JP2000273686A - シーム溶接性および耐食性に優れた表面処理鋼板の製造方法 - Google Patents

シーム溶接性および耐食性に優れた表面処理鋼板の製造方法

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Naotoshi Ryu
尚稔 龍
Toshihiro Kikuchi
利裕 菊地
Yoshihide Yamamoto
嘉秀 山本
Kei Yuki
慶 結城
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接性に優れ、さらに耐食性にも優れた表面
処理鋼板の製造方法を提案する。 【解決手段】 鋼板を酸洗処理後に、鋼板を0.01〜0.1g
/lの光沢剤および0.5g/l以上の酸化防止剤を含む硫酸浴
に浸漬するプレディップ処理を、好ましくは前記錫めっ
き処理の電気めっき時間の1.2 〜5倍の時間行い、その
後、0.01〜0.1g/lの光沢剤および0.5g/l以上の酸化防止
剤を含む硫酸浴中で錫めっき処理を施し、平均粒径 0.1
〜5 μm の粒子状錫を鋼板表面に対し面積率で10〜70%
分散させた錫めっき層を片面あたりの付着量で300 〜30
00mg/m2 形成し、さらにクロムめっき処理を施し、金属
クロム層とクロムの水和酸化物層を形成する。なお、酸
洗処理後、10sec 以内にディップ処理を施すのが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、18リットル缶、ペ
ール缶等の大型容器向け缶用鋼板に係り、とくに缶胴を
電気抵抗溶接により接合する溶接缶の使途に好適な表面
処理鋼板の製造方法に関する。本発明でいう鋼板は、鋼
板、鋼帯を含むものとする。
【0002】
【従来の技術】従来から、18リットル缶、ペール缶等の
大型容器には、薄クロムめっき鋼板、いわゆるティンフ
リー鋼板が使用されてきた。これら大型容器では、鋼板
を電気抵抗溶接により接合して缶胴とする溶接缶が多
い。しかし、ティンフリー鋼板は、表面に電気抵抗の高
いクロムの水和酸化物層(クロム酸化物)が形成され、
溶接性が悪いという欠点がある。このため、溶接箇所の
鋼板表面を研削し表層のクロム酸化物層を除去してか
ら、溶接製缶する製缶方法が採用されている。しかしな
がら、研削を行うことにより、製缶コストが増大すると
いう問題があった。さらに、研削に際し、溶接箇所の周
辺の金属クロム層を過度に研削し、地鉄が露出して耐食
性が劣化するという場合もあった。そのため、ティンフ
リー鋼板の溶接性を向上させ、無研削で溶接を可能にす
るため、種々の試みがなされている。
【0003】例えば、特公平2-16397 号公報、特開平2-
298277号公報、特公平6-96790 号公報には、鋼板表面に
予め金属錫を粒状に分散させ、その上に金属クロムとク
ロムの水和酸化物とをめっき被覆した表面処理鋼板が提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特公平2-16397 号公報
に記載された技術では、金属錫を分散させることによ
り、錫めっきによるコスト増加を抑制でき、さらに鋼板
色調の変化を、従来から使用されているティンフリー鋼
板と比較して、やや白っぽくなる程度に抑えることがで
きる。しかし、めっき層中の金属クロム量が7 〜100mg/
m2以下と少ないため耐食性が不十分であるという問題が
あった。
【0005】また、特開平2-298277号公報、特公平6-96
790 号公報に記載された技術では、金属錫を粒状に分散
させることにより、錫めっきによるコスト増加を抑制で
き、さらに鋼板色調の変化を、従来から使用されている
ティンフリー鋼板と比較して、やや白っぽくなる程度に
抑えることができる。しかしながら、金属錫量が20〜20
0mg/m2と少ないため、溶接性の改善が不十分であるとい
う問題があった。
【0006】本発明は、上記した従来技術の問題を有利
に解決し、生産性高く溶接缶を製造するため、無研削で
電気抵抗溶接が可能であり、さらに色調が従来のティン
フリー鋼板と比較して遜色がない鋼板外観を有する、溶
接性に優れ、さらに耐食性にも優れた表面処理鋼板の製
造方法を提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を達成するため、錫めっき条件について鋭意検討し
た。その結果、酸洗後に、鋼板を酸性錫めっき浴中に浸
漬するプレディップ処理を施したのち、錫めっき処理を
行うことにより、粒状錫の分布状態、密着性が改善さ
れ、それにより耐食性が大きく改善され、さらに溶接性
も顕著に改善されることを知見した。
【0008】本発明は、上記した知見に基づいてさらに
検討を加え完成されたものである。すなわち、本発明
は、鋼板に、脱脂処理と、酸洗処理と、酸性錫めっき浴
を用いた電気めっきにより鋼板表面に粒状の金属錫を析
出させる錫めっき処理と、電気めっきにより金属クロム
および/またはクロムの水和酸化物を被覆するクロムめ
っき処理と、を順次施し、表面に粒状錫が分散した錫め
っき層と金属クロム層および/またはクロムの水和酸化
物層とを順次有する表面処理鋼板を製造するにあたり、
前記酸洗処理後で前記錫めっき処理前に、鋼板を前記酸
性錫めっき浴に浸漬するプレディップ処理を、好ましく
は前記錫めっき処理の電気めっき時間の1.2 〜5 倍の時
間行い、かつ前記酸性錫めっき浴を、0.01〜0.1g/lの光
沢剤および0.5g/l以上の酸化防止剤を含む硫酸浴とし、
さらに前記錫めっき処理を、平均粒径 0.1〜5 μm の粒
子状錫を鋼板表面に対し面積率で10〜70%分散させた錫
めっき層を片面あたりの付着量で300 〜3000mg/m2 形成
させる錫めっき処理とし、前記クロムめっき処理を、片
面あたりの付着量で金属クロム層を110 〜300mg/m2、ク
ロムの水和酸化物層を金属クロム換算で3 〜40mg/m2
成させるクロムめっき処理とすることを特徴とするシー
ム溶接性および耐食性に優れた表面処理鋼板の製造方法
であり、また、本発明では、前記酸洗処理後、10sec 以
内に前記ディップ処理を施すのが好ましく、また、本発
明では、前記錫めっき処理における電流密度を15〜80A/
dm2 とするのが好ましく、また、本発明では、前記クロ
ムめっき処理における電流密度を100 〜150A/dm2とする
のが好ましい。
【0009】また、本発明では、前記酸性錫めっき浴
を、30〜60g/l の錫イオン、40〜100g/lの硫酸、0.01〜
0.1g/lの光沢剤および0.5g/l以上の酸化防止剤を含む硫
酸浴とするのが好ましく、また、本発明では、前記酸性
錫めっき浴の温度を40〜60℃とするのが好ましい。ま
た、本発明では、前記酸洗処理を、50〜100g/lの硫酸を
含む酸洗液で30〜90℃の温度で行うのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明により製造される表面処理
鋼板は、表面に粒状錫が分散した錫めっき層(粒状分散
錫めっき層)と金属クロム層および/またはクロムの水
和酸化物層とを順次有する表面処理鋼板である。使用す
る鋼板は、とくに限定する必要はなく、要求される特性
により成分組成等を適宜決定できる。
【0011】本発明では、まず、鋼板に、通常公知の脱
脂処理と、さらに、好ましくは硫酸を含む酸洗液による
酸洗処理とを施し、ついで酸洗処理後で錫めっき処理前
に、酸性錫めっき浴に浸漬するプレディップ処理を施
す。プレディップ処理に使用する酸性錫めっき浴は、次
工程である錫めっき処理に用いるめっき浴と同じ組成と
する。これにより、次工程の錫めっき処理で、粒状錫が
形成されやすくなり、さらに粒状錫の密着性が向上し、
耐食性が改善される。
【0012】なお、このプレディップ処理は、酸洗処理
後10sec 以内に開始するのが好ましい。酸洗後10sec を
超えてプレディップ処理を施すと、錫の析出状態が平板
状となる傾向があり、粒状錫の分散形態が不適切とな
り、溶接性が劣化する。プレディップ処理の時間は、錫
めっき処理における電気めっき時間の1.2 〜5倍の時間
とするのが好ましい。プレディップ処理の時間が錫めっ
き処理における電気めっき時間の1.2 倍未満では、粒状
錫の析出が不均一となるという不都合が生じる。一方、
プレディップ処理の時間が錫めっき処理における電気め
っき時間の5倍を超えると、錫めっき浴のスラッジが増
加する。このため、プレディップ処理の時間は、錫めっ
き処理における電気めっき時間の1.2 〜5倍の時間に限
定するのが好ましい。
【0013】プレディップ処理を施された鋼板は、つい
で錫めっき処理を施される。この錫めっき処理により、
粒状の錫が鋼板表面に適正に分散される。錫めっき処理
に用いるめっき浴は、酸性錫めっき浴で、0.01〜0.1g/l
の光沢剤および0.5g/l以上の酸化防止剤を含む硫酸浴と
する。浴温度は40〜60℃とするのが好ましい。浴温度が
40℃未満では、所定のめっき付着量を得るために、長時
間を有し、一方、60℃を超えると、めっき膜の付着が不
均一となる。
【0014】酸性錫めっき浴への光沢剤の添加量が0.01
g/l 未満では、めっき層の密着性が劣化し、一方、0.1g
/lを超えると、粒状錫が微細化しかつ分散析出から均一
析出に移行するという問題がある。このため、酸性錫め
っき浴中の光沢剤の添加量を0.01〜0.1g/lに限定した。
なお、好ましくは0.02〜0.06g/l である。また、好まし
い光沢剤としては、α−エトキシレーテッドナフトー
ル、ポリオキシエチレンモノナフチルエーテル、ポリオ
キシアルキレンアルキルエーテルが例示される。
【0015】酸性錫めっき浴への酸化防止剤の添加量が
0.5g/l未満では、錫イオンが酸化し、錫めっき浴へのス
ラッジが増加するという問題もある。このため、めっき
浴への酸化防止剤の添加量を0.5g/l以上に限定した。な
お、好ましくは1.0 〜3.0 g/l である。好ましい酸化防
止剤として、ヒドロキノン、フェノールスルホン酸、ジ
ヒドロキシベンゼンスルホン酸等が例示される。
【0016】また、酸性錫めっき浴は、上記した光沢
剤、酸化防止剤に加えて、さらに、30〜60g/l の錫イオ
ン、40〜100g/lの硫酸を含むのが好ましい。錫イオン
が、30g/l 未満では、錫の析出が不均一であり、一方60
g/l を超えると、スラッジロス、ドラッグアウト損失が
増加する。このため、めっき浴中の錫イオンの添加量は
30〜60g/l の範囲とするのが好ましい。また、硫酸が40
g/l 未満では、錫の析出が不均一となり、また電圧が上
昇する。100g/lを超えると、錫の析出が飽和するため経
済的に不利となる。このため、硫酸の添加量は40〜100g
/lとするのが好ましい。
【0017】錫めっき処理は、上記した酸性錫めっき浴
を用い、鋼板を陰極として、電解処理を行う電気めっき
により鋼板表面に粒状の金属錫を析出させる。この電解
処理においては、電流密度を15〜80A/dm2 とするのが好
ましい。電流密度が15A/dm2 未満では、錫のめっき効率
が低下する。一方、電流密度が80A/dm 2 を超えても、め
っき効率が低下する。なお、電解時間は、所望の粒状錫
が分散した錫めっき層の付着量に応じ適宜調整できる。
【0018】上記した条件で錫めっき処理を行うことに
より、平均粒径 0.1〜5 μm の粒子状錫を原板表面に対
し面積率で10〜70%の分散率で分散させた錫めっき層を
形成することができる。なお、粒子状錫の平均粒径は、
電気量で調整でき、分散率は電流密度、浴組成、浴温で
調整できる。ここで、錫めっきの平均粒径、面積率は超
型電子顕微鏡による倍率1万倍の写真(5視野)から平
均値を求めた。
【0019】本発明の錫めっき層は、粒子状錫が鋼板上
に分散した錫めっき層であり、これにより溶接時の接触
抵抗が低減するとともに、使用する錫量も低減できる。
粒子状錫の平均粒径が0.1 μm 未満では、溶接時に溶融
した錫の拡がりが不十分であり、溶接性の改善度合が少
ない。一方、粒子状錫の平均粒径が5 μm を超えると、
溶接性は改善されるが、めっき量が多くなりすぎコスト
が増加するうえ、鋼板色調が白っぽくなりすぎ鋼板外観
が問題となる。また、粒子状錫の分散面積率は、鋼板表
面に対し面積率で10〜70%とする。分散面積率が10%未
満では、溶接時に溶融した錫の拡がりが不十分であり、
溶接性の改善度合が少ない。一方、分散面積率が70%を
超えると、溶接性は改善されるが、鋼板色調が白っぽく
なりすぎ鋼板外観が問題となる。なお、粒状錫が分散し
た錫めっき層の付着量は、片面あたり300 〜3000mg/m2
とするのが好ましい。付着量が300mg/m2未満では、溶接
時の溶融錫の拡がりが不十分であり、溶接性の改善度合
が少ない。一方、付着量が3000mg/m2 を超えると、溶接
性は改善されるが、めっき量が多くなりすぎコストが増
加するうえ、鋼板色調が白っぽくなりすぎ鋼板外観が問
題となる。
【0020】錫めっき処理を施された鋼板は、ついでク
ロムめっき処理が施される。 クロムめっき処理は、め
っき浴中で鋼板を陰極とする電解処理を行う電気めっき
による。クロムめっき処理方法は、通常公知の方法でよ
く、同一のめっき浴中で、金属クロムとクロムの水和酸
化物とを同時に析出させてもよく、また、異なっためっ
き浴中で金属クロムを析出させたのち、異なっためっき
浴中でクロムの水和酸化物を析出させてもよい。
【0021】めっき液としては、無水クロム酸と硫酸お
よび珪フッ化ナトリウム等の助剤を含有するめっき液を
使用する。めっき液のとくに好ましい組成の例として
は、CrO3:80〜100 g/l 、硫酸:1.1 〜1.9 g/l であ
り、電流密度を100 〜150A/dm2とするのが好ましい。電
流密度が、100A/dm2未満では、クロムめっき効率が低く
なり、鋼板幅方向の錫析出が不均一となり外観性状が悪
化する。150A/dm2を超えても、クロムめっき効率が低下
するため好ましくない。フッ化物を含有すると、クロム
の析出ムラが多くなる傾向がある。
【0022】これにより、粒子状錫層および粒子状錫が
析出していない部分の上層として金属クロムめっき層お
よび/またはクロムの水和酸化物層が形成される。金属
クロムめっき層の付着量は、片面あたり110 〜300mg/
m2、クロムの水和酸化物層の付着量は片面あたり金属ク
ロム換算で3 〜40mg/m2 とするのが好ましい。金属クロ
ムめっき層の付着量が、片面あたり110 mg/m2 未満で
は、耐食性が不十分であり、一方、300mg/m2を超えて
も、耐食性の向上が飽和し付着量に見合う効果が期待で
きないうえ、めっき層の形成に多大の時間を要し生産性
が低下する。
【0023】クロムめっき処理後、ついで、乾燥され、
塗油されて製品とされる。なお、各処理の間には水洗処
理が行われるのはいうまでもない。
【0024】
【実施例】熱間圧延、冷間圧延、連続焼鈍、および調質
圧延された低炭素冷延鋼板( 板厚:0.32mm)に、通常の
脱脂処理(アルカリ洗浄:NaOH 50g/l)、酸洗処理(硫
酸:75g/l)を施したのち、表1、表2に示す条件でプレ
ディップ処理、錫めっき処理、およびクロムめっき処理
を行い、表3に示すような表面に粒状錫が分散した錫め
っき層と金属クロム層とクロムの水和酸化物層(クロム
酸化物層)とを順次有する表面処理鋼板とし、本発明例
とした。本発明の範囲を外れる例、およびプレディップ
処理なしの場合を比較例とした。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】これら表面処理鋼板について、表面外観検
査、溶接性試験および耐食性試験を実施した。 (1)表面外観検査 これら表面処理鋼板の表面外観を目視で観察し、鋼板の
色調を評価した。従来のティンフリー鋼板を基準とし
て、ティンフリー鋼板と同等のレベルの場合には◎、テ
ィンフリー鋼板とほぼ同等の場合を○、ティンフリー鋼
板とほぼ同等であるが若干のムラありの場合を△、ティ
ンフリー鋼板と異なる場合を×として評価した。 (2)溶接性試験 これら表面処理鋼板から試験片を採取し、溶接速度:20
m/min 、溶接加圧力:65kgf で、電流値を変えてシーム
溶接し、溶接部の強度が母材強度を超えるに必要な下限
電流値と、溶接部からちりが発生する電流値(上限電流
値)をもとめた。上限電流値と下限電流値の差を適正溶
接電流範囲とし、適正溶接電流範囲が大きいほど溶接性
が良好であると評価した。適正溶接電流範囲が一次電流
で3A以上を◎、3未満〜1A以上を○、1A未満を×
とした。 (3)耐食性試験 これら表面処理鋼板から試験片を採取し、表面に塗料
(エポキシフェノール系塗料)を塗布(70mg/m2 )し、
加熱し熱硬化させたのち、塗装面にナイフでクロスカッ
トを導入し、腐食試験に供した。腐食試験は、試験液
(1.5 %クエン酸+1.5 %塩化ナトリウム溶液、液温:
55℃)中に浸漬(96hr)する処理とした。試験後、クロ
スカット部の腐食状況を観察し、耐食性を評価した。ク
ロスカット部の腐食幅が0.3 mm以上を×、0.1 〜0.3 mm
未満を△、0.1mm 未満を○とした。
【0029】これらの試験結果を表3に示す。表3か
ら、本発明例は、ティンフリー鋼板とほぼ同等の表面外
観を示し、溶接性および耐食性とも優れている。これに
対し、本発明の範囲を外れる比較例は、表面外観、溶接
性、耐食性のいずれかが劣化している。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、ティンフリー鋼板と比
較して遜色がない鋼板外観と、溶接性および耐食性とを
兼ね備えた表面処理鋼板を安価に製造でき、産業上格段
の効果を奏する。また、18リットル缶、ペール缶等の大
型の溶接缶を効率高く製造できるという効果もある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 嘉秀 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 結城 慶 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 Fターム(参考) 4K023 AA04 AA11 AA17 BA02 CA01 CA09 CB03 CB05 CB09 DA02 DA06 DA07 4K024 AA02 AA07 AB02 AB09 AB19 BA03 BB24 BC01 CA01 CA02 CA06 DA03 DA04 DA10 DB04 GA02 GA04 GA15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板に、脱脂処理と、酸洗処理と、酸性
    錫めっき浴を用いた電気めっきにより鋼板表面に粒状の
    金属錫を析出させる錫めっき処理と、電気めっきにより
    金属クロムおよび/またはクロムの水和酸化物を被覆す
    るクロムめっき処理と、を順次施し、表面に粒状錫が分
    散した錫めっき層と金属クロム層および/またはクロム
    の水和酸化物層とを順次有する表面処理鋼板を製造する
    にあたり、前記酸洗処理後で前記錫めっき処理前に、鋼
    板を前記酸性錫めっき浴に浸漬するプレディップ処理を
    行い、かつ前記酸性錫めっき浴を、0.01〜0.1g/lの光沢
    剤および0.5g/l以上の酸化防止剤を含む硫酸浴とし、さ
    らに前記錫めっき処理を、平均粒径 0.1〜5 μm の粒子
    状錫を原板表面に対する面積率で10〜70%分散させた錫
    めっき層を片面あたりの付着量で300 〜3000mg/m2 形成
    させる錫めっき処理とし、前記クロムめっき処理を、片
    面あたりの付着量で金属クロム層を110 〜300mg/m2、ク
    ロムの水和酸化物層を金属クロム換算で3 〜40mg/m2
    成させるクロムめっき処理とすることを特徴とするシー
    ム溶接性および耐食性に優れた表面処理鋼板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記プレディップ処理の時間を、前記錫
    めっき処理の電気めっき時間の1.2 〜5 倍とすることを
    特徴とする請求項1に記載のシーム溶接性および耐食性
    に優れた表面処理鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記錫めっき処理における電流密度を15
    〜80A/dm2 とすることを特徴とする請求項1または2に
    記載のシーム溶接性および耐食性に優れた表面処理鋼板
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記クロムめっき処理における電流密度
    を100 〜150A/dm2とすることを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載のシーム溶接性および耐食性に優
    れた表面処理鋼板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記酸性錫めっき浴を、30〜60g/l の錫
    イオン、40〜100g/lの硫酸、0.01〜0.1g/lの光沢剤およ
    び0.5g/l以上の酸化防止剤を含む硫酸浴とすることを特
    徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のシーム溶
    接性および耐食性に優れた表面処理鋼板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記酸洗処理後、10sec 以内に前記ディ
    ップ処理を施すことを特徴とする請求項1ないし5のい
    ずれかに記載のシーム溶接性および耐食性に優れた表面
    処理鋼板の製造方法。
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