JP3314431B2 - 汚泥脱水剤 - Google Patents

汚泥脱水剤

Info

Publication number
JP3314431B2
JP3314431B2 JP01195793A JP1195793A JP3314431B2 JP 3314431 B2 JP3314431 B2 JP 3314431B2 JP 01195793 A JP01195793 A JP 01195793A JP 1195793 A JP1195793 A JP 1195793A JP 3314431 B2 JP3314431 B2 JP 3314431B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sludge
group
polymer
mol
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP01195793A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06218399A (ja
Inventor
茂 沢山
勝利 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hymo Corp
Dia Nitrix Co Ltd
Original Assignee
Hymo Corp
Dia Nitrix Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hymo Corp, Dia Nitrix Co Ltd filed Critical Hymo Corp
Priority to JP01195793A priority Critical patent/JP3314431B2/ja
Publication of JPH06218399A publication Critical patent/JPH06218399A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3314431B2 publication Critical patent/JP3314431B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は汚泥脱水剤に関する。詳
しくはアミジン構造単位を有することを特徴とするカチ
オン性高分子とビニル系の両性高分子を組み合わせて成
る新規な汚泥脱水剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、汚泥の脱水には、主に高分子量で
凝集力の強いポリジアルキルアミノアルキル(メタ)ア
クリレートの塩又は第4級アンモニウム塩、ポリジアル
キルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩又は第
4級アンモニウム塩、ポリ(メタ)アクリルアミドのマ
ンニッヒ変性物又はその第4級アンモニウム塩等のアク
リル系カチオン性高分子が使用されている。
【0003】また、近年、汚泥の脱水性を向上するため
に、ポリアクリルアミドのホフマン分解物やN−ビニル
ホルムアミド又はN−ビニルアセトアミドを加水分解し
て得られるポリビニルアミンを使用する方法が提案され
ている。更に、数種類の高分子をブレンドして凝集性能
を改良する試みもなされている。例えば、ポリビニルア
ミン、ビニル系のカチオン性高分子及びアニオン性高分
子を併用して処理効率を上げる方法として特公昭60−
38200の方法がある。また、ポリビニルアミンとビ
ニル系両性高分子とを併用する方法として特開平4−2
98300の方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ポリビニルアミンは汚
泥に対する吸着性が良いという特徴があり、弱酸性の混
合生汚泥に対して優れた脱水作用を示す。しかしなが
ら、中性から弱塩基性におけるイオン解離性が低く、p
H変動により凝集性能が変化するという欠点がある。こ
のために、特に中性や弱アルカリ性の条件や消化汚泥等
の特定の汚泥に対しては、従来、ビニル系の両性あるい
はカチオン性の高分子を併用してもポリビニルアミンの
機能が充分発揮できないという問題があり、より一層の
性能向上が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の課題
に鑑み鋭意検討を行った結果、中性から弱塩基性におけ
るイオン解離性が比較的高く汚泥に対する吸着性に優れ
た、アミジン構造単位を有することを特徴とするカチオ
ン性高分子と、特定の両性高分子を組み合わせることに
より極めて優れた汚泥の脱水効果が発現することを見い
出し本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は、(A)下記(1)及
び/又は(2)で表されるくり返し単位を35〜90モ
ル%含有するカチオン性高分子と、
【0007】
【化4】
【0008】(式中R1 ,R2 は水素原子又はメチル基
を、X- は陰イオンを表す。) (B)下記(3)で表されるくり返し単位を10〜98
モル%、及び、下記(4)で表されるくり返し単位を2
〜30モル%含有する少なくとも1種の両性高分子とを
組み合わせて成る汚泥脱水剤に存する。
【0009】
【化5】
【0010】(式中、R3 は水素原子又はメチル基を、
4 は炭素数1〜4のアルキレン基、R5 は炭素数1〜
4のアルキル基、R6 は水素原子、炭素数1〜4のアル
キル基又はベンジル基、Aは−O−又は−NH−、Y-
は陰イオンを表す。)
【0011】
【化6】
【0012】(式中、R7、R8は水素原子、メチル基、
又は−COO-+を、Bは、炭素数1〜2のアルキレン
基、フェニル基、又は−COOR9−又は−CONHR
10−を、R9、R10は炭素数2〜6のアルキレン基を、
Zは−COO−又は−SO3−を、M+は水素イオンその
他の陽イオンを、nは0又は1の数を表す。)以下、本
発明につき詳細に説明する。
【0013】本発明の汚泥脱水剤の(A)成分に係るカ
チオン性高分子は、前記(1)及び/又は(2)で表さ
れるくり返し単位(アミジン単位)を35〜90モル%
含有し、1規定の食塩水中0.1g/dlの溶液とし
て、25℃で測定した還元粘度の値が、通常0.1〜1
0dl/gのものである。上記の(1)と(2)で表さ
れるアミジン単位は、5員環から成るアミジン構造を有
しており、核磁気共鳴分光法(NMR)や赤外分光法
(IR)等の分析において通常、等価で観測されるもの
であり、(1)と(2)の総量として定量される。しか
しながら、下記の概念図に示すように、後述する重合体
のアミジン化反応における生成高分子のくり返し単位を
考えた場合、(1)と(2)で表される2種類のくり返
し単位が考慮されなければならない。尚、下記概念図に
おいて、(5)と(6)はアミジン化反応に関与しなか
ったニトリル単位およびアミノ単位を示している。ま
た、ここでは、(1)と(2)のアミジン単位は遊離ア
ミノ基として示した。
【0014】
【化7】
【0015】すなわち、(A)成分のアミジン構造を有
する高分子を製造するためには、まず、アクリロニトリ
ルまたはメタクリロニトリルと、重合後の化学変性によ
りビニルアミン単位を生成し得るビニルモノマーからな
る共重合体を合成し、ついで化学変性によりビニルアミ
ン単位を生成せしめ、1級アミノ基とニトリル基の閉環
反応を行なうことが必要である。
【0016】くり返し単位(1)及び/又は(2)のア
ミジン単位を35〜90モル%有する高分子を合成する
ためには該共重合体中に通常35〜65モル%、好まし
くは40〜60モル%のアクリロニトリルまたはメタク
リロニトリルが存在する必要がある。重合後の化学変性
によりビニルアミン単位を生成し得るビニルモノマーと
しては、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトア
ミド、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルスクシイミ
ド、N−ビニルウレタン等のN−ビニルアミド類アクリ
ルアミド、メタクリルアミドが挙げられる。
【0017】重合体からビニルアミン単位を生成させる
方法としては、ポリN−ビニルアミド類の場合、酸塩基
による加水分解、アルコーリシス、アンモノリシス等の
加溶媒反応が用いられる。ポリアクリルアミド、ポリメ
タアクリルアミドの場合、塩基性で次亜ハロゲン化合物
を使用するホフマン反応が用いられる。
【0018】アミジン構造を効率良く生成させるために
はビニルアミン単位のアミノ基の隣接位置にニトリル基
が存在する必要があるので、アクリロニトリル又はメタ
クリロニトリルと交互性の高い共重合体を生成するモノ
マーを使用することが好ましいので、この目的のために
はN−ビニルホルムアミドの共重合体を使用することが
特に好ましい。
【0019】ニトリル基とアミノ基のアミジン化反応
は、その生成方法によらないが、通常、酸性条件下、8
0〜150℃、好ましくは、90〜120℃の加熱条件
で行なわれる。以上のような方法で製造されるアミジン
構造を有するくり返し単位は、前記(1)及び/又は
(2)で表される。
【0020】本発明の(A)成分としては、アミジン単
位を35〜90モル%、好ましくは45〜80モル%を
含有するカチオン性高分子が用いられる。該範囲よりア
ミジン単位が少ない場合は、汚泥脱水剤として効果が十
分に発揮されないので好ましくない。また、アミジン単
位の比率が大きいほど、汚泥脱水剤としての性能は一般
的に向上する傾向にあるが、上述の共重合体を塩酸水溶
液中で加熱する方法等ではアミジン単位が90モル%を
越える比率のものを製造することは困難である。従っ
て、このようなアミジン構造を有する高分子では主要の
任意成分として、通常、以下の(5)、(6)のくり返
し単位が残存する。
【0021】
【化8】
【0022】(式中R1 ,R2 は水素原子またはメチル
基を、X- は陰イオンを表す。) (5)と(6)はアミジン化反応に関与しなかったニト
リル単位とアミン単位であり、各々、通常0〜50モル
%、特に5〜45モル%程度存在する。この場合、アミ
ン単位(6)もカチオン性基として汚泥の凝集効果にあ
る程度寄与しているものと推定されるが、本発明におい
ては前述のようにアミジン単位が一定の比率範囲に含ま
れていることの方が汚泥脱水効果においてより重要であ
る。
【0023】次に、本発明の汚泥脱水剤の(B)成分に
かかる前記の(3)及び(4)で表されるくり返し単位
を有するビニル系の両性高分子について説明する。前記
(3)で示されるくり返し単位の原料となるビニル系の
カチオン性モノマーとしては、例えばジメチルアミノ
(メチル、エチル、プロピル又はブチル)アクリレート
又はメタクリレート、ジエチルアミノ(メチル、エチ
ル、プロピル又はブチル)アクリレート又はメタクリレ
ート、ジ−n−プロピルアミノ(メチル、エチル、プロ
ピル又はブチル)アクリレート又はメタクリレート、ジ
イソプロピルアミノ(メチル、エチル、プロピル又はブ
チル)アクリレート又はメタクリレート、ジ−n−ブチ
ルアミノ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)アク
リレート又はメタクリレート、ジ−sec−ブチルアミ
ノ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)アクリレー
ト又はメタクリレート、ジイソブチルアミノ(メチル、
エチル、プロピル又はブチル)アクリレート又はメタク
リレート、ジメチルアミノ(メチル、エチル、プロピル
又はブチル)アクリルアミド又はタメクリルアミド、ジ
エチルアミノ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)
アクリルアミド又はメタクリルアミド、ジ−n−プロピ
ルアミノ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)アク
リルアミド又はメタクリルアミド、ジイソプロピルアミ
ノ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)アクリルア
ミド又はメタクリルアミド、ジ−n−ブチルアミノ(メ
チル、エチル、プロピル又はブチル)アクリルアミド又
はメタクリルアミド、ジ−sec−ブチルアミノ(メチ
ル、エチル、プロピル又はブチル)アクリルアミド又は
メタクリルアミド、ジイソブチルアミノ(メチル、エチ
ル、プロピル又はブチル)アクリルアミド又はメタクリ
ルアミド等のハロゲン化水素、硫酸、硝酸、有機酸等に
よる中和塩、ハロゲン化アルキル、ベンジルハライド、
ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等による四級化物等が挙げ
られる。
【0024】これらのビニル系モノマーは1種用いても
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、
アクリル系高分子中にカチオン性単位を導入する方法と
しては、(メタ)アクリルアミドを初めに重合した後、
炭素数1〜4のジアルキルアミンとホルマリンを用いた
マンニッヒ反応により、アミノメチル化する方法があ
る。この生成物を鉱酸、有機酸による塩および、炭素数
1〜4のアルキルハライド、ベンジルハライド、炭素数
1〜4のアルコールと硫酸のジエステルによる第4級ア
ンモニウム塩として使用することができる。
【0025】また、前記(4)で示されるくり返し単位
の原料となるアニオン性モノマーとしては、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル
酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルス
ルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミドエ
タンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸、2−メタクリルアミドエタンスルホン
酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸、2−アクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−
アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、4−アクリロ
イルオキシブタンスルホン酸、2−メタクリロイルオキ
シエタンスルホン酸、3−メタクリロイルオキシプロパ
ンスルホン酸、4−メタクリロイルオキシブタンスルホ
ン酸、およびこれらのアルカリ金属、アルカリ土類金属
等の金属塩またはアンモニウム塩が例示される。これら
のアニオン性モノマーは1種用いてもよいし、2種以上
を組み合わせてもよい。
【0026】さらに(B)成分には非イオン性の単位が
入っても良く、モノマー単位としては(メタ)アクリル
アミド、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリ
ロニトリル、酢酸ビニル等その他の共重合可能な非イオ
ン性ビニルモノマーを通常0〜90モル%、好ましくは
0〜80モル%含有させることができ、非イオン性モノ
マーの内ではアクリルアミドが特に好ましい。
【0027】以上の(B)成分の両性高分子の製法につ
いては制限はなく、水溶液重合、分散重合、乳化重合高
分子変性等、公知の製造法が用いられる。(B)成分の
両性高分子における各成分の割合については、(3)の
カチオン性単位が10〜98モル%、好ましくは15〜
95モル%であり、(4)のアニオン性単位が2〜30
モル%、好ましくは5〜25モル%を含有することが必
要である。該範囲以外では、汚泥脱水剤としての効果が
十分でないので好ましくない。
【0028】以上の(A)と(B)の2種類の高分子を
組み合わせて成る本発明の汚泥脱水剤において、(A)
成分のカチオン性高分子と、前記(B)の両性高分子の
混合割合は、通常2:8から8:2、好ましくは3:7
から7:3の重合比で用いられる。かかる範囲において
(A)と(B)の両成分の相乗的効果が高いからであ
る。
【0029】(A)成分及び(B)成分の両性高分子の
分子量を表す物性値としては、例えば1規定の食塩水中
25℃で測定した還元粘度の値が通常0.1dl/g以
上のものが用いられる。処理速度を高めるためには、通
常、いずれか一方が2dl/g以上である必要があり、
両成分とも2dl/g以上であることが好ましい。
(A)成分、および(B)成分のカチオン性高分子の汚
泥への添加方法については特に制限は無く、(A)成分
と(B)成分を同一の溶解槽で混合しても良いし、それ
ぞれ別途に添加混合しても良い。また何れか一方を添加
して汚泥を凝集した後他方を添加混合しても良い。ま
た、必要により硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、ポ
リ硫酸鉄等の無機系凝集剤を通常、汚泥スラリーに対し
て100〜5000ppm添加、併用することもでき
る。更に、混合のための攪拌強度は任意に設定される。
【0030】本発明の汚泥脱水剤は、各種の汚泥に対し
て広く有効である。例えば、都市下水の処理場におい
て、下水から沈降させた初沈生汚泥、生活汚泥槽からの
流出水から沈降させた余剰汚泥ないしはこれらの混合物
(該混合物を、通常「混合生汚泥」という)、更には、
活性汚泥を嫌気性醗酵処理する際に発生する消化汚泥
に、本発明の汚泥脱水剤を添加すると強固なフロックを
形成する。このフロックをベルトプレス、スクリュープ
レス、フィルタープレス等の圧搾脱水装置、または遠心
分離機、真空濾過機等の圧力脱水装置で処理すると著し
く大きい脱水速度で脱水を行なうことができ、且つ低含
水率の濾滓が得られる。なお、汚泥としては都市下水処
理場で発生するものの他に、屎尿を活性汚泥処理する際
に発生する汚泥、屎尿や活性汚泥を嫌気性醗酵処理する
際に発生する汚泥、更には都市下水以外の各種の産業排
水を活性汚泥処理する際に発生する汚泥、生物処理後の
高度処理により発生する凝沈汚泥その他の混合汚泥等も
有利に処理することができる。
【0031】汚泥脱水剤は、通常、スラリー状の汚泥に
つき、その汚泥の固形分に対して通常0.01〜3.0
(重量)%、好ましくは0.1〜1.0(重量)%とな
るように添加する。なお、汚泥のpHは通常3.5〜
8.5で、特に5.5〜8.0の汚泥に本発明の汚泥脱
水剤を添加した場合に公知の他の汚泥脱水剤と比較して
特に優れた凝集効果が発現される。
【0032】
【実施例】以下に、本発明を実施例により更に具体的に
説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の
実施例に限定されるものではない。 [重合体A1、A2]攪拌機、窒素導入管、冷却管を備
えた50mlの4つ口フラスコに表−1に示すモル分率
のN−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルの混合物
6.0gおよび34gの脱塩水を入れた。窒素ガス気流
中、攪拌しつつ、45℃に昇温し、10重量%の2,
2′−アゾビス−2−アミジノプロパン・2塩酸塩の水
溶液を0.12g添加した。
【0033】攪拌下、45℃で4時間、ついで60℃で
3時間保持し、水中に重合体が析出した懸濁物を得た。
懸濁物を、ろ別後40℃で真空乾燥して含水率15%の
固形物を得た。これを回転する50mlのナス型フラス
コに入れ、重合体中のホルミル基に対して、当量の濃塩
酸を添加し、100℃で5時間保持し、重合体を塩酸変
性した。生成物をアセトン中で析出せしめ、これを真空
乾燥し、固体状の重合体A1を得た。
【0034】上記と同様に重合して得られた懸濁物に水
20gと重合体中のホルミル基に対して2当量の濃塩酸
を添加して攪拌下、100℃で6時間保持し重合体を塩
酸変性化した。生成物をアセトン中で析出せしめ、これ
を真空乾燥し、固体状の重合体A2を得た。 [重合体B1〜B7]両性凝集剤として市販されている
グレードより選択した。
【0035】[重合体C]攪拌機、窒素導入管、冷却管
を備えた100mlの四つ口フラスコに、5gのN−ビ
ニルホルムアミドと44.7gの脱塩水を入れ、窒素ガ
ス気流中、攪拌しつつ50℃に昇温した。5重量%の
2,2′−アゾビス−2−アミジノプロパン2塩酸塩水
溶液0.3gを添加して、60℃で4時間重合した。得
られた重合体水溶液にホルミル基に対して0.7当量の
水酸化ナトリウムと0.05当量のアンモニア水を混合
し75℃に4時間保持してアルカリ変性した後、塩酸を
添加して中和した。該溶液をアセトン中に添加し、重合
体を析出せしめ、これを真空乾燥して重合体Cを得た。
【0036】以上の重合体につき、以下に示す方法によ
り組成及び還元粘度を求めた。結果を表−1に示す。 [組成の分析法]変性を行う前のA1、A2及びC各原
料重合体の組成は、13C−NMRスペクトル(13C−核
磁気共鳴スペクトル)の各モノマー単位に対応した吸収
ピークの積分値より算出した。
【0037】変性後の重合体の組成は、13C−NMRス
ペクトルの各繰り返し単位に対応した吸収ピークの積分
値より算出した。なお、アミジン単位(1)と(2)は
区別することなく、その総量として求めた。なお、アミ
ジン単位とアクリルアミド単位のアミジン基、アミド基
の吸収ピークは170〜185ppm付近の非常に近接
した位置に認められるため、以下のような方法により各
吸収ピークに対応する構造を帰属した。
【0038】即ち、重合体の元素分析、水分量の測定に
より重量収支を確認し、更に、重合体の13C−NMRス
ペクトルの他にIRスペクトルも測定し、重合体のスペ
クトルとアミジン基、アミド基等を有する既知化合物で
のスペクトルとを詳細に比較検討する方法を採用したも
のである。また、重合体B1〜B7については仕込みモ
ノマーの組成より推定した値を採用した。
【0039】[還元粘度の測定]1規定食塩水中、0.
1g/dlの溶液として25℃でオストワルドの粘度計
により測定した。
【0040】
【表1】
【0041】実施例1〜8 比較例1〜10 屎尿汚泥(pH7.5、固形物濃度8,600mg/
l)200mlを300mlのビーカーに入れ、これに
汚泥に対してポリ硫酸鉄を1500ppm加え混ぜ、次
に表−2に示す汚泥脱水剤を0.2重量%の水溶液状で
所定量添加した後、TRITON社製のCST測定装置
の攪拌機で1000r.p.m.の回転速度で10秒間
攪拌した。攪拌により生じた凝集フロックの大きさを測
定した後、60メッシュのナイロンろ布を付した円筒に
移し、重力ろ過により、凝集汚泥をろ過し、10秒後の
ろ水量を測定した。
【0042】重力ろ過後の汚泥を30cm角のポリエチ
レン製モノフィラメントろ布(日本フィルコン社製ol
h−c)2枚に挟み、更にこれを水抜け溝を有するポリ
塩化ビニル製の板に挟み、2kg/cm2 の圧力で60
秒間圧搾脱水した後、常法により脱水汚泥ケーキの含水
率を測定した。以上の結果を表−2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】実施例9〜25、比較例11〜19 M市下水処理場から発生した混合生汚泥(pH5.7、
固型物濃度18,000mg/ml)を使用して一連の
試験を実施した。試験方法は実施例1〜12に示した通
りである。結果を表−3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】実施例26〜35、比較例26〜30 T市下水処理場の混合生汚泥(pH5.6、SS:2
2,000mg/l)を使用して一連の試験を実施し
た。試験方法は実施例1〜12に示した通りである。結
果を表−4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】
【発明の効果】本発明の汚泥脱水剤を用いることによ
り、汚泥のpH変動等に左右されることなく、汚泥の含
水率を下げることができる。また、処理時のろ水性等も
良好であり、処理量を大幅に増加することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−192513(JP,A) 特開 昭56−118798(JP,A) 特開 平1−163208(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 11/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記(1)及び/又は(2)で表
    されるくり返し単位を35〜90モル%含有するカチオ
    ン性高分子と、 【化1】 (式中R1、R2は水素原子又はメチル基を、X-は陰イ
    オンを表す。) (B)下記(3)で表されるくり返し単位を10〜98
    モル%、及び、下記(4)で表されるくり返し単位を2
    〜30モル%含有する少なくとも1種の両性高分子とを
    組み合わせて成る汚泥脱水剤。 【化2】 (式中、R3は水素原子又はメチル基を、R4は炭素数1
    〜4のアルキレン基、R5は炭素数1〜4のアルキル
    基、R6は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はベ
    ンジル基、Aは−O−又は−NH−、Y-は陰イオンを
    表す。) 【化3】 (式中、R7、R8は水素原子、メチル基、又は−COO
    -+を、Bは、炭素数1〜2のアルキレン基、フェニル
    基、又は−COOR9−又は−CONHR10−を、R9
    10は炭素数2〜6のアルキレン基を、Zは−COO−
    又は−SO3−を、M+は水素イオンその他の陽イオン
    を、nは0又は1の数を表す。)
  2. 【請求項2】 汚泥に請求項1記載の汚泥脱水剤を添加
    混合した後、脱水することを特徴とする汚泥の処理方
    法。
JP01195793A 1993-01-27 1993-01-27 汚泥脱水剤 Expired - Lifetime JP3314431B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01195793A JP3314431B2 (ja) 1993-01-27 1993-01-27 汚泥脱水剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01195793A JP3314431B2 (ja) 1993-01-27 1993-01-27 汚泥脱水剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06218399A JPH06218399A (ja) 1994-08-09
JP3314431B2 true JP3314431B2 (ja) 2002-08-12

Family

ID=11792102

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01195793A Expired - Lifetime JP3314431B2 (ja) 1993-01-27 1993-01-27 汚泥脱水剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3314431B2 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3178224B2 (ja) * 1994-02-15 2001-06-18 栗田工業株式会社 汚泥脱水剤
JP4058305B2 (ja) * 2002-07-30 2008-03-05 ハイモ株式会社 水溶性高分子エマルジョン
JP4149795B2 (ja) * 2002-11-18 2008-09-17 ハイモ株式会社 汚泥脱水剤
JP4823552B2 (ja) * 2005-04-18 2011-11-24 ダイヤニトリックス株式会社 畜産廃水の処理方法
JP4854432B2 (ja) * 2006-09-04 2012-01-18 ダイヤニトリックス株式会社 汚泥の脱水方法
JP4847833B2 (ja) * 2006-09-28 2011-12-28 ハイモ株式会社 安定なエマルジョン組成物および汚泥脱水方法
JP2009039652A (ja) * 2007-08-09 2009-02-26 Hymo Corp 汚泥脱水剤および汚泥脱水方法
JP2009039650A (ja) * 2007-08-09 2009-02-26 Hymo Corp 汚泥脱水剤および汚泥脱水方法
JP5172372B2 (ja) * 2008-02-07 2013-03-27 ダイヤニトリックス株式会社 汚泥の脱水処理方法
JP5700354B2 (ja) * 2010-04-15 2015-04-15 三菱レイヨン株式会社 汚泥脱水剤及び汚泥脱水処理方法
JP5732818B2 (ja) * 2010-11-05 2015-06-10 栗田工業株式会社 汚泥脱水剤及び汚泥脱水方法
JP5961934B2 (ja) * 2011-06-27 2016-08-03 三菱レイヨン株式会社 汚泥脱水処理方法
JP5967705B2 (ja) * 2012-06-11 2016-08-10 ハイモ株式会社 凝集処理剤およびそれを用いた汚泥脱水方法
JP5963257B2 (ja) * 2012-06-22 2016-08-03 ハイモ株式会社 汚泥脱水剤
JP6131465B2 (ja) * 2013-02-15 2017-05-24 三菱ケミカル株式会社 汚泥脱水処理方法
JP2016010770A (ja) * 2014-06-30 2016-01-21 三菱レイヨン株式会社 汚泥の脱水方法
JP6573004B2 (ja) * 2018-07-02 2019-09-11 三菱ケミカル株式会社 汚泥の脱水方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06218399A (ja) 1994-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2624089B2 (ja) カチオン性高分子凝集剤
JP3314431B2 (ja) 汚泥脱水剤
EP0528409B1 (en) Cationic polymer flocculating agents
JP3178224B2 (ja) 汚泥脱水剤
JPH04298300A (ja) 汚泥脱水剤及びそれを用いた汚泥の脱水方法
JP3314432B2 (ja) 汚泥脱水剤
JP2991611B2 (ja) 無機凝集剤と両性高分子凝集剤を併用する汚泥の脱水方法
JP3247795B2 (ja) 両性高分子汚泥脱水剤及びこれを用いた汚泥脱水方法
JP5963257B2 (ja) 汚泥脱水剤
JPH08243600A (ja) 高分子凝集剤
JP3222247B2 (ja) 汚泥脱水方法
JPH0665329A (ja) ビニルアミン共重合体からなる凝集剤
JP3181132B2 (ja) 有機汚泥の脱水方法
JP3281891B2 (ja) 汚泥脱水剤およびその用途
JP2921295B2 (ja) アリルアミン−フマル酸共重合体を含む水処理剤
JP3547114B2 (ja) 汚泥脱水剤およびその用途
JPH08299999A (ja) 汚泥の脱水方法
JPH1085797A (ja) 汚泥の脱水剤及び脱水方法
JP3352835B2 (ja) 両性高分子凝集剤
JP2798736B2 (ja) カチオン性高分子凝集剤
JP2002249503A (ja) 両性水溶性高分子分散液
JP3185237B2 (ja) 汚泥脱水剤
JPH11156400A (ja) 汚泥脱水剤
JPH04293600A (ja) 汚泥脱水方法
JP3647006B2 (ja) 汚泥の処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080607

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080607

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090607

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100607

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100607

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110607

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120607

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130607

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130607

Year of fee payment: 11