JPH0959849A - 織段防止方法 - Google Patents

織段防止方法

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JPH0959849A
JPH0959849A JP22589795A JP22589795A JPH0959849A JP H0959849 A JPH0959849 A JP H0959849A JP 22589795 A JP22589795 A JP 22589795A JP 22589795 A JP22589795 A JP 22589795A JP H0959849 A JPH0959849 A JP H0959849A
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opening
amount
loom
frames
mouth opening
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JP22589795A
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Zenji Tamura
善次 田村
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Tsudakoma Corp
Original Assignee
Tsudakoma Corp
Tsudakoma Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動式開口装置に対する開口制御装置におい
て、織機の停止時に各開口枠を織段の防止に適切な位置
に設定することによって、各たて糸の張力の違いによる
織段の発生を未然に防止する。 【解決手段】 複数開口枠2を独立したモータ4により
駆動する電動開口装置1で、各開口枠2を所定の開口パ
ターンに基づいて織機の主軸22に同期した状態で制御
する開口制御装置3において、予め織機停止時の織段防
止に有効な各枠に対する開口量を変更開口量設定器14
に設定しておき、織機停止時に各モータ4の主軸22に
対する同期状態の位置制御から切り離すとともに、各モ
ータ4を上記設定された開口量になるのに必要な回転量
だけ回転させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、電動式の開口装置に関
し、特に織機の停止時における織段の防止に有効な制御
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的なカム開口装置は、例えば特開平
6−158470号公報に見られるようなレベリング装
置を備えており、織機停止中は、停止時の開口位相をレ
ベリング(全枠閉口)状態にすることで、織段の発生を
防止している。
【0003】上記技術によると、開口枠を全て閉口状態
にするので、織前が織布の巻き取り側に移動してしま
い、その後の織機の起動時に開口枠を元の位置に戻して
も、巻き取り側に移動した織前が元の位置に戻らないた
め、織段が解消されないことがあった。
【0004】また、実開平4−33676号公報のもの
は、織機の再起動に際して、織機の停止中に張力がかか
っていないたて糸の張力を高めるため、対応するヘルド
を移動させ、開口量を他の張力の高いたて糸開口量と同
じにして、たて糸の伸びを全体に均一化させた後、開口
を同期させ、再始動することのほか、逆に開口量を他の
張力の低いたて糸開口量と同じにすること、織機再起動
時の開口ステップに応じて、この開口量を選択すること
を開示している。
【0005】また、特開平3−193952号公報のも
のは、織機の再起動時に、たて糸を最大開口の状態とし
て、張力を上げ、たて糸を張り上げた状態にし、その後
閉口させて張力を下げ、たて糸の伸びを揃えてから運転
することを開示している。このたて糸張り上げは、開口
装置のみで行えるとの示唆もある。
【0006】上記2つのものによると、織機の停止中に
生じるたて糸の伸びを防止することはできない。高い張
力を加えて長時間停台すると、たて糸が伸びきってしま
い、その後いかなる操作を行っても、伸びきったたて糸
によって、たて糸の張力低下は解消されず、結局これに
よって織段が発生する。
【0007】
【発明の目的】したがって、本発明の目的は電動式開口
装置に対する開口制御装置において、織機の停止時に各
開口枠を織段の防止に適切な位置に設定することによっ
て、各たて糸の張力の違いによる織段の発生を未然に防
止することである。
【0008】
【発明の解決手段】上記目的の下に、本発明は、複数開
口枠を独立したモータにより所定の開口パターンに基づ
いて織機の主軸に同期した状態で制御する開口制御装置
において、予め織機停止時の織段防止に有効な開口量を
設定しておき、 織機停止時に各モータを主軸に対する
同期状態の位置制御から切り離すとともに、各モータを
上記設定された開口量になるのに必要な回転量だけ回転
させる。
【0009】そして、開口量は織機停止後の待機中に、
たて糸張力が均一となる位置に設定され、特定開口枠の
開口量に基づき、他の開口枠の開口量をその特定開口枠
のたて糸張力と均一になるように、計算で、あるいは、
織前位置とたて糸送出点とを焦点とする楕円上に設定さ
れる。また、複数の開口枠のうち半数のものは上方の開
口位置に、残り半数のものは下方の開口位置にそれぞれ
設定される。
【0010】織機の運転前に、運転中の開口パターン
と、織機の停止後の待機中の開口量とが設定され、開口
制御装置に記憶される。ここで、開口パターンとは、織
機の主軸に対するモータの目標回転量を示す。
【0011】織機の運転時に、開口制御装置は、予め設
定された開口パターンと、検出した織機の主軸の回転角
度により各開口枠を駆動するモータの目標回転量とを求
め、所定の目標回転量となるようにモータの回転量を位
置制御によって制御する。
【0012】織機の停止時に、待機指令が入力されたと
き、開口制御装置は、位置制御の目標を織機の主軸の回
転角度から変更開口量発生器に切り換え、記憶した待機
中の設定開口量を読み出し、その設定開口量になるまで
のモータの目標回転量を計算出力し、その回転量になる
ようにモータを位置制御によって駆動する。これによっ
て、織機の停止後の待機中において、たて糸張力が均一
となるように開口量が設定される。このようにして、た
て糸の上糸と下糸との伸びが揃うため、その後の再起動
時における織段の発生が未然に防止できる。
【0013】待機指令が解除されたとき、開口制御装置
は、たて糸を元の開口量に戻し、位置制御の目標を元の
織機の主軸に対応する同期制御に戻す。なお、設定する
たて糸張力は、1リピート(織物組織の1繰り返し)の
間で同一に設定してもよく、また1リピート中の1回転
(1サイクル)ごとの開口ステップにより変化させても
よい。
【0014】開口量は、織機停止時の開口ステップ、開
口方向、停台原因、停台時間のうち少なくとも1つに応
じて設定する。また、複数の開口枠の設定開口量は、選
択した開口枠と開口量とから所定の計算により他の開口
枠の開口量を算出し自動的に設定する。
【0015】上記待機中の回転量出力に際し、各開口枠
のモータ位相を検出し、所定の規則に基づき、開口方向
別の枠枚数が均一となるように、待機中の開口方向を上
下に振り分け、その開口方向で設定回転量となるよう
に、目標回転量を計算し出力する。
【0016】
【実施例】図1は、電動開口装置1の概要を示してい
る。電動開口装置1は、例えば6枠の開口枠2ごとに対
応して、開口制御装置3を備えている。それぞれの開口
制御装置3は、内蔵している駆動用のモータ4によって
クランク5を回転させ、連結ロッド6を介して2つのベ
ルクランク7を回動させることによって、それぞれの開
口枠2に上下運動を与え、開口枠2に取り付けられたヘ
ルド8を介して多数のたて糸9に開口運動を与える。
【0017】次に、図2は、開口制御装置3を示し、ま
た図3は、開口制御装置3の内部の主要部分を示してい
る。これらの図で、開口指令手段10に運転指令dまた
は待機指令eが入力されたとき、作動指令判別器11
は、その指令内容を判別し、運転指令dのときにサイク
ル番号指示器12を動作させ、また待機指令eのときに
変更開口量発生器14を動作させる。
【0018】織機の運転のために、開口指令手段10に
運転指令dが入力されているとき、サイクル番号指示器
12は、記憶器13に記憶されている開口ステップxを
読み取って、次の開口ステップyに対応する信号を開口
パターン指定手段15の内部の開口選択パターン発生器
16に送り込む。ここで、開口選択パターン発生器16
は、織機の主軸22に連結されたエンコーダ23によっ
て検出される織機の回転角としてのクランク角θを入力
し、その角度から1リピート中のサイクルnに対応した
開口選択パターンKpとサイクル番号nとを出力し、開
口パターン設定器18に送り込むほか、サイクル番号n
を記憶器13にも送り込んで、サイクル番号nを更新さ
せる。
【0019】開口パターン設定器18は、開口パターン
Ksiの信号を位置指令部24に送り込む。ここで、位
置指令部24は、エンコーダ23からのクランク角θの
信号に基づいて、織機の主軸22の回転に同期した状態
で、目標回転量Poの信号を発生し、これをオアゲート
25から駆動制御部26の内部の偏差検出部27に送り
込む。偏差検出部27は、モータ4に連結されたエンコ
ーダ31からの回転量Pfの信号と目標回転量Poの信
号とを比較し、偏差回転量Δpの信号を速度制御部28
に送り込む。
【0020】速度制御部28は、ベース速度設定器17
からのベース速度Voの信号を入力して、これとエンコ
ーダ31からの速度Vfの信号と比較しながら、それら
の偏差をなくする方向の出力を電流制御部29に与え
る。なおベース速度設定器17は、クランク角θの信号
と開口パターンKsiの信号とを入力として、クランク
角θや開口パターンKsiに応じたベース速度Voを設
定する。電流制御部29は、変流器30によって検出さ
れる電流Imと目標の電流とを比較しながらモータ4を
駆動する。この結果、モータ4は、偏差を解消する方向
に、所定の速度、電流のもとに回転し、その回転力をギ
ヤ32を介してクランク5に伝達する。
【0021】まず織機が停止待機信号eを発する前に、
待機指令e1が開口方向指令器33に入力され、予め設
定されているアルゴリズム等の規則と各駆動モータの位
相により開口方向を適宜決定し開口方向指令fが出力さ
れる。その後待機指令eが作動指令判別器11に入力さ
れ、作動指令判別器11は、変更開口量発生器14、移
動指令手段19の内部の移動量設定器20およびパルス
発振器21を動作させる。変更開口量発生器14は、予
め設定された設定開口量Loと開口方向指令fとに対応
するデータを設定クランク角θoの信号として移動量設
定器20に送り込む。なお、変更開口量発生器14は、
開口方向指令器33からの開口方向指令fの信号に基づ
いて、開口枠2の開口方向を設定する。
【0022】移動量設定器20は、通常の運転時の位置
指令部24に代わって、設定クランク角θoの信号を入
力して、設定回転量Psの信号を発生し、パルス発振器
21に送り込む。このようにして、パルス発振器21
は、待機時の設定開口量Loに対応するパルス数の設定
回転量Psの出力を発生し、これを設定回転量Psとし
て、駆動制御部26に送り込む。
【0023】次に、図4は、変更開口量発生器14をC
PUなどの計算器34、これに接続された設定器35、
メモリ36および停台時間更新用のタイマー37などで
構成した例を示している。織機待機時の主軸角度、待機
角度θsや設定開口量Loなどのデータは、設定器35
を介して計算器34に与えられ、メモリ36に記憶され
る。計算器34は、待機指令e、開口ステップxの信
号、停台原因信号qのほか、停台時間更新信号m、開口
方向指令fの信号などを入力として、設定クランク角θ
oの信号を出力し、前記のように移動量設定器20に出
力する。
【0024】図5は、開口制御装置3についての動作順
序を示している。まず最初に、1リピート中の1サイク
ルごとに各開口枠2について運転中の開口量Lのデータ
および停止後の待機中の設定開口量Loのデータ、その
他必要なデータがクランク角θとの関連で入力され、開
口パターン設定器18に入力される。この状態で、図示
しない運転ボタンの操作によって、運転指令dが与えら
れたとき、織機は、連続運転状態となり、開口指令手段
10および開口パターン指定手段15は、主軸22の回
転と同期した状態で、位置指令部24に対して開口パタ
ーンKsiの信号を与えることによって、開口運動パタ
ーンに従って6個の開口枠2を順次駆動していく。
【0025】図7の(1)は、6個(No.1、2、・
・・6 )の開口枠2についてよこ入れサイクル、開口サ
イクルとの関連で、開口パターン(開口データ)を示し
ている。このように、各開口枠2は、織物組織に従っ
て、3回転1リピートの各サイクルで所定の順序により
上下運動を繰り返すことによって、たて糸9に対して所
定の開口状態に設定する。
【0026】図5の他、図7の(2)に示すように、連
続運転中に、例えばよこ入れサイクル(n+1)つまり
開口サイクル(n+2)で停台原因qが発生したとき、
その信号が図示しない織機制御装置に与えられるため、
織機制御装置は、ブレーキをかけ、制動回転時間を経
て、次の開口サイクル(n+3)で、織機の主軸22を
240度で停止させた後、自動的に逆転し、開口サイク
ル(n+2)に戻して、主軸22を例えば300度程度
の逆転停止角度である待機角度θsまで逆転させて待機
状態としてから、開口方向指令器33に待機指令e1、
開口指令手段10に待機指令eを与える。
【0027】そこで、開口指令手段10は、サイクル番
号指示器12を動作しない状態に設定することによっ
て、位置指令部24からの目標回転量Poの出力を無効
とし、これに代わって、移動指令手段19からの設定回
転量Psの出力をオアゲート25を経て駆動制御部26
に送り込むように制御の目標を切り換える。この切り換
え後の位置制御によって、それぞれの開口枠2は、変更
開口量発生器14によって設定された設定クランク角θ
oにより所定の開口状態に設定される。
【0028】図7の(1)は、開口サイクル(n+2)
で停台したときに、それぞれの開口枠2の開口量(開口
位置)を示している。ここでは、No.1、3、6の3
つの開口枠2は、上方で、設定開口量Loの位置に設定
されており、また残りNo.2、4、5の3つの開口枠
2は、下方で、設定開口量Loの位置に設定されてい
る。各開口枠2が待機状態の開口位置(設定開口量L
o)に設定され、待機状態となる。
【0029】停台原因qがたて糸切れやその他の停止原
因であって、たて糸切れを補修してその停止原因が除去
され、運転、寸動、逆転ボタンなどが操作されたら、待
機指令eがオフの状態になる。そこで開口指令手段10
は、開口パターン設定器18からの開口パターンKsy
にもとづいて移動量設定器20を動作させることによっ
て、開口位相(開口ステップx、y)を停台原因発生時
の位相つまり開口サイクル(n+2)に戻し、開口パタ
ーン指定手段15を正規の位相制御モードに設定する。
【0030】一方、停止原因がよこ入れミスであれば、
逆転ボタンを操作して前記のように位相合わせ後、織機
を開口サイクル(n+2)での開口状態まで逆転させ
て、よこ入れサイクル(n+1)の不良よこ糸を除去
し、さらに織機を前の開口サイクル(n+1)の開口状
態である運転開始位置まで逆転し、運転ボタンを押して
当該織機を再起動させる。
【0031】なお、図6は、待機状態での停台時間中
に、停台時間の経過に応じて、開口量Lを変更するとき
のフローチャートを示しており、初期の設定開口量Lo
を出力した後、設定時間経過?の判定を行い、設定時間
経過時に通常、設定開口量Loよりも大きな変更開口量
Lo1を出力し、設定時間経過でないときに、設定時間
経過?の判断ステップに戻る。そして、待機指令eオフ
の時点で、開口量Lの変更が終了する。
【0032】上記のように、織機運転時に、開口パター
ンKsiと、検出した主軸22のクランク角θとにより
モータ4の目標回転量Poを求め、その目標回転量Po
になるようにモータ4の回転を制御するための位置制御
が実行される。
【0033】また、織機停止時に待機指令eが入力され
たら、位置制御の目標を主軸22に対する同期制御から
変更開口量発生器14による制御に切り換える。そし
て、記憶した待機中の設定開口量Loを読み出し、その
設定開口量Loになるようにモータ4を駆動し、位置制
御を実行していく。この場合、織機の開口ステップxに
より設定開口量Loを変えてもよく、これによって開口
ステップxに関係する要素(停止時の開口量)で生ずる
織段について開口量変更で対策可能となる。また停台原
因、停台時間により設定開口量Loを変えてもよく、こ
れによって、停台原因、停台時間で生じる織段について
開口量変更で対応可能となる。
【0034】また、織機待機角度が複数存在するとき、
この待機角度に応じた開口量を予め設定しておき、織機
停止後の待機時、この図示しない待機角度信号を入力
し、この待機角度信号に応じた開口量で開口することも
できる。そうすれば、待機前の開口状態に応じた待機状
態の開口量を設定することで、開口待機動作で織前が移
動することも防止できる。
【0035】さらに、現在のモータ4の位相にもとづ
き、開口方向を上下に振り分けるとよい。複数の開口枠
2を上下方向に均等に振り分けると、設定開口量Loで
開口させてから、たて糸9の伸びを揃えることができ
る。この点は、後述する。
【0036】口合わせ指令や再起動指令の入力によっ
て、待機指令bが解除されたら、元の開口量Lに戻し、
位置制御の目標を元の制御すなわち織機の主軸22に対
する同期制御に戻す。
【0037】図8は、楕円の数式を利用して、複数の開
口枠2について適切な設定開口量Loを設定する例であ
る。開口枠2が複数あると、それらの開口枠2によるた
て糸9の保持位置は、開口枠2の厚み分ずつたて糸9の
方向で異なってくる。したがって、全ての開口枠2につ
いて同一の設定開口量Loが設定されると、たて糸9の
送り出し点から織前までのたて糸長さは、開口枠2ごと
に異なってくる。図8は、送り出し点F1から織前点F
2に至るたて糸9の長さを等しくするために、各開口枠
2によるたて糸9の保持位置をたて糸9の送り出し点
(ドロッパの係止点)F1と織前点F2とを焦点とする
楕円の曲線上に設定する例である。
【0038】楕円の曲線上では、曲線上の点から各焦点
F1、F2に至る長さの距離の和は常に一定であるか
ら、複数の開口枠2のヘルド8による糸保持点Hが枠の
厚みにより異なっていても、その保持点Hが楕円の曲線
上にあれば、全ての開口枠2についての待機状態での糸
長さは一定となる。このため、まずある開口枠2の設定
開口量Loから、織前点F2とたて糸9の送り出し点F
1とを焦点とする楕円の数式を作成し、これに他の開口
枠2の位置を入力して、他の開口枠2についての設定開
口量Loを求める。
【0039】図8の楕円は、下記の式によって与えられ
る。 X2 /R2 +Y2 /r2 =1 ここで、X、Yは、それぞれXY座標を示し、またR、
rは、その指定されたある開口枠2の位置、設定開口量
Lo、および楕円の焦点(織前位置F1、たて糸送出点
F2)位置により決まる定数(長径と短径)であり、X
軸、Y軸との交点に対応している。上記の式から、各枠
のX座標の位置が判れば、Yは、下記のように求められ
る。 Y=±r√(1−X2 /R2
【0040】上記の式のXに他の開口枠2の位置を入力
すれば、Yの値から設定開口量Loが計算によって求め
られる。なお、この楕円数式について、例えば開口方向
で楕円の構成要素の1つであるたて糸送出点の位置が変
わる場合や、上方向と下方向に対する設定開口量をそれ
ぞれ別に設定する場合、開口方向に応じた楕円数式によ
り開口量を適宜求めてもよい。
【0041】例えば、開口ステップ毎に織物組織が変更
され、これにより織り口の位置が変わる時についても、
その開口ステップに応じた楕円数式により開口量を求め
ることは言うまでもない。ほか、織機のたて糸送出イー
ジングなどの機構要素や、たて糸の物性に関わる要素で
楕円数式を適宜補正することは言うまでもない。
【0042】また、これまで特定開口枠に対する設定開
口量から、全てのたて糸が均一のたて糸張力となるよう
に他の開口枠の開口量を計算で求めるようにしている
が、これに限らず、実際の状態(織段)を見ながら開口
量をそれぞれ設定するようにしてもよい。例えば、たて
糸張力が均一になる開口量で開口したとしても、たて糸
と綜絖との摩擦の存在で、綜絖より織前側のたて糸張力
と綜絖より後方側のたて糸張力がアンバランスになった
り、織前側のたて糸張力が綜絖枠毎に異なる場合もあ
る。このような場合、実際の状態を見ながら適宜開口量
を設定するようにしてもよいし、仮に計算でたて糸張力
が均一になる開口量を設定し、実際の状態を見ながら適
宜開口量を修正してもよい。
【0043】また、前記のように、複数の開口枠2は、
上下方向に均等に、かつ、開口枠2の移動量を最小とな
るように振り分けるとよい。図9は、複数の開口枠2を
振り分ける規則(アルゴリズム)を示している。
【0044】まず、待機時の上方での開口枠数Aと下
方での開口枠数Cとを設定する。なお開口枠2の数が奇
数の場合には、割り切れないため、その1つをいずれか
の方に振り分ける。この実施例の場合、開口枠総数が6
枠であるから、A=3、C=3に設定する。
【0045】織機停止時の開口状態を把握して下記の
ようにグループ分けする。 枠No. 枠枚数 上方開口 ・・・ 3,6 a=2 閉口 ・・・ 1,2,4,5 b=4 下方開口 ・・・ − c=0 計 6枚
【0046】開口状態により待機時の開口方向を確定
する。 A−a≧0か? OKなら枠枚数aグループの開口方向
を現状の開口方向に確定する。 C−c≧0か? OKなら枠枚数cグループの開口方向
を現状の開口方向に確定する。 今回は、枠枚数aグループの要素数=2で上記条件を満
たすから、枠枚数aグループすなわちNo.3、6の開
口枠2は、そのまま待機時上方開口とする。残りの開口
枠2からいくつかを選び、待機時上方開口とするものを
確定する。
【0047】所定規則の例として、現在の開口量と待機
時の上方開口量との差を求め、開口量が小さく短い時間
で操作が進むことを考慮して、最小のものに決めるか、
あるいは予め枠に付けた重みつけに従い決める。今回
は、前者(現在の開口量と待機時の上方開口量との差を
求め、開口量が小さく短い時間で操作が進むことを考慮
して、最小のものに決める。)の規則に従い、No.1
の開口枠2を待機時上方開口とする。残りの枠からいく
つかを選び、待機時下方開口とする枠を決定する。今回
は、残りの枠No.2、4、5の開口枠2を選択し、待
機時下方開口とする。
【0048】
【発明の効果】本発明では、織機の運転中の開口パター
ンとは無関係に、織機停止後の待機中のたて糸開口量を
自由に設定できるため、織前の移動を防止させながら、
たて糸の伸びを抑えることができ、織段(停止段)の対
策に有効であり、さらに開口量の設定について、ある開
口枠の開口量を入力するだけで、他の開口枠の開口量を
自動的に計算し設定できるので、開口量の設定が容易と
なる。特に、全てのたて糸について張力が同じとなるよ
うに、例えば楕円の軌跡上に設定したり、複数の開口枠
を上下均等に振り分けることによって、全てのたて糸の
伸びがばらばらにならず、また開口枠の設定もバランス
よく、また最小の移動量で所定の位置に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動開口装置の説明図である。
【図2】開口制御装置のブロック線図である。
【図3】開口指令手段、開口パターン指定手段および移
動指令手段のブロック線図である。
【図4】変更開口量発生器のブロック線図である。
【図5】動作のフローチャート図である。
【図6】開口量を変更するときのフローチャート図であ
る。
【図7】(1)は、よこ入れサイクル、開口サイクルに
対する6個の開口枠の開口運動パターンの説明図であ
り、また(2)は、織機の運転、停止、逆転、待機、た
て糸補修またはよこ入れ補修後の再起動に至る動作順序
の説明図である。
【図8】複数の開口枠の開口量と楕円との関係の説明図
である。
【図9】開口枠の上下方向への振り分け規則のフローチ
ャート図である。
【符号の説明】
1 電動開口装置 2 開口枠 3 開口制御装置 4 モータ 10 開口指令手段 15 開口パターン指定手段 19 移動指令手段 22 主軸 23 エンコーダ 24 位置指令部 26 駆動制御部 33 開口方向指令器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数各開口枠を独立したモータにより駆
    動する電動開口装置で、各開口枠を所定の開口パターン
    に基づいて織機の主軸に同期した状態で制御する開口制
    御装置において、 複数の開口枠を独立したモータにより駆動する電動開口
    装置で、各開口枠を所定の開口パターンに基づいて織機
    の主軸に同期した状態で制御する開口装置において、 予め織機停止時の織段防止に有効な各開口枠に対する開
    口量を設定しておき、 織機停止時に各モータを主軸に対する同期状態の位置制
    御から切り離すとともに、各モータを上記設定された開
    口量になるのに必要な回転量だけ回転させることを特徴
    とする織段防止方法。
  2. 【請求項2】 織機の停止後の待機中に、すべてのたて
    糸張力が均一となる位置に、開口量を設定することを特
    徴とする請求項1記載の織段防止方法。
  3. 【請求項3】 織前位置とたて糸送り出し点とを焦点と
    する楕円上に開口量を設定することを特徴とする請求項
    1または請求項2記載の織段防止方法。
  4. 【請求項4】 複数の開口枠のうち半数のものを上方の
    開口位置に設定し、残り半数のものを下方の開口位置に
    設定することを特徴とする請求項1、ないし請求項3記
    載の織段防止方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1327062C (zh) * 2003-01-20 2007-07-18 津田驹工业株式会社 具有横档防止功能的织机

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