JP3324785B2 - 新規なベンゾモルファン類およびその薬理組成物としての利用 - Google Patents

新規なベンゾモルファン類およびその薬理組成物としての利用

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JP3324785B2 JP17447992A JP17447992A JP3324785B2 JP 3324785 B2 JP3324785 B2 JP 3324785B2 JP 17447992 A JP17447992 A JP 17447992A JP 17447992 A JP17447992 A JP 17447992A JP 3324785 B2 JP3324785 B2 JP 3324785B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は新規なベンゾモルファン類、その
製造方法および薬理組成物としてのその利用に関する。
本発明のベンゾモルファン類は以下の一般式Iの化合物
に対応する:
【0002】
【化9】
【0003】該一般式Iにおいて、Xは酸素または硫黄
原子を表し、R1はC1-8−アルキル、C3 -6−アルケニル、
C3-6−アルキニルまたはアリール基を表し、R2は水素原
子またはC1-8−アルキル、C3-6−アルケニル、C3-6−ア
ルキニル、アリールまたはアラルキル基を表し、R3は水
素原子またはC1-6−アルキル基を表し、R4はC1-8−アル
キルを表し、R5はC1-8−アルキルを表し、R6はC1-8−ア
ルキルまたはアリール基を表し、R7およびR8はそれぞれ
特立に水素またはハロゲン原子またはC1-8−アルキル、
-OH 、C1-8−アルコキシ、-O- アシル、-CN 、-NO2、-N
H2、-NH(C1-8−アルキル)または-N(C1-8 −アルキル)2
(ここでアルキル基は同一または異なっていてもよ
い)、-NH-アシルまたは-N- アシル-(C1-8−アルキル)
基を表す。上記一般式Iの化合物のうち、好ましいもの
は該式Iにおいて、Xが酸素または硫黄原子を表し、R1
はメチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはフェ
ニル基を表し、R2はメチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、アリル、プロパルギル、フェニルまたはベンジ
ル基を表し、R3は水素原子またはC1-4−アルキル基を表
し、R4はメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピル
基を表し、R5はメチル、エチル、プロピルまたはイソプ
ロピル基を表し、R6はメチル、エチル、プロピル、イソ
プロピルまたはフェニル基を表し、R7は弗素、塩素、ヒ
ドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシまたはアシル
オキシ基を表しおよびR8は水素、低級アルキル、ヒドロ
キシまたはアルコキシ基を表すベンゾモルファン類であ
る。また、特に好ましいものは該式Iにおいて、Xが酸
素を表し、R1はメチルまたはエチル基を表し、R2はメチ
ルまたはエチル基を表し、R3は水素原子を表し、R4はメ
チルまたはエチル基を表し、R5はメチルまたはエチル基
を表し、R6はメチルまたはエチル基を表し、R7はヒドロ
キシ、メチル、メトキシまたはアシルオキシ基を表しお
よびR8は水素原子、メチル、エチル、ヒドロキシまたは
低級アルコキシ基を表すベンゾモルファン類である。最
も好ましいものは、上記一般式Iにおいて、Xが酸素を
表し、R1はメチル基を表し、R2はメチル基を表し、R3
水素原子を表し、R4はメチル基を表し、R5はメチル基を
表し、R6はメチル基を表し、R7はヒドロキシ、メチル、
メトキシまたはアセトキシ基を表しおよびR8は水素原
子、メチル、ヒドロキシ、メトキシまたはエトキシ基を
表し、但し該置換基R7およびR8が2'−位および3'−位に
あり、かつ2''-炭素原子がR-配座にあるベンゾモルファ
ン類である。
【0004】
【化10】
【0005】本発明は上記の個々の異性体、その混合物
並びに対応する生理的に許容される無機または有機酸と
の酸付加塩類に関する。好ましい塩の例は塩酸、臭化水
素酸、硫酸、燐酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン
酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、乳酸、
マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマール酸、リンゴ
酸、酒石酸、クエン酸または安息香酸との塩である。特
に述べない限り、以下の用語の意味は一般的な定義に従
う。C1-6−アルキルまたはC1-8−アルキルとは、一般に
1〜6個または1〜8個の炭素原子を有する直鎖または
分岐鎖炭化水素基を意味し、これらは相互に同一でも異
なっていてもよい1種以上のハロゲン原子、好ましくは
弗素原子により置換されていてもよい。以下の炭化水素
基を例示できる。即ち、メチル、エチル、プロピル、1-
メチルエチル(イソプロピル)、ブチル、1-メチルプロ
ピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、ペンチ
ル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチ
ル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,
2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1-
メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチ
ル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメ
チルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチ
ル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチ
ルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピ
ル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1- メチルプ
ロピルおよび1-エチル-2- メチルプロピル等である。特
に述べない限り、炭素原子数1〜3の低級アルキル基
は、好ましくはメチル、エチル、プロピルまたはイソプ
ロピルである。
【0006】アルケニル基は、一般に炭素原子数3〜6
の直鎖または分岐鎖の炭化水素基であり、かつ1以上
の、好ましくは1個の二重結合を有し、また場合により
1個のあるいは相互に同一でも異なっていてもよい数個
のハロゲン原子、好ましくは弗素原子で置換されていて
もよい。該アルケニル基の例としては以下のものを挙げ
ることができる。即ち、2-プロペニル(アリル)、2-ブ
テニル、3-ブテニル、1-メチル-2- プロペニル、2-メチ
ル-2- プロペニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペ
ンテニル、1-メチル-2- ブテニル、2-メチル-2- ブテニ
ル、3-メチル-2- ブテニル、1-メチル-3- ブテニル、2-
メチル-3- ブテニル、3-メチル-3- ブテニル、1,1-ジメ
チル-2- プロペニル、1,2-ジメチル-2- プロペニル、1-
エチル-2- プロペニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、
4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-メチル-2- ペンテニ
ル、2-メチル-2- ペンテニル、3-メチル-2- ペンテニ
ル、4-メチル-2- ペンテニル、1-メチル-3- ペンテニ
ル、2-メチル-3- ペンテニル、3-メチル-3- ペンテニ
ル、4-メチル-3- ペンテニル、1-メチル-4- ペンテニ
ル、3-メチル-4- ペンテニル、4-メチル-4- ペンテニ
ル、1,1-ジメチル-2- ブテニル、1,1-ジメチル-3-ブテ
ニル、1,2-ジメチル-2- ブテニル、1,2-ジメチル-3- ブ
テニル、1,3-ジメチル-2- ブテニル、1,3-ジメチル-3-
ブテニル、2,2-ジメチル-3- ブテニル、2,3-ジメチル-2
- ブテニル、2,3-ジメチル-3- ブテニル、1-エチル-2-
ブテニル、1-エチル-3- ブテニル、2-エチル-1- ブテニ
ル、2-エチル-2- ブテニル、2-エチル-3- ブテニル、1,
1,2-トリメチル-2- プロペニル、1-エチル-1- メチル-2
- プロペニルおよび1-エチル-2- メチル-2- プロペニル
等である。中でもアリル基が好ましい。
【0007】アルキニル基は、一般に炭素原子数3〜6
の直鎖または分岐鎖の炭化水素基であり、かつ1個以上
の三重結合を有する。3個の炭素原子を有し、かつ1個
の三重結合を有し、場合により1個のハロゲン原子、好
ましくは弗素原子、または同一でも異なっていてもよい
数個のハロゲン原子により置換されていてもよいアルキ
ニル基が好ましい。アシル基は、一般にベンゾイルまた
はアルキルカルボニル基、例えばカルボニル基を介して
結合した1〜約6個の炭素原子を有する直鎖または分岐
鎖低級アルキルを表し、該アルキル基は場合により同一
でも異なっていてもよい1種以上のハロゲン原子で置換
されていてもよい。炭素原子数4までのアルキル基を持
つものが好ましい。その例としてはアセチル、トリフル
オロアセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニ
ル、イソプロピルカルボニル、ブチルカルボニルおよび
イソブチルカルボニル等を包含する。アセチル基が特に
好ましい。アシルオキシ基とは、酸素原子を介して結合
したアシル基を表し、該アシル基については以下に規定
する。アリール基とは、一般に炭素原子数6〜10の芳香
族基またはその組み合わせを表し、その芳香族リングは
同一または異なっていてもよい1種以上の低級アルキル
基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基および/または
1種以上のハロゲン原子により置換されていてもよい。
好ましいアリール基はフェニル基である。
【0008】アラルキル基とは、一般にアルキレン鎖を
介して結合した炭素原子数7〜14のアリール基を表し、
その芳香族リングは同一または異なっていてもよい1種
以上の低級アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミ
ノ基および/または1種以上のハロゲン原子により置換
されていてもよい。該脂肪族部分に1〜6個の炭素原子
を含み、かつ該芳香族部分に6〜10個の炭素原子を含む
アラルキル基が好ましい。特に述べない限り、好ましい
アラルキル基はベンジル、フェネチルおよびフェニルプ
ロピル基である。アルコキシ基とは、一般に酸素原子を
介して結合した炭素原子数1〜8の直鎖または分岐鎖炭
化水素基を表す。炭素原子数1〜3の低級アルコキシ基
が好ましい。メトキシ基が特に好ましい。特に述べない
限り、アミノ基はNH2-官能基を表し、これは場合により
同一でも異なっていてもよい1または2個のC1-8−アル
キル、アリールまたはアラルキル基で置換されていても
よい。アルキルアミノ基とは、例えばメチルアミノ、エ
チルアミノ、プロピルアミノ、1-メチルエチルアミノ、
ブチルアミノ、1-メチルプロピルアミノ、2-メチルプロ
ピルアミノまたは1,1-ジメチルエチルアミノ基を表す。
ジアルキルアミノ基とは、例えばジメチルアミノ、ジエ
チルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジ-
(1-メチルエチル)アミノ、ジ-(1-メチルプロピル)ア
ミノ、ジ-2- メチルプロピルアミノ、エチルメチルアミ
ノまたはメチルプロピルアミノ基を表す。特に述べない
限り、ハロゲン原子とは、主として弗素、塩素および臭
素並びに希には沃素を表す。
【0009】1. 薬理学的特徴ずけ グルタメートの全身的投与後には、マウスの脳において
ニューロンが破壊されてしまうことが知られている〔S.
M.ロスマン(Rothman) &T.W.オルニー(Olney),トレンズ
インニューロサイエンスズ(Trends in Neurosciences),
1987, 10, p.299 〕。この発見は、特にグルタメート
が神経変性疾患においてある役割を演じているという結
論を導いた〔R.シュバルツ(Schwarcz)&B.メルドラム(M
eldrum),ザランセット(The Lancet), 1985, 11, p. 14
0〕。更に、キスカル酸、カイニン酸、イボテン酸(ibot
enic acid)、グルタミン酸およびN-メチル-D- アスパ
ラギン酸(NMDA)等の物質も内因性または外因性の神経毒
であることが知られている。これらの物質は、その神経
毒性のために、個々の細胞に対して選択的な作用を有す
る。このことは、特定の脳の病巣により動物中の機能の
喪失が誘発されることを意味する。この機能の喪失は癲
癇および他の神経変性疾患、例えばハンチントン舞踏病
およびアルツハイマー病などに関連して発病するものと
類似点がある。更に、生体内および生体外で実施したテ
ストは、低血糖症、低酸素症、無酸素症および虚血の結
果として脳内に生ずる該細胞損傷および機能喪失が高い
シナプス活性によるものであることを示し、グルタメー
ト性(glutamatergic) シナプスが特に顕著である。該グ
ルタメート受容体およびこの受容体に接続されたイオン
チャンネルの活性を阻害する物質およびイオン、例えば
興奮性アミノ酸並びにマグネシウムイオン(Mg2+ )等の
競合性および非競合性拮抗物質は、低酸素症または虚血
による損傷から脳細胞を保護する。これらの発見は該グ
ルタメート受容体が虚血性損傷を媒介する上で重要な役
割を演じていることを示している。
【0010】生化学的および電気生理学的研究は、該受
容体イオンチャンネルがマグネシウムの濃度の揺らぎに
対して著しく敏感であることを示している。マグネシウ
ム濃度の低下があった場合、自発的な癲癇誘発性のマグ
ネシウムの放出が海馬で生じ、これは興奮性のアミノ酸
の拮抗物質により阻止できる。驚いたことに、上記一般
式Iのベンゾモルファン類が該NMDA−チャンネルを遮断
し、かつニューロン保護活性を有することが見出され
た。これらのベンゾモルファン誘導体の調製は、ドイツ
特許第2,105,743 号、ドイツ特許公開第2,828,039 号お
よび文献〔H.メルツ(Merz)&K.シュトックハウス(Stock
haus), J. Med. Chem., 1979, 22, p. 1475 〕により公
知である。また、この種の化合物が鎮痛作用を有し、か
つ非常習性の鎮痛剤並びに鎮咳剤として治療上使用でき
ることも公知である(ドイツ特許第2,105,743 号)。海
馬切片を、ベンゾモルファン誘導体の該NMDA−拮抗活性
を立証するためのテスト系として使用した。滲出チャン
バー中の該海馬切片のシェーファー側軸索を微小電極に
より刺激し、かつ発生する全電位を該CAI-領域の錐体細
胞において細胞外に導いた〔H.L.ハース,シェーラー(H
aas, Schaerer)およびM.フォスマンスキー(Vosmansky),
J. Neuroscience Meth., 1979, 1, p. 323 〕。
【0011】一般式Iの範囲内にはいる該ベンゾモルフ
ァン誘導体の神経保護作用を、また該海馬切片中のタン
パク合成および神経伝達物質の遊離との関連性に基づい
て立証した。受容体結合テストも、ここに記載のベンゾ
モルファン誘導体が非競合性のグルタメート受容体拮抗
物質であることを示す。更に、一般式Iのベンゾモルフ
ァン誘導体の神経保護活性を、マウスにつき生体内で、
N-メチル-D- アスパラギン酸により誘起される致死率を
阻害することにより〔J.D.リンダー(Leander) 等,Brai
n Research, 1988, 448, p. 115 〕およびマウスおよび
アレチネズミにおける虚血−誘発性神経細胞の致死を阻
害することによりテストした。これらの結果は、一般式
Iのベンゾモルファン誘導体が種々の起原の神経変性疾
患および脳性虚血において使用できるという事実の証拠
をたらした。これらの疾病は、例えば癲癇状態、低血糖
症、低酸素症、無酸素症、脳外傷、筋萎縮性外側硬化
症、ハンチントン症、アルツハイマー病、低血圧症、心
筋梗塞、脳卒中および周生期仮死等を含む。
【0012】2. 処方 一般式Iのベンゾモルファン誘導体およびその製薬上許
容される酸との酸付加塩類は、不活性な製薬上許容され
る担体または溶媒を使用して、公知の方法で通常の処
方、例えば裸錠剤、被覆錠剤、ピル、顆粒、エアロゾル
剤、シロップ剤、エマルション、懸濁液および液剤など
に変えることができる。この薬理活性化合物の割合は全
組成物の0.5 〜90重量%の範囲、即ち以下に特定する投
与範囲を達成するのに十分な量であるべきである。該処
方物は、例えば該活性物質を溶媒および/または担体と
共に、場合により乳化剤および/または分散助剤を用い
て希釈することにより調製でき、また希釈剤として水を
使用した場合、例えば有機溶媒を可溶化剤または補助溶
媒として使用できる。賦形剤の例は、水、製薬上許容さ
れる有機溶媒、例えばパラフィン類(石油留分等)、植
物油(ピーナッツ油またはゴマ油等)、1-または多−官
能性アルコール(エタノール、グリセロール等)、担
体、例えば天然無機粉末(カオリン、クレー、タルク、
チョーク等)、合成無機粉末(高分散性シリカ、珪酸塩
等)、糖(グルコース、ラクトース、フルクトース
等)、乳化剤(リグニン、亜硫酸パルプ廃液、メチルセ
ルロース、澱粉、ポリビニルピロリドン等)、および滑
剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン
酸、ラウリル硫酸ナトリウム等)を包含する。これらの
処方物は公知の方法で、好ましくは非経口経路、特に注
入および静脈内投与される。経口投与の場合、錠剤は勿
論上記の担体添加物、例えばクエン酸ナトリウム、炭酸
カルシウムおよび燐酸ジカルシウム等の他に、種々の添
加物質、例えば澱粉、好ましくは馬鈴薯澱粉、ゼラチン
等を含むことができる。更に、錠剤を製造する際には滑
剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナ
トリウムおよびタルク等を使用できる。水性懸濁液の場
合、活性物質は上記賦形剤に加えて、種々の香味改良剤
または着色剤と組み合わせることができる。
【0013】非経口投与のためには、該活性物質の溶液
は適当な液体担体を使用して調製できる。経口利用のた
めの投与量は1〜300 mg、好ましくは5〜150 mgの範囲
である。しかし、幾つかの場合においては、体重または
投与形式、該薬剤に対する個々の応答性、処方の型およ
び該処方物を投与する時点または期間に応じて上記の指
定範囲を越える必要がある。かくして、幾つかの場合に
は、上記の最低値以下で十分であり、また他の場合には
上記上限を越える必要がある。より多量に投与る場合、
これを幾つかの少量の服用量に分割し、これを1日に渡
り分割投与することを推奨できる。更に、一般式Iの化
合物またはその酸付加塩類は他の活性物質と組み合わせ
ることができる。
【0014】処方の例 錠剤 1. 以下の成分を含有する錠剤 一般式Iの活性物質 0.020 部 ステアリン酸 0.010 部 デキストロース 1.890 部 全体で 1.920 部調製 これらの物質を公知の方法で混合し、生成する混合物を
圧縮して錠剤を形成した。それぞれ1.92gであり、かつ
活性成分を20mg含んでいた。アンプル溶液 組成 一般式Iの活性物質 1.0 mg 塩化ナトリウム 45.0 mg 注射用水 (全体を5.0 mlとするのに必要な量)調製 該活性物質を水に、該水自体のpHの下で、あるいは可能
ならばpH 5.5〜6.5 において溶解し、次いで塩化ナトリ
ウムを添加して等張溶液とする。生成する溶液を濾過し
て発熱性物質を除き、得られる濾液を無菌条件下でアン
プルに移し、次いで該アンプルを滅菌し、かつ溶融封止
する。このアンプルは1mg、5mgおよび10mgの活性物質
を含む。
【0015】坐剤 各坐剤は以下の成分を含む。 一般式Iの活性物質 1.0 部 ココアバター(融点:36-37 °C) 1200.0 部 カルナウバロウ 5.0 部調製 ココアバターとカルナウバロウとを一緒に溶融し、45°
C にて該活性物質を添加し、得られる混合物を十分に分
散するまで撹拌する。この混合物を適当なサイズの型に
注入し、生成する坐剤を適当に包装する。
【0016】3. 合成法 種々の合成法において出発物質として使用するタイプ2
ベンゾモルファン誘導体は公知技術に従って調製するか
〔DE-A 2,027,077; CA, 1971, 74, 125482X;EP-B 496
0; CA, 1980, 93, 4941F 〕、あるいは以下の実施例に
記載の如く調製する。
【0017】
【化11】
【0018】置換基R9およびR10 は所定の置換基R7およ
びR8と同一であるか、合成の後の段階でこれらに転化で
きる。 3.1a: ベンゾモルファン窒素のアミノ置換基に所定の
置換基を導入する1方法は適当な活性化カルボン酸誘導
体でアシル化することである。式4の対応するカルボン
酸誘導体は公知であるか、あるいは通常の合成法により
容易に得ることができるものである。該アシル化自体に
関しても多数の方法があり、C.フェリ(Ferri),リアクチ
オーネンデルオルガニッシェンシンテーズ,ゲオルグシ
ーメフェアラーグシュトットガルト(Reaktionen der or
ganischen Synthese, Georg Thieme Verlag Stuttgar
t), 1978, p.222 ffおよび上記引用文献中のJ.マーシュ
(March),アドバンスドオーガルックケミストリー(Advan
ced Organic Chemistry), 第3版,ジョンウイリー&サ
ンズ社,ニューヨーク, 1985, p. 370 ff および同文献
中のR.C.ラロック(Larock), コンプリヘンシブオーガニ
ックトランスフォーメーションズ−アガイドツーファン
クショナルグループプリパレーションズ (Comprehensiv
e OrganicTransformations-A Guide to Functional Gro
up Preparations), VCHフェアラーグズゲゼルシャフト
(Verlagsgesellschaft), D-6940ワインハイム(Weinhei
m),1989, p. 963 ff および同文献から選択できる。好
ましい方法は溶媒中でのカルボン酸ハライドとの反応
〔A.L.J.ベックウイズ(Beckwith), J. Zabicki, 「ザケ
ミストリーオブアミズ(The Chemistry of Amides) 」,
インターサイエンス(Interscience), ニューヨーク, 19
70, p. 73 〕であり、該溶媒は一般に広く利用されてい
る反応条件下で実質的に不活性であり、また該反応は場
合により酸−結合剤の存在下で実施される。使用する該
不活性溶媒は、一般に該反応条件下で変化しない有機溶
媒、例えば炭化水素(ベンゼン、トルエンまたはキシレ
ン等)、石油留分またはエーテル(ジエチルエーテル、
グリコールジメチルエーテル(グライム)、ジグリコー
ルジメチルエーテル等)、あるいは環状エーテル(テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等)、あるいはハロ炭化水
素(四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン等)で
ある。
【0019】所定のカルボン酸ハライドの調製は公知で
あり〔ハウベン−ワイル(Houben-weyl),メソーデンデル
オルガニッシェンケミー(Methoden der organischen Ch
emie), Vol. VIIIおよびVol. E5,ゲオルグシーメフェア
ラーグシュトットガルト, 1952および1985〕、これらは
市販品とし入手することはできない。有利には、式2の
ベンゾモルファン誘導体は、好ましくはハロゲン化炭化
水素、特にジクロロメタン中で、かつ3級アミン、例え
ばトリエチルアミンの存在下で、所定の酸ハライド、特
に所定の酸塩化物と反応させる。しかし、所謂ショット
ン−ボーマンバリアント(Schotten-Baumann Variant)に
従って、水中であるいは水性アルコール中で、アルカリ
金属水酸化物またはアルカリ金属炭酸塩の存在下でこの
反応を実施することも可能である〔例えば、オルガニカ
ム,アオトレンコレクティフ(Organikum Autorenkollek
tiv), VEB ドイッシャーフェアラーグデルビッセンシャ
フテン(Deutscher Verlag der Wissenschaften) 第17
版、ベルリン, 1988, p. 407〕。使用する遊離体に応じ
て、アインホルン(Einhorn) の変法に従って該アシル化
を実施することが特に有利であることも分かっている。
この方法では、ピリジンが酸結合剤および反応溶媒両者
として利用される。
【0020】更に、遊離カルボン酸を使用してこのシア
ル化反応を実施することも可能である〔例えば、A.L.J.
ベックウイズ(Beckwith), J.ザビッキ(Zabicki)," ザケ
ミストリーオブアミズ(The Chemistry of Amides)", イ
ンターサイエンス、NY, 1970, p. 105 ff; J.A. ミッシ
ェル(Mitchell)&E.E.レイド(Reid), J. Am. Chem. So
c., 1931, 53, p. 1879〕。また、遊離カルボン酸の代
わりに、例えばカルボン酸エステルとの混合無水物を使
用することも有利であることが分かっている〔C.フェリ
(Ferri),リアクチオーネンデルオルガニッシェンシンテ
ーズ,ゲオルグシーメフェアラーグシュトットガルト(R
eaktionen der organischen Synthese, Georg Thieme V
erlag Stuttgart), 1978, p.222 および上記文献中のA.
L.J.ベックウイズ(Beckwith), J.ザビッキ(Zabicki),
「ザケミストリーオブアミズ(The Chemistry of Amide
s) 」,インターサイエンス(Interscience), ニューヨ
ーク, 1970, p. 86 、J.マーシュ(March),アドバンスド
オーガルックケミストリー(Advanced Organic Chemistr
y), 第3版,ジョンウイリー&サンズ社,ニューヨー
ク,1985, p. 371および上記文献中のR.C.ラロック(Laro
ck), コンプリヘンシブオーガニックトランスフォーメ
ーションズ (Comprehensive Organic Transformation
s), VCH 出版社, D-6940ワインハイム(Weinheim), 198
9, p. 981および上記文献〕。カルボン酸ハライド、特
にカルボン酸クロリドを使用した好ましいシアル化にお
いて、反応温度は広い範囲で変えることができ、下限は
著しく遅い反応速度により定まり、一方上限は望ましく
ない二次反応の増幅に基づいて設定される。-50 〜150
°C 、好ましくは0〜75°C の範囲内の反応温度が適当
であることが分かっている。この研究は、酸結合剤の存
在下で(幾分大過剰の存在下で)僅かに過剰のアシル化
剤を使用して実施し、該遊離体のできる限り完全な反応
を保証することが有利である。
【0021】3.1b 式6の所定のアミンを得るためには、後の反応工程にお
いて式3の酸アミドを還元する必要がある。この種の酸
アミドの還元は公知であり、電解還元、アルカリ金属に
よる還元、接触還元〔R.シュレーター(Schroter)のハウ
ベン−ワイル(Houben-weyl),メソーデンデルオルガニッ
シェンケミー(Methoden der organischen Chemie), Vo
l. XI/1, ゲオルグシーメフェアラーグシュトットガル
ト, 1957, p. 574〕あるいはジボランまたはボラン誘導
体を使用して〔J.フーロップ(Fuhrhop) G.ペンツリン(P
enzlin),オーガニックシンセシス−コンセプツ−メソッ
ド−スターティングマテーリアルズ(Organic Synthesis
-Concepts-Methods-Starting Materials), VCH-フェア
ラーグズゲゼルシャフト,ワインハイム1986, p. 90 〕
により実施することができる。複合水素化物、例えばア
ルカリ金属硼水素化物またはアルカリアルミニウムハイ
ドライドとその誘導体を使用し、場合により触媒の存在
下で該還元を実施することが好ましい〔N.G.ガイロード
(Gaylord),リダクションウイズコンプレックスハイドラ
イズ (Reduction with Complex Hydrides), ウイリーN
Y, 1965; A.ハジョス(Hajos),コンプレックスハライズ
(Complex Hydrides), NY, 1979; V.ベーザント(Bazant)
等,テトラヘドロンレターズ(Tetrahedron Lett.), 196
8, 9, p. 3303 〕。リチウムアルミニウムハイドライド
が特に好ましい。
【0022】適当な反応媒体は全て不活性有機溶媒であ
り、指定された反応条件下で変化しないものである。こ
れらの好ましい例はエーテル、例えばジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、t-ブチルメチルエーテ
ル、ジ-n- ブチルエーテル、グリコールジメチルエーテ
ル(グライム)、ジグリコールジメチルエーテル(ジグ
ライム)、環状エーテル、例えばジオキサン、および特
に好ましくはテトラヒドロフランを包含する。溶媒の選
択は、特に使用する特定の還元剤により左右される。一
般に、これらの還元を過剰の還元剤の存在下で進めるこ
とが有利であり、該還元剤は、好ましくは上記の複合水
素化物、特にリチウムアラナートの形状にあり、その濃
度は5〜100%、好ましくは10〜50%の範囲である。これ
ら試薬は、通常氷冷しつつあるいは周囲温度で添加さ
れ、次いで該遊離体の反応性に応じて150 °C 程度の温
度まで、好ましくは75°C まで加熱する。
【0023】3.2 式6のベンゾモルファン誘導体の可能なもう一つの調製
法は、ベンゾモルファン誘導体2を適当な式5のアルキ
ル化剤(ここで、式5におけるZは該アルキル化中に脱
離する脱離基を表す)と反応させることである。好まし
い脱離基はハロゲン、例えばCl、BrおよびI、またはO-
SO2-アリール、例えばトシレート、またはアルキルスル
ホネートO-SO2-アルキル、例えばメタンスルホネートま
たはハロメタンスルホネートもしくはサルフェート残基
である。対応するアルキル化剤は市販品として入手でき
るか、もしくは当分野で公知の方法により調製できるも
のである。適当な溶媒は、全て指定された反応条件下で
実質的に不変に保たれる不活性な溶媒であり、かつこれ
ら自体が反応性成分ではないことから、該反応中に負の
影響を与え得ないものである。その例はアルコール、例
えばメタノール、エタノール、プロパノールまたはイソ
プロパノール、あるいはエーテル、例えばジエチルエー
テル、ジ-n- ブチルエーテル、t-ブチルメチルエーテ
ル、グリコールジメチルエーテル(グライム)、ジグリ
コールジメチルエーテル(ジグライム)、テトラヒドロ
フランおよびジオキサン、またはケトン、例えばメチル
エチルケトンまたはアセトン、あるいは酸アミド、例え
ばヘキサン−メチルリン酸トリアミドまたはジメチルホ
ルムアミドを包含する。
【0024】また、上記溶媒の混合物を使用することも
可能である。テトラヒドロフランまたはジメチルホルム
アミドあるいはこれら2種の溶媒の混合物が特に好まし
い。この反応は、好ましくは酸結合剤、例えば炭酸アル
カリまたは炭酸アルカリ土類金属、もしくは炭酸の存在
下で実施する。この反応中、反応温度は広い範囲で変え
ることができる。これらの限界は、該反応が遅すぎるこ
とにより、実際には温度計の限界で、また副反応の進行
度、実際には温度計の上限により設定される。適当な反
応温度は0〜150 °C および好ましくは50〜100 °C の
範囲である。 3.3 必要となるであろうR9および/またはR10 のそれぞれR7
およびR8への転化は、単一の工程に結合し得ない幾つか
の異なる反応を含む。このような転化反応は対応する実
施例に記載してある。
【0025】
【実施例】 4.実施例 主な注意事項:特に述べない限りエーテルとはジエチル
エーテルを意味する。 4.1 式(1) の化合物−方法3.1 に従って調製 4.1.1 実施例1: (-)-(1R,5S,2''R)-2'-ヒドロキシ-2-
(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩 a) アシル化: ( ±)-2'- ヒドロキシ-5,9,9- トリメチ
ル-6,7- ベンゾモルファン(27.8 g; 0.12 mol)〔DOS 2,
027,077; CA, 74, 125482x (1971) 〕を、27.9 g(0.275
mol) のトリエチルアミンの存在下で、278 mlの乾燥ジ
クロロメタンと混合し、19.2 g(0.156 mol) の(R)-2-メ
トキシプロピオン酸クロリドを撹拌しつつ約30分以内に
添加した。反応温度は30〜35°C に維持した。次いで、
この混合物を1時間還流した。次に、これを冷却し、17
5 mlの水、1.75mlの2N塩酸および更に2回175 mlの水で
連続的に洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥し、該乾燥
剤を濾別した後、水流ポンプの最大真空度の下で最終温
度80°C にて、この溶液を真空下で蒸発させた。式(3)
のこのアシル化生成物を収量42.3 g(理論の約100%)で
蒸発残渣として得た。
【0026】b) 還元:上記方法を利用して調製した該
アシル化生成物を425 mlの乾燥テトラヒドロフラン中に
溶解した。この溶液を、撹拌しつつかつ氷冷しつつ、30
0 mlのテトラヒドロフラン中の9.1g (0.24 mol) のリチ
ウムアルミニウムハイドライドの懸濁液に、10〜15°C
にて1時間以内に滴下した。次いで、この反応混合物を
撹拌しつつ2時間還流した。次に、25mlの水を撹拌しつ
つかつ氷冷しつつこれに滴下し、最後に更に70mlの水お
よび飽和酒石酸ジアンモニウム溶液(890 ml)を添加した
後、この混合物を分液ロート中で振盪した。分離したテ
トラヒドロフラン相を真空下で蒸発させ、かつ水性相を
175 mlのジクロロメタンで3回抽出した。該テトラヒド
ロフラン相の蒸発残渣を該ジクロロメタン抽出物に溶解
し、得られた溶液を2回100 mlの水で洗浄した。硫酸ナ
トリウムで乾燥し、該乾燥剤を濾過により除去した後、
水流ポンプの最大真空度の下で最終温度80°C にて、こ
の溶液を真空下で蒸発させた。残渣(37 g;理論の約100
%)が得られ、これは予想された2種のジアステレオマ
ーの混合物からなっていた。薄層クロマトグラフィー(T
LC) において、これらのジアステレオマーはRf値それぞ
れ0.42および0.51を示した(シリカゲル60、クロロホル
ム−メタノール−濃アンモニア = 95:5:0.1)。これらの
ジアステレオマーは塩酸塩の結晶化により分離できる。
そのため、この塩基性混合物を120 mlの乾燥エタノール
に溶解し、この溶液を塩酸で酸性とした(12mlの32% 塩
酸)。標記化合物(Rf =0.42)は即座に結晶化し、冷却
(氷浴)し、吸引濾過し、バッチ式に氷冷エタノール(4
0ml)で洗浄し、最終温度80°C にて一定重量に達するま
で乾燥した。収量は15.0g(理論的に得ることのできる
最大量の73.5%)。この物質は分解を伴って264 °C にて
溶融し、特定の旋光度〔α〕D 25=-116.9 °(c=1, CH3O
H)を有していた。メタノールとジエチルエーテルとの混
合物から再結晶した試料は不変の融点 264°C (分解)
にて溶融し、比旋光度〔α〕D 25=-118.6 °(c=1, CH3O
H)を有していた。
【0027】4.1.2 実施例2: (+)-(1S,5R,2''R)-2'-ヒ
ドロキシ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-
6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 実施例1に従って得た母液は支配的にRf値が0.51のジア
ステレオマーを含んでいた。これを蒸発させ、残渣(25
g)を40mlのイソプロパノールと共に撹拌しつつ1時間還
流温度にて加熱した。かくして得た結晶の懸濁液を周囲
温度にて約12時間放置し、次いで吸引濾過し、バッチ式
に僅かに冷却したイソプロパノールで洗浄した。この結
晶は主として標記化合物を、該ジアステレオマー(実施
例1)の残渣と共に含んでいた。この標記化合物を遊離
塩基型に転化し、カラムクロマトグラフィーにより精製
した。この精製のために、該結晶を水(75ml)、ジクロロ
メタン(75ml)および過剰の濃アンモニア(25%濃度、6ml)
と共に振盪した。相を分離した後、水性相を再度25mlの
ジクロロメタンで抽出した。併合したジクロロメタン抽
出液を2回25mlの水で洗浄し、次いで硫酸ナトリウム上
で乾燥し、該乾燥剤を濾過により除去した後、水流ポン
プの最大真空度の下で最終温度80°C にて、この溶液を
真空下で蒸発させた。残渣(15.4 g)を2kgのシリカゲル
(MN K 60, 230-400 メッシュASTM: マシュリー&ナゲル
(Macherey and Nagel)製)上でのカラムクロマトグラフ
ィーにより精製した。ここで溶離液としてはジクロロメ
タン−メタノール−濃アンモニア = 95:5:0.1 を使用し
た。この純物質を含む画分は蒸発後に残渣(6.8g)を与
え、標記化合物の塩基を含んでいた。この残渣を14mlの
無水エタノールに溶解し、この溶液を10mlの2.5Nエタノ
ール性塩酸で酸性とした。濁度が一定となるまでジエチ
ルエーテルを添加した後、標記化合物を晶出させた。こ
の混合物を約12時間冷蔵庫内で放置し、次いで吸引濾過
し、まず1:2 メタノール−エーテル混合物で、次にエー
テルで洗浄した。最終的に80°C となるように乾燥した
後、6.4gの標記化合物が得られ(理論的に得られる最大
量の31.4%)、これは融点236 °C(分解)および比旋光度
〔α〕D 25=+88.0°(c=1, CH3OH)を有していた。
【0028】4.1.3 実施例3: (+)-(1S,5R,2''S)-2'-ヒ
ドロキシ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-
6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 9.25 g (0.040 mol)の (±)-2'- ヒドロキシ- 5,9,9-ト
リメチル-6,7- ベンゾモルファンおよび6.37 g (0.052
mol)(S)-2-メトキシプロピオン酸クロリドから出発し
て、実施例1と同様にして、収量5.1g(理論の75.0%)で
標記化合物を得た。該化合物はRf値0.42、融点270 °C
(分解)および比旋光度〔α〕D 25= +117°(c=1, CH3O
H)を有していた。 4.1.4 実施例4: (-)-(1R,5S,2''S)-2'-ヒドロキシ-2-
(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩 実施例3で得た母液から、実施例2と同様にして収量3.
2g(理論の47.1%)で標記化合物を得た。この化合物は融
点235 °C (分解)および比旋光度〔α〕D 25= -89.9
°(c=1, CH3OH)を有していた。 4.1.5 実施例5: (-)-(1R,5S,2''R)-2'-ヒドロキシ-2-
(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩 ラセミ型出発化合物の代わりに、2.31 g(0.010 mol) の
エナンショマー的に純粋な(-)-2'- ヒドロキシ-5,9,9-
トリメチル-6,7- ベンゾモルファンを実施例1と同様に
して1.60 g (0.013 mol)の(R)-2-メトキシプロピオン酸
クロリドと反応させた場合には、ジアステレオマー塩基
混合物の代わりに、標記化合物の立体的に純粋な塩基を
まず得、これから塩酸塩を収量3.0 g(理論の88.4%)で得
た。これは融点264 °C(分解)および比旋光度〔α〕D
25= -117.5°(c=1, CH3OH)を有していた。 4.1.6 実施例6: (-)-(1R,5S,2''S)-2'-ヒドロキシ-2-
(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩 実施例5に記載の合成を(S)-2-メトキシプロピオン酸を
使用して実施した場合には、収量2.9g(理論の85.3%)で
標記化合物が得られた。この化合物は融点235°C(分
解)および比旋光度〔α〕D 25= -89.7 °(c=1, CH3OH)
を有していた。
【0029】4.1.7 実施例7: (-)-(1R,5S,2''R)-2'-ヒ
ドロキシ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-
6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 4.62g(0.020 mol)の(-)-2'- ヒドロキシ- 5,9,9-トリメ
チル-6,7- ベンゾモルファンおよび3.20g(0.026 mol)の
(R/S)-2-メトキシプロピオン酸クロリドから、実施例1
と同様にして予想されたジアステレオマー塩基の混合物
が得られ、これを実施例2と同様にカラムクロマトグラ
フィーにより分離した。低移動度の物質(Rf =0.42)は実
施例2に記載の如く塩酸塩として結晶化した。標記化合
物が収量2.1g(理論の61.8%)で得られた。この化合物は
融点264 °C(分解)および比旋光度〔α〕D 25= -117.9
°(c=1, CH3OH)を有していた。 4.1.8 実施例8 : (-)-(1R,2S,2''S)-2'-ヒドロキシ-2-
(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩 実施例7で分離したより移動度の高い物質(Rf =0.51)か
ら、実施例2と同様にして塩酸塩に転化した後標記化合
物が収量2.2g(理論の64.7%)で得られた。この化合物は
融点235 °C(分解)および比旋光度〔α〕D 25= -88.6
°(c=1, CH3OH)を有していた。 4.1.9 実施例9 : (+)-(1S,5R,2''S)-2'-ヒドロキシ-2-
(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩 2.60g(0.025 mol)の(S)-2-メトキシプロピオン酸クロリ
ドを、4.04g(0.025 mol)の1,1'- カルボニルジイミダゾ
ールと共に100 mlの乾燥テトラヒドロフラン中で室温に
て2時間撹拌した。4.62g(0.020 mol)(+)-2'- ヒドロキ
シ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベンゾモルファンを添加し
た後、この混合物を周囲温度にて更に2日間撹拌した。
次いで、これを蒸発させ、残渣を75mlのジクロロメタン
に溶解し、連続的に2N HClでおよび水で2回洗浄した。
分離後、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、該乾燥剤
を濾別した後、水流ポンプの最大真空度の下で最終温度
80°C にて、この溶液を真空下で蒸発させた。この蒸発
残渣を、実施例1に記載した如くリチウムアルミニウム
ハイドライド(リチウムテトラヒドリドアラナート)に
より還元し、実施例2と同様にしてこの反応生成物を塩
酸塩として結晶化させた。標記化合物を収量6.9g(理論
の81.3%)で得られた。この化合物は融点264°C(分解)
および比旋光度〔α〕D 25= +117.4°(c=1, CH3OH)を有
していた。
【0030】4.1.10 実施例10: (-)-(1R,5S,2''R)-9,9
- ジメチル-5- エチル-2'-ヒドロキシ-2-(2-メトキシプ
ロピル)-6,7-ベンゾモルファン塩酸塩 1.69g(0.006 mol) (±)-9,9-ジメチル-5- エチル-2'-ヒ
ドロキシ-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩〔DOS 2,027,07
7; CA, 1971, 74, 125482x 〕、1.82g(0.018mol)のト
リエチルアミンおよび0.96g(0.0078 mol) の(R)-2-メト
キシプロピオン酸クロリドから、実施例1と同様にし
て、予想されたジアステレオマー塩基の混合物(1.7g)を
得、これを実施例2と同様にカラムクロマトグラフィー
により分離した。遅い移動度の物質(0.6g; Rf =0.40)を
実施例2と同様に塩酸塩として結晶化させた。標記化合
物を収量0.6g(理論の56.6%)で得た。この化合物は融点
275°C(分解)および比旋光度〔α〕D 25= -100.5°(c=
1, CH3OH)を有していた。 4.1.11 実施例11: (+)-(1S,5R,2''R)-9,9- ジメチル-5
- エチル-2'-ヒドロキシ-2-(2-メトキシプロピル)-6,7-
ベンゾモルファン塩酸塩 実施例10でカラムクロマトグラフィーにより分離したよ
り移動度の高いジアステレオマー(0.7g; Rf =0.45)か
ら、実施例2と同様にして塩酸塩に結晶化した後、標記
化合物が収量0.23g(理論の21.7%)で得られた。この化合
物は融点 216°C(分解)および比旋光度〔α〕D 25= +6
2.4 °(c=1, CH3OH)を有していた。 4.1.12 実施例12: (+)-(1S,5R,2''S)-9,9- ジメチル-5
- エチル-2'-ヒドロキシ-2-(2-メトキシプロピル)-6,7-
ベンゾモルファン塩酸塩 1.69g(0.006 mol) (±)-9,9-ジメチル-5- エチル-2'-ヒ
ドロキシ-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩、1.82g(0.018
mol)のトリエチルアミンおよび0.96g(0.0078 mol) の
(S)-2-メトキシプロピオン酸クロリドから、実施例1と
同様にして、予想されたジアステレオマー塩基の混合物
(1.7g)を得、これを実施例2と同様にカラムクロマトグ
ラフィーにより分離した。遅い移動度の物質(0.6g; Rf
=0.40)を実施例2と同様に塩酸塩として結晶化させた。
標記化合物を収量0.6g(理論の56.6%)で得た。この化合
物は融点 275°C(分解)および比旋光度〔α〕D 25= +1
02.5°(c=1, CH3OH)を有していた。
【0031】4.1.13 実施例13: (-)-(1R,5S,2''S)-9,9
- ジメチル-5- エチル-2'-ヒドロキシ-2-(2-メトキシプ
ロピル)-6,7-ベンゾモルファン塩酸塩 実施例12でカラムクロマトグラフィーにより分離したよ
り移動度の高いジアステレオマー(0.6g; Rf =0.45)か
ら、実施例2と同様にして塩酸塩に結晶化した後、標記
化合物が収量0.65g(理論の61.2%)で得られた。この化合
物は融点 219°C(分解)および比旋光度〔α〕D 25= -6
7.6 °(c=1, CH3OH)を有していた。 4.1.14 実施例14: (-)-9,9-ジメチル-2'-ヒドロキシ-2
-((R)-2-メトキシプロピル)-5-フェニル-6,7- ベンゾモ
ルファン 1.76g(6mM)の( ±)-9,9-ジメチル-2'-ヒドロキシ-5- フ
ェニル-6,7- ベンゾモルファン〔EP-B-4690; CA 93, 49
41f (1980)〕および0.96g(7.8mM)の(R)-2-メトキシプロ
ピオン酸クロリドから、実施例1と同様にしてRf値0.50
および0.55(実施例2参照)を有する予想されたジアス
テレオマー塩基(2.1g)の混合物を得た。この混合物を実
施例2と同様にして塩酸塩(2.4g)として結晶化させ、次
いで対応する遊離塩基に戻した(蒸発残渣1.8 g)。この
塩基性残渣を6mlの酢酸エチルおよび18mlの石油エーテ
ル(80°C)から再結晶化させた。かくして、標記化合物
を収量0.72g(理論の65.5%)で得た。この化合物は融点 2
02°C 、Rf値0.50および比旋光度〔α〕D 25= -24.4 °
(c=1, CH3OH)を有していた。 4.1.15 実施例15: (+)-9,9-ジメチル-2'-ヒドロキシ-2
-((R)-2-メトキシプロピル)-5-フェニル-6,7- ベンゾモ
ルファン塩酸塩 実施例13に従って結晶化した際に得られた母液(酢酸エ
チル/石油エーテル)を蒸発させた。得られた残渣(1.2
g)を5mlのエタノールに溶解し、この溶液を2.5Nエタノ
ール性塩酸で酸性にした。濁りが発生し始めるまでジエ
チルエーテルを添加した後、塩酸塩(0.4g)を汚染された
粗製物として結晶化させた。この母液は蒸発後に残渣と
して単離される純粋な標記化合物を含んでいた。この標
記化合物は収量0.75g(理論の62.0%)で得られ、融点 168
°C(分解)、Rf値0.55および比旋光度〔α〕D 25= +11.
6 °(c=1, CH3OH)を有していた。
【0032】4.1.16 実施例16: (-)-(1R,5S,2''R)-3'-
ヒドロキシ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル
-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 a) 出発化合物:ここでおよび他の実施例で必要となる
( ±)-3'- ヒドロキシ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファンは従来未知の物質である。この物質は、例え
ば公知の2'- ヒドロキシ異性体に対して与えられた合成
法を利用し、m-メトキシベンジルリチウムをp-メトキシ
ベンジルリチウムの代わりに使用して調製できる〔DOS
2,027,077; CA 74, 125482X (1971)〕。環化を実施し
て、該ベンゾモルファン系を得る場合、2種の異性体化
合物が得られ、この場合混合物として更に反応に付され
る。最終的に得られる1'- ヒドロキシ- および3'- ヒド
ロキシ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベンゾモルファンの混
合物は、溶離液として酢酸エチル/メタノール/濃アン
モニアの80:20:5 混合物を使用する100 倍量のシリカゲ
ル(MN K 60, 230-400 メッシュASTM; マシュレー&ナー
ゲル製) 上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーに
より分離した。( ±)-1'- ヒドロキシ-5,9,9- トリメチ
ル-6,7- ベンゾモルファン(Rf =0.20)および( ±)-3'-
ヒドロキシ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベンゾモルファン
(Rf =0.14)が粘稠な油状物として1:2 の比率で得られた
(Rf 値: TLC,シリカゲル 60,上記の溶離液を使用)。 b) 標記化合物を得るための反応: 2.31 g(0.010 mol)
の(±)-3'- ヒドロキシ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベン
ゾモルファンおよび1.6g(0.013mol)の(R)-2-メトキシプ
ロピオン酸クロリドから、実施例1と同様にして予想さ
れたジアステレオマー塩基の混合物を得、これを実施例
2と同様にして100 倍量のシリカゲル上でのカラムクロ
マトグラフィーにより分離した。低移動度の物質(Rf =
0.65)を該実施例に記載の如く塩酸塩として結晶化させ
た。標記化合物を収量0.86g(50.6%)で得、これは融点24
0-242 °C(分解)および比旋光度〔α〕D 25= -90.9 °
(c=1;CH3OH)を有していた。
【0033】4.1.17 実施例17: (+)-(1S,5R,2''R)-3'-
ヒドロキシ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル
-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 実施例16で分離した高移動度の物質(Rf =0.74)を実施例
2と同様にして塩酸塩として結晶化させた。標記化合物
を収量1.28g(理論値の75.3%)で得、これは融点250-251
°C および比旋光度〔α〕D 25= +57.1 °(c=1; CH3OH)
を有していた。 4.1.18 実施例18: (+)-(1S,5R,2''S)-3'-ヒドロキシ-2
-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩 2.31 g(0.010 mol)の(±)-3'- ヒドロキシ-5,9,9- ト
リメチル-6,7- ベンゾモルファン(実施例16参照)およ
び1.60 g(0.013mol)の(S)-2-メトキシプロピオン酸クロ
リドから、実施例1と同様にして予想されたジアステレ
オマー塩基の混合物を得、これを実施例2と同様にして
100 倍量のシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー
により精製した。低移動度の物質(Rf =0.65)を該実施例
に記載の如く塩酸塩として結晶化させた。標記化合物を
収量0.57g(理論値の33.4%)で得、これは融点239-240 °
C(分解)および比旋光度〔α〕D 25= +90.7 °(c=1; CH
3OH)を有していた。 4.1.19 実施例19: (-)-(1R,5S,2''S)-3'-ヒドロキシ-2
-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩 実施例18で分離した高移動度の物質(Rf =0.74)を実施例
2と同様にして塩酸塩として結晶化させた。標記化合物
を収量0.67g(理論の39.2%)で得たが、これは融点250-25
1 °C(分解)および比旋光度〔α〕D 25= -56.5 °(c=
1; CH3OH)を有していた。
【0034】4.1.20 実施例20: (-)-(1R,5R,2''R)-1'-
ヒドロキシ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル
-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 2.31 g(0.010 mol)の(±)-1'- ヒドロキシ-5,9,9- ト
リメチル-6,7- ベンゾモルファン(実施例16参照)およ
び1.60 gの(R)-2-メトキシプロピオン酸クロリドから、
実施例1と同様にして予想されたジアステレオマー塩基
の混合物を得、これを実施例2と同様にして100 倍量の
シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより分離
した。低移動度の物質(Rf =0.52)を実施例2に記載の如
く塩酸塩として結晶化させた。標記化合物を収量0.70g
(理論の41.2%)で得、これは融点128-135 °C(分解)お
よび比旋光度〔α〕D 25= -100.5°(c=1; CH3OH)を有し
ていた。 4.1.21 実施例21: (+)-(1S,5S,2''R)-1'-ヒドロキシ-2
-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩 実施例20で分離した高移動度の物質(Rf =0.56)を実施例
2と同様に塩酸塩として結晶化させた。標記化合物を収
量0.40g(理論の23.6%)で得、これは融点88-89°C(分
解)および比旋光度〔α〕D 25= 50.4°(c=1; CH3OH)を
有していた。 4.1.22 実施例22: (+)-(1S,5S,2''S)-1'-ヒドロキシ-2
-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩 2.31 g(0.010 mol)の(±)-1'- ヒドロキシ-5,9,9- ト
リメチル-6,7- ベンゾモルファン(実施例16参照)およ
び1.60 g(0.013mol)の(S)-2-メトキシプロピオン酸クロ
リドから、実施例1と同様にして予想されたジアステレ
オマー塩基の混合物を得、これを実施例2と同様にして
100 倍量のシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー
により分離した。低移動度の物質(Rf =0.52)を実施例2
に記載の如く塩酸塩として結晶化させた。標記化合物を
収量0.63g(理論値の36.8%)で得、これは融点85-90 °C
および比旋光度〔α〕D 25= +96.2 °(c=1; CH3OH)を有
していた。 4.1.23 実施例23: (-)-(1R,5R,2''S)-1'-ヒドロキシ-2
-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩 実施例22で分離した高移動度の物質(Rf =0.56)を実施例
2と同様に塩酸塩として結晶化させた。標記化合物を収
量0.50g(理論の29.4%)で得、これは融点90-91°C(分
解)および比旋光度〔α〕D 25= -64.0 °(c=1; CH3OH)
を有していた。
【0035】4.1.24 実施例24: (-)-(1R,5S,2''R)-4'-
ヒドロキシ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル
-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 a) 出発化合物の調製:ここでおよび他の実施例で必要
となる( ±)-4'- ヒドロキシ-5,9,9- トリメチル-6,7-
ベンゾモルファンは従来未知の物質である。この物質
は、例えば公知の2'- ヒドロキシ異性体に対して与えら
れた合成法を利用し、o-メトキシベンジルリチウムをp-
メトキシベンジルリチウムの代わりに使用して調製でき
る〔DOS 2,027,077; CA 74, 125482X (1971)〕。所定の
化合物をイソプロパノール−石油エーテルから塩基とし
て結晶化した。融点は227 °C であった。薄層クロマト
グラフィー(シリカゲル60, クロロホルム/メタノール
/濃アンモニア; 65:35:3)において、この化合物はRf値
0.20を与えた。 b) 標記化合物を得るための反応: 2.31 g(0.010 mol)
の(±)-4'- ヒドロキシ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベン
ゾモルファンおよび1.6g(0.01 mol)の(R)-2-メトキシプ
ロピオン酸クロリドから、実施例1と同様に予想された
塩基の混合物(3.0 g)を得、これを実施例2と同様に45
0gのシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより
分離した。0.9gの低移動度の化合物(Rf =0.34)および1.
3gの高移動度化合物(Rf =0.43)を得た。前者を実施例2
に記載の如く塩酸塩として結晶化させた。かくして標記
化合物を収量0.95g(理論値の55.9%)で得、これは融点26
3 °C(分解)および比旋光度〔α〕D 25= -86.9 °(c=
1; CH3OH)を有していた。
【0036】4.1.25 実施例25: (+)-(1S,5R,2''R)-4'-
ヒドロキシ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル
-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 実施例24で分離した高移動度の化合物(Rf =0.43)を実施
例2と同様に塩酸塩として結晶化した。標記化合物を収
量1.23g(理論値の72.4%)で得、これは融点258°C(分
解)および比旋光度〔α〕D 25= +51.7 °(c=1; CH3OH)
を有していた。 4.1.26 実施例26: (+)-(1S,5R,2''S)-4'-ヒドロキシ-2
-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩 2.31 g(0.010 mol)の(±)-4'- ヒドロキシ-5,9,9- ト
リメチル-6,7- ベンゾモルファン(実施例24参照)およ
び1.6g(0.013mol)の(S)-2-メトキシプロピオン酸クロリ
ドから、実施例1と同様にして予想されたジアステレオ
マー塩基の混合物(3.1 g)を得、これを実施例2と同様
にして450gのシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィ
ーにより分離した。1.0gの低移動度の化合物(Rf =0.34)
および1.2gの高移動度化合物を得た。前者を実施例2に
記載の如く塩酸塩として結晶化させた。かくして標記化
合物を収量1.15g(理論値の67.7%)で得、これは融点260
°C(分解)および比旋光度〔α〕D 25= -51.2 °(c=1;
CH3OH)を有していた。 4.1.27 実施例27: (-)-(1R,5S,2''S)-4'-ヒドロキシ-2
-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩 実施例26で分離した高移動度の化合物(Rf =0.43)を実施
例2と同様に塩酸塩として結晶化した。標記化合物を収
量0.95g(理論値の55.9%)で得、これは融点261°C(分
解)および比旋光度〔α〕D 25= +86.1 °(c=1; CH3OH)
を有していた。
【0037】4.1.28 実施例28: (-)-(1R,5S,2''R)-2'-
メトキシ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-
6,7- ベンゾモルファンメタンスルホン酸塩 2.45 g(0.010 mol)の(-)-2'- メトキシ-5,9,9- トリメ
チル-6,7- ベンゾモルファン〔DOS 2,027,077; CA 1254
82x (1971)〕および1.35g(0.011 mol)の(R)-2-メトキシ
プロピオン酸クロリドから、実施例1と同様にして遊離
塩基(2.3g)として立体的に均一な標記化合物を得、これ
を5mlの乾燥エタノールに溶解した。メタンスルホン酸
で酸性とした後、生成したこの溶液に、濁りが生ずる直
前までジエチルエーテルを添加した。このメタンスルホ
ン酸塩を結晶化させつつ、等量のエーテルを撹拌しつつ
再度徐々に添加した。次いで、この反応混合物を氷浴内
で4時間に渡り冷却し、吸引濾過し、次いでエタノール
とエーテルとの1:2 混合物でまず洗浄し、次にエーテル
のみで洗浄した。最終的に80°C となるように乾燥し、
標記化合物を収量3.3 g(理論値の79.8%)で得た。この化
合物は融点165-166°C(分解)および比旋光度〔α〕D
25= -92.4 °(c=1; CH3OH)を有していた。 4.1.29 実施例29: (+)-(1S,5R,2''S)-2'-メトキシ-2-
(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファンメタンスルホン酸塩 2.45 g(0.010 mol)の(+)-2'- メトキシ-5,9,9- トリメ
チル-6,7- ベンゾモルファン〔DOS 2,027,077; CA 74,
125482x (1971)〕および1.35g(0.011 mol)の(S)-2-メト
キシプロピオン酸クロリドから、実施例28と同様にして
標記化合物を収量3.1 g(理論値の75.0%)で得た。この化
合物は融点165-167 °C(分解)および比旋光度〔α〕D
25= +92.3 °(c=1; CH3OH)を有していた。
【0038】4.1.30 実施例30: (-)-(1R,5S,2''R)-2-
(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩 a) 出発化合物の調製:ここでおよび他の実施例で必要
となる(±)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモルファン
は従来未知の物質である。この物質は、例えば公知の2'
- ヒドロキシ誘導体に対して与えられた合成法を利用
し、ベンジルリチウムをp-メトキシベンジルリチウムの
代わりに使用して調製できる〔DOS 2,027,077; CA 74,
125482X (1971)〕。所定の化合物をイソプロパノール−
エーテル混合物から臭化水素酸塩として結晶化した。融
点は259 °C(分解)であった。 b) 標記化合物を得るための反応: 2.96 g(0.010mol)の
(±)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモルファンおよび
1.35g(0.011 mol)の(R)-2-メトキシプロピオン酸クロリ
ドから、実施例1と同様にして予想されたジアステレオ
マーの混合物を得た。これを実施例2と同様にして150
倍量のシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによ
り分離した。低移動度の物質(Rf =0.63)を該実施例に記
載の如く塩酸塩として結晶化させた。かくして標記化合
物を収量1.3 g(理論値の76.5%)で得たが、これは融点22
5 °C(分解)および比旋光度〔α〕D 25= -101.7°(c=
1; CH 3OH)を有していた。 4.1.31 実施例31: (+)-(1S,5R,2''R)-2-(2-メトキシプ
ロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモルファンオキ
サレート 実施例30で分離した高移動度の化合物(Rf =0.67)を5ml
のエタノールに溶解した。蓚酸で酸性とした後、この溶
液を濁りが生ずる直前までジエチルエーテルと混合し
た。次いで行われる結晶化の際に、元の量の半分のエー
テルを徐々に添加し、この混合物を約12時間冷蔵庫内で
放置した。吸引濾過し、エタノール/エーテル混合物で
洗浄し、80°C にて乾燥して、標記化合物を収量1.1 g
(理論値の60.4%)で得たが、これは融点135 °C(分解)
および比旋光度〔α〕D 25= +60.2 °(c=1; CH3OH)を有
していた。
【0039】4.1.32 実施例32: (-)-(1R,5S,2''R)-2-
(2-メトキシプロピル)-2',5,9,9- テトラメチル-6,7-
ベンゾモルファン塩酸塩 a) 出発化合物の調製:ここでおよび他の実施例で必要
となる(±)-2',5,9,9-テトラメチル-6,7- ベンゾモル
ファンは従来未知の物質である。この物質は、例えば公
知の2'- ヒドロキシ類似体に対して与えられた合成法を
利用し、p-メチルベンジルリチウムをp-メトキシベンジ
ルリチウムの代わりに使用して調製できる。かくして得
た中間生成物をイソプロピルアルコール/ジエチルエー
テル混合物から臭化水素酸塩として結晶化させた。この
ものは分解を伴って227 °C で融解した。 b) 標記化合物を得るための反応: 1.51 g(5 mM)の
(±)-2',5,9,9- テトラメチル-6,7- ベンゾモルファン
および0.68g(5.5 mM) の (R)-2- メトキシプロピオン酸
クロリドから、実施例1と同様に予想されたジアステレ
オマー塩基の混合物を得た。これを実施例1と同様に塩
酸塩として結晶化し、かつ分離した。かくして標記化合
物を収量0.7 g(再結晶後に理論値の47.3%)で得、これは
融点212 °C(分解)および比旋光度〔α〕D 25= -110.0
°(c=1; CH3OH)を有していた。 4.1.33 実施例33: (+)-(1S,5R,2''S)-2-(2-メトキシプ
ロピル)-2',5,9,9- テトラメチル-6,7- ベンゾモルファ
ン塩酸塩 1.51 g(5 mM)の(±)-2',5,9,9- テトラメチル-6,7- ベ
ンゾモルファンおよび0.68g(5.5 mM) の (S)-2- メトキ
シプロピオン酸クロリドから、実施例32と同様にして標
記化合物を収量0.4 g(理論値の47.3%)で得、これは融点
212 °C(分解)および比旋光度〔α〕D 25= +111.8°(c
=1; CH3OH)を有していた。
【0040】4.1.34 実施例34: (-)-(1R,5S,2''R)-2'-
アミノ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7
- ベンゾモルファン二塩酸塩 a) 出発化合物の調製:ここでおよび他の実施例で必要
となる(±)-2'- ニトロ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベン
ゾモルファンは従来未知の物質である。この物質は、例
えばE.L.(May) E.M.(Fry), J. Org. Chem., 1957, 22,
p. 1366 に記載の方法と同様にして(±)-5,9,9-トリメ
チル-6,7- ベンゾモルファン(実施例30参照)のニトロ
化により調製できる。かくして得た中間化合物をエタノ
ール/エーテル混合物から塩酸塩として結晶化させた。
このものは分解を伴って289 °C で溶融した。 b) アシル化: 2.97 g(0.01 mol)の(±)-2'- ニトロ-
5,9,9- トリメチル-6,7-ベンゾモルファン塩酸塩を、実
施例1と同様に3.04 g(0.03 mol)のトリエチルアミンの
存在下で、1.35g(0.011 mol)の (R)-2- メトキシプロピ
オン酸クロリドでアシル化した。このアシル化の完了
後、3.5 g(理論の約100%) の式(3) の中間生成物が得ら
れた。 c) 2'- ニトロ基から2'- アミノ基への接触水添: 3.5g
の工程b)で得た中間生成物を70mlのメタノールに溶解
し、水素圧5バールの下で、20°C にて0.4gのパラジウ
ム担持炭素(Pd含有率: 5%)の存在下で水添を実施し
た。水素の取り込みは4時間後に終了し、これは計算量
の水素の消費後であった。該触媒を濾過により除去した
後、この反応混合物を水流ポンプの最大真空度にて最終
的に80°C となるように蒸発させた。残渣:3.1 g(理論
の約100%)。 d) リチウムアルミニウムハイドライドによる還元: 上
記の蒸発残渣(3.1g)を1.3gのリチウムアルミニウムハイ
ドライド(リチウムテトラヒドリドアラナート)を使用
して実施例1と同様に還元した。生成した2種の予想さ
れたジアステレオマー塩基の混合物(2.7g)を、500gのシ
リカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、実施
例2と同様に分離した。低移動度の物質(0.7g; Rf =0.6
5)を、実施例2と同様にして(但し、2当量の塩酸を使
用)、2塩酸塩として結晶化させた。かくして、標記化
合物を収量0.95g(理論値の50.6%)で得たが、これは融点
260°C(分解)および比旋光度〔α〕D 25= -93.4 °(c=
1; CH3OH)を有していた。
【0041】4.1.35 実施例35: (+)-(1S,5R,2''R)-2'-
アミノ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7
- ベンゾモルファンジメタンスルホネート 実施例34で分離した高移動度の化合物(Rf =0.70)0.9gを
実施例28と同様に(但し、2当量のメタンスルホン酸を
使用)、メタノールとジエチルエーテルとの混合物から
結晶化した。かくして、標記化合物を収量0.48g(理論値
の19.4%)で得、これは融点189 °C(分解)および比旋光
度〔α〕D 25= +55.6 °(c=1; CH3OH)を有していた。 4.1.36 実施例36: (+)-(1S,5R,2''S)-2'-アミノ-2-(2-
メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモル
ファン塩酸塩 2.97 g(0.01 mol)の(±)-2'- ニトロ-5,9,9- トリメチ
ル-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩3.04g(0.03mol)のトリ
エチルアミンおよび1.35g(0.011 mol)の(S)-2-メトキシ
プロピオン酸クロリドから、実施例34と同様にアシル化
生成物3.5g(理論値の約100%)を得た。これを該実施例
と同様に接触的に水添し(3.2gの水添生成物を形成)、
次いでリチウムアルミニウムハイドライド(リチウムテ
トラヒドロアラナート)で還元した。予想されたジアス
テレオマー塩基の混合物からなる該還元生成物(2.8g)を
10mlのイソプロパノールに加熱しつつ溶解した。この混
合物を冷蔵庫にて約12時間放置した後、クロマトグラフ
ィーにおいて低移動度(Rf=0.65)を有する物質を塩基(0.
75g; 理論値の 49.0%)として結晶化した。このものの
融点は142 °C であった。このもの0.3gを実施例32と同
様にして二塩酸塩として結晶化させた。かくして、標記
化合物を収量0.37g で得、これは融点265 °C(分解)お
よび比旋光度〔α〕D 25= +92.5 °(c=1; CH3OH)を有し
ていた。
【0042】4.1.37 実施例37: (-)-(1R,5S,2''S)-2'-
アミノ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7
- ベンゾモルファン二塩酸塩 実施例34のイソプロパノール母液を蒸発させ、得られた
残渣(2.0g)を実施例2と同様にして300gのシリカゲル上
でカラムクロマトグラフィー処理した。高移動度のジア
ステレオマー(1.2g; Rf =0.70)を、別の低移動度の物質
(0.3g; Rf =0.65,実施例34) と共に実施例32と同様に二
塩酸塩として結晶化させた。かくして、標記化合物を収
量1.48g(理論値の78.8%)で得、これは融点259 °C(分
解)および比旋光度〔α〕D 25= -68.4 °(c=1; CH3OH)
を有していた。 4.1.38 実施例38: (±)-2'- ヒドロキシ-2-(2-メトキ
シイソブチル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモルファ
ン臭化水素酸塩 1.16 g(0.005mol)の(±)-2'- ヒドロキシ-5,9,9- トリ
メチル-6,7- ベンゾモルファンおよび0.75g(0.055 mol)
の2-メトキシイソ酪酸クロリドから、まず実施例1と同
様にして塩基形状の標記化合物(1.1g)を得た。これを5
mlのメタノールに溶解し、62% HBr により酸性とした
後、この溶液を濁りが発生し始めるまでジエチルエーテ
ルと混合した。これを冷蔵庫内で約12時間放置すると、
標記化合物が晶出したので、これを吸引濾過し、エタノ
ール/エーテル混合物で洗浄し、80°C で乾燥した。収
量は1.1g( 理論値の55.2%)であり、これは融点232 °C
(分解)を有していた。メタノール/エーテル混合物か
ら再結晶した試料は分解を伴って240 °C で溶融した。
【0043】4.1.39 実施例39: (-)-(1R,5S,2''R)-2'-
ヒドロキシ-2-(2-メトキシブチル)-5,9,9-トリメチル-
6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 a) 出発化合物の調製:ここでおよび他の実施例で必要
となる(R)-2-メトキシ酪酸クロリドは、例えば公知の
(R)-2-メトキシ酪酸〔N.K.コシュトコフ(Kochetkov)
等, Tetrahedron, 1969, 25, p. 2313〕と、塩化チオニ
ルとから周囲温度にて調製できる。過剰の塩化チオニル
の除去後に残されるこの酸クロリドを、更に精製するこ
となく次の反応工程で使用した。 b) 標記化合物を得るための反応: 3.47g(0.015 mol)の
(±)-2'- ヒドロキシ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファンおよび2.46g(0.018 mol)の (R)-2- メトキシ
酪酸クロリドから、実施例1と同様にして、標記化合物
を収量1.8 g(理論値の67.8%)で得た。これは比旋光度
〔α〕D 25= -118.4°(c=1; CH3OH)を有していた。 4.1.40 実施例40: (+)-(1S,5R,2''R)-2'-ヒドロキシ-2
-(2-メトキシブチル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモ
ルファン塩酸塩 実施例39で得た母液を蒸発させた。この残渣から標記化
合物を実施例2と同様にして収量1.3 g(理論値の48.9%)
で得、これは融点228 °C(分解)および比旋光度〔α〕
D 25= +79.9 °(c=1; CH3OH)を有していた。
【0044】4.1.41 実施例41: (-)-(1R,5S,2''S)-2'-
ヒドロキシ-2-(2-メトキシブチル)-5,9,9-トリメチル-
6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 a) 出発化合物の調製:ここでおよび他の実施例で必要
となる(S)-2-メトキシ酪酸クロリドは、例えば公知の
(S)-2-メトキシ酪酸〔Tetrahedron, 1969, 25, p.232
2〕から実施例39と同様にして調製できる。 b) 標記化合物を得るための反応: 3.47g(0.015 mol)の
(±)-2'- ヒドロキシ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファンおよび2.46g(0.018 mol)の (S)-2- メトキシ
酪酸クロリドから、実施例1と同様にして、標記化合物
を収量1.6 g(理論値の60.3%)で得た。これは融点246 °
C(分解)および比旋光度〔α〕D 25= +119.2°(c=1; CH
3OH)を有していた。 4.1.42 実施例42: (+)-(1S,5R,2''S)-2'-ヒドロキシ-2
-(2-メトキシブチル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモ
ルファン塩酸塩 実施例41で得た母液を蒸発させた。この残渣から標記化
合物を実施例2と同様にして収量0.6 g(理論値の22.6%)
で得、これは融点228 °C(分解)および比旋光度〔α〕
D 25= -71.7 °(c=1; CH3OH)を有していた。
【0045】4.1.43 実施例43: (-)-(1R,5S,2''R)-2-
(2-ベンジルオキシプロピル)-2'- ヒドロキシ-5,9,9-
トリメチル-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 a) 出発化合物の調製:ここでおよび他の実施例で必要
となる(R)-2-ベンジルオキシプロピオン酸クロリドは、
例えば以下の如く調製できる。市販のイソブチル(R)-
(+)-ラクテートを酸化銀の存在下でベンジルブロミドに
よりo-ベンジル化した。次いで、水酸化ナトリウム溶液
で鹸化することにより(R)-2-ベンジルオキシプロピオン
酸を得た。これは比旋光度〔α〕D 25= +79.5 °(c=1;
CH3OH)を有していた。対応する酸クロリドを実施例39と
同様にして、この酸から得ることができた。 b) 標記化合物を得るための反応: 3.47g(0.015 mol)の
(±)-2'- ヒドロキシ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファンおよび3.3g(0.0165 mol)の (R)-2- ベンジル
オキシプロピオン酸クロリドから、実施例1と同様に、
予想されたジアステレオマーの混合物を得た。これを該
実施例記載の如く対応する塩酸塩の結晶化により分離し
た。かくして、標記化合物を収量2.39g(理論値の76.6%)
で得た。これは融点250 °C(分解)および比旋光度
〔α〕D 25= -119.3°(c=1; CH3OH)を有していた。
【0046】4.1.44 実施例44: (+)-(1S,5R,2''S)-2-
(2-ベンジルオキシプロピル)-2'- ヒドロキシ-5,9,9-
トリメチル-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 a) 出発化合物の調製:ここでおよび他の実施例で必要
となる(S)-2-ベンジルオキシプロピオン酸クロリドは、
例えば(S)-2-ベンジルオキシプロピオン酸から実施例43
と同様にして調製できる。このものの比旋光度は〔α〕
D 25= -78.5 °(c=1; CH3OH)。 b) 標記化合物を得るための反応: 3.47g(0.015 mol)の
(±)-2'- ヒドロキシ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファンおよび3.3g(0.0165 mol)の (S)-2- ベンジル
オキシプロピオン酸クロリドから、実施例43と同様にし
て、標記化合物を収量2.56g(理論値の82.1%)で得た。こ
れは融点250 °C(分解)および比旋光度〔α〕D 25= +1
19.5°(c=1; CH3OH)を有していた。 4.1.45 実施例45: (-)-(1R,5S,2''R)-2'-ヒドロキシ-2
-(2-メチルチオプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベン
ゾモルファン塩酸塩 a) 出発化合物の調製:ここでおよび他の実施例で必要
となる(R)-2-メチルチオプロピオン酸クロリドは、例え
ば(R)-2-メチルチオプロピオン酸から実施例39と同様に
して調製できる〔L.N.オーエン(Owen)等, J. Chem. So
c., (c) 1971, p.2432〕。 b) 標記化合物を得るための反応: 1.62g(0.007 mol)の
(±)-2'- ヒドロキシ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファンを、実施例1と同様にして1.07g(7.7mM)の
(R)-2- メチルチオプロピオン酸クロリドと反応させ
た。この反応生成物をリチウムアルミニウムハイドライ
ド(LiAlH4)で還元した後、予想されたジアステレオマー
の混合物を得、これらを硝酸塩の結晶化により分離し
た。65% 硝酸で酸性とし、濁りが生ずる直前までジエチ
ルエーテルを添加した後、エタノールから結晶化した物
質を冷蔵庫にて約12時間放置し、次いで吸引濾過し、エ
タノールとエーテルとの混合物で洗浄した後、80°C に
て乾燥した。この硝酸塩(0.67 g)を沸騰エタノールから
再結晶し、次に遊離塩基に転化し、最後に実施例2と同
様にして塩酸塩として結晶化させた。かくして、標記化
合物を収量0.43g(理論値の34.4%)で得た。これは融点26
5 °C(分解)および比旋光度〔α〕D 25= -135.1°(c=
0.5; CH3OH)を有していた。
【0047】4.1.46 実施例46: (+)-(1S,5R,2''R)-2'-
ヒドロキシ-2-(2-メチルチオプロピル)-5,9,9-トリメチ
ル-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 実施例45で得た初めの硝酸塩の結晶化の際の母液を蒸発
させ、得られた硝酸塩の残渣を遊離塩基に転化した。こ
れ(1g)を実施例55に記載するように20gの酸化アルミニ
ウム上で濾過し、次いで塩酸塩として結晶化(エタノー
ル/エーテル)した。この塩酸塩(0.29 g)を2mlのメタ
ノールとジエチルエーテルとの混合物から再結晶した。
かくして、標記化合物を収量0.21g(理論値の16.8%)で
得、これは融点238 °C(分解)および比旋光度〔α〕D
25= +73.0 °(c=0.5; CH3OH)を有していた。 4.1.47 実施例47: (-)-(1R,5S,2''S)-2'-ヒドロキシ-2
-(2-メチルチオプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベン
ゾモルファン塩酸塩 a) 出発化合物の調製:ここでおよび他の実施例で必要
となる(S)-2-メチルチオプロピオン酸クロリドは、例え
ば(S)-2-メチルチオプロピオン酸から実施例39と同様に
して調製できる〔J. Chem. Soc., 1971, p. 2437〕。 b) 標記化合物を得るための反応: 1.62g(0.007 mol)の
(±)-2'- ヒドロキシ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファンから実施例45と同様にして収量0.42g(理論値
の33.6%)で得た。これは融点265 °C(分解)および比旋
光度〔α〕D 25=+135.1°(c=0.5; CH3OH)を有してい
た。 4.1.48 実施例48: (-)-(1R,5S,2''S)-2'-ヒドロキシ-2
-(2-メチルチオプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベン
ゾモルファン塩酸塩 実施例47の硝酸塩母液から、実施例46と同様にして標記
化合物を収量0.34g(理論の27.2%)で得た。このものは融
点238 °C(分解)および比旋光度〔α〕D 25=-73.9 °
(c=0.5; CH3OH)を有していた。
【0048】4.1.49 実施例49: (+)-(1S,5R,2''S)-2-
(2-アリルオキシプロピル)-2'- ヒドロキシ- 5,9,9-ト
リメチル-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 a) 出発化合物の調製:ここでおよび他の実施例で必要
となる(S)-(-)-2-アリルオキシプロピオン酸クロリド
は、例えば以下の如く調製できる。即ち、市販のエチル
(S)-(-)-ラクテートを酸化銀の存在下でアリルブロミド
によりo-アリル化した。次いで、水酸化ナトリウム溶液
で鹸化することにより(S)-2-アリルオキシプロピオン酸
を得た。これは圧力15バールの下で沸点110-112 °C を
有し、比旋光度〔α〕D 25= 78.4°(c=1; CH3OH)を有し
ていた。対応する酸クロリドを実施例39と同様にして、
この酸から得ることができた。 b) 標記化合物を得るための反応: 3.47g(0.015 mol)の
(±)-2'- ヒドロキシ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファンおよび3.3g(0.0165 mol)の (S)-2- アリルオ
キシプロピオン酸クロリドから、実施例1と同様にして
2種の予想されたジアステレオマーの混合物を得、これ
らを該実施例に記載の如く対応する塩酸塩の結晶化によ
り分離した。かくして、標記化合物を収量1.4 g(理論値
の51.0%)で得た。これは融点245 °C(分解)および比旋
光度〔α〕D 25= +120°(c=1; CH3OH)を有していた。 4.1.50 実施例50: (-)-(1S,5R,2''S)-2-(2-アリルオキ
シプロピル)-2'- ヒドロキシ- 5,9,9-トリメチル-6,7-
ベンゾモルファン塩酸塩 実施例49で得た母液を蒸発させた。得られた残渣から、
実施例2と同様にして標記化合物を収量0.62g(理論の2
2.6%)で得た。このものは融点213 °C および比旋光度
〔α〕D 25= -38.6 °(c=1; CH3OH)を有していた。
【0049】4.1.51 実施例51: (-)-(1R,5S,2''R)-2'-
ヒドロキシ-2-(2-フェノキシプロピル)-5,9,9-トリメチ
ル-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 2.31g(0.010 mol)の(±)-2'- ヒドロキシ-5,9,9- トリ
メチル-6,7- ベンゾモルファンおよび2.03g(0.011 mol)
の (R)-2- フェノキシプロピオン酸クロリド(実施例39
と同様に公知の酸から調製した(CA 72, 12917d))を実施
例1と同様にして反応させた。予想された2種のジアス
テレオマーの混合物が得られ、これらを該実施例に記載
の如く対応する塩酸塩として分離した。かくして、標記
化合物を収量1.6 g(理論値の79.6%)で得た。これは融点
279 °C(分解)および比旋光度〔α〕D 25= -142.9°(c
=1; CH3OH)を有していた。 4.1.52 実施例52: (+)-(1S,5R,2''S)-2'-ヒドロキシ-2
-(2-フェノキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベン
ゾモルファン塩酸塩 (S)-2-フェノキシプロピオン酸クロリドを使用して実施
例1と同様に処理し、標記化合物を収量1.6 g で得た。
これは比旋光度〔α〕D 25= +143.3°(c=1; CH 3OH)を有
していた。
【0050】4.1.53 実施例53: (-)-(1R,5S,2''R)-3'-
ヒドロキシ-2-(2-メトキシプロピル)- 5,9,9,2'-テトラ
メチル-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 a) 出発化合物:ここでおよび他の実施例で必要となる
(+/-)-3'- ヒドロキシ-5,9,9,2'-テトラメチル-6,7- ベ
ンゾモルファンは未知の化合物である。これは、例えば
公知の2'- ヒドロキシ誘導体に対して与えられた合成法
〔DOS 2,027,077;CA 74, (1971), 125482x 〕を利用し
て、3-メトキシ-4- メチルベンジルリチウムをp-メトキ
シベンジルリチウムの代わりに使用して調製できる。該
ベンゾモルファン系への環化の際に支配的に得られる該
3'- ヒドロキシ-5,9,9,2'-テトラメチル-6,7- ベンゾモ
ルファンはフラッシュカラムクロマトグラフィーにより
精製した(実施例16参照)。 b) 標記化合物を得るための反応: 2.44g(0.010 mol)の
(+/-)-3'- ヒドロキシ-5,9,9,2'-テトラメチル-6,7- ベ
ンゾモルファンおよび1.6g(0.013mol)の (R)-2-メトキ
シプロピオン酸クロリドから、実施例1と同様にして予
想されたジアステレオマーの混合物を得、これらを実施
例2に記載の如く100 倍量のシリカゲル上でのカラムク
ロマトグラフィーにより分離した。低移動度の物質(Rf
=0.25)を塩酸塩として結晶化した。かくして、標記化合
物を収量1.06g(理論値の59.9%)で得た。これは融点 181
-182°C および比旋光度〔α〕D 25= -89.5 °(c=1; CH
3OH)を有していた。 4.1.54 実施例54: (+)-(1S,5R,2''R)-3'-ヒドロキシ-2
-(2-メトキシプロピル)- 5,9,9,2'-テトラメチル-6,7-
ベンゾモルファン塩酸塩 実施例53で分離された高移動度の物質(Rf =0.34)を実施
例2と同様に塩酸塩として沈澱させた。かくして、標記
化合物を収量1.24g(理論値の70.1%)で、アモルファス粉
末として得た。このものの比旋光度〔α〕D 25= +55.9
°(c=1; CH3OH)であった。
【0051】4.1.55 実施例55: (+)-(1S,5R,2''S)-3'-
ヒドロキシ-2-(2-メトキシプロピル)- 5,9,9,2'-テトラ
メチル-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 2.44g(0.010 mol)の(+/-)-3'- ヒドロキシ-5,9,9,2'-テ
トラメチル-6,7- ベンゾモルファン(実施例53参照)お
よび1.6g(0.013mol)の (S)-2- メトキシプロピオン酸ク
ロリドから、実施例1と同様にして予想されたジアステ
レオマーの混合物を得、これらを実施例2に記載の如く
100 倍量のシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー
により分離した。低移動度の物質(Rf =0.25)を塩酸塩と
して結晶化した。かくして、標記化合物を収量1.48g(理
論値の83.6%)で得た。これは融点186-188°C および比
旋光度〔α〕D 25= +88.2 °(c=1; CH3OH)を有してい
た。 4.1.56 実施例56: (-)-(1R,5S,2''S)-3'-ヒドロキシ-2
-(2-メトキシプロピル)- 5,9,9,2'-テトラメチル-6,7-
ベンゾモルファン塩酸塩 実施例55で分離された高移動度の物質(Rf =0.34)を実施
例2と同様に塩酸塩として沈澱させた。かくして、標記
化合物を収量1.40g(理論値の79.1%)で、アモルファス粉
末として得た。このものの比旋光度〔α〕D 25= -56.8
°(c=1; CH3OH)であった。
【0052】4.1.57 実施例57: (-)-(1R,5S,2''R)-2'-
ヒドロキシ-2-(2-メトキシプロピル)- 5,9,9,3'-テトラ
メチル-6,7- ベンゾモルファンメタンスルホン酸塩 a) 出発化合物:ここでおよび他の実施例で必要となる
(+/-)-2'- ヒドロキシ-5,9,9,3'-テトラメチル-6,7- ベ
ンゾモルファンは未知の化合物である。これは、例えば
公知の2'- ヒドロキシ誘導体に対して与えられた合成法
〔DOS 2,027,077;CA 74, (1971), 125482x 〕を利用し
て、4-メトキシ-3- メチルベンジルリチウムをp-メトキ
シベンジルリチウムの代わりに使用して調製できる。該
ベンゾモルファン系への環化の際に支配的に得られる該
2'- ヒドロキシ-5,9,9,3'-テトラメチル-6,7- ベンゾモ
ルファンはフラッシュカラムクロマトグラフィーにより
精製した(実施例16参照)。 b) 標記化合物を得るための反応: 2.44g(0.010 mol)の
(+/-)-2'- ヒドロキシ-5,9,9,3'-テトラメチル-6,7- ベ
ンゾモルファンおよび1.6g(0.013mol)の (R)-2-メトキ
シプロピオン酸クロリドから、実施例1と同様にして予
想されたジアステレオマー塩基の混合物を得、これらを
実施例2に記載の如く100 倍量のシリカゲル上でのカラ
ムクロマトグラフィーにより分離した。低移動度の物質
(Rf =0.26)をメタンスルホン酸塩として結晶化した。か
くして、標記化合物を収量1.64g(理論値の79.3%)で得
た。これは融点 266-268°C および比旋光度〔α〕D 25
= -95.4 °(c=1; CH3OH)を有していた。
【0053】4.1.58 実施例58: (+)-(1S,5R,2''R)-2'-
ヒドロキシ-2-(2-メトキシプロピル)- 5,9,9,3'-テトラ
メチル-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 実施例55で分離された高移動度の物質(Rf =0.29)を実施
例2と同様に塩酸塩として沈澱した。かくして、標記化
合物を収量1.60g(理論値の90.4%)で、アモルファス粉末
として得た。このものの比旋光度〔α〕D 25= +73.4 °
(c=1; CH3OH)であった。 4.1.59 実施例59: (+)-(1S,5R,2''S)-2'-ヒドロキシ-2
-(2-メトキシプロピル)- 5,9,9,3'-テトラメチル-6,7-
ベンゾモルファンメタンスルホン酸塩 2.44g(0.010 mol)の(+/-)-2'- ヒドロキシ-5,9,9,3'-テ
トラメチル-6,7- ベンゾモルファン(実施例57参照)お
よび1.6g(0.013mol)の(S)-2-メトキシプロピオン酸クロ
リドから、実施例1と同様に予想されたジアステレオマ
ー塩基の混合物を得、これらを実施例2に記載の如く10
0 倍量のシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーに
より分離した。低移動度の物質(Rf =0.26)をメタンスル
ホン酸塩として結晶化し、標記化合物を収量1.56g(理論
値の88.1%)で得た。これは融点 265-267°C および比旋
光度〔α〕D 25= +96.9 °(c=1; CH3OH)を有していた。 4.1.60 実施例60: (-)-(1R,5S,2''S)-2'-ヒドロキシ-2
-(2-メトキシプロピル)- 5,9,9,3'-テトラメチル-6,7-
ベンゾモルファン塩酸塩 実施例59で分離した高移動度の物質(Rf =0.29)を実施例
2と同様に塩酸塩として沈澱させ、標記化合物を収量1.
36g(理論値の76.8%)で、アモルファス粉末として得た。
このものは比旋光度〔α〕D 25= -74.9 °(c=1; CH3OH)
であった。
【0054】4.1.61 実施例61: (-)-(1R,5S,2''R)-2',
3'- ジヒドロキシ-2-(2-メトキシプロピル)- 5,9,9- ト
リメチル-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 a) 出発化合物:ここでおよび他の実施例で必要となる
(+/-)-2',3'-ジヒドロキシ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベ
ンゾモルファンは未知の化合物である。これは、例えば
公知の2'- ヒドロキシ誘導体に対して与えられた合成法
〔DOS 2,027,077;CA 74, (1971), 125482x 〕を利用し
て、3,4-ジメトキシベンジルリチウムをp-メトキシベン
ジルリチウムの代わりに使用して調製できる。該ベンゾ
モルファン系への環化の際に支配的に得られる該2',3'-
ジヒドロキシ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベンゾモルファ
ンはフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し
た(実施例16参照)。 b) 標記化合物を得るための反応: 8.51g(0.03mol)の(+
/-)-2',3'-ジヒドロキシ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベン
ゾモルファン塩酸塩および4.1g(0.033mol)の (R)-2- メ
トキシプロピオン酸クロリドから、実施例1と同様にし
て予想されたジアステレオマー塩基の混合物を得、これ
らを実施例2に記載の如く100 倍量のシリカゲル上での
カラムクロマトグラフィーにより分離した。低移動度の
物質(Rf =0.21)を塩酸塩として結晶化した。かくして、
標記化合物を収量2.54g(理論値の47.6%)で得た。これは
融点 167°C(分解)および比旋光度〔α〕D 25= -98.6
°(c=0.5; CH3OH)を有していた。 4.1.62 実施例62: (+)-(1S,5R,2''R)-2',3'- ジヒドロ
キシ-2-(2-メトキシプロピル)- 5,9,9- トリメチル-6,7
- ベンゾモルファン塩酸塩 実施例61で分離した高移動度の物質(Rf =0.29)を実施例
2と同様に塩酸塩として沈澱させ、標記化合物を収量2.
28g(理論値の42.7%)で得た。これは融点 251°C(分解)
および比旋光度〔α〕D 25= +64.3 °(c=0.5; CH3OH)で
あった。
【0055】4.2 工程3.2 による化合物(1) 4.2.1 実施例63: (±)-2'- ヒドロキシ-2-(2-メトキシ
エチル)- 5,9,9- トリメチル-6,7- ベンゾモルファン臭
化水素酸塩 0.6 g(0.003 mol)の(±)-2'-ヒドロキシ-5,9,9- トリ
メチル-6,7- ベンゾモルファン、0.72 g(0.0075 mol)の
2-メトキシエチルクロリド、0.11 g(0.0075 mol)の沃化
ナトリウムおよび0.95g(0.0113mol)の炭酸水素ナトリウ
ムを、95°C にて23時間、10mlの乾燥ジメチルホルムア
ミド中で撹拌した。この反応混合物を、ロータリーエバ
ポレータで、水流ポンプの最大真空下で最終的に95°C
となるように蒸発させた。得られた残渣を25mlの水と25
mlのジクロロメタンとともに振盪し、分離した水性相を
10mlのジクロロメタンで再度抽出した。併合した抽出液
を水洗し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、該乾燥剤を濾別
した後上記の如く真空下で蒸発させた。標記化合物の遊
離塩基からなるこの蒸発残渣を実施例38と同様に臭化水
素酸塩として結晶化させた。該化合物の収量は0.48g(理
論値の43.5%)であり、その融点は247 °C(分解)であっ
た。
【0056】4.2.2 実施例64: (-)-(1R,5S,2''R)-2'-ヒ
ドロキシ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-
6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 a) アルキル化剤の調製:公知の(+)-(R)-2-メトキシプ
ロピオン酸をリチウムアルミニウムハイドライド(LiAlH
4)により還元することにより、(-)-(R)-2-メトキシプロ
パノールを得た。これは76ミリバールの圧力下での沸点
70°C および比旋光度〔α〕D 25= -15.8 °(c =100)を
有していた。76ミリバールの圧力下での沸点70°C およ
び比旋光度〔α〕D 25= +16.5 °(c =100)を有する対応
する(+)-(S)-2-メトキシプロパノールは同様に、これも
周知の(-)-(S)-2-メトキシプロピオン酸から得た。(-)-
(R)-2-メトキシプロパノールとp-トルエンスルホン酸ク
ロリドとをピリジン中で、R.S.ティップソン(Tipson)
(J. Org. Chem., 1944, 9, p. 235)の方法と同様に反応
することにより、(+)-(R)-2-メトキシプロピル-p- トル
エンスルホネートが黄色油状物として得られ、これは比
旋光度〔α〕D 25= +3.7°(c =100)を有していた。同様
に、(+)-(S)-2-メトキシプロパノールから、対応する
(-)-(S)-2-メトキシプロピル-p- トルエンスルホネート
が得られ、これは比旋光度〔α〕 D 25= -3.7°(c =100)
を有していた。 b) 標記化合物を生成するための反応:1.16g(5mM)の
(±)-2'-ヒドロキシ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン(実施例1)を、1.83 g(7.5 mM)の(R)-2-メ
トキシプロピル-p- トルエンスルホネート、1.26g(0.01
5 mol)の炭酸水素ナトリウムおよび1.12 g(7.5 mM)の沃
化ナトリウムと共に、15mlの乾燥ジメチルホルムアミド
と25mlの乾燥テトラヒドロフランとの混合物中で、撹拌
しつつ60時間還流温度にて加熱した。次いで、この混合
物を実施例63と同様に処理した。2種の予想されたジア
ステレオマー塩基(2g)の混合物が得られた。これをまた
実施例1に従う他の方法でも調製した。この混合物を実
施例1に記載のように塩酸塩の結晶化により分離し、標
記の化合物を収量0.55g(理論値の64.7%)で得た。このも
のは融点264 °C(分解)および比旋光度〔α〕D 25= -1
18.2°(c =1; CH3OH) を有していた。実施例2と同様に
して、(+)-(1S,5R,2''R)−ジアステレオマーが母液から
得られた。
【0057】4.2.3 実施例65: (-)-(1R,5S,2''R)-2-(2-
メトキシプロピル)-2'- ニトロ-5,9,9-トリメチル-6,7-
ベンゾモルファン塩酸塩 実施例64と同様にして、2.97g(0.010 mol)の(±)-2'-
ニトロ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベンゾモルファン塩酸
塩(実施例34)を、2.68 g(0.011mol)の(R)-2-メトキシ
プロピル-p- トルエンスルホネート、1.65g(0.011 mol)
の沃化ナトリウムおよび2.1g(0.025mol)の炭酸水素ナト
リウムと反応させた。上記の如く単離したこの反応生成
物は、初め2種の予想されたジアステレオマー塩基(3.2
g)の混合物からなっていた。全ての副生成物を分離する
ために、この混合物を64mlのジクロロメタンに溶解し、
得られた溶液を64gの酸化アルミニウム(活性段階III-
中性;ブロックマン社(Brockmann) 製)を含むカラムを
通して濾過した。更に128mlのジクロロメタンで溶出し
た後、併合した溶出液をロータリーエバポレーターで、
水流ポンプの最大真空度下で最終的に80°C となるよう
に蒸発させた。この残渣(2.4g)を10mlのメタノールに溶
解し、2.5Nのエタノール性塩酸溶液で酸性とした後、こ
の溶液を、濁り始める直前までジエチルエーテルと混合
した。標記化合物を結晶化させ、周囲温度にて3日間放
置した後、吸引濾過し、エタノール/エーテル1:1 混合
物で洗浄し、次いでエーテルで洗浄し、80°C で乾燥し
た。かくして、標記の化合物を収量0.84g(理論値の45.5
%)で得た。これは融点226 °C(分解)および比旋光度
〔α〕D 25= -120°(c =1; CH3OH) を有していた。必要
ならば、該母液から(+)-(1S,5R,2''R)−立体異性化合物
を得ることができる。
【0058】4.2.4 実施例66: (+)-(1S,5R,2''S)-2-(2-
メトキシプロピル)-2'- ニトロ-5,9,9-トリメチル-6,7-
ベンゾモルファン塩酸塩 2.97g(0.010 mol)の(±)-2'-ニトロ-5,9,9- トリメチ
ル-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩と2.68 g(0.011mol)の
(S)-2-メトキシプロピル-p- トルエンスルホネートとか
ら実施例65と同様にして標記化合物を収量0.96g(理論値
の52.0%)で得た。このものは融点226 °C(分解)および
比旋光度〔α〕D 25= +121°(c =1; CH3OH) を有してい
た。実施例2と同様にして、(-)-(1R,5S,2''S)−立体異
性化合物が母液から得ることができる。
【0059】4.2.5 実施例67: (-)-(1R,5S,2''R)-2-(2-
メトキシプロピル)-3'- ニトロ-5,9,9-トリメチル-6,7-
ベンゾモルファン a) 出発化合物の調製:本例でおよび他の実施例で必要
とされる(±)-3'-ニトロ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベ
ンゾモルファンは、5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモル
ファン(実施例34)をニトロ化する際に、約1:3 の比率
で、(±)-2'-ニトロ−異性体と共に形成された。これ
は2'- ニトロ−異性体の母液から得られ、まず生成され
る塩基を介して塩酸塩として結晶化された。これを、メ
タノールの量の10倍量の蓚酸から蓚酸塩(融点158 °C
(分解))として結晶化した。該蓚酸塩を塩基(結晶化し
ない)に転化し、これを以下に述べる反応で使用した。
メタンスルホネートとして結晶化したこの塩基試料は24
2 °C(分解)にて溶融した。 b) 標記化合物を生成するための反応:5.2 g(0.02mol)
の(±)-3'-ニトロ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベンゾモ
ルファンを、実施例65と同様にして5.36 g(0.022mol)の
(R)-2-メトキシプロピル-p- トルエンスルホネートと反
応させた。得られたこの反応生成物は2種の予想された
ジアステレオマー塩基(8g)の混合物であった。これを実
施例65に記載の如く酸化アルミニウム上で濾過すること
により精製した(精製された塩基混合物4.7 g)。薄層ク
ロマトグラフィー(シリカゲル60,トルエン/酢酸エチ
ル85:15;3回展開した)において、該ジアステレオマー
はRf値0.81および0.85を有していた。1gのジアステレオ
マー混合物の300gのシリカゲル上でのカラムクロマトグ
ラフィーによる分離は、結晶化できない褐色の極めて粘
稠な油状物として、Rf値0.81の標記化合物(100 mg)を与
えた。 4.2.6 実施例68: (+)-(1S,5R,2''R)-2-(2-メトキシプロ
ピル)-3'- ニトロ-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモル
ファン 実施例67記載のこのジアステレオマー混合物の該カラム
クロマトグラフィー処理中、そこで単離された(-)-(1R,
5S,2''R)−異性体(Rf =0.81)に加えて、100 mgの(+)-(1
S,5R,2''S)−異性体(Rf =0.85)も結晶化できない褐色の
極めて粘稠な油状物として得られた。
【0060】4.2.7 実施例69: (-)-(1R,5S,2''R)-2'-ク
ロロ- 2-(2- メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7
- ベンゾモルファン塩酸塩 a) 出発化合物の調製:本例でおよび他の実施例で必要
とされる(±)-2'-クロロ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベ
ンゾモルファンは、2'- ニトロ−類似体(実施例34)か
ら、例えばこれを水素化して2'- アミノ化合物(二塩酸
塩、融点283 °C(分解))を形成し、これをサンドメイ
アー反応により所定の2'- クロロ化合物(臭化水素酸
塩:融点> 310 °C(分解))に転化することにより調製で
きる。 b) 標記化合物を生成するための反応:3.3 g(0.010 mo
l)の(±)-2'-クロロ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン臭化水素酸塩を、実施例65と同様にして2.68
g(0.011 mol) の(R)-2-メトキシプロピル-p- トルエン
スルホネートと反応させて、2種の予想されたジアステ
レオマー塩基の混合物を得、これを実施例65に記載の如
く酸化アルミニウム上で濾過することにより精製した。
この精製ジアステレオマー混合物を実施例1と同様にし
て、塩酸塩の結晶化により分離した。標記化合物を収量
0.27g(理論値の15.1%)で得たが、これは融点287 °C(分
解)および比旋光度〔α〕D 25= -102.6°(c =1; CH3O
H) を有していた。 4.2.8 実施例70: (+)-(1S,5R,2''R)-2'-クロロ- 2-(2-
メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモル
ファン塩酸塩 実施例69の母液を蒸発させ、得られた残渣をかろうじて
十分の沸騰メタノールに溶解した。該混合物が濁りを生
ずるまでジエチルエーテルを添加し、かつ同時に結晶化
した後、標記化合物を得た。周囲温度にて約12時間放置
した後、この化合物を吸引濾過し、1:1 エタノール/エ
ーテル混合物で、次いでエーテルで洗浄し、80°C で乾
燥した。収率は0.56g(理論値の31.3%)であり、これは融
点289 °C および比旋光度〔α〕D 25= +67.9 °を有し
ていた。
【0061】4.2.9 実施例71: (+)-(1S,5R,2''S)-2'-ク
ロロ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7-
ベンゾモルファン塩酸塩 3.3g(0.010 mol) の(±)-2'-クロロ-5,9,9- トリメチ
ル-6,7- ベンゾモルファンと2.68 g (0.011 mol)の(S)-
2-メトキシプロピルp-トルエンスルホン酸塩とから、実
施例69と同様にして標記化合物を収量0.41g(理論値の2
2.9%)で得た。これは融点288 °C(分解)および比旋光
度〔α〕D 25=+101.7 °(c=1; CH3OH)を有していた。 4.2.10 実施例72: (-)-(1R,5S,2''S)-2'-クロロ-2-(2-
メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモル
ファン塩酸塩 実施例71の母液から、実施例70と同様にして標記化合物
を収量0.75g(理論値の41.9%)で得た。これは融点288 °
C および比旋光度〔α〕D 25=-68.6°(c=1; CH 3OH)を有
していた。
【0062】4.3 工程3.3 による化合物(1) の調製 4.3.1 実施例73: (-)-(1R,5S,2''S)-2'-メトキシ-2-(2-
メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモル
ファンメタンスルホン酸塩 0.68 g(2 mM)の(-)-(1R,5S,2''S)-2'-ヒドロキシ-2-(2-
メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモル
ファン塩酸塩(実施例4)を20mlの乾燥ジメチルホルム
アミドに溶解し、これを氷冷し、かつ撹拌しつつ0.13g
の77% 水素化ナトリウムのパラフィン懸濁液(4.2 mM)を
添加した。30分間撹拌した後、0.31 g(2.2 mM)のメチル
アイオダイドを5mlのジメチルホルムアミドに溶解した
溶液を5分以内に滴下した。次いで、この混合物を更に
3時間室温にて撹拌し、水流ポンプの最大真空度の下で
最終的に95°C となるようにロータリーエバポレーター
により蒸発させた。生成した残渣を25mlのジクロロメタ
ンと25mlの水と共に振盪した。分離した該水性相を再度
ジクロロメタン15mlで抽出した。15mlの水で洗浄した
後、併合した抽出物を蒸発させ、実施例28と同様にして
生成した残渣をメタンスルホン酸塩として結晶化させ
た。標記化合物を収量0.38 g(46.0%) で得た。このもの
は融点150-152 °C(分解)および比旋光度〔α〕D 25=-
68.7°(c=1; CH3OH)を有していた。 4.3.2 実施例74: (+)-(1S,5R,2''R)-2'-メトキシ-2-(2-
メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモル
ファンメタンスルホン酸塩 0.68 g(2 mM)の(+)-(1S,5R,2''R)-2'-ヒドロキシ-2-(2-
メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモル
ファン塩酸塩(実施例2)から、実施例73と同様にして
標記化合物を収量0.38g(理論値の 46.0%) で得た。この
ものは融点150-152 °C(分解)および比旋光度〔α〕D
25=+67.2°(c=1; CH3OH)を有していた。
【0063】4.3.3 実施例75: (-)-(1R,5S,2''R)-2'-エ
トキシ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7
- ベンゾモルファンメタンスルホン酸塩 0.34 g(1 mM)の(-)-(1R,5S,2''R)-2'-ヒドロキシ-2-(2-
メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモル
ファン塩酸塩(実施例1)および0.17g(0.0011mol)のエ
チルアイオダイドから、実施例73と同様にして標記化合
物を収量0.30g(理論値の 70.2%) で得た。このものは融
点146-148 °C(分解)および比旋光度〔α〕D 25=-93.4
°(c=1; CH3OH)を有していた。 4.3.4 実施例76: (-)-(1R,5S,2''R)-2'-アセトキシ-2-
(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファンメタンスルホン酸塩 0.68 g(2 mM)の(-)-(1R,5S,2''R)-2'-ヒドロキシ-2-(2-
メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモル
ファン塩酸塩(実施例1)を15mlの乾燥ジクロロメタン
に溶解した。0.51g(5mM)のトリエチルアミンを添加した
後、この溶液を周囲温度にて撹拌しつつ10分間に渡り、
5mlのジクロロメタンに溶解した0.19g(2.4mM)のアセチ
ルクロリドと混合した。次いで、得られた混合物を周囲
温度にて更に2時間撹拌した。次いで3回10mlの氷水で
洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、該乾燥剤を濾別し
た後、得られた残渣を蒸発(水流ポンプの最大真空度下
で最終的に80°C となるようにロータリーエバポレータ
ーで蒸発)させた。標記化合物(0.6g; 1.74mM)の遊離塩
基からなる生成残渣を3mlのエタノールに溶解し、メタ
ンスルホン酸(0.16g; 1.74 mM; 3mlのエタノール中)を
添加することによりpHを4に調節した。この混合物が濁
りを生ずる直前までジエチルエーテルを添加した後、標
記化合物を結晶化させ、冷蔵庫内で約12時間放置した
後、吸引濾過し、1:2 エタノール/エーテルで洗浄し、
80°C にて乾燥した。収量0.7g(理論値の 79.3%) 。こ
のものは融点183-184 °C(分解)および比旋光度〔α〕
D 25=-83.9°(c=1; CH3OH)を有していた。
【0064】4.3.5 実施例77: (+)-(1S,5R,2''S)-2'-ア
セトキシ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-
6,7- ベンゾモルファンメタンスルホン酸塩 0.68 g(0.002mol)の(+)-(1S,5R,2''S)-2'-ヒドロキシ-2
-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩(実施例3)から実施例76と同様に標
記化合物を収量0.6 g(理論値の 68.0%) で得た。これは
融点183-184 °C(分解)および比旋光度〔α〕D 25= +
82.8°(c=1; CH3OH)を有していた。 4.3.6 実施例78: (-)-(1R,5S,2''S)-2'-アセトキシ-2-
(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファンメタンスルホン酸塩 0.68 g(0.002mol)の(-)-(1R,5S,2''S)-2'-ヒドロキシ-2
-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩(実施例4)から実施例76と同様にし
て標記化合物を収量0.58g(理論値の 65.7%) で得た。こ
のものは融点183 °C(分解)および比旋光度〔α〕D 25
=-57.1°(c=1; CH3OH)を有していた。 4.3.7 実施例79: (+)-(1S,5R,2''R)-2'-アセトキシ-2-
(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファンメタンスルホン酸塩 0.68 g(2 mM)の(+)-(1S,5R,2''R)-2'-ヒドロキシ-2-(2-
メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモル
ファン塩酸塩(実施例2)から実施例76と同様にして標
記化合物を収量0.67g(理論値の 75.9%) で得た。このも
のは融点183 °C および比旋光度〔α〕D 25=+58.2°(c
=1; CH3OH)を有していた。
【0065】4.3.8 実施例80: (-)-(1R,5S,2''R)-2-(2-
メトキシプロピル)-2'- プロピオンオキシ-5,9,9- トリ
メチル-6,7- ベンゾモルファンメタンスルホン酸塩 0.34 g(1 mM)の(-)-(1R,5S,2''R)-2'-ヒドロキシ-2-(2-
メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモル
ファン塩酸塩(実施例1)および0.15g(1.1mM)の無水プ
ロピオン酸から実施例76と同様にして標記化合物を収量
0.21g(理論値の46.1%) で得た。このものは融点145 °C
(分解)および比旋光度〔α〕D 25=-78.3°(c=1; CH3O
H)を有していた。
【0066】4.3.9 実施例81: (-)-(1R,5S,2''R)-2-(2-
メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモル
ファン塩酸塩 a) (-)-(1R,5S,2''R)-2-(2-メトキシプロピル)-2'-(1-
フェニル-5- テトラゾリルオキシ)-5,9,9-トリメチル-
6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 1.36 g(4 mM)の(-)-(1R,5S,2''R)-2'-ヒドロキシ-2-(2-
メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモル
ファン塩酸塩(実施例1)を0.79g(4.4 mM) の5-クロロ
-1- フェニルテトラゾールおよび1.36 g(0.01 mol)の乾
燥かつ微粉化した炭酸カリウムと共に、78mlの無水アセ
トン中で6日間に渡り還流した。次いで、この溶液を蒸
発させ、得られた残渣を50mlの水と混合した。この混合
物を2回25mlのジクロロメタンで抽出し、併合した抽出
液を15mlの水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し、該
乾燥剤を濾別した後、この反応混合物を水流ポンプの最
大真空度の下で最終的に80°C となるようにローターエ
バポレーターで蒸発させた。生成した残渣を5mlのエタ
ノールに溶解し、エタノール性塩酸で酸性とした後、濁
りが生ずるまでジエチルエーテルを添加した。中間生成
物を結晶化させ、冷蔵庫内で12時間放置した後、吸引濾
過し、エタノール/エーテル混合物(1:1) で次いでエー
テルで洗浄し、80°C にて乾燥した。収量は1.67g(理論
量の86.3%)であり、その融点は241 °C(分解)であっ
た。 b) 該中間生成物を水添することによる標記化合物の調
製 該中間生成物(1.67 g; 3.5 mM)を、0.7gの10% パラジウ
ム/炭素の存在下で70ml氷酢酸中で、室温にて5バール
の水素圧下で、十分に反応するまで(6〜10時間)水添
した。次いで、吸引濾過により該触媒を除去し、得られ
る濾液を蒸発させ、50mlの水および過剰のアンモニアと
混合した後、該残渣をジクロロメタンにより抽出した
(25mlで2回)。併合した該抽出液を水洗し、硫酸ナト
リウム上で乾燥し、該乾燥剤を濾別した後、水流ポンプ
の最大真空度の下で最終的に80°Cとなるようにロータ
ーエバポレーターで蒸発させた。この残渣を実施例2と
同様にして塩酸塩として結晶化させた。全収量0.5g(理
論値の38.5%)で標記化合物を得た。この化合物は融点22
5 °C(分解)および比旋光度〔α〕D 25=-101.5 °(c=
1; CH3OH)を有していた。
【0067】4.3.10 実施例82: (+)-(1S,5R,2''S)-2-
(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩 1.36 g(0.004mol)の(+)-(1S,5R,2''S)-2'-ヒドロキシ-2
-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩(実施例3)から実施例1と同様に対
応する中間生成物(1.65g; 理論値の85.1%,融点241 °C
(分解))を介して標記化合物を得た。その全収量は0.64g
(理論値の 49.4%) で、これは融点225 °C(分解)およ
び比旋光度〔α〕D 25=+106.9 °(c=1; CH3OH)を有して
いた。 4.3.11 実施例83: (-)-(1R,5S,2''S)-2-(2-メトキシプ
ロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモルファンオキ
サレート 1.36 g(4 mM)の(-)-(1R,5S,2''S)-2'-ヒドロキシ-2-(2-
メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモル
ファン塩酸塩(実施例4)から、対応する中間生成物
(1.73g; 理論値の89.4%,融点218.5 °C(分解))を介して
標記化合物の遊離塩基(0.7g)を得た。該塩基を2mlのイ
ソプロパノールに溶解し、対応するモル量の蓚酸(0.22
g)と混合した。標記化合物を結晶化させ、一方で50mlの
ジエチルエーテルを撹拌しつつ徐々に添加した。冷蔵庫
内で約12時間放置後、この混合物を吸引濾過し、イソプ
ロパノール/エーテルで、次いでエーテルで洗浄し、80
°Cにて乾燥した。標記化合物を収量0.8 g(理論値の53.
0%)で得た。これは融点135°C(分解)および比旋光度
〔α〕D 25=-60.0°(c=1; CH3OH)を有していた。
【0068】4.3.12 実施例84: (+)-(1S,5R,2''R)-2-
(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファンオキサレート 1.36 g(4 mM)の(+)-(1S,5R,2''R)-2'-ヒドロキシ-2-(2-
メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモル
ファン塩酸塩(実施例2)から実施例1と同様にして対
応する中間生成物(1.65g; 理論値の85.1%,融点217 °C
(分解))を介して標記化合物の塩基型を得、これを実施
例83と同様にしてオキサレートとして結晶化した。その
全収量は0.6 g(理論値の39.7%)であり、これは融点135
°C(分解)および比旋光度〔α〕D 25=+60.2°(c=1; CH
3OH)を有していた。 4.3.13 実施例85: (-)-(1R,5S,2''R)-2'-アセタミド-2
-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩 0.70 g(1.87mM)の(-)-(1R,5S,2''R)-2'-アミノ-2-(2-メ
トキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモルフ
ァン二塩酸塩(実施例34)を20mlの無水ジクロロメタン
に溶解し、0.76g(7.4mM)のトリエチルアミンと混合し、
次いで室温にて撹拌しつつ0.17g(2.1mM)のアセチルクロ
リドを5mlのジクロロメタンに溶解した溶液をこれに滴
下した。次に、この混合物を1時間還流し、冷却し、10
mlの水で3回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、該乾
燥剤を濾別した後、水流ポンプの最大真空度の下で最終
的に80°C となるようにロータリーエバポレーター内で
蒸発させることにより濃縮した。得られた残渣を2mlの
メタノールに溶解し、2.5Nのエタノール性塩酸で酸性と
した後、該溶液を濁りを生ずるまでジエチルエーテルと
混合した。沈澱した結晶を吸引濾過し(冷蔵庫内で約12
時間放置後)、エタノール/エーテル混合物(1:1) で、
次いでエーテルで洗浄し、80°C にて乾燥した。かくし
て標記化合物を収量0.49g(理論値の68.8%)で得た。これ
は融点252 °C(分解)および比旋光度〔α〕D 25=-108.
2 °(c=1; CH3OH)を有していた。
【0069】4.3.14 実施例86: (+)-(1S,5R,2''S)-2'-
アセタミド-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル
-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 1.07 g(2.58mM)の(+)-(1S,5R,2''S)-2'-アミノ-2-(2-メ
トキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモルフ
ァン塩酸塩(実施例36)から、実施例85と同様にして標
記化合物を収量0.73g(理論値の74.3%)で得た。これは融
点249 °C(分解)および比旋光度〔α〕D 25=+109.5 °
(c=1; CH3OH)を有していた。 4.3.15 実施例87: (-)-(1R,5S,2''S)-2'-アセタミド-2
-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン 1.09 g(0.0026 mol)の(-)-(1R,5S,2''S)-2'-アミノ-2-
(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン二塩酸塩を実施例85と同様にして反応させ
た。この反応生成物を該実施例に記載の如く単離し、0.
5 mlのイソプロパノールと5mlの石油エーテルとから結
晶化させた。かくして標記化合物を収量0.7g(理論値の7
6.4%)で得た。これは融点128 °C(分解)および比旋光
度〔α〕D 25=-89.3°(c=1; CH3OH-1N HCl 1:1) を有し
ていた。 4.3.16 実施例88: (+)-(1S,5R,2''R)-2'-アセタミド-2
-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン 1.11 g(2.5 mM)の(+)-(1S,5R,2''R)-2'-アミノ-2-(2-メ
トキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモルフ
ァンジメタンスルホネート(実施例35)から実施例87と
同様にして、標記化合物を収量0.37g(理論値の47.7%)で
得た。これは融点129 °C(分解)および比旋光度〔α〕
D 25=+89.9°(c=1; CH3OH-1N HCl 1:1)を有していた。
【0070】4.3.17 実施例89: (-)-(1R,5S,2''R)-3'-
ブロモ-2'-ヒドロキシ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-
トリメチル-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 0.85 g(2.5 mM)の(-)-(1R,5S,2''R)-2'-ヒドロキシ-2-
(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩(実施例1)を30mlの氷酢酸中に懸濁
した。0.15ml(0.47g; 2.9mM)の臭素を該懸濁液に周囲温
度にて撹拌しつつ添加した。2時間の撹拌の後、この混
合物を水流ポンプの最大真空度の下で最終的に80°C と
なるようにローリリーエバポレーターで蒸発させた。こ
の残渣を25mlの水と25mlのジクロロメタンおよび過剰の
アンモニアと撹拌しつつ混合した。分離した水性相を再
度15mlのジクロメタンで抽出し、併合した該抽出液を15
mlの水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、上記の如
く該乾燥剤を濾別した後、蒸発により濃縮した。この残
渣(1g)を実施例2と同様に、溶離液としてジクロロメタ
ン/メタノール/濃アンモニア(90:10:0.5) を使用し
た、250gのシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー
により精製した。該純粋物質を含有する溶出液を上記の
如く蒸発させ、生成した残渣を実施例2と同様にして塩
酸塩として結晶化した。かくして、標記化合物を収量0.
75g(理論値の65.8%)で得た。これは融点245 °C(分解)
および比旋光度〔α〕D 25=-82.5°(c=1; CH3OH)を有し
ていた。
【0071】4.3.18 実施例90: (+)-(1R,5R,2''R)-2'-
ヒドロキシ-1'-ニトロ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-
トリメチル-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 0.85 g(2.5 mM)の(-)-(1R,5S,2''R)-2'-ヒドロキシ-2-
(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩を20°C にて30mlの氷酢酸中に懸濁
し、0.18ml(0.25 g)の65% 硝酸(HNO3 2.6mM)を該懸濁液
に撹拌しつつ添加した。約10分以内に透明な黄色溶液が
形成され、これは約5分後に褐色となり、かつ化合物結
晶が沈澱するにつれて濁り始める。全体で約1時間の反
応後、該混合物を吸引濾過し、氷酢酸/ジエチルエーテ
ル混合物(1:1) で、次にエーテルで洗浄し、80°C で乾
燥した。この結晶(0.35 g)を熱メタノール/水混合物(1
7.5ml+1.75 ml)中に溶解し、ジエチルエーテル(40ml)を
添加した。氷浴内で冷却後、結晶化したこの物質を吸引
濾過し、エーテルで洗浄し、80°C で乾燥し、標記化合
物を収量0.32g(理論値の33.3%)で得た。これは融点>245
°C(徐々に褐変し、分解する)および比旋光度〔α〕D
25=+87.0°(c=1; CH3OH)を有していた。
【0072】4.3.19 実施例91: (-)-(1R,5S,2''R)-2'-
ヒドロキシ-2-(2-メトキシプロピル)-3'- ニトロ- 5,9,
9-トリメチル-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 実施例90記載のニトロ化により、出発化合物(Rf =0.57)
から、1'- ニトロ誘導体(Rf =0.45)、その異性体3'- ニ
トロ誘導体(Rf =0.72)および1',3'-ジニトロ誘導体(Rf
=0.10)(TLC: シリカゲル60; クロロホルム/メタノール
/濃アンモニア90:10:0.5)が得られた。1'- ニトロ化合
物の吸引濾過後に残される母液(実施例90)を蒸発さ
せ、得られる残渣を遊離塩基に転化した。これらを10ml
のジクロロメタンに溶解し、得られる黄色の溶液を25g
の酸化アルミニウム(活性III;中性)上で濾過した。こ
の溶液を、該溶出液が最早強い黄色を示さなくなるまで
ジクロロメタンで溶出し、次いで該溶出液を蒸発させ
た。得られた残渣(0.35 g)を2.5 mlのエタノールに溶解
し、エタノール性塩酸により酸性とし、該溶液が濁りを
生ずる直前までジエチルエーテルを添加した。これを冷
蔵庫内に12時間放置後、吸引濾過し、エタノール/エー
テル混合物(1:1) で洗浄し、80°C にて乾燥し、標記化
合物を収量0.40g(理論値の41.6%)で得た。これは融点22
9-230 °C(分解)および比旋光度〔α〕D 25=-110.1 °
(c=1; CH3OH)を有していた。
【0073】4.3.20 実施例92: (+)-(1R,5R,2''R)-2',
3'- ジニトロ-2'-ヒドロキシ-2-(2-メトキシプロピル)-
5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 1.52 g(5 mM)の(-)-(1R,5S,2''R)-2'-ヒドロキシ-2-(2-
メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモル
ファン塩酸塩(実施例1)を、3〜4°C で撹拌しつつ
3 mlの氷酢酸中に溶解し、3.4 mlの氷酢酸と5.42mlの10
0%硝酸との混合物を該溶液に1.5 時間以内に添加した。
この混合物を更に3時間室温にて撹拌した。次いで、黄
色の反応溶液を50gの氷水に注ぎ、この溶液をアンモニ
ア性とし、20mlのジクロロメタンで3回抽出した。併合
した該抽出液を水洗し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、か
つ該乾燥剤を濾別した後、該反応混合物を水流ポンプの
最大真空度の下で最終的に80°C となるようにロータリ
ーエバポレーターで蒸発させた。得られた残渣をエタノ
ール/エーテル混合物から結晶化した。かくして、標記
化合物を収量1.0 g(理論値の46.5%)で得た。これは融点
>300°C(分解)および比旋光度〔α〕D 25=+27.9°(c=
1; CH3OH)を有していた。 4.3.21 実施例93: (-)-(1R,5R,2''R)-1'-アミノ-2'-ヒ
ドロキシ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-
6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 0.35 g(1.0 mM)の(+)-(1R,5R,2''R)-2'-ヒドロキシ-2-
(2-メトキシプロピル)-1'- ニトロ-5,9,9- トリメチル-
6,7- ベンゾモルファン塩酸塩(実施例90)を、40mlの
メタノール中で0.1gのパラジウム/炭素(5% Pd) の存在
下で、室温にて水素圧5バールの下で水添した。該触媒
を濾別した後、この反応混合物を水流ポンプの最大真空
度の下で最終的に80°C となるようにロータリーエバポ
レーターで蒸発させ、得られた残渣を10mlのエタノール
から結晶化した。氷浴内で冷却した後、該結晶を吸引濾
過し、エタノール/エーテル混合物で洗浄し、80°C に
て乾燥した。かくして、標記化合物を収量0.17g(理論値
の52.7%)で得た。これは融点282 °C(250 °C からの緩
慢な分解の後)および比旋光度〔α〕D 25=-128.3 °(c
=1; CH3OH)を有していた。
【0074】4.3.22 実施例94: (-)-(1R,5S,2''R)-3'-
アミノ-2'-ヒドロキシ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-
トリメチル-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 0.39 g(1.0 mM)の(-)-(1R,5S,2''R)-2'-ヒドロキシ-2-
(2-メトキシプロピル)-3'- ニトロ-5,9,9- トリメチル-
6,7- ベンゾモルファン塩酸塩(実施例91)から実施例9
3と同様に標記化合物を収量0.27g(理論の76.1%)で得
た。これは融点268°C(分解)および比旋光度〔α〕D
25=-99.7°(c=0.5; CH3OH)を有していた。 4.3.23 実施例95: (-)-(1R,5R,2''R)-1',3'- ジアミノ
-2'-ヒドロキシ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメ
チル-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 0.70 g(1.63mM)の(+)-(1R,5R,2''R)-1',3'- ジニトロ-
2'-ヒドロキシ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメ
チル-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩(実施例92)から実
施例93と同様にして標記化合物を収量0.20g(理論値の3
3.2%)で得た。これは融点228 °C(分解)および比旋光
度〔α〕D 25=-111.7 °(c=0.5; CH3OH)を有していた。
【0075】4.3.24 実施例96: (-)-(1R,5S,2''R)-3'-
アミノ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7
- ベンゾモルファン (-)-(1R,5S,2''R)- および (+)-(1S,5R,2''R)-2-(2- メ
トキシプロピル)-3'-ニトロ-5,9,9- トリメチル-6,7-
ベンゾモルファン(3.7 g)からなる実施例67に従って得
たジアステレオマー混合物を75mlのメタノールに溶解
し、0.8gのパラジウム/炭素(5% Pd) の存在下で、20°
C にて水素圧5バールの下で水素の取り込みが停止する
まで(約3時間)水添した。薄層クロマトグラフィーに
おいて(シリカゲル60; クロロホルム/メタノール/濃
アンモニア90:10:0.5)、該3'- ニトロ化合物(Rf =0.73)
は完全に反応して、対応する3'- アミノ化合物(Rf =0.6
1)を形成した。この触媒を濾別した後、この反応混合物
を水流ポンプの最大真空度の下で最終的に80°C となる
ようにロータリーエバポレーターで蒸発させた。得られ
た残渣(3.1g)を実施例2と同様にして600gのシリカゲル
上でカラムクロマトグラフィー処理した。このジアステ
レオマー3'- アミノ化合物の分離を薄層クロマトグラフ
ィー(シリカゲル60; クロロホルム/メタノール/濃ア
ンモニア95:5:0.1; 2回展開した) により監視した。か
くして、低いRf値0.63の標記化合物を収量0.95g で対応
する溶出液の蒸発残渣として得た。これは比旋光度
〔α〕D 25=-39.8°(c=1; CH3OH)を有していた。これは
これまでのあらゆる結晶化の試みにもかかわらず結晶化
されていない。 4.3.25 実施例97: (+)-(1S,5R,2''R)-3'-アミノ-2-(2-
メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモル
ファン 上記(実施例96)のカラムクロマトグラフィーによるジ
アステレオマーの分離において、得られた高いRf値0.69
を有する物質は、問題の溶出液の蒸発残渣としての標記
化合物であった(1.0g; 比旋光度〔α〕D 25= +104°(c
=1; CH3OH))。これはこれまでのあらゆる結晶化の試み
にもかかわらず結晶化されていない。
【0076】4.3.26 実施例98: (+)-(1S,5R,2''S)-3'-
アミノ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7
- ベンゾモルファン a) 3'- ニトロ先駆体(ジアステレオマー混合物) 5.2g(0.02 mol)(±)-3'-ニトロ-5,9,9- トリメチル-
6,7- ベンゾモルファンおよび5.36g(0.022 mol)の(S)-2
-メトキシプロピル-p- トルエンスルホネートから、実
施例67と同様にして2種の予想されたジアステレオマー
塩基の混合物を得た。これを酸化アルミニウム上で濾過
することにより精製したところ、4.7gの精製塩基混合物
が得られた。 b) 3'- アミノ化合物(ジアステレオマー混合物) 該3'- ニトロ先駆体(4.7 gの精製ジアステレオマー混合
物)を実施例96と同様にして水素添加して、3'- アミノ
化合物(3.7 gのジアステレオマー混合物)を形成した。 c) カラムクロマトグラフィーによる標記化合物の分離 ジアステレオマー3'- アミノ化合物の混合物(3.7 g)
を、実施例96と同様にしてシリカゲル上でのカラムクロ
マトグラフィーにより分離した。低いRf値0.63を有する
標記化合物が収量1.0gで、問題とする溶出液の蒸発残渣
として得られ、これは比旋光度〔α〕D 25= +40.5 °(c
=1; CH3OH)を有していた。これはこれまでのあらゆる結
晶化の試みにもかかわらず結晶化されていない。 4.3.27 実施例99: (-)-(1R,5S,2''S)-3'-アミノ-2-(2-
メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモル
ファン 上記(実施例98)のカラムクロマトグラフィーにおい
て、問題とする溶出液の蒸発残渣の形で高いRf値0.69を
有する第二の物質として標記化合物を得た(1.1g; 比旋
光度〔α〕D 25= -105°(c=1; CH3OH))。これはこれま
でのところ結晶化されていない。
【0077】4.3.28 実施例100: (-)-(1R,5S,2''R)-3'
- アセタミド-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチ
ル-6,7- ベンゾモルファン 0.95g(3.14 mM)の(-)-(1R,5S,2''R)-3'-アミノ-2-(2-メ
トキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモルフ
ァン(実施例96)を実施例85と同様にアセチル化した。
このアセチル化生成物を実施例65と同様にして酸化アル
ミニウム上で濾過して精製した。薄層クロマトグラフィ
ー(シリカゲル60; クロロホルム/メタノール/濃アン
モニア90:10:0.5)において、該出発化合物はRf値0.64を
有し、かつ該アセチル化生成物はRf値0.57を有してい
た。その蒸発残渣(0.69 g)は比旋光度〔α〕D 25= -53.
6 °(c=1; CH3OH)を有していた。これはこれまでのとこ
ろ結晶化されていない。 4.3.29 実施例101: (+)-(1S,5R,2''R)-3'- アセタミド
-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベン
ゾモルファンオキサレート 1.0g(3.31mM)の(+)-(1S,5R,2''R)-3'-アミノ-2-(2-メト
キシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモルファ
ン(実施例97)から実施例100 と同様にして標記化合物
を得た。酸化アルミニウム(0.5g)上で精製した物質の蒸
発残渣を実施例83と同様にオキサレートとして結晶化し
た。かくして、標記化合物を収量0.4 g(理論値の27.8%)
で得た。これは融点148 °C(分解)および比旋光度
〔α〕D 25=+39.3°(c=1; CH3OH)を有していた。 4.3.30 実施例102: (+)-(1S,5R,2''S)-3'- アセタミド
-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベン
ゾモルファン 1.0g(3.31mM)の(+)-(1S,5R,2''S)-3'-アミノ-2-(2-メト
キシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモルファ
ン(実施例98)から実施例100 と同様にして標記化合物
を非結晶性の蒸発残渣(0.6g;理論値の41.7%)として得
た。これはRf値0.57および比旋光度〔α〕D 25=+52.8°
(c=1; CH3OH)を有していた。
【0078】4.3.31 実施例103: (-)-(1R,5S,2''S)-3'
- アセタミド-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチ
ル-6,7- ベンゾモルファンオキサレート 0.95g(3.14 mM)の(-)-(1R,5S,2''S)-3'-アミノ-2-(2-メ
トキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモルフ
ァン(実施例99)から実施例101 と同様にして標記化合
物を収量0.7g(理論値の51.1%)で得た。これは融点148
°C(分解)および比旋光度〔α〕D 25=-39.2°(c=1; CH
3OH)を有していた。 4.3.32 実施例104: (-)-(1R,5S,2''R)-3'- メトキシ-2
-(2-メトキシプロピル)-5,9,9,2'- テトラメチル-6,7-
ベンゾモルファン塩酸塩 0.71g(2mM)の(-)-(1R,5S,2''R)-3'-ヒドロキシ-2-(2-メ
トキシプロピル)-5,9,9,2'- テトラメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩(実施例53)から実施例73と同様にし
て標記化合物を収量0.38g(理論値の52.0%)で得た。これ
は融点221-224°C および比旋光度〔α〕D 25=-82.6°
(c=1; CH3OH)を有していた。 4.3.33 実施例105: (+)-(1S,5R,2''R)-3'- メトキシ-2
-(2-メトキシプロピル)-5,9,9,2'- テトラメチル-6,7-
ベンゾモルファン塩酸塩 0.71g(2mM)の(+)-(1S,5R,2''R)-3'-ヒドロキシ-2-(2-メ
トキシプロピル)-5,9,9,2'- テトラメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩(実施例54)から実施例73と同様にし
て標記化合物を収量0.44g(理論値の59.8%)で得た。これ
は比旋光度〔α〕D 25=+42.2°(c=1; CH3OH)を有するア
モルファス粉末であった。
【0079】4.3.34 実施例106: (+)-(1S,5R,2''S)-3'
- メトキシ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9,2'- テトラ
メチル-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 0.71g(2mM)の(+)-(1S,5R,2''S)-3'-ヒドロキシ-2-(2-メ
トキシプロピル)-5,9,9,2'- テトラメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩(実施例55)から実施例73と同様にし
て標記化合物を収量0.40g(理論値の54.7%)で得た。これ
は融点221-224°C および比旋光度〔α〕D 25=+81.7°
(c=1; CH3OH)を有していた。 4.3.35 実施例107: (-)-(1R,5S,2''S)-3'- メトキシ-2
-(2-メトキシプロピル)-5,9,9,2'- テトラメチル-6,7-
ベンゾモルファン塩酸塩 0.71g(2mM)の(-)-(1R,5S,2''S)-3'-ヒドロキシ-2-(2-メ
トキシプロピル)-5,9,9,2'- テトラメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩(実施例56)から実施例73と同様にし
て標記化合物を収量0.42g(理論値の56.1%)で得た。これ
は比旋光度〔α〕D 25=-41.0°(c=1; CH3OH)を有するア
モルファス粉末であった。 4.3.36 実施例108: (-)-(1R,5S,2''R)-2'- メトキシ-2
-(2-メトキシプロピル)-5,9,9,3'- テトラメチル-6,7-
ベンゾモルファン塩酸塩 0.71g(2mM)の(-)-(1R,5S,2''R)-2'-ヒドロキシ-2-(2-メ
トキシプロピル)-5,9,9,3'- テトラメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩(実施例57)から実施例73と同様にし
て標記化合物を収量0.36g(理論値の49.3%)で得た。これ
は融点221-224°C および比旋光度〔α〕D 25=-112.2
°(c=1; CH3OH)を有していた。 4.3.37 実施例109: (+)-(1S,5R,2''R)-2'- メトキシ-2
-(2-メトキシプロピル)-5,9,9,3'- テトラメチル-6,7-
ベンゾモルファン塩酸塩 0.71g(2mM)の(+)-(1S,5R,2''R)-2'-ヒドロキシ-2-(2-メ
トキシプロピル)-5,9,9,3'- テトラメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩(実施例58)から実施例73と同様にし
て標記化合物を収量0.39g(理論値の53.0%)で得た。これ
は比旋光度〔α〕D 25=+72.4°(c=1; CH3OH)を有するア
モルファス粉末であった。
【0080】4.3.38 実施例110: (+)-(1S,5R,2''S)-2'
- メトキシ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9,3'- テトラ
メチル-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 0.64g(2mM)の(+)-(1S,5R,2''S)-2'-ヒドロキシ-2-(2-メ
トキシプロピル)-5,9,9,3'- テトラメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩(実施例59)から実施例73と同様にし
て標記化合物を収量0.45g(理論値の61.5%)として得た。
これは融点228-229 °C および比旋光度〔α〕D 25=+11
1.5 °(c=1; CH3OH)を有していた。 4.3.39 実施例111: (-)-(1R,5S,2''S)-2'- メトキシ-2
-(2-メトキシプロピル)-5,9,9,3'- テトラメチル-6,7-
ベンゾモルファン塩酸塩 0.71g(2mM)の(-)-(1R,5S,2''S)-2'-ヒドロキシ-2-(2-メ
トキシプロピル)-5,9,9,3'- テトラメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩(実施例60)から実施例73と同様にし
て標記化合物を収量0.40g(理論値の53.4%)で得た。これ
は比旋光度〔α〕D 25=-71.8°(c=1; CH3OH)を有するア
モルファス粉末であった。
【0081】4.3.40 実施例112: (-)-(1R,5S,2''R)-3'
- ヒドロキシ-2'-メトキシ-2-(2-メトキシプロピル)-5,
9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモルファン臭化水素酸塩 3.56g(10 mM)の(-)-(1R,5S,2''R)-2',3'- ジヒドロキシ
-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベン
ゾモルファン塩酸塩(実施例61)から実施例73と同様に
して(但し、2当量のナトリウムハイドライドを使
用)、2種の異性体モノメトキシ誘導体およびそのジメ
トキシ誘導体を得、この混合物を実施例2と同様に100
倍量のシリカゲルを使用したカラムクロマトグラフィー
(溶離液:ジクロロメタン/イソプロパノール/濃アン
モニア97:3:0.3)で分離した。中間的な物質として溶出
された化合物(Rf =0.73)を臭化水素酸塩として結晶化さ
せた。かくして、標記化合物を収量0.62g(理論値の15.0
%)として得た。これは融点212°C(分解)および比旋光
度〔α〕D 25=-78.4°(c=0.5; CH3OH)を有していた。 4.3.41 実施例113: (-)-(1R,5S,2''R)-2'- ヒドロキシ
-3'-メトキシ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチ
ル-6,7- ベンゾモルファン臭化水素酸塩 実施例112 で分離した低溶出速度の物質(Rf =0.68)を臭
化水素酸塩として沈澱させ、標記化合物を収量0.88g(理
論値の21.2%)で得た。これは融点235 °C(分解)および
比旋光度〔α〕D 25=-93.1°(c=0.5; CH3OH)を有してい
た。 4.3.42 実施例114: (-)-(1R,5S,2''R)-2',3'-ジメトキ
シ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベ
ンゾモルファン塩酸塩 実施例112 で分離された高溶出速度の物質(Rf =0.86)を
塩酸塩として沈澱させて、標記化合物を収量0.87g(理論
値の22.7%)で得た。これは融点193 °C(分解)および比
旋光度〔α〕D 25=-93.2°(c=0.5; CH3OH)を有してい
た。
【0082】4.4 特別な方法による化合物(1) の調製 4.4.1 実施例115: (-)-(1R,5S,2''R)-2'- ヒドロキシ-2
-(2-ヒドロキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベン
ゾモルファン塩酸塩 1.5g(3.60 mM) の(-)-(1R,5S,2''R)-2-(2-ベンジルオキ
シプロピル)-2'- ヒドロキシ-5,9,9- トリメチル-6,7-
ベンゾモルファン塩酸塩(実施例43)を75mlのメタノー
ルに溶解し、70°C にて、5バールの水素圧下で、活性
炭上に担持された水酸化パラジウム(0.6g の「パールマ
ン触媒(Pearlman catalyst) 」の存在下で完全に反応す
るまで(約6.2 時間)水素添加した。次いで、該触媒を
濾別し、濾液を水流ポンプの最大真空度下で最終的に80
°C となるようにロータリーエバポレーターで蒸発させ
た。残渣を10mlのメタノールに溶解し、30mlのジエチル
エーテルを該溶液に添加した。沈澱した結晶を室温にて
約12時間放置し、次いで吸引濾過し、まずエタノール/
エーテル混合物(1:1) で、次いでエーテルで洗浄し、80
°C で乾燥した。かくして、標記化合物を収量1.0g(理
論値の85.5%)で得たが、これは融点276 °C(分解)およ
び比旋光度〔α〕D 25=-127.4 °(c=1; CH3OH)を有して
いた。 4.4.2 実施例116: (+)-(1S,5R,2''S)-2'- ヒドロキシ-2
-(2-ヒドロキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベン
ゾモルファン塩酸塩 1.5g(3.6 mM)の(+)-(1S,5R,2''S)-2-(2-ベンジルオキシ
プロピル)-2'- ヒドロキシ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベ
ンゾモルファン塩酸塩(実施例44)から、実施例115 と
同様に標記化合物を収量1.0g(理論値の85.5%)で得、こ
れは融点276 °C(分解)および比旋光度〔α〕D 25=+12
6.8 °(c=1; CH3OH)を有していた。
【0083】4.4.3 実施例117: (-)-(1R,5S,2''S)-2'-
ヒドロキシ-2-(2-ヒドロキシプロピル)-5,9,9-トリメチ
ル-6,7- ベンゾモルファン塩酸塩 実施例44に従って得た母液中に残されたジアステレオマ
ー(3.17gの蒸発残渣)を実施例115 と同様にして水添処
理した。かくして、標記化合物を収量1.5g(理論値の5
6.2%)で得たが、これは融点247 °C(分解)および比旋
光度〔α〕D 25=-86.8°(c=1; CH3OH)を有していた。 4.4.4 実施例118: (+)-(1S,5R,2''R)-2'- ヒドロキシ-2
-(2-ヒドロキシプロピル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベン
ゾモルファン塩酸塩 実施例43に従って得た母液中に残されたジアステレオマ
ー(3.17gの蒸発残渣)を実施例115 と同様にして水添処
理した。かくして、標記化合物を収量1.5g(理論値の5
6.2%)で得たが、これは融点247 °C(分解)および比旋
光度〔α〕D 25=+86.4°(c=1; CH3OH)を有していた。
【0084】4.4.5 実施例119: (+)-(1R/S,5S/R,2''S)-
2'- フルオロ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチ
ル-6,7- ベンゾモルファンオキサレート a) 出発物質:(1R/S,5S/R,2''S)-2'-フルオロ-2-(2-メ
トキシプロピオニル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモ
ルファン(ジアステレオマーの混合物)。5.49g(0.02mo
l)の(±)-2'- ニトロ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩を、実施例32と同様にして、2.68g(0.
22mol)の(S)-2-メトキシプロピオン酸クロリドでアシル
化した。かくして得たアシル化生成物(7.0g)を該実施例
に記載の如く水添して、対応する2'- アミノ類似体を形
成した。公知の方法〔T.L.フレッチャー(Fletcher)およ
びN.J.ナムクン(Namkung), Chem. and Ind., 1961,p. 1
79 〕を利用して、この後者を反応させて、対応する2'-
フルオロ誘導体(5.7g)を形成した。その結果、予想さ
れたジアステレオマーの混合物が得られ、これを薄層ク
ロマトグラフィーにより分離した(Rf =0.73; シリカゲ
ル、クロロホルム/メタノール/濃アンモニア90:10:0.
5)。 b) 標記化合物を得るための反応 実施例32と同様にして、1.58g(5mM)の該先駆体をリチウ
ムアルミニウムハイドライド(LiAlH4)と反応させて、標
記化合物を得、これを該実施例に記載の如くシリカゲル
上でカラムクロマトグラフィー処理して精製した。この
精製物質(0.4g;Rf =0.78)を含む該溶出液の蒸発残渣を
実施例83と同様にしてオキサレートとして結晶化させ
た。かくして、該標記化合物を収量0.35g(理論値の17.7
%)で得たがこれは融点165 °C(分解)および比旋光度
〔α〕D 25=+9.7 °(c=1; CH3OH)を有していた。この物
質は予想された約1:1 の割合(1H-NMR スペクトル解析に
より測定)のジアステレオマー((1R,5S,2''S)-および(1
S,5R,2''S)- 化合物)の混合物からなっていた。
【0085】4.4.6 実施例120: (-)-(1R/S,5S/R,2''R)-
2'- フルオロ-2-(2-メトキシプロピル)-5,9,9-トリメチ
ル-6,7- ベンゾモルファンオキサレート a) 出発物質:(1R/S,5S/R,2''R)-2'-フルオロ-2-(2-メ
トキシプロピオニル)-5,9,9-トリメチル-6,7- ベンゾモ
ルファン(ジアステレオマーの混合物)。2.97g(0.01mo
l)の(±)-2'- ニトロ-5,9,9- トリメチル-6,7- ベンゾ
モルファン塩酸塩、即ち予想されたジアステレオマー2'
- フルオロ-2-(2-メトキシプロピオニル)-5,9,9-トリメ
チル-6,7- ベンゾモルファン類の混合物を(実施例119
と同様の反応順序で)1.34g(0.011 mol)の(R)-2-メトキ
シプロピオン酸クロリドを使用して得た。これらのジア
ステレオマーは薄層クロマトグラフィーによっては分離
できなかった(Rf =0.73; シリカゲル、クロロホルム/
メタノール/濃アンモニア90:10:0.5;収量 2.9g)。 b) 標記化合物を得るための反応 実施例119 と同様にして、2.9 g(9.2mM)の上記先駆体を
リチウムアルミニウムハイドライドと反応させて、標記
化合物を得、これを該実施例に記載の如く精製した。こ
の純粋画分(0.9g)を含む該溶出液の蒸発残渣を実施例98
と同様にしてオキサレートとして結晶化した。かくし
て、標記化合物を収量0.88g(理論値の22.3%)で得たがこ
れは融点169 °C(分解)および比旋光度〔α〕D 25=-9.
5 °(c=1;CH3OH)を有していた。この物質は予想された
ジアステレオマー((1R,5S,2''R)-および(1S,5R,2''R)-
化合物)の混合物からなっていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヘルムート エンジンガー ドイツ連邦共和国 6507 インゲルハイ ム アム ライン マッヒデブルーゲル シュトラーセ 54 (72)発明者 マッティアス グラウエルト ドイツ連邦共和国 6507 インゲルハイ ム アム ライン イン デル デルヴ ィーゼ 62 (72)発明者 フランツ ヨゼフ クーン ドイツ連邦共和国 6535 ガウ アルゲ スハイム ベートーヴェンシュトラーセ 11 (72)発明者 ヘルベルト メルツ ドイツ連邦共和国 6507 インゲルハイ ム アム ライン ロートヴァインシュ トラーセ 53 (72)発明者 エンツィオ ミューラー ドイツ連邦共和国 6530 ビンゲン ア ム ライン イム フンゲルボルン 12 (72)発明者 ヴェルナー シュトランスキー ドイツ連邦共和国 6535 ガウ アルゲ スハイム イム ヒッペル 24 (72)発明者 イルゼ シュトレーレル ドイツ連邦共和国 6534 シュトローム ベルクヴァルトシュトラーセ 16 (56)参考文献 特開 昭54−151979(JP,A) 特開 昭55−13278(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 221/26 A61K 31/439 A61P 9/10 A61P 25/08 A61P 25/28 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の一般式Iで示されるベンゾモルフ
    ァン類、その立体異性体、又は酸付加塩: 【化1】 ここで、 Xは酸素または硫黄原子を表し、 R1はC1-8−アルキル、C3-6−アルケニル、C3-6−アルキ
    ニルまたはC 6-10 −芳香族基を表し、該芳香族基は、低
    級アルキル、アルコキシ、ニトロ、アミノ、及び/又は
    ハロゲンの少なくとも1つにより置換されていても良
    く、これらの置換基は同一でも異なっていても良い、 R2は水素原子またはC1-8−アルキル、C3-6−アルケニ
    ル、C3-6−アルキニル、C 6-10 −芳香族基を表し、該芳
    香族基は、低級アルキル、アルコキシ、ニトロ、アミ
    ノ、及び/又はハロゲンの少なくとも1つにより置換され
    ていても良く、これらの置換基は同一でも異なっていて
    も良い;又は、アルキレン鎖に結合したC 7-14 アリール基
    を表し、該芳香族基は、低級アルキル、アルコキシ、ニ
    トロ、アミノ、及び/又はハロゲンの少なくとも1つによ
    り置換されていても良く、これらの置換基は同一でも異
    なっていても良い、 R3は水素原子またはC1-6−アルキル基を表し、 R4はC1-8−アルキル基を表し、 R5はC1-8−アルキル基を表し、 R6はC1-8−アルキルまたはC 6-10 −芳香族基を表し、該
    芳香族基は、低級アルキ ル、アルコキシ、ニトロ、アミ
    ノ、及び/又はハロゲンの少なくとも1つにより置換され
    ていても良く、これらの置換基は同一でも異なっていて
    も良い、 R7およびR8はそれぞれ独立に水素、ハロゲン原子、C1-8
    −アルキル、-OH 、C1-8−アルコキシ、-O- ベンゾイ
    ル、又は1つの直鎖又は分岐のC 1-6 −低級アルキルを有
    する-O-アルキルカルボニルを表し、このアルキル基
    は、相互に異なっていてもよい、-CN、-NO2、-NH2、-NH
    (C1-8−アルキル)または-N(C1-8 −アルキル)2(ここ
    でアルキル基は同一または異なっていてもよい)、-NH-
    アシルまたは-N-アシル-(C1-8−アルキル) (ここでアシ
    ル基は、ベンゾイル、又は直鎖又は分岐のC 1-6 −低級ア
    ルキルを有するアルキルカルボニルを表し、このアルキ
    ル基は、相互に異なっていてもよい1つ以上のハロゲン
    により置換されていてもよい)を表す。但し、 Xが酸素を表し、 R 1 がC 1-3 −アルキル、C 3 −アルケニル、またはC 3 −アル
    キニルを表し; R 2 が水素原子、C 1-4 −アルキル、またはC 3-4 −アルケニ
    ルを表し; R 3 が水素原子またはC 1-3 −アルキル基を表し、 R 4 がメチルを表し、 R 5 がメチルを表し、 R 6 がC 1-4 −アルキルまたはフェニルを表し、 R 7 およびR 8 の一方が水素を表す場合、2'位のR 7 又はR
    8 が、水素、ヒドロキシ、C 1-3 −アルコキシ、または-O-
    アシルであることはない。
  2. 【請求項2】 上記一般式Iにおいて、Xが酸素または
    硫黄原子を表し、 R1はメチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはフ
    ェニル基を表し、 R2はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、アリ
    ル、プロパルギル、フェニルまたはベンジル基を表し、 R3は水素原子またはC1-4−アルキル基を表し、 R4はメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピル基を
    表し、 R5はメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピル基を
    表し、 R6はメチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはフ
    ェニル基を表し、 R7は弗素、塩素、ヒドロキシ、低級アルキル、C1-3-ア
    ルコキシ、-O- ベンゾイル、又は1つの直鎖又は分岐のC
    1-6 −低級アルキルを有する-O-アルキルカルボニルを表
    し、このアルキル基は、相互に異なっていてもよい、1
    つ以上のハロゲンで置換されていても良い。R8は水素、
    低級アルキル、ヒドロキシまたはC1-8-アルコキシ基を
    表す請求項1記載のベンゾモルファン類、その立体異性
    体又は酸付加塩
  3. 【請求項3】 上記一般式Iにおいて、 Xが酸素を表し、 R1はメチルまたはエチル基を表し、 R2はメチルまたはエチル基を表し、 R3は水素原子を表し、 R4はメチルまたはエチル基を表し、 R5はメチルまたはエチル基を表し、 R6はメチルまたはエチル基を表し、 R7はヒドロキシ、メチル、メトキシ、-O- ベンゾイル、
    又は1つの直鎖又は分岐のC 1-6 −低級アルキルを有する-
    O-アルキルカルボニルを表し、このアルキル基は、相互
    に異なっていてもよい、1つ以上のハロゲンで置換され
    ていても良い、R8は水素原子、メチル、エチル、ヒドロ
    キシまたはC 1-3 -アルコキシ基を表す請求項1記載のベ
    ンゾモルファン類、その立体異性体又は酸付加塩
  4. 【請求項4】 上記一般式Iにおいて、 Xが酸素を表し、 R1はメチル基を表し、 R2はメチル基を表し、 R3は水素原子を表し、 R4はメチル基を表し、 R5はメチル基を表し、 R6はメチル基を表し、 R7はヒドロキシ、メチル、メトキシまたはアセトキシ基
    を表し、 R8は水素原子、メチル、ヒドロキシまたはC 1-3 -アルコ
    キシ基を表す請求項1記載のベンゾモルファン類、その
    立体異性体又は酸付加塩
  5. 【請求項5】 上記一般式Iにおいて、 Xが酸素を表し、 R1はメチル基を表し、 R2はメチル基を表し、 R3は水素原子を表し、 R4はメチル基を表し、 R5はメチル基を表し、 R6はメチル基を表し、 R7はヒドロキシ、メチル、メトキシまたはアセトキシ基
    を表し、 R8は水素原子、メチル、ヒドロキシ、メトキシまたはエ
    トキシ基を表し、 但しR7は3'−位にあり、R8は2'−位にあり、2"- 炭素原
    子はR-配座にある請求項1記載のベンゾモルファン類
    またはその酸付加塩
  6. 【請求項6】 (-)-(1R,5S,2"R)-3'-ヒドロキシ-2-(2-
    メトキシプロピル)ー5,9,9-トリメチル-6,7-ベンゾモル
    ファン、又はその酸付加塩。
  7. 【請求項7】 以下の一般式(2)(R4、R5およびR6は請求
    項1に定義の通りであり、R9およびR10 は請求項1に定
    義のR7およびR8と同じ意味を有するか、あるいは不活性
    溶媒中でR7およびR8に転化し得る置換基を表す)で示さ
    れるベンゾモルファン類を、以下の一般式(4)(ここでY
    は2級アミノ基で置換できるハロゲン原子、ヒドロキ
    シ、OC(O) アルキル、O-アシル、OSO2アルキルおよびOS
    O2アリール基からなる群から選ばれる脱離基を表し、
    R1、R2、R3およびXは請求項1に定義の通りである)で
    示されるカルボン酸誘導体と反応させ、 【化2】 次いで生成する酸アミド(3) を公知の方法で不活性溶媒
    中で還元して、以下の一般式(6): 【化3】 のアミンを生成させ、場合により該置換基R9およびR10
    をR7およびR8に転化し、生成する反応混合物を分離する
    ことを特徴とする、以下の一般式I: 【化4】 で示される化合物の製造法。
  8. 【請求項8】 以下の一般式(2)(ここで、R4、R5および
    R6は請求項1に定義の通りであり、R9およびR10 は請求
    項1に定義のR7およびR8と同じ意味を有するか、あるい
    は不活性溶媒中でR7およびR8に転化し得る置換基を表
    す)で示されるベンゾモルファン類: 【化5】 を上記の一般式(5)(ここでZは2級アミノ基で置換でき
    るハロゲン原子、アリールスルホネート、アルキルスル
    ホネート、およびサルフェート基からなる群から選ばれ
    る脱離基を表し、R1、R2、R3およびXは請求項1に定義
    の通りである)で示されるアルキル化剤と反応させて、
    式(6): 【化6】 で表される三級アミンを生成させ、場合により該置換基
    R9およびR10 を、R7およびR8に転化し、 【化7】 生成する反応混合物を分離することを特徴とする、以下
    の一般式I: 【化8】 で示される化合物の製造法。
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