JP3136693B2 - 耐食性および溶接性に優れた電解クロメート処理鋼板の製造方法 - Google Patents

耐食性および溶接性に優れた電解クロメート処理鋼板の製造方法

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JP3136693B2 JP03254453A JP25445391A JP3136693B2 JP 3136693 B2 JP3136693 B2 JP 3136693B2 JP 03254453 A JP03254453 A JP 03254453A JP 25445391 A JP25445391 A JP 25445391A JP 3136693 B2 JP3136693 B2 JP 3136693B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鋼板の表面上の第1
層としての金属クロム層上に金属錫およびクロム酸化物
からなる第2層が形成された耐食性および溶接性に優れ
た電解クロメート処理鋼板、あるいは、更に、前記第2
層の表面上に、金属クロムと水和クロム酸化物とからな
るクロメート被膜が形成された耐食性および溶接性に優
れた電解クロメート処理鋼板の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】鋼板の表面上に、下層としての金属クロ
ム層と、上層としてのクロム酸化物を主体とするクロム
水和酸化物層とからなる被膜が形成された電解クロメー
ト処理鋼板は、ブリキに比べて安価であることから、飲
料等の食缶、ペール缶、18リットル缶、オイル缶等の缶
用材料として、広い分野において、使用されている。従
来、この種の鋼板を用いる缶材は、主に、絞り加工によ
る2ピース缶、および、有機樹脂あるいは特殊セメント
を用いる接着缶(3ピース缶)として実用化されている
が、溶接缶としての利用割合は非常に小さい。その理由
は、電解クロメート処理鋼板が極めて溶接性に劣るため
である。その原因は、次の通りである。即ち、めっき層
を形成する、下層としての金属クロム層および上層とし
てのクロム水和酸化物層の非導電性および非伝熱性のた
めに、溶接電流によって発生する熱の発熱形態が不均一
となり、鋼が局部的に発熱し、チリ、ブローホール等の
溶接欠陥が生じ易いからである。
【0003】このため、従来は、敢えて通常の電解クロ
メート処理鋼板を溶接するような場合には、溶接部とな
るクロメート処理被膜を研磨除去してから溶接するとい
う煩雑な方法を採っていた。しかしながら、近年、強度
および信頼性の高い溶接缶の需要が高まっていることか
ら、電解クロメート処理鋼板の溶接性の向上が要求さ
れ、被膜を研磨除去しないで溶接できる電解クロメート
処理鋼板の開発が望まれている。
【0004】電解クロメート処理鋼板の溶接性の向上を
狙った従来技術の1つとして、特公昭63−35718 号公報
および特開昭60−262975号公報に代表されるような、金
属クロム層上に錫を被覆させ、溶接性の向上を図ったも
のがある。しかし、これら先行技術は、金属クロム層上
に錫を被覆させるために、特殊な前処理または錫めっき
を施すため、錫の下層である金属クロムの均一性が欠
け、耐食性が劣る傾向にあり、さらに、錫層上にクロメ
ート処理を行うことが必須条件であった。この耐食性の
低下は、錫めっき量を多めに付着させることによっても
補うことは可能ではあるが、安価な材料を開発目標にし
ている思想に反するばかりでなく、耐糸状錆び性に対し
ては、効果がなく、逆に糸状錆びが発生し易くなるとい
う問題を抱えていた。
【0005】そこで、本発明者等は、これら問題点を解
決すべく研究を重ね、既に、特願平1−104258号「耐食
性および溶接性に優れた電解クロメート処理鋼板および
その製造方法」に示したような、新規な素材ならびにそ
の製造方法の発明に到った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特願平1−104258号のような、第1層としての金属クロ
ム層の表面上に錫ならびにクロム酸化物からなる第2層
としてのめっき層を形成した新規な素材の製造におい
て、金属クロム層上の、錫ならびにクロム酸化物からな
るめっき層の良好な密着性、あるいは、むらの無い良好
な外観が、安定性良く得られないという問題がある。ま
た、このような錫ならびにクロム酸化物からなるめっき
を行うためのめっき浴中では、めっき電解中に錫スラッ
ジ(錫の酸化沈澱物)の生成が早く、その結果として浴
劣化が早まり、めっきの安定操業を損なうという問題も
残されている。
【0007】電気クロムめっきによって形成された金属
クロムめっき層の表面には、常にクロム水和酸化物が存
在することから、電気クロムめっき後、更に異種の金属
めっきを施す場合、このクロム水和酸化物の存在のため
に、密着性が良く、外観も良好な異種金属めっき層が得
られないことが知られている。そこで、例えば、金属ク
ロムめっき層の表面上に錫めっきを行う場合は、特公昭
63−35718 号公報および特開昭61−130500号公報に開示
されているように、錫めっき液中の錫含有量(錫濃度)
を通常濃度より低下させたり、あるいは、酸性度を上げ
ることにより、錫の電解効率を落として電気錫めっきを
行い、その結果、錫めっき時に多量の水素ガスがクロム
めっき表面上で発生し、その水素ガスによって金属クロ
ム表面上の水和クロム酸化物が除去されて表面が活性化
されると同時に錫めっきが行われ、密着性に優れた錫め
っき被膜を得るというような特殊な処理が必要である。
【0008】この発明の電解クロメート処理鋼板の製造
においても、前記類似先行技術の金属クロム上への錫め
っき方法の場合と考え方を同じくして、金属クロム上の
第2層めっきを行う際に、多量の水素ガスをめっきと同
時に発生させればよい。しかし、確かに、このような公
知の技術思想により、第2層のめっき密着性は改善され
るが、むらの無い外観が良好な表面を安定して得られな
い。
【0009】従って、この発明の目的は、金属クロムめ
っき層の表面上に、錫およびクロム酸化物からなるめっ
き層を有する、耐食性および溶接性に優れた電解クロメ
ート処理鋼板の製造において、密着性の良好な、且つ、
むらの無い外観の良好な錫およびクロム酸化物からなる
めっき層が得られ、同時に錫およびクロム酸化物からな
るめっきを行うめっき浴中の錫スラッジ(錫の酸化沈澱
物)の生成を抑制できる方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
問題にからみ、鋼板の表面上に第1層としての金属クロ
ム層と第2層としての錫およびクロム酸化物からなるめ
っき層を有する電解クロメート処理鋼板を製造するにあ
たり、第2層のめっきの密着性不良あるいはむらの発生
原因、ならびに第2層めっき浴中の錫スラッジ生成原因
について鋭意研究を重ねた。その結果、次の知見を得
た。 密着性不良は、金属クロム上のクロム酸化物が十分
取り除かれていないことに起因しており、第2層めっき
時に同時に水素ガスを多量に発生させれば改善される。
しかし、むらは、この水素ガスの発生に起因しており、
即ち、処理鋼板表面からの水素ガスの離脱性が関係して
おり、処理鋼板界面の攪拌を促進し、発生する水素ガス
の離脱を加速させてやらなければ、むらは解消されな
い。 錫スラッジ(錫の酸化沈澱物)の生成には、通常の
錫めっきの際と同じく、錫ならびにクロム混合めっき浴
中の溶存酸素、あるいは、めっき電極(アノード)上で
発生する酸素による液相酸化、ならびに、めっき電極上
での直接酸化が少なからず関与し、更に、本処理方法に
おいては、錫イオンと同時に存在するクロムが、錫の酸
化に関与している。
【0011】この発明は、上述の知見に基づいてなされ
たものであって、鋼板上の第1層としての金属クロム層
の表面上に、金属錫ならびにクロム酸化物からなる第2
層が形成された耐食性および溶接性に優れた電解クロメ
ート処理鋼板あるいは、更に、前記第2層の表面上に、
金属クロム層および水和クロム酸化物とからなるクロメ
ート被膜が形成された耐食性および溶接性に優れた電解
クロメート処理鋼板に関して、第2層めっき層の密着性
の改善、むらの防止、ならびに、第2層を形成するため
のめっき浴中のスラッジ抑制を同時に可能ならしめる新
規な製造方法の発明である。
【0012】第1の発明は、鋼板に電気クロムめっきを
施して前記鋼板の少なくとも一方の表面上に30から300m
g/ m2 の範囲内の付着量の金属クロムからなる第1層を
形成し、次いで、前記第1層が形成された鋼板を水洗
し、次いで、水洗後直ちに、前記第1層が形成された鋼
板に対して、5 から50g/l の範囲内の硫酸クロムおよび
3 から15g/l の範囲内の錫(Sn)イオンを含有し、硫酸換
算で45から120 g/l の範囲内の酸濃度の水溶液中におい
て、50A/dm2 超150A/dm 2 以下の範囲内の電流密度によ
って陰極電解処理を施すことにより、前記第1層の表面
上に、金属錫換算で(1000/X)+50から(30000/X) +50mg
/m2 ( 但し、X は、前記第1層中の金属クロム付着量で
ある)の範囲内の付着量の錫およびクロム換算で2から
30mg/ m2 の範囲内の付着量のクロム酸化物からなる第
2層を形成することにより、前記水溶液からなるめっき
浴の劣化を抑制するとともに、前記第1層の表面上に、
密着性に優れ、むらのない良好な表面外観を有する前記
第2層を形成することに特徴を有するものである。第2
の発明は、前記第2層の表面上に、1から30mg/m2 の範
囲内の付着量の水和酸化物からなるクロメート被膜を形
成することに特徴を有するものである。第3の発明は、
前記第2層の表面上に、3から30mg/m2 の範囲内の付着
量の金属クロム層を形成し、次いで、前記金属クロム層
の表面上に、1から30mg/m2 の範囲内の付着量の水和酸
化物からなるクロメート被膜を形成することに特徴を有
するものである。第4の発明は、前記水溶液中に、ナフ
チル基にオキシエチレン鎖の付加したノニオン系界面活
性剤を1 〜8 g/l 含有させることに特徴を有するもので
ある。
【0013】以下、この発明を具体的に説明する。この
発明では、まず、鋼板の表面に電気クロムめっきを行
う。電気クロムめっきを行う鋼板は特に限定されない
が、通常は、冷間圧延された冷延鋼板を用いればよい。
また、電気クロムめっき前の前処理方法は、用いられる
鋼板の表面状態によって任意に決定すればよく、必要に
応じて種々の処理を行って構わない。
【0014】電気クロムめっき方法は、特定の処理方法
に制限するものではなく、従来より公知のクロムめっき
浴、めっき方法を用いればよい。即ち、無水クロム酸あ
るいはクロム酸塩の1種または2種以上を主体として、
それに助剤として、硫酸、硫酸塩、フッ化物のうち1種
または2種以上を含むクロムめっき液で、鋼板を陰極と
して、所定量のクロムが付着するように電解すればよ
い。
【0015】電気クロムめっきの電解電流密度は、とく
に限定するものではないが、好ましくは70A/dm2 以上で
行ったほうが良い。これは、次の理由からである。即
ち、第2層としてのめっき層の密着性が良く、均一なめ
っき(むらの無い第2層めっき)を行うために、第2層
めっき処理に供されるクロムめっき鋼板表層の水和クロ
ム酸化物の量は、出来るだけ少なくした方が良い。その
ためには、クロムめっき終了時点において、不可避的に
存在する水和クロム酸化物の量を、最低レベルにまで抑
えることができれば、より有効である。公知のクロムめ
っき技術において、水和クロム酸化物の量を抑える方法
は種々知られているが、70A/dm2 以上の電流密度におい
て電気クロムめっきを行う方法によっても、不可避的に
存在する水和クロム酸化物の量を、最低レベルにまで落
とすことができる。また、70A/dm2 以上の高電流密度で
処理すれば、クロムめっき設備の短縮化も図られるとい
う付随的効果も期待できる。
【0016】電気クロムめっきの金属クロムの形態につ
いては、なんら規定するものではなく、粒状金属クロ
ム、板状金属クロムを含むものである。従って、前記電
気クロムめっき処理直前、または、その途中に処理鋼板
を陽極とする逆電解処理を施して、意識的に粒状金属ク
ロムを形成させても何等差し支えない。
【0017】金属クロムの付着量は、30から300mg/m 2
の範囲内に限定すべきである。金属クロム付着量が30mg
/m2 未満では、後述する錫の合金化抑制効果が十分に現
れず、しかも、溶接性を付与するために存在させる金属
錫が多量に必要となり、塗装焼付け条件によっては、糸
状錆び性が低下するなど耐食性に問題が生ずる。一方、
金属クロム付着量が300mg/m 2 を超えても、錫の合金化
抑制効果は向上せず、コスト高となる。
【0018】このように、電気クロムめっきを行った
後、続いて、十分な水洗洗浄処理を行い、表面を乾かす
ことなく、引き続き、5 から50g/l の範囲内の硫酸クロ
ムおよび3 から15g/l の範囲内の錫(Sn)イオンを含有
し、硫酸換算で45から120g/lの範囲の水溶液中におい
て、50A/dm2 超150A/ dm2以下の範囲内の電流密度で前
記鋼板に陰極電解処理を施して所定量の錫および所定量
のクロム酸化物からなる第2層めっきを行う。クロムメ
ッキ後の水洗は、金属クロム表面のむらを無くすために
も十分に行ったほうがよい。また、水洗水の温度は50℃
以下が良く、好ましくは30℃以下である。これは、電気
めっき時の鋼板のジュール熱、あるいは水洗水温度のた
めに、電気クロムメッキ表面温度が上昇し、後の第2層
メッキの際に表層の水和クロム酸化物が除去しにくくな
る方向に、その構造を変化させないために有効である。
【0019】クロム上へのクロム酸化物を含む錫めっき
には、めっきの際に、水素ガスを発生させ、このガスに
より水和酸化物を除去しながら同時にめっきするという
方法が有効であるが、表面外観が不安定であったり、ス
ラッジ生成による第2層めっき液の劣化が問題であっ
た。本発明者等は、これら問題解決策について検討を続
けた結果、第2層めっき液の劣化を防止するとともに、
同時に安定して良好なめっき外観が得られる第2層めっ
き方法を新規に見出した。
【0020】この発明の第2層めっき液中の硫酸クロム
含有量(硫酸クロム濃度)は、5から50g/l の範囲内で
ある。硫酸クロム含有量が5g/l未満では、クロム酸化
物が生成されず、錫の析出も粉状になる。一方、硫酸ク
ロム含有量が50g/l を超えると、鋼板の表面色調がやや
青白くなるだけで性能的に問題ないが、経済的でない。
【0021】この発明の第2層めっき液中の錫イオン含
有量(錫イオン濃度)は、3から15g/l 、好ましくは、
3から8g/l の範囲内とすべきである。錫イオン含有量
が3g/l 未満では、錫の電解効率が極端に低下し、非効
率的であると同時に、錫イオン濃度管理も難しくなり、
好ましくない。一方、錫イオン含有量が15g/l を超える
と、析出する錫が粉状になり、密着性および外観が極端
に悪くなる。用いられる錫イオンの供給は、特定の錫化
合物に限定されず、酸化第1錫、塩化錫、硫酸錫、ホウ
フッ化錫、あるいは、その他の錫化合物が使用できる。
【0022】この発明の錫めっき液中の酸濃度は、硫酸
換算で45g/l以上、好ましくは60g/l 以上とすべきであ
る。酸濃度が硫酸換算で45g/l 未満では、第2層めっき
液中のスラッジ生成速度が早くなり、めっき液の劣化が
早まり、第2層めっきの連続処理性が悪化すると同時に
処理コストもアップする。一方、酸濃度が硫酸換算で45
g/l 以上では、スラッジの生成が抑制され、連続的に安
定した第2層めっき処理が可能である。スラッジは、め
っき液中の錫イオン (Sn2+) が酸化されて(Sn4+) 錫酸
化物として沈澱を起こした白色系の微粒子である。これ
が、めっき液中に多量に存在すると、時として、鋼板表
面への付着を生じ、めっき表面の押し疵、あるいは電気
給電部におけるアークスポット欠陥の原因となる。特
に、この発明の第2層めっき液中には、硫酸クロム添加
によるクロムイオンが混入するが、このクロムイオンが
何らかの作用をし、スラッジ生成を促進することが分か
った。従って、金属クロム層上へのクロム酸化物含有錫
めっき処理の場合、密着性良好な、外観性に優れためっ
きを行うと同時に、めっき処理時のスラッジ生成を抑え
ることが重要となる。この発明のように酸濃度を硫酸換
算で45g/l 以上にすると、スラッジ生成が抑制される
が、これは、錫酸化物の溶解度が増加して、錫イオンと
して錫めっき液中に存在しやすくなるためと考えられ
る。また、酸濃度の上限は120g/lとする。酸濃度が高く
なりすぎると、腐食性が増し、めっき装置の劣化を早め
ることが予想される。
【0023】第2層めっきの陰極電流密度は、50A/dm2
超150A/dm 2 以下とすべきである。電流密度が50A/dm2
以下では、単位時間当たりの水素ガス発生量が少なく、
発生した水素ガスによる鋼板表面の攪拌が不十分とな
り、水素ガスの鋼板表面からの離脱が遅れるのと同時
に、水和クロム酸化物の除去も不十分となり、部分的な
錫めっき密着不良および部分的錫めっき付着量の差が生
じることによるめっきむらが発生し、安定して外観良好
な第2層めっきが得られない。50A/dm2超の電流密度で
処理することにより、上記問題が解決され、良好な外観
が得られる。一方、電流密度が150A/dm 2 を超えると、
水素ガス発生量が多くなり過ぎて錫の電着が妨げられ
る。
【0024】第2層のめっき浴温度は、30から50℃の範
囲内で任意に設定するのが望ましい。
【0025】この発明の第2層めっき中の錫付着量は、
金属錫換算で、(1000/X)+50mg/m2 から(30000/X) +50
mg/m2 の範囲内である。錫付着量が、金属錫換算で、(1
000/X)+50mg/m2 未満では、塗装焼付け時の熱によっ
て、金属錫と鋼との合金が形成され、この結果、金属錫
が減少して、溶接性が不十分となる。一方、錫付着量
が、金属錫換算で、(30000/X) +50mg/m2 を超えると、
金属錫が必要以上に残り、経済的に不利である。このよ
うな理由から、第2層めっき中の錫付着量が限定されて
いる。また、第2層中のクロム酸化物付着量は、クロム
換算で、1から30mg/m2 の範囲内とすべきである。クロ
ム酸化物付着量がクロム換算で1mg/m2 未満では、耐食
性が低下する。一方、クロム酸化物付着量がクロム換算
で30mg/m2 を超えると、溶接性が低下する。
【0026】上述した方法によって得られた電解クロメ
ート処理鋼板の塗装加工後の耐食性をさらに向上させる
ためには、第2層の表面上に、1から30mg/m2 の水和ク
ロム酸化物からなるクロメート被膜を形成させても良
い。または、第2層の表面上に公知のクロメート処理を
さらに施して3から30mg/m2 の金属クロムを形成し、さ
らにその上に1から30mg/m2 の水和クロム酸化物からな
るクロメート被膜を形成させても良い。また、同様の目
的のために、次の処理を施してもよい。即ち、0.2 から
5.0g/lの6価のクロムを含む水溶液および/または0.3
から10g/l のポリアクリル酸、アクリルニトリルとイタ
コン酸の共重合体を含む水溶液中に、第1層および第2
層を形成した鋼板を浸漬し、次いで、鋼板に付着した水
溶液を乾燥させる方法である。6価のクロム濃度を、上
述した範囲に限定した理由は、0.2g/l未満では、耐食性
に及ぼす効果が少なく、一方、5.0g/lを超えると塗料密
着性が悪くなるからである。水溶性の樹脂(ポリアクリ
ル酸、アクリルニトリルとイタコン酸の共重合体を含む
水溶液)の含有量(濃度)を、上述した範囲に限定した
理由は、0.3 g/l 未満では、所望の効果が得られず、一
方10g/l を超えると効果が飽和するばかりでなく経済的
でないからである。
【0027】この発明においては、更に、光沢のある金
属クロム上のクロム酸化物含有錫めっき層を得るため
に、第2層めっき浴の水溶液中にナフチル基にオキシエ
チレン鎖( [CH2 CH2 O −] n )の付加したノニオン系
界面活性剤を、1 〜8 g/l 含有させると良い。界面活性
剤には、多くの種類があるが、この発明においては、ナ
フチル基にオキシエチレン鎖が付加した構造のノニオン
系界面活性剤のみが有効であり、光沢があってむらのな
い外観良好な錫めっきが安定して得られる。原因は不明
確であるが、ナフチル基にオキシエチレン鎖の付加した
構造で、さらに、ナフチル基がスルホン化された構造を
有するイオン系界面活性剤では、安定して外観良好な錫
めっきは得られない。更に、この発明の界面活性剤の含
有量は、1から8g/l とすべきである。界面活性剤の含
有量が、1g/l 未満では、光沢剤の効果が現れず、光沢
のある錫めっきが得られない。一方、含有量が8g/l を
超えると、錫めっき電解効率が急激に減少し、経済的に
不利である。
【0028】
【実施例】次に、この発明を実施例および比較例によっ
て、更に詳しく説明する。 〔実施例1〕板厚0.22mmの冷延鋼板に、通常の条件で脱
脂、酸洗を施し、次いで、水洗し、次いで、175g/lの無
水クロム酸に、5g/lのケイフッ化ナトリウムおよび1g
/lの硫酸ナトリウムを添加した、公知のクロムメッキ液
中で、鋼板に、100A/dm 2 の電流密度で陰極電解処理を
施して、100mg/m 2 の金属クロムの第1層を鋼板の表面
上に形成した。その後、20g/l の硫酸クロムおよび8g/
l の硫酸第1錫を添加した60g/l 硫酸溶液中で、鋼板に
45℃、60A/dm 2の条件下で陰極電解処理を施して、150m
g/m 2 の錫および6mg/m 2 のクロム酸化物からなる第
2層を形成し、この発明の範囲内の鋼板の供試体を調製
した。
【0029】〔実施例2〕板厚0.22mmの冷延鋼板に、通
常の条件で脱脂、酸洗を施し、次いで、水洗し、次い
で、175g/lの無水クロム酸に、5g/l のケイフッ化ナト
リウムおよび1g/lの硫酸ナトリウムを添加した、公知
のクロムメッキ液中で、鋼板に、50A/dm 2の電流密度で
陰極電解処理を施して、80 mg/m 2 の金属クロムの第1
層を鋼板の表面上に形成した。その後、15g/l の硫酸ク
ロムおよび8g/l の硫酸第1錫、更に、2g/l の6エト
キシレートαナフトールを添加した60g/l 硫酸溶液中
で、鋼板に45℃、80A/dm 2の条件下で陰極電解処理を施
して、130mg/m 2 の錫および5mg/m 2のクロム酸化物か
らなる第2層を第1層上に形成した。次いで、このよう
にして、第1層および第2層が形成された鋼板を、20g/
l の重クロム酸ナトリウムの水溶液中に1秒間浸漬し、
鋼板に付着した水溶液を乾燥させて、第2層上に3mg/m
2 の水和クロム酸化物の第3層を形成し、この発明の
範囲内の鋼板の供試体を調製した。
【0030】〔実施例3〕板厚0.22mmの冷延鋼板に、通
常の条件で脱脂、酸洗を施し、次いで、水洗し、次い
で、175g/lの無水クロム酸に、5g/l のケイフッ化ナト
リウムおよび1g/lの硫酸ナトリウムを添加した、公知
のクロムメッキ液中で、鋼板に、30A/dm 2の電流密度で
陰極電解処理を施して、120mg/m 2 の金属クロムの第1
層を鋼板の表面上に形成した。その後、15g/l の硫酸ク
ロムおよび10g/l の酸化第1錫、更に、5g/l の6エト
キシレートαナフトールを添加した50g/l 硫酸溶液中
で、鋼板に40℃、100A/dm 2 の条件下で陰極電解処理を
施して、500mg/m 2 の錫および3mg/m 2 のクロム酸化
物からなる第2層を第1層上に形成した。次いで、この
ようにして、第1層および第2層が形成された鋼板を20
g/l の重クロム酸ナトリウムの水溶液中で40℃、5A/dm
2 の条件下で陰極電解処理を施して、第2層上に6mg
/m 2の水和クロム酸化物の第3層を形成し、この発明の
範囲内の鋼板の供試体を調製した。
【0031】〔実施例4〕板厚0.22mmの冷延鋼板に、通
常の条件で脱脂、酸洗を施し、次いで、水洗し、次い
で、175g/lの無水クロム酸に、5g/l のケイフッ化ナト
リウムおよび1g/lの硫酸ナトリウムを添加した、公知
のクロムメッキ液中で、鋼板に、30A/dm 2の電流密度で
陰極電解処理を施し、次いで、1A/dm 2の電流密度で陽
極電解処理を施し、次いで、30A/dm 2の電流密度で陰極
電解処理を施して、50mg/m 2の突起のある金属クロムの
第1層を鋼板の表面上に形成した。その後、25g/l の硫
酸クロムおよび15g/l の硫酸第1錫、更に、3g/l の6
エトキシレートαナフトールを添加した250g/lフェノー
ルスルホン酸(硫酸換算50g/)溶液中で、鋼板に40℃、
90A/dm 2 の条件下で陰極電解処理を施して、300mg/m
2 の錫および11mg/m 2のクロム酸化物からなる第2層を
第1層上に形成した。次いで、このようにして、第1層
および第2層が形成された鋼板を15g/l の無水クロムお
よび0.3 g/l の硫酸ナトリウムを含有する水溶液中で、
鋼板に45℃、10A/dm 2の条件下で陰極電解処理を施し
て、第2層上に5mg/m 2の金属クロムおよびその上層に
16mg/m 2の水和クロム酸化物の第3層および第4層を形
成し、この発明の範囲内の鋼板の供試体を調製した。
【0032】〔実施例5〕板厚0.22mmの冷延鋼板に、通
常の条件で脱脂、酸洗を施し、次いで、水洗し、次い
で、175g/lの無水クロム酸に、5g/l のケイフッ化ナト
リウムおよび1g/lの硫酸ナトリウムを添加した、公知
のクロムメッキ液中で、鋼板に、70A/dm 2の電流密度で
陰極電解処理を施して、110mg/m 2 の金属クロムの第1
層を鋼板の表面上に形成した。その後、10g/l の硫酸ク
ロムおよび10g/l の硫酸第1錫を添加した45g/l 硫酸溶
液中で、鋼板に40℃、70A/dm 2の条件下で陰極電解処理
を施して、170mg/m 2 の錫および4mg/m 2のクロム酸化
物からなる第2層を第1層上に形成した。次いで、この
ようにして、第1層および第2層が形成された鋼板を20
g/l の無水クロム酸の水溶液中に1秒間浸漬し、鋼板に
付着した水溶液を乾燥させて、第2層上に2mg/m 2の水
和クロム酸化物の第3層を形成し、この発明の範囲内の
鋼板の供試体を調製した。
【0033】〔比較例1〕板厚0.22mmの冷延鋼板に、通
常の条件で脱脂、酸洗を施し、次いで、水洗し、次い
で、175g/lの無水クロム酸に、5g/l のケイフッ化ナト
リウムおよび1g/lの硫酸ナトリウムを添加した、公知
のクロムメッキ液中で、鋼板に、100A/dm 2 の電流密度
で陰極電解処理を施して、100mg/m 2 の金属クロムの第
1層を鋼板の表面上に形成した。その後、20g/l の硫酸
クロムおよび40g/l の硫酸第1錫を添加した60g/l 硫酸
溶液中で、鋼板に45℃、70A/dm 2の条件下で陰極電解処
理を施して、300mg/m 2 の錫および9mg/m2のクロム酸
化物からなる第2層を形成し、この発明の範囲外の鋼板
の供試体を調製した。
【0034】〔比較例2〕板厚0.22mmの冷延鋼板に、通
常の条件で脱脂、酸洗を施し、次いで、水洗し、次い
で、175g/lの無水クロム酸に、5g/l のケイフッ化ナト
リウムおよび1g/lの硫酸ナトリウムを添加した、公知
のクロムメッキ液中で、鋼板に、50A/dm 2の電流密度で
陰極電解処理を施して、80 mg/m 2 の金属クロムの第1
層を鋼板の表面上に形成した。その後、15g/l の硫酸ク
ロムおよび12g/l の硫酸第1錫、更に、2g/l の6エト
キシレートαナフトールを添加した30g/l 硫酸溶液中
で、鋼板に45℃、60A/dm 2の条件下で陰極電解処理を施
して、200mg/m 2 の錫および5mg/m 2のクロム酸化物か
らなる第2層を第1層上に形成した。次いで、このよう
にして、第1層および第2層が形成された鋼板を20g/l
の重クロム酸ナトリウムの水溶液中に1秒間浸漬し、鋼
板に付着した水溶液を乾燥させて、第2層上に3mg/m
2 の水和クロム酸化物の第3層を形成し、この発明の
範囲外の鋼板の供試体を調製した。
【0035】〔比較例3〕板厚0.22mmの冷延鋼板に、通
常の条件で脱脂、酸洗を施し、次いで、水洗し、次い
で、175g/lの無水クロム酸に、5g/l のケイフッ化ナト
リウムおよび1g/lの硫酸ナトリウムを添加した、公知
のクロムメッキ液中で、鋼板に、30A/dm 2の電流密度で
陰極電解処理を施して、120mg/m 2 の金属クロムの第1
層を鋼板の表面上に形成した。その後、15g/l の硫酸ク
ロムおよび8g/l の酸化第1錫を添加した60g/l 硫酸溶
液中で、鋼板に45℃、40A/dm 2の条件下で陰極電解処理
を施して、150mg/m 2 の錫および3mg/m 2 のクロム酸
化物からなる第2層を第1層上に形成した。次いで、こ
のようにして、第1層および第2層が形成された鋼板を
20g/l の無水クロム酸および0.3g/lの硫酸ナトリウムの
水溶液中で、鋼板に40℃、10A/dm 2 の条件下で陰極電
解処理を施して、第2層上に4mg/m 2の金属クロム層お
よび10mg/m 2の水和クロム酸化物からなる第3層を形成
し、この発明の範囲外の鋼板の供試体を調製した。
【0036】〔比較例4〕板厚0.22mmの冷延鋼板に、通
常の条件で脱脂、酸洗を施し、次いで、水洗し、次い
で、175g/lの無水クロム酸に、5g/l のケイフッ化ナト
リウムおよび1g/lの硫酸ナトリウムを添加した、公知
のクロムメッキ液中で、鋼板に、30A/dm 2の電流密度で
陰極電解処理を施て、100mg/m 2 の金属クロムの第1層
を鋼板の表面上に形成した。その後、25g/l の硫酸クロ
ムおよび10g/l の硫酸第1錫、更に、3g/l の6エトキ
シレートαナフトールを添加した250g/lフェノールスル
ホン酸(硫酸換算50g/)溶液中で、鋼板に45℃、160A/d
m 2 の条件下で陰極電解処理を施して、錫およびクロム
酸化物からなる第2層を第1層上に形成し、この発明の
範囲外の鋼板の供試体を調製した。この時の第2層表面
は、部分的にめっきが付着したむらのある表面を呈して
いた
【0037】〔比較例5〕板厚0.22mmの冷延鋼板に、通
常の条件で脱脂、酸洗を施し、次いで、水洗し、次い
で、175g/lの無水クロム酸に、5g/l のケイフッ化ナト
リウムおよび1g/lの硫酸ナトリウムを添加した、公知
のクロムメッキ液中で、鋼板に、70A/dm 2の電流密度で
陰極電解処理を施して、100mg/m 2 の金属クロムの第1
層を鋼板の表面上に形成した。その後、10g/l の硫酸ク
ロムおよび10g/l の硫酸第1錫、更に、2g/l の6エト
キシレートαナフトールスルホン酸を添加した60g/l 硫
酸溶液中で、鋼板に40℃、60A/dm 2の条件下で陰極電解
処理を施して、200mg/m 2 の錫および4mg/m 2のクロム
酸化物からなる第2層を第1層上に形成した。次いで、
このようにして、第1層および第2層が形成された鋼板
を20g/l の無水クロム酸および0.3g/lの硫酸ナトリムの
水溶液中で、鋼板に40℃、10A/dm 2の条件下で陰極電解
処理を施して、4mg/m 2の金属クロム層と10mg/m 2の水
和クロム酸化物からなる第3層を形成し、この発明の範
囲外の鋼板の供試体を調製した。
【0038】以上のようにして調製された供試体の各々
から試験片を切り出し、下記に示す評価を行った。ま
た、処理終了後の第2層のめっきについても、下記に示
す評価を実施した。その結果を、表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】(1) 第2層めっき密着性の評価 ティッシュペーパーを用いて、軽く供試体の表面を擦っ
た後、ティッシュペーパーにめっき剥離による汚れが認
められるか、認められないかで評価した。 ○:ティッシュペーパーに汚れが認められない、 ×:ティッシュペーパーに汚れが認められる。
【0041】(2) めっき外観評価 目視判定を行った。 ○:外観良好(色調均一でむらが認められない)、 ×:外観むらが認められる。
【0042】(3) 第2層めっき液の安定性 各第2層めっき条件で、5時間の連続処理を行い、その
後、第2層めっき液を一定量サンプリングした後、スラ
ッジを濾過して乾燥後に重量を測定し、錫めっき液中の
スラッジ濃度を定量した。 ○:スラッジ濃度 0.3g/l以下、 △:スラッジ濃度 0.3 超〜0.5g/l未満、 ×:スラッジ濃度 0.5g/l以上。
【0043】表1から明らかなように、比較例1〜5
は、いずれも、めっきの密着性、錫めっき外観および錫
めっき液の安定性のうちのいずれかが悪かった。これに
対して、実施例1〜5は、いずれも、めっきの密着性に
優れ、めっき外観もよく、更に、錫めっき液の安定性に
優れていた。このようなことから、この発明の製造方法
によれば、鋼板の表面上の第1層としての金属クロム層
上に金属錫およびクロム酸化物からなる第2層を形成す
るめっき処理において、めっきの密着性に優れ、むらの
無い良好な表面外観を有するめっき層が得られることが
分かる。さらに、錫スラッジ生成を抑制できることか
ら、めっき浴の劣化防止に有用であることが分かる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の製造方
法によれば、めっき密着性の良好な、むらの無い外観良
好な電解処理クロメート処理鋼板が得られるとともに、
更に、錫イオンを含有するめっき液中の錫スラッジの生
成が抑制され、かくして、工業上有用な効果がもたらさ
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 豊文 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−282497(JP,A) 特開 昭63−53288(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 11/38 C25D 5/00 - 7/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板に電気クロムめっきを施して前記鋼
    板の少なくとも一方の表面上に30から300mg/ m2 の範囲
    内の付着量の金属クロムからなる第1層を形成し、次い
    で、前記第1層が形成された鋼板を水洗し、次いで、水
    洗後直ちに、前記第1層が形成された鋼板に対して、5
    から50g/l の範囲内の硫酸クロムおよび3 から15g/l の
    範囲内の錫(Sn)イオンを含有し、硫酸換算で45から120
    g/l の範囲内の酸濃度の水溶液中において、50A/dm2
    150A/dm 2 以下の範囲内の電流密度によって陰極電解処
    理を施すことにより、前記第1層の表面上に、金属錫換
    算で(1000/X)+50から(30000/X) +50mg/m2 ( 但し、X
    は、前記第1層中の金属クロム付着量である)の範囲内
    の付着量の錫およびクロム換算で2から30mg/m2 の範囲
    内の付着量のクロム酸化物からなる第2層を形成するこ
    とにより、前記水溶液からなるめっき浴の劣化を抑制す
    るとともに、前記第1層の表面上に、密着性に優れ、む
    らのない良好な表面外観を有する前記第2層を形成する
    ことを特徴とする耐食性および溶接性に優れた電解クロ
    メート処理鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第2層の表面上に、1から30mg/m2
    の範囲内の付着量の水和酸化物からなるクロメート被膜
    を形成することを特徴とする、請求項1記載の耐食性お
    よび溶接性に優れた電解クロメート処理鋼板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記第2層の表面上に、3から30mg/m2
    の範囲内の付着量の金属クロム層を形成し、次いで、前
    記金属クロム層の表面上に、1から30mg/m2 の付着量の
    水和酸化物からなるクロメート被膜を形成することを特
    徴とする、請求項1記載の耐食性および溶接性に優れた
    電解クロメート処理鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記水溶液中に、ナフチル基にオキシエ
    チレン鎖の付加したノニオン系界面活性剤を1 〜8 g/l
    含有させることを特徴とする請求項1、2または3記載
    の耐食性および溶接性に優れた電解クロメート処理鋼板
    の製造方法。
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