JP3313340B2 - マット感を有する成形同時加飾品とその製造方法、マット感を有する加飾用フィルム - Google Patents

マット感を有する成形同時加飾品とその製造方法、マット感を有する加飾用フィルム

Info

Publication number
JP3313340B2
JP3313340B2 JP20981199A JP20981199A JP3313340B2 JP 3313340 B2 JP3313340 B2 JP 3313340B2 JP 20981199 A JP20981199 A JP 20981199A JP 20981199 A JP20981199 A JP 20981199A JP 3313340 B2 JP3313340 B2 JP 3313340B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
light transmittance
film
total light
matte feeling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP20981199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001030405A (ja
Inventor
憲太郎 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissha Printing Co Ltd
Original Assignee
Nissha Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissha Printing Co Ltd filed Critical Nissha Printing Co Ltd
Priority to JP20981199A priority Critical patent/JP3313340B2/ja
Publication of JP2001030405A publication Critical patent/JP2001030405A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3313340B2 publication Critical patent/JP3313340B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、樹脂成形品の表
面に加飾用フィルムを一体化接着したマット感を有する
成形同時加飾品とその製造方法、およびこれに用いるマ
ット感を有する加飾用フィルムに関するものである。こ
の発明により得られるマット感を有する成形同時加飾品
としては、家電製品(ビデオ、オーディオ製品等)のイ
ンジケータパネル、車のメータパネル、カメラの意匠パ
ネル等を挙げることができる。
【0002】
【従来の技術】以前から、成形同時加飾品の表面にマッ
ト感(艶消し感)を現出するようにするために、樹脂成
形品の表面にマット感を有する加飾用フィルムを一体化
接着したものが知られている。従来、マット感を有する
加飾用フィルムを得るには次のようにしていた。 (1)透明基体フィルムの成膜時において、溶融または
溶解させた樹脂をフィルム状に引き伸ばし固化させる前
に、微細な凹凸を持ったエンボスロールで表面をプレス
し、透明基体フィルムの表面にエンボスロールの凹凸を
写しとっていた。 (2)透明基体フィルムの表面に、樹脂バインダーにマ
ット材を分散したインキをグラビア印刷等の方法でコー
ティング(膜厚1μm〜5μm程度)していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】(1)では、エンボス
ロール表面をプレスするので、プレス圧の加減や、フィ
ルム表面の温度によって、透明基体フィルムに形成され
る凹凸の深さや大きさが変化してしまい、マット感が変
化してしまいやすかった。また、凹凸がフィルムの表皮
部分にのみ形成されるので、フィルムに入射した光線は
フィルムの表皮部分に至るまで拡散されずに直進し、フ
ィルムの表皮に到達して初めて拡散するため、ヘイズ値
の高いマット感が現出されたフィルムは得にくかった。
【0004】(2)では、得られるマット層の膜厚が1
μm〜5μm程度のものであるため、マット感を高める
ことができなかった。マット感を高めようとして、マッ
ト層の膜厚より大きな粒径のマット材(例えば40μm
〜140μm)を使用すると、次のような問題があっ
た。すなわち、1)マット材がマット層から飛び出して
しまい、マット層を持ち上げることとなる結果、マット
層が透明基体フィルムから剥離する可能性があった。
2)マット層から飛び出したマット材が印刷時にドクタ
ーにひっかかりやすかった。3)体積も重量も大きいた
めインキ中で分散しにくく、マット感にムラが生じる恐
れがあった。また、マット感を高めようとしてマット材
の量を多くすると、透明基体フィルムとの接着機能を果
たすべきインキ中の樹脂バインダーの割合が少なくなる
ため、透明基体フィルムの表面にマット層が付着しにく
くなった。また、マット層がコーティングにより形成さ
れているため、マット層に硬いものが当たった場合、マ
ット層が剥離や断裂しやすくなり、マット感が変化する
恐れがあった。また、前記成形時の加熱や冷却に伴うマ
ット層の伸縮応力によって透明基体フィルムからマット
層が剥離してしまうこともあった。
【0005】この発明の目的は、マット感が変化しにく
く、加熱軟化されてもマット感が弱まらず、マット材の
飛出しやマット層の剥離もなく、全光線透過率が高いに
もかかわらずヘイズ値の高いマット感を有する成形同時
加飾品とその製造方法、マット感を有する加飾用フィル
ムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明のマット感を有する成形同時加飾品とそ
の製造方法、マット感を有する加飾用フィルムは、次の
ように構成した。つまり、この発明のマット感を有する
成形同時加飾品は、総重量に対し3〜20%のマット材
を含む全光線透過率60%〜98%、ヘイズ値65%〜
95%の基体フィルムの裏面に少なくとも絵柄層を有
し、基体フィルムと絵柄層との積層部分に光線を透過さ
せた場合において全光線透過率60〜95%の絵柄部分
と全光線透過率5%〜0%の絵柄部分とを併存して持つ
加飾用フィルムが、樹脂成形品に一体化接着されてお
り、背面から照明して用いるものであることを特徴とす
る。上記この発明のマット感を有する成形同時加飾品で
は、基体フィルムの厚みが25μm〜250μmであっ
てもよい。この発明のマット感を有する成形同時加飾品
の製造方法は、総重量に対し3〜20%のマット材を含
む全光線透過率60%〜98%、ヘイズ値65%〜95
%の基体フィルムの裏面に少なくとも絵柄層を有し、
体フィルムと絵柄層との積層部分に光線を透過させた場
合において全光線透過率60〜95%の絵柄部分と全光
線透過率5%〜0%の絵柄部分とを併存して持つ加飾用
フィルムを、予備成形した後、金型内で溶融された成形
用樹脂と一体化させ、成形用樹脂の冷却固化後に成形同
時加飾品を取り出すことによって背面から照明して用い
る成形同時加飾品を得ることを特徴とする。上記この発
明のマット感を有する成形同時加飾品の製造方法では、
成形用樹脂が全光線透過率60%〜99.9%の透明ま
たは半透明性樹脂であってもよい。この発明のマット感
を有する加飾用フィルムは、総重量に対し3〜20%の
マット材を含む全光線透過率60%〜98%、ヘイズ値
65%〜95%の基体フィルムの裏面に少なくとも絵柄
層を有し、基体フィルムと絵柄層との積層部分に光線を
透過させた場合において全光線透過率60〜95%の絵
柄部分と全光線透過率5%〜0%の絵柄部分とを併存し
て持つことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発
明を詳しく説明する。この発明のマット感を有する加飾
用フィルムを先に説明する。
【0008】加飾用フィルム5の基本的層構成として
は、例えば、基体フィルム1上に絵柄層2、接着層3が
形成されたものがある(図1参照)。基体フィルム1の
透明性を表すには、明るさの尺度としての全光線透過率
と、鮮明さの尺度としてのヘイズ値がある。全光線透過
率は、積分球式光線透過率測定装置(JISK6717
−1958)を使用し、可視光線および紫外線の入射光
量(T1)と、試験片を透過した全光量(T2)との比
(Tt=T2/T1)を百分率で表す。ヘイズ値は、光
が材料中を透過するとき、材料の種類によって反射や吸
収のほか、その材料の固有の性質によって光が散乱さ
れ、不明瞭な曇り状外観を示すものがあるが、この現象
において、材料中に入射した光線が拡散する度合いを数
値化したもの(曇り値)である。霞度(かすみど)とも
いう。この値は、散乱光線透過率(Td)、全光線透過
率(Tt)との比(Td/Tt)を百分率で表す。曇り
値の測定には前記全光線透過率と同じような方法が用い
られる。この発明における基体フィルム1の全光線透過
率としては、60%〜98%のものを用いる。その理由
は、60%より小さいと背面の絵柄層2が見づらくな
り、98%より大きいとマット感を認識しにくくなるか
らである。また、この発明における基体フィルム1のヘ
イズ値としては、65%〜95%のものを用いる。その
理由は、65%より小さいとマット感を認識しにくくな
り、95%より大きいと背面の絵柄層2が見づらくなる
からである。
【0009】基体フィルム1の厚みは、25μm〜25
0μmが好ましい。その理由は、次の通りである。25
μmより薄いと、後述する絵柄層2を印刷する際にかけ
られるテンションまたは後述する予備成形する際にかけ
られるテンションに基体フィルム1の強度が耐えられ
ず、基体フィルム1が破断してしまいやすくなるからで
ある。一方、250μmより厚いと、後述する絵柄層2
を印刷する際に、基体フィルム1を巻き取るロールの径
が巨大になって印刷機に設置できないといった問題が起
ったり、巻き取れる長さが短くなって生産効率が阻害さ
れるといった問題が起こりやすくなるからである。ま
た、後述する加飾用フィルム5を三次元形状に予備成形
する際に、変形しにくくなるという問題もある。
【0010】基体フィルム1の樹脂成分としては、ポリ
エチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹
脂、ポリエチレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ
フッ化ビニル樹脂、ポリテトラクロロエチレン樹脂、ポ
リフッ化ビニリデン樹脂等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビ
ニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体、熱可塑性エラストマー樹脂、ポリアク
リレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポ
リビニルアルコール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレ
ート樹脂、ポリエーテルケトン等の樹脂からなり透明又
は半透明の樹脂を挙げることができる。基体フィルム
は、着色透明顔料や染料を含ませて着色透明としてもよ
い。基体フィルム1は、一層からなっていてもよいし、
積層したものでもよい。
【0011】マット材4は、前記基体フィルム1にマッ
ト感を現出するためのものであり、微粒子で構成され
る。マット材4の粒径としては、0.05μm〜150
μmのものが好ましい。その理由は、0.05μmより
小さいとヘイズ値が高すぎるものが得られやすくなり、
一方、150μmより大きいとマット材4がインキ中を
分散しにくくなりやすくなるからである。より好ましい
範囲は、0.1μm〜50μmである。
【0012】マット材4の材質としては、無機化合物、
有機化合物がある。無機化合物としては、シリカ等の酸
化物、水酸化アルミニウム等の水酸化物、タルク、ケイ
酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等のケイ酸塩、炭酸
マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩、沈降性硫酸
バリウム等の硫酸塩、リン酸カルシウム等のリン酸塩、
炭素、その他、白色ドロマイド、カオリナイト等があ
る。有機化合物としては、アクリル系樹脂、アクリルウ
レタン系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ナ
イロン系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、ベンゾ
グアナミン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂等の微
細粒子等がある。好ましくは、体質顔料のように粒子の
みでは白色の外観を呈し、樹脂成分中に含ませたときに
透明または半透明になるものがある。また、前記無機化
合物や有機化合物の微粒子を、ポリウレタン樹脂、アク
リル樹脂、ナイロン樹脂等で被覆したものでもよい。
【0013】マット材4の形状は、粒状、球状、針状、
立方体、紡鐘形状、柱状、不定形状等がある。特に、球
状のマット材4は、基体フィルム1の樹脂成分中に均一
に分散することができるので最も好ましい。その理由
は、マット材4どうしの接触面積が少ないため、2次凝
集しにくく、インキ中に均一に分散させやすいからであ
る。また、球状のマット材4は、絵柄層2の色により深
みを持たせることができるからである。球状のマット材
4は、濡れ色(俗に、ベルベットタッチともいう。)を
最も効果的に現出できるからである。
【0014】マット材4を樹脂成分に含ませる割合とし
ては、基体フィルム1の総重量に対し3〜20%(重量
%)である。その理由は、全光線透過率60%〜98
%、ヘイズ値65%〜95%の基体フィルム1が得られ
るからである。すなわち、基体フィルム1に入射した光
線は、基体フィルム1の内部を透過する際、マット材4
に全く(あるいはほとんど)衝突せずに基材フィルム1
の背面にまで透過してしまう光線と、マット材4に衝突
して拡散されてしまう光線とに別れるが、前記重量%の
数値にすると、マット材4に全く(あるいはほとんど)
衝突せずに基材フィルムの背面にまで透過してしまう光
線と、マット材4に衝突して拡散されてしまう光線との
比率のバランスがとれ、前記所定の全光線透過率とヘイ
ズ値が得られるからである。なお、ヘイズ値が65%〜
95%となるのは、基体フィルム1に入射した直後に拡
散される光線や基体フィルム1の中間辺りで拡散される
光線、あるいは基体フィルム1の透過完了寸前で拡散す
る光線等が存在することにより、基体フィルム1の内部
の手前側から背面側に至るまでの様々の個所で光線が拡
散されるためと考えられる。また、3%より小さくなる
とマット感が不足し、一方、20%より大きくなるとマ
ット材4の粒子の2次凝縮が起こりやすくインキ中を分
散しにくくなり、パターン全面が均一にマット感を得に
くくなりやすくなることもあるからである。なお、基体
フィルム1を透明着色とするために含ませる着色透明顔
料や絵柄層2に用いる着色透明顔料が、基体フィルム1
の全光線透過率又はヘイズ値の数値に影響を与える場合
は、マット材4と着色透明顔料との合計重量が、基体フ
ィルム1の総重量に対し3〜20%(重量%)となるよ
うにするとよい。なお、加飾用フィルム5が樹脂成形品
13に一体化接着させられる前に加熱軟化して三次元形
状に成形される場合、前記従来技術(1)で得た加飾用
フィルムでは、成形に伴う冷却の際においてマット感が
弱くなることはあったが、この発明に係る加飾用フィル
ム5では、このような問題も生じない。また、熱のかか
り方に偏りがある場合、前記従来技術(1)で得た加飾
用フィルムでは、一つの加飾用フィルム表面中にマット
感の異なる領域が生じることがあったが、この発明に係
る加飾用フィルム5ではこのような問題点も生じず、全
体として均一なマット感が得られる。
【0015】マット材4の色は、基体フィルム1の樹脂
成分中に含ませる前の状態では白色で、樹脂成分中に含
ませた場合は半透明に変色するものがある。
【0016】基体フィルム1の作成方法の一例は、次の
通りである。基体フィルム1とマット材4とを、例え
ば、重量比100:5〜100:15の割合となるよう
に混合し、これを、Tダイ押出し法やカレンダー法、エ
クストルージョン法等で作成すればよい。なお、このフ
ィルムの作成工程中に延伸工程を含んでいてもよい。
【0017】絵柄層2は、文字、数字、図形、記号、模
様等を表現する層である。絵柄層2は、樹脂バインダ
ー、着色剤としての顔料または染料、および添加剤等を
含むインキを用いて形成される。絵柄層2に透明性を付
与するには、透明樹脂バインダーと着色透明顔料や透明
染料等からなる透明インキを用いればよい。絵柄層2に
隠蔽性を付与するには、樹脂バインダーと隠蔽性のある
金属顔料や無機顔料等からなる遮光性インキを用いれば
よい。絵柄層2に金属感を付与するためには、金属、金
属酸化物、金属フッ化物、金属ハロゲン化物、金属窒化
物、金属硫化物等の金属材料を用いて、真空蒸着やスパ
ッタリング、イオンプレーティング等によって形成する
とよい。
【0018】この発明の加飾用フィルム5は、基体フィ
ルムと絵柄層との積層部分に光線を透過させた場合にお
いて全光線透過率60〜95%の絵柄部分と全光線透過
率5%〜0%の絵柄部分とを併存して持つものである
(図5参照)。なお、この場合の全光線透過率は、基体
フィルム1単独の測定値ではなく、基体フィルム1と絵
柄層2との積層部分の測定値である。その理由は、次の
とおりである。この発明の加飾品をインジケータパネル
として用い、LED、豆電球等の光源10によって背面
から照明するとき、基体フィルムと絵柄層との積層部分
に光線を透過させた場合において全光線透過率60〜9
5%の絵柄部分11は光線が透過し、一方、基体フィル
ムと絵柄層との積層部分に光線を透過させた場合におい
全光線透過率5〜0%の絵柄部分12は光線が透過し
ない結果、全光線透過率60〜95%の絵柄部分によっ
て形成されたインジケータの文字等のパターンのみが輝
いて認識しやすくなる。しかも、そのパターンは、マッ
ト感を有しているためにLEDや豆電球の輪郭が認識さ
れることなく、全面が均一に輝いているように見える。
【0019】接着層3は、後述する成形用樹脂を金型内
に充填した後冷却固化した樹脂成形品13の表面に上記
の各層を接着する層である。成形用樹脂としてポリアク
リル系樹脂を用いる場合は、接着層3としてポリアクリ
ル系樹脂を用いるとよい。また、成形用樹脂が、ポリフ
ェニレンオキシド樹脂・ポリスチレン系樹脂、ポリカー
ボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレ
ン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあ
るポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂等を使用すればよい。接着層3の形成方法とし
ては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコー
ト法等のコーティングや、グラビア印刷、スクリーン印
刷法等の印刷がある。接着層3の乾燥膜厚は、1μm〜
5μmとするのが一般的である。
【0020】この発明の成形同時加飾品の製造方法は、
前記した加飾用フィルム5を、予備成形した後、金型内
で溶融された成形用樹脂と一体化し、樹脂の冷却固化後
に取り出すことを特徴とするものである。
【0021】この発明の成形同時加飾品の製造方法の具
体例を以下に示す。まず、前記加飾用フィルム5を予備
成形する。予備成形としては、加熱を伴う真空成形法・
圧空成形法およびこれらを併用する真空・圧空成形法、
熱せられたゴムを押しつける押圧成形法、プレス成形法
等がある。予備成形された加飾用フィルム5の余分な部
分を切除する方法としては、トムソン打抜き法、金型に
よるプレス法等がある。
【0022】次に、前記加飾用フィルム5を金型内に位
置合わせして配置する。例えば、三次元形状に成形され
た加飾用フィルム5の外面が密着して沿うキャビティ型
6と、樹脂充填口7を有するコア型8とからなる金型を
用いるとよい。
【0023】次に、キャビティ型6とコア型8とを型締
めして、成形用樹脂9が充填されるキャビティを形成
し、樹脂充填口7からキャビティ内に成形用樹脂9を充
填することによって(図3参照)、樹脂成形品13と加
飾用フィルム5を接着一体化させ、樹脂成形品13の冷
却固化後に取り出すことによって背面から照明して用い
る成形同時加飾品を得る(図4参照)。成形用樹脂9と
しては、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等を用い
ることができる。成形用樹脂9は、全光線透過率60%
〜99.9%までの透明または半透明性樹脂を用いるの
が好ましい。その理由は、この発明の加飾品を例えば、
インジケータパネルとして用いた場合において、LE
D、豆電球等の光源によって背面から照明するときに、
樹脂成形品13中を光線を確実に透過させるためであ
る。
【0024】
【実施例】ポリカーボネート樹脂が60%でポリエステ
ル樹脂が40%のアロイ樹脂と粒径5μmの粒状シリカ
(総重量に対して10%)とをコンパウンドした。これ
をTダイ法で押し出し130μmのフィルムとした。こ
のフィルムを、積分球式光線透過率測定装置(JISK
6717−1958)を使用して測定すると、全光線透
過率が80%、ヘイズ値が89%であった。このフィル
ムを基体フィルムとして、その上に自動車用メーターパ
ネルのインジケータの目盛り等のパターンを構成する絵
柄層として隠蔽層(カーボンブラック含有層)と着色透
明層(青色透明染料含有層)とを印刷した。絵柄層と基
体フィルムとの積層部分のうち、隠蔽層が積層された絵
柄部分の全光線透過率は0%であり、隠蔽層に囲まれた
領域に着色透明層が露出した透明窓となった絵柄部分の
全光線透過率は80%であった。絵柄層の上にポリエス
テル樹脂からなる接着層を印刷した。以上のようにし
て、加飾用フィルムを得た。この加飾用フィルムを、3
00℃のヒーターで30秒間加熱して、加飾用フィルム
の表面温度を180℃にして軟化状態にした後、真空・
圧空成形して予備成形して絵柄層の前記パターンの部分
を立体形状とし、余分な部分を切除し、基体フィルム側
が樹脂充填可能な金型面に接するように金型内にセット
した。金型内に充填される成形用樹脂として全光線透過
率98%のポリカーボネート樹脂を用いて射出成形し
て、成形用樹脂と加飾用フィルムとを接着一体化させ、
成形用樹脂の冷却固化後に取り出し、自動車のメーター
パネルを得た。以上のようにして得られたマット感を有
する成形同時加飾品は、前記パターンの部分は、予備成
形時にもマット感の変化(全光線透過率、ヘイズ値の変
化)はなかった。
【0025】
【発明の効果】この発明のマット感を有する成形同時加
飾品とその製造方法、マット感を有する加飾用フィルム
は、マット感を現出するための層として、基体フィルム
の総重量に対し3〜20%のマット材を含ませた全光線
透過率60%〜98%、ヘイズ値65%〜95%の基体
フィルムを用いる。さらに、この発明で用いる加飾フィ
ルムは、基体フィルムと絵柄層との積層部分に光線を透
過させた場合において全光線透過率60〜95%の絵柄
部分と全光線透過率5%〜0%の絵柄部分とを併存して
持つものであり、この加飾フィルムを用いて得られるマ
ット感を有する成形同時加飾品は、背面から照明して用
いるものである。したがって、次のような効果を奏す
る。 (1)背面の絵柄層が見やすく、かつ、マット感を認識
できるように、基体フィルムの樹脂成分中にマット材を
含ませているので、マット感が変化してしまうことはな
い。また、マット材がフィルムの内部にまで分散される
ので、基体フィルムの内部の手前側から背面側に至るま
での様々の個所で光線が拡散されるため、全光線透過率
が高いにもかかわらずヘイズ値の高いマット感が現出可
能なフィルムを得ることができる。
【0026】(2)マット感を現出するのは基体フィル
ムの内部であるため、得られるマット層の膜厚を分厚く
することが容易であり、マット感を高めることを容易に
行うことができる。また、マット層が剥離してしまうと
いうことがあり得なくなる。 (3)この発明のマット感を有する成形同時加飾品は、
基体フィルムと絵柄層との積層部分に光線を透過させた
場合において全光線透過率60〜95%の絵柄部分と全
光線透過率5%〜0%の絵柄部分とを併存して持つ加飾
用フィルムが、樹脂成形品に一体化接着されており、背
面から照明して用いるものであるため、背面から照明す
るとき、基体フィルムと絵柄層との積層部分に光線を透
過させた場合において全光線透過率60〜95%の絵柄
部分は光線が透過し、一方、基体フィルムと絵柄層との
積層部分に光線を透過させた場合において全光線透過率
5〜0%の絵柄部分は光線が透過しない結果、基体フィ
ルムと絵柄層との積層部分に光線を透過させた場合にお
いて全光線透過率60〜95%の絵柄部分によって形成
されたパターンのみが輝いて認識しやすくなる。しか
も、そのパターンは、マット感を有しているために背面
のLEDや豆電球の輪郭が認識されることなく、全面が
均一に輝いているように見える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の加飾用フィルムの一例を示す断面
図である。
【図2】 この発明の成形同時加飾品の一例を示す断面
図である。
【図3】 この発明の成形同時加飾品の製造方法の一工
程の一例を示す断面図である。
【図4】 この発明の成形同時加飾品の製造方法の一工
程の一例を示す断面図である。
【図5】 この発明の成形同時加飾品の一例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 基体フィルム 2 絵柄層 3 接着層 4 マット材 5 加飾用フィルム 6 キャビティ型 7 樹脂充填口 8 コア型 9 成形用樹脂 10 光源 11 全光線透過率60〜95%の絵柄部分 12 全光線透過率5〜0%の絵柄部分 13 樹脂成形品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B29C 45/00 - 45/84

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 総重量に対し3〜20%のマット材を含
    む全光線透過率60%〜98%、ヘイズ値65%〜95
    %の基体フィルムの裏面に少なくとも絵柄層を有し、
    体フィルムと絵柄層との積層部分に光線を透過させた場
    合において全光線透過率60〜95%の絵柄部分と全光
    線透過率5%〜0%の絵柄部分とを併存して持つ加飾用
    フィルムが、樹脂成形品に一体化接着されており、背面
    から照明して用いるものであることを特徴とするマット
    感を有する成形同時加飾品。
  2. 【請求項2】 基体フィルムの厚みが25μm〜250
    μmである請求項1に記載のマット感を有する成形同時
    加飾品。
  3. 【請求項3】 総重量に対し3〜20%のマット材を含
    む全光線透過率60%〜98%、ヘイズ値65%〜95
    %の基体フィルムの裏面に少なくとも絵柄層を有し、
    体フィルムと絵柄層との積層部分に光線を透過させた場
    合において全光線透過率60〜95%の絵柄部分と全光
    線透過率5%〜0%の絵柄部分とを併存して持つ加飾用
    フィルムを、予備成形した後、金型内で溶融された成形
    用樹脂と一体化させ、成形用樹脂の冷却固化後に成形同
    時加飾品を取り出すことによって背面から照明して用い
    る成形同時加飾品を得ることを特徴とするマット感を有
    する成形同時加飾品の製造方法。
  4. 【請求項4】 成形用樹脂が全光線透過率60%〜9
    9.9%の透明または半透明性樹脂である請求項3に記
    載のマット感を有する成形同時加飾品の製造方法。
  5. 【請求項5】 総重量に対し3〜20%のマット材を含
    む全光線透過率60%〜98%、ヘイズ値65%〜95
    %の基体フィルムの裏面に少なくとも絵柄層を有し、
    体フィルムと絵柄層との積層部分に光線を透過させた場
    合において全光線透過率60〜95%の絵柄部分と全光
    線透過率5%〜0%の絵柄部分とを併存して持つことを
    特徴とするマット感を有する加飾用フィルム。
JP20981199A 1999-07-23 1999-07-23 マット感を有する成形同時加飾品とその製造方法、マット感を有する加飾用フィルム Expired - Lifetime JP3313340B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20981199A JP3313340B2 (ja) 1999-07-23 1999-07-23 マット感を有する成形同時加飾品とその製造方法、マット感を有する加飾用フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20981199A JP3313340B2 (ja) 1999-07-23 1999-07-23 マット感を有する成形同時加飾品とその製造方法、マット感を有する加飾用フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001030405A JP2001030405A (ja) 2001-02-06
JP3313340B2 true JP3313340B2 (ja) 2002-08-12

Family

ID=16579007

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20981199A Expired - Lifetime JP3313340B2 (ja) 1999-07-23 1999-07-23 マット感を有する成形同時加飾品とその製造方法、マット感を有する加飾用フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3313340B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015066792A (ja) * 2013-09-27 2015-04-13 大日本印刷株式会社 加飾シート及び加飾樹脂成形品
JP2017189983A (ja) * 2017-07-20 2017-10-19 大日本印刷株式会社 加飾シート及び加飾樹脂成形品

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4601847B2 (ja) * 2001-03-27 2010-12-22 大日本印刷株式会社 加飾シート及びその製造方法
JP4693317B2 (ja) * 2001-09-28 2011-06-01 日本写真印刷株式会社 凹凸転写シート、透明窓部を有する凹凸シートとその製造方法および凹凸面を有する加飾成形品の製造方法
DE102005006635A1 (de) 2005-01-31 2006-08-10 Osram Opto Semiconductors Gmbh Optisches Element und Verfahren zu dessen Herstellung
DE102007021390A1 (de) 2007-05-04 2008-11-06 Weber-Hydraulik Gmbh Mechanik-Bauteil sowie dessen Herstellungsverfahren

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61209154A (ja) * 1985-03-14 1986-09-17 帝人株式会社 防眩性フイルム
JPS61209152A (ja) * 1985-03-14 1986-09-17 帝人株式会社 防眩性フイルム
JPH0763987B2 (ja) * 1990-11-27 1995-07-12 日本写真印刷株式会社 メーターパネルとその製造方法
JPH05181425A (ja) * 1991-12-27 1993-07-23 Takiron Co Ltd 照明器具などの投光用カバー材
JP3457409B2 (ja) * 1994-12-28 2003-10-20 日本写真印刷株式会社 成形同時絵付け品の製造方法および成形同時絵付け用絵柄フィルム
JPH09267462A (ja) * 1996-03-29 1997-10-14 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート
JPH10237261A (ja) * 1997-02-27 1998-09-08 Mitsubishi Rayon Co Ltd 艶消しアクリルフィルムおよびアクリルフィルムを積層した艶消し成形品

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015066792A (ja) * 2013-09-27 2015-04-13 大日本印刷株式会社 加飾シート及び加飾樹脂成形品
JP2017189983A (ja) * 2017-07-20 2017-10-19 大日本印刷株式会社 加飾シート及び加飾樹脂成形品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001030405A (ja) 2001-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100894445B1 (ko) 장식 성형품과 그 제조방법
US9168722B2 (en) Low glossiness-metallic luster decorative sheet, and laminated body laminating same
CN1356205A (zh) 装饰性注射模制产品及其生产方法
EP2008810B1 (en) Molded resin article and method of surface treatment therefor
JPH0997026A (ja) 表示パネルとその製造方法
JP3313340B2 (ja) マット感を有する成形同時加飾品とその製造方法、マット感を有する加飾用フィルム
JPH06134805A (ja) 二色成形品とその製造方法
JP3340104B2 (ja) マット感を有する成形同時加飾品とその製造方法
JP3333677B2 (ja) インサートフィルムとこれを用いたインサート成形品の製造方法
JPS60264214A (ja) 凹凸表面を有する成形品の製造方法
JPH1191041A (ja) 絵付インサートフィルムおよび絵付インサート成形品の製造方法
JP3897266B2 (ja) カ−ボンクロス調シ−ト及びその製造方法
JP3003034B1 (ja) 絵付シート
JPH09123584A (ja) 木目柄化粧シートおよびこれを用いた木目柄付き成形品の製造方法
US11280951B2 (en) Vehicle panel for emitting stereoscopic pattern
JP4676607B2 (ja) 射出成形同時絵付方法
JPH06106572A (ja) 二色成形品とその製造方法
JP4116686B2 (ja) 透明部付メンブレンスイッチの製造方法
JP2003071956A (ja) 皮革触感を有する照光性部品用加飾シートおよび皮革触感を有する照光性部品の製造方法
JP4478541B2 (ja) 裏面側から照光可能な成形同時加飾成形品の製造方法
JPH0755520B2 (ja) 側面照明式表示パネルの製造方法
JP3610128B2 (ja) 電照表示板の製造方法と電照表示用転写材および電照表示用インサート材
JP7259244B2 (ja) 積層体及び加飾物品
JPS62919Y2 (ja)
JP2501238B2 (ja) 意匠性シ―トの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020515

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3313340

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090531

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100531

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110531

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110531

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110531

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120531

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120531

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130531

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130531

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term