JPH08215700A - 汚泥脱水剤 - Google Patents

汚泥脱水剤

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JPH08215700A
JPH08215700A JP7050414A JP5041495A JPH08215700A JP H08215700 A JPH08215700 A JP H08215700A JP 7050414 A JP7050414 A JP 7050414A JP 5041495 A JP5041495 A JP 5041495A JP H08215700 A JPH08215700 A JP H08215700A
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acid amide
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正幸 村野
Shoji Matsushima
尚司 松島
Shigeru Sato
茂 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【構成】N−ビニルカルボン酸アミド又はN−イソプロ
ペニルカルボン酸アミドと(メタ)アクリロニトリルと
のコポリマーを加水分解及びアミジン化することによっ
て得られるアミジン単位を有するカチオン性ポリマー
(a)と、N−ビニルカルボン酸アミド又はN−イソプ
ロペニルカルボン酸アミドのポリマーを加水分解するこ
とによって得られるビニルアミン単位又はイソプロペニ
ルアミン単位を有するカチオン性ポリマー(b)とを、
(a):(b)=10:90〜90:10(重量比)の
比率で含有することを特徴とする汚泥脱水剤。 【効果】本発明の汚泥脱水剤を使用すると、凝集力が高
く汚泥の処理量が上がり、含水率の低い脱水ケーキを得
ることができ、さらに、ろ布からのケーキ剥離性がよい
ので圧搾圧力を高くすることができ、その結果からもケ
ーキ含水率を下げることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、汚泥脱水剤に関する。
さらに詳しくは、本発明は、凝集性及びろ過性に優れ、
機械脱水後、含水率が低くろ布からの剥離性の良好な脱
水ケーキを得ることができる汚泥脱水剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、汚泥の脱水処理には、高分子
量のカチオン性ポリマーが広く用いられている。このよ
うな高分子量のカチオン性ポリマーとしては、例えば、
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの3級塩又
は4級アンモニウム塩のホモポリマー、ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレートとアクリルアミドなどとの
コポリマーなどのほか、カチオン性単位とアクリル酸な
どのアニオン性単位を有する両性高分子脱水剤なども用
いられている。しかしながら、近年、下水道の整備など
により、汚泥発生量が増加し、汚泥中の有機物量の増
加、腐敗などの汚泥性状の悪化が進んでいる。そのため
に、現在主として使用されている上記のようなカチオン
性ポリマーには以下のような問題があり、処理方法の改
善が求められている。すなわち、(1)凝集フロックは大
きいが、強度が弱い。そのため、重力ろ過性が悪く汚泥
の処理量が上がらず、汚泥のSSが分離液にリークし、
ろ布からのケーキの剥離性が悪く脱水機の運転トラブル
を起こしやすい。(2)ケーキ含水率が下がらない。その
ため、ケーキの埋め立て処分の場合には、ケーキの運搬
費用が嵩み、焼却の場合には、焼却炉のトラブルを起こ
しやすく、焼却のための燃料費が嵩む。(3)汚泥の脱水
処理が安定しない。これらの問題を解決するため、特開
平5−192513号公報にはアミジン構造を有するカ
チオン性ポリマーが提案されているが、脱水ケーキの含
水率は従来用いられていたカチオン性ポリマーを使用し
た場合より減少するものの、凝集性は従来のポリマーを
使用した場合に比べて劣り、凝集フロックは小さい。そ
のため、重力ろ過性が悪く、汚泥の処理量が上がらず、
脱水処理が安定しないという欠点がある。また、特公昭
63−9523号公報には部分的にポリビニルアミン構
造を有するカチオン性ポリマーが提案されていて、この
ポリマーによって凝集性は改善することができるが、凝
集性の向上に伴い含水率が減少しなくなるという問題が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ろ過性の良
好な強度の大きい凝集フロックを形成し、ろ過に際し
て、含水率が低くろ布からの剥離性の良好なケーキが得
られ、安定して汚泥の脱水処理を行うことができる汚泥
脱水剤を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アミジン単位を
有するカチオン性ポリマーとビニルアミン単位を有する
カチオン性ポリマーを併用することにより、汚泥の処理
において凝集性と脱水性を同時に改良し得ることを見い
だし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)N−ビニルカルボン酸アミ
ド若しくはN−イソプロペニルカルボン酸アミドと(メ
タ)アクリロニトリルとのコポリマー又はN−ビニルカ
ルボン酸アミド若しくはN−イソプロペニルカルボン酸
アミドと(メタ)アクリロニトリルを必須成分とするコ
ポリマーを加水分解及びアミジン化することによって得
られるアミジン単位を有するカチオン性ポリマー(a)
と、N−ビニルカルボン酸アミド若しくはN−イソプロ
ペニルカルボン酸アミドのホモポリマー又はN−ビニル
カルボン酸アミド若しくはN−イソプロペニルカルボン
酸アミドを必須成分とするコポリマーを加水分解するこ
とによって得られるビニルアミン単位又はイソプロペニ
ルアミン単位を有するカチオン性ポリマー(b)とを、
(a):(b)=10:90〜90:10(重量比)の
比率で含有することを特徴とする汚泥脱水剤、を提供す
るものである。さらに、本発明の好ましい態様として、
(2)アミジン単位を有するカチオン性ポリマー(a)
が、下記一般式[1]で示される単位を20〜90モル
%、下記一般式[2]で示される単位を0〜80モル
%、下記一般式[3]で示される単位を0〜50モル
%、下記一般式[4]で示される単位を0〜50モル%
有するものである第(1)項記載の汚泥脱水剤
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】 (ただし、式中、R1及びR2は水素又はメチル基であ
り、R3は水素又は炭素数1〜4のアルキル基であ
る。)、(3)1N塩化ナトリウム水溶液を溶媒として
30℃で測定したアミジン単位を有するカチオン性ポリ
マー(a)の固有粘度が、1dl/g以上である第(1)〜
(2)項記載の汚泥脱水剤、(4)ビニルアミン単位又は
イソプロペニルアミン単位を有するカチオン性ポリマー
(b)が、下記一般式[2]で示される単位を35〜1
00モル%、下記一般式[3]で示される単位を0〜6
5モル%有するものである第(1)〜(3)項記載の汚泥脱
水剤
【化5】
【化6】 (ただし、式中、R1は水素又はメチル基であり、R3
水素又は炭素数1〜4のアルキル基である。)、及び、
(5)1N塩化ナトリウム水溶液を溶媒として30℃で
測定したビニルアミン単位又はイソプロペニルアミン単
位を有するカチオン性ポリマー(b)の固有粘度が、4
dl/g以上である第(1)〜(4)項記載の汚泥脱水剤、を
挙げることができる。
【0005】本発明において、アミジン単位を有するカ
チオン性ポリマー(a)は、(1)N−ビニルカルボン酸
アミド又はN−イソプロペニルカルボン酸アミド
【化7】 (ただし、式中、R1は水素又はメチル基、R3は水素又
は炭素数1〜4のアルキル基である。)、(2)(メタ)
アクリロニトリル CH2=CR2−CN (ただし、式中、R2は水素又はメチル基である。)、
及び、必要に応じて、(3)他の共重合可能なモノマー、
を共重合し、得られたコポリマーを加水分解及びアミジ
ン化することによって得ることができる。本発明に用い
るN−ビニルカルボン酸アミドとしては、例えば、N−
ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビ
ニルプロピオンアミド、N−ビニルブチルアミド、N−
ビニルバレルアミドなどを挙げることができる。N−イ
ソプロペニルカルボン酸アミドとしては、例えば、N−
イソプロペニルホルムアミド、N−イソプロペニルアセ
トアミド、N−イソプロペニルプロピオンアミド、N−
イソプロペニルブチルアミド、N−イソプロペニルバレ
ルアミドなどを挙げることができる。本発明において
は、必要に応じてN−ビニルカルボン酸アミド又はN−
イソプロペニルカルボン酸アミドの代わりに、N−ビニ
ルこはく酸イミド、N−ビニルグルタルイミド、N−イ
ソプロペニルこはく酸イミド、N−イソプロペニルグル
タルイミドなどのN−ビニルカルボン酸イミド又はN−
イソプロペニルカルボン酸イミドを使用することができ
る。本発明に用いる上記の他の共重合可能なモノマーと
しては、適当なモノマー反応性比を有するものであれば
制限なく使用することができ、例えば、(メタ)アクリ
ルアミド、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、N−ビニルピ
ロリドンなどのノニオン性モノマー、(メタ)アクリル
酸又はそのアルカリ金属塩、ビニルスルホン酸、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレ
ンスルホン酸などのスルホン基を有するモノマー又はそ
のアルカリ金属塩などのアニオン性モノマー、ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリルアミドなどの3級塩若しくは4
級アンモニウム塩などのカチオン性モノマーなどを挙げ
ることができる。
【0006】本発明において、重合方法には特に制限は
なく、使用するモノマー及び生成するポリマーの溶解性
などに応じて、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などを選
ぶことができる。例えば、使用するモノマーも生成する
ポリマーも水溶性であれば、水溶液重合が可能であり、
モノマーを水に溶解し、不活性ガスをバブリングし、所
定温度まで昇温したのち水溶性重合開始剤を添加するこ
とによってポリマーを得ることができる。水溶液重合に
より得られたポリマーは、そのまま又は単離したのち、
加水分解及びアミジン化反応に供することができる。ま
た、使用するモノマーの水への溶解度が小さいときは、
懸濁重合、乳化重合などを用いることができる。乳化重
合においては、水中にモノマー、乳化剤、水溶性の重合
開始剤などを加え、不活性ガス雰囲気中で撹拌下に加熱
することによりポリマーを得ることができる。重合開始
剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、
2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩な
ど、一般的な開始剤を用いることができるが、アゾ系化
合物が特に好ましい。本発明において、上記のポリマー
の水溶液を酸又はアルカリの存在下に加熱することによ
り、ポリマー中の酸アミド単位を加水分解してアミン単
位とし、さらにアミン単位と隣接するニトリル単位の反
応により一般式[1]で示されるアミジン単位を生成す
るアミジン化反応を行う。加水分解及びアミジン化反応
は2段階で行うことができるが、通常は1段階で行うこ
とが好ましい。ポリマーの構造と目的の加水分解率及び
アミジン化率に応じて、反応条件を選択することが可能
である。通常は上記のポリマーを5〜80重量%の水溶
液又は水分散液とし、酸アミド単位に対し1〜5当量倍
の酸、又は酸アミド単位に対し1〜5当量倍のアルカリ
を加え、40〜100℃に加熱することにより加水分解
及びアミジン化反応を行うことができる。酸による加水
分解及びアミジン化反応を行った場合には、得られるカ
チオン性ポリマーのアミノ基はアンモニウム塩を形成
し、アルカリによる加水分解及びアミジン化反応を行っ
た場合には、得られるカチオン性ポリマーのアミノ基は
遊離の形態となる。なお、前記の共重合可能なビニルモ
ノマーのうち、(メタ)アクリルアミド類及び(メタ)
アクリレート類に由来するポリマー中の構造単位は、加
水分解によって一部は(メタ)アクリル酸単位に変化す
る。本発明の汚泥脱水剤において、カチオン性ポリマー
(a)中の一般式[1]で示されるアミジン単位は、ポ
リマー中の全構造単位の20〜90モル%であることが
好ましく、50〜90モル%であることがさらに好まし
い。一般式[1]で示されるアミジン単位が、ポリマー
中の全構造単位の20モル%未満であると、汚泥脱水剤
としての含水率減少効果が低下し、一般式[1]で示さ
れるアミジン単位が、ポリマー中の全構造単位の90モ
ル%を超えるポリマーは製造が容易ではない。本発明に
用いるアミジン単位を有するカチオン性ポリマー(a)
は、高分子量であることが好ましく、分子量の指標とな
る1N塩化ナトリウム水溶液を溶媒として30℃で測定
した固有粘度が1dl/g以上であることが好ましく、3
dl/g以上であることがさらに好ましい。
【0007】本発明において、ビニルアミン単位又はイ
ソプロペニルアミン単位を有するカチオン性ポリマー
(b)は、(1)N−ビニルカルボン酸アミド又はN−
イソプロペニルカルボン酸アミド
【化8】 (ただし、式中、R1は水素又はメチル基、R3は水素又
は炭素数1〜4のアルキル基である。)、及び、必要に
応じて、(2)他の共重合可能なモノマー、を共重合し、
得られたポリマーを加水分解することによって得ること
ができる。N−ビニルカルボン酸アミド又はN−イソプ
ロペニルカルボン酸アミドとしては、アミジン単位を有
するカチオン性ポリマーの製造に用いるのと全く同じ化
合物を使用することができ、例えば、N−ビニルホルム
アミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルプロピオ
ンアミド、N−ビニルブチルアミド、N−ビニルバレル
アミド、N−イソプロペニルホルムアミド、N−イソプ
ロペニルアセトアミド、N−イソプロペニルプロピオン
アミド、N−イソプロペニルブチルアミド、N−イソプ
ロペニルバレルアミドなどを使用することができる。ま
た、必要に応じてN−ビニルカルボン酸アミド又はN−
イソプロペニルカルボン酸アミドの代わりに、N−ビニ
ルカルボン酸イミド又はN−イソプロペニルカルボン酸
イミドを使用することができる。本発明に用いる上記の
他の共重合可能なモノマーとしては、適当なモノマー反
応性比を有するものであれば制限なく使用することがで
き、例えば、(メタ)アクリルアミド、スチレン、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、酢酸ビニル、アクリロニトリル、N−ビニルピロリ
ドンなどのノニオン性モノマー、(メタ)アクリル酸又
はそのアルカリ金属塩、ビニルスルホン酸、2−アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンス
ルホン酸などのスルホン基を有するモノマー又はそのア
ルカリ金属塩などのアニオン性モノマー、ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリルアミドなどの3級塩若しくは4級ア
ンモニウム塩などのカチオン性モノマーなどを挙げるこ
とができる。
【0008】本発明において、上記のモノマーを重合す
る方法には特に制限はなく、使用するモノマー及び生成
するポリマーの溶解性などに応じて、溶液重合、懸濁重
合、乳化重合などを選ぶことができる。得られたポリマ
ーの水溶液を酸又はアルカリの存在下に加熱することに
より、ポリマー中の酸アミド単位を加水分解して一般式
[2]で示されるアミン単位とする。本発明において
は、ポリマーの構造と目的の加水分解率に応じて、反応
条件を選択することが可能である。通常は上記のポリマ
ーを5〜80重量%の水溶液又は水分散液とし、酸アミ
ド単位に対し1〜5当量倍の酸、又は酸アミド単位に対
し1〜5当量倍のアルカリを加え、40〜100℃に加
熱することにより加水分解を行うことができる。酸によ
る加水分解を行った場合には、得られるカチオン性ポリ
マーのアミノ基はアンモニウム塩を形成し、アルカリに
よる加水分解を行った場合には、得られるカチオン性ポ
リマーのアミノ基は遊離の形態となる。なお、前記の共
重合可能なビニルモノマーのうち、(メタ)アクリルア
ミド類及び(メタ)アクリレート類に由来するポリマー
中の構造単位は、加水分解によって一部が(メタ)アク
リル酸単位に変化する。本発明に用いるビニルアミン単
位又はイソプロペニルアミン単位を有するカチオン性ポ
リマーにおいて、一般式[2]で示されるビニルアミン
単位又はイソプロペニルアミン単位は、ポリマー中の全
構造単位の35〜100モル%であることが好ましく、
60〜80モル%であることがさらに好ましい。一般式
[2]で示されるビニルアミン単位又はイソプロペニル
アミン単位が、全構造単位の35モル%未満であると、
汚泥脱水剤としての凝集性能が低下する。本発明に用い
るビニルアミン単位又はイソプロペニルアミン単位を有
するカチオン性ポリマーは、高分子量であることが好ま
しく、分子量の指標となる1N塩化ナトリウム水溶液を
溶媒として30℃で測定した固有粘度が4dl/g以上で
あることが好ましく、5dl/g以上であることがさらに
好ましい。
【0009】本発明において、アミジン単位を有するカ
チオン性ポリマー(a)及びビニルアミン単位又はイソ
プロペニルアミン単位を有するポリマー(b)は、アミ
ジン化反応又は加水分解を終了した水溶液のまま又は濃
縮若しくは希釈した水溶液として、排水の凝集剤、汚泥
の脱水剤、紙用添加剤などに使用することができ、ある
いは、カチオン性ポリマーの水溶液をアセトンなどの有
機溶媒と混合し、カチオン性ポリマーを沈殿せしめた
後、分離、乾燥して粉末化し、あるいはエマルションな
どとして使用することができる。本発明の汚泥脱水剤
は、アミジン単位を有するカチオン性ポリマー(a)
と、ビニルアミン単位又はイソプロペニルアミン単位を
有するカチオン性ポリマー(b)とを、(a):(b)
=10:90〜90:10(重量比)の比率で含有す
る。アミジン単位を有するカチオン性ポリマーの含有率
が、(a):(b)=10:90(重量比)より少ない
と、脱水ケーキの含水率が十分に減少しないおそれがあ
る。アミジン単位を有するカチオン性ポリマーの含有率
が、(a):(b)=90:10(重量比)より多い
と、フロックの凝集性が十分に向上しないおそれがあ
る。本発明の汚泥脱水剤を使用する対象となる汚泥には
特に制限はなく、下水、屎尿、一般産業排水処理で生じ
る有機性汚泥や、凝集汚泥を含む混合汚泥などに広く好
適に使用することができる。本発明の汚泥脱水剤は、ア
ミジン単位を有するカチオン性ポリマー(a)と、ビニ
ルアミン単位又はイソプロペニルアミン単位を有するカ
チオン性ポリマー(b)とを、粉末、エマルション、水
溶液などの状態で混合して使用することができ、あるい
は、アミジン単位を有するカチオン性ポリマー(a)
と、ビニルアミン単位又はイソプロペニルアミン単位を
有するカチオン性ポリマー(b)とを、粉末、エマルシ
ョン又は水溶液の状態で、別々に汚泥に添加し、汚泥中
で混合することにより使用することができる。例えば、
アミジン単位を有するカチオン性ポリマー(a)と、ビ
ニルアミン単位又はイソプロペニルアミン単位を有する
カチオン性ポリマー(b)とを、同一の溶解タンクで溶
解して濃度が0.1〜1重量%の溶液を調製し、この溶
液を汚泥に添加することができる。あるいは、いずれか
の一方のカチオン性ポリマーを先に汚泥に添加して汚泥
を凝集させたのち、他方のカチオン性ポリマーを汚泥に
添加してさらに凝集を進めることができる。本発明の汚
泥脱水剤は、他のカチオン性ポリマー、アニオン性ポリ
マー、両性ポリマーなどと併用することができ、これら
を溶解の際に混合し、あるいは各々を別々に汚泥に添加
して凝集、脱水に用いることができる。また、本発明の
汚泥脱水剤は無機凝集剤と併用することができ、さらに
必要に応じて、スルファミン酸などの酸性物質を添加す
ることができる。併用する無機凝集剤には特に制限はな
く、例えば、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化
第二鉄、硫酸第一鉄、ポリ硫酸鉄などを挙げることがで
きる。本発明の汚泥脱水剤により凝集した汚泥の脱水に
用いる脱水機には特に制限はなく、通常の汚泥処理に使
用される機器を使用することができる。このような脱水
機としては、例えば、ベルトプレス脱水機、遠心脱水
機、フィルタープレス脱水機、スクリュープレス脱水
機、真空脱水機などを挙げることができる。本発明の汚
泥脱水剤においては、アミジン単位を有するカチオン性
ポリマーの有する含水率減少効果と、ビニルアミン単位
又はイソプロペニルアミン単位を有するカチオン性ポリ
マーの凝集力の向上効果が相乗的に作用し、汚泥処理に
おいて、ろ過性の良好な強度の大きい凝集フロックが形
成され、ろ過に際して、含水率が低くろ布からの剥離性
の良好なケーキが得られ、安定して汚泥の脱水処理を行
うことができる。
【0010】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 製造例1(アミジン単位を有するカチオン性ポリマー) 撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素導入管をつけた5
00mlフラスコに、N−ビニルホルムアミド35.5g
(0.5モル)、アクリロニトリル26.5g(0.5モ
ル)及び水310gを入れ、雰囲気を窒素で置換した。
撹拌しつつ60℃に昇温し、2,2'−アゾビス(2−ア
ミジノプロパン)二塩酸塩の10%水溶液1.0gを添
加し、60℃を保ったまま5時間重合を続けた。水中に
ポリマーが析出した懸濁液に濃塩酸98.1g(塩化水
素として1.0モル)を加え、加熱して還流しつつ4時
間反応し、ポリマーをアミジン化した。得られたポリマ
ー溶液をアセトン中に添加し、析出したポリマーを真空
乾燥した。このカチオン性ポリマーの、1N塩化ナトリ
ウム水溶液を溶媒として30℃で測定した固有粘度は、
4.0dl/gであった。また、このカチオン性ポリマー
のコロイド当量は、pH=4において7.5であった。こ
のカチオン性ポリマーを、ポリマーAとする。 製造例2(ビニルアミン単位を有するカチオン性ポリマ
ー) 撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素導入管をつけた5
00mlフラスコに、N−ビニルホルムアミド71.0g
(1.0モル)及び水310gを入れ、雰囲気を窒素で
置換した。撹拌しつつ60℃に昇温し、2,2'−アゾビ
ス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩の10%水溶液
1.0gを添加し、60℃を保ったまま5時間重合を続
けた。ポリマー溶液に濃塩酸147g(塩化水素として
1.5モル)を加え、加熱して還流しつつ4時間反応
し、ポリマーを加水分解した。得られたポリマー溶液を
アセトン中に添加し、析出したポリマーを真空乾燥し
た。このカチオン性ポリマーの、1N塩化ナトリウム水
溶液を溶媒として30℃で測定した固有粘度は、5.5d
l/gであった。また、このカチオン性ポリマーのコロ
イド当量は、pH=4において8.6であった。このカチ
オン性ポリマーを、ポリマーBとする。 参考例1(4級アンモニウム塩を有するカチオン性ポリ
マー) 撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素導入管をつけた5
00mlフラスコに、ジメチルアミノエチルメタクリレー
トのメチルクロライド四級化物103.8g(0.5モ
ル)及び水310gを入れ、雰囲気を窒素で置換した。
撹拌しつつ60℃に昇温し、2,2'−アゾビス(2−ア
ミジノプロパン)二塩酸塩の10%水溶液0.8gを添
加し、60℃を保ったまま5時間重合を続けた。得られ
たポリマー溶液をアセトン中に添加し、析出したポリマ
ーを真空乾燥した。このカチオン性ポリマーの、1N塩
化ナトリウム水溶液を溶媒として30℃で測定した固有
粘度は、5.6dl/gであった。また、このカチオン性
ポリマーのコロイド当量は、pH=4において4.8であ
った。このカチオン性ポリマーを、ポリマーCとする。
ポリマーA、B及びCの組成及び物性、並びに実施例及
び比較例に用いたポリマー成分を第1表に示す。
【0011】
【表1】
【0012】実施例1 下水・混合生汚泥を用いて凝集及びろ過試験を行った。
用いた汚泥の性状は、pH5.4、SS1.35重量%、V
SS/SS81.7重量%、繊維分/SS3.8重量%、
電導度1.54mS/cmであった。上記の汚泥200ml
を、300mlポリビーカーに採り、ポリマーA及びポリ
マーBの50/50(重量比)混合物が0.2重量%に
なるよう調製したポリマー溶液を、ポリマーの添加率が
汚泥中のSSに対して0.6重量%になるよう、シリン
ジを用いて汚泥に加え、タービン羽根を備えた撹拌機で
250rpm、30秒撹拌を行った。その時のフロック径
を測定した後、ナイロンろ布を敷いたヌッチェロートに
内径50mmの塩化ビニル樹脂製の円筒を置き、その中へ
凝集した汚泥を注ぎ込み、メスシリンダーを用いて10
秒後のろ液量を測定した。次にろ布上に残った凝集汚泥
をベルトプレス用のポリエステルろ布にとり、1.0kg
/cm2で60秒圧搾した。次にろ布上のケーキをヘラで
かきとり、含水率を測定した。ろ布に付着した汚泥は高
圧水で洗い落とし、固形物量を測定することにより、ろ
布からの剥離性を評価した。結果を第2表に示す。 実施例2〜3及び比較例1〜3 第1表に示す成分のポリマーを用いて、実施例1と全く
同じ操作を繰り返した。結果を第2表に示す。
【0013】
【表2】
【0014】本発明の汚泥脱水剤を使用した実施例1〜
3においては、10秒後のろ液量が多く重力ろ過性が良
好であり、圧搾テストにおいてもケーキの含水率は70
〜73重量%と低く、かつ98重量%以上がろ布から剥
離している。これに対して、アミジン単位を有するカチ
オン性ポリマーのみを用いた比較例1では、ろ過性及び
剥離性が劣り、ビニルアミン単位を有するカチオン性ポ
リマーのみを用いた比較例2では、ケーキの含水率がや
や高く、剥離性も劣る。また、4級アンモニウム塩系カ
チオン性ポリマーを用いた比較例3では、重力ろ過性が
著しく劣り、ケーキ含水率が高く、剥離性も不良であ
る。 実施例4〜6及び比較例4〜6 化学工場・余剰汚泥を用いて凝集及びろ過試験を行っ
た。用いた汚泥の性状は、pH6.7、SS0.70重量
%、VSS/SS83.9重量%、繊維分/SS1.5重
量%、電導度1.99mS/cmであった。なお、試験は
実施例1と全く同じ方法により行った。結果を第3表に
示す。
【0015】
【表3】
【0016】本発明の汚泥脱水剤を使用した実施例4〜
6においては、10秒後のろ液量が多く重力ろ過性が良
好であり、圧搾テストにおいてもケーキの含水率は82
〜83重量%と低く、かつ95重量%がろ布から剥離し
ている。これに対して、アミジン単位を有するカチオン
性ポリマーのみを用いた比較例4では、凝集フロックが
小さく、ろ過性が劣る。ビニルアミン単位を有するカチ
オン性ポリマーのみを用いた比較例5は、含水率が高
く、剥離性に劣っている。また、4級アンモニウム塩系
カチオン性ポリマーを用いた比較例6は、重力ろ過性が
著しく劣り、含水率が高く、剥離性も極端に不良であ
る。
【0017】
【発明の効果】本発明の汚泥脱水剤を使用すると、凝集
力が高く汚泥の処理量が上がり、含水率の低い脱水ケー
キを得ることができ、さらに、ろ布からのケーキ剥離性
がよいので圧搾圧力を高くすることができ、その結果か
らもケーキ含水率を下げることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−ビニルカルボン酸アミド若しくはN−
    イソプロペニルカルボン酸アミドと(メタ)アクリロニ
    トリルとのコポリマー又はN−ビニルカルボン酸アミド
    若しくはN−イソプロペニルカルボン酸アミドと(メ
    タ)アクリロニトリルを必須成分とするコポリマーを加
    水分解及びアミジン化することによって得られるアミジ
    ン単位を有するカチオン性ポリマー(a)と、N−ビニ
    ルカルボン酸アミド若しくはN−イソプロペニルカルボ
    ン酸アミドのホモポリマー又はN−ビニルカルボン酸ア
    ミド若しくはN−イソプロペニルカルボン酸アミドを必
    須成分とするコポリマーを加水分解することによって得
    られるビニルアミン単位又はイソプロペニルアミン単位
    を有するカチオン性ポリマー(b)とを、(a):
    (b)=10:90〜90:10(重量比)の比率で含
    有することを特徴とする汚泥脱水剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011031225A (ja) * 2009-08-05 2011-02-17 Daiyanitorikkusu Kk 汚泥脱水剤及び脱水方法
JP2013212501A (ja) * 2012-03-07 2013-10-17 Mitsubishi Rayon Co Ltd 汚泥脱水剤および汚泥の処理方法
JP2014179179A (ja) * 2013-03-13 2014-09-25 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 硫黄変性ニトリル基含有共重合体樹脂及びその用途
JP2017104791A (ja) * 2015-12-08 2017-06-15 栗田工業株式会社 汚泥脱水剤及び汚泥脱水方法

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