JP2004502751A - 13−置換されたメタサイクリン化合物 - Google Patents

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Abstract

13−置換されたメタサイクリン化合物、テトラサイクリン反応状態の治療の方法、および13−置換されたメタサイクリン化合物を含有する薬学的組成物について記載されている。

Description

【0001】
関連出願
本願は、2000年7月7日に出願され、その全内容が本願に参照として組入れられている、米国特許仮出願第60/216,580号、発明の名称「13−置換されたメタサイクリン化合物」に優先権を主張するものである。本願はさらに、1999年9月14日に出願された米国特許仮出願第60/154,701号;2000年3月31日に出願された米国特許仮出願第60/193,972号;2000年3月31日に出願された米国特許仮出願第60/193,879号;2000年5月15日に出願された米国特許仮出願第60/204,158号;2000年6月16日に出願された米国特許仮出願第60/212,030号;および、2000年6月16日に出願された米国特許仮出願第60/212,471号にも関し、これらの出願は各々その全内容が本願に参照として組入れられている。
【0002】
発明の背景
テトラサイクリン系抗生物質の開発は、殺菌性および/または静菌性組成物の製造が可能な微生物の証拠のために世界中の多くの地域から収集された土壌種の系統的スクリーニングの直接の結果であった。これらの新規化合物の最初のものは、1948年にクロルテトラサイクリンという名称で紹介された。2年後、オキシテトラサイクリンが利用可能になった。これらの化合物の化学構造の解明は、それらの類似性を確認し、かつ1952年にはこの群の第三の要員であるテトラサイクリンの製造の解析的基礎を提供した。初期のテトラサイクリンに存在する環に結合したメチル基を伴わない、テトラサイクリン化合物の新規ファミリーが、1957年に調製され、かつ1967年には公に利用可能になり;および、ミノサイクリンは1972年までに使用された。
【0003】
最近、様々な治療条件および投与経路の下で有効な、新規テトラサイクリン抗生物質組成物の開発に、集中して研究が成されている。新規テトラサイクリンアナログはさらに、当初導入されたテトラサイクリン化合物と同程度またはより効果的であることを証明するために研究されている。例えば、米国特許第3,957,980号;第3,674,859号;第2,980,584号;第2,990,331号;第3,062,717号;第3,557,280号;第4,018,889号;第4,024,272号;第4,126,680号;第3,454,697号;および、第3,165,531号を含む。これらの特許は、薬学的活性のあるテトラサイクリンおよびテトラサイクリンアナログの組成物の範囲を代表するものである。
【0004】
歴史的に、それらの初期の開発および導入のすぐ後に、これらのテトラサイクリン類が、リケッチア;多くのグラム陽性菌およびグラム陰性菌;ならびに、性病性リンパ肉芽腫、封入体結膜炎およびオウム病に寄与する物質に対し、薬学的に高度に効果があることが発見された。これによりテトラサイクリンは「広域スペクトル」抗生物質として知られるようになった。その後のそれらのインビトロ抗微生物活性、実験的感染症における有効性、および薬学的特性の確立により、テトラサイクリンは、クラスとして治療目的で急激に広範に使用され始めた。しかしこの大・小両疾患および疾病のための広範なテトラサイクリンの使用は、とりわけ高度に感受性のある寄生性および病原性の両方の細菌種(例えば肺炎球菌およびサルモネラ菌)におけるこれらの抗生物質に対する耐性の出現に直接結びついている。テトラサイクリン−耐性生物の出現は、テトラサイクリンおよびテトラサイクリンアナログ組成物の抗生物質選択肢としての使用の全般的減少をもたらしている。
【0005】
発明の概要
本発明は、下記式の13−置換されたメタサイクリン化合物:
【化2】
Figure 2004502751
(式中、RおよびR4’は、各々アルキルであり;
は、水素、ヒドロキシル、またはプロドラッグ部分であり;
は、フェニル基、すなわち、アルコキシフェニル基、ハロフェニル基、カルボキシフェニル基、アシルフェニル基、シアノフェニル基、ニトロフェニル基、ナフチル基、ジアルキルフェニル基、またはアルキルフェニル基;t−ブチル基;アミノアルカンチオ基である。);および、それらの薬学的に許容できる塩に関する。
【0006】
本発明はさらに、哺乳類に式Iの化合物を投与することによって、哺乳類におけるテトラサイクリン反応状態を治療する方法に関する。別の局面において、本発明は、テトラサイクリン反応状態をを治療するための式Iの化合物の使用に関する。本発明はさらに、式Iの化合物を含有する薬学的組成物、およびテトラサイクリン反応状態を治療するための医薬品の製造における式Iの化合物の使用に関する。
【0007】
本発明はさらに、少なくとも一部は、13−置換されたメタサイクリン化合物を合成する方法に関する。この方法は、メタサイクリン化合物をボロン酸(例えばアリールボロン酸)と、13−置換されたメタサイクリン化合物が生成されるのに適した条件下で接触することを含む。
【0008】
別の態様において、本発明は、13−置換されたメタサイクリン化合物の合成法も含む。この方法は、メタサイクリン化合物を第三級アルコールと、13−置換されたメタサイクリン化合物が合成されるのに適した条件(例えば、酸触媒)下で接触することを含む。
【0009】
発明の詳細な説明
本発明は、下記式の13−置換されたメタサイクリン化合物:
【化3】
Figure 2004502751
(式中、RおよびR4’は、各々アルキルであり;
は、水素、ヒドロキシル、またはプロドラッグ部分であり;
は、フェニル基、すなわち、アルコキシフェニル基、ハロフェニル基、カルボキシフェニル基、アシルフェニル基、シアノフェニル基、ニトロフェニル基、ナフチル基、またはアルキルフェニル基;t−ブチル基;アミノアルカンチオ基である。);および、それらの薬学的に許容できる塩およびプロドラッグに関する。
【0010】
用語「13−置換されたメタサイクリン化合物」は、13位に置換基を持つメタサイクリン化合物を含む(例えば、R位に置換基を持つ式Iの化合物)。ある態様において、置換されたメタサイクリン化合物は、置換されたメタサイクリンである(例えば、式中、RおよびR4’はメチルであり、およびRはヒドロキシルである)。
【0011】
さらに別の態様において、Rは、フェニル基、すなわち、アルコキシフェニル 基、ハロフェニル基、カルボキシフェニル基、アシルフェニル基、シアノフェニル基、ニトロフェニル基、ナフチル基またはアルキルフェニル基;t−ブチル基;アミノアルカンチオ基である。Rがフェニル基である化合物の例は、13−(フェニル)メタサイクリンおよび13−(4’−クロロフェニル−5−シクロヘキサノエート)メタサイクリンを含む。
【0012】
ある態様において、Rはアルコキシフェニル基である。このような化合物の例は、13−(4’−メトキシフェニル)メタサイクリン、13−(メチレンジオキシフェニル)メタサイクリン、13−(4’−エトキシフェニル)メタサイクリン、13−(p−カルボメトキシフェニル)メタサイクリン、および13−(3’,4’−メチレンジオキシフェニル)メタサイクリンがある。
【0013】
ある態様において、Rはハロフェニル基である。このような化合物の例は、13−(4’−フルオロフェニル)メタサイクリン、13−(4’−クロロフェニル)メタサイクリン、13−(3’−クロロフェニル)メタサイクリン、13−(メチレンジオキシフェニル)メタサイクリン、13−(3’−カルボキシルフェニル)メタサイクリン、13−(3’−4’−ジクロロフェニル)メタサイクリン、13−(4’−アセチルフェニル)メタサイクリン、13−(4’−エトキシフェニル)メタサイクリン、13−(4’−クロロフェニル−5−シクロヘキサノエート)メタサイクリン、13−(3,5−ジフルオロフェニル)メタサイクリン、13−(3’−アセチルフェニル)メタサイクリン、13−(4’−ブロモフェニル)メタサイクリン、13−(2,4−ジフルオロフェニル)メタサイクリン、13−(2−クロロフェニル)メタサイクリン、13−(p−カルボメトキシフェニル)メタサイクリン、および13−(トリフルオロメチルフェニル)メタサイクリンがある。
【0014】
ある態様において、Rはカルボキシフェニル基である。このような化合物の例は、13−(3’−カルボキシルフェニル)メタサイクリンである。
【0015】
ある態様において、Rはアシルフェニル基である。このような化合物の例は、13−(3’−アセチルフェニル)メタサイクリン、13−(4’−アセチルフェニル)メタサイクリン、および13−(3’−ホルミル)メタサイクリンである。
【0016】
ある態様において、Rはシアノフェニル基である。このような化合物の例は、13−(p−シアノフェニル)メタサイクリンである。
【0017】
ある態様において、Rはニトロフェニル基である。このような化合物の例は、13−(4’−ニトロフェニル)メタサイクリンである。
【0018】
ある態様において、Rはナフチル基である。このような化合物の例は、13−(ナフチル)メタサイクリンである。
【0019】
ある態様において、Rはジアルキルフェニル基である。このような化合物の例は、13−(3,5−ジメチルフェニル)メタサイクリンである。
【0020】
ある態様において、Rはアルキルフェニル基である。このような化合物の例は、13−(p−t−ブチルフェニル)メタサイクリンおよび13−(p−トリル)メタサイクリンである。
【0021】
ある態様において、Rはt−ブチル基である。このような化合物の例は、9,13−ジ−t−ブチルメタサイクリンである。
【0022】
ある態様において、Rはアミノアルカンチオ基である。このような化合物の例は、13−(ジメチルアミノエタンチオ)メタサイクリンである。
【0023】
本発明はさらに、少なくとも一部は、13−置換されたメタサイクリン化合物(例えば、式Iの化合物)の合成法に関する。この方法は、メタサイクリン化合物をボロン酸と、13−置換されたメタサイクリン化合物が生成されるのに適した条件下で接触することを含む。
【0024】
用語「メタサイクリン化合物」は、本発明の13−置換されたメタサイクリン化合物の合成に使用することができる化合物を含む。ある態様において、メタサイクリン化合物は、Rが水素である式Iの化合物を含む。
【0025】
用語「適した条件」とは、望ましい反応が生じ得るような条件を含む。例えば、適した条件は、遷移金属触媒(例えば、ボロン酸カップリング)または酸触媒(第三級アルコール付加)を含むことができる。適した条件は、さらに不活性大気(例えば、N、Arなど)および許容できる溶媒も含み得る。さらに当業者は、本願および実施例において説明した反応をさらに詳述するために参考文献を使用する(例えば、Pure & Applied Chemistry、63:419−22(1991);J. Org. Chem.、58:2201(1993);Organic Synthesis、68:130)。
【0026】
用語「遷移金属触媒」は、元素21から29、39から47、57から79、および89以降である遷移金属および遷移金属を含む触媒を含む。遷移金属触媒の例は、CuCl、トリフラート銅(I)、チオフェン塩化銅、塩化パラジウム(II)、有機パラジウム触媒、例えば酢酸パラジウム、Pd(PPh、Pd(AsPh、PdCl(PhCN)、PdCl(PhP)、Pd(dba)−CHCl(”dba”= ジベンジルアセトン);およびそれらの組合せを含む。別の遷移金属触媒は、ロジウム(例えば、酢酸ロジウム(II)およびRh(CO)16)、鉄、イリジウム、クロム、ジルコニウムおよびニッケルなどの金属を有するものを含む。当業者は、現存する文献を基に、望ましい反応を実施するために適当な遷移金属触媒を選択することができるだろう(例えば、Lipshutz, B.H.、Org. React.、41:135(1992)参照、これは本願に参照として組入れられる)。
【0027】
本発明の13−置換された化合物は、当該技術分野において公知の方法および/または本願において説明された方法により合成することができる。スキーム1において、13−置換されたメタサイクリン化合物合成に関する一般合成スキームを示している。この反応において、メタサイクリンは、遷移金属触媒の存在下、ボロン酸とカップリングされる。さらに、当該技術分野において公知の他のアリールカップリング反応も使用することができる。
【0028】
【化4】
Figure 2004502751
スキーム1に示されるように、メタサイクリンは、Pd(OAc)のようなパラジウム触媒の存在下で、フェニルボロン酸と反応される。その後得られる化合物は、分取HPLCのような当該技術分野において公知の技術を用い精製しかつ特徴決定することができる。本発明の化合物の合成は、実施例1においてより詳細に説明している。
【0029】
がアルキル基である13−置換されたメタサイクリン化合物は、スキーム2に示したように、第三級アルコールおよび酸触媒を用いて合成することができる。
【化5】
Figure 2004502751
【0030】
本発明はさらに、13−置換されたメタサイクリン化合物(例えば、13−アルキル置換されたメタサイクリン化合物、例えばRがアルキルである式(I)の化合物など)を合成する方法にも関する。この方法は、メタサイクリン化合物を第三級アルコールと、13−置換されたメタサイクリン化合物が合成されるのに適した条件下で接触させることを含む。
【0031】
用語「アルキル」は、直鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなど)、分枝鎖のアルキル基(イソプロピル、t−ブチル、イソブチルなど)、シクロアルキル(脂環式)基(シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル)、アルキル置換されたシクロアルキル基、およびシクロアルキル置換されたアルキル基を含む、飽和した脂肪族基を含む。さらにアルキルという用語は、炭化水素主鎖の1つまたは複数の炭素が酸素、窒素、イオウまたはリン原子と置換されているアルキル基を含む。ある種の態様において、直鎖または分枝鎖のアルキルは、その主鎖に6個またはより少ない炭素原子(例えば、直鎖についてC−C、分枝鎖についてC−C)、およびより好ましくは4個またはより少ない炭素原子を有する。同様に好ましいシクロアルキルは、それらの環構造内に3〜8個の炭素原子を有し、より好ましくはその環構造に5または6個の炭素を有する。C−Cという用語は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含む。
【0032】
さらに、用語アルキルは、「未置換のアルキル」および「置換されたアルキル」の両方を含み、後者は、炭化水素主鎖の1個または複数の炭素上の水素と置換する置換基を有するアルキル残基を意味する。このような置換基は、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイド)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロ環式、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族残基を含むことができる。シクロアルキルはさらに例えば前記置換基を置換することができる。「アルキルアリール」または「アラルキル」残基は、アリールで置換されたアルキル(例えばフェニルメチル(ベンジル))である。用語「アルキル」はさらに、天然または非天然のアミノ酸の側鎖も含む。
【0033】
用語「アリール」は、0〜4個のヘテロ原子を有することができる5−および6−員の単環芳香族基に加え、少なくとも1個の芳香族環を伴う多環システムを含む、芳香族性を持つ基を含む。アリール基の例は、ベンゼン、フェニル、ピロール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、およびピリミジンなどがある。さらに用語「アリール」は、三環、二環などの多環式アリール基、例えばナフタレン、ベンズオキサゾール、ベンゾジオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、メチレンジオキシフェニル、キノリン、イソキノリン、ナフトリジン(napthridine)、インドール、ベンゾフラン、プリン、ベンゾフラン、デアザプリン、またはインドリジンがある。このような環構造にヘテロ原子を有するアリール基は、「アリールヘテロ環」、「ヘテロ環」、「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」と称される。芳香環は、前述のような置換基で1個または複数の環の位置で置換することができ、例として、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロ環式、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族残基である。アリール基はさらに、多環システム(例えば、テトラリン、メチレンジオキシフェニルなど)を形成するために、芳香族でない脂環式またはヘテロ環式環と融合または架橋することもできる。
【0034】
用語「アルケニル」は、長さおよび置換の可能性は前述のアルキルと同様であるが、少なくとも1個の二重結合を有する、不飽和の脂肪族基を含む。
【0035】
例えば用語「アルケニル」は、直鎖のアルケニル基(例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニルなど)、分枝鎖のアルケニル基、シクロアルケニル(脂環式)基(シクロプロペニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニルなど)、アルキルまたはアルケニル置換されたシクロアルケニル基、ならびにシクロアルキルまたはシクロアルケニル置換されたアルケニル基を含む。用語アルケニルはさらに、炭化水素主鎖の1個または複数の炭素と置換されている酸素、窒素、イオウまたはリン原子を有するアルケニル基を含む。ある態様において、直鎖または分枝鎖のアルケニル基は、その主鎖に6個またはより少ない炭素原子(例えば、直鎖についてC−C、分枝鎖についてC−C)を有する。同様にシクロアルケニル基は、それらの環構造内に3〜8個の炭素原子を有し、より好ましくはその環構造に5個または6個の炭素を有する。用語C−Cは、2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基を含む。
【0036】
さらに、用語アルケニルは、「未置換のアルケニル」および「置換されたアルケニル」を含み、後者は、炭化水素主鎖の1個または複数の炭素上の水素と置換する置換基を有するアルケニル残基を意味する。このような置換基は、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイド)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロ環式、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族残基を含むことができる。
【0037】
用語「アルキニル」は、長さおよび置換の可能性は前述のアルキルと同様であるが、少なくとも1個の三重結合を有する、不飽和の脂肪族基を含む。
【0038】
例えば用語「アルキニル」は、直鎖のアルキニル基(例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニルなど)、分枝鎖のアルキニル基、ならびにシクロアルキルまたはシクロアルケニル置換されたアルキニル基を含む。用語アルキニルはさらに、炭化水素主鎖の1個または複数の炭素と置換されている酸素、窒素、イオウまたはリン原子を有するアルキニル基を含む。ある態様において、直鎖または分枝鎖のアルキニル基は、その主鎖に6個またはより少ない炭素原子(例えば、直鎖についてC−C、分枝鎖についてC−C)を有する。用語C−Cは、2〜6個の炭素原子を有するアルキニル基を含む。
【0039】
さらに、用語アルキニルは、「未置換のアルキニル」および「置換されたアルキニル」を含み、後者は、炭化水素主鎖の1個または複数の炭素上の水素と置換する置換基を有するアルキニル残基を意味する。このような置換基は、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイド)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロ環式、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族残基を含むことができる。
【0040】
炭素数が特に指定されない限りは、本願において使用される「低級アルキル」は、先に定義されたアルキル基を意味するが、その主鎖構造に1〜5個の炭素原子を有する。「低級アルケニル」および「低級アルキニル」は、例えば2〜5個の炭素原子の長さの鎖を有する。
【0041】
用語「アシル」は、アシルラジカル(CHCO−)またはカルボニル基を含む化合物および残基を含む。用語「置換されたアシル」は、1個または複数の水素原子が、例えばアルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロ環式、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族残基であるアシル基を含む。
【0042】
用語「アシルアミノ」は、アシル残基がアミノ基に結合している残基を含む。例えば、この用語は、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイド基を含む。
【0043】
用語「アロイル」は、カルボニル基に結合したアリールまたはヘテロ芳香族残基を伴う化合物および残基を含む。アロイル基の例は、フェニルカルボキシ、ナフチルカルボキシなどを含む。
【0044】
用語「アルコキシアルキル」、「アルキルアミノアルキル」および「チオアルコキシアルキル」は、前述のようなアルキル基を含み、これはさらに例えば酸素、窒素またはイオウ原子などの、炭化水素主鎖の1個または複数の炭素と置換している酸素、窒素またはイオウ原子を含む。
【0045】
用語「アルコキシ」は、酸素原子と共有結合した置換または未置換のアルキル、アルケニル、およびアルキニル基を含む。アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、プロポキシ、ブトキシ、およびペントキシ基を含む。置換されたアルコキシ基の例は、ハロゲン化されたアルコキシ基を含む。アルコキシ基は、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイド)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロ環式、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ環式残基で置換することができる。ハロゲン置換されたアルコキシ基の例は、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシなどを含むが、これらに限定されるものではない。
【0046】
用語「アミン」または「アミノ」は、少なくとも1個の炭素またはヘテロ原子に窒素原子が共有結合した化合物を含む。用語「アルキルアミノ」は、窒素が少なくとも1個の追加のアルキル基に結合した基および化合物を含む。用語「ジアルキルアミノ」は、窒素原子が少なくとも2個の追加のアルキル基と結合した基を含む。用語「アリールアミノ」および「ジアリールアミノ」は、各々、窒素が、少なくとも1個または2個のアリール基と結合した基を含む。用語「アルキルアリールアミノ」、「アルキルアミノアリール」または「アリールアミノアルキル」は、少なくとも1個のアルキル基および少なくとも1個のアリール基に結合したアミノ基を意味する。用語「アルカミノアルキル」は、同じくアルキル基に結合した窒素原子に結合したアルキル、アルケニル、またはアルキニル基を意味する。
【0047】
用語「アミド」または「アミノカルボキシ」は、カルボニルまたはチオカルボニル基の炭素に結合した窒素原子を有する化合物または残基を含む。この用語は、カルボキシ基に結合したアミノ基に結合したアルキル、アルケニル、またはアルキニル基を含む「アルカミノカルボキシ」基を含む。これは、カルボニルまたはチオカルボニル基の炭素に結合したアミノ基に結合したアリールまたはヘテロアリール残基を含むアリールアミノカルボキシ基を含む。用語「アルキルアミノカルボキシ」、「アルケニルアミノカルボキシ」、「アルキニルアミノカルボキシ」および「アリールアミノカルボキシ」は、各々、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリール残基が、窒素原子に結合し、これが次にカルボニル基の炭素に結合している残基を含む。
【0048】
用語「カルボニル」または「カルボキシ」は、二重結合により酸素原子に結合した炭素を有する化合物および残基を含む。カルボニルを含む残基の例は、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、アミド、エステル、無水物などである。
【0049】
用語「チオカルボニル」または「チオカルボキシ」は、二重結合によりイオウ原子に結合した炭素を有する化合物および残基を含む。
【0050】
用語「エーテル」は、2個の異なる炭素原子またはヘテロ原子に結合した酸素を有する化合物または残基を含む。例えばこの用語は、別のアルキル基に共有結合している酸素原子に共有結合したアルキル、アルケニルまたはアルキニル基を意味する、「アルコキシアルキル」を含む。
【0051】
用語「エステル」は、カルボニル基の炭素に結合した酸素原子に結合した炭素またはヘテロ原子を有する化合物または残基を含む。用語「エステル」は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニルなどのアルコキシカルボキシ基を含む。このアルキル、アルケニル、またはアルキニル基は、先に定義したものである。
【0052】
用語「チオエーテル」は、2個の異なる炭素またはヘテロ原子に結合したイオウ原子を有する化合物および残基を含む。チオエーテルの例は、アルクチオアルキル、アルクチオアルケニル、およびアルクチオアルキニルを含むが、これらに限定されるものではない。用語「アルクチオアルキル」は、アルキル基に結合したイオウ原子に結合したアルキル、アルケニル、またはアルキニル基を伴う化合物を含む。同様に、用語「アルクチオアルケニル」および「アルクチオアルキニル」は、アルキル、アルケニルまたはアルキニル基が、アルキニル基に共有結合したイオウ原子に結合している化合物または残基を意味する。
【0053】
用語「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、−OHまたは−Oを伴う基を含む。
【0054】
用語「ハロゲン」は、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素などを含む。用語「過ハロゲン化された」とは概して、全ての水素がハロゲン原子と置き換えられている残基を意味する。
【0055】
用語「多環式」または「多環式ラジカル」は、2個またはそれより多い炭素が2個の隣接環で共有される2個またはそれより多い環式環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリールおよび/またはヘテロ環式)を意味する。非隣接原子で連結された環は、「架橋した」環と称される。多環の各環は、前述のような置換基で置換することができ、例えばハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシ、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホン酸塩、スファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロ環式、アルキル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族残基である。
【0056】
用語「ヘテロ原子」は、炭素または水素以外の元素の原子を含む。ヘテロ原子の例は、窒素、酸素、イオウおよびリンを含む。
【0057】
本発明の一部の化合物の構造は、不斉炭素原子を含むことは注目されるであろう。従って、このような不斉から生じる異性体(例えば、全てエナンチオマーおよびジアステレオマー)は、特に記さない限り、本発明の範囲に含まれと理解されるべきである。このような異性体は、古典的分離技術および立体化学的に制御された合成により、実質的に純粋型で得ることができる。さらに本願において考察した構造ならびに他の化合物および残基も、それらの全ての互変異性体を含む。
【0058】
プロドラッグは、インビボにおいて活性型に転換される化合物である(例えば、R.B. Silverman、「ドラッグデザインおよびドラッグ作用の有機化学(The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action)」、1992年、Academic Press社、第8章参照)。プロドラッグは、特定の化合物の生体分布(例えば、典型的な例としては化合物をプロテアーゼ反応部位には侵入しないようにする)または薬物動態を変更するために使用することができる。例えばヒドロキシル基は、例えば、カルボン酸基によりエステル化し、エステルを生じることができる。このエステルが対象に投与される場合、エステルは、酵素的または非酵素的、還元的または加水分解的に切断され、ヒドロキシル基を明らかにする。
【0059】
用語「プロドラッグ部分」は、インビボにおいてヒドロキシル基へ代謝され得る残基および有利なことにインビボにおいてエステル化され続ける残基を含む。好ましくは、プロドラッグ部分は、エステラーゼによりまたは他の機構によりヒドロキシル基または他の有利な基へとインビボにおいて代謝される。プロドラッグおよびそれらの使用の例は、当該技術分野において周知である(例えば、Bergeら、「薬学用塩(Pharmaceutical Salts)」、J. Pharm. Sci.、66:1−19(1977)参照)。これらのプロドラッグは、化合物の最終単離および精製時に、または精製された化合物のその遊離酸型もしくはヒドロキシルの適当なエステル化剤との個別の反応によりインサイチュ調製することができる。ヒドロキシル基は、カルボン酸による処理によりエステルに転換することができる。プロドラッグ部分の例は、置換または未置換の、分枝したまたは分枝していない低級アルキルエステル残基(例えば、プロピオン酸エステル)、低級アルケニルエステル、ジ−低級アルキルアミノ低級−アルキルエステル(例えば、ジメチルアミノエチルエステル)、アシルアミノ低級アルキルエステル(例えば、アセチルオキシメチルエステル)、アシルオキシ低級アルキルエステル(例えば、ピバロイルオキシメチルエステル)、アリールエステル(フェニルエステル)、アリール−低級アルキルエステル(例えば、ベンジルエステル)、置換された(例えば、メチル、ハロ、またはメトキシ置換基により)アリールおよびアリール−低級アルキルエステル、アミド、低級−アルキルアミド、ジ−低級アルキルアミド、およびヒドロキシアミドがある。好ましいプロドラッグ部分は、プロピオン酸エステルおよびアシルエステルである。
【0060】
本発明はさらに、式Iの化合物などの、本発明の13−置換されたメタサイクリン化合物を対象に投与することによる、対象においてテトラサイクリン化合物の反応状態を治療する方法を特徴とする。好ましくは、有効量のテトラサイクリン化合物が投与される。13−置換されたメタサイクリン化合物の例は、13−(フェニル)メタサイクリン、13−(4’−クロロフェニル−5−シクロヘキサノエート)メタサイクリン、13−(4’−メトキシフェニル)メタサイクリン、13−(メチレンジオキシフェニル)メタサイクリン、13−(4’−エトキシフェニル)メタサイクリン、13−(p−カルボメトキシフェニル)メタサイクリン、13−(3’,4’−メチレンジオキシフェニル)メタサイクリン、13−(4’−フルオロフェニル)メタサイクリン、13−(4’−クロロフェニル)メタサイクリン、13−(3’−クロロフェニル)メタサイクリン、13−(メチレンジオキシフェニル)メタサイクリン、13−(3’−カルボキシルフェニル)メタサイクリン、13−(3’−4’−ジクロロフェニル)メタサイクリン、13−(4’−アセチルフェニル)メタサイクリン、13−(4’−エトキシフェニル)メタサイクリン、13−(4’−クロロフェニル−5−シクロヘキサノエート)メタサイクリン、13−(3,5−ジフルオロフェニル)メタサイクリン、13−(3’−アセチルフェニル)メタサイクリン、13−(4’−ブロモフェニル)メタサイクリン、13−(2,4−ジフルオロフェニル)メタサイクリン、13−(2−クロロフェニル)メタサイクリン、13−(p−カルボメトキシフェニル)メタサイクリン、13−(トリフルオロメチルフェニル)メタサイクリン、13−(3’−カルボキシルフェニル)メタサイクリン、13−(3’−アセチルフェニル)メタサイクリン、13−(4’−アセチルフェニル)メタサイクリン、13−(3’−ホルミル)メタサイクリン、13−(p−シアノフェニル)メタサイクリン、13−(4’−ニトロフェニル)メタサイクリン、13−(ナフチル)メタサイクリン、13−(p−t−ブチルフェニル)メタサイクリン、13−(3,5−ジメチルフェニル)メタサイクリン、13−(p−トリル)メタサイクリン、9,13−(ジ−t−ブチル)メタサイクリン、13−(ジメチルアミノエタンチオ)メタサイクリンがある。表1は、これらの多くの化合物の構造を示す。
【0061】
【表1】
Figure 2004502751
Figure 2004502751
Figure 2004502751
Figure 2004502751
【0062】
専門用語「テトラサイクリン化合物反応状態」は、本発明のテトラサイクリン化合物の投与により治療、予防またはさもなければ改善することができる状態を含む。テトラサイクリン化合物反応状態は、細菌感染症(他のテトラサイクリン化合物に対し耐性であるものを含む)、癌、糖尿病、およびテトラサイクリン化合物が活性があることがわかっている他の状態を含む(例えば、米国特許第5,789,395号;第5,834,450号;および、第5,532,227号参照)。本発明の化合物は、下痢、尿路感染症、皮膚および皮膚構造の感染症、耳、鼻およびのどの感染症、創傷感染症、乳腺炎などのような、重要な哺乳類および動物の疾患を防御しかつ管理するために使用することができる。加えて、本発明のテトラサイクリン化合物を用い、新生物形成性疾患を治療する方法も含まれる(van der Bozertら、Cancer Res.、48:6686−6690(1988))。
【0063】
細菌感染症は、広範なグラム陽性菌およびグラム陰性菌により引き起され得る。本発明の化合物は、他のテトラサイクリン化合物に対し耐性のある生物に対する抗生物質として有用である。本発明のテトラサイクリン化合物の抗生物質活性は、実施例2において考察した方法を用いて、またはWaitz, J.A.の論文(National Commission for Clinical Laboratory Standards,、Document M7−A2、第10巻8号、13−20ページ、第2版、Villanova、PA(1990))に説明されたインビトロ標準ブロス希釈法を用いることにより決定することができる。
【0064】
これらのテトラサイクリン化合物はさらに、例えばリケッチア;多くのグラム陽性およびグラム陰性菌;ならびに、性病性リンパ肉芽腫、封入体結膜炎およびオウム病に寄与する物質などのような、テトラサイクリン化合物で伝統的に治療された感染症を治療するために使用することもできる。これらのテトラサイクリン化合物は、例えば、肺炎桿菌(K. pneumoniae)、サルモネラ(Salmonella)、エンテロコッカス・ヒラエ(E. hirae)、アシネトバクター・バウマニ(A. baumanii)、カタル球菌(B. catarrhalis)、インフルエンザ菌(H. influenzae)、緑膿菌(P. aeruginosa)、ヘシュム菌(E. faecium)、大腸菌(E. coli)、黄色ブドウ球菌(S. aureus)または大腸レンサ球菌(E. faecalis)などの感染症を治療するために使用することもできる。ある態様において、テトラサイクリン化合物は、他のテトラサイクリン抗生性化合物に対して耐性である細菌感染症を治療するために使用することができる。本発明のテトラサイクリン化合物は、薬学的に許容できる担体と共に投与することができる。
【0065】
専門用語化合物の「有効量」は、テトラサイクリン化合物反応状態の治療または予防に必要なまたは十分な量である。有効量は、対象の大きさおよび体重、疾患の種類、または具体的テトラサイクリン化合物などの要因により変動することができる。例えば、テトラサイクリン化合物の選択は、「有効量」を構成するものに影響を及ぼすことができる。当業者は、前述の要因を試験し、かつ過度の実験を必要とはせずにテトラサイクリン化合物の有効量に関して決定を下すことができるであろう。
【0066】
本発明はさらに、微生物感染症および関連疾患に対する治療法に関する。これらの方法は、1種または複数のテトラサイクリン化合物の有効量を対象へ投与することを含む。対象は、植物、または有利なことに動物、例えば哺乳類、例としてヒトのいずれかであることができる。
【0067】
本発明の治療的方法において、1つまたは複数の本発明のテトラサイクリン化合物は、単独で対象に投与することができ、典型的な例として、本発明の化合物を薬学的組成物の一部として、通常の賦形剤、すなわち非経口、経口または他の所望の投与に適し、およびこの活性化合物と有害に反応せずかつそのレシピエントに対し有害に作用しない、薬学的に許容できる有機または無機の担体物質と混合して投与することができる。
【0068】
ある態様において、この薬学的組成物は、例えば式Iの、本発明の13−置換されたメタサイクリン化合物を含有している。更なる態様において、13−置換されたメタサイクリン化合物は、13−(フェニル)メタサイクリン、13−(4’−クロロフェニル−5−シクロヘキサノエート)メタサイクリン、13−(4’−メトキシフェニル)メタサイクリン、13−(メチレンジオキシフェニル)メタサイクリン、13−(4’−エトキシフェニル)メタサイクリン、13−(p−カルボメトキシフェニル)メタサイクリン、13−(3’,4’−メチレンジオキシフェニル)メタサイクリン、13−(4’−フルオロフェニル)メタサイクリン、13−(4’−クロロフェニル)メタサイクリン、13−(3’−クロロフェニル)メタサイクリン、13−(メチレンジオキシフェニル)メタサイクリン、13−(3’−カルボキシルフェニル)メタサイクリン、13−(3’−4’−ジクロロフェニル)メタサイクリン、13−(4’−アセチルフェニル)メタサイクリン、13−(4’−エトキシフェニル)メタサイクリン、13−(4’−クロロフェニル−5−シクロヘキサノエート)メタサイクリン、13−(3,5−ジフルオロフェニル)メタサイクリン、13−(3’−アセチルフェニル)メタサイクリン、13−(4’−ブロモフェニル)メタサイクリン、13−(2,4−ジフルオロフェニル)メタサイクリン、13−(2−クロロフェニル)メタサイクリン、13−(p−カルボメトキシフェニル)メタサイクリン、13−(トリフルオロメチルフェニル)メタサイクリン、13−(3’−カルボキシルフェニル)メタサイクリン、13−(3’−アセチルフェニル)メタサイクリン、13−(4’−アセチルフェニル)メタサイクリン、13−(3’−ホルミル)メタサイクリン、13−(p−シアノフェニル)メタサイクリン、13−(4’−ニトロフェニル)メタサイクリン、13−(ナフチル)メタサイクリン、13−(p−t−ブチルフェニル)メタサイクリン、13−(3,5−ジメチルフェニル)メタサイクリン、13−(p−トリル)メタサイクリン、9,13−(ジ−t−ブチル)メタサイクリン、および13−(ジメチルアミノエタンチオ)メタサイクリンである。表1は、これらの化合物の多くの構造を示している。
【0069】
専門用語「薬学的に許容できる担体」は、テトラサイクリン化合物と同時投与することが可能である物質、およびテトラサイクリン化合物反応状態の、例えば治療または予防の、それらの意図された機能を両方発揮することができる物質を含む。適当な薬学的に許容できる担体は、水、塩溶液、アルコール、植物油、ポリエチレングリコール、ゼラチン、乳糖、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、流動パラフィン(viscous paraffin)、香油、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、石油エーテル性脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどを含むが、これらに限定されるものではない。薬学的調製物は、滅菌することができ、かつ望ましい場合は、本発明の活性化合物と有害に反応しない賦形剤、例えば滑沢剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に作用する塩、緩衝剤、着色剤、矯味・矯臭剤および/または芳香物質などと混合することができる。
【0070】
自然状態では塩基性である本発明のテトラサイクリン化合物は、様々な無機酸および有機酸と共に広範な塩を形成することが可能である。自然状態では塩基性である本発明のテトラサイクリン化合物の薬学的に許容できる酸付加塩の調製に使用することができる酸は、無毒の酸付加塩、すなわち塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカル酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびパルミチン酸塩[すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸塩)]のような、薬学的に許容できるアニオンを含む塩を形成するものである。このような塩は、例えば哺乳類のような対象への投与について薬学的に許容できなければならないが、実際には最初に本発明のテトラサイクリン化合物を反応混合物から薬学的に許容できる塩として単離し、かつ次にこれをアルカリ試薬による処理により遊離塩基化合物に戻すよう単純に転換し、引き続きこの遊離塩基を薬学的に許容できる酸付加塩に転換することが望ましいことが多い。本発明の塩基化合物の酸付加塩は、塩基化合物の、実質的に等量の選択された鉱酸または有機酸による、メタノールまたはエタノールのような水性溶媒中でまたは適当な有機溶媒中の処理により、容易に調製することができる。この溶媒を慎重に蒸発し、所望の固形塩が容易に得られる。
【0071】
前述の実験の項において詳細には説明されていないその他の本発明のテトラサイクリン化合物の調製は、当業者に明らかなように、先に説明された反応の組合せを用い実現することができる。
【0072】
自然の状態で酸性である本発明のテトラサイクリン化合物は、広範な塩基性塩の形成が可能である。自然の状態で酸性である本発明のテトラサイクリン化合物薬学的に許容できる塩基性塩の調製に試薬として使用することができる化学塩基は、このような化合物との無毒の塩基性塩を形成するものである。このような無毒の塩基性塩は、アルカリ金属カチオン(例えば、カリウムおよびナトリウム)ならびにアルカリ土類金属カチオン(例えば、カルシウムおよびマグネシウム)のような薬学的に許容できるカチオン由来のもの、アンモニウムまたは水溶性アミン付加塩、例えばN−メチルブルタミン−(メグルミン)、ならびに低級アルカノールアンモニウムおよび他の薬学的に許容できる有機アミンの塩基性塩を含むが、これらに限定されるものではない。自然の状態で酸性である本発明のテトラサイクリン化合物の薬学的に許容できる塩基付加塩は、定法により薬学的に許容できるカチオンにより形成することができる。従ってこれらの塩は、望ましい薬学的に許容できるカチオンの水溶液で本発明のテトラサイクリン化合物を処理し、かつ得られる溶液を、好ましくは減圧下で、蒸発乾固することにより容易に調製することができる。あるいは、本発明のテトラサイクリン化合物の低級アルキルアルコール溶液を、望ましい金属のアルコキシドおよび溶液と混合し、その後蒸発乾固することができる。
【0073】
前述の実験の項において詳細には説明されていない他の本発明のテトラサイクリン化合物の調製は、当業者に明らかである、先に説明された反応の組合せを用い実現することができる。
【0074】
本発明のテトラサイクリン化合物およびそれらの薬学的に許容できる塩は、経口、非経口または局所的経路のいずれかにより投与することができる。一般に、これらの化合物は、治療される対象の体重および状態ならびに選択された具体的投与経路に応じて、有効な用量で投与されることが最も望ましい。治療される対象の種およびその該医薬品に対する個々の反応に応じて、さらには選択された薬学的処方の種類ならびにそのような投与が実行される期間および間隔に応じて、変更することができる。
【0075】
本発明の薬学的組成物は、哺乳類においてテトラサイクリン反応状態を治療するために、単独でまたはその他の公知の組成物と組合せて投与することができる。好ましい哺乳類は、ペット(例えば、ネコ、イヌ、フェレットなど)、家畜(乳牛、ヒツジ、ブタ、ウマ、ヤギなど)、実験動物(ラット、マウス、サルなど)、ならびに霊長類(チンパンジー、ヒト、ゴリラ)である。専門用語である、公知の組成物と「組合せて」とは、本発明の組成物および公知の組成物の同時投与、最初に本発明の組成物、それに続けて公知の組成物の投与、ならびに最初に公知の組成物、それに続けて本発明の組成物の投与を含むことが意図されている。テトラサイクリン反応状態の治療のための当該技術分野において公知の治療的組成物のいずれかを、本発明の方法において使用することができる。
【0076】
本発明の化合物は、前述の経路のいずれかにより、単独でまたは薬学的に許容できる担体または希釈剤と組合わせて投与することができ、かつこの投与は、単回または反復用量で行うことができる。例えば本発明の新規治療物質を、広範な異なる剤形で有利に投与することができ、すなわちこれらは、錠剤、カプセル剤、甘味入り錠剤、トローチ剤、硬質キャンディ、散剤、スプレー剤、クリーム剤、ロウ膏(salve)、坐剤、ジェル剤、ゲル剤、貼付剤、ローション剤、軟膏剤、水性懸濁剤、注射剤、エリキシル剤、シロップ剤などの形で様々な薬学的に許容できる不活性担体と組合わせることができる。このような担体は、固形希釈剤または充填剤、滅菌水性媒質および様々な無毒の有機溶剤などを含む。さらに、経口の薬学的組成物は、適宜甘味および/または矯味・矯臭を加えることができる。一般に本発明の治療に有効な化合物は、濃度レベル約5.0%〜約70質量%の範囲の剤形で存在することができる。
【0077】
経口投与について、微晶質セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウムおよびグリシンのような様々な補形剤を含有する錠剤を、デンプン(および好ましくはトウモロコシ、ジャガイモまたはタピオカデンプン)、アルギン酸およびある種の複合シリカなどの様々な崩壊剤と共に、ポリビニルピロリドン、ショ糖、ゼラチンおよびアラビアゴムのような顆粒結合剤と一緒に使用することができる。加えて、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクのような滑沢剤も、打錠目的で非常に有用であることが多い。同様の種類の固形組成物も、ゼラチンカプセル錠内の充填剤として使用することができ;この結合において好ましい物質は、さらに乳糖またはミルクシュガーに加え、高分子量ポリエチレングリコールも含む。水性懸濁剤および/またはエリキシル剤が経口投与に望ましい場合、この活性成分は、様々な甘味剤または矯味・矯臭剤、着色物質または色素、ならびに望ましいならば、さらには乳化剤および/または懸濁化剤と、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンおよびそれらの様々な組合せなどと一緒に組合わせることができる。
【0078】
非経口投与(腹腔内、皮下、静脈内、皮内または筋肉内注射)について、本発明の治療的化合物の溶液は、ゴマ油もしくはピーナッツ油のいずれかの中または水性ポリエチレングリコール中の本発明の治療用化合物の溶液を使用することができる。水溶液は、必要ならば、適当に緩衝され(好ましくはpHが8より大きい)、かつ液体希釈剤は最初に等張とされる。これらの水溶液は、静脈内注射目的に適している。油性溶液は、関節内、筋肉内および皮下注射目的に適している。これらの溶液全ての無菌条件下での調製は、当業者に周知の標準の薬学的技術により容易に実現することができる。非経口適用について、適当な調製物の例は、液剤、好ましくは油性または水性液剤に加え、懸濁剤、乳剤または坐剤を含む埋込剤を含む。治療的化合物は、注射剤に通常使用される無菌生理食塩水または5%生理食塩水デキストロース溶液などの液体担体が分散されているような、反復または単回投与剤形において無菌型で処方することができる。
【0079】
加えて皮膚の炎症状態を治療する場合に、本発明の化合物を局所的に投与することも可能である。局所投与法の例は、経皮的、頬内または舌下適用を含む。局所適用のためには、治療的化合物を、ゲル、軟膏、ローションまたはクリームのような薬学的不活性局所用担体に適当に混合することができる。このような局所用担体は、水、グリセロール、アルコール、プロピレングリコール、脂肪族アルコール、トリグリセリド、脂肪酸エステルまたは鉱油を含む。他の可能性のある局所用担体は、液体ペトロラタム、パルミチン酸イソプロピル、ポリエチレングリコール、95%エタノール、水を溶媒とする5%ポリオキシエチレンモノラウリエートなどがある。加えて、酸化防止剤、湿潤剤、粘度安定化剤などの物質も、望ましいならば添加することができる。
【0080】
腸用適用のために特に適しているのは、タルクおよび/または炭水化物担体結合剤などを有する錠剤、糖衣錠またはカプセル剤であり、この担体は好ましくは乳糖および/またはトウモロコシデンプンおよび/またはジャガイモデンプンであることができる。シロップ剤、エリキシル剤などを、甘味を増したビヒクルを使う場合に使用することができる。活性成分が、例えばマイクロカプセル封入、多層コーティングなどのような、示差的に分解可能なコーティングにより保護されているものを含む徐放性組成物を処方することができる。
【0081】
本発明の治療的方法は、ヒト対象の治療に加え、畜牛、ヒツジ、ヤギ、乳牛、ブタなどの家畜;ニワトリ、アヒル、ギース、七面鳥など家禽;ウマ;ならびにイヌおよびネコなどのペットの治療のような、重要な動物用途もある。さらに本発明の化合物は、植物のような動物以外の対象の治療に使用することができる。
【0082】
所定の療法において使用される活性化合物の実際に好ましい量は、使用される特定の化合物、処方された具体的組成物、適用様式、具体的投与部位などに従い変動することは理解されるであろう。所定の投与プロトコールに関する最適投与速度は、前述の指針について実行された従来型の用量決定試験を用い、当業者に容易に理解されるであろう。
【0083】
一般に、治療のための本発明の化合物は、先行するテトラサイクリン療法において使用される用量で対象に投与することができる。例えば「医家向け医薬品便覧(Physicians’ Desk Reference)」を参照のこと。例えば、本発明の1種または複数の化合物の適当な有効量は、0.01〜100mg/kgレシピエント体重/日の範囲であり、好ましくは0.1〜50mg/kgレシピエント体重/日の範囲であり、より好ましくは1〜20mg/kgレシピエント体重/日の範囲である。望ましい用量は、1日1回投与に適しているか、または数回の分割投与、例えば2〜5回の分割量が、1日を通して適当な間隔で、または別の適当なスケジュールで投与される。
【0084】
通常の、従来公知の予防策が、一般には通常の使用環境でのテトラサイクリンの効能を確実にするために、テトラサイクリンの投与について考慮されることは理解されるであろう。ヒトおよび動物のインビボでの治療的処置に利用される場合特に、医師は、従来公知の禁忌および毒性作用を避けるために、あらゆる理にかなった予防策を採用しなければならない。従って、胃腸管窮迫および炎症、腎毒性、過敏反応、血液の変化、ならびにアルミニウム、カルシウムおよびマグネシウムイオンによる吸収不全のような従来認められた有害作用は、従来の様式で十分に考慮されなければならない。
【0085】
さらに本発明は、医薬品調製のための、式Iのテトラサイクリン化合物の使用に関する。この医薬品は、薬学的に許容できる担体を含むことができ、およびテトラサイクリン化合物は有効量、例えばテトラサイクリン反応状態の治療に有効な量であることができる。
【0086】
さらに別の態様において、本発明は、例えば対象、例として哺乳類、例えばヒトにおける、テトラサイクリン反応状態を治療するための式Iのテトラサイクリン化合物の使用に関する。
【0087】
本発明の化合物は、当業者の技術の範囲内で下記の手法の変更を伴い、下記に説明したように作成することができる。
【0088】
実施例 13− 置換されたメタサイクリン化合物の合成
メタサイクリンのフェニルボロン酸誘導体の一般的手法
メタサイクリン(1当量)、PdCl(0.14当量)、およびCuCl(0.90当量)を、MeOH 20ml中に溶解し、窒素大気下で加熱した。1時間後、ボロン酸(2当量)をこれに添加し、反応混合液をさらに6〜10時間加熱した。この反応は、TLCもしくは分析用HPLCによりモニタリングした。その後反応混合液を室温に冷却し、セライト床を通過させた。溶媒を蒸発させ、これらの例の大部分において、黄−褐色固形物を得、これを分取HPLC(CHCN:MeOH:HO)を用いて精製した。予想される生成物の正確なピークを示した分画から溶媒を蒸発し、黄色の固形物を生じ、これを再度MeOHに溶解し、かつHCl気体で一掃した。MeOH蒸発後、黄色の物質を減圧下で数時間乾燥した。
【0089】
実施例 5− プロピオニル −13−(4’− クロロフェニル メタサイクリンの合成
13−4’−Clフェニルメタサイクリン500mgを、無水HF 20ml中に溶解した。プロピオン酸3mlを添加し、かつこの反応液を2日間室温で放置した。HFをNの定常流下で除去し、かつ残渣をEtOで粉砕し、暗黄色固形物を得た。固形物をMeOHに溶解し、ジビニルベンゼン樹脂上で、0.1%ギ酸の基本(primary)溶媒システムによる、30%〜100%のアセトニトリル勾配を用い、クロマトグラフィーにかけた。対応する画分を収集し、かつ真空乾燥し、全体で42%の産物を得た。この黄色固形物を、MeOHおよびHCl気体を泡立てている中に溶解し、生成物を黄色固形物のHCl塩として得た。
【0090】
実施例 9,13− −t− ブチルメタサイクリンの合成
メタサイクリン1.0gを、濃HSO 15mlに添加した。イソブチレンまたはt−ブタノール5mlを添加し、反応液を室温で6時間攪拌した。反応液を、NaCO(8g)および水40mlで中和し、かつ水相をN−ブタノール100mlで3回抽出した。抽出物を一緒にし、乾燥し、明黄色固形物として生成物の収率69%を得た。解析用試料を、基本溶媒0.1%ギ酸に対し、アセトニトリル勾配30〜100%を30分かけて使用する、ジビニルベンゼン上のクロマトグラフィーにより得た。
【0091】
Figure 2004502751
【0092】
実施例 :インビトロ最小発育阻害濃度 (MIC) アッセイ
下記のアッセイを用い、共通の細菌に対するテトラサイクリン化合物の効能を決定した。各化合物2mgを、DMSO 100μlに溶解した。次にこの溶液を、カチオン調節したMueller Hintonブロス(CAMHB)に添加し、これは最終化合物濃度200μg/mlを得た。テトラサイクリン化合物溶液を、容量50μLに希釈し、被験化合物濃度0.098μg/mlとした。試験菌株の新鮮な対数相ブロス培養物から光学濃度(OD)測定を行った。希釈を行い、最終細胞濃度1x10 CFU/mlとした。OD=1で、異なる属の細胞濃度をおよそ以下のようにした:
大腸菌        1x10  CFU/ml
黄色ブドウ球菌    5x10  CFU/ml
エンテロコッカス種  2.5x10  CFU/ml
【0093】
細胞懸濁液50μlを、マイクロタイタープレートの各ウェルに添加した。最終細胞濃度は、およそ5x10 CFU/mlとした。これらのプレートを、大気中のインキュベーターで35℃でおよそ18時間インキュベーションした。これらのプレートを、マイクロプレートリーダーで読み取り、必要ならば肉眼で検査した。MICは、増殖を阻害するテトラサイクリン化合物の最低濃度と定義した。本発明の化合物は、良好な増殖阻害を示した。
【0094】
同等物
当業者は、本願において説明された特定の手段と、慣習的実験を超えない、多くの同等物を用いることを認めるか、もしくは確認することができるであろう。このような同等物は、本発明の範囲内であると考えられ、かつ添付の「特許請求の範囲」が及ぶ。本願を通じて引用された参考文献、特許および特許明細書の全ての内容は、本願に参照として組入れられている。これらの特許、明細書および他の文書の適当な成分、手法および方法は、本発明およびそれらの態様のために選択することができる。

Claims (30)

  1. 下記式の13−置換されたメタサイクリン化合物およびこれらの:
    Figure 2004502751
    (式中、RおよびR4’は、各々アルキルであり;
    は、水素、ヒドロキシル、またはプロドラッグ部分であり;
    は、フェニル基、すなわち、アルコキシフェニル基、ハロフェニル基、カルボキシフェニル基、アシルフェニル基、シアノフェニル基、ニトロフェニル基、ナフチル基、ジアルキルフェニル基、もしくはアルキルフェニル基;t−ブチル基;
    またはアミノアルカンチオ基である。);および、それらの薬学的に許容できる塩。
  2. 13−置換されたメタサイクリン化合物が、13−(フェニル)メタサイクリンおよび13−(4’−クロロフェニル−5−シクロヘキサノエート)メタサイクリンからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
  3. 13−置換されたメタサイクリン化合物が、13−(4’−メトキシフェニル)メタサイクリン、13−(メチレンジオキシフェニル)メタサイクリン、13−(4’−エトキシフェニル)メタサイクリン、13−(p−カルボメトキシフェニル)メタサイクリン、および13−(3’,4’−メチレンジオキシフェニル)メタサイクリンからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
  4. 13−置換されたメタサイクリン化合物は、13−(4’−フルオロフェニル)メタサイクリン、13−(4’−クロロフェニル)メタサイクリン、13−(3’−クロロフェニル)メタサイクリン、13−(メチレンジオキシフェニル)メタサイクリン、13−(3’−カルボキシルフェニル)メタサイクリン、13−(3’−4’−ジクロロフェニル)メタサイクリン、13−(4’−アセチルフェニル)メタサイクリン、13−(4’−エトキシフェニル)メタサイクリン、13−(4’−クロロフェニル−5−シクロヘキサノエート)メタサイクリン、13−(3,5−ジフルオロフェニル)メタサイクリン、13−(3’−アセチルフェニル)メタサイクリン、13−(4’−ブロモフェニル)メタサイクリン、13−(2,4−ジフルオロフェニル)メタサイクリン、13−(2−クロロフェニル)メタサイクリン、13−(p−カルボメトキシフェニル)メタサイクリン、および13−(トリフルオロメチルフェニル)メタサイクリンからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
  5. 13−置換されたメタサイクリン化合物が、13−(3’−カルボキシルフェニル)メタサイクリンである、請求項1記載の化合物。
  6. 13−置換されたメタサイクリン化合物が、13−(3’−アセチルフェニル)メタサイクリン、13−(4’−アセチルフェニル)メタサイクリン、および13−(3’−ホルミル)メタサイクリンからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
  7. 13−置換されたメタサイクリン化合物が、13−(p−シアノフェニル)メタサイクリンである、請求項1記載の化合物。
  8. 13−置換されたメタサイクリン化合物が、13−(4’−ニトロフェニル)メタサイクリンである、請求項1記載の化合物。
  9. 13−置換されたメタサイクリン化合物が、13−(ナフチル)メタサイクリンである、請求項1記載の化合物。
  10. 13−置換されたメタサイクリン化合物が、13−(3,5−ジメチルフェニル)メタサイクリンである、請求項1記載の化合物。
  11. 13−置換されたメタサイクリン化合物が、13−(p−t−ブチルフェニル)メタサイクリンおよび13−(p−トリル)メタサイクリンからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
  12. 化合物が9,13−(ジ−t−ブチル)メタサイクリンである、13−置換されたメタサイクリン化合物。
  13. 13−置換されたメタサイクリン化合物が、13−(ジメチルアミノエタンチオ)メタサイクリンである、請求項1記載の化合物。
  14. 請求項1または12記載の13−置換されたメタサイクリン化合物を哺乳類へ投与し、その結果該テトラサイクリン反応状態が治療されることを含む、該哺乳類においてテトラサイクリン反応状態を治療する方法。
  15. 13−置換されたメタサイクリン化合物が、13−(フェニル)メタサイクリン、13−(4’−クロロフェニル−5−シクロヘキサノエート)メタサイクリン、13−(4’−メトキシフェニル)メタサイクリン、13−(メチレンジオキシフェニル)メタサイクリン、13−(4’−エトキシフェニル)メタサイクリン、13−(p−カルボメトキシフェニル)メタサイクリン、13−(3’,4’−メチレンジオキシフェニル)メタサイクリン、13−(4’−フルオロフェニル)メタサイクリン、13−(4’−クロロフェニル)メタサイクリン、13−(3’−クロロフェニル)メタサイクリン、13−(メチレンジオキシフェニル)メタサイクリン、13−(3’−カルボキシルフェニル)メタサイクリン、13−(3’−4’−ジクロロフェニル)メタサイクリン、13−(4’−アセチルフェニル)メタサイクリン、13−(4’−エトキシフェニル)メタサイクリン、13−(4’−クロロフェニル−5−シクロヘキサノエート)メタサイクリン、13−(3,5−ジフルオロフェニル)メタサイクリン、13−(3’−アセチルフェニル)メタサイクリン、13−(4’−ブロモフェニル)メタサイクリン、13−(2,4−ジフルオロフェニル)メタサイクリン、13−(2−クロロフェニル)メタサイクリン、13−(p−カルボメトキシフェニル)メタサイクリン、13−(トリフルオロメチルフェニル)メタサイクリン、13−(3’−カルボキシルフェニル)メタサイクリン、13−(3’−アセチルフェニル)メタサイクリン、13−(4’−アセチルフェニル)メタサイクリン、13−(3’−ホルミル)メタサイクリン、13−(p−シアノフェニル)メタサイクリン、13−(4’−ニトロフェニル)メタサイクリン、13−(ナフチル)メタサイクリン、13−(p−t−ブチルフェニル)メタサイクリン、13−(3,5−ジメチルフェニル)メタサイクリン、13−(p−トリル)メタサイクリン、9,13−(ジ−t−ブチル)メタサイクリン、および13−(ジメチルアミノエタンチオ)メタサイクリンからなる群より選択される、請求項14記載の方法。
  16. テトラサイクリン反応状態が、細菌感染症である、請求項14記載の方法。
  17. 細菌感染症が、大腸菌に関連している、請求項16記載の方法。
  18. 細菌感染症が、黄色ブドウ球菌に関連している、請求項16記載の方法。
  19. 細菌感染症が、大腸レンサ球菌に関連している、請求項16記載の方法。
  20. 細菌感染症が、その他のテトラサイクリン抗生物質に対し耐性である、請求項16記載の方法。
  21. 化合物が、薬学的に許容できる担体と共に投与される、請求項14記載の方法。
  22. 請求項1または12記載の13−置換されたメタサイクリン化合物を治療有効量、および薬学的に許容できる担体を含有する、薬学的組成物。
  23. 13−置換されたメタサイクリン化合物が、13−(フェニル)メタサイクリン、13−(4’−クロロフェニル−5−シクロヘキサノエート)メタサイクリン、13−(4’−メトキシフェニル)メタサイクリン、13−(メチレンジオキシフェニル)メタサイクリン、13−(4’−エトキシフェニル)メタサイクリン、13−(p−カルボメトキシフェニル)メタサイクリン、13−(3’,4’−メチレンジオキシフェニル)メタサイクリン、13−(4’−フルオロフェニル)メタサイクリン、13−(4’−クロロフェニル)メタサイクリン、13−(3’−クロロフェニル)メタサイクリン、13−(メチレンジオキシフェニル)メタサイクリン、13−(3’−カルボキシルフェニル)メタサイクリン、13−(3’−4−ジクロロフェニル)メタサイクリン、13−(4’−アセチルフェニル)メタサイクリン、13−(4’−エトキシフェニル)メタサイクリン、13−(4’−クロロフェニル−5−シクロヘキサノエート)メタサイクリン、13−(3,5−ジフルオロフェニル)メタサイクリン、13−(3’−アセチルフェニル)メタサイクリン、13−(4’−ブロモフェニル)メタサイクリン、13−(2,4−ジフルオロフェニル)メタサイクリン、13−(2−クロロフェニル)メタサイクリン、13−(p−カルボメトキシフェニル)メタサイクリン、13−(トリフルオロメチルフェニル)メタサイクリン、13−(3’−カルボキシルフェニル)メタサイクリン、13−(3’−アセチルフェニル)メタサイクリン、13−(4’−アセチルフェニル)メタサイクリン、13−(3’−ホルミル)メタサイクリン、13−(p−シアノフェニル)メタサイクリン、13−(4’−ニトロフェニル)メタサイクリン、13−(ナフチル)メタサイクリン、13−(p−t−ブチルフェニル)メタサイクリン、13−(3,5−ジメチルフェニル)メタサイクリン、13−(p−トリル)メタサイクリン、9,13−(ジ−t−ブチル)メタサイクリン、および13−(ジメチルアミノエタンチオ)メタサイクリンからなる群より選択される、請求項22記載の薬学的組成物。
  24. メタサイクリン化合物をボロン酸と、13−置換されたメタサイクリン化合物が生成されるのに適した条件下で接触することを含む、13−置換されたメタサイクリン化合物の合成法。
  25. 適当な条件が、遷移金属触媒を含む、請求項24記載の方法。
  26. 遷移金属触媒が、パラジウム触媒である、請求項25記載の方法。
  27. ボロン酸が、アリールボロン酸である、請求項24記載の方法。
  28. メタサイクリン化合物を第三級アルコールと、13−置換されたメタサイクリン化合物が形成されるのに適した条件下で接触することを含む、13−置換されたメタサイクリン化合物の合成法。
  29. 適当な条件が、酸触媒を含む、請求項28記載の方法。
  30. 13−置換されたメタサイクリン化合物は、13位のアルキル基で置換されている、請求項28記載の方法。
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