JPS5946320B2 - 溶接性と塗装後の耐食性が優れた容器用クロメ−ト被膜鋼板とその製造法 - Google Patents

溶接性と塗装後の耐食性が優れた容器用クロメ−ト被膜鋼板とその製造法

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JPS5946320B2
JPS5946320B2 JP7701680A JP7701680A JPS5946320B2 JP S5946320 B2 JPS5946320 B2 JP S5946320B2 JP 7701680 A JP7701680 A JP 7701680A JP 7701680 A JP7701680 A JP 7701680A JP S5946320 B2 JPS5946320 B2 JP S5946320B2
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【発明の詳細な説明】 本発明は製缶用素材として適した容器用クロメート被膜
鋼板及びその製造法に係り、特に溶接性、塗装後の性能
、特に塗装後耐食性に優れた容器用クロメート被膜鋼板
及びその製造方法に関するものである。
近年、製缶方式の多様化により、缶の製造方法として電
気抵抗溶接による製缶方式(例えばスードロニツク溶接
法)が著しく発展してきている。
しかして、これら製缶方式に供される製缶用材料として
は、容器用鋼板に要求される諸性能−耐食性、加工性、
塗装性能、塗装後耐食性等一に優れているとともに、さ
らに溶接性が著しく良好であることが要求される。本発
明は上記した電気抵抗溶接による製缶方式に供した場合
に、十分対処可能な性能を具備する安価な製缶用材料(
容器用鋼板)及びその製造方法を提供することを目的と
する。
より具体的に云えば、本発明は電気抵抗溶接において、
製缶容器に対して要求される必要十分な溶接強度を得る
ための適正溶接条件の範囲が広く、又溶接部に欠陥が発
生しない広範な溶接条件を有するとともに、製缶容器に
おいて特に要求される塗装後の耐食性が著しく優れた容
器用鋼板及びその製造方法を提供せんとするものである
。従来から容器用素材としてSnメツキ鋼板(フリキ)
或いは電解クロム酸処理鋼板(TFS)が使用されてい
るが、これら容器用素材は上記の製缶方式を対象とした
場合、各々以下の様な問題点或いは欠点を有する。
即ち、上記製缶方式の発展の一つの重要な理由が、製缶
コストの低減にあるため、ブリキ素材では必ずしもその
製缶コストの低減に答えるものとは云い難く、又溶接方
式による製缶方式の場合に溶接部近傍の熱影響部に於い
て鉄一錫系合金層の生成、或いはSn表面の著しい加熱
酸化のため、外変色及び塗料の密着性が劣化する等の性
能面の問題点が生じる。
一方、電解クロム酸処理鋼板(TFS)の場合には、そ
の経済性及びコスト面からは優れているが、TFSはそ
の被膜が金属クロム及び酸化クロムからなるクロメート
被膜から構成されている。
そのため、これらの金属クロム及びクロメート被膜は従
米から知られている様に溶接が困難な金属或いは酸化物
のため、溶接方式による製缶方式の場合には溶接部の強
度不足がしばしば生じる欠点がある。さらにNiメツキ
を行なつてから重クロム酸又はクロム酸の塩からなる水
溶液中で陰極処理を施したNiメツキ層とクロメート被
膜からなる製缶用材料(特公昭36−10064)或い
はNiメツキを行なつてから過マンガン酸カリ等の水溶
液中で陰極処理を行なつてNiメツキ層表面の酸化被膜
を改良した製圧用材料(特公昭3615252)が知ら
れている。
しかし、これら材料に関しては、Niメツキ層とクロメ
ート被膜層を有する材料は、TFSと同様に、表面層が
酸化クロム層からなるために、上記の如くに、溶接性が
問題である。さらに、従来の公知の処理法によるクロメ
ート処理法によるクロメート被膜は大部分Cr3の水酸
化物のコロイド状のものからなつているが、この中にC
r+6も必然的に可成り含まれており、塗装後の耐食性
が充分ではない。即ち、塗膜を通して侵入した腐食水分
によるCr+6の溶出のため塗膜にフクレ(ブリスタ一
)等の欠陥生じ塗装後の耐食性が劣化する。又、Nlメ
ツキ層と不動態化被膜からなる材料は、溶接性は良好で
あるが、Ni金属の酸化物を生体とする不動態化被膜は
従米から知られているように塗料の密着性、特に高温の
水溶液等に長時間曝された場合の塗料の密着性(所謂、
二次塗料密着性)が良好でなく、そのため腐食環境にお
いて塗膜が剥離したりして、塗装後の耐食性が必ずしも
充分でない。
本発明は上記した問題点を解決するとともに、電気抵抗
溶接による製缶方式に供しても十分対処可能な性能を具
備する安価な容器用鋼板及びその製造する方法を提供す
ることを目的とする。
即ち、本発明は、,耐食性、溶接性、塗装性能、特に塗
装後耐食性に優れた容器用鋼板及びその製造方法を提供
せんとするものである。上記目的を達成するための本発
明の容器用鋼板は、鋼板の表面に厚さ0.01〜0.3
0μのNiメツキ層を施し、その表面にCr換算量で被
膜量2〜20Tn9/m”を被覆するクロメート被膜に
おいて該被膜中の酸素原子に対するS原子の比率を分光
分析スペクトル測定法によるピーク強度比率(以下比率
と略称する)で表わして0.15以下でかつ該被膜表面
でのCr−0H系オール結合に対するCr−0系オキソ
結合の比率を分光分析スペクトル測定法によるピーク強
度比率(以下、比率と略称する)で表わして0.90以
上であることを特徴とする。
又、上記容器用鋼板を得るための製造方法としては、鋼
板の表面に厚さ0.01〜0,30μのNiメツキ層を
施し、続いてSO4−2/Cr+6の重量比(以下、比
と略称する)が1/40以下からなるSO4−2を含有
するPHl.5以下のクロム酸の水溶液液中で電流密度
7.5A/dイ以下で陰極電解処理を行なうか、或いは
Cr+6に対して同じ比率でSO4−2が含有されるP
Hl.5をこえるクロム酸塩又は重クロム酸塩の水溶液
中で陰極電解処理を行なつて、クロメート被膜をCr換
算量で被膜量2〜20η/wl施した後直ちに或いは水
洗処理して、更に温度65〜100℃、PH4以上の高
温水で0.3〜10秒間高温水処理を行なつて、該クロ
メート被膜中の酸素原子に対するS原子の比率が0.1
5以下でかつ該被膜表面でのCr一0H系オール結合に
対するCr−0系オキソ結合の比率が0.90以上であ
るクロメート被膜を形成することを特徴とする。即ち、
本発明の方法においては、Niメツキ層で主として耐食
性の向上を計るとともに、Cr+6一SO4−ー系浴に
よるクロメート処理を施して、Niメツキ面に公知のク
ロメート被膜と比較して、ピンホールの少ないクロメー
ト被膜を形成せしめるとともにクロメート被膜中に含有
されるSO4−一 イオン、Cr+6イオンの量が少な
く、又Cr−0系のオキソ結合を主体とする水和度の小
さい被膜を形成せしめるクロメート処理を行なうことに
よつて、溶接性を損なうことなく、耐食性、塗装性能、
特に塗装後の耐食性を向上せしめることを目的として構
成されている。
ー般に、Ni金属自体はその耐食性が良好であり、又溶
接性も良好である。
しかし、Niメツキ層は如何に良好なメツキを行なつて
もピンホールが存在するので、そのピンホールからの腐
食防止及びNi金属自体の溶出を避けるため、他の製缶
用メツキ鋼板(Snメツキ鋼板、クロムメツキ鋼板等)
と同様に、本発明の容器用鋼板も大部分の容器用の用途
に対してはラツカ一塗装されて使用される。従つて、本
発明のNiメツキを施した容器用鋼板も優れた塗装性能
が要求されるが、Niメッキ層はその表面に生成される
酸化膜のためか塗装性能が著しく劣る。而して、このN
iメツキ層の塗装性能を改良するために、従来からクロ
メート処理を施すことは前記の如く(特公昭36100
64)提案されている。しかしながら、Niメツキ層に
公知の方法でクロメート処理を施すのみでは、本発明の
目的とする性能が得られなかつた。
即ち、公知のクロメート処理法では塗料の密着性が塗装
置後では著しく良好であるが、塗装してから腐食水溶液
に長時間曝される製缶容器における腐食環境を想定した
腐食試験において、塗膜を通して侵入してくる腐食水溶
液によつて塗膜面にフクレ(ブリスタ一)を生じ、塗膜
剥離が生じるとともに、又塗膜の欠陥部においてはこの
傾向がさらに激しく起こる等塗装後の耐食性が著しく劣
つた。又、この公知の方法によるクロメート処理後の電
気抵抗溶接法による溶接性はあまり良好でなく、被膜量
が多い場合には均一な溶接ナゲツトの生成が困難で充分
な溶接強度を得るのが困難であり、又被膜量が少ない場
合にも、Cr−0H系の水和度の高いクロメート被膜の
影響のためか均一良好な溶接部が得られず、溶接部にし
ばしば゛溶接チリ゛と呼ばれる溶接欠陥を生じる傾向が
見られ、その溶接性があまり良好でなかつた。
従つて、これらの塗装性能及び溶接性を改良するための
検討を種々行なつた結果、公知の方法によるクロメート
被膜を改良して、ピンホールの少ないクロメート被膜を
形成せしめるとともに、該クロメート被膜中に含有され
る腐食水溶液に対して可溶成分であるSO4−一、Cr
+6イオンを溶出せしめ、かつコロイド状のCr+3の
水酸化物からなるクロメート被膜の脱水、縮合反応を促
進せしめたオキソ化度(クロメート被膜中のCr−0H
系オール結合に対するCr−0系のオキソ結合の比率)
の高い、即ち水和度の低い難溶性のクロメート被膜をN
iメツキ層表面に適正量形成せしめれば良いことが判つ
た。
即ち、塗膜下において腐食水溶液に曝された場合にクロ
メート被膜のピンホール部からのNiメツキ層の腐食が
少なく、又クロメート被膜からの可溶性成分の溶解によ
つて生じる塗膜のフクレ等が生じにくく、さらに溶接電
流が均一に流れやすいクロメート被膜として、種々検討
の結果、(1) SO4−2/Cr+6の比が1/40
以下からなるSO4−2を含有するクロム酸、クロム酸
塩、重クロム酸塩の水溶液中での陰極処理によりピンホ
ールの少ないクロメート被膜を形成せしめる。
(2)クロメート被膜中に含有されるSO4−2イオン
含有量を極力溶出せしめ、クロメート被膜中の酸素原子
とS原子の比率、即ちS/0を0.15以下、好ましく
は0.10以下にする。
(3)クロメート被膜申に含有されるCr+6イオンを
極力溶出させ、かつクロメート被膜を王として構成する
コロイド状のCr+3の水酸化の脱水、縮合反応を行な
しめて、クロメート被膜中のCr−0H系オール結合に
対するCr−0系のオキソ結合の比率が0.90以上好
ましくぱ0.95以上に高める。ことが各々良好な結果
が得られることが分つた。
本発明の方法において、このクロメート被膜中に含有さ
れるSO4−2の量は、クロメート被膜量自体が非常に
少ない(Cr換算量として3〜20〜/7TI)ため、
SO4−ー の絶対量として求める事は煩雑である。従
つてオージエ分光分析法により、クロメート被膜を構成
するO(酸素)原子に対するS原子の比率をそれぞれの
原子の濃度に比例するピーク強度比率で表わす。
本発明においてオージエ分光分析法で求めたクロメート
被膜中の酸素原子に対するS原子の比率が最大0.15
以下、好ましくは0.10以下になる様に、クロメート
被膜中のSO4−一 イオンの溶出を行なわしめる事が
必要であることが判つた。又、オキソ化度を正確に求め
ることは、非常に困難であり、このクロメート被膜のオ
キソ化度を従来から学会等で報告されている様に、オー
ジエ分光分析で求められるCrのオージエ.ピーク強度
に関して、Crピークのバツクグラウンドから求められ
るCrピークの高さ(H1)に対して、クロム酸化物の
形態によつて各々異なるCrピークの最高値と最小値の
着(H2)の比率(H2/H1)によつて求められる値
をオキソ度として表示した場合の値である。本発明の方
法では、0,90以上、好ましくは0.95以上に高め
ることが必要であることが判つた。以下本発明の内容を
詳細に説明する。Niメツキは主として耐食性の向上を
目的として実施するものであり、そのメツキ手段は通常
の電気ニツケルメツキ方式を採用すればよい。
Niメツキ浴の組成、メッキ条件等は特に規定しないが
、大体電流密度は3〜300A/Dm2、メツキ温度は
70℃以下である。Niメツキ浴の組成例およびメツキ
条件例を挙げれば下記の如くである。(1)メツキ浴組
成:NiSO4・6H20240f7//?、NiCl
2・6H2045y/l、H2SO43O7/l電流密
度:10A/D7rI 浴温度:45℃ メツキ量:0.40f/イ(約0.045μ)(2)メ
ツキ浴組成:スルフアミン酸ニツケル3507/1,.
H2B0430f7/1電流密度:80A/dイ 浴温度:30℃ メツキ量:0.9V/wl(約0.1μ)また、本発明
ではこのNiメツキの厚みを0.01〜0.3μと規定
したが、これは下限より厚みが薄くなると耐食性が不十
分でNiメツキの意味がなくなり、また上限より厚くな
ると効果が飽和しコスト的に不利になる、との理由によ
る。
このNiメツキを銅ストリツプ表面に施したのみでは、
溶接性は良好であるが、容器用素材として十分な特性を
具備しているとは云い難い。即ち、塗料の密着性、特に
塗装後の耐食性がNiメツキ層のみでは、Nlメツキ表
面に生成する酸化膜のためか著しく劣る。このため本発
明では、Niメツキに引き続き、SO4−2がクロム酸
、クロム酸塩或いは重クロム酸塩中にCr+6の1/4
0以下の割合で含有される水溶液中で、PHl.5以下
のクロム酸とSO4−2からなる処理浴では電流密度7
.5A/Dml以下、又PHl.5以上のSO4−2を
含有するクロム酸塩、重クロム酸塩からなる処理浴では
電流密度を限定することなく、陰極電解処理を行ない、
その被膜量2〜201V/イからなるクロメート処理を
行なつてから、更にPH4以上の温度65〜100℃か
らなる高温水により0.3〜10秒間の高温水処理を行
なつて、電気抵抗による溶接性、耐食性、塗装性能、特
に腐食水溶液に曝された場合の塗装後耐食性を著しく向
上せしめている。
即ち、本発明の方法においては、Niメツキ層表面に施
される従来のクロメート処理法に比較して、SO4−2
をCr+6に対して1/40以下、好ましくは1/10
0以下含有せしめたクロメート処理浴を用いるとともに
、PHl.5以下からなるSO4−2を含有するクロム
酸からなる浴においてぱ電流密度を7.5A/dイ以下
に限定して陰極電解処理を行ない、又PHl.5以上の
SO4−2を含有するクロム酸塩、重クロム酸塩からな
る浴では電流密度を限定することなく陰極電解処理を行
ない、更に温度65〜100℃、PH4以上の高温水処
理を行なつてクロメート被膜の形成を行なわしめること
を特徴としている。
而して、本発明の上記の如き陰極電解処理条件において
は、従米から公知の如く、その電析物は0Xid1Cr
を主体とするクロメート被膜で構成される。
しかし、SO4−2イオンを含有しないクロメート浴で
処理されたクロメート被膜と比較して、Niメツキ層表
面に現状の技術水準では充分に測定されない量の金属C
rが極く微量形成されるためか、そのクロメート被膜の
ピンホールが著しく少ない被膜が形成されることが判つ
た。尚、本発明の陰極電解クロメート処理浴中に、電解
処理に併なつて当然Cr+3が生成され、処理浴中にC
r+6に対して1/10程度迄蓄積されてもクロメート
被膜の生成に何ら影響なく、特に規定しない。次に、本
発明では陰極電解処理後直ちに或いは水洗してから、温
度65〜100℃、好ましくは75〜95℃、PH4以
上好ましくはPH6〜9の高温水で処理することにより
、主としてコロイド状の水酸化物で構成されるとともに
、その中に必然的に少量のCr+6やSO4−2イオン
を含んで構成されているクロメート被膜の改質が行なわ
れる。
即ち、クロメート被膜中に含有される可溶成分であるS
O4−一 イオンの溶出及びCr+6の溶出、コロイド
状のCr+3の水酸化物の脱水、縮合反応等の促進によ
り、被膜中に含有される可溶性成分(SO4−2、Cr
+3 )が非常に少なく、又オキソ化度の高い、即ち水
和度の低いクロメート被膜で構成される。更に、本発明
においては、上記の如く、可溶性成分の含有量が少なく
、又オキソ化度の高いクロメート被膜をその被膜量がC
r量で換算して2〜20Tf9/M2、好ましくは3〜
10rf!y/Trlの範囲に限定・構成することが重
要である。上記の処理法により、かつクロメート被膜量
を限定することにより、そのクロメート被膜はピンホー
ルが少なく、被膜中のSO4−2イオンの量が少ない、
即ち酸素原子に対するS原子の比率が0.15以下、好
ましくは0.10以下に確保されるとともに、オキソ化
度が0.90以上、好ましくは0.95以上に確保され
ているので、本発明の容器用鋼板の耐食性は良好であり
、又クロメート被膜は腐食水溶液に曝された場合に難溶
性となり、塗膜下でのクロメート被膜からの溶出或いは
クロメート被膜ピンホール部からのNiメツキ層からの
腐食生成物等の溶出が少なく、塗装後耐食性が著しく優
れている。
而して、上記構成のクロメート被膜を形成する方法とし
て、ピンホールの少ないクロメート被膜を得るためには
SO4−2イオンを含有するクロメート浴での処理が前
記の如く必要である。
この処理浴においてSO4−2イオンの量がCr+6に
対して、1/40をこえると陰極処理に続いて行なわれ
る高温水処理においてクロメート被膜から充分に溶出さ
せるのが困難になるので、1/40以下、好ましくは1
/100以下に少なくするのが望ましい。又、本発明の
陰極電解処理においては、 SO4−2を含有するCr+6−SO4−2系浴を使用
するので、処理浴中のCr+6の構成に使用されるクロ
ム酸、クロム酸塩或いは重クロム酸塩の種類と電流密度
が重要である。
即ち、陰極電解処理において金属Crの明確な析出が生
じるクロム酸とSO4−2からなる処理浴では、その電
流密度が7.5A/dイをこえると金属Crの析出が著
しく、そのクロメート被膜のピンホール防止効果は向上
するが、溶接性が損なわれるので、7.5A/Dm”以
下に限定することが必要である。又SO4−2が含有さ
れてもその電解条件、特に電流密度の影響がなく、金属
クロムの明確な析出が起こらないクロム酸塩或いは重ク
ロム酸塩とSO4−2からなる処理浴においては電流密
度を規定する必要はない。
しかして、本発明に使用されるクロム酸塩としては、ク
ロム酸アンモン、クロム酸ソーダー、クロム酸カリ等が
使用され、重クロム酸塩としては、重クロム酸アンモン
、重クロム酸ソーダー、重クロム酸カリ等が使用される
又、これらのクロム酸塩と重クロム酸塩は混合使用して
も構わない。更に、陰極電解処理によるクロメート被膜
形成後の高温水処理は、被膜中のSO4−2イオンCr
+6イオン溶出及びコロイド状Cr+3の水酸化物の脱
水、縮合反応の促進に絶対必要である。そして、この高
温水処理における水質はSO4−2、Cr+6のクロメ
ート被膜からの溶出、除去を短時間で行なわしめるため
に重要であり、PHが4未満ではSO4−2、Cr+6
の溶出が妨げられるとともに、またクロメート被膜中へ
の処理水溶液から再浸透するため、好ましくない。PH
が10をこえる場合には、クロメート被膜を溶解する恐
れがあるので、PHが10以下のものが使用されること
になる。特に、溶出速度を考慮した場合PH6〜9の範
囲に於いて最も好ましく、炭酸アンモン、炭酸ソーダー
等でPH調整を行なつてもよい。また、この高温水に対
する陰極電解浴の持ち込み或いはクロメート被膜から溶
出するCr+6陰イオン処理水溶液中に含有される量は
各々Cr+610y/1.SO4−27/l以下であり
、かつPHが上記範囲を満足すれば充分であり、この範
囲をこえるとクロメート被膜からのSO4−2イオン及
びCr+6の溶出を妨げるためか、本発明の目的を満足
しなくなる。
次に、本発明の処理において重要な条件は、処理に使用
される水の温度及び処理時間である。
温度は65℃〜100℃、処理時間は0.3秒〜10秒
とされるべきである。即ち、本発明の方法によるクロメ
ート被膜の形成を工業生産に対処して行なわしめるため
には、短時間で上述のクロメート被膜からのSO4−2
イオン及びCr+6の溶出を出来るだけ短時間に行なう
ため、高温処理が当然必要であるとともに、これら溶出
に加うるにクロメート被膜のオキソ化度を向上させて、
クロメート被膜が塗装後腐食環境に曝さ/れた場合、難
溶性にするために絶対に必要である。即ち、処理水の温
度が65℃以下では、上記処理時間の範囲でSO4−2
イオン及びCr+6の溶出が充分でなく、またクロメー
ト被膜のオキソ化度が充分でないためか、本発明の目的
とする効果が得られない。
また処理水の温度が100℃以上では、経済的でなくな
るとともに、電解クロム酸処理鋼板にこの水蒸気が接触
しても直ちに液状水になりがたいため、クロメート被膜
からの水による溶出効果がなくなるため、処理水溶液の
温度を100℃以上にする事は好ましくない。処理時間
については、0.3秒以上の処理時間でなければ、クロ
メート被膜からのSO4−2イオンの溶出及びCr+6
の溶出が充分でなく、クロメート被膜のオキソ化度向上
が充分でなく、本発明の目的とする効果が得られず、ま
た10秒以上の処理時間では工業的にあまり経済的でな
く、使用水中のSO4−ー等陰イオン或いは水中に含ま
れる他の不純物等の再浸透により、クロメート被膜中に
溶出しやすい成分が含有される悪影響が生じるので処理
時間は10秒以下に限定される。
尚、本発明の高温水の適用方法であるが、前述の条件を
満足するものであれば、浸漬処理、スプレィによる噴射
処理、高温水蒸気と低温水溶液の混合温湯による噴射処
理いずれでも良い。かくの如くして形成された前記構成
のクロメート被膜は、Cr換算量で2η/Rrl以上確
保されておれば、そのピンホールは少なく、難溶性のク
ロメート被膜で構成されているために、耐食性及び塗装
後の性能が良好である。さらに、このオキソ化度が高く
、即ち水和度の低いクロメート被膜は溶接電流が均一に
流れるためか溶接性が優れている。しかし、その被膜量
が20η/m”をこえると耐食性、塗装後の性能は優れ
ているが電気抵抗溶接において溶接部のチリ発生が著し
くなり、溶接部に欠陥が発生しやすくなるとともに、ナ
ゲツトの均一生成が充分に行なわれなくなり、充分な溶
接強度が得られなくなるのでその被膜量は20rf!9
/Trl以下に限定することが必要である。即ち、オキ
ソ化度0.90以上、好ましくは0.95以上のクロメ
ート被膜をCr換算量で2〜20即/イ好ましくは5〜
10η/イの範囲で、Niメツキ層表面のクロメート被
膜を構成することにより、溶接部にチリ現象による溶接
欠陥がなく、均一なナゲツトが形成された充分な溶接強
度を有する良好な溶接が可能であるとともに、又塗装後
の性能が塗膜下での腐食水溶液によるクロメート被膜の
溶出によつて劣化しない、著しく優れた容器用鋼板が得
られる。
以上述べたように、本発明の容器用鋼板及びその製造方
法によれば、鋼板ストリツプに0.01〜0.30μの
Niメツキ層を施し、その表面にピンホールが少なくて
腐食水溶液に対する可溶性成分が少なく、かつオキソ化
度が高く、水和度の低いクロメート被膜をCr換算量で
2〜20η/イの被膜量で構成されているので、その電
気抵抗溶接による溶接性は良好であり、又耐食性、塗装
後の耐食性にも優れている。
このため、本発明による容器用鋼板は製缶用素材として
好適な性能を有し、電気抵抗溶接法による製缶方式によ
つてもトラブルを起こすことがなく、またコスト的にも
有利である。次に、本発明の実施例について説明する。
ブリキ用冷延鋼板(テンパーグレードT5)に、通常実
施されている慣用的なメツキ前処理(脱脂、酸洗)を行
なつて、電気メツキ法によりNiメツキを施してから、
該表面に本発明の陰極電解処理及び高温水処理を施した
その性能についての評価結果を第1表に示す。上記の結
果から、明らかなように、本発明の製造法による製品(
1〜3)は、比較材(4〜7)に比べて著しく優れた性
能を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 鋼板の表面に厚さ0.01〜0.30μのNiメッ
    キ層を施し、その表面にCr換算量で被膜量2〜20m
    g/m^2を被覆するクロメート被膜において該被膜中
    の酸素原子に対するS原子の比率を分光分析スペクトル
    測定法によるピーク強度比率で表わして0.15以下で
    かつ該被膜表面でのCr−OH系オール結合に対するC
    r−O系オキソ結合の比率を分光分析スペクトル測定法
    によるピーク強度比率で表わして0.90以上であるこ
    とを特徴とする溶接性と塗装後の耐食性がすぐれた容器
    用クロメート被膜鋼板。 2 鋼板の表面に厚さ0.01〜0.30μのNiメッ
    キ層を施し、続いてSO_4^−^2/Cr^+^6の
    重量比が1/40以下からなるSO_4^−^2を含有
    するpH1.5以下のクロム酸の水溶液中で電流密度7
    .5A/dm^2以下で陰極電解処理してクロメート被
    膜をCr換算量で被膜量2〜20mg/m^2施した後
    直ちに或いは水洗処理して、更に温度65〜100℃、
    pH4以上の高温水で0.3〜10秒間高温水処理を行
    なつて、該クロメート被膜中の酸素原子に対するS原子
    の比率を分光分析スペクトル測定法によるピーク強度比
    率で表わして0.15以下でかつ該被膜表面でのCr−
    OH系オール結合に対するCr−O系オキソ結合の比率
    を分光分析スペクトル測定法によるピーク強度比率で表
    わして0.90以上であるクロメート被膜を形成するこ
    とを特徴とする溶接性と塗装後の耐食性がすぐれた容器
    用クロメート被膜鋼板の製造法。 3 鋼板の表面に厚さ0.01〜0.30μのNiメッ
    キを施し、続いてSO_4^−^2/Cr^+^6の重
    量比が1/40以下からなるSO_4^−^2を含有す
    るpH1.5をこえるクロム酸塩及び重クロム酸塩の水
    溶液中で陰極電解処理してクロメート被膜をCr換算量
    で被膜量2〜20mg/m^2施した後直ちに或いは水
    洗処理して、更に温度65〜100℃、pH4以上の高
    温水で0.3〜10秒間高温水処理を行なつて、該クロ
    メート被膜中の酸素原子に対するS原子の比率を分光分
    析スペクトル測定法によるピーク強度比率で表わして0
    .15以下でかつ該被膜表面でのCr−OH系オール結
    合に対するCr−O系オキソ結合の比率を分光分析スペ
    クトル測定法によるピーク強度比率で表わして0.90
    以上であるクロメート被膜を形成することを特徴とする
    溶接性と塗装後の耐食性がすぐれた容器用クロメート被
    膜鋼板の製造法。
JP7701680A 1980-06-03 1980-06-07 溶接性と塗装後の耐食性が優れた容器用クロメ−ト被膜鋼板とその製造法 Expired JPS5946320B2 (ja)

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