JP2003003351A - 織機における織段防止方法及び装置 - Google Patents

織機における織段防止方法及び装置

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JP2003003351A
JP2003003351A JP2001186282A JP2001186282A JP2003003351A JP 2003003351 A JP2003003351 A JP 2003003351A JP 2001186282 A JP2001186282 A JP 2001186282A JP 2001186282 A JP2001186282 A JP 2001186282A JP 2003003351 A JP2003003351 A JP 2003003351A
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Japan
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movement amount
cloth fell
loom
signal
fell position
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JP2001186282A
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English (en)
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Shigeo Yamada
茂生 山田
Morikazu Yamazaki
守一 山崎
Yutaka Matsuyama
豊 松山
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Tsudakoma Corp
Original Assignee
Tsudakoma Corp
Tsudakoma Industrial Co Ltd
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D03WEAVING
    • D03DWOVEN FABRICS; METHODS OF WEAVING; LOOMS
    • D03D51/00Driving, starting, or stopping arrangements; Automatic stop motions
    • D03D51/002Avoiding starting marks

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の停台原因に起因する織段を目立た
なくすることにある。 【解決手段】 織段防止技術は、織機の停止に際して
は、筬打ち力を低減すべく決定される第1の移動量にし
たがって織前位置変位部材を駆動させて織前位置を前方
に移動させ、織機の起動に際しては、第1の移動量と起
動に際して適正な織前位置までの移動量とを加味して決
定される第2の移動量にしたがって織前位置変位部材を
連続的に駆動させて織前位置を後方に移動させて運転を
開始することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、停止中の織機を起
動させた際に生じる織段の発生を防止する方法及び装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】停止中の織機に低速で正転又は逆転させ
たことに起因する織段(綾枕)の発生を防止する目的
で、織機の製織運転停止後、織機をスロー正転又はスロ
ー逆転させる前に、予め織前を正規位置から織布側(前
方)へ所定量移動させて、正転又は逆転により筬打ちを
回避し、織機のスロー正転又はスロー逆転の終了後、織
前を正規の位置に復帰させる織段防止技術がある(特許
第2623962号)。
【0003】織機の停止にともなう経糸の伸び及び起動
時の筬打ち力の不足による織段の発生を防止する目的
で、織機の定常運転を開始する前に経糸ビームを所定量
逆転させて織前を経糸側(後方)に戻す織段防止技術も
知られている(特開昭61−63749号)。
【0004】
【解決しようとする課題】しかし、織機においては、停
止中の織機に低速で正転又は逆転させたことに起因する
織段と、織機の停止にともなう経糸の伸び及び起動時の
筬打ち力の不足による織段との両者が発生する場合があ
るが、上記のいずれの技術もいずれか一方の織段を防止
することができるにすぎず、2種類の織段を共に防止す
ることはできない。
【0005】上記2つの織段防止技術を組み合わせるこ
とが考えられる。しかし、織機の起動に際し、前者の筬
打ち回避のために行った織前位置を元の位置に復帰させ
る操作と、後者の織前位置を戻す操作とをそれぞれ単独
で行うだけでは、経糸走行路に存在する筬や綜絖等の製
織部材と経糸との間の摩擦や、経糸の弾性等の問題か
ら、駆動後の織前位置にばらつきが生じ、織段が解消さ
れない。
【0006】本発明の目的は、複数の停台原因に起因す
る織段を目立たなくすることにある。
【0007】
【解決手段、作用、効果】本発明に係る織段防止方法
は、織機の停止に際しては、筬打ち力を低減すべく決定
させる第1の移動量にしたがって織前位置変位部材を駆
動させて織前位置を前方に移動させ、織機の起動に際し
ては、前記第1の移動量と起動に際して適正な織前位置
までの移動量とを加味して決定される第2の移動量にし
たがって前記織前位置変位部材を連続的に駆動させて織
前位置を後方に移動させ運転を開始することを含む。
【0008】本発明に係る織段防止装置は、織前位置に
対応する移動量が設定される設定器と、前記設定器に設
定された移動量を含む第1及び第2の移動量にしたがっ
て織前位置変位部材を駆動させる駆動手段とを含み、前
記第1の移動量は、筬打ち力を低減すべく織前位置を前
方に移動させる移動量を含む。前記第2の移動量は、前
記第1の移動量と起動に際して適正な織前位置までの移
動量とを加味して決定されて織前位置を後方に移動させ
る移動量を含む。前記駆動手段は、織機停止に対応する
状態信号の入力にともなって前記第1の移動量に基づい
て前記織前位置変位部材を駆動させて織前位置を前方に
移動させ、運転準備に対応する状態信号の入力にともな
って前記第2の移動量に基づいて前記織前位置変位部材
を連続して駆動させて織前位置を後方へ移動させる。
【0009】本発明においては、経糸の移動方向下流側
(織布の巻取側)を「前方」といい、経糸の移動方向下
流側(経糸の送出側)を「後方」という。
【0010】織機の停止の際には、織前位置変位部材が
第1の移動量にしたがって駆動されて織前位置が前方に
移動されることにより、筬打ち力が低減される。これに
対し、織機の起動に際には、織前位置変位部材が第1の
移動量と起動に際して適正な織前位置までの移動量とを
加味して決定された第2の移動量にしたがって連続的に
駆動されて織前位置が確実に所望の位置に移動される。
このため、織機の停止及び起動による織段の発生が抑え
られる。
【0011】また、第2の移動量が、第1の移動量のほ
かに、停台原因、停台時間、製織条件等、起動に際して
適正な織前位置までの移動量を加味して決定されると共
に、起動の際に織前位置変位部材が連続して駆動される
から、織前位置変位部材を駆動後における織前位置のば
らつきが少なく、確実に所望の位置に変位させることが
でき、織段の発生が確実に抑えられる。
【0012】前記適正な織前位置までの移動量は停台原
因に対応された移動量を含み、前記第2の移動量は、前
記第1の移動量と、停止直前に発生した停台原因に対応
する前記適正な織前位置までの移動量とを加味して決定
することができる。そのようにすれば、停台原因に対す
る修復により織前位置が変わってしまう場合には、その
ような織前位置の変化を考慮して第2の移動量を決定す
ることができる。
【0013】前記適正な織前位置までの移動量は、さら
に、製織条件パラメータに対応された移動量を含み、前
記第2の移動量は、さらに、停止直前の製織条件パラメ
ータに対応する移動量をも加味して決定されることがで
きる。そのようにすれば、織機の運転中に製織条件パラ
メータが変化する場合には、そのようなパラメータの変
化を考慮して第2の移動量を決定することができる。
【0014】前記適正な織前位置までの移動量は、さら
に、織機の停台時間をパラメータとする移動量を含むこ
とができる。そのようにすれば、さらに、停台時間を考
慮して第2の移動量を決定することができる。
【0015】前記第1の移動量と前記適切な織前位置ま
での移動量とは設定器に設定されており、前記第2の移
動量は、設定された前記第1の移動量と、設定された前
記適切な織前位置までの移動量との加算結果を含むこと
ができる。そのようにすれば、第2の移動量を自動的に
決定することができ、また第1の移動量を変更すれば第
2の移動量も自動的に変更される。
【0016】前記織前位置変位部材は、巻取モータ及び
送出モータの少なくとも一方を含むことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1を参照するに、織機10にお
いて、経糸12は、これが巻かれている送出ビーム14
から、バックローラ16、複数の綜絖18、及び筬20
を経て織前22に繋がっている。製織された織布24
は、織前22から、ガイドローラ26を介して服巻ロー
ラ28に達し、服巻ローラ28と一対のプレスロール3
0とにより布巻ビーム32に送り出されて布巻ビーム3
2に巻き取られる。
【0018】送出ビーム14は、送出モータ34により
回転されて複数の経糸12をシートの形で送出する。各
綜絖18は、主軸モータ36により回転される主軸38
の回転運動を受ける運動変換機構40により上下に往復
移動されて、経糸12を上下に開口させる。
【0019】筬20は、主軸36の回転運動を受ける運
動変換機構42により揺動されて、経糸12の開口に緯
入れされた緯糸を織前22に打ち付ける。服巻ロール2
8は、巻取モータ44により回転されて、織布24を布
巻ビーム32に送り出す。モータ44は、経糸張力を一
定にすべく回転される。
【0020】図2を参照するに、主軸制御器50、送出
制御器52及び巻取制御器54は、それぞれ、織機の主
制御装置56の制御を受けつつ、主軸モータ36、送出
モータ34及び巻取モータ44を回転させる。制御器5
0,52,54,56には、主軸38の回転角度を表す
パルス状の回転角度信号θ1がロータリー式のエンコー
ダ58から供給される。
【0021】主制御装置56には、また、織機を停止さ
せる各種の停止指令信号S1が図示しない緯糸フィーラ
や経糸切れセンサ等の各種の検出装置から供給される。
主制御装置56は、織機を運転させる運転ボタン60、
織機を寸動させる寸動ボタン62、織機を逆転させる逆
転ボタン64、織機を停止させる停止ボタン66等、各
種の指令を手動入力するための複数の押しボタンスイッ
チに接続されている。
【0022】主制御装置56は、上記のような各種停止
指令信号S1又は押しボタン指令や、製織パラメータ等
の予め設定されている各種のデータにしたがって織機を
運転させ、必要に応じて織機を停止させる。
【0023】より詳しくは、主制御装置56は、織機運
転ボタン60が押下されると、先ず運転準備信号S2を
制御器52,54の付属回路に出力して、それら制御器
52,54に織機の起動時の所定の制御を実行させる。
【0024】次いで、主制御装置56は織機運転信号S
3を制御器50,52,54、さらには図示しない緯入
れ装置や開口装置等にON出力してこれら装置を運転状
態にし、織機を運転させる。また、主制御装置56は停
台原因や製織パラメータ等の運転状況信号を少なくとも
制御器52,54に出力する。
【0025】その後、主制御装置56は上記した糸切れ
センサ等の各種検知装置からの停止指令S1が入力され
ると、主制御装置56は、織機運転信号S3をOFF出
力すると共に、停止信号S4を制御器50,52,54
に出力し、それら制御器50,52,54を織機停止時
の所定の制御に移行させ、織機を停止させる。
【0026】運転準備信号S2は、織機を再起動させる
際に、織前位置を所定量後方へ移動させる、いわゆる織
前位置の補正を行う指令を含む。
【0027】運転信号S3は、織機の運転状態に対応し
て出力される信号である。すなわち、運転信号S3のO
N出力は織機の運転状態に対応しており、運転信号S3
のOFF出力は織機の停止状態に対応している。
【0028】停止信号S4は、織機が運転状態から停止
状態に移るときに出力される。
【0029】図3を参照するに、送出制御器52側にお
いて、織機の停止時に送出モータ34を駆動させて織前
位置を前方へ移動させる前方移動量L11は、停止信号S
4の発生後、織機の惰走回転中における筬打ち力や、停
止後に行われる織機の正転時又は逆転時における筬打ち
力等が低減する位置、好ましくはそのような筬打ち力が
織前に作用しない位置に、織前22を移動させる値とし
て、予め設定器70に設定されている。
【0030】織機の起動時に送出モータ34を駆動させ
て織前位置を後方へ移動させる後方移動量L12は、織前
をその正規の位置から起動に際して適正な位置まで後退
させる移動量として、すなわち織機の運転開始時におけ
る織前22への筬打ち力が目的とする強さとなる位置
に、織前22を移動させる値として、設定器72に予め
設定されている。
【0031】運転準備信号S2と停止信号S4とは、送出
制御器52の付属回路としての信号発生回路74の選択
信号発生器76に供給される。送出モータ34の回転角
度は、モータ34に連結されたロータリー式のエンコー
ダEN2により検出される。エンコーダEN2は、送出モ
ータ34が所定角度回転されるたびにパルス的な角度信
号θ2を発生する。
【0032】設定器70から読み出された前方移動量L
11は、加算部80及び信号発生回路74の移動量信号発
生器78にそれぞれ供給され、設定器72から読み出さ
れた後方移動量L12は加算部80において前方移動量L
11と加算される。加算部80で加算された後方移動量L
13(L11+L12)は、信号発生回路74の移動量信号発
生器82に供給される。
【0033】移動量信号発生器78及び82は、それぞ
れ、入力する移動量L11及びL13を経糸ビームに巻かれ
ている経糸の巻径を表す巻径信号Dにより修正して修正
移動量信号L14及びL15を選択器84に出力する。移動
移動信号発生器78及び82における修正は、それぞ
れ、以下の演算を行うことにより実行される。巻径信号
Dは、送出ビーム14の巻径を検出する図示しない巻径
センサから出力される。
【0034】 L14=K・L11/f(D)・・・・・・・(1)
【0035】 L15=K・L13/f(D)・・・・・・・(2)
【0036】ここに、Kは定数であり、関数f(D)は
巻径に対する補正値を出力する関数である。
【0037】移動量信号L14及びL15は、いずれも、送
出モータ34の回転量に対応する数のパルス信号であ
る。選択器84は、選択信号発生器76から出力される
信号S5を基に、織機の停止時であれば移動量信号L14
を選択し、織機の起動時であれば移動量信号L15を選択
し、選択した信号は信号L16として正逆カウンタ86に
出力する。
【0038】選択信号発生器76から出力される選択信
号S5は、主制御装置56から供給された信号に応じ
て、運転準備信号S2又は停止信号S4に対応する信号を
出力する。例えば、選択器84は、選択信号発生器76
から出力される信号S5により択一的にONにされるリ
レーの常開接点とすることができる。
【0039】正逆カウンタ86は、選択器84からの信
号L16を加算端子に受け、エンコーダEN2からの角度
信号θ2を減算端子に受け、両入力信号L16,θ2の差
(パルス数の差)の値を速度信号としてリレーの接点8
8を介して送出制御器52に出力する。
【0040】送出制御器52は、張力設定器90に設定
された経糸張力の目標値と張力センサ92から出力され
る経糸張力の実際値とを減算部94で減算し、求めた張
力偏差を基に張力修正値を例えばPID制御器等で構成
される張力制御器96において算出し、これを速度信号
V11として加算部98の一方の入力端子に出力する。張
力偏差は、目標値から実際値を減算することにより得ら
れる。
【0041】送出制御器52は、また、図2に示す主制
御装置56から出力される送出モータ34の目標回転数
や緯糸の打ち込み密度等の各種の信号S6を基本速度発
生器100に受け、受けた各種の信号S6を基に送出モ
ータ34の基本速度を表す基本速度信号V10を基本速度
発生器100で発生し、その信号V10を加算部98の他
方の入力端子に供給する。加算部98で加算された信号
V12(=V10+V11)は、巻径補正器102に供給され
る。
【0042】巻径補正器102は、加算信号V12に加
え、巻径信号Dをも受け、受けた両信号V12,Dを基に
{V12/f(D)}の演算を行って巻径による速度補正信号を
リレーの接点104を介して加算部106に出力する。
【0043】接点88は、織機の停止時及び起動準備の
間にオンになるリレーの常開接点であり、加算部114
の他方の入力端子に接続されている。接点104は、運
転信号S3を受けて織機の正常運転の間にオンになるリ
レーの常開接点であり、加算部106の一方の入力端子
に接続されている。
【0044】加算部106は両入力信号を加算した信号
をドライバ108に出力する。ドライバ108は、入力
信号に対応して送出モータ34を回転させ、加算部10
6の出力信号が正であれば、送出モータ34を正転さ
せ、負であれば送出モータ34を逆転させる。
【0045】図4を参照するに、巻取制御器54側にお
いて、織機の停止時に巻取モータ44を駆動させて織前
位置を前方へ移動させる前方移動量L21は、停止信号S
4の発生後、織機の惰走回転中における筬打ち力や、織
機停止後に行われる停台原因修復のための織機の正転時
又は逆転時における織前22への筬打ち力等を低減させ
る値として、予め設定器110に設定されている。
【0046】織機の起動時に巻取モータ34を駆動させ
て織前位置を後方へ移動させる後方移動量L22は、織前
をその正規の位置から起動に際して適正な位置まで後退
させる移動量として、すなわち織機の運転開始時におけ
る筬打ち力が目的とする強さとなる位置に織前22を移
動させる値(すなわち、織段が解消される値)として、
設定器112に予め設定されている。
【0047】運転準備信号S2と停止信号S4とは、巻取
制御器54の付属回路としての信号発生回路114の選
択信号発生器116に供給される。選択信号発生器11
6は、選択信号発生器76と同様に作用する。
【0048】巻取モータ44の回転角度は、モータ44
に連結されたロータリー式のエンコーダEN3により検
出される。エンコーダEN3は、巻取モータ44が所定
角度回転されるたびにパルス状の角度信号θ3を発生す
る。
【0049】設定器110から読み出された前方移動量
L21は、加算部120及び信号発生回路114の移動量
信号発生器118にそれぞれ供給され、設定器112か
ら読み出された後方移動量L22は加算部120において
前方井戸医療L21と加算される。加算部120で加算さ
れた後方移動量L23(L21+L22)は、信号発生回路1
14の移動量信号発生器122に供給される。
【0050】移動量信号発生器118及び122は、そ
れぞれ、入力する移動量L21及びL23を巻取モータ34
の回転量に対応する数のパルス信号に変換し、変換した
信号を選択器124に出力する。移動量信号発生器11
8及び122は、それぞれ、移動量信号発生器78及び
82と同様に、移動量信号L23及びL24を出力する。こ
こで扱われる巻径信号は、服巻ローラ28の外径であ
り、予め設定された値である。
【0051】選択器124は、選択器84と同様に、選
択信号発生器116から出力される信号S7を基に、織
機の停止時であれば移動量信号L24を選択し、織機の起
動時であれば移動量信号L25を選択する。選択器124
も、選択器84と同様に、信号選択信号発生器116か
ら出力される信号S7により択一的にONにされるリレ
ーの常開接点とすることができる。選択された信号V25
は、L26として巻取制御器54に供給される。
【0052】巻取制御器54は、エンコーダ58から出
力される回転角度信号θ1を基本速度発生器126に受
けると共に、図2に示す主制御装置56から出力される
巻取モータ44の目標回転数や緯糸の打ち込み密度等の
各種の信号S8を基本速度発生器126に受ける。
【0053】基本速度発生器126は、受けた信号θ1
及びS8を基に巻取モータ44の基本速度を表すパルス
状の基本速度信号V20を発生し、その信号V20を加算部
128の入力端子に供給する。
【0054】加算部128は、基本速度信号V20を一方
の入力端子に受けると共に、選択器124からの信号L
26を他方の入力端子に受け、両入力信号V20,L26の和
V21を正逆カウンタ130に出力する。
【0055】正逆カウンタ130は、加算部128から
の加算信号V21を加算端子に受け、エンコーダEN3か
らの角度信号θ3を減算端子に受け、両入力信号V21,
θ3の差(パルス数の差)の値を速度信号としてドライ
バ132に出力する。ドライバ132は、入力信号に対
応して巻取モータ44を駆動させる。具体的には、ドラ
イバ132は、加算部128の出力信号が正であれば、
巻取モータ44を正転させ、負であれば巻取モータ44
を逆転させる。
【0056】送出制御器52及び巻取制御器54は、同
じように動作する。よって、図5を参照して、送出制御
器52の動作を以下に説明する。
【0057】停止指令信号S1が時刻t1に発生したこと
により、図5(A)に示すように織機運転信号S3が時
刻t2にOFFになると共に、停止信号S4が制御器5
2,54に出力され、織機の惰走回転により織機の回転
数が図5(C)に示すように漸次減少する。
【0058】停止信号S4が出力されると、選択器84
が対応する信号発生器78を選択して信号L14を出力
し、また接点88が閉路されるのに対し、接点104が
開路されるから、カウンタ86の出力がドライバ108
に供給されて、送出モータ34が図5(D)に示すよう
に時刻t3からt4の間正転される。これにより、図5
(E)に示すように、織前22の位置が前方へ移動され
て、その位置に維持される。
【0059】図5(D)における時刻t3とt4との間の
右上がりの斜線で示す領域は、設定器70に設定された
前方移動量L11に対応する。
【0060】織前22は、これが前方位置に変位されて
いると、惰走回転中の筬打ちの影響をほとんど受けない
し、織機の停止中における低速での正転中又は逆転中の
筬打ちの影響を受けない。したがって、惰走回転中及び
晴天時や逆転時の筬打ちに起因する織段の発生が防止さ
れる。
【0061】運転ボタン60が時刻t5に押下されたこ
とにより図5(B)に示すように運転準備信号S2が発
生されると、選択器84が信号L15を出力し、また接点
88が閉路されるのに対し、接点104が開路されるか
ら、カウンタ86の出力がドライバ108に供給され
て、送出モータ34が図5(D)に示すように時刻t5
からt6の間逆転される。これにより、図5(E)に示
すように、織前22の位置が後方へ移動されて、その位
置に維持される。
【0062】図5(D)において、時刻t5とt6との間
の右上がりの斜線で示す斜線の領域は設定器70に設定
された前方移動量L11に対応し、右下がりの斜線で示す
領域は設定器72に設定された後方移動量L12に対応す
る。
【0063】図5(A)に示すように、運転信号S3が
時刻t7にONになると、接点88が開路されるのに対
し、接点104が閉路され、それにより図5(C)に示
すように織機の回転数が漸次増大し、その後織機は正常
運転に移行する。
【0064】時刻t7においては、織前22が後方に変
位されて所定の位置に維持されているから、起動時及び
その後の筬打ちの際の筬打ち力の不足が回避される。し
たがって、起動における筬打ち力の不足に起因する織段
の発生が防止される。
【0065】前方移動量L11,L21及び後方移動量L1
2,L22は、停台原因、停台時間、製織パラメータ等、
製織状況に個々に対応する複数ずつ設定してもよい。製
織パラメータとして、緯糸の糸種、打ち込み密度、経糸
張力、織物組織等、織前位置に影響を与えるパラメータ
をあげることができる。また、送出モータ及び巻取モー
タに対し、同じ移動量を設定してもよいし、異なる移動
量を設定してもよい。
【0066】図6は、上記のような製織状況に個々に対
応した複数の前方又は後方移動量を用いる移動量発生回
路140の一実施例を示す。以下、移動量発生回路14
0は、送出モータ用の後方移動量を発生するものとして
説明するが、巻取モータ用の後方移動量の発生回路にも
同様に適用することができる。
【0067】移動量発生回路140は、後方移動量L12
a,L12b・・・L12nに個々に対応されて対応する移動
量が設定された複数の設定器72a,72b・・・72
nと、織機の停台時間Txを算出して出力する停台時間
発生器142と、設定器72a,72b・・・72nに
設定された後方移動量を製織パラメータ及び停台時間T
xに応じて選択して出力する選択器144と、選択され
た後方移動量と図3における設定器72に設定された後
方移動量とを加算する加算機146と含む。
【0068】後方移動量L12a,L12b・・・L12nは、
停台原因、停台時間、製織パラメータ等、上記した製織
状況に個々に対応されており、また予め設定される。停
台原因は、緯入れミスと、それ以外とに分けることがで
きる。製織パラメータは、多色緯入れ時の打ち込み密度
や緯糸の種類(太さ)等の緯糸に関係するもの、開口パ
ターン(平織り、綾織り等の組織)のような織物組織に
関するもの、開口状況(開口状態の綜絖枠の位置)や設
定経糸張力等の経糸張力に関係するもの、停台時間のよ
うな経糸又は織布の伸縮に関係するものとすることがで
きる。
【0069】停台時間発生器142は、図2における主
制御装置56から出力される停止信号S4を基に停台時
間Txを測定して、選択器144に出力する。
【0070】選択器144は、停台時間Txのほかに、
図2における主制御装置56から出力される停台原因信
号S10及び製織パラメータ信号S11を受ける。停台原因
信号S10は織機が停止下原因を特定する信号であり、製
織パラメータ信号S11は経糸張力や織物組織等の製織パ
ラメータを特定する信号である。
【0071】選択器144は、受けた停台時間Tx、停
台原因信号S10及び製織パラメータ信号S11を基に、対
応する前方移動量を選択し、選択した後方移動量L120
を加算器146に出力する。加算器146は、図3にお
ける加算部80と同様に、入力する前方移動量L12及び
前後方移動量L120を加算して出力する。
【0072】移動量発生回路140は、図3における設
定器72及び加算部80の代わりに用いられる。したが
って加算器146の出力信号は、図3における移動量信
号発生器82に、後方移動量L13の代わりに供給され
る。
【0073】図7は、移動量信号の発生に関数発生器を
利用する移動量発生回路150の一実施例を示す。以
下、移動量発生回路150は、送出モータ用の後方移動
量を出力するものとして説明するが、巻取モータ用の後
方移動量の発生回路にも同様に適用することができる。
【0074】移動量発生回路150は、所定の基準移動
量L12Aが予め設定された複数の設定器152と、停台
原因信号S10、停台時間信号Tx、製織パラメータ信号S
11及び基準移動量L12Aを用いて目的とする後方移動量
L12Bを発生する関数発生器154と、関数発生器15
4から出力される後方移動量L12Bと図3における設定
器70に設定された前方移動量L11とを加算する加算器
156と含む。
【0075】停台原因信号S10は織機が停台した原因を
特定する信号であり、停台時間信号Txは織機が停止して
いた時間であり、製織パラメータ信号S11は各種のパラ
メータa,b,c・・・を特定する信号である。
【0076】関数発生器144は、入力する停台原因信
号S10、停台時間信号Tx、製織パラメータ信号S11及び
基準移動量L12Aを用いて、L12A・f(x)の演算を行
って、停台原因、停台時間及び製織パラメータに対応し
た後方移動量L12Bを出力する。前記式中のxは、製織
パラメータに応じて定まる値である。
【0077】加算器156は、図3における加算部80
と同様に、関数発生器154から出力される後方移動量
L12Bと図3における設定器77に設定された前方移動
量L11とを加算する。
【0078】移動量発生回路150は、図3における設
定器72及び加算部80の代わりに用いられる。したが
って加算器156の出力信号は、図3における移動量信
号発生器82に、後方移動量L13の代わりに供給され
る。
【0079】移動量発生回路140及び150は、いず
れも(前記した停台時間をパラメータとするものを除
き)送出モータ用及び巻取モータ用の前方移動量の発生
回路にも同様に適用することができる。移動量発生回路
140を送出モータ用の前方移動量の発生回路に適用す
る場合、加算器146を除去した回路を設定器70又は
110の代わりに用いればよい。また、移動量発生回路
150を送出モータ用の前方移動量の発生回路に適用す
る場合、加算器156を除去した回路を設定器70又は
110の代わりに用いればよい。
【0080】上記のいずれの実施例においても、織機の
停止時における織前位置の移動は、停止信号発生後の惰
走回転中や、惰走回転停止後から低速での正転又は逆転
により筬打ちが行われる前までに完了していることが好
ましいが、停止信号が発生してから、低速での正転又は
逆転により筬打ちが行われる前までに完了していればよ
い。
【0081】織機の起動時における織前位置の移動は、
織機の運転開始前(運転準備信号の出力時)に完了して
いることが好ましいが、低速での正転又は逆転により筬
打ちが完了してから、運転開始後の最初の筬打ちが行わ
れるまでの間に完了していればよい。
【0082】前方移動量及び後方移動量に対応するモー
タの駆動は、それぞれ、正転方向及び逆転方向への単独
移動のみならず、正転方向の駆動と逆転方向の駆動との
組み合わせであってもよい。
【0083】図示の例では、織前位置変位部材は、送出
モータと巻取モータであるが、それらのうちのいずれか
一方であってもよいし、バックローラを変位駆動させる
部材、ガイドローラのように織前位置を直接制御する部
材等、他の部材であってもよい。
【0084】本発明は、上記実施例に限定されず、その
趣旨を逸脱しない限り、種々変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る織段防止技術を実行する織機の一
実施例を示す図である。
【図2】本発明に係る織段防止装置を備えた織機の電気
回路の一実施例を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る織段防止装置を経糸送出側に適用
した電気回路の一実施例を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る織段防止装置を織布巻取側に適用
した電気回路の一実施例を示すブロック図である。
【図5】図3に示す装置における実施例の動作を説明す
るためのタイミングチャートを示す図である。
【図6】本発明に係る織段防止装置における移動量発生
回路の他の実施例を示すブロック図である。
【図7】本発明に係る織段防止装置における移動量発生
回路のさらに他の実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 織機 12 経糸 14 送出ビーム 16 バックローラ 18 綜絖 20 筬 22 織前 24 織布 32 布巻きロール 34 送出モータ 36 主軸モータ 38 主軸 40,42 運動変換機構 44 巻取モータ 58,EN2,EN3 エンコーダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松山 豊 石川県金沢市野町5丁目18番18号 津田駒 工業株式会社内 Fターム(参考) 4L050 AA11 AB01 CA01 CA21 EA02 EB01 EC15 ED04 ED06 ED23 ED33 ED35 EE07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 織機の停止に際しては、筬打ち力を低減
    すべく決定される第1の移動量にしたがって織前位置変
    位部材を駆動させて織前位置を前方に移動させ、 織機の起動に際しては、前記第1の移動量と起動に際し
    て適正な織前位置までの移動量とを加味して決定される
    第2の移動量にしたがって前記織前位置変位部材を連続
    的に駆動させて織前位置を後方に移動させて運転を開始
    することを含む、織機における織段防止方法。
  2. 【請求項2】 前記適正な織前位置までの移動量は停台
    原因に対応された移動量を含み、 前記第2の移動量は、前記第1の移動量と、直前に発生
    した停台原因に対応する前記適正な織前位置までの移動
    量とを加味して決定される、請求項1に記載の織段防止
    方法。
  3. 【請求項3】 前記適正な織前位置までの移動量は、さ
    らに、製織条件パラメータに対応された移動量を含み、 前記第2の移動量は、さらに、停止直前の製織条件パラ
    メータに対応する移動量をも加味して決定される、請求
    項2に記載の織段防止方法。
  4. 【請求項4】 前記適正な織前位置までの移動量は、さ
    らに、織機の停台時間をパラメータとする移動量を含
    む、請求項2又は3に記載の織段防止方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の移動量と前記適切な織前位置
    までの移動量とは設定器に設定されており、 前記第2の移動量は、設定された前記第1の移動量と、
    設定された前記適切な織前位置までの移動量との加算結
    果を含む、請求項1,2又は3に記載の織段防止方法。
  6. 【請求項6】 織前位置に対応する移動量が設定される
    設定器と、 前記設定器に設定された移動量を含む第1及び第2の移
    動量にしたがって織前位置変位部材を駆動させる駆動手
    段とを含み、 前記第1の移動量は、筬打ち力を低減すべく織前位置を
    前方に移動させる移動量を含み、 前記第2の移動量は、前記第1の移動量と起動に際して
    適正な織前位置までの移動量とを加味して決定されて織
    前位置を後方に移動させる移動量を含み、 前記駆動手段は、織機停止に対応する状態信号の入力に
    ともなって前記第1の移動量に基づいて前記織前位置変
    位部材を駆動させて織前位置を前方に移動させ、運転準
    備に対応する状態信号の入力にともなって前記第2の移
    動量に基づいて前記織前位置変位部材を連続して駆動さ
    せて織前位置を後方へ移動させる、織機における織段防
    止装置。
  7. 【請求項7】 前記織前位置変位部材は、巻取モータ及
    び送出モータの少なくとも一方を含む、請求項7に記載
    の織段防止装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN1306090C (zh) * 2003-03-31 2007-03-21 津田驹工业株式会社 织机中的厚薄段防止装置
EP3205756A1 (en) * 2016-02-11 2017-08-16 Tsudakoma Kogyo Kabushiki Kaisha Weaving bar preventing method of loom and apparatus for the same
EP3205757A1 (en) * 2016-02-11 2017-08-16 Tsudakoma Kogyo Kabushiki Kaisha Weaving bar preventing method of loom and apparatus for the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP3205756A1 (en) * 2016-02-11 2017-08-16 Tsudakoma Kogyo Kabushiki Kaisha Weaving bar preventing method of loom and apparatus for the same
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