JP2003221759A - 織機における織段防止方法及び装置 - Google Patents

織機における織段防止方法及び装置

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JP2003221759A
JP2003221759A JP2002019831A JP2002019831A JP2003221759A JP 2003221759 A JP2003221759 A JP 2003221759A JP 2002019831 A JP2002019831 A JP 2002019831A JP 2002019831 A JP2002019831 A JP 2002019831A JP 2003221759 A JP2003221759 A JP 2003221759A
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warp tension
warp
signal
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JP2002019831A
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Nobuhiro Araki
伸宏 荒木
Takeshi Yonenaga
武史 米永
Atsushi Takashima
淳 高島
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Tsudakoma Corp
Original Assignee
Tsudakoma Corp
Tsudakoma Industrial Co Ltd
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    • D03WEAVING
    • D03DWOVEN FABRICS; METHODS OF WEAVING; LOOMS
    • D03D51/00Driving, starting, or stopping arrangements; Automatic stop motions
    • D03D51/002Avoiding starting marks
    • DTEXTILES; PAPER
    • D03WEAVING
    • D03DWOVEN FABRICS; METHODS OF WEAVING; LOOMS
    • D03D49/00Details or constructional features not specially adapted for looms of a particular type
    • D03D49/04Control of the tension in warp or cloth
    • D03D49/06Warp let-off mechanisms
    • D03D49/10Driving the warp beam to let the warp off

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  • Textile Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 織機の起動前の織前位置が経糸張力の変
動にともって異なったとしても、所望の織前位置に補正
し得るようにすることにある。 【解決手段】 織機の運転開始に先立ち電動機を駆動さ
せて織前位置を移動させる織機における織段防止技術
は、織前位置の補正量データを経糸張力毎に予め設定し
ておき、織機の起動準備時には、補正量データを基に織
機停止状態における経糸張力に応じて、織前位置の補正
量を決定し、該補正量を基に織前位置を補正することを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、織機の運転開始に
先立ち電動機を駆動させて織前位置を移動させる織機に
おける織段防止方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】織機においては、経糸が織機の停止中に
伸びて織段が織布に発生する。そのような織段の発生を
防止するために、運転開始に先立ち電動機を駆動させる
ことにより、織前位置を経糸の方向に移動させる(いわ
ゆる、キックバックをさせる)ことが行われている。
【0003】この種の織機において、織機の停止時間を
変数とする織前位置補正関数として織前位置補正量を予
め設定しておき、織機の再起動時には、停止時から再起
動直前までの停止時間に応じて織前位置補正量を織前位
置補正関数から算出し、算出した織前位置補正量を基に
織前位置を補正する織段防止技術が提案されている(特
開昭63−270842号公報)。この従来技術におい
て、織前位置補正量は、経糸の種類、織り密度、機台の
回転数等の製織条件毎に設定される。
【0004】織機においては、経糸の張力(すなわち、
経糸張力)が変更されることにより、経糸の伸び量が変
化する。実際に、織機の稼働状況を見ながら経糸張力を
適宜変更することがあり、この変更に対応して織機の再
起動時の織前位置の補正動作の動作量(補正量)を変更
するならば、織段を確実に防止することができる。
【0005】
【解決しようとする課題】しかし、従来技術では、経糸
張力の変更に合わせて、織前位置の補正量を再設定する
ことを失念することがある。そのような場合には、設定
内容が適切でないことに起因して織段が継続的に発生
し、それによって織段の発生又は不正確な補正に検反ま
で気づかないこともあり、織段が長期間にわたって発生
して織物の品質を低下させる、という問題がある。
【0006】本発明の目的は、織機の起動に先立って織
前位置を経糸の方向に移動させる織機において、織機の
起動前の織前位置が経糸張力の変動にともなって異なっ
たとしても、所望の織前位置に補正し得るようにするこ
とにある。
【0007】
【解決手段、作用、効果】本発明に係る織段防止方法及
び装置は、織機の運転開始に先立ち電動機を駆動させて
織前位置を移動させる織機に適用される。
【0008】そのような織段防止方法は、前記織前位置
の補正の決定に用いる補正量データを経糸張力毎に予め
設定しておき、織機の起動準備時には、前記補正量デー
タを基に織機停止状態における経糸張力に応じて、前記
織前位置の補正量を決定し、該補正量を基に前記織前位
置を補正することを含む。
【0009】また織段防止装置は、織前位置の補正量デ
ータが経糸張力毎に予め設定される設定器と、織機の起
動準備信号、前記補正量データ及び経糸張力信号が入力
され、前記起動準備信号が入力したことにより、織機停
止状態における前記経糸張力信号に対応する補正量デー
タにしたがって前記駆動量信号を出力する駆動量信号発
生部とを含む。電動機は、前記駆動量信号に基づいて駆
動されて、織前位置を移動させる。
【0010】上記の織段防止方法及び装置においては、
経糸張力が変更されるか又は変化することにより織前位
置が変わっても、起動時に行われるキックバック動作に
おいて織前位置が少なくとも経糸張力に応じて補正され
て、経糸の伸びが補償されるから、最初の筬打ち時にお
ける織前位置は所定位置に修正される。このため、織機
停止中に経糸張力による経糸の伸びが発生しても、織前
位置は所定位置に修正され、織段の発生が防止される。
【0011】前記補正量は織機の停止直前の経糸張力を
基に決定することができる。ここでいう経糸張力とし
て、停止直前において検出された経糸張力や経糸張力制
御における停止直前の目標張力等、織機運転状態の経糸
張力のうち、織機停止状態における張力に関連性のある
ものを含む。そのようにすれば、補正量データの設定が
簡略化する。
【0012】前記補正量は織機の停止中に検出された経
糸張力を基に決定することができる。そのようにすれ
ば、実際の経糸張力に基づいて織前位置が制御されるか
ら、織前位置の補正精度が向上する。
【0013】前記補正量データは織機の停止直後の経糸
張力と前記停止直後における経糸張力及び起動準備直前
の経糸張力の差とに対応して設定し、前記補正量は停止
直後に検出された経糸張力と起動準備直前に検出され経
糸張力との差を基に決定することができる。そのように
すれば、停止直後の経糸張力に加えて、停止直後から起
動準備直前までの実際の経糸張力の差に基づいて織前位
置が制御されるから、織前位置の補正精度が向上する。
【0014】前記補正量データは前記経糸張力と織機の
停止時間とに対応して設定し、前記補正量は前記経糸張
力と織機の停止時から起動準備直前までの時間とを基に
決定することができる。そのようにすれば、時間的な要
素をさらに加味するから、織前位置の補正精度がより向
上する。
【0015】前記補正量データは前記経糸張力と経過時
間とに対応して設定し、前記補正量は、織機の停止中か
ら起動準備直前までの間に経糸に作用した経糸張力とそ
の作用期間長さとに対応する前記補正量データを経糸張
力毎に求め、求めた前記補正量データを加算することに
より決定することができる。そのようにすれば、停止時
間の経過により経糸張力が変化し、変化する経糸張力に
より経糸の伸び量が変わっても、より正確な補正量を得
ることができる。
【0016】前記作用期間長さは、例えば、タイマーを
作動させつつ経糸張力を停止の間常時監視し、経糸張力
が変化するたびに時刻を記録し、記録された時刻から求
めてもよいし、経糸張力を停止の間一定時間毎に監視
し、監視時に経糸張力に対応する計数値を+1し、その
最終計数値を作用時間とすることにより求めてもよい。
【0017】織段防止方法は、さらに、基準織前位置補
正量を織段に応じて設定することを含み、前記補正量は
前記補正量データと前記基準織前位置補正量とを加算す
ることにより決定することができる。そのようにすれ
ば、織物の状態を見て基準織前位置補正量のみを修正す
ればよいから、補正量データ及び基準織前位置補正量の
設定が簡略化される。
【0018】前記電動機は織布巻取装置の駆動電動機又
は経糸送出装置の駆動電動機とすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1及び図2を参照するに、織機
10において、経糸12は、これが巻かれている送出ビ
ーム14から、テンションローラ16、複数の綜絖18
及び筬20を経て織前22に繋がっている。製織された
織布24は、織前22から、ガイドローラ26を介して
服巻ローラ28に達し、服巻ローラ28と一対のプレス
ロール30とにより布巻ビーム32に送り出されて布巻
きビーム32に巻き取られる。
【0020】送出ビーム14は、交流サーボモータのよ
うな電動機からなる送出モータ34により減速機36を
介して回転されて、複数の経糸12を経糸シートの形で
送出する。服巻ローラ28は、交流サーボモータのよう
な電動機からなる巻取モータ38により回転されて、織
布24を布巻ビーム32に送り出す。モータ34,38
は、織機の主軸(図示せず)の回転に対応して駆動され
る。
【0021】図示してはいないが、各綜絖18は、主軸
モータ又は専用モータの回転運動を受ける運動変換機構
により上下に往復移動されて、経糸12を上下に開口さ
せる。筬20は、主軸モータ又は専用モータの回転運動
を受ける運動変換機構により揺動されて、経糸12の開
口に緯入れされた緯糸を織前22に打ち付ける。
【0022】織機10は、送出モータ34を正転又は逆
転させて経糸12を送出ビーム14から繰り出す又は送
出ビーム14に巻き取ることにより、経糸12の移動方
向における織前22の位置(織前位置)を前方(ガイド
ローラ26の側)又は後方(テンションローラ16の
側)へ移動させる。
【0023】送出モータ34を駆動させる経糸送出装置
は、送出モータ34の回転速度を制御する運転制御部4
0と、織前22の位置を前後方向へ移動させるキックバ
ック制御部すなわち駆動量信号発生部42と、送出モー
タ34を駆動させる駆動部44とを含む。
【0024】運転信号S1は、図3(C)に示すように
織機10が運転しているか否かを表す信号であり、図示
しない主制御装置から運転制御部40に供給される。経
糸12に作用する張力は、テンションローラ16に作用
する力を張力センサ46により検出し、図3(E)に示
すような張力信号S2として運転制御部40と駆動量信
号発生部42とに供給される。
【0025】経糸12の送出にともなって漸次減少す
る、送出ビーム14の巻径は、巻径センサ48により検
出されて、巻径信号S3として駆動部44に供給され
る。送出モータ34の回転角度は、エンコーダ50によ
り検出されて、回転角度信号θとして駆動部44に供給
される。
【0026】停止信号S4は、図3(A)に示すように
織機10を停止させるための信号であり、主制御装置か
ら補正量信号発生部42に供給される。起動準備信号S
5は、図3(B)に示すように織機10に起動準備をさ
せる信号であり、主制御装置から補正量信号発生部42
に供給される。
【0027】運転制御部40は、目標経糸張力、打ち込
み密度、織機の回転数等、経糸12の張力制御に必要な
データが予め設定された第1の設定器52に接続されて
いる。運転制御部40は、第1の設定器52に設定され
ている各種のデータと運転信号S1とを基に、織機運転
中には目標経糸張力と張力信号S2との偏差を解消する
速度指令信号S6を駆動部44に供給する。速度指令信
号S6の一例を図3(G)に示す。
【0028】補正量信号発生部42は、経糸12の移動
方向における織前位置の補正量データが少なくとも経糸
12の糸種毎及び経糸張力毎に予め設定された第2の設
定器52に接続されており、第2の設定器52と共に織
段防止装置を構成している。
【0029】補正データ、特に補正量ΔPを求めるため
の織機停止状態における経糸張力Tは、停止信号の発生
直前、織機の停止直後、停止中、起動直前等、任意な時
期の実張力値とすることができる。経糸張力Tは、好ま
しくは、停止信号の発生直前から起動直前までの間の任
意な時期とすることができる。しかし、経糸張力Tは、
織機10の運転中の目標張力としてもよい。補正量デー
タの詳細については、図4から図6を参照して後に説明
する。
【0030】補正量信号発生部42は、張力信号S2、
停止信号S4及び起動準備信号S5を受けて補正量ΔPを
出力する補正量出力部56と、起動準備信号S5と補正
量ΔPとを受けて補正量ΔPに対応する駆動量信号S7
を駆動部44に出力する信号発生部58とを備える。
【0031】さらに、補正量出力部56には、補正量Δ
Pの出力に必要な一時的データや、時間データを記憶す
る記憶器60と、時間を計測するためのクロックパルス
を発生するクロック発生部62とが付設されている。
【0032】補正量出力部56は、張力信号S2を用い
て経糸張力の検出(又は、算出)を開始して記憶器60
に一時的に記憶し、起動準備信号S5が入力したことに
より検出した経糸張力に対応する補正量データを第2の
設定器52から読み出し、読み出した補正量データを基
に経糸張力に対応する補正量ΔPを出力する。
【0033】信号発生部58は、起動準備信号S5が入
力したことにより、補正量ΔPに対応する駆動量信号S
7を速度指令信号の形で出力する。駆動量信号S7の例を
図3(H)から(K)に示す。
【0034】駆動部44は、入力する速度指令信号S6
と駆動量信号S7とを加算器64において加算し、加算
した信号S8を巻径補正回路66において送出ビーム1
4の巻径信号S3を用いて補正する。加算信号S8は、例
えば、巻径dが大きいほど、送出モータ34の回転量が
小さくなるように、換言すれば、巻径の大小にかかわら
ず、駆動量信号S7に対応する長さの経糸が経糸ビーム
より繰り出されるように、補正される。補正された信号
S9は、最終的な速度指令S9として、駆動回路68に供
給される。
【0035】駆動回路68は、速度指令S9に対応する
電流を送出モータ34に供給する。駆動回路68は、送
出モータ34の回転角度信号θを受けてサーボ駆動回路
を構成している。このため、駆動回路68は、送出モー
タ34の回転角度に対応する位相の電流を出力すると共
に、単位時間当たりの送出モータ34の回転量(すなわ
ち、回転速度)を検出して、送出モータ34の回転量を
速度指令S9に近づける制御を行う。
【0036】織機10が正常運転されていると、駆動量
信号発生部42は非作動状態に維持されている。このた
め、送出モータ34は、運転制御部40からの速度指令
信号S6を巻径センサ48からの巻径信号S2で補正した
速度指令S9により制御されて、経糸12を繰り出す。
この間、運転信号S1はオンに維持され、停止信号S4は
オフに維持される。
【0037】停止原因が図3に示すようなタイミングで
発生すると、停止信号S4が図3(A)示すようにオン
になると共に、運転信号S5が図3(C)示すようにオ
フになる。これにより、運転制御部40からの速度指令
信号S6が図3(G)示すように漸次低下して、織機1
0が図3(F)示すように停止動作に入り、織機10の
回転数が図3(D)示すように漸次低下する。速度指令
信号S6及び織機10の回転数は、最終的にゼロにな
る。
【0038】停止原因が解消されて、起動ボタン(又
は、起動準備ボタン)が押下されると、起動準備信号S
5が図3(B)に示すようにオンになるから、駆動量信
号発生部42が作動する。
【0039】これにより、織機の停止直前から起動直前
までの間の任意な時期の経糸12の張力及び糸種に応じ
た補正量ΔPが補正量出力部56から出力され、補正量
ΔPに対応した駆動量信号S7が信号発生部58から出
力されて起動準備動作すなわちキックバック動作に移行
する。
【0040】キックバック動作の間、運転制御部40か
ら速度指令信号S6はゼロに維持される。この結果、キ
ックバック動作の間、信号発生部58からの駆動信号S
7のみ供給され、送出モータ34は、駆動量信号S7を巻
径センサ48からの巻径信号S2で補正した速度指令S9
により制御されて、経糸ビーム14を回転させる。
【0041】その後、運転信号S1が図3(C)に示す
ようにオンにされると、駆動量信号発生部42が非作動
状態に切り換えられ、その代わりに運転制御部40が作
動されて、速度指令信号S6が図3(G)に示すように
漸次増大し、織機10の回転数は図3(D)に示すよう
に漸次増大される。
【0042】キックバック動作は、図3(H)から
(K)に示すように正転方向及び逆転方向に選択的の回
転させることにより、行われる。図3(H)から(K)
において、実線は経糸張力に応じて(換言すれば、経糸
12の伸びに応じて)キックバック動作をさせる駆動量
信号の例を示し、点線は経糸張力とは無関係にキックバ
ック動作をさせる従来の駆動量信号の例を示す。
【0043】図3(H)及び(I)に示す駆動量信号S
7は、いずれも、送出モータ34を正転させて、織前位
置を補正するものであり、より詳しくは、キックバック
動作における逆転駆動量を経糸張力により補正するもの
である。図3(J)及び(K)に示す駆動量信号S7
は、いずれも、送出モータ34を逆転させて、織前位置
を補正するものであり、より詳しくは、キックバック動
作における逆転駆動量を経糸張力により補正するもので
ある。
【0044】図3(H)に示す駆動量信号S7によれ
ば、送出モータ34は、正転方向にのみ補正量ΔPに応
じた所定量ΔPaだけ回転される。
【0045】図3(I)に示す駆動量信号S7によれ
ば、送出モータ34は、所定量ΔPaだけ逆転され、次
いで余分な逆転量(−ΔPa)を修正する値と所定量Δ
Paとを加算した値(2ΔPa)だけ正転される。この
ようにすれば、逆転駆動により経糸張力を高めた後、正
転駆動させるため、織前位置をより確実に移動させるこ
とができる。
【0046】図3(J)に示す駆動量信号S7によれ
ば、送出モータ34は、逆転方向に所定量ΔPaの2倍
(2ΔPa)だけ逆転され、次いで余分な逆転量(−Δ
P)を修正すべく所定量ΔPaだけ正転される。すなわ
ち、図3(I)のように正転側の駆動量を補正すること
に代え、逆転側の駆動量を補正することもできる。
【0047】図3(K)に示す駆動量信号S7によれ
ば、送出モータ34は、所定量ΔPaだけ正転され、次
いで余分な正転量(+ΔPa)を修正すべく所定量ΔP
aの2倍(2ΔPa)だけ逆転される。すなわち、キッ
クバック動作における先手の予備逆転の順序を入れ替え
ることもできる。
【0048】しかし、送出モータ34の正転量及び逆転
量は、補正量ΔPに応じた所定量ΔPaの整数倍である
必要はなく、送出モータ34を正転及び逆転させた結果
送出モータ34の回転量ひいては織前位置の移動量が補
正量ΔPに応じた所定量ΔPaとなればよい。また、図
3(H)〜(K)では、正転側及び逆転側のいずれか一
方を補正しているが、双方を補正することもできる。
【0049】次に、第2の設定器54に設定される補正
量データについて、図4から図6を参照して説明する。
【0050】図4は、織機の停止時間を補正量ΔPのパ
ラメータとすることなく、補正量ΔPを経糸張力に対応
させて経糸張力T毎に設定する例を示す。この場合、補
正量ΔPを求めるための経糸張力Tは、既に述べたよう
に、停止信号の発生直前、織機の停止直後、停止中、起
動直前等、任意な時期の実張力値であってもよいし、織
機10の運転中の目標張力であってもよい。
【0051】図4に示す実施例において、補正量ΔP
は、図4(A)に示すように補正量ΔPを算出するため
の経糸張力T毎の式として設定してもよいし、図4
(B)に示すように経糸張力T毎のテーブルとして設定
してもよい。そのような式群又はテーブル群は、経糸の
種類毎にも備えられている。補正量ΔPは、経糸張力に
対応する値を起動準備時に読み出すことにより、決定さ
れる。
【0052】図4に示す実施例は、伸び量が停止時間の
長短に影響されない経糸や、織機を速やかに再起動させ
るための時間を考慮しない場合に適用することができ、
第2の設定器の構成が簡略化し、また設定すべき補正量
データの設定が容易になる。
【0053】図4に示す実施例において、補正量ΔPを
織機の停止直後から起動直前までの間の任意な時期の実
張力値毎に設定すれば、実際の経糸張力に基づいて織前
位置が制御され、織前位置の補正精度が向上する。
【0054】図5は、織機の停止時間を補正量ΔPのパ
ラメータとすることなく、補正量ΔPを織機停止直後の
経糸張力と、織機の停止直後の経糸張力に対する起動準
備直前の経糸張力の偏差量すなわち差ΔTとに対応させ
て停止直後(又は、起動準備直前)の経糸張力T1,T
2,T3・・・毎に設定する例を示す。
【0055】図5に示す実施例において、補正量ΔP
は、停止直後の経糸張力T1,T2,T3・・・毎のテー
ブルとして設定されているが、補正量ΔPを算出するた
めの停止直後の経糸張力毎の式として設定してもよい。
そのようなテーブル群又は式群は、経糸の種類毎にも備
えられている。補正量ΔPは、織機停止直後の経糸張力
と、停止直後の経糸張力に対する起動準備直前の経糸張
力の差ΔTとの対応する値を起動準備時に読み出すこと
により、決定される。
【0056】図6は、図4に示す実施例において、経糸
張力Tに加え、織機の停止時間をも補正量ΔPのパラメ
ータとした例を示す。この場合、補正量ΔPは、織機停
止状態に定められる任意な時点から起動準備直前までの
経過時間tに対応されて経糸張力T1,T2,T3・・・
毎に設定される。経過時間tの始点は、例えば織機の停
止直後、経糸の張力検出時、経糸の張力検出開始時等と
することができる。
【0057】図6に示す実施例においても、補正量ΔP
は、図6(A)に示すように補正量ΔPを算出するため
の経糸張力T1,T2,T3・・・毎の式として設定して
もよいし、図6(B)に示すように経糸張力T1,T2,
T3・・・毎のテーブルとして設定してもよい。そのよ
うな式群又はテーブル群は、経糸の種類毎にも備えられ
ている。
【0058】図6に示す実施例において、補正量ΔP
は、経糸張力Tと経過時間tとに対応する値を起動準備
時に読み出すことにより、決定される。そのようにすれ
ば、経糸張力Tに時間的な要素tをさらに加味して補正
量ΔPを求めるから、織前位置の補正精度がより向上す
る。
【0059】図7は、織機の停止中に経糸の実張力を継
続的に検出し、検出した実張力毎にそれが経糸に作用し
た時間を計測し、計測した実張力を図7(A)に示すよ
うに所定の実張力の範囲の中央値T1,T2,T3・・・
毎に記憶しておき、起動準備時に経糸張力毎に対応する
補正量ΔP1,ΔP2,ΔP3・・・を求め、求めた補正
量ΔP1,ΔP2,ΔP3・・・を加算することにより、
補正量ΔPを決定する例を示す。
【0060】図7に示す実施例の場合、補正量ΔP1,
ΔP2,ΔP3・・・は、例えば図7(B)に示すよう
に、所定の実張力の範囲の中央値T1,T2,T3・・・
毎の式(又は、テーブル)の形に設定される。そのよう
な式群(又は、テーブル群)は、経糸の種類毎にも備え
られている。
【0061】図7に示す実施例によれば、経糸張力の変
化により経糸張力が変わっても、その変化に対応する補
正量ΔPを得ることができるから、織前位置の補正精度
がより向上し、織段の発生をより確実に防止することが
できる。
【0062】図7に示す実施例の変形例として、経糸張
力を織機の停止中に一定時間毎に検出し、同じ実張力範
囲の経糸張力T1,T2,T3・・・を検出するたびにそ
の実張力範囲の計数値に1を加算し、起動準備時に、計
数値を考慮して経糸張力T1,T2,T3・・・の補正量
ΔP1,ΔP2,ΔP3・・・を求め、それらを加算して
補正量ΔPとしてもよい。
【0063】すなわち、経糸張力を周期的に検出して、
同じ値の経糸張力(中央値)が経糸に作用した回数を計
数し、それらの計数値を図7に示す実施例における期間
(時間)の代わりとすることもできる。より詳しくは、
張力の検出周期を短くすることにより、図7に示す実施
例と同じ作用効果を得ることができる。
【0064】図8を参照するに、駆動量信号発生部70
は、作業者が起動準備開始時に織物に生じている織段の
状態を見て基準織前位置補正量を設定する第3の設定器
72を含む。設定された基準織前位置補正量は、加算部
74において補正量出力部56から出力される補正量Δ
Pに加算されて、信号発生部58に供給される。
【0065】駆動量信号発生部70によれば、作業者が
織物の状態を見て基準織前位置補正量のみを修正すれば
よいから、補正量データ及び基準織前位置補正量の設定
が簡略化する。また、織段が発生するたびに全データを
入力し直す必要がない。
【0066】本発明は、目標張力を常に一定に維持する
織機のみならず、織物組織に対応して目標張力を積極的
に変更する織機にも適用することができるし、経糸の送
出装置のみならず、織布の巻取装置にも適用することが
できる。織布の巻取装置の場合、図1に示す実施例にお
いて、張力信号S2を運転制御部40に入力しなくても
よい。この場合、織機の回転に同期する速度指令信号S
6を運転制御部から出力させ、巻径補正回路66を省略
して加算器64と駆動回路68とを直接接続すればよ
い。したがって、本発明は、経糸の送出装置及び織布の
巻取装置の少なくとも一方に適用してもよいし、両方に
適用してもよい。
【0067】送出装置又は巻取装置を駆動させる電動機
を織機の運転中及びキックバック動作時の両者において
制御する代わりに、キックバック動作時のみ駆動量信号
発生部42又は70により制御されるキックバック専用
の電動機と、織機の運転時に運転制御部40により制御
される電動機とを備えていてもよい。
【0068】本発明は、上記実施例に限定されず、その
趣旨を逸脱しない限り、種々変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る織段防止装置を備えた織機の主要
部の一実施例を示す図である。
【図2】駆動量信号発生部の一実施例を示す図である。
【図3】図1に示す実施例における信号の波形とキック
バック動作の実施例を示す図である。
【図4】補正量データの第1の実施例を示す図である。
【図5】補正量データの第2の実施例を示す図である。
【図6】補正量データの第3の実施例を示す図である。
【図7】補正量データの第4の実施例を示す図である。
【図8】駆動量信号発生部の他の実施例を示す図であ
る。
【符号の説明】 10 織機 12 経糸 14 送出ビーム 16 テンションローラ 28 服巻ローラ 32 巻取ビーム 34 送出モータ 36 減速機 38 巻取モータ 42,70 駆動量信号発生部 50 エンコーダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高島 淳 石川県金沢市野町5丁目18番18号 津田駒 工業株式会社内 Fターム(参考) 4L050 AB01 CA01 CA10 CA12 EA02 EA07 EA09 ED04 ED33 EE03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 織機の運転開始に先立ち電動機を駆動さ
    せて織前位置を移動させる織機における織段防止方法で
    あって、前記織前位置の補正量データを経糸張力毎に予
    め設定しておき、織機の起動準備時には、前記補正量デ
    ータを基に織機停止状態における経糸張力に応じて、前
    記織前位置の補正量を決定し、該補正量を基に前記織前
    位置を補正することを含む、織機における織段防止方
    法。
  2. 【請求項2】 前記補正量は織機の停止直前の経糸張力
    を基に決定される、請求項1に記載の織段防止方法。
  3. 【請求項3】 前記補正量は織機の停止中に検出された
    経糸張力を基に決定される、請求項1に記載の織段防止
    方法。
  4. 【請求項4】 前記補正量データは織機の停止直後の経
    糸張力と前記停止直後における経糸張力及び起動準備直
    前の経糸張力の差とに対応して設定され、前記補正量は
    停止直後に検出された経糸張力と起動準備直前に検出さ
    れた経糸張力及び前記停止直後の経糸張力との差を基に
    決定される、請求項3に記載の織段防止方法。
  5. 【請求項5】 前記補正量データは前記経糸張力と織機
    の停止時間とに対応して設定され、前記補正量は前記経
    糸張力と織機の停止時から起動準備直前までの時間とを
    基に決定される、請求項1から4のいずれか1項に記載
    の織段防止方法。
  6. 【請求項6】 前記補正量データは前記経糸張力と経過
    時間とに対応して設定され、前記補正量は、織機の停止
    中から起動準備直前までの間に経糸に作用した経糸張力
    とその作用期間長さとに対応する前記補正量データを経
    糸張力毎に求め、求めた前記補正量データを加算するこ
    とにより決定される、請求項3に記載の織段防止方法。
  7. 【請求項7】 さらに、基準織前位置補正量を織段に応
    じて設定することを含み、前記補正量は前記補正量デー
    タと前記基準織前位置移動量とを加算することにより決
    定される、請求項1から6のいずれか1項に記載の織段
    防止方法。
  8. 【請求項8】 前記電動機は織布巻取装置の駆動電動機
    又は経糸送出装置の駆動電動機である、請求項1から7
    のいずれか1項に記載の織段防止方法。
  9. 【請求項9】 織前位置の補正量データが予め設定され
    る設定器と、織機の起動準備信号及び前記補正量データ
    が入力され、前記起動準備信号が入力したことにより、
    前記補正量データにしたがって駆動量信号を出力する駆
    動量信号発生部とを含む、前記駆動量信号に基づいて電
    動機を駆動させて織前位置を移動させる織機における織
    段防止装置であって、 前記設定器には、前記補正量データが経糸張力毎に設定
    されており、 前記駆動量信号発生部は、経糸張力信号を受け、前記起
    動準備信号が入力したことにより、織機停止状態におけ
    る前記経糸張力信号に対応する補正量データにしたがっ
    て前記駆動量信号を出力する、織機における織段防止装
    置。
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