JP3284558B2 - 熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シート及びその製造方法 - Google Patents
熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シート及びその製造方法Info
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Description
系樹脂から成るシートに関する。さらに詳しくは、光学
材料として好ましい性質を有し、複屈折が小さく、光学
特性の劣化の少ない熱可塑性ノルボルネン系樹脂のシー
ト及びその製造方法に関する。
ボネート、ポリメチルメタクリレートなどが知られてい
るが、ポリカーボネートは複屈折が大きく、また、ポリ
メチルメタクリレートは吸水性が大きく、耐熱性も不十
分であるという欠点があった。
明性、耐熱性、耐湿性、耐薬品性等に優れていることか
ら、種々の用途に用いることができ、さらに複屈折が小
さいことから特に光ディスク基板などの光学用プラスチ
ック成形材料として有用であることが知られている。
製造方法は、射出成形法、押し出し成形法、溶液流延法
が知られている。しかし、射出成形法、熱プレス法、押
し出し成形法で作られた熱可塑性飽和ノルボルネン系樹
脂のシートは複屈折が大きく、1.2mm以上の厚さの
板では複屈折の絶対値を20nm以下にすることができ
たが、厚さ1mm以下のシートでは、精密射出成形でも
複屈折の絶対値の最大値を20nm以下にすることはで
きなかった。また、これらのシートは表面粗さが大きい
という欠点があった。
ン系樹脂のシートの製造方法も知られている(特開昭6
1−281404号、特開昭62−29191号、特開
昭62−181365号、特開昭62−206704号
など)が、記載されている方法で本発明者らがシートを
作製したところ、充分に乾燥できず、溶媒が少なくても
数重量%以上、多い場合には10重量%以上の濃度で残
留した。また、高温で乾燥するとシート表面が発泡する
などの問題も生じた。
は、溶媒が多量に残留すると光学材料用樹脂としての好
ましい性質のひとつである耐熱性が低下してしまう。ま
た、そのような樹脂を用いて成形した情報記録用光学素
子を長時間使用すると、金属膜との接着性が悪くフクレ
が発生する等、溶媒が周囲に悪影響を与えることがあっ
た。
材料として好ましい性質を有し、複屈折が小さく、光学
特性の劣化の少ない熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂の
シート及びその製造方法を提供することにある。
ば、ガラス転移温度が110℃以上残留溶媒濃度が0.
5重量%以下の熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂から成
り、複屈折が20nm以下、及び熱可塑性飽和ノルボル
ネン系樹脂を10重量%以上の濃度で溶解できる沸点1
00℃以上の溶剤を主成分とする溶媒に熱可塑性飽和ホ
ルボルネン系樹脂を溶解し、流延し、最高温度100℃
以下で残留溶媒濃度が10重量%以下になるまで乾燥
し、さらに110℃以上で残留溶媒濃度が0.5重量%
以下に乾燥させる該シートの製造方法が提供される。
明で使用する熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂の具体例
としては、ノルボルネン系モノマーの開環重合体を必要
に応じてマレイン酸付加、シクロペンタジエン付加のご
ときポリマー変性を行った後に水素添加した樹脂、ノル
ボルネン系モノマーを付加型重合させた樹脂、ノルボル
ネン系モノマーとα−オレフィンを付加型共重合させた
樹脂などが挙げられる。重合、及び水素添加の方法は特
に限定されず、常法に従って行えばよい。
ノルボルネン、およびそのアルキルおよび/またはアル
キリデン置換体、例えば、5−メチル−2−ノルボルネ
ン、5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2
−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−
エチリデン−2−ノルボルネン等、これらのハロゲン等
の極性基置換体;ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒ
ドロジシクロペンタジエン等;ジメタノオクタヒドロナ
フタレン、そのアルキルおよび/またはアルキリデン置
換体、およびハロゲン等の極性基置換体、例えば、6−
メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナルタレン、6−
エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−
エチリデン−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
6−クロロ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
6−シアノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
6−ピリジル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
6−メトキシカルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−
1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン等;シクロペンタジエンの3〜4量体、例え
ば、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,
8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾイン
デン、4,11:5,10:6,9−トリメタノ−3
a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10
a,11,11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタ
アントラセン;等が挙げられる。
ノマーを公知の方法で開環重合させる場合には、本発明
の効果を実質的に妨げない範囲において開環重合可能な
他のシクロオレフィン類を併用することができる。この
ようなシクロオレフィンの具体例としては、例えば、シ
クロペンテン、シクロオクテン、5,6−ジヒドロジシ
クロペンタジエンなどのごとき反応性の二重結合を1個
有する化合物が例示される。
ン系樹脂の数平均分子量は、特に限定されないが、実用
上1万〜20万、好ましくは2万〜15万、より好まし
くは2万5千〜12万である。数平均分子量が小さすぎ
ると機械的強度が劣り、大きいすぎると複屈折が劣り、
また流延の操作性が悪くなる。
体を水素添加する場合、水素添加率は耐熱劣化性、耐光
劣化性などの観点から、90%以上、好ましくは95%
以上、より好ましくは、99%以上とする。
ルボルネン系樹脂には、所望により、他の樹脂や、帯電
防止剤、老化防止剤、染料などの添加物を配合すること
ができる。また、表面粗さを小さくするため、レベリン
グ剤の添加が好ましい。レベリング剤は、例えば、フッ
素系ノニオン界面活性剤、特殊アクリル樹脂系レベリン
グ剤、シリコーン系レベリング剤など塗料用レベリング
剤を用いることができ、それらの中でも溶媒との相溶性
の良いものが好ましく、添加量は、通常は5〜50,0
00ppm、好ましくは10〜20,000ppmであ
る。
を流延するには、溶媒に溶解する必要がある。使用する
溶媒は沸点が100℃以上、好ましくは120℃以上の
ものであり、好ましくは25℃において固形分濃度10
重量%であっても樹脂を均一に溶解できるものである。
沸点が低いものはシートの乾燥中に表面からの溶媒の揮
発が速すぎるため乾燥ムラとして数分の1mmから数m
m程度の幅で高さ数〜数百μmの波ができ、表面が粗く
なるという問題がある。さらに、乾燥効率の観点から沸
点が200℃以下のものが好ましい。また、樹脂を溶解
しにくいものは、固形分濃度が高い溶液が得られないた
め、必要な厚さに流延しにくく、また、溶媒の蒸発・乾
燥過程でシートが濁りやすいという問題がある。
ゲン化芳香族溶剤等が挙げられ、具体的には、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、トリ
メチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベン
ゼン、クロロベンゼン等が挙げられ、その中でもキシレ
ン、エチルベンゼン、クロロベンゼンが好ましい。シク
ロヘキサンやクロロホルムは熱可塑性飽和ノルボルネン
系樹脂を溶解するが沸点が低く、またベンゼンは沸点の
ほかに溶解性が不充分であり、これらは単独使用には向
かない。
い。また、これらの溶媒以外でも混合溶媒として25℃
の固形分濃度で10重量%以上樹脂を均一に溶解できる
ものであれば、ベンゼンやシクロヘキサンの他にテトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル、n−ヘキ
サン、n−オクタン等の直鎖の炭化水素等を含んでいて
もよい。
は、沸点が100℃以上のキシレン、エチルベンゼン等
の芳香族系溶剤を50%以上含有するものがある。
0重量%、好ましくは6〜50重量%、より好ましくは
8〜45重量%である。濃度が薄すぎると粘度が低くシ
ートの厚さの調整が困難であり、濃度が濃すぎると粘度
が高く操作性が悪い。
限定されず、ポリカーボネートなどの光学材料に用いら
れる一般の流延方法(例えば、「プラスチックフィルム
−加工と応用−」、プラスチックフィルム研究会編、技
報堂出版、1971年7月10日発行、第38〜44
頁、第78〜79頁、「プラスチックフィルム読本」、
松田敏宏編、株式会社プラスチックス・エージ、昭和4
1年12月10日発行、第106〜108頁等)を用い
ればよい。具体的には樹脂溶液をバーコーター、Tダ
イ、バー付きTダイなどを用いて、平板またはロール上
に流延すればよい。
を2段階に分けて乾燥する。まず、第1段階の乾燥とし
て、100℃以下で残留溶媒濃度が10重量%以下、好
ましくは5重量%以下になるまで乾燥する。乾燥は50
℃以上で行うことが好ましい。温度が低すぎると乾燥が
進まず、温度が高すぎると発泡する。
以上、好ましくは110℃〜250℃で残留溶媒濃度が
0.5重量%以下になるまで乾燥する。第1段階の乾燥
終了後に連続して乾燥しても、一旦冷却した後に再加熱
して乾燥してもよい。温度が低すぎると乾燥が進まず、
温度が高すぎると、酸素の存在下では酸化により樹脂が
劣化する。
乾燥過程において残留溶媒濃度を測定しながら乾燥する
必要はない。前もって、使用するポリマーの種類、量、
溶媒の種類、量などを検討して、100℃以下の所定温
度で残留溶媒濃度が10重量%以下になる乾燥時間など
の条件、110℃以上の特定温度で残留溶媒濃度が0.
5重量%以下になる乾燥時間などの条件を求めておき、
その条件で乾燥を行えばよい。
の絶対値の最大値が20nm以下、好ましくは10nm
以下、特に好ましくは5nm以下である。また、複屈折
の面内のばらつきは、±20nm以下、好ましくは±1
0nm以下、特に好ましくは±5nm以下である。
ボルネン系樹脂の種類と用いた溶媒の種類、残留溶媒濃
度によって決定される。残留溶媒濃度が高いほど、耐熱
性は低下する。本発明のシートを形成している熱可塑性
飽和ノルボルネン系樹脂のガラス転移温度(Tg)で1
10℃以上、好ましくは120℃以上、特に好ましくは
130℃以上である。
好ましくは5μm〜500μmのものである。厚さは流
延させる樹脂の種類、樹脂溶液の濃度、量と流延する面
積で決まる。本発明のシートの厚さムラは全面において
平均厚さの±5%以内、好ましくは±2%以内である。
い。表面粗さは中心線平均粗さであるRa値で通常0.
1μm以下、好ましくは0.05μm以下、さらに好ま
しくは0.02μm以下である。
であるため、長時間の使用においても、残留溶媒の乾燥
で重量や厚さが変化することなく、また、残留溶媒がに
じみ出ることにより周囲に悪影響をおよぼすこともな
く、さらに光学特性の劣化が少ない。
を設けた光ディスク、光カード、光フロッピー、光テー
プ、その他各種メモリ等の光反射型、磁気型、及び色素
系の情報記録用光学素子の基板のほか、プレス加工して
スポーツ用ゴーグル、自動車等のヘッドランプやテール
ランプのレンズやカバー等のプラスチックレンズや、表
面に透明導電膜を設けたタッチ電極や液晶基板、液晶表
示の位相板、スクリーンや偏光フィルム、CRT用防眩
フィルター、偏光板の保護層等の情報表示用の透明板、
電子デバイス等の絶縁膜、薬品容器、光学分析用容器、
飲料容器、食品容器、包装用フィルムなどに用いること
ができる。
本発明をさらに具体的に説明する。なお、参考例、実施
例、及び比較例において数平均分子量はトルエンを溶媒
とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ法に
よって、水素添加率は1H−NMRによって、Tgはシ
ートの一部を試料としてDSC法によって、複屈折は波
長633nmのダブルパス法によって、残留溶媒濃度は
温度200℃のガスクロマトグラフィによって、厚みは
ダイヤル式厚みゲージによって測定した。光線透過率は
分光光度計によって波長400〜700nmの範囲につ
いて波長を連続的に変化させて測定し、最小の透過率を
そのシートの光線透過率とした。また、Ra値は触針式
膜圧計(TENCOR社製、アルファ・ステップ20
0)で長さ1mmに渡って数カ所測定した。
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン
(以下、MTDという)に、重合触媒としてトリエチル
アルミニウムの15%シクロヘキサン溶液10部、トリ
エチルアミン5部、および四塩化チタンの20%シクロ
ヘキサン溶液10部を添加して、シクロヘキサン中で開
環重合し、得られた開環重合体をニッケル触媒で水素添
加してポリマー溶液を得た。このポリマー溶液をイソプ
ロピルアルコール中で凝固させ、乾燥し、粉末状の樹脂
を得た。この樹脂の数平均分子量は40,000、水素
添加率は99.8%以上、Tgは142℃、残留溶媒濃
度は0.05%であった。
キソバナジウム/エチルアルミニウムセスキクロリドを
用いて、トルエン中で付加共重合し、ポリマー溶液を得
た。このポリマー溶液をイソプロピルアルコール中で凝
固させ、乾燥し、粉末状の樹脂を得た。この樹脂のMT
D/エチレン共重合比率は13C−NMR法で48/52
(モル比)、数平均分子量は45,000、Tgは14
3℃、残留溶媒濃度は0.07%であった。
比でMTD/ジシクロペンタジエンが7/3)を重合触
媒としてトリエチルアルミニウムの15%シクロヘキサ
ン溶液10部、トリエチルアミン5部、および四塩化チ
タンの20%シクロヘキサン溶液10部を添加して、開
環重合し、ニッケル触媒を添加して水素添加してポリマ
ー溶液を得た。このポリマー溶液を、290℃、到達真
空度0.5torrの直接乾燥法で乾燥し、ストランド状に
押し出し、カッティングし、ペレット状のポリマーを得
た。このポリマーのMTD/ジシクロペンタジエン共重
合比率は残留モノマー量から7/3(モル比)であると
推定された。数平均分子量は55,000、水素添加率
は99.8%以上、Tgは140℃、残留溶媒は温度2
00℃のガスクロマトグラフィで検出されなかった。
し、樹脂溶液組成物を得た。この樹脂溶液を表面研磨さ
れたガラス板上にたらし、これをバーコーターにより幅
約300mm、長さ500mmに流延した。これを第1
段階の乾燥としてガラス板ごと空気還流型のオーブン中
で25℃から90℃まで30分かけて昇温させて乾燥さ
せた。室温まで冷却後、シートの一部を切取り、残留溶
媒濃度を測定したところ、1.2重量%であった。次い
で、第2段階の乾燥として140℃のオーブンで90分
乾燥し、室温に冷却後、樹脂膜をガラス板から剥離し、
周囲10mm幅を切り落としてシートを得た。このシー
トの残留溶媒濃度は0.12重量%であった。
で観察したが、発泡、スジ、キズなどは観察されなかっ
た。Tgは139℃、平均厚さは42μmで厚さのばら
つきは最大でも±1μm以下、両面ともRa値は0.0
2μm以下、光線透過率は90.2%、複屈折の絶対値
の最大値は全面で2nm以下であった。
し、実施例1と同様に流延した。これを第1段階の乾燥
としてガラス板ごと空気還流型のオーブン中で25℃か
ら80℃まで30分かけて昇温させて乾燥させた。室温
まで冷却後、シートの一部を切取り、残留溶媒濃度を測
定したところ、1.9重量%であった。次いで、第2段
階の乾燥として130℃のオーブンで90分乾燥し、室
温に冷却後、樹脂膜をガラス板から剥離し、周囲10m
m幅を切り落としてシートを得た。このシートの残留溶
媒濃度は0.06重量%であった。
で観察したが、発泡、スジ、キズなどは観察されなかっ
た。Tgは141℃、平均厚さは10μmで厚さのばら
つきは最大でも±0.3μm以下、両面ともRa値は
0.02μm以下、光線透過率は90.5%、複屈折の
絶対値の最大値は全面で2nm以下であった。
し、樹脂溶液組成物を得た。この樹脂溶液を表面研磨さ
れたSUS306板上にたらし、これをバーコーターに
より幅約300mm、長さ500mmに流延した。これ
を第1段階の乾燥としてガラス板ごと空気還流型のオー
ブン中で25℃から90℃まで30分かけて昇温させて
乾燥させた。室温まで冷却後、シートの一部を切取り、
残留溶媒濃度を測定したところ、2.5重量%であっ
た。次いで、第2段階の乾燥として140℃のホットプ
レート上に移して90分乾燥し、室温に冷却後、樹脂膜
をSUS306板から剥離し、周囲10mm幅を切り落
としてシートを得た。このシートの残留溶媒濃度は0.
18重量%であった。
で観察したが、発泡、スジ、キズなどは観察されなかっ
た。Tgは138℃、平均厚さは250μmで厚さのば
らつきは最大でも±5μm以下、両面ともRa値は0.
02μm以下、光線透過率は90.4%、複屈折の絶対
値の最大値は全面で2nm以下であった。
し、実施例1と同様に流延した。これを第1段階の乾燥
としてガラス板ごとホットプレート上に移し、25℃か
ら90℃まで60分かけて昇温させて乾燥させた。室温
まで冷却後、シートの一部を切取り、残留溶媒濃度を測
定したところ、4.2重量%であった。次いで、第2段
階の乾燥としてホットプレート上で25℃から120℃
に90分かけて昇温し、さらに140℃で60分間乾燥
した。室温に冷却後、樹脂膜をガラス板から剥離し、周
囲10mm幅を切り落としてシートを得た。このシート
の残留溶媒濃度は0.44重量%であった。
で観察したが、発泡、スジ、キズなどは観察されなかっ
た。Tgは135℃、平均厚さは38μmで厚さのばら
つきは最大でも±0.5μm以下、両面ともRa値は
0.02μm以下、光線透過率は90.5%、複屈折の
絶対値の最大値は全面で2nm以下であった。
し、実施例1と同様に流延した。これを第1段階の乾燥
としてガラス板ごとホットプレート上に移し、55℃で
30分間、さらに90℃で30分間乾燥させた。室温ま
で冷却後、シートの一部を切取り、残留溶媒濃度を測定
したところ、2.0重量%であった。次いで、第2段階
の乾燥としてホットプレート上で110℃で30分間、
さらに140℃で60分間乾燥した。室温に冷却後、樹
脂膜をガラス板から剥離し、周囲10mm幅を切り落と
してシートを得た。このシートの残留溶媒濃度は0.1
1重量%であった。
で観察したが、発泡、スジ、キズなどは観察されなかっ
た。Tgは140℃、平均厚さは100μmで厚さのば
らつきは最大でも±2μm以下、両面ともRa値は0.
02μm以下、光線透過率は90.5%、複屈折の絶対
値の最大値は全面で2nm以下であった。
を加えた溶媒85gに参考例1の樹脂15gを溶解し、
実施例1と同様に流延した。これを第1段階の乾燥とし
てガラス板ごと空気還流型のオーブン中で25℃から9
0℃まで60分かけて昇温させて乾燥させた。室温まで
冷却後、シートの一部を切取り、残留溶媒濃度を測定し
たところ、2.5重量%であった。次いで、第2段階の
乾燥としてホットプレート上に移し、130℃で120
分間乾燥した。室温に冷却後、樹脂膜をガラス板から剥
離し、周囲10mm幅を切り落としてシートを得た。こ
のシートの残留溶媒濃度は0.35重量%であった。
で観察したが、発泡、スジ、キズなどは観察されなかっ
た。Tgは132℃、平均厚さは20μmで厚さのばら
つきは最大でも±0.5μm以下、両面ともRa値は
0.02μm以下、光線透過率は90.3%、複屈折の
絶対値の最大値は全面で2nm以下であった。
量部を加えた溶媒を用いるほかは実施例6と同様にして
シートを得た。空気還流型のオーブン中で25℃から9
0℃まで60分かけて昇温させて乾燥させた後の残留溶
媒濃度は2.1重量%、130℃で120分間乾燥した
後のシートの残留溶媒濃度は0.35重量%であった。
で観察したが、発泡、スジ、キズなどは観察されなかっ
た。Tgは134℃、平均厚さは30μmで厚さのばら
つきは最大でも±0.5μm以下、両面ともRa値は
0.02μm以下、光線透過率は90.3%、複屈折の
絶対値の最大値は全面で2nm以下であった。
例1と同様に流延した。これを25℃で3日間放置して
乾燥させた。室温に冷却後、樹脂膜をガラス板から剥離
し、周囲10mm幅を切り落としてシートを得た。シー
トの一部を切取り、残留溶媒濃度を測定したところ、1
5.3重量%であった。
で観察したが、発泡、スジ、キズなどは観察されなかっ
たが、Tgは100℃以下で光学材料としては耐熱性が
不十分であった。
分乾燥させた。室温に冷却後、樹脂膜をガラス板から剥
離し、周囲10mm幅を切り落とした。この樹脂膜の残
留溶媒濃度は1.2重量%であった。
で観察したところ、スジ、キズなどは観察されなかった
が、発泡が認められた。発泡のないごく狭い範囲で測定
したところ、Tgは116℃、平均厚さは38μmで厚
さのばらつきは最大でも±0.5μm以下、ガラスと接
触していなかった面のRa値も0.02μm以下、光線
透過率は90.5%、複屈折の絶対値の最大値は全面で
2nm以下であった。しかし、全体としては1cm2あた
り5〜6ヶ所の割合で発泡により半径約0.5mmの半
球状に隆起しており、シートと呼べるものではなかっ
た。樹脂膜のガラスと接触していなかった面全体として
のRa値の最大値は少なくとも100μm以上であっ
た。
し、実施例1と同様に流延した。これを第1段階の乾燥
としてガラス板ごと空気還流型のオーブン中で40℃で
3日間乾燥させた。室温まで冷却後、シートの一部を切
取り、残留溶媒濃度を測定したところ、12.3重量%
であった。次いで、第2段階の乾燥としてホットプレー
ト上に移し、120℃で180分間乾燥した。室温に冷
却後、樹脂膜をガラス板から剥離し、周囲10mm幅を
切り落とした。この樹脂膜の残留溶媒濃度は3.5重量
%であった。
で観察したが、発泡が認められ、スジ、キズがあり、大
きく波うっていた。Tgは100℃以下で光学材料とし
ては耐熱性が不十分であった。平均厚さは100μm
で、全体として1cm2あたり3〜5ヶ所の割合で発泡に
より半径約0.3〜0.5mmの半球状に隆起してお
り、シートと呼べるものではなかった。また、ガラスと
接触していなかった面のRa値の最大値は発泡していな
い部分でも5μm以上もあった。
例1と同様に流延した。これをガラス板ごと空気還流型
のオーブン中で140℃で30分乾燥させた。
で観察したが、激しい発泡が認められ、全く光学材料と
して使用できるものではなかった。また、Tgも100
℃以下であった。
℃)85gに溶解し、実施例1と同様に流延した。これ
を第1段階の乾燥としてガラス板ごと空気還流型のオー
ブン中で25℃から90℃に90分かけて昇温して乾燥
させた。室温まで冷却後、シートの一部を切取り、残留
溶媒濃度を測定したところ、0.10重量%であった。
次いで、第2段階の乾燥としてホットプレート上で、1
20℃で30分間乾燥した。室温に冷却後、樹脂膜をガ
ラス板から剥離し、周囲10mm幅を切り落としてシー
トを得た。このシートの残留溶媒濃度は0.05重量%
であった。
で観察したところ、発泡はなかったが、表面が大きく波
うっていた。Tgは141℃、平均厚さは20μmで厚
さのばらつきの最大値は±約4μm、ガラスと接触して
いなかった面のRa値の最大値は約8μmであった。複
屈折は少なくとも300nm以上であった。
径40mmの押出機で、幅300mmのTダイから押し
出して、110℃に熱した鏡面仕上げのロールに流延
し、シートを得た。
で観察したが、発泡はなかったが、スジ、キズがあっ
た。Tgは139℃、平均厚さは200μmで厚さのば
らつきの最大値は±約15μm、ロールに接触していな
かった面のRa値の最大値は約0.08μmであった。
光線透過率は90.1%、複屈折の絶対値の最大値は1
25nmで面内での複屈折の絶対値のばらつきは±10
0nmであった。
ガラスと接触していた面にニッケルを真空蒸着した。こ
のニッケル蒸着シートを温度90℃湿度85%の恒温恒
湿槽内に100時間保持し、目視および光学顕微鏡で観
察したが、フクレ、ニッケルの腐食は認められなかっ
た。
ガラスと接触していた面にニッケルを真空蒸着した。こ
のニッケル蒸着シートを温度90℃湿度85%の恒温恒
湿槽内に100時間保持し、目視および光学顕微鏡で観
察したところ、金属層と樹脂層の間に空隙ができるフク
レが多数発生し、ニッケルも腐食が認められた。
大値が20nm以下、Tgが110℃以上、厚さは2μ
m以上1mm以下、厚さムラは全面において平均厚さの
±5%以内であり、残留溶媒濃度が0.5重量%以下で
あるため、長時間の使用においても、残留溶媒の乾燥で
重量や厚さが変化することなく、また、残留溶媒がにじ
み出ることにより周囲に悪影響をおよぼすこともなく、
さらに光学特性の劣化が少ない。
Claims (2)
- 【請求項1】 ガラス転移温度が110℃以上、残
留溶媒濃度が0.5重量%以下の熱可塑性飽和ノルボル
ネン系樹脂から成り、厚さが2μm〜1mmで残留溶媒
濃度が0.5重量%以下で複屈折が最大値で20nm以
下のシート。 - 【請求項2】 熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を
沸点100℃以上の溶媒に溶解し、流延し、最高温度1
00℃以下で残留溶媒濃度が10重量%以下になるまで
乾燥し、さらに110℃以上で残留溶媒濃度が0.5重
量%以下になるまで乾燥させる請求項1記載のシートの
製造方法。
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