JP3330477B2 - 織段防止方法 - Google Patents

織段防止方法

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JP3330477B2
JP3330477B2 JP29054395A JP29054395A JP3330477B2 JP 3330477 B2 JP3330477 B2 JP 3330477B2 JP 29054395 A JP29054395 A JP 29054395A JP 29054395 A JP29054395 A JP 29054395A JP 3330477 B2 JP3330477 B2 JP 3330477B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、織機の電動式の開口装置
に関し、特に織機の停止時における織段の防止に有効な
たて糸張力の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】織機停止中の張力制御の技術として、特
開昭54−106661号公報は、織機停止時にたて糸
張力を緩めることを開示しており、また特開平4−22
8640号公報は、織機停止時のたて糸の張力を記憶
し、停止中にこのたて糸張力を維持することを開示して
いる。これらの技術によると、開口枠毎に開口量が異な
るので、たて糸の伸びを揃えることはできない。
【0003】一方、特開平3−193952号公報は、
織段防止手段として、織機の起動時に、たて糸を最大開
口の状態に設定して、たて糸の張力を上げて、たて糸を
張り上げた状態にし、その後、たて糸を閉口させて、た
て糸の張力を下げ、たて糸の伸びを抑えてから運転する
ことを開示している。このたて糸張り上げは、開口装置
のみで行えるとの示唆もある。
【0004】また、実開平4−33676号公報は、織
機再起動に際して、織機停止中に張力が掛かっていない
たて糸の張力を高めるため、対応するヘルドを移動さ
せ、開口量を他の張力の高いたて糸開口量と同じにし
て、たて糸の伸びを全体に均一化させた後、開口を同期
させ、再始動することのほか、逆に開口量を他の張力の
低いたて糸開口量と同じにすること、織機再起動時の開
口ステップに応じてこの開口量を選択することを開示し
ている。
【0005】上記技術によると、織機停止中に生じるた
て糸の伸びは防止できない。高い張力を加えて長時間停
台すると、たて糸は伸びきってしまい、その後、いかな
る操作を行っても、伸びきったたて糸で生じるたて糸の
張力の低下は解消されず、結局、織段が発生する。
【0006】
【発明の目的】したがって、本発明の目的は織機の電動
式開口装置に対する開口制御装置において、織機停止後
の待機中に、各開口枠のたて糸張力をそれぞれ織段の防
止に適切な張力に保つことによって、開口枠毎のたて糸
の張力の違いによる織段の発生を未然に防止することで
ある。
【0007】
【発明の解決手段】上記目的の下に、本発明は、複数開
口枠を独立したモータにより所定の開口パターンに基づ
いて織機の主軸に同期した状態で位置制御する開口制御
装置において、織機停止の織段防止に有効なたて糸の
目標張力を各開口枠毎に予め設定しておき、織機停止時
に各モータを主軸に対する同期状態の位置制御から各モ
ータのトルク制御に切り換えるとともに、織機停止後の
待機中に、目標張力に応じた駆動電流によりモータを駆
動し、このモータのトルクにより開口枠を独立に駆動す
ることによって、各開口枠に対応するたて糸の張力を目
標張力の値に保つようにしている。ここで目標張力は、
開口枠の駆動機構に応じて、計算により、あるいは実測
により設定される。
【0008】
【作用】織機運転前に、運転中の開口パターンと、織機
停止後の待機中での各開口枠毎のたて糸の目標張力、そ
の他制御に必要なデータとが設定され、開口制御装置に
記憶される。ここで、開口パターンとは、織機の主軸に
対する開口枠駆動用のモータの目標回転量をいう。
【0009】織機運転時に、開口制御装置は、予め設定
された開口パターンと、検出した織機主軸の回転角度に
より、各開口枠を駆動するモータの目標回転量とを求
め、所定の回転量となるようにモータの回転量を位置制
御によって制御する。
【0010】織機停止後、待機指令が入力されたとき、
開口制御装置は、各モータについて織機の主軸に対する
位置制御から各モータのトルク制御つまりたて糸に対す
る張力制御に切り換えた後、予め設定された制御データ
を基に計算された目標張力が得られるモータのトルクを
出力し、このトルクに対応する駆動電流によってモータ
を駆動して、各開口枠に対応するたて糸の張力を目標張
力の値に保持する。
【0011】このようにして、織機の停止後の待機中に
おいて、たて糸の張力は、開口枠毎に目標張力に設定さ
れ、維持される。この結果、例えば各開口枠毎の目標張
力を同一に設定すれば、たて糸の伸びが揃うため、その
後の再起動時における織段の発生が未然に防止できる。
なお、たて糸の目標張力は、開口ステップ、織機の停台
原因、停台時間、待機中の開口方向、糸種のうち少なく
とも1つに応じて設定するものとする。
【0012】口合わせ指令や、再起動指令の入力によっ
て、待機指令が解除されたとき、開口制御装置は、張力
制御を解除した後、再び織機の主軸の回転角度に対する
位置制御を実行し、各開口枠を主軸に対する適切な開口
量に戻す。なお、設定するたて糸の目標張力は、全リピ
ートで同一の値として設定してもよく、また開口ステッ
プにより変化させてもよい。
【0013】
【実施例】図1は、電動開口装置1の概要を示してい
る。電動開口装置1は、例えば6枠の開口枠2ごとに対
応して、開口制御装置3を備えている。それぞれの開口
制御装置3は、内蔵している開口枠駆動用のモータ4に
よって、駆動機構としてのクランク機構、つまりクラン
ク5を回転させ、連結ロッド6を介してそれぞれの開口
枠2に上下運動を与え、開口枠2に取り付けられたヘル
ド8を介して多数のたて糸9に開口運動を与える。な
お、駆動機構は、クランク機構のほか、ラック・ピニオ
ン機構またはカム機構などによって構成することもでき
る。
【0014】次に、図2は、開口制御装置3を示し、ま
た図3は、開口制御装置3の内部の主要部分を示してい
る。これらの図で、開口指令手段10に運転指令dまた
は待機指令eが入力されたとき、作動指令判別器11
は、その指令内容を判別し、運転指令dのときにサイク
ル番号指示器12を動作させ、待機指令eのときに切換
器38に切換動作をさせ、また待機指令eの解除のとき
に再びサイクル番号指令器12を動作させるとともに、
切換器38に再び切換動作させる。
【0015】織機の運転のために、開口指令手段10に
運転指令dが入力されているとき、サイクル番号指示器
12は、記憶器13に記憶されている開口ステップxを
読み取って、次の開口ステップyに対応する信号を開口
パターン指定手段15の内部の開口選択パターン発生器
16に送り込む。ここで、開口選択パターン発生器16
は、織機の主軸22に連結されたエンコーダ23によっ
て検出される織機の回転角θを入力し、その角度から1
リピート中のサイクルに対応した開口選択パターンKp
とサイクル番号nとを出力し、開口パターン設定器18
に送り込む他、サイクル番号nを記憶器13にも送り込
んで、記憶されている開口ステップxを更新させる。
【0016】開口パターン設定器18は、開口パターン
Ksiの信号を位置指令部24に送り込む。ここで、位
置指令部24は、織機主軸22に連結されたエンコーダ
23からの回転角θの信号に基づいて、織機の主軸22
の回転に同期した状態で、目標回転量Poの信号を発生
し、これをオアゲート25を介して駆動制御部26の内
部の偏差検出部27に送り込む。偏差検出部27は、モ
ータ4に連結されたエンコーダ31からの回転量Pfの
信号と目標回転量Poの信号とを比較し、偏差回転量Δ
pの信号を速度制御部28に送り込む。
【0017】速度制御部28は、ベース速度設定器17
からのベース速度Voの信号を入力して、これとモータ
4と同軸上に設けられたエンコーダ31からのフィード
バック用の速度Vfの信号と比較しながら、それらの偏
差をなくする方向の出力を発生し、これを切換器38経
由で電流制御部29に与える。なお、開口パターン設定
手段15の内部のベース速度設定器17は、回転角θの
信号と開口パターンKsiの信号とを入力として、回転
角θや開口パターンKsiに応じたベース速度Voを設
定する。
【0018】電流制御部29は、電流検出器30によっ
て検出されるモータ4の駆動電流Imと偏差回転量Δp
およびモータ4のフィードバック用速度Vfにもとづい
て与えられる目標の電流とを比較しながらモータ4を駆
動する。この結果、モータ4は、偏差を解消する方向
に、所定の速度、電流のもとに回転し、その回転力をギ
ヤ32を介してクランク5に伝達する。なお、クランク
5には、クランク位相を検出する位相検出器42が連結
されており、この位相検出器42はトルク信号発生器3
9、開口方向指令器33にクランク位相ωを出力する。
【0019】織機の運転中に、停台原因qが発生する
と、織機は、停止動作に入り、完全に停止した後、所定
の位相で逆転して、待機状態となる。その後、図示しな
い織機制御装置から待機指令e1が開口方向指令器33
に出力される。この開口方向指令器33は、予め設定さ
れているアルゴリズム等の規則と、各開口枠を駆動する
モータ4の位相信号、言い換えればクランク5の位相信
号ωとをもとに、トルク制御時の開口方向を決定し、開
口方向信号fを各開口制御装置のトルク信号発生器39
に出力する。その後、一定時間経過してから図示しない
織機制御装置から待機指令eが開口指令手段10に出力
される。開口指令手段10は、待機指令eが入力される
と、切換器38の入力を切り換えるとともにトルク信号
発生器39を作動させる。このとき、トルク信号発生器
39は、対応のモータ4を所定の目標電流Ioで駆動す
ることにより、モータ4についてトルク制御を実行し
て、開口枠2の位置を変え、モータ4の出力トルクによ
りたて糸9の張力制御を実行する。
【0020】なお、開口方向指令器33は、各開口枠開
口位相ωを判断し、その待機状態における織り口の移動
を防止するように作用させることができる。例えば、待
機指令e1出力時の開口状態が上口開口、下口開口の枠
数がアンバランスで上糸と下糸の張力差があったりする
と、張力差を解消するようにそれぞれの枠数を設定し予
め設定されたアルゴリズムに基づき、待機指令e1出力
時の各開口枠の開口位相ωを読みとり、適切な開口方向
指令信号出力するものである。より好ましくはほぼそれ
ぞれの枠数を同数に設定しておけば良い。
【0021】図4は、トルク信号発生器39をCPUな
どの計算器34、これに接続された設定器35、メモリ
36および停台時間更新用のタイマー37などで構成し
た例を示している。設定器35には、張力データとして
目標張力Ts、位置データとして織口x1、たて糸送り
出し点x2、ヘルドの位置x3、重量データとして開口
枠の自重Fm、機構データとしてクランク5の径r、閉
口時のクランク位相ωo、連結ロッドの長さL1などが
入力される。なお、駆動機構が、ラック・ピニオン機構
の場合、ギヤの外径、カム機構の場合、カムの有効径や
圧力角などが設定される。
【0022】これらのデータは、設定器35を介して計
算器34に与えられ、メモリ36に記憶される。計算器
34は、待機指令e、サイクル番号nの信号、停台原因
qのほか、停台時間更新タイマーから出力される停台時
間更新mの信号、開口方向指令器33から出力される開
口方向指令fの信号、閉口時のクランク位相ωo、クラ
ンク位相ωなどを入力とし、たて糸の目標張力Tsに対
応するモータ4の駆動トルクTを計算し、この駆動トル
クTの値に対応する目標電流Ioを切換器38経由で電
流制御部29に出力する。そして計算器34は、電流検
出器30により出力中の電流Imを検出し、駆動トルク
Tに対応する目標電流Ioと電流Imとを比較して、両
者の差としての電流偏差をなくするように電流制御を実
行する。この電流制御は、モータ4に対するトルク制御
であり、最終的にはそのモータ4に対応する開口枠2の
たて糸9についての張力制御にほかならない。
【0023】図5は、駆動系とたて糸張力の関係を示す
説明図である。以下の順でたて糸目標張力が対応するモ
ータトルクTの計算式を求める。たて糸の目標張力Ts
の設定時に、開口枠2の垂直方向の作用力Fxを下記の
関係式により求める。 Fx=F1(L2,Ts,x1,x2,x3)
【0024】上記作用力Fxの発生ために必要なモータ
4の駆動トルクTを下記の関係式によって求める。なお
モータ4の駆動トルクTは、モータの出力軸の位置でな
く、便宜上、クランク5の位置でのトルク値とする。た
だし、駆動機構によりクランク位相ωが不要の場合は、
それを省略する。 T=F2(Fx,Fm,ω)
【0025】これらから、駆動トルクTに、Fxを求め
る関係式を代入すると、次の関係式になる。 T=F2(F1(L2,Ts,x1,x2,x3),F
m,ω)
【0026】ところで、開口量L2は、直接、測定する
ことによって検出してもよいが、駆動機構から閉口時の
クランク位相ωoからのモータ回転量αにより計算でき
る。ただしα=ω−ωoとする。
【0027】 クランク機構 → L2=F3(α,r,L1) ラック・ピニオン機構 → L2=F3(α,r) よって、クランク機構について前記駆動トルクTにこの
式を代入すると、駆動トルクTは、下記の関係式によっ
て求められる。 T=F2(F1(F3(ω−ωo,r,L1),Ts,
x1,x2,x3),Fm,θ)
【0028】このことにより、クランク位相ωとたて糸
の目標張力Tsにより駆動トルクTを計算できる。現実
的には、目標張力Tsを設定したら、クランク位相ωに
対応した駆動トルクTを全て計算した後、メモリ36に
いったん記憶させ、必要時にクランク位相ωに応じた駆
動トルクTを読み出す形式が望ましい。もちろん、これ
らの関係は、実測により設定することもできる。なお、
クランク位相ωは、クランク位相検出器42により検出
しているが、モータ4同軸上のエンコーダ31からの回
転量Pfで代用することも可能である。
【0029】糸補修後の口合わせ指令や、再起動指令の
入力によって、待機指令eが解除されたとき、開口指令
手段10は、張力制御を解除し、再び位置制御を実行す
る。そのとき、まず、作動指令判別器11は、移動指令
手段19の内部の移動量設定器20およびパルス発振器
21を動作させる。移動量設定器20は再起動時に、停
台原因q発生前の開口運動を同期させながら連続させる
ために、通常の運転時の位置指令部24に代わって、同
期再起動用の開口パターンKsyの信号および回転角θ
の信号を入力して、設定回転量Psの信号を発生し、パ
ルス発振器21に送り込む。
【0030】このようにして、パルス発振器21は、設
定開口量Psに対応するパルス数の出力を発生し、これ
を駆動制御部26に送り込む。
【0031】図6は、開口制御装置3についての動作順
序を示している。まず最初に、1リピート中の1サイク
ルごとに各開口枠2について運転中の開口データおよび
停止後の待機中の張力データ、その他必要なデータが回
転角θとの関連で入力され、開口パターン設定器18
や、トルク信号発生器39などに入力される。
【0032】この状態で、図示しない運転ボタンの操作
によって、運転指令dが与えられたとき、織機は、連続
運転状態となり、開口指令手段10および開口パターン
指定手段15は、主軸22の回転と同期した状態で、位
置指令部24に対して開口パターンKsiの信号を与え
ることによって、開口パターンKsiに従って6個の開
口枠2を順次駆動し、たて糸9に所定の開口運動を与え
る。
【0033】図8の(1)は、6個(No.1、2、・
・・6 )の開口枠2についてよこ入れサイクル、開口サ
イクルとの関連で、開口パターンを示している。このよ
うに各開口枠2は、織物組織に従って、3回転1リピー
トの各サイクルで所定の順序により上下運動を繰り返す
ことによって、たて糸9に対して所定の開口運動を与え
る。
【0034】図6の他、図8の(2)に示すように、連
続運転中に、例えばよこ入れサイクル(n+1)つまり
開口サイクル(n+2)で停台原因qが発生したとき、
その信号が図示しない織機制御装置に与えられるため、
織機制御装置は、織機の主軸22にブレーキをかけ、制
動回転時間を経て、次の開口サイクル(n+3)で、織
機の主軸22を例えば240度で停止させた後、自動的
に逆転し、開口サイクル(n+2)に戻して、主軸22
を例えば300度程度の逆転停止角度である待機角度θ
sまで逆転させて待機状態としてから、開口方向指令器
33に待機指令e1、開口指令手段10に待機指令eを
与える。
【0035】待機指令eが入力されたとき、開口指令手
段10は、切換器38を速度制御部28に対する入力状
態からトルク信号発生器39に対する入力状態に切り換
え、主軸22に対する位置制御からトルク信号発生器3
9による張力制御モードに設定する。トルク信号発生器
39は、サイクル番号n、開口方向指令f、クランク位
相ωを読み出し、それらの条件に応じて、目標張力Ts
を発生させるために必要な目標電流Ioを発生し、電流
制御部29を介してモータ4を回転させながら電流検出
器30からの電流Imと目標電流Ioとを比較して、所
定の電流値に調節する。
【0036】したがって、このときのモータ4の回転出
力は、目標張力Tsを与えるための駆動トルクTを発生
している。モータ4の出力としての駆動トルクTは、ク
ランク機構を介して対応の開口枠2を所定の方向に移動
させ、その移動方向の力によって、当該開口枠2のヘル
ド8に保持されているたて糸9に対し目標張力Tsを与
える。したがって、待機指令eが入力された後に、各開
口枠2に対応するたて糸9は、目標張力Tsに設定され
た状態となる。これらの一連の動作を連続的あるいは一
定時間間隔で繰り返し動作させれば、より精度が向上す
る。なぜなら、開口量、換言すればクランク位相ωによ
り開口枠2への作用力、たて糸張力が変わるからであ
る。
【0037】なお、目標張力Tsは、これまでの経験か
ら求められた値を設定したり、実際のたて糸の伸び、織
段の状況を見ながら適宜設定される。各開口枠毎に異な
る値を設定することも可能である。例えば、たて糸の糸
種に応じた張力設定が可能となり、特殊な織り組織に対
してもたて糸の伸びを揃えることが可能である。
【0038】目標張力Tsは、織機の開口ステップ、開
口方向に応じて変えてもよい。このようにすると、開口
ステップに関係する要素(停止時の開口量、開口方向)
で生じる織段について張力変更により対策が可能とな
る。また、織機の停台原因、停台時間により設定値を変
えてもよい。停台原因、停台時間で生じる織段について
張力変更によって対策が可能となる。この点について、
図7とともに、後に記載する。
【0039】図8の(1)は、各開口枠2の開口パター
ン、および開口サイクル(n+2)で停台し、張力制御
されたときの開口枠2のたて糸の位置を示している。こ
こでは、前に述べた開口方向指令器33が作用して、N
o.1、3、6の3つの開口枠2は、上方に開口するよ
うに、また残りNo.2、4、5の3つの開口枠2は下
方に開口するように設定されている。このように、各開
口枠2は、たて糸9について目標張力Tsに対応する開
口位置で、待機状態となる。
【0040】停台原因qがたて糸切れやその他の停止原
因であって、たて糸切れを補修してその停止原因が除去
され、運転、寸動、逆転ボタンなどが操作されたら、待
機指令eがオフの状態になる。そこで、開口指令手段1
0は、切換器38を切り換えて、張力制御を止め、速度
制御部28からの出力を電流制御部29に送られる状態
として、位置制御に戻すとともに、開口パターン設定器
18からの開口パターンKsyにもとづいて移動量設定
器20を動作させることによって、開口位相(開口ステ
ップx、y)を停台原因発生時の位相つまり開口サイク
ル(n+2)に戻し、開口パターン指定手段15を正規
の位置制御モードに設定する。
【0041】一方、停台原因qがよこ入れミスであれ
ば、逆転ボタンを操作して、上記と同様に、待機指令
e、e1を解除し、位置制御モードに戻すことにより、
前記のように位相合わせ後、織機を開口サイクル(n+
2)での開口状態まで逆転させてよこ入れサイクル(n
+1)の不良よこ糸を除去し、さらに織機を前の開口サ
イクル(n+1)の開口状態である運転開始位置まで逆
転し、運転ボタンを押して当該織機を再起動させる。こ
の間に、開口制御装置3は、主軸22の回転に同期する
状態で複数の開口枠2に開口動作を与える。
【0042】なお、図7は、待機状態での停台時間中
に、停台時間の経過に応じて、駆動トルクT(目標張力
Ts)を変更するときのフローチャートを示しており、
初期の駆動トルクTを出力した後、設定時間経過?の判
定を行い、設定時間経過時に通常、初期の駆動トルクT
よりも大きな変更駆動トルクTを出力し、設定時間経過
でないときに、設定時間経過?の判断ステップに戻る。
そして、待機指令eオフの時点で、駆動トルクTの変更
が終了する。
【0043】なお、前記実施例では織機が待機状態にな
ってから糸切れ補修が始まるまでの間、開口枠の張力制
御を実行しているが、織機停止中常に実行するようにし
ても良い。このためには、トルク信号発生器39内部の
計算器34に、エンコーダ23からの主軸回転角信号
θ、開口パターン指定手段15からの開口パターンKs
が入力される。そして糸切れ補修が開始されて、開口指
令手段10からの待機指令が解除されると、トルク信号
発生器39は、主軸回転角θに応じて設定される目標張
力に基づき、駆動電流Ioを主軸回転角θに応じて出力
する。この結果、例えばよこ入れミスが発生したとき
に、そのよこ入れミス糸除去のために織機を逆転する
と、主軸回転角θに応じて設定される張力に基づき、開
口枠が駆動される。そしてよこ入れミス糸が除去され織
機運転操作時に、開口枠は主軸回転角θに対応する位置
制御に戻される。また、例えば耳糸切れが発生したと
き、糸切れ補修作業が開始され糸切れ発生したボビンを
補修し易い位相に移動させた後の糸切れ補修作業に時間
がかかることがあったとしても、予め主軸回転角θ、補
修時間に応じて設定される張力に基づき張力制御が実行
される。なお、この補修時間は補修作業開始からの経過
時間である。以上のように上記主軸回転角θや補修時間
などの各種パラメータに応じた適切な張力設定に基づき
張力制御することでたて糸の伸びむらを防止することも
可能である。
【0044】
【他の実施例】図9の実施例は、張力制御系において、
開口枠2と連結ロッド6との間に歪みゲージなどの荷重
センサ40を設け、この荷重センサ40および増幅器4
1によって作用力Fを電気量として測定し、これから開
口枠2の作用力Fxを間接的に実測し、これをフィード
バック信号として開口枠2のたて糸9について張力制御
を実施する例である。そうすれば、開口枠2の作用力F
xを実測して実際のたて糸張力を正確に把握してモータ
の駆動電流Ioを計算するから、より精度の高い張力制
御が実行できる。
【0045】
【発明の効果】本発明では、織機運転中の開口パターン
とは無関係に、織機停止後の待機中のたて糸張力を自由
に設定できるため、織口の移動を防止しながら、たて糸
の伸びを揃えることができ、これによって、停止段が有
効に防止できる。特に、各開口枠毎にたて糸の張力が設
定できるため、たて糸の糸種に応じた張力設定が可能と
なり、これにより特殊なたて糸組織の織布に対しても、
停止段が確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動開口装置のブロック線図である。
【図2】開口制御装置のブロック線図である。
【図3】開口指令手段、開口パターン指定手段および移
動指令手段のブロック線図である。
【図4】トルク信号発生器のブロック線図である。
【図5】クランクのトルクと糸張力との関係の説明図で
ある。
【図6】動作のフローチャート図である。
【図7】停台時間により糸張力を変更するときのフロー
チャート図である。
【図8】(1)は、よこ入れサイクル、開口サイクルに
対する6個の開口枠の開口運動パターンの説明図であ
り、また(2)は、織機の運転、停止、逆転、待機、た
て糸補修またはよこ入れ補修後の再起動に至る動作順序
の説明図である。そして、上記の(1)(2)は、回転
角θにより上下で対応している。
【図9】他の実施例の開口制御装置のブロック線図であ
る。
【符号の説明】
1 電動開口装置 2 開口枠 3 開口制御装置 4 モータ 5 クランク 9 たて糸 10 開口指令手段 15 開口パターン指定手段 19 移動指令手段 22 主軸 23 エンコーダ 24 位置指令部 26 駆動制御部 33 開口方向指令器 38 切換器 39 トルク信号発生器 40 荷重センサ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D03D 49/12 D03D 51/06 - 51/08 D03C 13/00 D03C 1/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の開口枠を独立したモータにより駆
    動する電動開口装置であって、各開口枠を所定の開口パ
    ターンに基づいて織機の主軸に同期した状態で位置制御
    する開口制御装置において、 織機停止の織段防止に有効なたて糸の目標張力を各開
    口枠毎に予め設定しておき、織機停止時に各モータを主
    軸に対する同期状態の位置制御から各モータのトルク制
    御に切り換えるとともに、織機停止後の待機中に、目標
    張力に応じた駆動電流によりモータを駆動し、このモー
    タのトルクにより開口枠を独立に駆動することによっ
    て、各開口枠に対応するたて糸張力を目標張力に保つこ
    とを特徴とする織段防止方法。
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