JPS582597B2 - すずめつき鋼板の製造方法 - Google Patents

すずめつき鋼板の製造方法

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JPS582597B2
JPS582597B2 JP15368178A JP15368178A JPS582597B2 JP S582597 B2 JPS582597 B2 JP S582597B2 JP 15368178 A JP15368178 A JP 15368178A JP 15368178 A JP15368178 A JP 15368178A JP S582597 B2 JPS582597 B2 JP S582597B2
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melting
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忠志 根本
宏明 河村
治則 久保田
恒夫 乾
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Toyo Kohan Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、すずめつき鋼板の製造方法に関するものであ
り、すずめつき鋼板の耐食性および塗膜密着性の改善を
目的としたものである。
一般に食缶および飲料缶は、すずめつき鋼板が多く用い
られ、缶内面を塗装した内面塗装缶および塗装を行なわ
ないプレイン缶の2種がある。
内面塗装缶に対しては、内容品を充填した後に、高温、
高圧下のレトルト中で、数十分あるいは数時間の加熱、
あるいはその後の貯蔵において塗膜はく離を起こさない
ことが必要であり、プレイン缶に対しても、内容品充填
後の高い内面耐食性が要求される。
ところで、通常のすずめつき鋼板は、リフロ一工程です
ずを溶融した後、不動態化処理がなされ、一般的には6
価クロムインを含む溶液中で、浸漬または電解処理によ
るものが多い。
この不動態化処理は、すず層表面のすず酸化膜の成長を
抑制し、耐食性を改善するものであるが、耐食性と塗膜
密着性の二つの特性が互に反比例する関係にある。
すなわち、析出した不動態化皮膜が多ければ多い程耐食
性は高くなるが、塗膜密着性は逆に低下する。
このため、通常のすずめつき鋼板の製造においては、前
記両特性が実用上許される範囲内の妥協点において、適
当な不動態化処理条件が設定され、したがって、耐食性
に優れ、かつ、塗膜密着性に優れたすずめつき鋼板は望
み得ないのが現状である。
ここで、すずめつき鋼板の塗膜密着性は、すず層表面に
存在するすず酸化膜の質と量によって左右されることが
知られている(特公昭49−48339号)。
すなわち、すず酸化膜が適正量存在しないと、塗膜密着
性は満足するものとはならない。
前述のごとく、リフロ一工程後の6価クロムイオンを含
む溶液中での陰極電解処理により、すす層表面の酸化膜
を還元するが、この陰極電解処理量(不動態化処理量)
が多過ぎると、すず酸化膜の塗膜密着性に及ぼす効果が
働かず、塗膜密着性が極度に低下する。
一方、最近の製缶法は、従来の半田付けによる製缶法に
加えて、テインフリースチール(以下TFSという)の
出現と相俟って、接着剤による缶胴接合法が採用され、
多様化してきた。
この接着剤接合法における接着は、すずめつき鋼板又は
TFSの表面に塗料を塗布した接合面の間に接着剤が介
在して接着力をもつものであり、その接着力は結局は塗
膜密着性に依存するところが極めて大きいものである。
このような観点から、すずめつき鋼板のすず層表面の不
動態化処理について若干の改善がなされ、塗膜密着性を
損なわない程度の6価クロムイオン溶液での処理として
、20〜30g/lの重クロム酸溶液中で、3.2〜4
.3C/dm2の電気量で陰極電解処理を施す方法が試
みられたが、これによって製造されたすずめつき鋼板の
接着性は、通常のTFSを用いた場合の接着性に劣り、
すずめつき鋼板の接着剤による缶胴接合法適用は困難と
されてきた。
本発明は、このような問題点を解消し、食缶および飲料
缶の耐食性、塗膜密着性に優れ、缶胴接合法に適用でき
る接着強度を有するすずめつき鋼板を提供するものであ
り、その特徴は、リフロ一工程ですすを溶融した後、溶
融されたすず層表面のすず酸化膜の還元、あるいは鉄一
すず合金層表面の鉄すず合金酸化膜の還元と同時に、ニ
ッケル、すず、鉄、モリブデン、タングステン、コバル
ト、またはクロムの1種以上を析出させることにより、
前記表面を改善し、前記金属の析出した表面に、6価ク
ロムイオンを含む溶液中で陰極電解処理する方法であっ
て、この方法により、耐食性と塗膜密着性の両者に優れ
、接着剤による缶胴接着法に耐え得る接着力をもつすず
めつき鋼板を得ることができる。
以下、本発明の方法について詳しく説明する。
脱脂、酸洗された鋼板にすずめつきを施し、リフローエ
程ですすを溶融した後、ニッケル、すず、鉄、モリブデ
ン、タングステン、コバルト、または3価のクロムの金
属イオン、あるいはこれらの金属化合物のイオンの1種
又は2種以上を含む溶液中で、前記すずめつき鋼板(鉄
一すす合金被覆鋼板を含む)を陰極として電解処理する
ものであるが、リフロ一工程後クエンチタンクで直ちに
冷却した後に行なうことが実用上好ましい。
また、リフロ一工程で光沢化されたすす層のその光沢を
保持するためには、析出量を0.2g/m2以下とする
ことが望ましい。
さらに、陰極電解処理は、すず酸化膜の還元と同時に、
すず表面にニッケル、すず、鉄、モリブデン、タングス
テン、コバルトまたはクロムの金属、あるいはこれらの
金属化合物の1種または2種以上を析出させることが好
ましく、そのために水素発生をともなうように、これら
の金属イオンまたは金属化合物イオンの濃度は、通常用
いられるこれら金属の電気めっきの金行なうことが望ま
しい。
通常、食缶および飲料缶用のすずめつき鋼板は、すずめ
つき量として2.8g/m2、5.6g/m2、8.4
g/m2および11.2g/m2があり、表裏の同一め
っき鋼板および差厚めつき鋼板が採用されている。
最近、すず資源の枯渇によるすず資源の節約から、2.
8g/m2以下のすす量をもつすずめつき鋼板が食缶お
よび飲料缶等の缶詰容器に使用される傾向がみられる。
本発明は、このような極薄のすずめつき鋼板の製造にお
いても効果を示す。
極薄のすずめつき鋼板においては、特に耐食性の面から
、すす層またはりフロ一工程で生成される鉄一すす合金
層の面は防食することが必要となってくる。
本発明は、すずめつき鋼板の製造における後処理として
の6価クロムイオンを含む溶液での処理の総合効率を高
め、耐食性のすぐれたすずめつき鋼板を得るとともに、
すすと、6価クロムイオンを含む溶液での処理で生成さ
れた不動態化皮膜の弱い接着性を、溶融されたすす表面
と不動態皮膜との界面に金属層を作り、改善し、極薄の
すす層を有するすずめつき鋼板の食缶および飲料缶等の
缶詰容器への適用を容易にするものである。
本発明のうち、クロムにおいて、3価クロムに限定した
理由は、6価クロムイオンによって処理されたすずめつ
き鋼板では耐食性および塗膜密着性を改善できないこと
と、3価クロムイオンを含む溶液中で陰極電解処理をす
れば、溶融したすす表面に金属クロムの析出が容易とな
り、耐食性および塗膜密着性を改善することができるた
めである。
以下、本発明の効果を実施例によって説明する。
実施例 1 冷延鋼板を7%のか性ソーダ溶液中で電解脱脂し、水洗
し、3%の硫酸溶液中で酸洗し、水洗して前処理を施し
、公知の硫酸すずめつき浴中で5.6g/m2のすずめ
つきを施し、リフロ一工程ですすを溶融した後、次に示
す組成および処理条件で陰極電解処理を行ない、綿実油
を塗油した。
浴組成 塩化ニッケル 5g/l 電流密度 11A/dm2処理電気
量 2C/dm2温度
30℃ 実施例 2 実施例1と同様の前処理を行ない、公知の酸性すずめつ
き浴中で5.6g/m2のすずめつきを施し、実施例1
と同様のりフロ一工程ですすを溶融した後、次に示す組
成および処理条件で陰極電解処理を行ない、30g/l
の重クロム酸ソーダ溶液中で陰極電解し、綿実油を塗油
した。
浴組成 すず酸ソーダ 20g/l電流密度
1A/dm2処理電気量
15C/dm2温度 3
5℃ 実施例 3 実施例1と同様の前処理を行ない、公知の酸性すずめつ
き浴中で5.6g/m2のすずめつきを施し、実施例1
と同様にリフロ一工程ですすを溶融した後、次に示す組
成および処理条件で陰極電解処理を行ない、30g/l
の重クロム酸ソーダ溶液中で陰極電解し、ジ・オクチル
・セバケート(以下DOSという。
)を塗油した。浴組成 硫酸コバルト 2g/
l硫酸 2g/l電流密度
1A/dm2処理電気量
2C/dm2温度
25℃ 実施例 4 実施例1と同様の前処理を行ない、公知の酸性すずめつ
き浴中で5.6g/m2のすずめつきを施し、実施例1
と同様にリフロ一工程ですすを溶融した後、次に示す組
成および処理条件で陰極電解処理を行ない、30g/l
の重クロム酸ソーダ溶液中で陰極電解して、DOSを塗
油した。
浴組成 硫酸第1鉄 5g/l 弗化ソーダ 1g/l 電流密度 1.5A/dm2処理電
気量 2C/dm2温度
30℃ 実施例 5 実施例1と同様の前処理を行ない、公知の酸性すずめつ
き浴中で5.6g/m2のすずめつきを施し、実施例1
と同様にリフロ一工程ですすを溶融した後、次に示す組
成および処理条件で陰極電解処理を行ない、30g/l
の重クロム酸ソーダ溶液中で陰極電解して、綿実油を塗
油した。
浴組成 硫酸クロム 20g/l電流密度
1A/dm2処理電気量
2C/dm2温度 40
℃ 実施例 6 実施例1と同様の前処理を行ない、公知の酸性すずめつ
き浴中で5.6g/m2のすずめつきを施し、実施例1
と同様にリフロ一工程ですすを溶融した後、次に示す組
成および処理条件で陰極電解処理を行ない、30g/l
の重クロム酸ソーダ溶液中で陰極電解して、DOSを塗
油した。
浴組成 塩化第1すず 3g/l塩化ニッケル
2g/l電流密度
1A/dm2処理電気量 1
C/dm2温度 35℃ 実施例 7 実施例1と同様の前処理を行ない、公知の酸性すずめつ
き浴中で5.6g/m2のすずめつきを施し、実施例1
と同様にリフロ一工程ですすを溶融した後、次に示す組
成および処理条件で陰極電解処理を行ない、30g/l
の重クロム酸ソーダ溶液中で陰極電解して、DOSを塗
油した。
浴組成 硫酸第1すず 2g/l 硫酸コバルト 2g/l 硫酸 1g/l 電流密度 1A/dm2処理電気量
1.5C/dm温度
35℃ 実施例 8 実施例1と同様の前処理を行ない、公知の酸性すずめつ
き浴中で5.6g/m2のすずめつきを施し、実施例1
と同様にリフロ一工程ですすを溶融した後、次に示す組
成および処理条件で陰極電解処理を行ない、30g/l
の重クロム酸ソーダ溶液中で陰極電解して、DOSを塗
油した。
浴組成 硫酸第1すず 2g/l 硫酸第1鉄 1g/l 硫酸 2g/l 電流密度 1A/dm2処理電気量
1.5C/dm2温度
30℃ 実施例 9 実施例1と同様の前処理を行ない、公知の酸性すずめつ
き浴中で5.6g/m2のすずめつきを施し、実施例1
と同様にリフロ一工程ですすを溶融した後、次に示す組
成および処理条件で陰極電解処理を行ない、30g/l
の重クロム酸ソーダ溶液中で陰極電解して、DOSを塗
油した。
浴組成 塩化ニッケル 1g/l塩化コバルト
1g/l電流密度
1A/dm2処理電気量 1
C/dm2温度 30℃ 実施例 10 実施例1と同様の前処理を行ない、公知の酸性すずめつ
き浴中で5.6g/m2のすずめつきを施し、実施例1
と同様にリフロ一工程をすすを溶融した後、次に示す組
成および処理条件で陰極電解処理を行ない、30g/l
の重クロム酸ソーダ溶液中で陰極電解して、DOSを塗
油した。
浴組成 硫酸第1すず 1g/l 硫酸第1鉄 1g/l 硫酸ニッケル 1g/l 電流密度 1A/dm2処理電気量
1.5C/dm2温度
30℃ なお、実施例2〜10の重クロム酸ソーダ溶液中での陰
極電解処理の条件は次の通りである。
処理電気量 3.5C/dm2温度
50℃ 比較例 1 実施例1と同様の前処理を行ない、公知の酸性すずめつ
き浴中で5.6g/m2のすずめつきを施し、実施例1
と同様にリフロ一工程ですずを溶融した後、引き続き3
0g/lの重クロム酸ソーダ溶液中で3.5C/dm2
の陰極電解処理を行ない、DOSを塗油した。
比較例 2 実施例1と同様の前処理を行ない、公知の酸性すずめつ
き浴中で5.6g/m2のすずめつきを施し、実施例1
と同様にリフロ一工程ですすを溶融した後、引き続き3
0g/lの重クロム酸ソーダ溶液中で8.0C/dm2
の陰極電解処理を行ない、DOSを塗油した。
実施例1〜10、比較例1〜2で得られたすずめつき鋼
板について、次に示す塗膜密着性、接着性および耐食性
を評価し、その結果を第1表に示した。
(1)塗膜密着性試験 試料表面にフェノールエポキシ系塗料を50mg/dm
2塗布し、210℃、10分間加熱焼付した。
この試料の塗膜面に1.0mm間隙のゴバン目状にクロ
スカットを100個作り、テープはく離を行ないはく離
した面積(%)で評価した。
(2)接着性試験 一つの試料表面にフェノールエポキシ系塗料を60mg
/dm2塗布し、210℃で12分間焼き付けた。
もう一つの試料表面に同じ塗料を25mg/dm2塗布
し、同様な条件で焼き付けた。
この二つの試料を各々巾5mm、長さ100mmに切断
した。
前記塗膜厚の異なる2枚の試片を重ねて、この間に10
0μmのナイロンフイルムをはさみ、ホットプレスを用
いて、200℃で120秒の予熱を行なった後、3kg
/cm2の加圧下で200℃、30秒間圧着を行なった
この接着試片を引張り試験機で剥離し、その接着強度を
kg/5mmで表わした。
(3)耐食性試験 試料を15mm×100mmの短冊に切り、試料面がl
cm2となるようにして、190mlの脱気したトマト
ジュース中に試片2個を入れ、20時間貯蔵したのちに
、腐食速度に示す腐食電流(I corr)を測定し、
すすの溶解の抑制力を評価した。
この腐食電流の値の低いもの程、すすの溶解速度が小さ
いことを示し、耐食性がすぐれていることを示すもので
ある。
第1表に示すように、本発明によるすずめつき鋼板は、
すぐれた塗膜密着性と耐食性を有することが認められ、
接着による缶胴接合法を適用することができるものであ
る。
(注)総合評価の格付けは、優一良一可の3段階とした
なお、本実施例においては、便宜上一様にすずめつき量
を5.6g/m2としたが、すずめつき量は特に限定は
なく、極薄鉄すず合金被覆鋼板から14g/m2の厚す
ずめつき鋼仮に亘って適用できることはいうまでもない

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 すずめつき鋼板の製造方法において、鋼板表面にす
    ずめつきし、リフロ一工程ですすを溶融した後、ニッケ
    ル、すず、鉄、モリブデン、タングステン、コバルトま
    たは3価のクロムの金属イオンあるいはこれらの金属化
    合物のイオンの1種または2種以上を含む溶液中で陰極
    電解処理することを特徴とするすずめつき鋼板の製造方
    法。
JP15368178A 1978-12-14 1978-12-14 すずめつき鋼板の製造方法 Expired JPS582597B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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