JP4221874B2 - 溶接缶用めっき鋼板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、18リットル缶、ペール缶等の大型容器向け缶用めっき鋼板に係り、とくに色調が薄クロムめっき鋼板に類似した青黒系を呈し、しかも皮膜を除去することなく溶接を行うことができる溶接缶用めっき鋼板に関する。本発明でいう鋼板は、鋼板に加えて鋼帯をも含むものとする。なお、本発明でいう、クリアニス塗装とは、クリアニスとしてエポキシ系塗料を使用し、塗膜厚さとして60〜80mg/dm2塗布した状態をいうものとする。
【0002】
【従来の技術】
従来から、18リットル缶、ペール缶等の大型容器には、ぶりきや、薄クロムめっき鋼板(いわゆるティンフリー鋼板)が使用されてきた。ぶりきに比べ安価であるティンフリー鋼板が使用量の大半を占めている。
これら大型容器では、切板状とした鋼板を円筒状に成形し、その突き合わせ部を電気抵抗溶接を用いた缶胴溶接機により接合して缶胴とする溶接缶が多い。しかし、ティンフリー鋼板は、有機溶剤には無塗装で十分な耐食性を有するという利点はあるが、表面に電気抵抗の高いクロムの水和酸化物層(クロム酸化物層)が形成され、溶接性が悪いという欠点がある。このため、溶接箇所の鋼板表面を研削し表層のクロム酸化物層を除去してから、溶接製缶する製缶方法が採用されている。
【0003】
しかしながら、研削に際し、地鉄が露出して耐食性が劣化するという不具合もあり、また研削を行うことにより、製缶コストが増大するという問題に加えて、研削粉による製品汚染の防止が重要視されるようになったため、無研削で溶接可能なめっき鋼板の開発が進められ、種々のめっき鋼板が提案されている。
例えば、特公平2-16397 号公報、特開平2-298277号公報、特公平6-96790 号公報には、鋼板表面に予め金属錫を粒状に分散させ、その上に金属クロムとクロムの水和酸化物とをめっき被覆した表面処理鋼板(めっき鋼板)が提案されている。
【0004】
特公平2-16397 号公報に記載された技術では、金属錫を分散させることにより、錫めっきによるコスト増加を抑制でき、さらに鋼板色調の変化を、従来から使用されているティンフリー鋼板と比較して、やや白っぽくなる程度に抑えることができるとしている。しかし、めっき層中の金属クロム量が7 〜100mg/m2以下と少ないため耐食性が不十分であるという問題があった。
【0005】
また、特開平2-298277号公報、特公平6-96790 号公報に記載された技術では、金属錫を粒状に分散させることにより、錫めっきによるコスト増加を抑制でき、さらに鋼板色調の変化を、従来から使用されているティンフリー鋼板と比較して、やや白っぽくなる程度に抑えることができるとしている。しかしながら、金属錫量が20〜200mg/m2と少ないため、溶接性の改善がまだ不十分であるという問題があった。
【0006】
また、特開平10-88392号公報には、鋼板の表面に、Sn-Fe 合金層、金属Sn層、金属Cr層およびCr水和酸化物層からなるクロメート層を順次積層してなる表面処理鋼板が開示されている。特開平10-88392号公報に記載された鋼板では、Sn-Fe 合金層および金属Sn層における全Sn量を0.4 〜2.9g/m2 、金属Cr層中の金属Cr量を25〜30mg/m2 、Cr水和酸化物層中のCr水和酸化物量を1 〜20mg/m2 としている。しかし、特開平10-88392号公報に記載された鋼板では、めっき層中の金属クロム量が30mg/m2 未満と少ないため耐食性が不十分であるうえ、鋼板の色調が錫めっき層の色調に支配されて白っぽくなるという問題もあった。
【0007】
また、特開平11-117094 号公報には、鋼板の少なくとも片面に、Fe-Sn-Ni合金層、金属Sn層を有し、さらに鋼板両面の最外側に、金属Cr層およびCr水和酸化物層からなる表面被覆を覆ってなる表面処理鋼板が開示されている。この表面被覆は、主に缶内面となる側の鋼板表面に付着量30〜200mg/m2の金属Cr層、Cr換算で付着量3 〜25mg/m2 のCr水和酸化物層からなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来から、18リットル缶、ペール缶では、使用鋼板の色調を生かし外面にクリアニスを塗装して製品とすることが多い。しかし、特公平2-16397 号公報、特開平2-298277号公報、特公平6-96790 号公報、特開平10-88392号公報、特開平11-117094 号公報等に記載された鋼板にクリアニスを塗装すると、鋼板色調が、従来からのティンフリー鋼板のそれとは大きく異なり、特にCr付着量の少ない領域で錫めっき層の色調に支配され白っぽくなるという問題がある。
【0009】
このため、これら鋼板には、塗装後にティンフリー鋼板の色調に近くなるように、それぞれの鋼板色調に対応して、使用するクリアニスの色調を調整していたのである。しかし、鋼板ごとにクリアニスの色調を調整することは、塗料の複雑な調整を必要とし、製造効率の低下をもたらしていた。
このようなことから、無研削で電気抵抗溶接が可能で、しかもティンフリー鋼板と同一のクリアニス塗装後にティンフリー鋼板の色調に近い鋼板外観を有し、耐食性に優れた溶接缶用めっき鋼板が要望されていた。
【0010】
本発明は、上記した従来技術の問題を解決し、生産性高く溶接缶を製造するために、無研削で電気抵抗溶接が可能であり、さらにクリアニス塗装後の鋼板の色調が従来のティンフリー鋼板と比較して遜色ない鋼板外観を有する、溶接性に優れ、さらに塗料密着性、耐食性に優れた溶接缶用めっき鋼板を提供することを目的とする。なお、クリアニス塗装後の本発明鋼板の外観は、JIS Z 8729に規定されるL* a* b* 系の表示で、L* 値:50〜90、a* 値:-2.0〜1.0 、b* 値:-2.5〜1.0 の範囲の色調を目標とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を達成するために、鋭意研究した結果、鋼板表面に均一な錫めっき層を形成し適正な付着量としたうえで、該錫めっき層上に、厚めの金属Cr層およびCr水和酸化物層を形成することにより、無研削で電気抵抗溶接が可能で、かつ均一な溶接性を有し、耐食性が従来のティンフリー鋼板と同等以上で、クリアニス塗装後の鋼板外観がティンフリー鋼板に近い色調を有し、被膜密着性に優れた溶接缶用めっき鋼板が製造できることを知見した。
【0012】
本発明は、上記した知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、鋼板表面の少なくとも片面に、錫めっき層と、金属クロム層と、クロムの水和酸化物層とを順次形成し、さらにその上層として少なくとも片面にクリアニス塗装を施されて使用される溶接缶用めっき鋼板であって、前記錫めっき層を鋼板を陰極として、酸性錫めっき浴で、浴温: 50 〜 55 ℃、電解条件: 20 〜 40A/dm 2 とする電解処理を施されて形成された均一厚さの錫めっき層とし片面当たり300 〜1500 mg/m2 有し、前記金属クロム層をめっき浴中で鋼板を陰極とする電解処理を行うクロムめっき処理により形成された金属クロム層とし、該金属クロム層を片面当たり30〜110 mg/m2 、前記クロムの水和酸化物層を金属クロム換算で片面当たり3.0 〜30.0mg/m2 形成し、クリアニス塗装を施されたのちの色調が、L* a* b* 表示で、L* :50〜90、a* :-2.0〜1.0 、b* :-2.5〜1.0 となることを特徴とする溶接缶用めっき鋼板であり、本発明では、前記錫めっき層の下層として、鉄−錫合金層を金属錫換算で50mg/m2 以上形成してもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の溶接缶用めっき鋼板は、鋼板表面に被覆層を有するめっき鋼板である。被覆層は、外層から、クロムの水和酸化物層と、金属クロム層と、均一な錫めっき層と、あるいはさらに錫−鉄合金層とから形成される。本発明のめっき鋼板は、溶接缶とされたのち、缶外側となる鋼板の一面にクロムの水和酸化物層の上層として、クリアニスの塗膜を形成されて使用される。
【0014】
使用する鋼板は、とくに限定する必要はなく、要求される特性により成分組成等を適宜決定できる。
本発明のめっき鋼板は、まず、鋼板(めっき原板)に、通常公知の脱脂処理と、さらに、好ましくは酸洗処理とを施したのち、錫めっき処理を施され、錫めっき層を鋼板表面に形成される。錫めっき層の形成は、通常公知の錫めっき処理がいずれも適用できる。錫めっき処理としては、硫酸浴、ハロゲン浴、メタンスルフォン酸浴等の酸性錫めっき浴がいずれも使用でき、所定量の錫めっきを行うのが好ましい。
【0015】
本発明では、錫めっき層は錫が均一に付着して形成される。均一な厚さの錫めっき層とすることにより、表面外観の均一性が顕著に向上する。本発明では、錫めっきの条件をとくに限定する必要はなく、通常の条件、例えば、鋼板を陰極として、ハロゲン浴をめっき浴とし、浴温:50〜55℃、電解条件:20〜40A/dm2 とする電解処理を行う電気めっきとするのが好ましい。これにより、均一な錫めっき層が鋼板表面に形成される。
【0016】
また、均一な錫めっき層の付着量は、片面当たり300 〜1500 mg/m2とする。錫めっき層の付着量が片面で300mg/m2未満では、溶接性が劣化し、一方、1500 mg/m2を超えると、鋼板外観が、L* a* b* 表示でb* 値の上限を超え、黄系が強くなり、目標の色調が達成できなくなるとともに、錫めっき量が多く高価となり経済的に不利となる。このため、錫めっき層は片面当たり300 〜1500 mg/m2とした。
【0017】
また、錫めっき後に、リフロー処理(めっき層の加熱溶融処理)を施し、錫めっき層と地鉄との間に、鉄−錫合金層を形成してもよい。鉄−錫合金層は、片面あたり金属錫換算で50mg/m2 以上とするのが好ましい。鉄−錫合金層が片面あたり金属錫換算で50mg/m2 未満では、錫めっき層の密着性が不足する。なお、鉄−錫合金化していない金属錫層が50mg/m2 未満では溶接性が劣化するため、鉄−錫合金化していない金属錫層が50mg/m2 以上が確保できる鉄−錫合金層の錫量を上限とするのが好ましい。
【0018】
鋼板表面に、錫めっき層あるいはさらに錫めっき層の下層として鉄−錫合金層を形成したのち、錫めっき層の上層として金属クロム層を形成する。
金属クロム層は、クロムめっき処理により形成される。クロムめっき処理は、めっき浴中で鋼板を陰極とする電解処理を行う電気めっきによる。クロムめっき処理方法は、通常公知の方法でよく、同一のめっき浴中で、金属クロムとクロムの水和酸化物とを同時に析出させてもよく、また、異なっためっき浴中で金属クロムを析出させたのち、異なっためっき浴中でクロムの水和酸化物を析出させてもよい。
【0019】
めっき液としては、無水クロム酸と硫酸を含有するめっき液(クロメート液)を使用するのが好ましい。めっき液のとくに好ましい組成の例としては、CrO3:15〜70g/l 、硫酸:0.10〜0.25g/l であり、電流密度を10〜100A/dm2とするのが好ましい。電流密度が、10A/dm2 未満では、クロムめっき効率が低くなり、、一方、100A/dm2を超えると、クロムめっき効率が低下するため好ましくない。なお、クロムめっき処理を行う前に、炭酸ナトリウム水溶液中での陰極電解を行って表層の酸化錫を還元しておくのが、被膜密着性の観点から好ましい。
【0020】
上記した処理により、錫めっき層の上層として、金属クロム層とクロムの水和酸化物層が形成される。金属クロム層は、片面当たり30〜 110mg/m2 、クロムの水和酸化物層を金属クロム換算で片面当たり3.0 〜30.0mg/m2 形成する。
金属クロム層の付着量が30mg/m2 未満では、耐食性が不十分であり、さらに鋼板外観が、L* a* b* 表示で目標のb* 値の上限を超え、黄系が強くなり、目標の色調が達成できなくなる。一方、110 mg/m2 を超えると、耐食性の向上が飽和し付着量に見合う効果が期待できないうえ、鋼板外観が、L* a* b* 表示で目標のb* 値の下限未満となり、青系が強くなり、目標の色調が達成できなくなる。さらに、めっき層の形成に多大の時間を要し生産性が低下し、製造コストが上昇し経済的に不利となる。
【0021】
クロムの水和酸化物層の付着量が、3.0mg/m2未満では、被膜の密着性が不足するうえ、鋼板外観が、L* a* b* 表示で目標のb* 値の上限を超え、また目標のa* 値の下限未満となり、黄緑系が強くなり、目標の色調が達成できなくなる。一方、30.0mg/m2 を超えると、溶接性が劣化するとともに、鋼板外観が、L* a* b* 表示で目標のb* 値の下限未満となり、また目標のa* 値の上限を超え、赤青系が強くなり、目標の色調が達成できなくなる。
【0022】
クロムめっき処理後、ついで、乾燥され、塗油されて製品とされる。なお、各処理の間には水洗処理が行われるのはいうまでもない。
【0023】
【実施例】
冷間圧延後、連続焼鈍および調質圧延を施された低炭素冷延鋼板( 板厚:0.32mm)に、通常の脱脂処理(アルカリ洗浄:NaOH 50g/l)、酸洗処理(硫酸:30g/l)を施したのち、表1、表2に示す条件で錫めっき処理、およびクロムめっき処理を行い、表3に示すような表面に均一な厚さの錫めっき層と金属クロム層とクロムの水和酸化物層(クロム酸化物層)とを順次、形成されためっき鋼板を得た。
【0024】
これらめっき鋼板について、表面外観検査、溶接性試験、塗膜密着性試験、耐食性試験を実施した。
(1)表面外観検査
これらめっき鋼板表面にクリアニス塗膜を形成したのち、表面外観を、JIS Z 8729の規定に準拠して、日本電色工業(株)製「SQ−2000」で明度(L* )およびクロマティクネス指数( a* ,b* )を測定し、鋼板の色調を評価した。なお、測定範囲は30mmφとした。なお、クリアニスとしては、エポキシ系塗料を使用し、塗布量を60mg/dm2とした。
(2)溶接性試験
これら表面処理鋼板から試験片を採取し、溶接速度:20m/min 、溶接加圧力:65kgf (637N)で、電流値を変えてシーム溶接し、溶接部の強度が母材強度を超えるに必要な下限電流値と、溶接部からちりが発生する電流値(上限電流値)をもとめた。上限電流値と下限電流値の差を適正溶接電流範囲とし、適正溶接電流範囲が大きいほど溶接性が良好であると評価した。適正溶接電流範囲が一次電流で3A以上を◎、3未満〜1A以上を○、1A未満を×とした。
(3)塗膜密着性試験
これら表面処理鋼板から試験片を採取し、市販のエポキシフェノール系塗料を60mg/dm2塗布し、160 ℃×10 minで焼付けを行ったのち、塗装面に碁盤目を1mm角で100 個導入し、テープ剥離試験によって塗膜の密着性を評価した。塗膜剥離が見られない場合を○、塗膜剥離があった場合を×として、塗膜密着性を評価した。
(4)耐食性試験
これら表面処理鋼板から試験片を採取し、表面に塗料(エポキシフェノール系塗料)を塗布(60 mg/dm2 )し、加熱し熱硬化させたのち、塗装面にナイフでクロスカットを導入し、腐食試験に供した。腐食試験は、試験液(1.5 %クエン酸+1.5 %塩化ナトリウム溶液、液温:55℃)中に浸漬(96hr)する処理とした。試験後、クロスカット部の腐食状況を観察し、耐食性を評価した。クロスカット部の腐食幅が0.3 mm以上を×、0.1 〜0.3 mm未満を△、0.1mm 未満を○とした。
【0025】
これらの試験結果を表3に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
表3から、本発明例は、クリアニス塗装後の鋼板表面の外観が、L* 、a* 、b* 系表示で、いずれも目標範囲内であり、クリアニス塗装後のティンフリー鋼板(従来例)の色調とほぼ同等の表面外観を示している。また溶接性、塗膜密着性、耐食性ともに優れている。これに対し、本発明の範囲を外れる比較例は、表面外観、溶接性、塗膜密着性、耐食性のいずれかが劣化している。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、ティンフリー鋼板と比較して遜色がないクリアニス塗装後の鋼板外観と、溶接性、塗膜密着性および耐食性とを兼ね備えためっき鋼板を安価に製造でき、産業上格段の効果を奏する。また、無研削で電気抵抗溶接が可能であり、18リットル缶、ペール缶等の大型の溶接缶を効率高く製造できるという効果もある。
Claims (2)
- 鋼板表面の少なくとも片面に、錫めっき層と、金属クロム層と、クロムの水和酸化物層とを順次形成し、さらにその上層として少なくとも片面にクリアニス塗装を施されて使用される溶接缶用めっき鋼板であって、前記錫めっき層を鋼板を陰極として、酸性錫めっき浴で、浴温: 50 〜 55 ℃、電解条件: 20 〜 40A/dm 2 とする電解処理を施されて形成された均一厚さの錫めっき層とし片面当たり300 〜1500 mg/m2 有し、前記金属クロム層をめっき浴中で鋼板を陰極とする電解処理を行うクロムめっき処理により形成された金属クロム層とし、該金属クロム層を片面当たり30〜110 mg/m2 、前記クロムの水和酸化物層を金属クロム換算で片面当たり3.0 〜30.0mg/m2 形成し、クリアニス塗装を施されたのちの色調が、L* a* b* 表示で、L* :50〜90、a* :-2.0〜1.0 、b* :-2.5〜1.0 となることを特徴とする溶接缶用めっき鋼板。
- 前記錫めっき層の下層として、鉄−錫合金層を金属錫換算で50mg/m2 以上形成されてなる請求項1に記載の溶接缶用めっき鋼板。
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