JP2583297B2 - シーム溶接性、塗料密着性および塗装後耐食性に優れた極薄溶接缶用材料 - Google Patents

シーム溶接性、塗料密着性および塗装後耐食性に優れた極薄溶接缶用材料

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はシーム溶接性、塗装密着性および塗装後耐食
性に優れた被覆構成を有する板厚0.10〜0.18mmの極薄溶
接缶用材料に関するものである。
(従来の技術) 近年、スードロニック法に代表されるシーム溶接製缶
法の実用化が急速に進展している。この溶接製缶法は半
田製缶法や絞りしごき製缶法と異なり、より少ない錫メ
ッキ量で製缶できる特徴からメッキ量の少ないSn系被覆
鋼板(以下「LTS」略す)の使用が増加している。LTSは
耐食性を向上させるため缶内外面に焼き付け塗装が施さ
れて使用される。
当然のことながら、溶接缶用LTSには電気抵抗溶接法
によるシーム溶接性に優れていることが要求される。シ
ーム溶接性の向上には塗装焼き付け後に残留する金属錫
(以下「free−Sn」と称す)が最も効果が有り、free−
Sn量が多ければ多いほどシーム溶接性は良好である。塗
装焼き付け時にSnメッキ層の一部がメッキ原板と熱拡散
によって合金化し、free−Snが減少するためシーム溶接
性は劣化する。そのため、塗装焼き付け後にfree−Snを
充分確保し同時に良好な耐食性、塗装性能を発揮する溶
接缶用材料の開発が積極的になされており、例えば次の
ような先行技術が知られている。
鋼板表面に30〜1000mg/m2のNiメッキ層と100〜2000
mg/m2のSnメッキ層を設け、加熱溶融処理(以下「リフ
ロー処理」と称す)を施すあるいは施さないでCr換算量
で2〜20mg/m2のクロムメート被膜を形成せしめる方法
(特開昭57−23091号)。
鋼板表面に厚さ0.001〜0.05μm(約8.9〜445mg/
m2)のNiメッキを施し、引き続き還元性雰囲気で熱処理
を行いNiメッキ層の一部又は全部を鋼素地中へ拡散浸透
させた後、厚さ0.01〜0.2μm(約73〜1460mg/m2)のSn
メッキとリフロー処理を施した後クロメート処理を施す
方法(特開昭57−200592号)。
鋼板上に重量比でNi/Ni+Fe=0.02〜0.50の範囲の
組成で厚さ10〜5000Å(約8〜4900mg/m2)のFe−Ni合
金層を100〜1000mg/m2のSnメッキ層を設け、リフロー処
理を行ってCr換算量で5〜20mg/m2のクロメート処理層
を設ける方法(特開昭60−17099号)。
これらの方法はいずれも (a)メッキ原板をSnメッキ層の中間下地層にNiあるい
はNi−Fe合金層を設け、Snメッキ後リフロー処理を行い
均一緻密なNi−Sn−Fe合金層を形成して、この合金層の
作用とその表面のSnメッキ層との複合効果によって耐食
性と塗装後耐食性を向上せしめること、 (b)これらの均一緻密な合金層の生成が塗装焼き付け
時にSnメッキ層と原板との加熱拡散反応を抑制すること
および溶接性を損なわない範囲のCr付着量で塗装性能を
向上せしめるクロメート被膜を設けて溶接性、塗装性能
を確保すること、 などを思想としたもので、LTS系の優れた溶接缶用材料
である。
(発明が解決しようとする課題) 近年さらにより一層の溶接製缶技術の進歩と製缶コス
トダウンが相俟って原板素材の薄手化が要請されてい
る。即ち、現状の板厚0.20〜0.24mmから0.10〜0.18mmの
薄手材で溶接性、耐食性、塗装性能の優れた溶接缶用材
料の開発が要請されている。
しかし、この薄手材に前記の公知技術を適用した場
合、充分な溶接強度と良好な外観が得られる適性溶接範
囲が非常に狭くなるという問題があった。これは、特に
缶内面側で充分な溶接強度が確保できる前に溶接金属が
飛び出し(以下「散り」と称す)、塗装後耐食性および
溶接強度の劣化が生じるという問題である。
本発明はこの問題に対処するため、板厚0.10〜0.18mm
の極薄材を使用した場合に充分広い適性溶接範囲を有
し、かつ良好な塗装性能と塗装後耐食性を発揮する極薄
溶接缶用材料を提供せんとするものである。
(課題を解決するための手段) 発明者らは溶接缶用材料の適正な表面被膜構成につい
て検討した結果、板厚0.18mm以下の極薄材を溶接缶用材
料に適用した場合、散りの発生なく充分な溶接強度が得
られる広い適性溶接範囲を確保するためには溶接極輪/
材料界面および材料/材料界面の接触抵抗を極力低減し
なくてはならないことが判明した。特に、ここで重要な
のは缶体形状から缶内面に接触する溶接極輪の径は缶外
面に接触する溶接極輪の径に比べて極めて小径サイズに
制限されることである。溶接極輪の径が小さいというこ
とは極輪と材料との接触面積が小さくなり溶接時に流れ
る電流の通電路が規制されるということであり、溶接時
の過電流が散りの発生の原因になり易い。このような溶
接極輪/材料間の接触面積を増大しその接触抵抗を低減
させるには、軟らかく融点の低い金属錫即ちfree−Snの
存在が最も効果が大きいことが判った。free−Snが多け
ればおおいほど溶接性は良好であるが、経済的な観点か
ら高価な錫はできるだけ低減しなくてはならず、缶内面
と缶外面で溶接極輪との接触面積が異なるため、各々適
正なfree−Sn残留量が存在する。
更に、できるだけ少ない錫メッキ量でこのようなfree
−Sn量を確保し、良好な耐食性を発揮するにはNi系の下
地処理を施すことが望ましい。Ni系の下地処理を施すこ
とにより緻密で均一なNi−Fe−Sn系の合金層が生成し塗
装焼き付け時に錫が合金化するときのバリヤー層として
存在すると共に耐食性にも優れた性能を発揮する。
又、良好な塗装性能と塗装後耐食性を確保するためfr
ee−Snの上にクロメート被膜を設けなくてはならない
が、クロメート被膜は絶縁体であり微量存在する金属ク
ロムは高融点のためクロメート被膜は溶接性にはマイナ
ス要因である。そのためクロメート被膜は良好な塗装性
能と塗装後耐食性を確保できる最小必要量に規制する必
要がある。
本発明者らはこれらの考え方をベースに詳細に検討し
た結果、板厚0.10〜0.18mmの溶接缶用材料として優れた
溶接性、塗装性、塗装後耐食性を有する極薄溶接缶用材
料が得られることを発見した。
本発明はその知見に基づいてなされたもので、その要
旨は 1) 鋼板厚0.10〜0.18mmの缶用メッキ原板の缶内面相
当面に塗装焼き付け後に合金化していない金属錫が200
〜2500mg/m2、缶外面相当面に塗装焼き付け後に合金化
していない金属錫が50〜2000mg/m2の残留量でかつ缶内
面相当面に缶外面相当等面よりも多くの金属錫を残留
し、内外両面にクロム換算付着量で各々1〜30mg/m2
クロメート被膜層を有するシーム溶接性、塗料密着性お
よび塗装後耐食性に優れた極薄溶接缶用材料 2) 鋼板厚0.10〜0.18mmの缶用メッキ原板の缶内面相
当面に塗装焼き付け後にNi−Fe−Sn合金層あるいはFe−
Sn合金層が存在し、その上に合金化していない金属錫が
200〜2500mg/m2残留し、一方、缶外面相当面に塗装焼き
付け後にNi−Fe−Sn合金層あるいはFe−Sn合金層が存在
し、その上に合金化していない金属錫が50〜2000mg/m2
の残留量でかつ缶内面相当面に缶外面相当面よりも多く
の金属錫を残留し、さらに内外両面にクロム換算付着量
で各々1〜30mg/m2のクロメート被膜層を有するシーム
溶接性、塗料密着性および塗装後耐食性に優れた極薄溶
接缶用材料 である。
(作用) 以下に本発明について詳細に説明する。
本発明において、缶用メッキ原板として板厚0.10〜0.
18mmの鋼板を用いる。メッキ原板の製造法、材質などは
特に規制されるものではなく、通常の鋼片製造工程から
熱間圧延、酸洗、冷間圧延、焼鈍、調質などの工程を経
て製造される。更に、このメッキ原板は必要とされる缶
体強度に応じて冷間圧延後焼鈍を行ってから再冷間圧延
(即ち2CR法)する製造工程で製造してもよい。鋼板強
度は製缶工程でのフランジ加工性から硬度65〜71がよ
い。
本発明において、板厚が0.10mm未満の薄いメッキ原板
では缶内容物の圧力あるいは窒素ガスの充填などの利
用、または缶体ビードを付加したりする方法を利用して
も充分な缶体強度を安定に確保しがたく、板厚は0.10mm
以上である。
又、板厚が0.18mmを越える場合は、公知技術の利用に
より、良好な性能の溶接缶が製造可能である。しかし、
板厚0.18mm以上では缶体の軽量化あるいはコストダウン
などの観点からも好ましくないので、本発明においては
板厚0.18mm以下のメッキ原板を用いる。本発明はこれら
の板厚の鋼板表面に溶接性、塗料密着性、塗装耐食性に
優れた適性な被膜処理を施す。
まず、良好な溶接性を発揮する被膜構成の作用効果に
ついて述べる。溶接性は散りの発生がなく、充分な溶接
強度が得られる適性溶接範囲が広ければ広いほど溶接性
は良好と評価される。そのためには塗装焼き付け後に残
留するfree−Sn量が最も効果があり、その量が多いほど
溶接性は良好である。その理由として、つまり溶接性に
及ぼす残留free−Sn量の効果として以下のことが挙げら
れる。
a) 錫金属が軟質のため溶接時に極輪から加えられる
加圧力により極輪/材料間あるいは材料/材料間の接触
面積が広がり、接触抵抗が減少し溶接時の局部的な電流
の集中が防げる。溶接電流が集中するとその部分で局部
的な発熱が起こり、散りを発生する原因となる。すなわ
ち、free−Snは散りの発生を防止する。
b) 錫金属が低融点のため溶接時の発熱により容易に
溶解し、極輪/材料間あるいは材料/材料間の接触面積
を広げて接触抵抗を減少し、溶接時の局部的な電流の集
中を防止する。
溶接缶用材料は溶接される前に溶接部に相当する以外
の部分に塗装が施され、その塗料は200℃前後の温度で
数分焼き付けられ塗膜が形成される。この塗装焼き付け
時に錫メッキ層と地鉄界面で熱による拡散反応が進行し
free−Sn量が減少するため溶接性が劣化してくる。つま
り、良好な溶接性を確保するには塗装焼き付け後、溶接
される直前に残留するfree−Sn量をいかに確保するかが
重要なポイントである。特に0.10〜0.18mmの極薄原板素
材で経済的な観点から必要最少量のSnメッキ量で溶接缶
用材料の素材設計を考えた場合、塗装焼き付け後残留す
るfree−Snが溶接性を支配する。
ここで重要なのは、缶体形状から缶の内面に接触する
溶接極輪は缶の中に入って溶接を行うため、その径は缶
径より小さくなければならず、それに比べて缶の外面に
接触する溶接極輪はそのような規制を受けることはな
く、極輪の径は任意に設定できることである。つまり、
缶の内面に接触する極輪の径は缶外面に接触する極輪径
に比べて極めて小径サイズに規制されることになる。極
輪径が小さいということは極輪と材料の接触面積が小さ
くなり溶接時に流れる電流の通電路が規制されることで
あり、溶接通電時に局部的な過電流が流れる。溶接時に
発生する散りは、このような過電流による局部的な発熱
が直接的な原因である。
特に本発明のように0.10〜0.18mmの極薄鋼板を用いて
電気抵抗溶接法により溶接缶を製缶する場合、外周側に
相当する面以上に内面側の小径電極と材料表面との界面
接触抵抗を低減して通電路を広く確保する必要がある。
即ち、溶接過程において材料同志が重ね合わされた鋼
板界面で溶接ナゲットが形成されるに必要な溶接電流
が、材料/電極の接触抵抗、材料/材料の接触抵抗およ
び材料の抵抗を含めた総抵抗に応じて負荷される。この
溶接電流は充分な溶接強度が得られ同時に形成された溶
接ナゲットから散りが発生しない適性溶接範囲内の電流
が負荷される。
そして、この負荷された溶接電流によって材料/材料
界面に溶接ナゲットが形成されるに必要な熱量が与えら
れるが、材料が極薄鋼板の場合材料の板厚が厚い場合に
比べて、材料表面が極めて冷却されにくいという問題が
ある。特に、缶内面側は極輪径が小径のため缶外面側に
比べて極輪への伝熱により放熱される熱量が少なく、缶
内面側は缶外面側に比べて材料表面の温度が高くなり易
い。その結果、溶接時に材料表面の温度が上昇するため
材料板厚が薄い場合極輪/材料界面の接触抵抗が増大
し、材料/材料界面に溶接ナゲットを生成するのに必要
な溶接電流以上の電流を供給するため、ナゲット部より
多くの散りを発生し溶接欠陥を生じさせることになる。
従って、板厚が0.10〜0.18mmの極薄鋼板が溶接缶用材
料として使用される場合には缶内面相当面と溶接極輪界
面の接触抵抗を低減させる得る被膜構成が必要である。
これらの観点から種々の検討の結果、材料の缶内面相当
面に軟質で低融点のfree−Snが塗装焼き付け後に多く残
留し得る被覆構成にすることが重要である。
free−Snが多く残留することにより小径電極との接触
面積を広く確保できること、更には残量表面の温度が上
昇しても材料板厚方向への通電性が増大することによっ
て、材料/材料界面に生成するナゲット形成に必要な電
流以上の電流を供給する必要はない。この効果を得るた
めには溶接缶用材料の缶内面相当面に塗装焼き付け後に
free−Snが50〜2500mg/m2、缶外面相当面に塗装焼き付
け後にfree−Snが50〜2000mg/m2残留し、かつ缶内面相
当面に缶外面相当面よりも多くの金属錫をすることで構
成される。
缶内面相当面においてfree−Sn残留量が200mg/m2未満
の場合、材料/極輪界面の接触抵抗が高く、良好な溶接
性を確保することはできない。また、耐食性の観点から
もfree−Sn残留量が少ないということは、犠牲防食作用
が低下し耐食性が劣化する。一方、free−Sn残留量が25
00mg/m2を越えると、材料/極輪界面での接触抵抗は充
分低減し良好な溶接性が確保できる。さらに、耐食性も
充分良好な性能が確保される。しかし、free−Sn残留量
が多くなると接触抵抗の低減効果および耐食性の向上効
果が飽和するとともに、塗装後の塗膜硬度も柔らかく、
製缶加工時に傷が付き易くなるため耐食性も劣化する。
このように、缶内面側において特に良好な溶接性を発揮
し、塗膜硬度の劣化も起こらない適正なfree−Sn残留量
は200〜2500mgm2で、製缶加工時の溶接において材料/
極輪界面での接触抵抗を低減するために、缶内面相当面
よりも多くの金属錫を残留させる必要がある。
次に、缶外面相当面においては極輪径が内面側極輪径
より大きいので、缶内面側ほどfree−Sn残留量を多く必
要としない。しかし、free−Sn残留量が50mg/m2未満で
は、材料/極輪界面での接触抵抗が大きく、局部発熱に
よる散りの発生が起き易くなり溶接性を劣化する。更
に、耐錆性の観点からもfree−Sn残留量が少なくなる
と、地球の露出面積が大きくなり、好ましくない。一
方、free−Sn残留量が2000mg/m2を越えると、良好な溶
接性性、耐錆性は確保できるがその効果は飽和しまた経
済的メリットもなくなる。したがって、缶外面側におい
て適性なfree−Sn残留量は50〜2000m2である。
このように、極薄材で良好な溶接性を発揮する溶接缶
用材料には塗装焼き付け後に残留するfree−Sn量が最も
大きな影響を与えている。しかし、耐食性、耐錆性、更
には経済的な観点から、できるだけ少ない錆メッキ量で
塗装焼き付け後のfree−Sn残留量を確保するために適正
な下地処理を施すことが望ましい。
次に、この適正な下地処理について詳細に説明する。
錫メッキ層の適正な下地処理として、Ni−Fe−Sn合金
層あるいはFe−Sn合金層を施す。Ni−fE−Sn合金下地処
理は、錫メッキ量が少ない領域で良好な性能を発揮する
のに特に有効である。錫メッキ量が多い領域でもNi−Fe
−Sn合金下地処理は施した方が好ましいが、実用的には
さほど大きな差は認められない。また、Snメッキ量の多
い領域では、Niを含む合金層を形成する大きな効果は、
特に認められないので、合金層としてはメッキ原板に直
接Snメッキを施し、Fe−Sn合金層を形成させる。Snメッ
キ量が多い領域ではFe−Sn合金層でも塗装焼き付け後fr
ee−Snが充分残留し、良好な溶接性は確保でき、又、耐
食性、耐錆性も良好である。
しかし、経済的な観点からは、高価な錫を節約可能な
できるだけ少ない錫メッキ量で良好な溶接性、耐食性、
耐錆性を確保しなくてはならず、これから述べるNi−Fe
−Sn合金の下地処理が重要である。
Ni−Fe−Sn合金層を錫メッキ層の下地処理として設け
る目的次の3点である。
Ni−Fe−Sn合金下地処理を施すと、塗装焼き付け時
に錫メッキ層と原板素地との熱拡散が抑制される効果が
得られ、Ni−Fe−Sn合金下地処理が施されない場合に比
べて、合金化されないfree−Sn残留量が多い。
その結果、軟質、低融点のfree−Snがより多く存在す
るため、材料/極輪界面の接触抵抗が低下し、良好な溶
接性を確保することが容易となる。また、同一の錫メッ
キ量を施した場合、free−Sn残留量が多いと錫金属の軟
質性から製缶加工性が有利であり、加工部での優れた耐
錆性が得られる。
Ni−Fe−Sn合金層はFe−Sn合金層に比べ、均一で緻
密であることから缶内容物中での錫メッキ層の溶出速度
が低減され、同一free−Sn残留量の場合、Ni−Fe−Sn合
金下地処理を施した方が錫金属の犠牲防食能が長時間維
持され、缶寿命が長くなる。更には、犠牲防食作用のな
い内容物中で錫メッキ層あるいは塗膜に欠陥が生じた場
合、又、外面側で錫メッキ層あるいは塗膜に欠陥が生じ
た場合でも、鉄の溶出を防止して、耐食性および耐錆性
を向上する。
Ni−Fe−Sn合金層は比較的硬質である。従って、製
缶加工時あるいは缶体の輸送時などにおいて、塗膜の傷
付きが防止され、たとえ傷付きが生じても硬質のNi−Fe
−Sn合金層が存在するため鋼素地まで到達する傷が付き
にくく、塗膜後の耐食性及び耐錆性を向上させる。
このような効果のある適正なNi−Fe−Sn合金層を形成
するための方法は、本発明においては特に規制するもの
ではないが、以下のような方法で形成するのが好まし
い。
I 電気メッキ法により、鋼板表面にNiメッキ、Ni−Fe
合金メッキあるいはNi−Sn合金メッキを施し、その上層
に本発明の被膜構成を得るための錫メッキを施し、リフ
ロー処理を行ってNi−Fe−Sn合金層を形成する、あるい
は塗装焼き付け時の加熱処理を利用してNi−Fe−Sn合金
層を形成する方法 II 電気メッキ法により、鋼板表面にNiメッキ、Ni−Fe
合金メッキ、Ni−Sn合金メッキを施してから、還元性雰
囲気で拡散処理を施してから、そのうえに錫メッキを行
い、リフロー処理を施してNi−Fe−Sn合金層を形成す
る、あるいは塗膜焼き付け時の加熱処理を利用してNi−
Fe−Sn合金層を形成する方法 などが採用される。
特に、Ni系下地処理層と錫メッキ層が設けてから、リ
フロー処理を施してNi−Fe−Sn合金層を形成する場合
は、錫メッキ層の表面にフラックス処理を施してから、
錫金属の融点(232℃)直上の235〜350℃の温度範囲で
1〜10秒程度の加熱溶融処理を行って容易に形成され
る。また、このフラックスの種類によって、リフロー処
理後の外観が影響される。金属光沢を有する外観を得る
には、フラックスとして錫メッキ浴の濃度を均一に希釈
した溶液を用い、また白色マット状の外観を得る場合に
は水道水、蒸留水あるいは錫メッキ浴を1/10以下に希釈
した溶液などを用いれば良い。
本発明のように板厚0.10〜0.18mmの鋼板を用いる場合
には、缶強度を確保するためには前述したように2CR法
により製造された原板を用いるのが好ましい。従って、
焼鈍拡散処理の冷間圧延によってNi系下地処理層が破壊
される可能性があるので、拡散処理法よりも2CR圧延後
にメッキ処理を行うことが下地処理としては好ましい。
更に、Ni−Fe−Sn合金層の厚さについては、リフロー
処理時の温度、加熱時間および下地処理として施される
Niメッキ、Ni−Fe合金メッキ、Ni−Sn合金メッキ層の組
成メッキ量により、各々任意に調整可能である。また、
リフロー処理を施さない場合には、塗装焼き付けによる
加熱条件は使用する塗料により決まってしまうが、下地
処理層の組成及び付着量によりNi−Fe−Sn合金層は任意
に調整可能である。
Ni−Fe−Sn合金層の被覆量は特に規制されるものでは
ないが、合金層のピンホールを減少させ、緻密な合金層
を形成せしめ、良好な性能を確保するには250mg/m2
上、また製缶加工時において硬質なNi−Fe−Sn合金層に
クラックか発生し上層free−Sn層あるいは塗膜表面にま
で達するクラックの発生源になるのを防止するためには
1000mg/m2以下が望ましい。
Snメッキ量の多い領域ではFe−Sn合金層が生成する
が、Fe−Sn合金層はNi−Fe−Sn合金層に比べて粗である
ため、良好な性能を確保するにはその被覆量は400mg/m2
以上、又、製缶加工時にクラックが発生せず、耐食性を
劣化させないためには1400mg/m2以下の被膜量が望まし
い。
引き続き、このような被覆量を有した鋼板の錫メッキ
層に対して、塗料密着性、塗装耐食性の向上を目的とし
てクロメート処理を施す。クロメート被覆は缶内面に対
して缶内容物が塗膜を通過して塗膜下で腐食が進行する
アンダーカッティングコロージョンの防止、缶外面に対
しては貯蔵時に塗膜下で発生する糸状錆、いわゆるフィ
リフォームコロージョンなどの耐錆性の向上に非常に効
果がある。
このようなクロメート被膜が形成されていることによ
り、長時間にわたり塗膜の密着性が劣化せず、良好な耐
食性、耐錆性が保持される。また、クロメート被膜は硫
黄化合物を含む食品、例えば魚肉、畜産物などの場合に
見られる鋼板の表面の黒変即ち硫化黒変を防止する効果
が大きい。このように、クロメート被膜は特に塗装され
て用いられる場合には性能向上に効果が大きいが、溶接
性に対してはマイナス要因である。ここで言うクロメー
ト被膜とは水和酸化クロム単一の被膜即ち本来のクロメ
ート被膜と、いま一つは下層に金属クロム層、上層に水
和酸化クロム層の二層よりなる被膜の二つの場合を指し
ている。水和酸化クロム被膜は電気的に絶縁体のため電
気抵抗が非常に高く、金属クロムも融点が高くかつ電気
抵抗も高いので、両者とも溶接性を劣化せしめるマイナ
ス要因である。
そのため、良好な塗装性能と実用的に溶接性を劣化せ
しめない適正なクロム付着量が非常に重要となる。本発
明においてはクロム付着量は金属クロム換算で片面当た
り1〜30mg/m2、好ましくは5〜20mg/m2である。
即ち、クロム付着量が1mg/m2未満では、塗料密着性の
向上、アンダーカッティングコロージョンなどの塗膜下
腐食の防止に効果が得られないので、5mg/m2以上のクロ
ム付着量が望ましい。一方、30mg/m2を越えると接触抵
抗が著しく増加し、局部的な発熱による散りが発生し易
くなり、溶接性が劣化する。そのため、クロム付着量は
30mg/m2以下、好ましくは20mg/m2以下である。
クロメート処理は各種のクロム酸のナトリウム塩、カ
リウム塩、アンモニウム塩の水溶液による浸漬処理、ス
プレイ処理、電解処理など、いずれの方法で行っても良
いが、特に陰極電解処理が優れている。とりわけ、クロ
ム酸にSO4 2-イオン、F-イオン(錯イオンを含む)ある
いはそれらの混合物を添加した水溶液中での陰極電解処
理が最も優れている。クロム酸の濃度は特に規制しない
が、20〜200g/lの範囲で充分である。
添加するアニオンの量はCr6+の1/300〜1/25好ましく
は1/200〜1/50の時、最良のクトメート被膜が得られ
る。アニオンの量がCr6+の1/300以下では均質かつ均一
で塗装性能に大きく影響する良質のクロメート被膜が得
られない。また、1/25以上は、生成するクロメート被膜
中に取り込まれるアニオンの量が多くなり、塗装性能、
特に塗料二次密着性が劣化する。添加されるアニオンは
硫酸、硫酸クロム、弗化アンモン、弗化ソーダの化合物
などの形態でクロム酸浴中へ添加される。
浴温は特には規制するものではないが、30〜70℃の範
囲が作業性の点から適切な温度範囲である。陰極電解電
流密度は5〜100A/dm2の範囲で充分である。処理時間
は、前記処理条件の任意の組み合わせにおいて、クロム
付着量が前記に示した1〜30mg/m2の範囲に入るように
設定する。
特に本発明においてはクロム酸水溶液にSO4 2-又はF-
イオンを上記範囲で添加し電流密度50〜100A/dm2で0.2s
ec以下の短時間処理を行うのが好ましい。この処理によ
り金属クロムが錫メッキ層上に5〜15mg/m2析出し、そ
の上層に水和酸化クロム層からなる二層型クロメート被
膜が生成される。この水和酸化クロム層は、電解処理後
の水溶液中での浸漬時間の調整あるいは別に設けられた
処理タンクで濃度の異なるクロム酸−アニオン系処理浴
での溶解処理によりその被膜量が調整される。
この金属クロム層が錫メッキ層表面に均一に被覆する
ことによって、塗装性能が著しく向上し、特に錫メッキ
後リフロー処理を行い、これらのクロメート処理を施し
たものが、更に一段と塗装性能の向上が著しい。容器用
素材として使用される場合、クエン酸などの有機酸水溶
液を含む腐食環境では、塗膜を通して浸入してくる腐食
水溶液が塗膜下で錫メッキ層を腐食させるため、金属ク
ロム層を析出させ、腐食水溶液が錫金属表面に到達する
のを抑制する効果が顕著である。
そして、上記付着量の範囲において二層型クロメート
被膜における金属クロム層と水和酸化クロム層の比が0.
6≦水和酸化クロム/金属クロム≦3の範囲が好まし
い。即ち、金属クロムに対して水和酸化クロムの量が少
ない場合、金属クロム層上に水和酸化クロム層の均一被
覆性が劣るため、塗料密着性が劣化する傾向にある。一
方、金属クロム層に比べ水和酸化クロム層が多い場合、
水和酸化クロム層中に含有されるアニオンおよびCr6+
オンが多くなり、塗装後高温環境にされされた場合にこ
れらのイオンの溶出が起こり、塗膜下で微小膨れ(いわ
ゆるブリスター)が発錆し易くなるので好ましくない。
従って、水和酸化クロムと金属クロムの構成比率を上記
のごとく0.6〜3の範囲に設定するのが好ましい。
[実施例] 以下に本発明の実施例について延べ、その結果を第1
表に示す。
冷間圧延もしくは焼鈍後の2回圧延により、所定の板
厚に調整したメッキ原板を5%苛性ソーダ中で電解脱脂
し水洗後10%硫酸中で電解酸洗し、表面活性化後必要に
応じて下地処理を行った。下地処理を行う場合には−
(イ)、(ロ)、(ハ)に示す条件で各々Niメッキ、Ni
−Fe合金メッキ、Ni−Sn合金メッキを行った。尚、熱拡
散処理は冷間圧延後−(イ)、(ロ)、(ハ)に示す
条件で各種下地処理を行った後−(ニ)に示す焼鈍条
件で熱拡散処理を行った。
各種下地処理後、に示す条件で錫メッキを施し、引
き続き必要に応じてリフロー処理を行った。そして、
−〜に示す処理浴でクロメート被膜を生成させたも
のを作成した。
各種下地処理条件 (イ)Niメッキ下地処理 メッキ浴組成 NiSO4・6H2O 250g/l NiCl2・6H2O 50g/l H3BO3 25g/l メッキ浴温 50℃ 電流密度 1〜20A/dm2(電解時間はNi メッキ量に応じて調整) (ロ)Ni−Fe合金メッキ下地処理 メッキ浴組成 NiSO4・6H2O 75g/l NiCl2・6H2O 140g/l FeSO4・7H2O 70〜170g/l (合金組成に応じて変更) H3BO3 40g/l メッキ浴温 50℃ 電流密度 1〜30A/dm2(電解時間は Ni−Fe合金メッキ量に応じ て調整) (ハ)(Ni−Sn)合金メッキ下地処理 メッキ浴組成 SnCl2 50g/l NiCl2・6H2O 300g/l NH4HF2 55g/l メッキ浴温 50℃ 電流密度 2〜30A/dm2(電解時間は Ni−Sn合金メッキ量に応じ て調整) (ニ)熱拡散条件 各種下地処理後次に示す条件で熱拡散処理を行った。
焼鈍温度 550〜700℃ 焼鈍時間 20〜60sec ガス雰囲気 2〜8%水素+92〜98%窒 素+不可避的不純物 錫メッキ条件 メッキ浴組成 硫酸錫 20〜30g/l 添加剤 1〜5g/l メッキ浴温 50℃ 電流密度 15〜25A/dm2 クロメート処理浴 CrO3 100g/l SO4 2- 0.6g/l Na2Cr2O7 24g/l pH 4.5 CrO3 80g/l SO4 2- 0.05g/l Na2SiF6 2.5g/l NH4F 0.5g/l 上記処理材について、以下に示す(A)〜(H)の項
目について実施し、その性能を評価した。
(A)接触抵抗の測定 シーム溶接性に大きな影響を与える接触抵抗値をCF型
電極のスポット溶接機を用いて測定した。測定用試験片
は、塗装焼き付けを想定して205℃×10min×3回のbaki
ngを行い、材料/材料界面で缶内面側と外面側が接触す
るように試験片をセットした。
CF型電極を用いた静抵抗測定方法を以下に示す。用い
た電極はクロム銅製で先端径4.5mmφのものである。試
験片2枚を電極間に配置し、エアーシリンダーにより20
0kgfに加圧した状態で電極間に1Aの低電流を通電し、そ
の時の電極/電極間、電極/鋼板間、鋼板/鋼板間の電
圧降下をナノボルトメーターで測定することで、冷間で
の静抵抗を求めた。
(B)シーム溶接性 試験片は、塗装焼き付けを想定して205℃×10min×3
回のbakingを行い、次の溶接条件でシーム溶接性を評価
した。
ラップ代0.5mm、加圧力45kgf、溶接スピード420缶/mi
nの条件で、電流を変更して溶接を実施し、十分な溶接
強度が得られる最小電流値と「散り」などの溶接欠陥が
目立ち始める最大電流値からなる適性電流範囲の広さ、
および溶接欠陥の発生状況から総合的に判断して評価し
た。
(C)塗膜硬度テスト 缶外面の塗膜の傷付き程度を評価するため、缶外面に
相当する面にクリヤーラッカーを40mg/dm2塗布し、180
℃×10min/乾燥硬化した。引き続き、各種硬化の鉛筆の
芯の先端をフラットに調整した後、試験片に対し45°の
角度で押し当て、50mm長さの傷付きテストを行った。
(D)碁盤目テスト 試験片の缶内面に相当する面にエポキシフェノール系
塗料を55mg/dm2塗布し、205℃×10min/乾燥硬化した。
更に缶外面に相当するクリヤーラッカーを40mg/dm2塗布
し、180℃×10min/乾燥硬化した。引き続き、各々の面
に1mm間隔でスクラッチを入れ、計100個の碁盤目を作成
し、速やかにテープ剥離し、その剥離状況を評価した。
(E)UCC(アンダーカッティングコロージョン)評価
テスト 缶内面に相当する面の塗装後耐食性を評価するため、
缶内面側に相当する面に缶用エポキシフェノール(フェ
ノールリッチ)塗料を片面当たり50mg/dm2塗布し、205
℃×10min/の焼き付けを行い、次いで180℃×20minの空
焼きを行った。その後、塗装板の鉄面に達するようにス
クラッチを入れ、1.5%クエン酸−1.5%食塩の混合液で
ある試験液中に大気開放下で55℃×4日間浸漬した。試
験終了後、速やかにスクラッチ部および平面部をテープ
剥離して、スクラッチ部近傍の塗膜下腐食状況、スクラ
ッチ部のピッティング状況および平面部の塗膜剥離状況
を判定して総合的に評価した。
(F)耐硫化黒変性テスト 缶内面側に相当する面に(E)と同様の塗装を行い、
1t曲げを施した試験片を市販の鯖水煮を均一化したもの
の中に入れ、115℃×90minのレトルト処理を行った。試
験後、曲げ加工部および平面部の硫化黒変状況を評価し
た。
(G)フィリフォームコロージョンテスト 缶外面側に相当する面の糸状錆び性を評価するため、
クリヤーラッカーを40mg/dm2塗布し、180℃×10min/乾
燥硬化した。引き続き、ナイフで鉄面に達するスクラッ
チを入れ、35℃で5%の塩水噴霧を1時間施し、速やか
に水洗乾燥後25℃で相対湿度85%で2週間放置し、糸状
錆び性を評価した。
(H)実缶テスト 試験片の缶内面側に相当する面にエポキシフェノール
系塗料を55mg/dm2塗布し、205℃×10min/乾燥硬化し
た。更に、缶外面に相当する面にクリヤーラッカーを40
mg/dm2塗布し、180℃×10min/乾燥硬化した。引き続
き、シーム溶接機を用いて、缶胴を製作し溶接部を塩ビ
ゾル系樹脂で補修を行い、オレンジジュースとコーラを
充填後#25ブリキ製の缶蓋を巻き絞め、38℃で12ケ月保
管した。試験終了後、内容物を取り出し、鉄溶出量およ
び缶内面側(平坦部と溶接部)の腐食状況を観察評価し
た。
[発明の効果] 本発明は極薄鋼板を使用し、充分広い適性溶接範囲を
有し、かつ良好な塗装性能と、塗装後耐食性を発揮する
極薄溶接缶用材料を有利に提供するものであり、顕著な
効果を示すものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 7/06 C25D 7/06 B (72)発明者 村上 淳 福岡県北九州市八幡東区枝光1―1―1 新日本製鐵株式會社八幡製鐵所内 (72)発明者 三宅 紀次 福岡県北九州市八幡東区枝光1―1―1 新日本製鐵株式會社八幡製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭63−4091(JP,A) 特開 昭63−4090(JP,A) 特開 昭60−33362(JP,A) 特開 昭60−29477(JP,A) 実開 昭60−13098(JP,U) 実開 昭59−41495(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板厚0.10〜0.18mmの缶用メッキ原板の缶
    内面相当面に塗装焼き付け後に合金化していない金属錫
    が200〜2500mg/m2、缶外面相当面に塗装焼き付け後に合
    金化していない金属錫が50〜2000mg/m2の残留量でかつ
    缶内面相当面に缶外面相当面よりも多くの金属錫を残留
    し、内外両面にクロム換算付着量で各々1〜30mg/m2
    クロメート被膜層を有することを特徴とするシーム溶接
    性、塗料密着性および塗装後耐食性に優れた極薄溶接缶
    用材料。
  2. 【請求項2】鋼板厚0.10〜0.18mmの缶用メッキ原板の缶
    内面相当面に塗装焼き付け後にNi−Fe−Sn合金層あるい
    はFe−Sn合金層が存在し、その上に合金化していない金
    属錫が200〜2500mg/m2残留し、一方、缶外面相当面に塗
    装焼き付け後にNi−Fe−Sn合金層あるいはFe−Sn合金層
    が存在し、その上に合金化していない金属錫が50〜2000
    mg/m2の残留量でかつ缶内面相当面に缶外面相当面より
    も多くの金属錫を残留し、さらに内外両面にクロム換算
    付着量で各々1〜30mg/m2のクロメート被膜層を有する
    ことを特徴とするシーム溶接性、塗料密着性および塗装
    後耐食性に優れた極薄溶接缶用材料。
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