JPH08299999A - 汚泥の脱水方法 - Google Patents

汚泥の脱水方法

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JPH08299999A
JPH08299999A JP7136232A JP13623295A JPH08299999A JP H08299999 A JPH08299999 A JP H08299999A JP 7136232 A JP7136232 A JP 7136232A JP 13623295 A JP13623295 A JP 13623295A JP H08299999 A JPH08299999 A JP H08299999A
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正幸 村野
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茂 佐藤
Satoko Shimada
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Abstract

(57)【要約】 【構成】電気伝導率が10,000μS/cm以上である
塩類濃度の高い汚泥の脱水において、一般式[1]で表
されるアミジン単位又は一般式[2]で表されるアミン
単位を有するカチオン性高分子凝集剤を添加して脱水す
ることを特徴とする汚泥の脱水方法。 【化1】 (ただし、式中、R1及びR2は水素又はメチル基であ
り、X-は塩形成性アニオンである。) 【効果】本発明の汚泥の脱水方法によれば、電気伝導率
が10,000μS/cm以上の塩類濃度の高い汚泥を脱
水処理するに際し、必要な凝集剤の添加量が少量であ
り、凝集性が良好で形成されるフロックの径が大きく、
汚泥のろ過性が良好であり、SS回収率が高く、ケーキ
含水率が低く、ろ布からのケーキの剥離状態も良好であ
る。本発明方法により、塩類濃度が高い汚泥を、効率よ
く処理することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、汚泥の脱水方法に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、従来の方法では脱水処
理が困難な、含有塩類濃度の高い汚泥を、優れた凝集
性、脱水性にて脱水処理することができる汚泥の脱水方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、下水処理、屎尿処理、有機性産業
廃水処理などで生じる有機性汚泥の脱水処理には、通
常、カチオン性高分子凝集剤が使用されている。しか
し、通常のカチオン性高分子凝集剤を用いる従来の方法
では、近年の汚泥発生量の増加や汚泥性状の悪化などの
ために、含水率、SSの回収率、ケーキのろ布からの剥
離性などの点で必ずしも満足した結果は得られず、その
改善が求められている。また、その中でも特に屎尿の海
水希釈汚泥、屎尿の消化処理汚泥、下水の消化処理汚泥
などの塩類濃度の高い、すなわち電気伝導率の高い汚泥
については、その改善が求められている。屎尿自体塩濃
度が高いものであるが、これを生物処理するに際しては
希釈水として大量の水を必要とすることから、海水を希
釈水として使用する場合がある。従って、このような海
水を用いた処理系から排出される余剰汚泥は、高濃度に
塩類を含有するものとなる。また、屎尿や下水の消化汚
泥についても、汚泥を好気性消化又は嫌気性消化する
と、菌体内から溶出する塩類及びアミノ酸由来の有機酸
やアンモニアなどのために、汚泥中の塩類濃度は高くな
る。このような高濃度に塩類を含有する汚泥は、従来の
カチオン性高分子凝集剤を用いる脱水処理では、凝集
性、SSの回収性、ケーキのろ布からの剥離性、ケーキ
含水率の点で効果が悪く、改善が必要であった。高濃度
に塩類を含有する汚泥を脱水処理する方法の改良とし
て、特公昭61−44559号公報に、ベンジルハライ
ドで四級化したN,N−ジアルキルアミノアルキル(メ
タ)アクリレート型カチオン性高分子凝集剤を、無機塩
含有汚泥の脱水処理に用いる方法が提案されている。こ
の方法は、多量の無機塩を含む汚泥に対し有効な凝集剤
を提案するものではあるが、その凝集剤の高分子自体の
基本骨格は従来のカチオン性高分子凝集剤と変わらない
ため、性能面では特に改善されていない。本発明者ら
は、先に特開平4−7100号公報において、海水希釈
処理汚泥などの塩類濃度の高い汚泥の脱水処理に、四級
化したN,N−ジアルキルアミノプロピル(メタ)アク
リルアミド単位を有するカチオン性高分子凝集剤を用い
る方法を提案した。この方法は、電気伝導率が3,00
0μS/cm以上、とりわけ4,000μS/cm以上の高
濃度塩類含有汚泥に極めて有効であるが、近年、汚泥性
状の悪化が一層進むにしたがって、電気伝導率が10,
000μS/cm以上のような、極めて高濃度に塩類を含
有する汚泥の有効な脱水方法が求められるようになっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電気伝導率
が10,000μS/cm以上である塩類濃度の高い汚泥
の脱水を、比較的少量の凝集剤の添加により行い、しか
も十分な脱水性が得られ、ケーキの含水率を低下するこ
とができる汚泥の脱水方法を提供することを目的として
なされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討を行った結果、一級アミン
をカチオン基として有する特定の構成単位を有するカチ
オン性高分子凝集剤が、電気伝導率が10,000μS
/cm以上である塩類濃度の高い汚泥の脱水処理に極めて
有効であることを見いだし、この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)電気
伝導率が10,000μS/cm以上である塩類濃度の高
い汚泥の脱水において、下記一般式[1]で表されるア
ミジン単位又は下記一般式[2]で表されるアミン単位
を有するカチオン性高分子凝集剤を添加して脱水するこ
とを特徴とする汚泥の脱水方法、
【化3】 (ただし、式中、R1及びR2は水素又はメチル基であ
り、X-は塩形成性アニオンである。)、及び、(2)
電気伝導率が10,000μS/cm以上である塩類濃度
の高い汚泥の脱水において、下記一般式[3]で表され
るアミジン単位又は下記一般式[4]で表されるアミン
単位を有するカチオン性高分子凝集剤を添加して脱水す
ることを特徴とする汚泥の脱水方法、
【化4】 (ただし、式中、R1及びR2は水素又はメチル基であ
る。)、を提供するものである。
【0005】本発明方法は、塩類濃度が高いために、従
来の高分子凝集剤によっては凝集性、脱水性が悪く、脱
水処理が困難とされていた、電気伝導率が10,000
μS/cm以上の汚泥を処理対象とする。電気伝導率が1
0,000μS/cm以上の汚泥としては、具体的には、
例えば、屎尿の海水希釈汚泥や下水消化汚泥などが挙げ
られる。本発明方法の対象は、特に限定されるものでは
ないが、電気伝導率の高い高塩類濃度の汚泥に特に好適
に適用することができる。本発明方法においては、塩類
濃度の高い汚泥に、一般式[1]若しくは[3]で表さ
れるアミジン単位又は一般式[2]若しくは[4]で表
されるアミン単位を有するカチオン性高分子凝集剤を添
加する。本発明方法に用いるアミジン単位を有するポリ
マーは、一般式[5]で表されるN−ビニルホルムアミ
ド、N−ビニルアセトアミド、N−イソプロペニルホル
ムアミド又はN−イソプロペニルアセトアミド及び一般
式[6]で表される(メタ)アクリロニトリルを必須モ
ノマー成分としてなるポリマーを、加水分解及びアミジ
ン化して得ることができる。本発明方法に用いるアミン
単位を有するポリマーは、一般式[5]で表されるN−
ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−イ
ソプロペニルホルムアミド又はN−イソプロペニルアセ
トアミドを必須モノマー成分としてなるポリマーを、加
水分解して得ることができる。
【化5】 (ただし、式中、R1、R2及びR3は水素又はメチル基
である。)
【0006】さらに、これらの加水分解及びアミジン化
に供するポリマーは、必須モノマー成分以外に他の共重
合可能なビニルモノマー成分などを有していてもよい。
このような共重合可能なビニルモノマーなどとしては、
例えば、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)ア
クリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、酢酸ビニル、スチレン、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル
酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メ
タ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
その三級塩、その四級アンモニウム塩、N,N−ジメチ
ルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
エチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、その三
級塩、その四級アンモニウム塩、ジメチルジアリルアン
モニウムクロライド、アリルアミンなどが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。本発明におい
て、上記の加水分解及びアミジン化反応に供するポリマ
ーを得るための重合方法には特に制限はなく、使用する
モノマー及び生成するポリマーの溶解性などに応じて、
溶液重合、懸濁重合、乳化重合などを選ぶことができ
る。例えば、使用するモノマーも生成するポリマーも水
溶性であれば、水溶液重合が可能であり、モノマーを水
に溶解し、不活性ガスにより雰囲気を置換し、所定温度
まで昇温したのち水溶性重合開始剤を添加することによ
ってポリマーを得ることができる。水溶液重合により得
られたポリマーは、そのまま、又は単離したのち、加水
分解及びアミジン化反応に供することができる。また、
使用するモノマーの水への溶解度が小さいときは、懸濁
重合、乳化重合などを用いることができる。乳化重合に
おいては、水中にモノマー、乳化剤、水溶性の重合開始
剤などを加え、不活性ガス雰囲気中で撹拌下に加熱する
ことによりポリマーを得ることができる。重合開始剤と
しては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2'
−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩など、公
知の重合開始剤を用いることができるが、アゾ系化合物
が特に好ましい。
【0007】上記のポリマーの水溶液又は水分散液を酸
の存在下に加熱することにより、ポリマー中の酸アミド
単位を加水分解して一般式[2]で表されるアミン単位
とし、さらに(メタ)アクリロニトリルと共重合したコ
ポリマーの場合には、アミン単位と隣接するニトリル単
位の反応により一般式[1]で表されるアミジン単位を
生成するアミジン化反応を行う。加水分解及びアミジン
化反応は2段階で行うことができるが、通常は1段階で
行うことが好ましい。ポリマーの構造と目的の加水分解
率及びアミジン化率に応じて、反応条件を選択すること
が可能である。通常は上記のポリマーを5〜80重量%
の水溶液又は水分散液とし、酸アミド単位に対し1〜5
当量倍の酸を加え、40〜100℃に加熱することによ
り加水分解及びアミジン化反応を行うことができる。加
水分解及びアミジン化反応に使用する酸には特に制限は
なく、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝
酸、酢酸などを使用することができる。また、上記のポ
リマーの水溶液の加水分解及びアミジン化反応は、アル
カリの存在下に加熱することによっても同様に行うこと
ができるが、このときはアミジン単位及びアミン単位は
一般式[1]及び[2]で表されるアンモニウム塩型で
はなく、一般式[3]及び[4]で表されるアミン型と
なる。アルカリの存在下に加水分解及びアミジン化反応
を行って得られたカチオン性高分子凝集剤も、本発明方
法に使用することができる。一般式[5]で表されるN
−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−
イソプロペニルホルムアミド又はN−イソプロペニルア
セトアミドと、一般式[6]で表される(メタ)アクリ
ロニトリルのコポリマーを加水分解及びアミジン化した
とき、加水分解によって生成したアミン単位のうち、ニ
トリル単位に隣接しないものは、アミジン単位を形成す
ることができないので、アミン単位のままで残存する。
【0008】本発明方法に使用するカチオン性高分子凝
集剤において、一般式[1]又は[3]において、R1
及びR2は水素又はメチル基であり、それらは互いに同
一であっても異なっていてもよく、またポリマーのR1
又はR2がすべて水素又はメチル基のいずれかであって
もよく、あるいは、ポリマーのR1又はR2の一部が水素
であって残部がメチル基であってもよい。一般式[2]
又は[4]において、R1は水素又はメチル基であり、
ポリマーのR1がすべて水素又はメチル基のいずれかで
あってもよく、あるいは、ポリマーのR1の一部が水素
であって残部がメチル基であってもよい。一般式[1]
又は[3]において、R1又はR2が炭素数2以上のアル
キル基であると、一般式[1]又は[3]の構造を有す
るポリマーの親水性が不足するおそれがあり、一般式
[2]又は[4]において、R1が炭素数2以上のアル
キル基であると、一般式[2]又は[4]の構造を有す
るポリマーの親水性が不足するおそれがある。一般式
[1]又は[2]中、X-は塩形成性アニオンであり、
塩形成性アニオンとしては、例えば、塩素イオン、臭素
イオン、ヨウ素イオン、硝酸イオン、酢酸イオンなどを
挙げることができる。本発明方法に使用するカチオン性
高分子凝集剤において、アミジン単位を有するポリマー
の全構造単位中に占めるアミジン単位の割合は35〜9
5モル%であることが性能上好ましく、アミジン単位を
有するポリマーが同時にアミン単位を有する場合には、
アミジン単位とアミン単位の合計量が全構造単位に対し
て35〜95モル%であることが性能上好ましい。ま
た、アミジン単位を有せずアミン単位のみを有するポリ
マーの全構造単位中に占めるアミン単位の割合は35〜
95モル%であることが性能上好ましい。本発明方法に
使用するアミジン単位又はアミン単位を有するカチオン
性高分子凝集剤は、高分子量であることが好ましく、分
子量の指標となる1N塩化ナトリウム水溶液を溶媒とし
て30℃で測定した固有粘度が1dl/g以上であること
が性能上好ましく、3dl/g以上であることがより好ま
しい。
【0009】本発明方法においては、一般式[1]若し
くは[3]で表されるアミジン単位又は一般式[2]若
しくは[4]で表されるアミン単位を有するカチオン性
高分子凝集剤を水溶液などとして処理対象汚泥に添加
し、撹拌し、十分に凝集処理した後、脱水機で脱水す
る。カチオン性高分子凝集剤の添加量には特に制限はな
いが、処理対象汚泥の固形分に対して0.2〜3.0重量
%となるように添加することが好ましい。本発明方法に
おいては、一般式[1]若しくは[3]で表されるアミ
ジン単位又は一般式[2]若しくは[4]で表されるア
ミン単位を有するカチオン性高分子凝集剤を単独で汚泥
に添加するほか、これらのカチオン性高分子凝集剤を任
意の組み合わせで混合して汚泥に添加することができ、
これらのカチオン性高分子凝集剤とアニオン性高分子凝
集剤を併用することができ、必要に応じて、他のカチオ
ン性ポリマー、ノニオン性ポリマー、アニオン性ポリマ
ーを加えて混合一液としたり、あるいは、硝酸ナトリウ
ム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、スルファミン
酸などの脱水処理に悪影響を及ぼさない他の成分と併用
することができる。さらに、硫酸バンド、ポリ塩化アル
ミニウム、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、ポリ硫酸鉄などの
無機凝集剤と併用することができる。本発明方法におい
て使用する脱水機には特に制限はなく、例えば、ろ布に
付着させた汚泥中の水分を真空により吸引し脱水する真
空脱水機、ろ布の間に汚泥を圧入し、さらに圧力をかけ
て圧搾することにより脱水するフィルタープレス脱水
機、多数のロールの間に2枚のろ布を連続的に移動させ
一台の機械で重力によるろ過と圧搾及び圧縮による脱水
を行うベルトプレス脱水機、遠心力を利用した遠心脱水
機、スクリュー羽根の回転搬送機構で汚泥を移送しスク
リューの外側に設けた円筒スクリーンからろ液を排除し
つつ圧搾脱水するスクリュープレス脱水機などを用いる
ことができる。本発明方法に使用するカチオン性高分子
凝集剤の高濃度塩類含有汚泥に対する優れた凝集性能、
脱水性能の作用機構の詳細は明らかではないが以下のよ
うに考えられる。すなわち、一般式[1]、[2]、
[3]又は[4]で表されるカチオン性高分子凝集剤の
構成単位のカチオン基はいずれも一級アミンであり、従
来のカチオン性高分子凝集剤とは異なっている。このた
め、このカチオン性高分子凝集剤は従来のカチオン性高
分子凝集剤と異なり、汚泥が有するアニオン基に対して
強い引力を及ぼし、高濃度塩類含有汚泥に対して十分に
汚泥中のアニオン成分と反応し、その結果、優れた凝集
性能、脱水性能を発揮するものと考えられる。
【0010】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 製造例1(アミジン単位及びアミン単位を有するカチオ
ン性高分子凝集剤) 撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素導入管をつけた5
00mlフラスコに、N−ビニルホルムアミド28.4g
(0.4モル)、アクリロニトリル31.8g(0.6モ
ル)及び水310gを入れ、雰囲気を窒素で置換した。
撹拌しつつ60℃に昇温し、2,2'−アゾビス(2−ア
ミジノプロパン)二塩酸塩の10%水溶液1.0gを添
加し、60℃を保ったまま5時間重合を続けた。水中に
ポリマーが析出した懸濁液に濃塩酸98.1g(塩化水
素として1.0モル)を加え、加熱して還流しつつ4時
間反応し、ポリマーをアミジン化した。得られたポリマ
ー溶液をアセトン中に添加し、析出したポリマーを真空
乾燥した。このカチオン性ポリマーは、アミジン単位3
5モル%、アミン単位8モル%、ホルムアミド単位11
モル%、ニトリル単位46モル%を有していた。このカ
チオン性ポリマーの、1N塩化ナトリウム水溶液を溶媒
として30℃で測定した固有粘度は、4.2dl/gであ
った。このポリマーを、凝集剤(I−1)とする。 製造例2(アミジン単位及びアミン単位を有するカチオ
ン性高分子凝集剤) 製造例1と同様にして、N−ビニルホルムアミド35.
1g(0.5モル)、アクリロニトリル26.5g(0.
5モル)より、アミジン単位56モル%、アミン単位1
3モル%、ホルムアミド単位9モル%、ニトリル単位2
2モル%を有するカチオン性ポリマーを得た。このカチ
オン性ポリマーの固有粘度は、5.2dl/gであった。
このポリマーを、凝集剤(I−2)とする。 製造例3(アミジン単位及びアミン単位を有するカチオ
ン性高分子凝集剤) 製造例1と同様にして、N−ビニルホルムアミド49.
7g(0.7モル)、アクリロニトリル15.9g(0.
3モル)より、アミジン単位33モル%、アミン単位5
3モル%、ホルムアミド単位7モル%、ニトリル単位7
モル%を有するカチオン性ポリマーを得た。このカチオ
ン性ポリマーの固有粘度は、4.0dl/gであった。こ
のポリマーを、凝集剤(I−3)とする。 製造例4(アミン単位を有するカチオン性高分子凝集
剤) 製造例1と同様にして、N−ビニルホルムアミド71.
0g(1.0モル)より、アミン単位75モル%及びホ
ルムアミド単位25モル%を有するカチオン性ポリマー
を得た。このカチオン性ポリマーの固有粘度は、5.2d
l/gであった。このポリマーを、凝集剤(I−4)とす
る。 製造例5(アミン単位を有するカチオン性高分子凝集
剤) 製造例1と同様にして、N−ビニルホルムアミド71.
0g(1.0モル)より、アミン単位64モル%及びホ
ルムアミド単位36モル%を有するカチオン性ポリマー
を得た。このカチオン性ポリマーの固有粘度は、5.7d
l/gであった。このポリマーを、凝集剤(I−5)とす
る。 製造例6(アミン単位を有するカチオン性高分子凝集
剤) 撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素導入管をつけた5
00mlフラスコに、N−ビニルホルムアミド71.0g
(1.0モル)及び水310gを入れ、雰囲気を窒素で
置換した。撹拌しつつ60℃に昇温し、2,2'−アゾビ
ス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩の10%水溶液
1.0gを添加し、60℃を保ったまま5時間重合を続
けた。得られたポリマー溶液に40重量%水酸化ナトリ
ウム水溶液100g(水酸化ナトリウムとして1.0モ
ル)を加え、加熱して還流しつつ4時間反応し、ポリマ
ーを加水分解した。加水分解したポリマーの水溶液をア
セトン中に添加し、析出したポリマーを真空乾燥した。
このカチオン性ポリマーは、アミン単位75モル%及び
ホルムアミド単位25モル%を有していた。このカチオ
ン性ポリマーの、1N塩化ナトリウム水溶液を溶媒とし
て30℃で測定した固有粘度は、6.4dl/gであっ
た。このポリマーを、凝集剤(I−6)とする。実施例に
用いる製造例1〜6で製造した凝集剤(I−1)〜(I〜
6)及び比較例に用いる公知のカチオン製高分子凝集剤
(II−1)〜(II〜6)の組成及び1N塩化ナトリウム水溶
液を溶媒として30℃で測定した固有粘度を第1表に示
す。
【0011】
【表1】
【0012】実施例1 凝集剤(I−1)を用いて、屎尿酸化処理海水希釈汚泥A
の脱水処理を行った。この汚泥は、pH7.3、電気伝導
率29,000μS/cm、SS2.5重量%、VSS/S
S60.3重量%、繊維分/SS7.3重量%であった。
300mlのビーカーに上記の汚泥200mlを採り、凝集
剤(I−1)の0.2重量%水溶液を、凝集剤の添加量が
320mg/リットルになるように加え、タービン羽根付
撹拌機で500rpmにて60秒間撹拌し、汚泥を凝集さ
せた。凝集フロックの大きさを測定したところ、フロッ
ク径は7mmであった。その後、ろ布を敷いたブフナーロ
ートに、この凝集汚泥を注ぎ込んだ。10秒後のろ液量
は80mlであった。また、リークしたSS量から、SS
回収率は99重量%以上であった。次いで、ブフナーロ
ート上の汚泥を2枚のろ布ではさみ、0.5kg/cm2の圧
力で60秒間圧搾したのち、ろ布からケーキを剥離し
た。ろ布から剥離したケーキ量は98重量%であり、ケ
ーキ含水率は79.2重量%であった。なお、ろ布から
剥離したケーキの量は、ヘラでケーキをかき取った後の
上下2枚のろ布を高圧水で洗い出し、付着していた固形
物量を測定することにより算出した。 実施例2〜6及び比較例1〜6 第1表に示す凝集剤(I−2)〜(I〜6)及び凝集剤(II
−1)〜(II〜6)を用い、実施例1と同様にして、屎尿
酸化処理海水希釈汚泥Aの脱水処理を行った。結果を第
2表に示す。
【0013】
【表2】
【0014】実施例7 凝集剤(I−1)を用いて、屎尿酸化処理海水希釈汚泥B
の脱水処理を行った。この汚泥は、pH7.5、電気伝導
率32,000μS/cm、SS2.0重量%、VSS/S
S78.3重量%、繊維分/SS4.2重量%であった。
凝集剤(I−1)の0.2重量%水溶液を、凝集剤の添加
量が270mg/リットルになるように加え、その後実施
例1と全く同じ操作を繰り返したところ、フロック径は
6mm、10秒後のろ液量は85ml、SS回収率は99重
量%以上、ろ布から剥離したケーキ量は98重量%、ケ
ーキ含水率は82.3重量%であった。 実施例8〜12及び比較例7〜12 第1表に示す凝集剤(I−2)〜(I〜6)及び凝集剤(II
−1)〜(II〜6)を用い、実施例1と同様にして、屎尿
酸化処理海水希釈汚泥Bの脱水処理を行った。結果を第
3表に示す。
【0015】
【表3】
【0016】実施例13 凝集剤(I−1)を用いて、下水消化汚泥Cの脱水処理を
行った。この汚泥は、pH7.4、電気伝導率18,000
μS/cm、SS1.9重量%、VSS/SS65.4重量
%、繊維分/SS4.8重量%であった。凝集剤(I−
1)の0.2重量%水溶液を、凝集剤の添加量が260mg
/リットルになるように加え、その後実施例1と全く同
じ操作を繰り返したところ、フロック径は6mm、10秒
後のろ液量は90ml、SS回収率は99重量%以上、ろ
布から剥離したケーキ量は98重量%、ケーキ含水率は
77.3重量%であった。 実施例14〜18及び比較例13〜18 第1表に示す凝集剤(I−2)〜(I〜6)及び凝集剤(II
−1)〜(II〜6)を用い、実施例1と同様にして、下水
消化汚泥Cの脱水処理を行った。結果を第4表に示す。
【0017】
【表4】
【0018】
【発明の効果】本発明の汚泥の脱水方法によれば、電気
伝導率が10,000μS/cm以上の塩類濃度の高い汚
泥を脱水処理するに際し、必要な凝集剤の添加量が少量
であり、凝集性が良好で形成されるフロックの径が大き
く、汚泥のろ過性が良好であり、SS回収率が高く、ケ
ーキ含水率が低く、ろ布からのケーキの剥離状態も良好
である。本発明方法により、塩類濃度が高い汚泥を、効
率よく処理することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田 聡子 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗田 工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気伝導率が10,000μS/cm以上で
    ある塩類濃度の高い汚泥の脱水において、下記一般式
    [1]で表されるアミジン単位又は下記一般式[2]で
    表されるアミン単位を有するカチオン性高分子凝集剤を
    添加して脱水することを特徴とする汚泥の脱水方法。 【化1】 (ただし、式中、R1及びR2は水素又はメチル基であ
    り、X-は塩形成性アニオンである。)
  2. 【請求項2】電気伝導率が10,000μS/cm以上で
    ある塩類濃度の高い汚泥の脱水において、下記一般式
    [3]で表されるアミジン単位又は下記一般式[4]で
    表されるアミン単位を有するカチオン性高分子凝集剤を
    添加して脱水することを特徴とする汚泥の脱水方法。 【化2】 (ただし、式中、R1及びR2は水素又はメチル基であ
    る。)
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