する技
術が開示されている。
【0008】また、特開平2-8374号公報には、めっき浴
中にNiイオンを100〜300ppm含有し、不純物として含ま
れるPbイオンの量が0.5ppm以下で、めっき浴中のNiイオ
ン/Pbイオン比を500超とした電気亜鉛めっき浴で亜鉛
めっきした後クロメート処理する方法によって耐黒変性
を改善する技術が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記技術によれば耐黒
変性が改善できるが、めっき皮膜にNiを含有すると、特
開昭63-4099号公報や特開平1-129991号公報などにも記
載されるように、めっき後の表面外観、特に白色度が低
下する。
【0010】一般に、連続電気亜鉛めっき設備では、同
一設備、同一めっき浴で亜鉛めっきを施した後、必用に
応じて、クロメート処理、リン酸塩処理等の後処理を施
し、あるいは後処理を施さないで、所要の電気亜鉛めっ
き鋼板を製造する。したがって、めっき皮膜にNiを含有
することによる白色度の低下は、クロメート処理を施す
電気亜鉛めっき鋼板だけでなく、クロメート処理を施さ
ない電気亜鉛めっき鋼板の外観をも劣化させることにな
り、好ましくない。
【0011】本願発明は、前記事情を考慮したものであ
り、その目的は、原板の表面欠陥に起因するめっきムラ
が経時的に発生しない白色度に優れる電気亜鉛めっき鋼
板の製造方法を提案することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の手段
によって解決される
【0013】
【0014】
【0015】()めっき前処理の酸洗液にSn塩を添加
して、鋼板上にSnを0.1mg/m2以上10mg/m2未満析出させ
た後、酸性めっき液を用いて電気亜鉛めっきを施し、引
き続いてピロリン酸またはトリポリリン酸のいずれかま
たは両方を合わせて5〜50g/l含有する溶液にNiイオンま
たはCoイオンのいずれかまたは両方を合わせて0.005g/l
以上5g/l以下添加したpH8以上11未満の弱アルカリ性溶
液に接触させて、亜鉛めっき層の表面に金属Niまたは金
属Coのいずれかまたは両方を合わせて0.05mg/m2以上5mg
/m2以下析出させた後、クロメート処理を施すことを特
徴とする優れた外観を有する電気亜鉛めっき鋼板の製造
方法。
【0016】()前記()において、弱アルカリ性
溶液にNiイオンとCoイオンの両方を合わせて0.005g/l以
上0.3g/l未満添加して、亜鉛めっき層の表面に金属Niお
よび金属Coを合わせて0.05mg/m2以上0.3mg/m2未満析出
させたことを特徴とする優れた外観を有する電気亜鉛め
っき鋼板の製造方法。
【0017】()前記()または()において、
付着量が10g/m2以上40g/m2以下の電気亜鉛めっきを施す
ことを特徴とする優れた外観を有する電気亜鉛めっき鋼
板の製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】本願発明者らは先にめっき原板の
表面欠陥に起因するめっきムラに関して検討を行い、こ
のムラの原因が原板表面に濃化した極微量のカーボン、
シリカ、アルミナ、チタニア等にあることを見出した。
これらが濃化した部分に析出した亜鉛結晶は濃化してい
ない部分に析出した亜鉛結晶に比べて微細化しており、
外観差を生じてムラになることが判明した。
【0019】これらが濃化した部分で亜鉛結晶が微細化
する原因は明かでないが、これらの部分では濃化物によ
り電気抵抗が増加していることが予想され、これが亜鉛
イオンの還元反応、結晶核生成、結晶成長に影響を与え
ているものと考えられる。
【0020】このめっきムラの発生は、めっきに先立っ
て鋼板表面に極微量のSnを析出させることによって防止
できる。ムラが発生しなくなる機構としては、Snは亜鉛
に比べて極めて貴でありかつ鉄に対しても貴な金属であ
るために析出しやすく、偏析物が存在する表面にも存在
しない表面にも容易に析出して均一なSn析出層が形成さ
れ、結果的に亜鉛が析出する時の表面が均一になってム
ラが発生しないと考えられる。
【0021】前記微量Snの析出によるムラの発生防止
は、亜鉛めっきの前処理の酸洗液中にSn塩を添加するこ
とによって可能であり、現行の亜鉛めっき設備でそのま
ま製造でき、製造コストをほとんど引き上げないので、
コスト面でも有利である。
【0022】この場合、めっき前処理の酸洗液中に硫酸
Sn等のSn塩を添加し、鋼板表面にSnを0.1mg/m2以上10mg
/m2未満析出させた後に通常の亜鉛めっきを施せば、鋼
板表面にカーボン、シリカ、アルミナ、チタニア等の偏
析があってもめっき後やクロメート処理後のムラを生じ
ない。
【0023】さらに、めっき後の鋼板を少量のNiイオン
やCoイオンを添加したピロリン酸ナトリウム系溶液また
はトリポリリン酸ナトリウム系溶液に接触させることに
より、鋼板表面のカーボン、シリカ、アルミナ、チタニ
ア等の偏析に起因するムラが経時的に発生しなくなる。
【0024】ここで、経時的にムラが発生する現象は亜
鉛表面の腐食現象だと考えられるので、その抑制は亜鉛
表面の改質で行えるであろうと考えた。
【0025】また、Ni、Coがめっき皮膜中に含有される
とその耐食性が改善されることから、亜鉛表面にのみN
i、Coを析出させることにより、ムラ発生を防止できる
のではないかと考えた。この場合には、めっき結晶形態
にはあまり影響を及ぼさないため、めっき浴中にNiを添
加してめっき皮膜中にNi、Coを析出させる場合のような
結晶微細化による白色度の大きな低下が起こらないこと
が期待できる。
【0026】従って、いずれの処理方法によってでも、
亜鉛表面にNi、Coを析出させさえすれば白色度をあまり
低下させずにムラ発生を防止できると考えたが、実際に
は限られた処理条件でのみムラ発生の防止が可能であっ
た。
【0027】本願発明者等は、亜鉛めっき表面にNi、Co
を析出させる方法に関して鋭意検討を重ねた結果、ムラ
発生防止に有効なNi、Coの析出はピロリン酸ナトリウム
系溶液またはトリポリリン酸ナトリウム系溶液あるいは
これらの混合溶液で可能であることを発見した。
【0028】周知のようにNi、Coは両性金属であり、N
i、Coイオンは酸性またはアルカリ性溶液中でより大き
い溶解度を持つ。したがって、酸性またはアルカリ性溶
液を用いてNi、Coの析出処理を行うのが定法である。本
願発明者らも酸性浴から亜鉛めっき上へNi、Coを析出さ
せる試みを行ったところ、Ni、Coの析出が確認された。
しかしながら、酸性浴からNi、Coを析出させた場合には
その後のクロメート処理の付着量が極端に低下し、ま
た、ムラ発生を防止する効果も不十分であった。一方、
強アルカリ浴、例えば水酸化ナトリウム系溶液からは充
分な量のNi、Coの析出が得られなかった。
【0029】そこで、本願発明者等は、中性から弱アル
カリ性の処理浴を用いてNi、Coを析出させる検討を行っ
た。従来、このpH領域ではNi、Coイオンをほとんど溶解
できないと考えられていたため検討対象になっていなか
った。しかしながら、本願発明者等は、このpH領域でも
ピロリン酸ナトリウム系溶液またはトリポリリン酸ナト
リウム系溶液あるいはこれらの混合溶液にはかなり高濃
度のNi、Coイオンを溶解できることを見出した。
【0030】さらに、この溶液に亜鉛めっき鋼板を接触
させると、その表面にNi、Coが析出し、クロメート処理
後のムラ発生を大きく改善できることを見出した。
【0031】さらに、以上で示した、めっき前処理の酸
洗液にSn塩を添加し、鋼板表面にSnを析出させる処理と
めっき後の鋼板をNiイオンやCoイオンを添加した弱アル
カリ性溶液に接触させて、その表面にNiやCoを析出させ
る処理を併用すると、原板の表面欠陥に起因するムラが
経時的に発生せず、かつ白色度に優れる電気亜鉛めっき
鋼板が得られることを見出した。
【0032】本願発明は、この知見に基くものである。
以下、本願発明の詳細を述べる。めっき前処理の酸洗で
の鋼板表面へのSn析出量は0.1mg/m2以上10mg/m2未満に
する必要がある。0.1mg/m2未満の析出量ではムラの発生
防止効果が不充分であり、一方、10mg/m2以上の析出量
では逆にSnの過剰析出に起因すると思われる不均一な外
観を生じるためである。
【0033】前記したSn析出量を得るには、酸洗液中の
Sn濃度を制御する必要があるが、Sn析出量は、酸濃度、
処理時間、処理温度等の影響を受けるので、これらの条
件を考慮して酸洗液中のSn濃度、すなわちSn塩の添加量
を決定すればよい。例えば、一般的な酸洗条件(硫酸10
0g/l、5秒浸漬処理、30℃)で、0.1mg/m2以上10mg/m2
満のSn析出量を得る酸洗液への硫酸Sn添加量は0.1〜20g
/lであった。ここで、Snの効果はSnイオン(II価)によ
るものであり、酸洗液中でSnイオン(II価)になる化合
物、例えば塩化Sn等も硫酸Snと同じ効果を有すると考え
られる。
【0034】酸洗液は硫酸液が望ましい。硫酸濃度は特
に制限されず、一般に用いられる15〜100g/lの濃度でSn
の析出効果が確認された。また、酸洗液中に、鋼板から
溶解した鉄が徐々に増加していくが、Snの析出効果は20
g/lの鉄濃度まで確認された。
【0035】酸洗は、浸漬処理、電解処理のいずれも可
能である。鋼板の連続電気めっき設備で通常行われる電
解酸洗では、いわゆるグリッド通電といわれる通電方式
が適用されることが多い。この通電方式で電解酸洗する
場合、電極が交互にアノード、カソードになり、カソー
ドになった電極上にSnが析出する。Snの析出量が多くな
ると、析出したSnが電極から剥離して鋼板とロールの間
に巻き込まれて、押し傷を作り、また通電ロールでスパ
ークを誘発する。従って、グリッド通電では、カソード
になった電極上に析出したSnが剥離する前に、極性をア
ノードに切り替えて電極上に析出したSnを溶解してやる
必要があり、極性切り替を短時間で行う必要がある。
【0036】亜鉛めっき浴としては、硫酸浴、塩化物
浴、あるいはこれらの混合浴で、酸洗液へのSnの析出効
果が確認されたが、前記効果は亜鉛結晶成長への影響で
あることを考慮すると他の亜鉛めっき浴を使用した場合
にも同様な効果が予想される。
【0037】めっき電流密度は特に制約されず、一般に
鋼板の電気亜鉛めっきの工業生産で採用されている30〜
150A/dm2の電流密度はもちろん、更に高い電流密度、例
えば200A/dm2でもムラ発生防止・白色度向上効果が得ら
れる。
【0038】適用可能なめっき温度は特に制限されず、
一般に鋼板の電気亜鉛めっきとして適用される40〜60℃
で本願発明の効果が確認された。
【0039】また、めっき付着量は特に限定されず、一
般に電気亜鉛めっきとして適用される付着量である10〜
40g/m2の付着量範囲で本願発明の効果が確認された。
【0040】処理液としてはピロリン酸塩またはトリポ
リリン酸塩を主成分とする弱アルカリ性溶液に限定され
る。前記成分のいずれか一方あるいは両方を含んでいて
もよい。具体的にはこれらのナトリウム塩でムラ発生防
止効果が確認されたが、例えばこれらのカリウム塩等で
も同様な効果が予想される。前記溶液において、ピロリ
ン酸またはトリポリリン酸の濃度を5〜50g/lとしたの
は、5g/l未満ではめっき表面の亜鉛酸化膜を溶解する作
用が少なくなり、Ni、Co析出量が不十分になり、またN
i、Coイオンを溶解する作用が弱くなるためであり、一
方、50g/lを越えると上記作用効果が飽和し、経済的に
も好ましくない。また、この処理の後には水洗で処理液
を除去する必要があるが、ピロリン酸ナトリウム系溶液
またはトリポリリン酸ナトリウム系溶液の濃度が50g/l
を越えるとその除去が困難になるためである。
【0041】市販されているピロリン酸ナトリウム系溶
液(脱脂剤)に、日本パーカライジング社製のCL342が
ある。この溶液を使用する場合は、CL342薬液濃度を5〜
50g/lにすればよい。
【0042】pHは8以上11未満に限定する。pHはピロリ
ン酸ナトリウム系溶液またはトリポリリン酸ナトリウム
系溶液の添加量とNi、Co添加量で決まり、特に酸・アル
カリを添加しなければpHは8〜11の範囲になる。酸・ア
ルカリを添加した場合、pHが8未満になるとNi、Co化合
物と考えられる沈殿を生成し、逆にpHが11以上になると
Ni、Coが析出する効果が現れなくなるので、上記のよう
に限定した。pHが11以上になるとNi、Coが析出する効果
が現れなくなる原因は明らかではないが、Niイオン、Co
イオンが安定化して亜鉛表面に析出しなくなるためと考
えられる。
【0043】Ni、Co析出量を合わせて0.05mg/m2以上5mg
/m2以下に限定したのは、充分なムラ発生防止効果が現
れるには、Ni、Co析出量は0.05mg/m2以上必要である
が、5mg/m2を越えて析出させてもムラ発生防止効果が飽
和し、逆に耐食性や白色度が大きく低下するためであ
る。Ni、Coは、それぞれを単独に析出させてもよいし、
両方を析出させてもよい。前記析出量が0.3mg/m2未満の
場合、クロメート処理後の外観の劣化(白色度の低下)
が特に少ないためより好ましい。
【0044】Ni、Co塩の添加量は前述の析出量が得られ
る添加量にする必要がある。Ni、Co塩の添加量の上限を
5g/lとしたのは、この濃度を越えるとNi、Co化合物と考
えられる沈殿を生成するからである。また、Ni、Co塩の
添加量の下限を0.005g/lとしたのは、この濃度を下回る
と、ムラ発生防止に必用なNi、Co析出量を確保できない
ためである。 Ni、Co塩の添加は、いずれか一方でもよ
いし、両方を添加してもよい。前記濃度が0.3g/l未満の
場合、クロメート処理後の外観の劣化(白色度の低下)
が特に少ないためより好ましい。
【0045】
【実施例】(実施例1)原板表面にカーボン、シリカ、
アルミナ、チタニア等の偏析があり、通常の亜鉛めっき
を行うと線状のムラを生じる冷延鋼板を、通常の方法で
脱脂した後、表1に示す酸洗条件およびめっき浴組成と
めっき条件で、酸洗処理し、次いで20g/m2の付着量にな
るように亜鉛めっきを行った。その後、順次Ni、Coイオ
ンを含む弱アルカリ性溶液でNi、Co析出処理、クロメー
ト処理(クロム付着量が10〜20mg/m2の反応型クロメー
ト処理後樹脂膜厚が1.5〜2.0μmの薄膜型有機樹脂塗布
処理)を行い、Sn析出量、Ni、Co析出量の異なるクロメ
ート処理電気亜鉛めっき鋼板を得た。
【0046】具体的な酸洗条件、Sn析出量およびNi、Co
析出処理条件、Ni、Co析出量を表2と表3に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】前記で得た電気亜鉛めっき鋼板について、
経時的な表面変化を評価するために、供試材を積み重ね
た状態で、50℃、95%RHの条件の湿潤試験を60日間行っ
た。クロメート処理後および湿潤試験後の表面を目視観
察して、線状ムラ発生有無を評価した。評価結果を表2
と表3に併せて記載した。
【0051】また、クロメート処理後の白色度をJIS-Z8
722に規定されている方法(条件d、ハンター方式)で
測定した明度指数L値で評価した。評価結果を表4に示す
基準で判定した。
【0052】
【表4】
【0053】表2、表3に示したように、発明例1〜1
8はいづれもクロメート処理後、湿潤試験後のムラ発生
が無く、Ni、Co処理によるクロメート処理後の白色度低
下も許容範囲内であった。特に、Ni、Co添加量が0.3g/l
未満で、Ni、Co析出量が0.3mg/m2未満の場合には白色度
の低下量が1ポイント未満と良好であった。
【0054】一方、比較例1、2は、酸洗液にSn塩の添
加がなく、Ni、Co処理を行っていない場合であり、クロ
メート処理後に原板性のムラが認められ、湿潤試験後に
はそのムラがより鮮明になった。
【0055】比較例3は、酸洗液にSn塩が添加されてい
るのでクロメート処理後にはムラは認められかったが、
めっき後のNi、Co析出処理を行っていないので湿潤試験
後にはムラが発生した。
【0056】比較例4は、酸洗液にSn塩が添加されてい
ないのでクロメート処理後にはムラが認められ、Ni、Co
析出処理を行っても湿潤後にもムラが認められた。
【0057】比較例5は、酸洗液にSn塩を添加し、Ni、
Co処理を行っているのでクロメート処理後および湿潤試
験後にムラは発生しなかったが、Ni添加量が多すぎたた
め、クロメート処理後の白色度が低かった。
【0058】比較例6は、酸洗液にSn塩を添加し、Ni、
Co処理のNi濃度が低い場合であり、クロメート処理後は
ムラは認められなかったものの、湿潤試験後にはムラが
発生した。
【0059】比較例7は、酸洗液へのSn塩の添加量が多
く、Sn析出量が多すぎた場合であり、原板性のムラは認
められなかったものの、非原板性でSn析出によると思わ
れる雲状ムラが発生した。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、原板の表面欠陥に起因
するムラが、経時的にも発生せず、白色度に優れたクロ
メート処理電気亜鉛めっき鋼板を得ることができる。
【0061】また、通常の亜鉛めっき浴を使用するので
クロメート処理以外の処理を行う電気亜鉛めっき鋼板の
品質、操業性を損なうことがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−200789(JP,A) 特開 昭59−177381(JP,A) 特開 平8−218195(JP,A) 特開 平8−41679(JP,A) 特開 平4−350174(JP,A) 特開 平4−325664(JP,A) 特開 平1−149974(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 5/26 C25D 5/36 C25D 5/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めっき前処理の酸洗液にSn塩を添加し
    て、鋼板上にSnを0.1mg/m2以上10mg/m2未満析出させた
    後、酸性めっき液を用いて電気亜鉛めっきを施し、引き
    続いてピロリン酸またはトリポリリン酸のいずれかまた
    は両方を合わせて5〜50g/l含有する溶液にNiイオンまた
    はCoイオンのいずれかまたは両方を合わせて0.005g/l以
    上5g/l以下添加したpH8以上11未満の弱アルカリ性溶液
    に接触させて、亜鉛めっき層の表面に金属Niまたは金属
    Coのいずれかまたは両方を合わせて0.05mg/m2以上5mg/m
    2以下析出させた後、クロメート処理を施すことを特徴
    とする優れた外観を有する電気亜鉛めっき鋼板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 弱アルカリ性溶液にNiイオンとCoイオン
    の両方を合わせて0.005g/l以上0.3g/l未満添加して、亜
    鉛めっき層の表面に金属Niおよび金属Coを合わせて0.05
    mg/m2以上0.3mg/m2未満析出させたことを特徴とする請
    求項に記載の優れた外観を有する電気亜鉛めっき鋼板
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 付着量が10g/m2以上40g/m2以下の電気亜
    鉛めっきを施すことを特徴とする請求項または請求項
    に記載の優れた外観を有する電気亜鉛めっき鋼板の製
    造方法。
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