JP2942105B2 - 湿潤下での経時塗料密着性に優れたスズめっき鋼板の製造法 - Google Patents

湿潤下での経時塗料密着性に優れたスズめっき鋼板の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿潤下での経時塗料密
着性に優れたスズめっき鋼板の製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術および問題点】ティンフリー・スチール
(以下TFS)の出現と相まって、ナイロン系の有機接
着剤を用いた缶胴接合法が普及し、多くのレトルト飲料
缶,果汁飲料缶に応用されている。このナイロン系の有
機接着剤を用いる缶胴接合法においては、被着材表面に
塗装された塗料間に有機接着剤を介在させるものであ
り、被着材と塗料との密着性、有機接着剤と塗料との接
着力により、缶胴接合が達せられる。しかし、スズめっ
き鋼板は、見栄え及び内容物保護の面でTFSより優れ
ているにもかかわらず、塗料密着性が劣り、有機接着剤
による缶胴接合法は困難とされている。さらに、この缶
胴接合法を熱殺菌を必要とする飲料缶や食缶に適用する
場合、たとえば、約80〜100℃の温度で加熱殺菌さ
れた内容物を充填する、いわゆるホットパックを行う果
汁飲料缶、また、100℃以上での加熱殺菌を行う、い
わゆるレトルト殺菌を必要とする缶への適用は湿潤下で
の塗料密着性が要求されるため、スズめっき鋼板の場合
不可能とされてきた。スズめっき鋼板の塗料密着性の改
善案として、特開昭53−10331号は、塗料密着性
に優れた鋼板について言及しているが、金属クロムとク
ロム酸化物中のクロムとの合計が0.2〜4mg/m2
と被覆量が小さく、目的とする塗料密着強度を得ること
が難しい。また、特開昭54−142135号は、優れ
た塗料密着性と耐スマッジ性,耐酸化性,半田性を有す
る錫めっき鋼板を得る方法として、アルカリ水溶液中で
陰極電解を行いSnO以外のスズ酸化物を除去し、塗料
の密着性を向上させるとしているが、この方法では製造
直後の密着性は向上するものの、経時による塗料密着性
の劣化が大きい。さらに、特公昭60−34637号で
は、後処理によって被覆するクロム量の制限を行うこと
により、また、特公昭60−35440号ではスズ被覆
後、通常のニッケルをめっきし、スズとクロムとの接合
を強固なものにすることにより、それぞれ塗料密着性の
向上を提案している。しかしながら、湿潤下では、経時
塗料密着性が目的とする強度に達しない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の欠点を解消し、常温における塗料密着性および高温で
の耐レトルト性、さらには湿潤下での経時塗料密着性に
優れたスズめっき鋼板の製造法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の製造法は、前処
理工程,スズめっき工程,リフロー工程,アルカリ性の
炭酸塩を含む水溶液での清浄化処理工程,硫酸またはフ
ッ化物を含むクロム酸浴での後処理工程を順次行うスズ
めっき鋼板の製造法において、前記後処理工程後に、さ
らに80℃以上で0.3秒〜10秒間、スズめっき鋼板
を洗浄する洗浄工程を付加してなることを特徴とする。
さらに本発明の製造法では、前記清浄化処理工程が、ニ
ッケルイオンを含む強酸性の水溶液中で処理されること
が望ましい。
【0005】以下、本発明を工程順に詳細に説明する。 (前処理工程,スズめっき工程,リフロー工程)本発明
のスズめっき鋼板は、冷延鋼板をアルカリ水溶液中で電
解脱脂後、酸洗を行う通常の前処理工程後、電気スズめ
っきを施し、リフロー工程によりめっきされたスズを溶
融光沢化される。電気スズめっき工程に先立ち、ニッケ
ル系のめっき、例えばニッケルめっき,ニッケル−鉄合
金めっきなどを施してもよい。電気スズめっきの方法は
特に制限されるものではなく、公知のスズめっき浴、た
とえば、硫酸スズ浴,塩化スズ浴などの酸性浴、ピロリ
ン酸スズ浴,スズ酸ナトリウム浴などのアルカリ性浴が
使用できる。本発明においてめっきされるスズ量は、
0.3〜5.6g/m2が適しているが、スズめっき鋼
板特有の色調と塗料密着性を併せ持つためには、スズ量
は、0.7〜5.6g/m2が適している。スズ量を増
加すると、一般にスズめっき鋼板特有の色調を得ること
ができる反面、常温における塗料密着性,耐レトルト
性、さらに湿潤下での経時塗料密着性などの特性を得る
のが難しくなる。
【0006】(清浄化処理工程)前記めっき工程に引き
続き、スズを被覆した鋼板は清浄化溶液中で鋼板側が陰
極となるような電解処理を行う。一般のスズめっき鋼板
の場合、塗膜の剥離はクロム水和酸化物と塗膜との界面
ではなく、スズ層とクロム層との界面で起こりやすいこ
とが知られている。これは、スズ層とクロム層との界面
に存在するスズ酸化物層がスズ層とクロム層との密着性
を阻害していると考えられる。このため、清浄化処理
で、スズめっき後あるいは溶融処理後生成した密着性を
阻害する表層のスズ酸化物を取り除くのである。清浄化
溶液には、通常の炭酸ナトリウム,炭酸水素ナトリウム
等の炭酸塩アルカリ水溶液が用いられる。例えば、スズ
めっき鋼板を0.5〜20A/dm2,0.1〜1秒の
条件で陰極電解すれば、発生する水素により表面のスズ
酸化物を取り除くことができる。また、清浄化溶液とし
てpHが2以下でニッケルイオンを含む強酸性の水溶液
を使用してもよい。ニッケルイオンは硫酸ニッケル,塩
化ニッケル,スルファミン酸ニッケルなどにより供給さ
れ、硫酸などの添加によってpHを2以下として、ニッ
ケルの析出効率を50%以下に低下させ、効果的に水素
発生を促進させることができる。
【0007】(ニッケルイオンを含む強酸性の水溶液を
用いた清浄化処理工程)ニッケルイオンを含む酸性の水
溶液を用いた清浄化処理は、通常の清浄化処理同様スズ
酸化物を除去する働きがあるほか、酸化膜を除去した面
をニッケルが薄く被覆するため、清浄化のあと後処理ま
での間で生成しやすいスズの酸化膜を効果的に抑制する
ことができる。
【0008】(後処理工程)これらの清浄化処理により
酸化物を除去されたスズめっき鋼板には直ちに電解クロ
ム酸処理が施される。この電解クロム酸処理浴として
は、TFSに用いられる無水クロム酸を主成分として、
硫酸、フッ化ナトリウム,ほうフッ化ナトリウムの助剤
を1種または2種添加した浴を使用する。これらの浴中
で陰極電解処理を行い、金属クロム層とクロム水和酸化
物層を形成させる。電気スズめっきの後処理として通常
用いられている重クロム酸ナトリウム溶液中で陰極処理
する方法では、金属クロムの析出が難しく、本目的に適
さない。析出させる金属クロム量は、25〜75mg/
2の範囲が適している。25mg/m2未満では塗膜密
着性、高温での耐レトルト性,経時塗料密着性が向上せ
ず、金属クロム量の増加とともに上述の特性は向上す
る。しかしながら、75mg/m2をこえても効果が飽
和するほか、スズめっき鋼板特有のスズ層の光沢を失
う。一方、クロム水和酸化物量は耐レトルト性,湿潤下
での経時塗料密着性の面からクロム量に換算して3mg
/m2以上必要であるが、20mg/m2をこえると、黄
色度が増加しスズ層の光沢を失う。上記条件において被
覆されたスズ層上の金属クロム層およびクロム水和酸化
物層は、スズを完全に被覆するため、塗装時の加熱によ
り生成する密着性を阻害するスズ酸化膜の成長を抑制す
る働きがある。
【0009】(洗浄工程)しかしながら、一般に、前記
後処理において形成されるクロム水和酸化物皮膜中に
は、助剤成分である硫酸イオン,フッ化物イオン等が取
り込まれ、密着性を著しく低下させる。本発明では、電
解クロム酸処理を施したスズめっき鋼板を80℃以上の
温水で洗浄することにより、クロム水和酸化物皮膜中に
取り込まれた不純物の除去を行うのである。また、一般
に塗膜の密着性は、クロム水和酸化物皮膜中に、Cr−
Oで示されるオキソ結合よりも、Cr−OHで示される
オール結合の含有される比率が高いほど優れているが、
電解クロム酸処理直後の鋼帯が80℃以上の温水で洗浄
されることにより、オール結合の比率が高くなり、いわ
ゆるオール化が促進される。このため、温水で洗浄した
スズめっき鋼板は常温における塗料密着性、耐レトルト
性、湿潤下での経時塗料密着性を大幅に改善することが
できるのである。洗浄の方法は、特に制限されるもので
はないが、連続的に生産する場合、80℃以上の温水中
に浸漬するか、温水をスプレーする方法が容易である。
不純物の除去には0.3秒をこえる処理時間を必要とす
る。処理時間が10秒をこえると不純物除去の効果は飽
和する。このため処理時間は、0.3秒〜10秒とす
る。洗浄温度は、塗膜の密着性の改善のためには80℃
以上であることが必要とされる。
【0010】
【作用】請求項1の方法により、クロム水和酸化物皮膜
中にCr−OHで示されるオール結合の比率が高くな
り、常温における塗料密着性、耐レトルト性、湿潤下で
の経時塗料密着性が大幅に改善されたスズめっき鋼板を
得ることができる。また、清浄化処理工程において、ニ
ッケルイオンを含む強酸性の水溶液中で処理することに
より、さらに優れた湿潤下での経時塗料密着性を有する
スズめっき鋼板を得ることができる。以下、本発明を実
施例により具体的に説明する。
【0011】
【実施例】
実施例 1 0.20mm厚の冷延鋼板を10%の水酸化ナトリウム
水溶液中で電解脱脂し、水洗し、7%硫酸溶液中に浸漬
酸洗し、水洗した後、公知のスズめっき浴中で1.3g
/m2スズめっきを施した。リフローでスズを溶融した
後、炭酸ナトリウム水溶液中で清浄化陰極処理し、水洗
後、硫酸を含むクロム酸水溶液中で30mg/m2の金
属クロムとクロム換算で10mg/m2のクロム水和酸
化物を生成させた。さらに水洗後、80℃の温水を2秒
間スプレーし、乾燥した。
【0012】実施例 2 実施例1と同様の前処理を行い、公知のスズめっき浴中
で0.3g/m2のスズめっきを施し、リフローでスズ
を溶融した後、下記のニッケルイオンを含む強酸性の水
溶液中で清浄化陰極処理し、20mg/m2のニッケル
を析出させた。水洗後、フッ化ナトリウムを含むクロム
酸水溶液中で25mg/m2の金属クロムとクロム換算
で3mg/m2のクロム水和酸化物を生成した。さらに
水洗後、80℃の温水を0.3秒間スプレーし、乾燥し
た。 ニッケルイオンを含む強酸性の水溶液中での清浄化処理
条件 浴組成 硫酸ニッケル:100g/l ほう酸 : 30g/l 硫酸 : 10g/l 処理条件 電流密度 : 5A/dm2 処理時間 : 0.8秒 浴温度 : 60℃
【0013】実施例 3 実施例1と同様の前処理を行い、公知のスズめっき浴中
で1.3g/m2のスズめっきを施し、リフロー工程で
スズを溶融した後、ニッケルイオンを含む強酸性の水溶
液中で清浄化陰極処理し、10mg/m2のニッケルを
析出させた。水洗後、硫酸を含むクロム酸水溶液中で5
0mg/m2の金属クロムとクロム換算で20mg/m2
のクロム水和酸化物を生成させた。さらに水洗後、90
℃の温水を2秒間スプレーし、乾燥した。 ニッケルイオンを含む強酸性の水溶液中での清浄化処理
条件 浴組成 スルファミン酸ニッケル : 200g/l ほう酸 : 30g/l 硫酸 : 20g/l 処理条件 電流密度 : 10A/dm2 処理時間 : 0.2秒 浴温度 : 50℃
【0014】実施例 4 実施例1と同様の前処理を行い、公知のスズめっき浴中
で2.8g/m2のスズめっきを施し、リフローでスズ
を溶融した後、ニッケルイオンを含む強酸性の水溶液中
で清浄化陰極処理し、6mg/m2のニッケルを析出さ
せた。水洗後、硫酸を含むクロム酸水溶液中で30mg
/m2の金属クロムとクロム換算で12mg/m2のクロ
ム水和酸化物を生成させた。さらに水洗後、沸騰水中に
4秒間浸漬し、乾燥した。 ニッケルイオンを含む強酸性の水溶液中での清浄化処理
条件 浴組成 硫酸ニッケル : 200g/l 塩化ニッケル : 30g/l ほう酸 : 30g/l 硫酸 : 15g/l 処理条件 電流密度 : 5A/dm2 処理時間 : 0.1秒 浴温度 : 40℃
【0015】実施例 5 実施例1と同様の前処理を行い、公知のスズめっき浴中
で5.6g/m2のスズめっきを施し、リフローでスズ
を溶融した後、炭酸水素ナトリウム水溶液中で清浄化陰
極処理した。水洗後、硫酸を含むクロム酸水溶液中で7
5mg/m2の金属クロムとクロム換算で15mg/m2
のクロム水和酸化物を生成させた。さらに水洗後、95
℃の温水を0.5秒間スプレーし、乾燥した。 実施例 6 実施例1と同様の前処理を行い、公知のニッケル−鉄め
っき浴からニッケル30mg/m2,鉄15mg/m2
ニッケル−鉄合金めっきを行い、次いで、公知のスズめ
っき浴中で1.3g/m2のスズめっきを施し、リフロ
ーでスズを溶融した後、ニッケルイオンを含む強酸性の
水溶液中で清浄化陰極処理し、7mg/m2のニッケル
を析出させた。水洗後、硫酸を含むクロム酸水溶液中で
30mg/m2の金属クロムとクロム換算で10mg/
2のクロム水和酸化物を生成した。さらに水洗後、8
0℃の温水を1秒間スプレーし、乾燥した。 ニッケルイオンを含む強酸性の水溶液中での清浄化処理
条件 浴組成 硫酸ニッケル : 240g/l 硫酸 : 5g/l 処理条件 電流密度 : 10A/dm2 処理時間 : 0.2秒 浴温度 : 60℃
【0016】比較例 1 実施例1で、温水洗浄の効果を明確にするために、温水
洗浄を省略した。 比較例 2 実施例2で、温水洗浄の効果を明確にするために、温水
洗浄を省略した。 比較例 3 実施例3で、清浄化処理の効果を明確にするために、清
浄化処理を省略した。 比較例 4 実施例4で、強酸性のニッケルイオンを含む水溶液での
清浄化処理の効果を明確にするために、特公昭60−3
5440号に開示された方法、すなわち、弱酸性のニッ
ケルイオンを含む水溶液で清浄化処理を行った。 ニッケルイオンを含む酸性の水溶液中での清浄化処理条
件 浴組成 硫酸ニッケル : 200g/l 塩化ニッケル : 30g/l ほう酸 : 30g/l 処理条件 電流密度 : 5A/dm2 処理時間 : 0.1秒 浴温度 : 40℃ 比較例 5 実施例5で、金属クロム量の効果を明確にするために、
特開昭53−10331号に開示された方法により、重
クロム酸ナトリウム水溶液中で、0.2mg/m2の金
属クロムとクロム換算で4.7mg/m2のクロム水和
酸化物を生成させた。 実施例1〜6、比較例1〜5に示した試料作成条件を表
1に示した。
【0017】
【表1】
【0018】実施例1〜6、比較例1〜5で得られたス
ズめっき鋼板について、次に示す各種塗料密着性試験等
(評価試験)を行い、その結果を表2に示した。 (1)塗料密着性試験 試料表面にフェノール・エポキシ系塗料を6g/m2
布し、215℃で10分加熱した後室温まで冷却し、再
度200℃で20分間焼き付けた。この試料を幅5m
m,長さ100mmに切断し、塗料面を重ねて、そのあ
いだに50μmのナイロンフィルムを2枚重ねで挟み込
み、ホットプレスを用いて、200℃,180秒の予熱
を行った後、10kg/cm2の加圧下で200℃,2
0秒間圧着を行った。この試験片を引っ張り試験機でT
字型90゜ピールを行い、その剥離強度はkgf/5m
mで評価した。剥離速度は100mm/分で行った。 (2)湿潤下の経時塗料密着性試験 前記(1)における接着試験片を90℃で0.4%のク
エン酸水溶液中に5日間浸漬し、その後、試験片を引っ
張り試験機でT字型90゜ピールを行い、その剥離強度
はkgf/5mmで評価した。剥離速度は100mm/
分で行った。 (3)塗料密着性の耐レトルト試験 前記(1)と同様に塗料の焼き付けを行った後、試料を
幅70mm,長さ60mmに切断し、塗料面を長さ方向
の両端を5mmだけ重ねて、そのあいだに50μmのナ
イロンフィルムを2枚重ねで挟み込み、ホットプレスを
用いて、前記(1)と同条件で圧着した。この試験片を
10組作成し、円形状の缶胴のように半径100mm程
度の半円形に丸めたのち、両端を固定して130℃のレ
トルト釜中で3時間及び5時間経時させたときの剥離の
有無を10組中の剥離個数で示した。
【0019】
【表2】
【0020】表2において、実施例1,2および比較例
1,2は温水洗浄の効果を、実施例3,4および比較例
3,4は清浄化処理の効果を、さらに実施例5および比
較例5はクロム後処理量の効果を、それぞれ本発明との
比較において示したものである。表2に示すように、本
発明のスズめっき鋼板は、優れた塗料密着性、耐レトル
ト性、さらに湿潤下での経時塗料密着性を有することが
認められた。
【0021】
【発明の効果】スズめっき後の清浄化陰極処理,電解ク
ロム酸処理および温水中での洗浄処理の相乗効果によ
り、従来のスズめっき鋼板では得られなかった有機接着
剤による缶胴接合法の製缶に適したスズめっき鋼板を得
ることができる。また、本発明によれば、工業的にスズ
めっき鋼板を製造する際にも、基本的に現状の工程のま
まで可能であり、大きな工程変更がないために設備変更
などの費用も安価に抑えることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−10331(JP,A) 特開 昭54−142135(JP,A) 特開 昭57−137491(JP,A) 特開 昭57−35698(JP,A) 特開 平4−88193(JP,A) 特公 昭60−35440(JP,B2) 特公 昭60−34637(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C25D 5/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前処理工程,スズめっき工程,リフロー
    工程,アルカリ性の炭酸塩を含む水溶液での清浄化処理
    工程,硫酸またはフッ化物を含むクロム酸浴での後処理
    工程を順次行うスズめっき鋼板の製造法において、前記
    後処理工程後に、さらに80℃以上で0.3秒〜10秒
    間、スズめっき鋼板を洗浄する洗浄工程を付加してなる
    ことを特徴とする、湿潤下での経時塗料密着性に優れた
    スズめっき鋼板の製造法。
  2. 【請求項2】 前記清浄化処理工程が、ニッケルイオン
    を含む強酸性の水溶液中で処理されることを特徴とする
    請求項1記載のスズめっき鋼板の製造法。
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