JP3132122B2 - 複合シート - Google Patents

複合シート

Info

Publication number
JP3132122B2
JP3132122B2 JP04054344A JP5434492A JP3132122B2 JP 3132122 B2 JP3132122 B2 JP 3132122B2 JP 04054344 A JP04054344 A JP 04054344A JP 5434492 A JP5434492 A JP 5434492A JP 3132122 B2 JP3132122 B2 JP 3132122B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
film
pva
thermoplastic saturated
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04054344A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05212828A (ja
Inventor
勉 羽仁
利又 松井
禎二 小原
伊男 夏梅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Zeon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=12968007&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3132122(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Zeon Corp filed Critical Zeon Corp
Priority to JP04054344A priority Critical patent/JP3132122B2/ja
Publication of JPH05212828A publication Critical patent/JPH05212828A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3132122B2 publication Critical patent/JP3132122B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリビニルアルコール
系シートと熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートを一
体的に接着してなる複合シートに関する。本発明の複合
シートは、例えば、液晶ディスプレイなどの偏光フィル
ムとして好適に使用できる。
【0002】
【従来の技術】偏光フィルムは、反射光除去、光ロック
性等の諸機能を生かして、例えば、サングラス、カメラ
用フィルター、スポーツゴーグル、照明用グローブ、自
動車ヘッドライトの防眩被覆、室内透視防止、光量調整
フィルター、蛍光表示コントラスター、透光度連続変化
板、顕微鏡用偏光フィルム等の広範な分野に利用されて
いる。最近では、液晶ディスプレイ(LCD)に使用さ
れ、その機能性がクローズアップされている。
【0003】LCD用偏光フィルムは、光の透過遮蔽機
能を受け持ち、光のスイッチング機能を果たす液晶とと
もに電気信号をディスプレイ化する役割をもっている。
このような機能性を発揮する上で、偏光フィルムに対す
る光学特性、耐久性、その他の要求品質が厳しくなって
いる。
【0004】偏光フィルムでは、ほとんどの場合、透明
な高分子フィルムを一定方向に分子配列し、ミセルの間
隙に二色性物質を吸着させた偏光膜が使用されている。
このような偏光膜には、高分子フィルムとしてポリビニ
ルアルコール(以下、PVAと略記)の薄いシート(フ
ィルム)が汎用されている。
【0005】ところが、PVA系フィルムからなる偏光
膜は、透過軸方向に対する機械的強度が弱く、しかも熱
や水分によって収縮したり、偏光機能が低下し易いた
め、通常、その両面に各種フィルムからなる保護層が接
着剤により積層され、それによって耐久性や機械的強度
を確保している。この積層体は、偏光フィルムまたは偏
光板と呼ばれている。
【0006】LCD用偏光フィルムは、液晶セルとの界
面での光の反射損失を防ぐため、粘着剤を介して液晶基
板に貼り付けられる。したがって、通常の偏光フィルム
には、粘着剤層が保護層の片面に設けられており、さら
に粘着剤層の保護と作業性などの観点から、粘着剤層の
上に離型膜(セパレーター)が設けられている。偏光フ
ィルムを液晶基板に接着する際には、この離型膜を剥
す。
【0007】保護層には、複屈折がないこと、透過率が
高いこと、耐熱性・耐吸湿性が良好で、機械的強度が高
いこと、温度・湿度の変化による収縮率が小さいこと、
表面が平滑で、解像度が高いこと、粘着剤との密着性が
良好であること、外観性に優れていること、などの性能
が要求される。そして、従来、保護層としては、低複屈
折性と外観性の良好なセルローストリアセテート(以
下、TACと略記)の溶液流延フィルムが主として使用
されている。
【0008】しかし、偏光基体を構成するPVAフィル
ムの水蒸気透過度が25μmの厚さで、25℃、90%
RHの環境下、1000〜1200g/m2・24hr
程度であるのに対して、保護層のTACフィルムは、同
じ条件で700g/m2・24hr程度の水蒸気透過度
を有しており、防湿性が不充分である。したがって、T
ACフィルムを保護層とする偏光フィルムは、高温高湿
での耐久性に乏しく、例えば、80℃、90%RHの環
境下では100時間以下で劣化し、偏光性能が急激に低
下してしまう。
【0009】TACフィルムは、ガスバリヤー性も不充
分であり、透過した酸素によってヨウ素や染料などの二
色性物質が変質し易い。また、TACフィルムには、製
膜するために可塑剤が添加されているので、耐熱性が充
分ではない。さらに、TACフィルムは、引張強度が6
〜11kg/mm2程度しかなく、物理的強度が不足し
ている。したがって、TACフィルムは、40μm以下
の薄膜では強度および耐久性が低いため、通常80μm
の厚さのものが使用されている。
【0010】TACフィルムは、光弾性係数が大きいた
め、外力が加わったり、成形時の残留応力がある場合に
は複屈折が大きくなり易い。そのため、TACフィルム
は、低複屈折性と外観性が良好で、残留応力が小さな溶
液流延法でしか製造できなかった。
【0011】偏光膜は、粘着剤層を介して液晶基板や位
相板等に積層されるが、TACフィルムと粘着剤との密
着性には問題があり、水分によるハガレや熱によってT
ACフィルムと粘着剤層との間にトンネルと呼ばれる空
気の泡が発生し易い。また、TACフィルムにアクリル
系粘着剤層を積層すると、アクリル酸によりTACフィ
ルムが分解するという問題もある。
【0012】このように、PVA系シート(シートまた
はフィルム)は、例えば、偏光膜として汎用されている
が、保護等の目的で、透明性、耐久性、耐熱性、物理的
強度などに優れた保護層を接着性良く積層した複合シー
トが求められている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、PV
A系シートに、透明性、高温高湿での耐久性、耐熱性、
物理的強度などに優れた保護層を接着性良く積層した複
合シートを提供することにある。本発明者らは、熱可塑
性飽和ノルボルネン系樹脂からなるシートが透明性、低
複屈折性、耐湿性、耐水性、耐熱性、物理的強度等に優
れていることに着目し、これとPVA系シートとの複合
化を図るべく鋭意研究を進めた。その結果、PVA系シ
ートと熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートをアクリ
ル系粘着剤で貼り合わせた後、加熱し加圧すると、両者
の接着強度が高く、透明性等に優れた複合シートの得ら
れることを見いだした。この複合シートは、PVA系シ
ートとして偏光膜を使用した場合、優れた光学特性、耐
久性等を有する偏光フィルムを得ることができる。本発
明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったもので
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、ポリビニルアルコール系シートの少なくとも一面
に、アクリル系粘着剤層を介して熱可塑性飽和ノルボル
ネン系樹脂シートが積層され、加熱圧着されてなること
を特徴とする複合シートが提供される。
【0015】以下、本発明について詳述する。 (PVA系シート)本発明で使用するPVA系シート
は、PVAを用いて形成されたシート(シートまたはフ
ィルム)であれば特に限定されない。本発明の複合シー
トを各種偏光フィルムとして使用する場合には、PVA
系シートとして、偏光膜を使用する。
【0016】PVA系シートからなる偏光膜としては、
偏光子としての機能を有するものであれば、特に限定さ
れず、例えば、PVAフィルムにヨウ素を吸着させた
後、ホウ酸浴中で一軸延伸したPVA・ヨウ素系偏光
膜;PVAフィルムに二色性の高い直接染料を拡散吸着
させた後、一軸延伸したPVA・染料系偏光膜;PVA
フィルムにヨウ素を吸着させ延伸してポリビニレン構造
としたPVA・ポリビニレン系偏光膜;PVAフィルム
に金、銀、水銀、鉄などの金属を吸着させたPVA・金
属系偏光膜;PVAフィルムをヨウ化カリとチオ硫酸ソ
ーダを含むホウ酸溶液で処理した近紫外偏光膜;分子内
にカチオン基を含有する変成PVAからなるPVA系フ
ィルムの表面および/または内部に二色性染料を有する
偏光膜;等が挙げられる。
【0017】PVA系偏光膜の製造方法についても、特
に限定されず、例えば、PVA系フィルムを延伸後ヨウ
素イオンを吸着する方法;PVA系フィルムを二色性染
料により染色後、延伸する方法;PVA系フィルムを延
伸後、二色性染料で染色する方法;二色性染料をPVA
系フィルムに印刷後延伸する方法;PVA系フィルムを
延伸後、二色性染料を印刷する方法などが挙げられる。
より具体的には、ヨウ素をヨウ素カリウム溶液に溶解し
て、高次のヨウ素イオンを作り、このイオンをPVAフ
ィルムに吸着させて延伸し、次いで1〜4%ホウ酸水溶
液に浴温度30〜40℃で浸漬して偏光膜を製造する方
法、あるいはPVAフィルムを同様にホウ酸処理して一
軸方向に3〜7倍程度延伸し、0.05〜5%の二色性
染料水溶液に浴温度30〜40℃で浸漬して染料を吸着
し、80〜100℃で乾燥して熱固定して偏光膜を製造
する方法などがある。
【0018】(熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シー
ト)本発明においては、PVA系シートの片面または両
面に熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂からなるシートを
積層する。本発明の熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂
は、特開平3−14882号や特開平3−122137
号などで公知の樹脂であり、具体的には、ノルボルネン
系モノマーの開環重合体水素添加物、ノルボルネン系モ
ノマーの付加型重合体、ノルボルネン系モノマーとオレ
フィンの付加型重合体、これらの重合体の変性物などが
挙げられる。
【0019】ノルボルネン系モノマーは、上記公報や特
開平2−227424号、特開平2−276842号な
どで公知のモノマーであって、例えば、ノルボルネン、
そのアルキル、アルキリデン、芳香族等の置換誘導体、
これら置換または非置換のオレフィンのハロゲン、水酸
基、エステル基、アルコキシ基、シアノ基、アミド基、
イミド基、シリル基等の極性置換体、例えば、5−メチ
ル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボ
ルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−
2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン、5メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−シ
アノ−2−ノルボルネン、5−メチル−5メトキシカル
ボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボ
ルネン、5−フェニル−5−メチル−2−ノルボルネン
等;ジシクロペンタジエン、その上記と同様の誘導体や
置換体等、例えば、2,3−ジヒドロジシクロペンタジ
エン等;ジメタノオクタヒドロナフタレン、、その上記
と同様の誘導体や置換体等、例えば、6−メチル−1,
4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,
8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチル−1,
4:5,8,ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,
8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチリデン−
1,4:5,8,ジメタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−クロロ−
1,4:5,8,ジメタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−シアノ−
1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−ピリジル
−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−メトキシ
カルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン
等;シクロペンタジエンとテトラヒドロインデン等との
付加物、その上記と同様の誘導体や置換体等、例えば、
1,4−ジメタノ−1,4,4a,4b,5,8,8
a,9a−オクタヒドロフルオレン、5,8−メタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−
2,3−シクロペンタジエノナフタレン等;シクロペン
タジエンの多量体、その上記と同様の誘導体や置換体
等、例えば、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4
a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベ
ンゾインデン、4,11:5,10:6,9−トリメタ
ノ−3a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,
10a,11,11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペ
ンタアントラセン等;などが挙げられる。
【0020】ノルボルネン系モノマーの重合は、公知の
方法でよく、必要に応じて、他の共重合可能なモノマー
と共重合したり、水素添加することにより熱可塑性飽和
ノルボルネン系樹脂である熱可塑性ノルボルネン系重合
体水素添加物とすることができる。また、重合体や重合
体水素添加物を特開平3−95235号などで公知の方
法により、α,β−不飽和カルボン酸および/またはそ
の誘導体、スチレン系炭化水素、オレフィン系不飽和結
合及び加水分解可能な基を持つ有機ケイ素化合物、不飽
和エポキシ単量体等を用いて変性させてもよい。
【0021】本発明で使用する熱可塑性飽和ノルボルネ
ン系樹脂は、トルエン溶媒によるゲル・パーミェーショ
ン・クロマトグラフ(GPC)法で測定した数平均分子
量が通常25,000〜100,000、好ましくは3
0,000〜80,000、より好ましくは35,00
0〜70,000の範囲のものが望ましい。数平均分子
量が小さすぎると物理的強度が劣り、大きすぎると成形
の際の操作性が悪くなる。
【0022】熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂がノルボ
ルネン系モノマーの開環(共)重合体を水素添加して得
られるものである場合、水素添加率は、耐熱劣化性、耐
光劣化性などの観点から、通常90%以上、好ましくは
95%以上、より好ましくは99%以上とする。
【0023】熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂は、透明
性、耐熱性、耐湿性、物理的強度、粘着剤に対する耐久
性等に優れている。厚み25μmのシートで、吸湿性が
通常0.05%以下、好ましくは0.01%以下で、水
蒸気透過度が25℃、90%RHの環境下で20g/m
2・24hr以下のものを容易に得ることができる。ま
た、その光弾性係数は、3〜9×10-15cm2/dyn
eと小さいため、外力がかかったり、残留応力があって
もレターデーションへの影響が小さく、光学的に均一な
フィルムの製造に好適である。
【0024】本発明で用いる熱可塑性飽和ノルボルネン
系樹脂には、所望により、フェノール系やリン系などの
老化防止剤;フェノール系などの熱劣化防止剤;アミン
系などの帯電防止剤;脂肪族アルコールのエステル、多
価アルコールの部分エステル及び部分エーテルなどの滑
剤;などの各種添加剤を添加してもよい。
【0025】また、液晶は、通常、紫外線により劣化す
るので、液晶ディスプレイに用いるにも関わらず、ほか
に紫外線防護フィルターを積層するなどの防護手段を取
らない場合は、紫外線吸収剤を添加することが好まし
い。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸
収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、アクリルニ
トリル系紫外線吸収剤などを用いることができる。これ
らの中でもベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、
添加量は、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートの厚
さにもよるが、通常10〜100,000ppm、好ま
しくは100〜10,000ppmである。シートの厚
さが薄いほど多量の紫外線吸収剤が必要である。
【0026】さらに、表面粗さを小さくするため、レベ
リング剤の添加が好ましい。レベリング剤としては、例
えば、フッ素系ノニオン界面活性剤、特殊アクリル樹脂
系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤など塗料用
レベリング剤を用いることができ、それらの中でも溶媒
との相溶性の良いものが好ましく、添加量は、通常5〜
50,000ppm、好ましくは10〜20,000p
pmである。
【0027】本発明で用いる熱可塑性飽和ノルボルネン
系樹脂シートは、PVA系偏光膜の保護層として使用す
る場合には、溶液流延法で作製することが好ましいが、
光弾性係数が小さい樹脂であるため、TACの場合とは
異なり、溶融成形法でシートを作製しても、充分に複屈
折の小さなシートが得られる。
【0028】熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を溶液流
延するためには、該樹脂を溶媒に溶解する。使用する溶
媒は、沸点が100℃以上のものが好ましく、120℃
以上のものがより好ましい。特に、25℃において固型
分濃度10重量%以上としても、熱可塑性飽和ノルボル
ネン系樹脂を均一に溶解できる溶媒が好ましい。
【0029】このような溶媒としては、例えば、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、トリ
メチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベン
ゼン、クロロベンゼン等が挙げられ、その中でも、キシ
レン、エチルベンゼン、クロロベンゼンが好ましい。ま
た、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を溶解する限りに
おいて、これらの溶媒に、ジクロヘキサン、クロロホル
ム、ベンゼン、テトラヒドロフランやジオキサン等の環
状エーテル、あるいはn−ヘキサンやn−オクタン等の
直鎖の炭化水素等を含有させてもよい。これらの条件を
良好に満たすものとしては、沸点が100℃以上のキシ
レン、エチルベンゼン等の芳香族系溶剤を50%以上含
有するものがある。
【0030】流延に用いる溶液中の樹脂濃度は、通常5
〜60重量%、好ましくは10〜50重量%、より好ま
しくは20〜45重量%である。樹脂の濃度が低過ぎる
と粘度が低いためシートの厚さの調整が困難であり、濃
度が高すぎると粘度が高いため製膜性が悪く、また、外
観性のよいフィルムが得られない。
【0031】樹脂溶液を流延する方法は、特に限定され
ず、一般の溶液流延法を用いることができる。具体的に
は、樹脂溶液をバーコーター、Tダイ、バー付きTダ
イ、ドクターナイフ、メイア・バー、ロール・コート、
ダイ・コートなどを用いて、ポリエチレンテレフタレー
トなどの耐熱材料、スチールベルト、金属箔などの平板
またはロール上に流延する方法をあげることができる。
【0032】溶液流延法により作製したシートは、乾燥
して、残留溶媒濃度2重量%以下とする。残留溶媒濃度
が高すぎると耐熱性が悪く、また、高温環境下での使用
において、残留していた溶媒が蒸発し、周囲に悪影響を
与えたり、変形の原因となったりする。
【0033】シートは、通常、2段階に分けて乾燥する
ことが好ましい。まず、第1段階の乾燥として、平板ま
たはロール上のシートを30〜100℃、好ましくは4
0〜80℃の温度範囲で残留溶媒温度が10重量%以
下、好ましくは5重量%以下になるまで乾燥する。この
場合、乾燥温度が高すぎると、溶媒の揮発に際し、シー
トが発泡する。ついで、平板またはロールからシートを
剥離し、第2段階の乾燥として、室温から60℃以上、
好ましくは70℃から樹脂のガラス転移温度(Tg)ま
での温度範囲に昇温させ、残留溶媒濃度が2重量%以
下、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重
量%以下になるまで乾燥する。
【0034】乾燥温度が低すぎると乾燥が進まず、温度
が高すぎると、発泡する。第1段階の乾燥を行い、乾燥
終了後にシートを平板またはロールから剥離し、第2段
階の乾燥を行っても、あるいは第1段階の乾燥後、一旦
冷却してシートを平板またはロールから剥離し、第2段
階の乾燥を行ってもよい。
【0035】溶融成形法でシートを作製する場合は、T
ダイを用いた方法やインフレーション法などの溶融押出
法、カレンダー法、熱プレス法、射出成形法などがあ
る。中でも、厚さムラが小さく、10〜500μm程度
の厚さに加工し易く、かつ、レターデーションの絶対値
およびそのバラツキを小さく出来るTダイを用いた溶融
押出法が好ましい。
【0036】溶融成形法の条件は、同程度のTgを有す
る光学材料に用いられる一般的な条件と同様であり、例
えば、Tダイを用いる溶融押出法出は、樹脂温度240
〜300℃程度で、引き取りロールの温度を100〜1
50℃程度の比較的高温として、樹脂シートを徐冷でき
る条件を選択することが好ましい。また、ダイライン等
の表面の欠陥を小さくするためには、ダイには滞留部が
極力少なくなるような構造が必要であり、ダイの内部や
リップにキズ等が極力無いものを用いることが好まし
い。
【0037】熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートの
厚さは、通常5〜500μm、好ましくは10〜150
μm、さらに好ましくは20〜100μmである。シー
トの厚さが薄すぎると、強度が低下する。逆に、シート
が厚すぎると、透明性が劣り、複屈折性が高くなり、外
観性が低下し、さらに溶液流延法でシートを作製した場
合には乾燥が困難である。しかし、TACフィルムの場
合は充分な耐湿性と強度を持たせるために、通常80μ
m以上の厚みを必要としたのに対し、熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂シートは、30μm程度の厚みがあれば、厚
み80μmのTACフィルムと同等以上の耐湿性、耐熱
性、及び強度を持たせることができ、薄くても保護層と
して充分に機能し、視覚依存性も良好である。
【0038】シートの厚みムラは、通常、全面において
平均厚さの±5%以内、好ましくは±3%以内、より好
ましくは±2%以内である。シートの厚みムラが大きい
と画像の歪みやレターデーションのバラツキなどの原因
となり、液晶ディスプレイ用偏こフィルムの保護層とし
て好ましくない。
【0039】熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートの
光線透過性は、通常80%以上、好ましくは85%以
上、より好ましくは90%以上である。
【0040】このシートの耐熱性は、溶液流延法で作製
した場合は、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂の種類と
用いた溶媒の種類、残留溶媒濃度によって決定される。
残留溶媒濃度が高いほど、耐熱性は低下する。シートを
成形する熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂は、Tgが通
常90℃以上、好ましくは110℃以上、特に好ましく
は120℃以上であることが望ましい。
【0041】(アクリル系粘着剤)本発明で用いるアク
リル系粘着剤としては、一種以上のアクリル酸エステル
の(共)重合体をトルエン、酢酸エチルなどの有機溶媒
に溶解した溶液、またはこれらの(共)重合体の水系エ
マルジョンなどが使用できる。
【0042】アクリル系粘着剤は、一般に、主構成モノ
マーとして、そのホモポリマーのガラス転移温度(T
g)が−50℃以下のもの(低Tgモノマー)が使用さ
れ、これに適当なコモノマーを選び、共重合体のTgや
粘着特性を調整している。具体的には、アクリル酸ブチ
ルやアクリル酸2−エチルヘキシルなどの粘着性を付与
する低Tgモノマーを主体とし、これらのモノマーと、
酢酸ビニル、メチルメタクリレート、スチレン、不飽和
カルボン酸、アクリロニトリルなどの接着性や凝集力を
付与する高Tgモノマーとの共重合体を挙げることがで
きる。アクリル系粘着剤は、イソシアネートやブチル化
メラミンなどの架橋剤を併用することもあり、その場合
には塗布前に架橋剤と混合して用いる。
【0043】ところで、前記したとおり、液晶は、紫外
線により劣化するので、複合シートを液晶ディスプレイ
用偏光フィルム等に用いる場合には、該複合シートが紫
外線を透過しないようにすることが好ましい。熱可塑性
飽和ノルボルネン系樹脂に紫外線吸収剤を添加すると、
樹脂シートが薄い場合、多量に紫外線吸収剤を添加しな
ければ、十分に紫外線を吸収せず、薄いことと紫外線吸
収剤の多量の添加のために、この樹脂シートは強度が不
十分となる場合がある。しかし、アクリル系粘着剤に紫
外線吸収剤を添加すると、熱可塑性飽和ノルボルネン系
樹脂シートに紫外線吸収剤を少量しか添加しない、また
は全く添加していない場合であっても、本発明の複合シ
ートは、紫外線の透過を効果的に抑制することができ
る。
【0044】紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系、サリシレート系が好まし
く、これらを併用してもよい。アクリル系粘着剤に対す
る紫外線吸収剤の添加量は、粘着剤の種類や粘着剤層の
厚さにもよるが、通常、粘着剤中の樹脂100重量部に
対して、1〜20重量部程度とすることが望ましい。
【0045】(複合シートとその製造方法)本発明の複
合シートは、PVA系シートの片面または両面に、アク
リル系粘着剤層を介して熱可塑性飽和ノルボルネン系樹
脂シートが積層され、加熱圧着されてなるものである。
【0046】一般に、アクリル系粘着剤は、トルエン−
酢酸エチル混合溶媒を溶剤とする溶液型のものである。
トルエンは、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂の良溶媒
であるため、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートに
溶液型のアクリル系粘着剤を直接塗布すると、該シート
表面が溶解し、光学的ムラを生じるおそれがある。
【0047】そこで、PVA系シートと熱可塑性飽和ノ
ルボルネン系樹脂シートを貼り合わせるには、(1)水
系エマルジョン型のアクリル系粘着剤を用いて貼り合わ
せる方法、(2)PVA系シートに溶液型のアクリル系
粘着剤を塗布し、溶剤を揮発させた後、熱可塑性飽和ノ
ルボルネン系シートと貼り合わせる方法、(3)酢酸エ
チル、メチルエチルケトン等のエステル系、ケトン系、
アルコール系等の熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂の貧
溶媒であって、アクリル系粘着剤が可溶な溶剤を用いた
アクリル系粘着剤を用いる方法、(4)溶液型アクリル
系粘着剤を離型膜(セパレーター)などに塗布し、溶剤
を揮発させた後、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シー
トに転写し、PVA系シートと貼り合わせる方法(転写
法)、などの各種方法を採用して、熱可塑性飽和ノルボ
ルネン系シート表面の溶解を防ぐことが好ましい。
【0048】転写法を採用する場合、その方法は特に限
定されず、一般の粘着剤等の転写に用いる装置を用いて
行うことができる。アクリル系粘着剤の塗布は、刷毛塗
り、ガンスプレーを用いる方法、スピンコート、バーコ
ーターを用いる方法など、特に限定されないが、容易に
均一に塗布できる方法が好ましく、例えば、上記の転写
をする場合は、バーコーターを用いることが好ましい。
光学的な屈折ムラなどを小さくするため、アクリル系粘
着剤の塗布厚みのムラを小さくすることが好ましい。同
様に、転写法で使用する離型膜も表面の平滑性に優れた
ものが好ましい。
【0049】アクリル系粘着剤の塗布厚みは、通常10
〜50μm、好ましくは15〜30μmである。塗布
後、溶剤や水を揮発させる。溶液型のアクリル系粘着剤
の場合には、塗布後、60〜110℃、好ましくは70
〜100℃で1〜5分、好ましくは1.5〜10分間乾
燥して溶剤を揮発させる。
【0050】本発明においては、PVA系シートの少な
くとも一面に、アクリル系粘着剤層を介して熱可塑性飽
和ノルボルネン系樹脂シートを積層し、次いで加熱し加
圧して接着(加熱圧着)させる。具体的には、PVA系
シートと熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートを貼り
合わせ、通常50〜120℃、好ましくは80〜100
℃の温度範囲で加熱し、1〜5分間、好ましくは1.5
〜3分間保ち、次いで1〜10kg/cm2、好ましく
は4〜7kg/cm2の圧力で加圧して接着すると、層
間接着強度に優れた複合シートが得られる。
【0051】本発明の複合シートは、優れた透明性と層
間接着強度、耐久性を有し、かつ、熱可塑性飽和ノルボ
ルネン系樹脂シートの本来有する低複屈折性、耐湿性、
耐水性、耐熱性、物理的強度等の特性を有しているた
め、各種分野における偏光フィルムなどとして有用であ
る。
【0052】本発明の複合シートを例えば液晶ディスプ
レイ用偏光フィルムとして用いる場合には、PVA系偏
光膜の片面または両面に保護層として熱可塑性飽和ノル
ボルネン系樹脂シートを貼り合わせる。片面に保護層を
設ける場合には、液晶ディスプレイの周囲の温度から偏
光膜を保護するために、液晶ディスプレイの製造におい
て、保護層が偏光膜よりも外側になるようにする。液晶
ディスプレイ製造前の偏光フィルムの品質維持、製造工
程における偏光膜の吸湿防止、加熱などによる偏光度低
下の防止、傷からの保護のために、保護層を両面に貼り
合わせることが好ましい。なお、一方の面に従来公知の
材料からなる保護層を設けてもよい。
【0053】また、本発明の複合シートを主として液晶
ディスプレイ用偏光フィルムとして使用する場合、液晶
基板や透明電極層に対する積層作業を容易にするため、
両面に保護層を設けた場合には、片方の保護層面上に、
片面に保護層を設けた場合には、保護層を有しない面上
に、偏光フィルム接着用の粘着剤層を積層しておくこと
が好ましい。また、この粘着剤層の上に、離型紙や離型
フィルム等の離型膜を積層しておくことが好ましい。
【0054】
【実施例】以下、本発明について、実施例および比較例
を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施
例のみに限定されるものではない。なお、部及び%は、
特に断りのない限り重量基準である。
【0055】なお、以下の実施例および比較例における
物性の測定方法は、以下のとおりである。 (1)数平均分子量は、トルエンを溶媒とするGPC法
により測定した。 (2)水素添加率は、1H−NMRにより測定した。 (3)ガラス転移温度(Tg)は、DSC法により測定
した。 (4)レターデーションは、波長550nmのベレク・
コンベンセイターにより測定した。 (5)シートおよびフィルムの厚さは、ダイヤル式厚さ
ゲージにより測定した。 (6)光線透過率は、実施例1および比較例1〜3にお
いては、分光光度計により、波長400〜700nmの
範囲について波長を連続的に変化させて測定し、最小の
透過率を光線透過率とした。実施例1および比較例1〜
3においては、400nmで最小の透過率を示した。な
お、実施例2においては、分光光度計により、230〜
700nmの範囲について波長を連続的に変化させて光
線透過率を測定した。 (7)シートの残留溶媒濃度は、温度200℃のガスク
ロマトグラフィーにより測定した。 (8)粘着強度は、Tピール剥離試験(JIS Z−0
237)にしたがって測定した。
【0056】[参考例1](熱可塑性飽和ノルボルネン
系樹脂の合成) 6−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン
に、重合触媒としてトリエチルアルミニウムの15%シ
クロヘキサン溶液10部、トリエチルアミン5部、及び
四塩化チタンの20%シクロヘキサン溶液10部を添加
して、シクロヘキサン中で開環重合し、得られた開環重
合体をニッケル触媒で水素添加してポリマー溶液を得
た。このポリマー溶液をイソプロピルアルコール中で凝
固させ、乾燥し、粉末状の樹脂を得た。この樹脂の数平
均分子量は40,000、水素添加率は99.8%以
上、Tgは142℃であった。
【0057】[実施例1]参考例1で得た樹脂15gを
キシレン85gに溶解し、これにレベリング剤(住友ス
リーエム社製、フロラード FC−430)500pp
mを添加して、樹脂溶液組成物を得た。この樹脂溶液組
成物を表面研磨されたガラス板上にたらし、これをバー
コーターにより幅約300mm、長さ500mmに適量
を流延した。これを、第1段階の乾燥として、ガラス板
ごと空気還流型のオーブン中で20℃から50℃まで2
0分かけて昇温し乾燥させた。次いで、第2段階の乾燥
として、樹脂膜をガラス板から剥離し、90℃のオーブ
ンで30分乾燥し、室温に冷却後、周囲10mm幅を切
り落として熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートを得
た。このシートの残留溶媒濃度は1.0重量%であっ
た。
【0058】このシートの表面を目視および光学顕微鏡
で観察したが、発泡、スジ、キズなどは観察されなかっ
た。Tgは139℃、平均厚さは50μmで、厚さムラ
は最大でも±4μm以下、光線透過率は98.5%、レ
ターデーション値の絶対値は全面で3nm以下であっ
た。このシートの水蒸気透過度は25℃、90%RHの
環境下で5.2g/m2・24hr(25μmの厚さに
換算して約12g/m2・24hr)であった。
【0059】離型膜(藤森工業社製、バイナシート)の
表面にアクリル系粘着剤(ノガワケミカル社製、DD−
624)をバーコーターを用いて厚さ20μmに塗布
し、80℃で2分間乾燥し、前記熱可塑性飽和ノルボル
ネン系樹脂シートに転写した。次いで、ヨウ素を吸着さ
せて一軸延伸したPVA系偏光膜(厚さ約100μm)
の両面に、アクリル系粘着剤層を介して前記転写シート
を貼り付け、90℃で2分間保ち、5kg/cm2加圧
して接着した。
【0060】接着直後と、80℃、90RH%で1時間
保持、−40℃で1時間保持を交互に繰り返すヒートサ
イクルを200サイクル繰り返した後に、粘着強度を測
定し、その結果を表1に示した。また、前記転写シート
と前記熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートをアクリ
ル系粘着剤層を介して貼り合わせ、90℃で2分間保
ち、5kg/cm2加圧して接着した。接着直後とヒー
トサイクルを200サイクル繰り返した後に、光線透過
率を測定し、その結果を表1に示した。
【0061】[比較例1]PVA系偏光膜の両面に、熱
可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートにアクリル系粘着
剤を転写したものである実施例1の転写シートを貼り付
けた後、加熱せずに、室温で2分間保持し、5kg/c
2で加圧して接着し、実施例1と同様に接着強度を測
定した。結果を表1に示す。また、この転写シートと熱
可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートを接着し、実施例
1と同様に光線透過率を測定した。
【0062】[比較例2]粘着剤として、特殊合成ゴム
粘着剤(ノガワケミカル社製、DA−753)を使用し
たこと以外は、比較例1と同様にした。
【0063】[比較例3]粘着剤として、ホットメルト
接着剤(DH−597A、ノガワケミカル社製)を使用
したこと以外は、比較例1と同様にした。
【0064】
【表1】
【0065】[実施例2]ベンゾフェノン系紫外線吸収
剤(共同薬品社製、Viosorb 110)とベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤(共同薬品社製、Vios
orb 583)を重量比で8:2に混合し、アクリル
系粘着剤(ノガワケミカル社製、DD−624;樹脂濃
度47%)に対し4.7%の割合で添加したものを粘着
剤として用いたこと以外は、実施例1と同様にして、P
VA系シートの両面に転写シートを接着した複合シー
ト、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートに転写シー
トを接着したシートを作製した。
【0066】得られた複合シートの粘着強度は、接着直
後も、ヒートサイクル試験後も、5.3kg/25mm
であり、紫外線吸収剤無添加の場合との差は認められな
かった。熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートに転写
シートを接着したシートの波長約420〜700nmで
の光線透過率は、紫外線吸収剤無添加のものとの差が認
められなかったが、波長400nmでは約89.9%と
低く、さらに、波長380nmでは約50%、波長23
0〜350nmでは0%であった。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、PVA系シートと熱可
塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートを積層してなる透明
性、高温高湿での耐久性、耐熱性、物理的強度などに優
れた複合シートが提供される。本発明の複合シートは、
層間接着性に優れているとともに、熱可塑性飽和ノルボ
ルネン系樹脂シートの本来有する低複屈折性、耐湿性、
耐水性、耐熱性、物理的強度等の特性を有しているた
め、各種分野における偏光フィルムなどとして有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小原 禎二 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1 号 日本ゼオン株式会社 研究開発セン ター内 (72)発明者 夏梅 伊男 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1 号 日本ゼオン株式会社 研究開発セン ター内 (56)参考文献 特開 昭63−110420(JP,A) 特開 平2−256003(JP,A) 特開 昭61−272216(JP,A) 特開 昭61−271308(JP,A) 特開 昭62−181365(JP,A) 日東技報(創立70周年記念号)Vo l.26 No.2<Dec.1988>p. 177−181 化学工業 化学工業社 1991年2月号 p.20−26 光メモリシンポジウム ’88論文集 p.15−16 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール系シートの少なく
    とも一面に、アクリル系粘着剤層を介して熱可塑性飽和
    ノルボルネン系樹脂シートが積層され、加熱圧着されて
    なることを特徴とする複合シート。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコール系シートが偏光膜
    である請求項1記載複合シート。
JP04054344A 1992-02-05 1992-02-05 複合シート Expired - Fee Related JP3132122B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04054344A JP3132122B2 (ja) 1992-02-05 1992-02-05 複合シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04054344A JP3132122B2 (ja) 1992-02-05 1992-02-05 複合シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05212828A JPH05212828A (ja) 1993-08-24
JP3132122B2 true JP3132122B2 (ja) 2001-02-05

Family

ID=12968007

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04054344A Expired - Fee Related JP3132122B2 (ja) 1992-02-05 1992-02-05 複合シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3132122B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008010497A1 (fr) * 2006-07-18 2008-01-24 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Film retard, film améliorant la luminance, plaque de polarisation, procédé de fabrication d'un film retard et dispositif d'affichage à cristaux liquides

Families Citing this family (37)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5516456A (en) * 1994-02-24 1996-05-14 Japan Synthetic Rubber Co., Ltd. Liquid crystal display panel
NL9400326A (nl) * 1994-03-03 1995-10-02 Sallmetall Bv Werkwijze voor het vervaardigen van een laminaat, waarin een afbeelding is opgenomen, alsmede met die werkwijze vervaardigd laminaat.
JPH08254670A (ja) * 1995-03-17 1996-10-01 Tsutsunaka Plast Ind Co Ltd 偏光板
US5833878A (en) * 1996-02-14 1998-11-10 Jsr Corporation Liquid crystal display panel
KR100743421B1 (ko) 1999-12-28 2007-07-30 군제 가부시키가이샤 편광판
WO2001048519A1 (fr) * 1999-12-28 2001-07-05 Gunze Co., Ltd Plaque de polarisation
KR100743422B1 (ko) * 1999-12-28 2007-07-30 군제 가부시키가이샤 편광판 및 그것을 사용한 액정표시장치
JP4897137B2 (ja) * 2000-05-22 2012-03-14 Jsr株式会社 偏光板
JP2001350018A (ja) * 2000-06-05 2001-12-21 Nitto Denko Corp 光学補償フィルム、偏光板及びそれを用いた液晶表示装置
US7015276B2 (en) 2000-10-02 2006-03-21 Sekisui Chemical Co., Ltd. Melt-moldable thermoplastic norbornene resin composition and molded article and optical film both comprising the same
JP2002303725A (ja) * 2001-04-06 2002-10-18 Nitto Denko Corp 偏光フィルム、偏光フィルムを用いた光学フィルムおよび液晶表示装置
JP4597418B2 (ja) * 2001-04-27 2010-12-15 株式会社カネカ 光学フィルムの製造方法
JP4700219B2 (ja) * 2001-05-11 2011-06-15 株式会社カネカ 偏光子保護フィルムおよび偏光板
JP4700220B2 (ja) * 2001-05-11 2011-06-15 株式会社カネカ 偏光子保護フィルムおよび偏光板
JP2003043252A (ja) 2001-07-31 2003-02-13 Sekisui Chem Co Ltd 偏光子保護フィルム
US7110177B2 (en) 2002-01-18 2006-09-19 Nitto Denko Corporation Polarizing film and image display
JP4623257B2 (ja) * 2002-03-25 2011-02-02 日本ゼオン株式会社 光学用フィルムおよびその製造方法
KR100969433B1 (ko) 2002-11-14 2010-07-14 제이에스알 가부시끼가이샤 노르보르넨계 개환 중합체
JP4692868B2 (ja) * 2003-03-20 2011-06-01 日本ゼオン株式会社 液晶プロジェクタ用広帯域1/2波長板、その製造方法および液晶プロジェクタ
WO2004101478A1 (ja) 2003-05-14 2004-11-25 Jsr Corporation ノルボルネン系誘導体、ノルボルネン系開環(共)重合体ならびに該開環(共)重合体の製造方法
JP2005222013A (ja) * 2004-01-06 2005-08-18 Nitto Denko Corp 偏光板の製造方法、偏光板、光学フィルムおよび画像表示装置
US20080007828A1 (en) * 2004-05-11 2008-01-10 Naoki Tsujiuchi Polarizer Protective Film, Polarizing Plate and Image Display
US20070211334A1 (en) * 2004-05-11 2007-09-13 Nitto Denko Corporation Polarizer protective film, polarizing plate and image display
JP5329699B2 (ja) * 2006-06-28 2013-10-30 日東電工株式会社 粘着型光学フィルムおよび画像表示装置
JP2008129258A (ja) 2006-11-20 2008-06-05 Nitto Denko Corp 偏光板の製造方法、偏光板、光学フィルムおよび画像表示装置
JP2009244734A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Nippon Zeon Co Ltd 光学部材、輝度向上フィルム、製造方法及び液晶表示装置
JP2010053310A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Nitto Denko Corp レーザーハーフカット加工品の製造方法
JP2010224512A (ja) * 2009-02-24 2010-10-07 Sumitomo Chemical Co Ltd Tnモード液晶パネル
JP2010170131A (ja) * 2010-01-18 2010-08-05 Jsr Corp 偏光板
JP2012207055A (ja) * 2011-03-29 2012-10-25 Lintec Corp 光学用箔状粘着剤および光学用粘着シート
JP2012014187A (ja) * 2011-09-15 2012-01-19 Konica Minolta Holdings Inc 偏光板及び表示装置
CN103192567B (zh) * 2012-01-09 2016-05-11 佛山金万达科技股份有限公司 热塑性树脂薄膜层合物及其制备方法
EP3660555A4 (en) 2017-07-25 2021-05-12 Zeon Corporation LAMINATE
KR102511353B1 (ko) 2017-07-25 2023-03-16 니폰 제온 가부시키가이샤 적층체
JP7188386B2 (ja) 2017-07-25 2022-12-13 日本ゼオン株式会社 偏光板及び表示装置の製造方法
JP2019032385A (ja) * 2017-08-07 2019-02-28 セイコーエプソン株式会社 偏光素子及びプロジェクター
JP2019032386A (ja) * 2017-08-07 2019-02-28 セイコーエプソン株式会社 偏光素子及びプロジェクター

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
光メモリシンポジウム ’88論文集 p.15−16
化学工業 化学工業社 1991年2月号 p.20−26
日東技報(創立70周年記念号)Vol.26 No.2<Dec.1988>p.177−181

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008010497A1 (fr) * 2006-07-18 2008-01-24 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Film retard, film améliorant la luminance, plaque de polarisation, procédé de fabrication d'un film retard et dispositif d'affichage à cristaux liquides

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05212828A (ja) 1993-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3132122B2 (ja) 複合シート
JP3297450B2 (ja) 液晶ディスプレイ用偏光フィルム
WO2018225542A1 (ja) 位相差層付偏光板および画像表示装置
JP3220478B2 (ja) 液晶ディスプレイ用位相板
KR101107533B1 (ko) 표면 보호 필름 부착 편광판, 표면 보호 필름 부착 액정 패널, 및 화상 표시 장치
KR101685715B1 (ko) 액정 표시 장치
JP2007534010A (ja) 二軸光学ポリノルボルネン系フィルム及びその製造方法、それを具備した一体型光学補償偏光板及びその製造方法、及びそのフィルム及び/または偏光板を備える液晶表示装置
WO2001048519A1 (fr) Plaque de polarisation
JP2008158181A (ja) 偏光板および画像表示装置
JP6043315B2 (ja) 偏光子保護フィルム、その製造方法、偏光板、光学フィルムおよび画像表示装置
JP2007292872A (ja) 偏光板の製造方法
JP2000249832A (ja) 偏光フィルム、偏光板及び光学部材
TW380096B (en) Cyclic olefin polymeric moisture barriers for polarizer applications
JP3404027B2 (ja) 液晶ディスプレイ用偏光フィルムの製造方法
JP2001174637A (ja) 偏光板保護フィルム及び偏光板
JP2008233768A (ja) 偏光板の製造方法、偏光板、および画像表示装置
JP2000266932A (ja) 偏光板保護フィルム及びそれを用いた偏光板
TWI724436B (zh) 偏光薄膜、附黏著劑層之偏光薄膜及影像顯示裝置
JP2008089725A (ja) 偏光板の製造方法、偏光板、および画像表示装置
JP2008261914A (ja) 偏光板
JP2005091900A (ja) 光学フィルム、偏光板、位相差フィルム及び液晶表示装置
JP4047609B2 (ja) 偏光板および偏光板の製造方法
JP2005242171A (ja) 偏光子保護フィルム及び偏光板
JP2003315543A (ja) 偏光板の製造方法
JP2001272535A (ja) 偏光板保護フィルム及び偏光板

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071124

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081124

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081124

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091124

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees