JP2610979B2 - 耐食性、表面色調および溶接性に優れた電解クロメ−ト処理鋼板の製造方法 - Google Patents

耐食性、表面色調および溶接性に優れた電解クロメ−ト処理鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、耐食性,表面色調および溶接性に優れた
電解クロメート処理鋼板、具体的には、電気抵抗シーム
溶接により製缶される缶用材料として好適な、耐食性お
よび表面色調が良好な溶接缶用電解クロメート処理鋼板
の製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
鋼板の表面上に、下層としての金属クロム層と、上層
としてのクロム酸化物を主体とするクロム水和酸化物層
とからなる被膜が形成された電解クロメート処理鋼板
は、優れた塗装性および耐食性を有し、ブリキに比べて
安価であることから、飲料等の食缶,ベール缶,18l缶,
オイル缶等の缶用材料として、広い分野において使用さ
れている。従来、この種の鋼板を用いる缶材は、主に絞
り加工による2ピース缶や有機樹脂あるいは特殊セメン
トを用いる溶着缶(3ピース缶)として実用化されてい
るが、溶接缶としての利用割合は非常に小さい。これ
は、電解クロメート処理鋼板が、極めて溶接性に劣るメ
ッキ鋼板であるためである。しかしながら、近年、強度
および信頼性の高い溶接缶の需要が高まっていることか
ら、電解クロメート処理鋼板の溶接性の向上が要求され
ている。
電解クロメート処理鋼板の溶接性が劣る原因は、次の
通りである。即ち、メッキ層を構成する、下層としての
金属クロムおよび上層としてのクロム水和酸化物層の非
導電性および非伝熱性のために、溶接電流によって発生
する熱の発熱形態が不均一となり、鋼が局部的に発熱
し、チリ,ブローホール等の溶接欠陥が生じ易いからで
ある。このため、従来では、あえて通常の電解クロメー
ト処理鋼板を溶接するような場合には、溶接部となるク
ロメート処理皮膜を研磨除去してから溶接するという煩
雑な方法を採らざるを得ない。
また、この他にも、電解クロメート処理鋼板の溶接性
を確保するための技術として、特公昭57-19752号公報,
特開昭61-213398号公報および特開昭62-54096号公報が
既に公知である。
特公昭57-19752号公報には、「鋼板表面に目付量3〜
40mg/m2の金属クロム層と、その上部に金属クロム換算
で目付量2mg/m2〜15mg/m2のクロム酸化物を主体とする
非金属クロム層からなり、金属クロム層をポーラス状に
構成したことを特徴とする溶接性に優れたクロムメッキ
鋼板」が開示されている。
また、特開昭61-213398号公報には、「鋼板表面に10
〜40mg/m2の金属クロム層と3〜30mg/m2の均一の厚みの
クロム水和酸化物層とを形成し、且つ金属クロムを平滑
に被覆させたことを特徴とする塗装耐食性の優れた溶接
缶用ティンフリー鋼板」が開示されている。
これは、溶接性の向上のために、金属クロム量を少な
くし、それによる耐食性の劣化を金属クロム層とクロム
水和酸化物層を平滑あるいは均一の厚みとすることによ
って補うというものである。
また、特開昭62-54096号公報には、「鋼板表面に目付
量5〜200mg/m2の金属クロム層と、その上部に金属クロ
ム換算で目付量3〜30mg/m2のクロム酸化物を主体とす
るクロム水和酸化物層とを有し、前記金属クロム層表面
が、鋼板の総ての結晶方位面上において多数の粒状若し
くは角状の突起を有していることを特徴とする溶接性に
優れた電解クロメート処理鋼板」が開示されている。
これは、金属クロム層には粒状若しくは角状の突起を
形成することにより、接触抵抗を低下させ、溶接電流の
通電性を向上させ、溶接性を向上させようとするもので
ある。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述した2つの特公昭57-19752号公報および特開昭61
-213398号公報に開示された発明においては、金属クロ
ム量を少なくさせて溶接性の改善をはかっているが、金
属クロム量の減少により金属クロムがポーラス状に存在
するために耐食性が劣る。たとえ金属クロム層を平滑に
被覆して、均一な厚みのクロム水和酸化物層を形成した
としても、金属クロムがポーラス状の場合に比較すれば
耐食性は多少改善されるが、金属クロム量減少による耐
食性低下は依然として大きいという欠点がある。
一方、特開昭62-54096号公報に開示された発明のよう
に、金属クロム量が通常レベルのままでも金属クロム層
の全面粒状化により、溶接性は改善されるが、金属クロ
ム層に形成された突起により、鋼板表面での反射光が回
折干渉し、表面外観が黒色若しくは茶褐色に着色し著し
く製品の表面外観を損なうという欠点を有しいる。
従って、この発明の目的は、上述した問題点を解決
し、優れた溶接性(電気抵抗シーム溶接性)が得られる
とともに、耐食性が優れ、さらに表面色調も良好な電解
クロメート処理鋼板の製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
この発明の要旨は、以下の通りである。
電解水溶液中において、鋼板に陰極電解クロメート処
理を施して、前記鋼板の表面上に下層としての金属クロ
ム層と上層としてのクロム酸化物を主体とするクロム水
和酸化物層とを形成することからなる電解クロメート処
理鋼板の製造方法において、無水クロム酸,クロム酸塩
および重クロム酸塩の少なくとも1種以上を主成分と
し、且つ、その中にF-およびSO4 2-の少なくとも1種以
上を含む第1電解水溶液中で、前記鋼板を陰極として完
全連続電解を施し、所定の金属クロムの大部分をめっき
し、次いで、無水クロム酸,クロム酸塩および重クロム
酸塩の少なくとも1種以上を主成分とする第2電解水溶
液、または、無水クロム酸,クロム酸塩および重クロム
酸塩の少なくとも1種以上を主成分とし、且つ、その中
にF-およびSO4 2-の少なくとも1種以上を含む第2電解
水溶液中で、前記金属クロムめっき鋼板を陰極として、
めっきされる金属クロム量が5mg/m2以下の電解処理を施
すことにより、前記鋼板表面に目付量40超〜200mg/m2
下層としての前記金属クロム層と、目付量5〜25mg/m2
の上層としての前記クロム水和酸化物層とを有し、且
つ、前記金属クロム層および前記クロム水和酸化物層
が、ともに粒状および角状の突起をもたず、且つ、完全
平滑に形成された電解クロメート処理鋼板を製造するこ
とを特徴とする、耐食性,表面色調およ溶接性に優れた
電解クロメート処理鋼板の製造方法。
次に、この発明を具体的に説明する。
本発明の電解クロメート処理鋼板において、金属クロ
ム層は完全平滑に存在し、且つ、40超〜200mg/m2の付着
量とする。金属クロムを完全平滑化することにより必然
的にクロム水和酸化物層も平滑に付着するようになり、
クロム水和酸化物量は5〜25mg/m2とする。
電気抵抗シーム溶接によって、継ぎ目部分である缶胴
の縦縁部分の重ね合わせ部を溶接する場合に、上層とし
てのクロム水和酸化物層が絶縁被膜となるため、溶触抵
抗値(静的抵抗値)が高い。接触抵抗値は、溶接時に局
部的な過大電流が流れるかどうかを評価するための基準
であって接触抵抗値が高い場合には、溶接電流の通路が
狭く、局部的な過大電流が流れ易い。電解クロメート処
理鋼板の接触抵抗値は、102〜105μΩ/m2であって、他
の溶接缶用表面処理鋼板に比べて極端に高い。従って、
溶接開始直後の溶接電流は低く、一定時間経過後に、初
めて所定の溶接電流値となる。この結果、鋼板が局部的
に発熱して、チリが発生したり、溶接部にブローホール
等の溶接欠陥が生ずる。従って、接触抵抗は低いほど良
いと考えられている。しかし、本発明者等が、種々のク
ロムメッキ皮膜の溶接性を検討した結果、接触抵抗の大
小のみで溶接性の是非を一義的に判断できないことが判
明した。本発明のように、金属クロムが完全平滑になっ
ている場合、接触抵抗は非常に高くなるが金属クロム層
全面にすべての結晶方位面上に多数突起を形成させた電
解クロメート処理鋼板なみに溶接性が改善されることが
わかった。すなわち、金属クロム層が平滑であれ、粒状
であれ、それらが一様に均一であれば良好な溶接性が得
られることがわかった。このような皮膜構造で良好な溶
接性が得られるのは、完全平滑で均一な皮膜構造である
ために溶接電流が溶接部鋼板面を均一に流れるためと考
えられる。逆に、金属クロム層に部分的突起が形成され
ていたり、部分的に厚みが不均一であったりすると溶接
性は改善されない。
金属クロム及びクロム水和酸化物は、溶接性の面から
少ないほうが望ましいが、金属クロム量が40mg/m2以下
となると、溶接性は良好な傾向にあるが十分な耐食性が
期待できなくなる。一方、200mg/m2では金属クロム過多
による溶接性の低下が認められ始め、溶接性の向上が望
めなくなるとともに、経済的にも有利とはいえない。従
って、金属クロムの目付量は40超〜200mg/m2とした。ま
た、クロム水和酸化物量に関しても同様であり、その目
付量が金属クロム換算で5mg/m2未満となると耐食性に問
題が生じる。一方、25mg/m2を超えると溶接性が低下す
る。従って、クロム水和酸化物の目付量は5〜25mg/m2
とした。
金属クロム層及びクロム水和酸化物層は均一で完全平
滑でなければならない。ここでの平滑とは被膜中に粒状
や角状の突起のような局部的に厚い層が存在しないとい
うことを意味する。このように皮膜が均一平滑であるた
め、金属クロム層に粒状や角状の突起が形成された電解
クロメート処理鋼板のように、金属クロメート層中で反
射光が回折干渉し、金属クロム層、すなわち処理鋼板表
面が黒色または茶褐色に着色することがないので、常に
金属光沢を保って、良好な表面色調を呈する。
次に、この発明のクロメート処理鋼板の製造方法につ
いて説明する。
本発明においては、鋼板を常法に従って脱脂,酸洗し
た後、無水クロム酸,クロム酸塩および重クロム酸塩の
少なくとも1種以上を主成分とし、且つ、その中にF-
よびSO4 2-の少なくとも1種以上を含む電解液中におい
て、鋼板を陰極にして完全連続電解することにより製造
することができる。
完全連続電解は、均一な平滑被膜を得るために必須の
条件である。従って、水平型処理設備にせよ縦型処理設
備にせよ、鋼板は電極1回の通過で処理されることにな
る(1パス操業)。電解クロメート鋼板製造に一般的に
よる使われている縦型処理設備では、複数の電極を通過
しながら陰極電解処理が行なわれるが、電極と電極との
間は無通電区間となり、必然的に断続電解処理となる。
このような場合でも、電解液組成や電解処理電流密度等
の他の電解条件によって平滑な皮膜が得られることもあ
る。しかしながら、すべての電解液組成や電解条件で安
定して得られるものではない。また、断続電解での無通
電時には少なからずそれ以前までに付着していたクロム
水和酸化物の不均一溶解が生じ、その後の陰極電解で付
着する金属クロムは不均一度に応じて被覆されるため、
たとえ、突起の形成が認められなくとも、無通電時のク
ロム水和酸化物の不均一溶解の生じない完全連続電解処
理により形成された皮膜に比べると均一性は劣ることに
なり、好ましくない。
電解水溶液温度は低いほうが金属クロムが均一に析出
する傾向にあり、また金属クロムの析出効率も高くな
る。しかし、低い設定では通電時の発熱のために温度維
持が難しくなる。一方、電解液温度が高い場合、金属ク
ロムの析出効率が低下して経済的に不利であるととも
に、金属クロムが不均一に析出する傾向が強まる。従っ
て、好ましい電解液温度は35〜50℃である。
電解処理電流密度は、金属クロムが付着する条件であ
れば特に限定されるものではないが、電流密度が高いほ
ど金属クロムの析出効率は高く、また、より短時間で所
定の付着量が得られて生産性の面でも有利であることか
ら、電流密度は高い方が好ましい。特に、縦型設備の場
合、水平型設備に比べて電極長さは短く制限されるた
め、高電流密度の短時間処理が有利となる。
上記製造方法は電解クロメート処理方法のうちの1液
法という分類に属するものであるが、本発明鋼板はドラ
ッグや水洗タンク等で隔たった2つの電解液中での電解
処理(2液法と称する)によって製造することができ
る。以下にこの2液法での製造方法について説明する。
先ず、鋼板を常法に従って脱脂,酸洗した後、無水ク
ロム酸,クロム酸塩および重クロム酸塩の少なくとも1
種以上を主成分とし、且つ、その中にF-およびSO4 2-
少なくとも1種以上を含む第1電解水溶液中において、
鋼板を陰極にして完全連続電解する。ここまでは前述の
1液法の場合とまったく同様である。その後、ドラッグ
あるいは水洗工程等を通過して、無水クロム酸,クロム
酸塩および重クロム酸塩の少なくとも1種以上を主成分
とした第2電解水溶液、または、無水クロム酸,クロム
酸塩および重クロム酸塩の少なくとも1種以上を主成分
とし、且つ、その中にF-およびSO4 2-の少なくとも1種
以上を含む第2電解水溶液中で、前記クロムメッキ鋼板
を陰極として電解処理を施す。且つ、その際、第2電解
水溶液中での電解処理によりメッキされる金属クロム量
を5mg/m2以下にすることにより製造できる。
本第2液法は、第1電解水溶液中での電解と第2電解
水溶液中での電解との間に必ず無通電区間が存在し、断
続処理になる。従って、金属クロム層、しいてはクロム
水和酸化物層が不均一になる傾向を強めるため、電解中
断後の第2電解水溶液中での処理は、溶接性が劣化する
ほど皮膜が不均一に被覆しないように工夫しなければな
らない。そのために、第2電解水溶液での電解によりメ
ッキされる金属クロム量と5mg/m2以下にしなければなら
ない。第2電解水溶液での電解によりメッキされる金属
クロム量が5mg/m2超になると、金属クロム層とクロム水
和酸化物層に突起の形成が認められる場合がある。ま
た、明らかに突起が形成されている、あるいは、不均一
であると判別出来ない程度の皮膜であったとしても、溶
接性の劣化を招くまでに皮膜は不均一化する傾向が強ま
るからである。本2液法の第1電解水溶液中での電解
は、完全連続処理としなければならないが、第2電解水
溶液中での電解は連続あるいは断続処理に限定するもの
ではない。第2電解水溶液中での電解処理によりメッキ
される金属クロム量を5mg/m2以下にすれば連続,断続に
かかわらず目的を満足する性能を得ることができる。し
かしながら、連続電解の方が、より均一な皮膜が得られ
ことから、第2電解水溶液中での電解も望ましくは連続
電解処理した方が好ましい。
本発明における2液法における第1電解水溶液は、無
水クロム酸,クロム酸塩および重クロム酸塩の少なくと
も1種以上を主成分とし、且つ、その中にF-およびSO4
2-の少なくとも1種以上を含む電解液でなければならな
い。これは、金属クロムのほとんどすべてを第1電解水
溶液中での電解処理で付着させなければならないからで
ある。F-およびSO4 2-のような補助剤が混入していない
電解液では、金属クロムは非常に付着しにくい。一方、
第2電解水溶液での処理では、金属クロムの付着を低く
押さえ、主にクロム水和酸化物を付着させる処理になる
ため、電解水溶液は無水クロム酸,クロム酸塩および重
クロム酸塩の少なくとも1種以上を主成分とする、F-
よびSO4 2-のような補助剤を故意に添加しない水溶液で
もよいし、無水クロム酸,クロム酸塩および重クロム酸
塩の少なくとも1種以上を主成分とし、且つ、その中に
F-およびSO4 2-の少なくとも1種以上を含む電解水溶液
でもよい。第2電解水溶液での処理温度は第1電解水溶
液温度と同様35〜50℃が好ましい。温度がこれより高い
と皮膜が不均一になり易く、低いと通電時の発熱で温度
維持が難しくなるからである。
なお、本発明は、縦型設備または水平型設備のいずれ
の設備によっても実施することが出来る。
〔実施例〕
次に、本発明の実施例を説明する。
板厚0.22mmの冷延鋼板に通常の脱脂,酸洗を施した
後、第1表に示す条件により電解クロメート処理鋼板を
製造した。得られた電解クロメート処理鋼板に対して、
後述の方法により溶接性,耐食性,および色調の評価を
行なった。これらの結果を第1表にまとめて示した。
第1表に示すように、本発明の実施例1〜6は、溶接
性,耐食性および色調ともに優れた電解クロメート処理
鋼板であった。
これに対して、比較例1は溶接性は良好であるが、金
属クロム量が少ないために耐食性が劣る結果となった。
比較例2,3は第1電解水溶液中での電解処理が断続処
理となっているために、皮膜が不均一となり耐食性およ
び色調が劣っていた。
比較例4は、金属クロム層全面に粒状金属クロムが多
数形成され、溶接性は良好であったが、色調が非常に劣
っていた。
比較例5,6は第2電解水溶液中での電解処理により金
属クロムが5mg/m2超でメッキされたために、平滑性が劣
るようになり溶接性が劣った。
なお、第1表中に記載された浴組成(A)〜(G)、
および、電解処理電流の通電方法(通電条件)〜
は、以下に示す通りである。
電解水溶液組成(浴組成): (A)CrO3 180g/l,Na2SiFb 5g/l,Na2SO4 1g/l (B)CrO3 250g/l,Na2SO4 2.5g/l (C)CrO3 100g/l,NH4F 4g/l (E)CrO3 80g/l (F)CrO3 50g/l,NH4F 1g/l (G)CrO3 30g/l,H2SO4 0.25g/l 電解処理電流の通電方法(通電条件): 30A/dm2×1.8秒連続処理 50A/dm2×0.6秒連続処理 50A/dm2×0.3秒連続処理 100A/dm2×0.8秒連続処理 100A/dm2×0.3秒連続処理 5A/dm2×1秒連続処理 10A/dm2×0.4秒連続処理 10A/dm2×1秒連続処理 15A/dm2×0.2秒連続処理 30A/dm2×0.2秒連続処理 10A/dm2×0.2秒0.3秒中断10A/dm2×0.2秒断続処
理 30A/dm2×0.9秒0.6秒中断30A/dm2×0.9秒断続処
理 50A/dm2×0.5秒0.3秒中断50A/dm2×0.5秒断続処
理 100A/dm2×0.3秒1.8秒中断100A/dm2×0.3秒断続
処理 次に、溶接性,耐食性および色調の評価は、以下に示
す通りである。
溶接性の評価: 溶接性の評価は、スードロニック溶接機を使用し、溶
接強度,溶接外観を検討し、溶接可能適正電流範囲の広
さにより評価した。評点については以下の如くである。
溶接可能な溶接電流調製ダイヤル目盛りの範囲の広さ
により評価した。
◎…目盛り範囲3以上 ○…目盛り範囲1.5〜3未満 △…目盛り範囲0.5〜1.5未満 ×…目盛り範囲0.5未満またはなし 塗装耐食性: クロスカットエリクセンテストによって調査した。電
解クロメート処理鋼板にエポキシフェノール系塗料を50
mg/m2塗装,焼付後、鋭利なカッターナイフで塗膜面か
ら鋼素地に達する疵をクロス状に入れ、その後、エリク
セン試験機によりクロスカット部中心から5mmの押し出
しを行なった。これを食塩1.5%,クエン酸1.5%からな
る水溶液中に浸漬し、38℃で4日間経時後、クロスカッ
ト部の腐食幅を測定した。評価は以下の通りであった。
◎…最大腐食幅・1mm以下 ○…最大腐食幅・1超〜1.5mm未満 △…最大腐食幅・1.5〜2mm未満 ×…最大腐食幅・2mm以上 色調: 表面色調は目視により以上の評価基準で判定した。
○…鋼板のまま、且つクリヤ塗装後も表面着色が認めら
れない。
△…鋼板のままでは判別できないが、クリヤ塗装後に表
面着色が認められる。
×…鋼板のままで着色が認められる。
〔発明の効果〕 以上に説明したように、本発明方法によって製造され
た電解クロメート処理鋼板によれば、金属クロム量を極
端に低下させることなく、且つ、金属クロム層およびク
ロム水和酸化物層を平滑に被覆しているために、塗装耐
食性がよく、なおかつ優れた溶接性を得ることができ、
加えて、本発明法によれば、金属クロム層を連続電解処
理により均一平滑に被覆させるため表面色調も良好に保
つことができる等有用な効果が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古屋 博英 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−238299(JP,A) 特開 昭61−213398(JP,A) 特開 平2−111899(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電解水溶液中において、鋼板に陰極電解ク
    ロメート処理を施して、前記鋼板の表面上に下層として
    の金属クロム層と上層としてのクロム酸化物を主体とす
    るクロム水和酸化物層とを形成することからなる電解ク
    ロメート処理鋼板の製造方法において、無水クロム酸、
    クロム酸塩および重クロム酸塩の少なくとも1種以上を
    主成分とし、且つ、その中にF-およびSO4 2-の少なくと
    も1種以上を含む第1電解水溶液中で、前記鋼板を陰極
    として完全連続電解を施こし、所定の金属クロムの大部
    分をめっきし、次いで、無水クロム酸、クロム酸塩およ
    び重クロム酸塩の少なくとも1種以上を主成分とする第
    2電解水溶液中で、前記金属クロムめっき鋼板を陰極と
    して、めっきされる金属クロム量が5mg/m2以下の電解処
    理を施すことにより、前記鋼板表面に目付量40超〜200m
    g/m2の下層としての前記金属クロム層と、目付量5〜25
    mg/m2の上層としての前記クロム水和酸化物層とを有
    し、且つ、前記金属クロム層および前記クロム水和酸化
    物層が、ともに粒状および角状の突起をもたず、且つ、
    完全平滑に形成された電解クロメート処理鋼板を製造す
    ることを特徴とする、耐食性、表面色調および溶接性に
    優れた電解クロメート処理鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】前記第2電解水溶液は、無水クロム酸、ク
    ロム酸塩および重クロム酸塩の少なくとも1種以上を主
    成分とし、且つ、その中にF-およびSO4 2-の少なくとも
    1種以上を含む電解水溶液である請求項1記載の、耐食
    性、表面色調および溶接性に優れた電解クロメート処理
    鋼板の製造方法。
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