JP3647006B2 - 汚泥の処理方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は新規な汚泥脱水方法に関するものであり、特別な種類の高分子凝集剤を使用する事により高効率の脱水を行い低添加量で低含水率の脱水ケーキを得る事を目的とする。
【0002】
【従来の技術】
これまでに各種の有機高分子凝集剤を用いた汚泥脱水方法が提案されている。また、近年、さらに汚泥の脱水性を向上するために、ポリアクリルアミドのホフマン分解物やN−ビニルホルムアミド又はN−ビニルアセトアミドを加水分解して得られるポリビニルアミンを使用する方法が提案されている。更に、数種類の高分子をブレンドして凝集性能を改良する試みもなされている。例えば、ポリビニルアミン、ビニル系のカチオン性高分子及びアニオン性高分子を併用して処理効率を上げる方法として特公昭60−38200の方法がある。また、ポリビニルアミンとビニル系両性高分子とを併用する方法として特開平4−298300の方法がある。さらに、特開平5−192513号公報にはビニルアミンとニトリル基の閉環結合によりアミジン基を生成させたNビニルカルボン酸アミドとアクリロニトリルの共重合物の酸による加水分解物から成るカチオン性有機高分子凝集剤が開示されている。 特開平6−218399号公報にはビニル系両性有機高分子凝集剤とアミジン基を含有するカチオン性有機高分子凝集剤を組み合わせて成る汚泥脱水剤および該汚泥脱水剤を用いた汚泥の処理方法が開示されている。
【0003】
【発明の課題】
しかしながら、これまで公知の方法では、中性や弱アルカリ性の条件や下水消化汚泥等の特定の汚泥を遠心脱水処理するに充分な効果が得られていなかった。特にビニル系両性有機高分子凝集剤と、アミジン基を含有するカチオン性有機高分子凝集剤を組み合わせて成る汚泥脱水剤は、中性から弱塩基性におけるイオン解離性が比較的高く汚泥に対する吸着性に優れた効果を発現したが、さらなる脱水効果の向上が望まれていた。
【0004】
【課題を解決する為の手段】
本願発明は上記課題を達成するために次の用に構成される。請求項1の限定は都市下水嫌気性消化汚泥にFe 3+ とAl 3+ の重量比が5:95〜20:80の範囲にある含鉄PAC(鉄を含有するポリ塩化アルミニウム)を添加した後に、下記式(1)または式(2)で表される構造単位を10〜90モル%含有するカチオン性高分子凝集剤(A)及び式(3)で表される構造単位を10〜90モル%、式(4)で表される構造単位を5〜30モル%含有する両性高分子凝集剤(B)を混合してなる汚泥脱水剤を添加混合した後、脱水する事を特徴とする汚泥の処理方法である。
【化4】
(式中R1 、R2 は水素原子またはメチル基をX- は対アニオンを表す。)
【化5】
(式中AはOまたはNH、R3 は水素原子またはメチル基、R4 はエチレン基またはプロピレン基、R5 、R6 はメチル基またはエチル基、R7 は水素原子、メチル基、エチル基またはベンジル基、X- は対アニオンを表す。)
【化6】
(式中BはCOOHまたはCONHC4 H8 SO3 Hを表す。)
請求項2の限定はカチオン性高分子凝集剤(A)および両性高分子凝集剤(B)を10:90〜50:50の比率で併用する事を特徴とする請求項1に記載の汚泥の処理方法である。請求項3の限定はカチオン性高分子凝集剤(A)がN−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルの共重合体の酸加水分解加熱物である事を特徴とする請求項1ないし請求項2に記載の汚泥脱水剤である。請求項4の限定はカチオン性高分子凝集剤(A)の、1規定食塩水中で測定した、固有粘度が1〜5dl/gである事を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の汚泥の処理方法である。請求項5の限定はカチオン性高分子凝集剤(A)のカチオン性コロイド当量値が3〜8meq/gである事を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の汚泥の処理方法である。請求項6の限定は両性高分子凝集剤(B)の、1規定食塩水中で測定した、固有粘度が5〜30dl/gである事を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の汚泥の処理方法である。請求項7の限定は汚泥脱水用の脱水機としてデカンターを使用し、有機高分子から成る汚泥脱水剤の水溶液を機内薬注する事を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の汚泥の処理方法である。
【0005】
本発明は特開平6−218399号公報の改良特許である。特開平6−218399号公報にはアミジン構造単位を有するカチオン性高分子と特定の両性高分子を組み合わせて成る汚泥脱水剤が記載されている。この汚泥脱水剤は明細書中の発明の詳細な説明で、必要により硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、ポリ硫酸鉄等の無機凝集剤を通常、汚泥スラリーに対して100〜5000ppm添加、併用することもできると記載されている。ここに言う無機凝集剤は硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、ポリ硫酸鉄であり、鉄を含有するポリ塩化アルミニウムは記載されていない。さらに実施例中にはポリ硫酸鉄を500〜2000ppm添加混合したものだけが記載されているが、鉄及びアルミニウムを含有する旨は記載されていない。本発明は鉄及びアルミニウムを組み合わせた無機凝集剤が特に有効であることを発見し本発明に到達した。 鉄及びアルミニウムを組み合わせた無機凝集剤を有機汚泥に添加混合後、特殊な高分子凝集剤を使用することにより低添加量で脱離液中のSS分が少なく、低含水率の脱水ケーキを得ることができ、さらにその効果から単位時間当たりの汚泥処理量が増大する結果を得た。本願発明に用いる無機凝集剤は含鉄PACが好ましく用いられる。本願発明の対象とする有機汚泥は、都市下水の嫌気性消化汚泥に対して特に有効である。都市下水の嫌気性消化汚泥は混合生汚泥に比し、繊維分が少なく微細粒子が多くアルカリ度が高く脱水性が悪く高分子凝集剤添加量が多めに必要であり、デカンターの処理能力が低くならざるを得ない。かかる嫌気性消化汚泥に対して低添加量で有効な処理方法の発明は、充分に特許に値するものと考える。
【0006】
【実施例】
次に実施例によって、本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
【0007】
本願発明に用いる高分子凝集剤(A)は特開平5ー192513号公報に記載されたポリマーから成る高分子凝集剤であり、N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルを共重合させ、生成した共重合体を塩酸の存在下に加熱して製造される。N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルをそれぞれ50モル%の共重合体を塩酸により加熱加水分解して得られた供試ポリマーの特性を表ー1に示す。
【0008】
【表1】
【0009】
同様に両性高分子凝集剤(B)の特性を表ー2に示す。
【表2】
【0010】
【発明の効果】
【0012】
効果試験−1都市下水汚泥の嫌気性消化汚泥にPAC・ポリ鉄・Fe 3+ :Al 3+ =10:90の含鉄PACをそれぞれ別個に金属酸化物として対SS3%を添加混合した後、高分子凝集剤を機内薬注し、デカンターにより脱水した。 脱水試験の結果を表ー3に示す。
【0011】
【表3】
(表ー3) ケーキ含水率
但し薬品添加量はすべて汚泥懸濁固形分に対する重量割合を示す。
表―3から明らかな様に、含鉄PAC使用時のケーキ含水率はPAC・ポリ鉄使用時の場合よりも明らかに低い。この事から本願発明の高分子凝集剤と併用するに含鉄PACが最良である事がわかる。
Claims (7)
- 都市下水嫌気性消化汚泥にFe 3+ とAl 3+ の重量比が5:95〜20:80の範囲にある含鉄PAC(鉄を含有するポリ塩化アルミニウム)添加混合した後に、下記式(1)または式(2)で表される構造単位を10〜90モル%含有するカチオン性高分子凝集剤(A)および式(3)で表される構造単位を10〜90モル%,式(4)で表される構造単位を5〜30モル%含有する両性高分子凝集剤(B)を混合してなる汚泥脱水剤を添加混合した後、脱水する事を特徴とする汚泥の処理方法。
- カチオン性高分子凝集剤(A)および両性高分子凝集剤(B)を10:90〜50:50の比率で併用する事を特徴とする請求項1に記載の汚泥の処理方法。
- カチオン性高分子凝集剤(A)がN−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルの共重合体の酸加水分解加熱物である事を特徴とする請求項1ないし請求項2に記載の汚泥脱水剤。
- カチオン性高分子凝集剤(A)の、1規定食塩水中で測定した、固有粘度が1〜5dl/gである事を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の汚泥の処理方法。
- カチオン性高分子凝集剤(A)のカチオン性コロイド当量値が3〜8meq/gである事を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の汚泥の処理方法。
- 両性高分子凝集剤(B)の、1規定食塩水中で測定した、固有粘度が5〜30dl/gである事を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の汚泥の処理方法。
- 汚泥脱水用の脱水機としてデカンターを使用し、有機高分子から成る汚泥脱水剤の水溶液を機内薬注する事を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の汚泥の処理方法。
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- 1996-07-02 JP JP18992496A patent/JP3647006B2/ja not_active Expired - Fee Related
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