JP2012014187A - 偏光板及び表示装置 - Google Patents

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JP2012014187A JP2011201377A JP2011201377A JP2012014187A JP 2012014187 A JP2012014187 A JP 2012014187A JP 2011201377 A JP2011201377 A JP 2011201377A JP 2011201377 A JP2011201377 A JP 2011201377A JP 2012014187 A JP2012014187 A JP 2012014187A
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邦夫 清水
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浩一 齋藤
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Abstract

【課題】本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、色再現性に優れ、紫外線照射の耐久性にも優れた光学フィルム及び偏光板及び表示装置を提供すること。
【解決手段】偏光素子を両側からサンドイッチする形で光学フィルムが配置された偏光板において、一方の側に配置された光学フィルムは一般式〔1〕または〔2〕で示される紫外線吸収剤を1mあたり0.3g以上3.0g以下で含有して390nmにおける分光透過率が50%以上95%以下で、350nmにおける分光透過率が5%以下とされ、他方の側に配置された光学フィルムには、紫外線吸収剤が全く含まれず、前記紫外線吸収剤を含有する光学フィルムを偏光素子の外側として反射型または半透過型液晶表示装置の外側に配置されることを特徴とする偏光板。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学用途に利用されるフィルムに関するものであり、中でも、液晶表示装置等に用いられる偏光板用保護フィルム、これを用いた偏光板及び表示装置に関するものである。
近年、ノートパソコンやモバイル型の携帯端末、携帯電話などに液晶表示装置が用いられるようになってきた。携帯型の液晶表示装置は、一度の充電で長時間使用可能なことが望まれており、省電力化が重要なポイントとなっている。省電力化に適した液晶表示装置として、反射型や半透過型液晶が開発されている。最近では、カラー化されたものも開発されている。反射型や半透過型の液晶はバックライトの代わりに反射板を使用しているため、液晶パネルを光が2回通過する構造になっている。この構造に合わせてカラーフィルタの分光透過率特性も大幅に変更され、全体の透過率をあげる設計となっている。しかし、偏光板は今までの液晶表示装置と同様のものを使用していたため、色の再現性が悪いということが判明した。我々の研究の結果、原因は光学フィルムの分光透過率特性にあることがわかった。光学フィルムは紫外線をカットし、液晶や偏光素子を保護する役目もある。この特性は屋外で使用されることが多い携帯端末には重要な特性である。
紫外線吸収剤を含む光学フィルムは、下記特許文献1、特許文献2などに提案されている。しかしながら、これらの提案では、反射型や半透過型液晶の色再現性と液晶や偏光素子を保護することの両立は不十分であった。我々は鋭意研究の結果、色再現性と液晶や偏光素子を保護することの両立が可能な分光透過率特性を見いだし、本発明に至ったものである。また、色再現性と液晶や偏光素子を保護することの両立が可能な偏光板の構成を見いだし、本発明に至ったものである。
特開2001−72782号公報 特開2001−154017号公報
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、色再現性に優れ、紫外線照射の耐久性にも優れた光学フィルム及び偏光板及び表示装置を提供することにある。
即ち、本発明の上記目的は以下(1)〜(8)の手段により達成される。
1.偏光素子を両側からサンドイッチする形で光学フィルムが配置された偏光板において、一方の側に配置された光学フィルムは下記一般式〔1〕または〔2〕で示される紫外線吸収剤を1mあたり0.3g以上3.0g以下で含有して390nmにおける分光透過率が50%以上95%以下で、350nmにおける分光透過率が5%以下とされ、他方の側に配置された光学フィルムには、紫外線吸収剤が全く含まれず、前記紫外線吸収剤を含有する光学フィルムを偏光素子の外側として反射型または半透過型液晶表示装置の外側に配置されることを特徴とする偏光板。
Figure 2012014187
(式中、R、R、R、R及びRは同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、アシルアミノ基または5〜6員の複素環基を表し、RとRは閉環して5〜6員の炭素環を形成してもよい。)
Figure 2012014187
(式中、Yは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、及びフェニル基を表し、これらのアルキル基、アルケニル基及びフェニル基は置換基を有していてもよい。Aは水素原子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基または−CO(NH)n−1−D基を表し、Dはアルキル基、アルケニル基または置換基を有していてもよいフェニル基を表す。m及びnは1または2を表す。)
2.前記紫外線吸収剤を含有する光学フィルムが、実質的にリン酸エステルを含有しないことを特徴とする前記1に記載の偏光板。
3.前記紫外線吸収剤を含有する光学フィルムが、可塑剤として重量平均分子量300〜1000のポリマーまたはオリゴマーを含むことを特徴とする前記2に記載の偏光板。
4.前記紫外線吸収剤を含有する光学フィルムが、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上である二酸化珪素微粒子を含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の偏光板。
5.前記紫外線吸収剤を含有する光学フィルムが、2次平均粒子径が0.3μm以上、1.5μm以下である二酸化珪素微粒子を含有することを特徴とする前記4に記載の偏光板。
6.前記紫外線吸収剤を含有する光学フィルムが、セルロースエステルを主成分とすることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の偏光板。
7.前記紫外線吸収剤を含有する光学フィルムの膜厚が20〜65μmであることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の偏光板。
8.偏光素子の外側に配置された光学フィルムが下記一般式〔1〕または〔2〕で示される紫外線吸収剤を1mあたり0.3g以上3.0g以下で含有して390nmにおける分光透過率が50%以上95%以下で、350nmにおける分光透過率が5%以下とされ、他方の側に配置された光学フィルムには、紫外線吸収剤が全く含まれない偏光板、液晶層および反射板がこの順で配置されることを特徴とする液晶表示装置。
Figure 2012014187
(式中、R、R、R、R及びRは同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、アシルアミノ基または5〜6員の複素環基を表し、RとRは閉環して5〜6員の炭素環を形成してもよい。)
Figure 2012014187
(式中、Yは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、及びフェニル基を表し、これらのアルキル基、アルケニル基及びフェニル基は置換基を有していてもよい。Aは水素原子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基または−CO(NH)n−1−D基を表し、Dはアルキル基、アルケニル基または置換基を有していてもよいフェニル基を表す。m及びnは1または2を表す。)
なお、以下1〜12は参考とされる手段である。
1.390nmにおける分光透過率が50%以上95%以下であり、かつ350nmにおける分光透過率が5%以下であることを特徴とする光学フィルム。
2.ベンゾフェノン系及びベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤から選ばれる少なくともひとつの紫外線吸収剤を含有することを特徴とする前記1に記載の光学フィルム。
3.実質的にリン酸エステルを含有しないことを特徴とする前記1または2に記載の光学フィルム。
4.1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上である二酸化珪素微粒子を含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
5.2次平均粒子径が0.3以上、1.5μm以下である二酸化珪素微粒子を含有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルム。
6.セルロースエステルを主成分とすることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルム。
7.膜厚が20〜65μmであることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルム。
8.偏光素子を両側からサンドイッチする形で光学フィルムが配置された偏光板において、一方の側に配置された光学フィルムに含まれる紫外線吸収剤の量が1mあたり0.3g以上3.0g以下であり、他方の側に配置された光学フィルムには、実質的に紫外線吸収剤を含まれないことを特徴とする偏光板。
9.偏光素子を両側からサンドイッチする形で光学フィルムが配置された偏光板において、少なくとも一方の側に前記1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルムが配置されていることを特徴とする偏光板。
10.前記1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルムを用いたことを特徴とする表示装置。
11.前記8または9記載の偏光板を用いたことを特徴とする表示装置。
12.反射型または半透過型の表示装置であることを特徴とする前記10または11に記載の表示装置。
液晶表示装置等に用いられる偏光板に利用することができる光学フィルムまた偏光板それを用いた表示装置が得られた。
反射型TFTカラー液晶パネルの断面模式図である。 フィルムの溶液流延製膜法の好ましい一例を示す模式図である。 本発明の光学フィルムと従来の光学フィルムの透過率特性を示す図である。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
透過型の液晶表示装置に使用される偏光板は、一般的に2枚の光学フィルムで偏光子をサンドイッチする構造になっている。この光学フィルムは理想的には380nm未満の紫外線をすべて吸収し、380nm以上の可視光の吸収がないものであるが、これは現実的には困難であるため、実質的には370nm以下の紫外線吸収性能に優れた光学フィルムが使用されてきた。しかし、この光学フィルムは可視領域である390nmでの透過率が30%程度と低いものであった。反射型や半透過型液晶の場合、390nmでの透過率が低いことによって黄色っぽく見え、色バランスを悪くしてしまうことがわかった。これは反射型や半透過型の液晶パネルが反射板によって光を反射する構造であり、そのため光が偏光板を2度通過することによって強調されてしまい生じる問題である。
一方、可視領域の透過率をあげるために、光学フィルムから紫外線吸収剤をぬいてしまうと、偏光子や液晶素子が紫外線によって劣化してしまう。
我々は研究の結果、従来の光学フィルムとはかえて、390nmにおける分光透過率を50%以上95%以下にし、350nmにおける分光透過率を5%以下にすることによって、偏光子や液晶素子の劣化がなく、色バランスの良い色再現性に優れた光学フィルムを得られることを見いだした。390nmの分光透過率が70%以上95%以下がさらに好ましく、80%以上95%以下が最も好ましい。350nmの透過率は4%以下がさらに好ましく、3%以下が最も好ましい。従来の光学フィルムに比べて360〜370nm近傍の近紫外領域のカット性能は分光透過率曲線等からみるとやや落ちるものの、反射型や半透過型の液晶パネルとしたときの黄色に着色し、色バランスを悪くするという問題に本発明の光学フィルムは、非常に有効であり、且つ偏光子や液晶素子等の劣化を充分防ぐことができることを見いだした。390nmの分光透過率が高いほど色再現性に優れ、350nmの分光透過率が低いほど偏光子や液晶素子の劣化を防ぐことができる。
光学フィルムに含まれる紫外線吸収剤の種類と添加量を調整することで、光学フィルムの分光透過率を上記の範囲にすることができる。
また、我々は反射型や半透過型の液晶パネル構成に着目し、図1に示す偏光板の偏光子の内側(即ち、液晶素子の側)に配置される光学フィルム2には、紫外線吸収剤を実質的に含ませないことで、色再現性が良いと同時に、偏光子や液晶素子の劣化が防げることをみいだした。
図1は、反射型TFTカラー液晶パネルの断面模式図であり、光学フィルム1及び光学フィルム2に偏光子がサンドイッチされた構成の偏光板及び基板となるガラス、カラーフィルタ、液晶層、反射板及び基板ガラスからなる反射型液晶パネルの構成の一例を示したものである。
つまり、外光に含まれる有害な紫外線は、偏光板の偏光子の外側に配置される光学フィルム1で吸収し、偏光子の内側に配置される光学フィルム2は可視領域の透過率に優れるものを使用することで、光学フィルムの機能を分離することができる。このため、該偏光板を使用した表示装置の色再現性が良く偏光子や液晶素子の劣化を防ぐことができる。
偏光子の外側に配置される光学フィルムに含まれる紫外線吸収剤の量は1mあたり0.3g以上2.0g以下が好ましく、0.5g以上1.5g以下がさらに好ましく、0.7g以上1.2g以下が最も好ましい。偏光子の内側に配置される光学フィルムに紫外線吸収剤を実質的に含まないことが好ましい。実質的に含まないとは、1mあたりに含まれる紫外線吸収剤の量が0.2g以下であり、0.1g以下がさらに好ましく、全く含まないことが最も好ましい。
本発明の光学フィルムは、セルロースエステルを主成分とするフィルムであることが好ましく、セルロースエステルを主成分とするということは、セルロースエステルが、フィルムを構成する全成分の少なくとも50%以上を構成していることであり、以下に述べる様なセルロースエステルフィルムである。
以下に、本発明において好ましい態様であるセルロースエステルフィルムの製造方法について説明する。
本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法に用いられる好ましい製膜工程は、下記に示す溶解工程、流延工程、溶媒蒸発工程、剥離工程、乾燥工程及び巻き取り工程からなる。以下に各々の工程を説明する。
《溶解工程》
本発明において、セルロースエステル溶液のことをセルロースエステルドープまたは単にドープという。当該溶解工程は、セルロースエステルのフレークに、後述の良溶媒を主とする有機溶媒に溶解釜中で該フレークを攪拌しながら溶解し、ドープを形成する工程である。
本発明では、ドープ中の固形分濃度は15質量%以上に調整することが好ましく、特に18〜35質量%のものが好ましく用いられる。
ドープ中の固形分濃度が高すぎるとドープの粘度が高くなりすぎ、流延時にシャークスキンなどが生じてフィルム平面性が劣化する場合があるので、35質量%以下であることが望ましい。
ドープ粘度は10〜50Pa・sの範囲に調整されることが好ましい。
溶解には、常圧で行う方法、好ましい有機溶媒(即ち、良溶媒)の沸点以下で行う方法、上記の良溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、冷却溶解法で行う方法、高圧で行う方法等種々の溶解方法等がある。良溶媒の沸点以上の温度で、かつ沸騰しない圧力をかけて溶解する方法としては、40.4〜120℃で0.11〜1.50MPaに加圧することで発泡を抑え、かつ、短時間に溶解することができる。
本発明に用いられるセルロースエステルとしては、セルロースの低級脂肪酸エステルが好ましく用いられる。
セルロースエステルの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等、又特開平10−45804号、同8−231761号、米国特許第2,319,052号等に記載されているセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルなどがセルロースの低級脂肪酸エステルの例として挙げられる。
上記脂肪酸の中でも、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられるが、本発明のセルロースエステルフィルムの場合には、フィルム強度の観点から、特に重合度250〜400のものが好ましく用いられる。
セルロースエステルのアシル基の置換度の測定方法としては、ASTM−D−817−96に準じて実施することができる。
本発明のセルロースエステルフィルムは総置換度が2.5〜3.0のセルロースエステルが好ましく用いられるが、特に総置換度が2.55〜2.85のセルロースエステルが好ましく用いられる。総置換度が2.55以上になるとフィルムの機械強度が増加し、2.85以下であるとセルロースエステルの溶解性が向上したり、異物の発生が低減されるため、より好ましい。
セルロースアセテートプロピオネートの場合、アセチル基置換度をX、プロピオニル基置換度をYとすると
2.55≦X+Y≦2.85
1.5≦X≦2.4
の範囲にあるものが好ましく用いられる。
セルロースエステルは綿花リンターから合成されたセルロースエステルと木材パルプから合成されたセルロースエステル、それ以外の原料から合成されたセルロースエステルを単独或いは混合して用いることができる。
ドープを作製する際に使用される溶媒としては、セルロースエステルを溶解できる溶媒であれば特に限定はされないが、又単独で溶解できない溶媒であっても他の溶媒と混合することにより、溶解できるものであれば使用することができる。一般的には良溶媒であるメチレンクロライドとセルロースエステルの貧溶媒からなる混合溶媒を用い、かつ混合溶媒中には貧溶媒を4〜30質量%含有するものが好ましく用いられる。
この他、使用できる良溶媒としては、例えばメチレンクロライド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等を挙げることができるが、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物、ジオキソラン誘導体、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン等が好ましい有機溶媒(即ち、良溶媒)として挙げられる。酢酸メチルを用いると、得られるフィルムのカールが少なくなるため特に好ましい。
セルロースエステルの貧溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等の炭素原子数1〜8のアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、モノクロルベンゼン、ベンゼン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができ、これらの貧溶媒は単独もしくは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明のセルロースエステルフィルムの製造において、セルロースエステルを溶解する際に冷却溶解法を用いることも好ましい。冷却溶解方法としては、例えば特開平9−95538号、同9−95544号、同9−95557号に記載の方法を使用することができる。又、特開平11−21379号に記載の高圧溶解方法も好ましく使用できる。
溶解後セルロースエステル溶液(ドープ)を濾材で濾過し、脱泡してポンプで次工程に送ることが好ましく、又、その際、ドープ中には、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、微粒子等が好ましく添加される。
これらの添加物は、セルロースエステル溶液の調製の際に、セルロースエステルや溶媒と共に添加してもよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。
本発明のセルロースエステルフィルムには可塑剤として、重量平均分子量Mw300〜1000のポリマーまたはオリゴマーを含んでいることが好ましく、Mw300〜500がさらに好ましい。
MwはGPC(Gel Permeation Chromatography)を用いて通常の方法で測定することができる。
可塑剤として用いられるポリマーの添加量は特に限定されないが、セルロースエステルに対して10〜50質量%含有することが好ましく、15〜45質量%がより好ましく、15〜30質量%がさらに好ましい。
本発明に用いられる可塑剤として用いられるポリマーの種類は特に限定されないが、ポリエステル、ポリエステルエーテル、ポリエステルウレタン、ポリウレタン、ビニルポリマー、アクリル酸ポリマー、メタクリル酸ポリマー、およびこれらの共重合体などがあげられる。これらのポリマーの中でも、ポリエステル、ポリエステルエーテル、ビニルポリマーが特に好ましい。
ポリエステルの種類は特に限定されないが、例えば以下のようなものを好ましく用いることができる。好ましい多塩基性酸としてはアジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、またはそれらの組み合わせたものなどをあげることができる。好ましい多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、またはそれらの組み合わせたものなどをあげることができる。ポリマーの末端は1価の酸または1価のアルコールで修飾しても良い。
ポリエステルエーテルの種類は特に限定されないが、例えば上記ポリエステルとエーテル単位を組み合わせたものや、上記二塩基性酸とエーテル単位を重合したポリエステルエーテルなどを好ましく用いることができる。エーテル単位としては特に限定されないが、例えばポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレンエーテルグリコール、またはそれらの組み合わせたものなどをあげることができる。ポリマーの末端は1価の酸または1価のアルコールで修飾しても良い。
本発明において、ポリマー以外に低分子の可塑剤を添加してもよい。本発明に用いることのできる低分子の可塑剤としては特に限定されないが、例えばフタル酸エステル系可塑剤、グリコレート系可塑剤などを好ましく用いることができる。フタル酸エステル系可塑剤では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジベンジルフタレート、グリコレート系可塑剤ではブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート等を好ましく用いることができる。これらの可塑剤は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
本発明においては、実質的にリン酸エステルを含まないことが好ましい。実質的に含まないとは、固形分に対して、3質量%以下であり、1質量%以下であることがさらに好ましく、全く含まないことが最も好ましい。リン酸エステルを含まない方が、高温多湿下のフィルムの分解耐久性に優れる。
リン酸エステルを含む化合物としては。リン酸エステル系可塑剤があげられ、具体的には、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等が挙げられる。
低分子可塑剤の使用量は、フィルム性能、加工性等の点で、セルロースエステルに対して0〜20質量%が好ましい。液晶表示部材用としては、寸法安定性の観点から1〜15質量%がさらに好ましく、特に好ましくは、2〜12質量%である。
加工性とはベースフィルムや液晶表示部材をスリット加工や打ち抜き加工する際の加工のしやすさのことで、加工性が悪いと切断面がノコギリ状になり切り屑が発生し、製品に付着して異物故障となるため好ましくない。
フィルム中に、一般に用いられる紫外線吸収剤としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物などがあげられる。
本発明においては、紫外線吸収剤としてベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物が紫外線照射した時の耐久性が優れるため特に好ましく、不要な着色のないベンゾトリアゾール系化合物が最も好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては下記一般式〔1〕で示される化合物が好ましく用いられる。
Figure 2012014187
式中、R、R、R、R及びRは同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、アシルアミノ基または5〜6員の複素環基を表し、RとRは閉環して5〜6員の炭素環を形成してもよい。
以下に本発明に用いられる紫外線吸収剤の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
UV−1:2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−2:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−3:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−4:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−5:2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−6:2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)
また、ベンゾトリアゾール構造を含むポリマーも好ましく用いることができる。例えば、大塚化学から市販されている高分子紫外線吸収剤PUVA−30Mなどが好ましく使用することができる。
また本発明で用いられる紫外線吸収剤のひとつであるベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては下記一般式〔2〕で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 2012014187
式中、Yは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、及びフェニル基を表し、これらのアルキル基、アルケニル基及びフェニル基は置換基を有していてもよい。Aは水素原子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基または−CO(NH)n−1−D基を表し、Dはアルキル基、アルケニル基または置換基を有していてもよいフェニル基を表す。m及びnは1または2を表す。
上記において、アルキル基としては例えば、炭素数24までの直鎖または分岐の脂肪族基を表し、アルコキシ基としては例えば、炭素数18までのアルコキシ基で、アルケニル基としては例えば、炭素数16までのアルケニル基で例えばアリル基、2−ブテニル基などを表す。又、アルキル基、アルケニル基、フェニル基への置換分としてはハロゲン原子、例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子など、ヒドロキシル基、フェニル基、(このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン原子などを置換していてもよい)などが挙げられる。
以下に一般式〔2〕で表されるベンゾフェノン系化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
UV−7:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
UV−8:2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
UV−9:2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン
UV−10:ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)
又、本発明においては、フィルムの色味を調整するために例えば青色染料等を添加剤として用いてもよい。好ましい染料としてはアンスラキノン系染料が挙げられる。アンスラキノン系染料は、アンスラキノンの1位から8位迄の位置に任意の置換基を有することができる。好ましい置換基としては、置換されても良いアニリノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、または水素原子が挙げられる。これらの染料のフィルムへの添加量はフィルムの透明性を維持するため0.1〜1000μg/m、好ましくは10〜100μg/mである。
本発明に用いられる光学フィルムには、マット剤として微粒子を加えることが好ましい。本発明に使用される微粒子としては無機化合物の例として、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子はケイ素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。二酸化珪素の微粒子は、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上であるものが好ましい。1次粒子の平均径が5〜16nmがより好ましく、5〜12nmがさらに好ましい。1次粒子の平均径が小さい方がヘイズが低く好ましい。見かけ比重は90〜200g/リットル以上が好ましく、100〜200g/リットル以上がさらに好ましい。見かけ比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
これらの微粒子は、通常平均粒子径が0.1〜3.0μmの2次粒子を形成し、これらの微粒子はフィルム中では、1次粒子の凝集体として存在し、フィルム表面に0.1〜3.0μmの凹凸を形成させる。2次平均粒子径は0.3μm以上1.5μm以下が好ましく、0.5μm以上1.2μm以下がさらに好ましく、0.8μm以上1.1μm以下が最も好ましい。
本発明における粒子径はフィルム中の粒子を走査型電子顕微鏡で粒子を観察し、粒子に外接する円の直径をもって粒径とした。また、場所をかえて粒子100個を観察し、その平均値をもって平均粒子径とした。
マット剤の添加量は1mあたり0.01〜1.0gが好ましく、0.03〜0.3gがさらに好ましく、0.08〜0.16gが最も好ましい。
二酸化珪素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
本発明に使用されるその他の微粒子としては、
例えば、ポリマーの例として、シリコーン樹脂、弗素樹脂及びアクリル樹脂を挙げることができる。シリコーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上東芝シリコーン(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でアエロジル200V、アエロジルR972Vが1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上である二酸化珪素の微粒子であり、光学フィルムの濁度を低く保ちながら、摩擦係数をさげる効果が大きいため特に好ましい。
本発明のセルロースエステルフィルムを得るため、微粒子の分散液を調製する方法としては、例えば以下に示すような3種類が挙げられる。
《調製方法A》
溶剤と微粒子を撹拌混合した後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とする。微粒子分散液をドープ液に加えて撹拌する。
《調製方法B》
溶剤と微粒子を撹拌混合した後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とする。別に溶剤に少量のセルロースエステルを加え、撹拌溶解する。これに前記微粒子分散液を加えて撹拌する。これを微粒子添加液とする。微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する。
《調製方法C》
溶剤に少量のセルロースエステルを加え、撹拌溶解する。これに微粒子を加えて分散機で分散を行う。これを微粒子添加液とする。微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する。
調製方法Aは二酸化珪素微粒子の分散性に優れ、調製方法Cは二酸化珪素微粒子が再凝集しにくい点で優れている。中でも、上記の調製方法Bは二酸化珪素微粒子の分散性と、二酸化珪素微粒子がさらに再凝集しにくい等、両方に優れている好ましい調製方法である。
《分散方法》
二酸化珪素微粒子を溶剤などと混合して分散するときの二酸化珪素の濃度は5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%がさらに好ましく、15〜20質量%が最も好ましい。分散濃度は高い方が、添加量に対する液濁度は低くなる傾向があり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
使用される溶剤は低級アルコール類としては、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の溶媒としては特に限定されないが、セルロースエステルの製膜時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
このようにして得られたドープを用い、以下に説明する流延工程を経てセルロースエステルフィルムを得ることができる。
《流延工程》
ドープを加圧型定量ギヤポンプを通して加圧ダイに送液し、流延位置において、無限に移送する無端の金属ベルト或いは回転する金属ドラムの流延用支持体(以降、単に支持体ということもある)上に加圧ダイからドープを流延する工程である。流延用支持体の表面は鏡面となっている。
その他の流延する方法は流延されたドープ膜をブレードで膜厚を調節するドクターブレード法、或いは逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等があるが、口金部分のスリット形状を調製でき、膜厚を均一にし易い加圧ダイが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があるが、いずれも好ましく用いられる。
製膜速度をあげるために加圧ダイを流延用支持体上に2基以上設け、ドープ量を分割して重層してもよい。或いはダイの内部をスリットで分割し、組成の異なる複数のドープ液を同時に流延(共流延ともいう)して、積層構造のセルロースエステルフィルムを得ることもできる。
このように、得られたドープをベルトまたはドラム等の支持体上に流延し、製膜するが、本発明は特にベルトを用いた溶液流延製膜法で特に有効である。これは後述のように支持体上での乾燥条件を細かく調整することが容易だからである。
《溶媒蒸発工程》
ウェブ(本発明においては、流延用支持体上にドープを流延し、形成されたドープ膜をウェブと呼ぶ)を流延用支持体上で加熱し溶媒を蒸発させる工程である。溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風を吹かせる方法及び/または支持体の裏面から液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等があるが、裏面液体伝熱の方法が乾燥効率が好ましい。又それらを組み合わせる方法も好ましい。流延後の支持体上のウェブを40〜100℃の雰囲気下、支持体上で乾燥させることが好ましい。40〜100℃の雰囲気下に維持するにはこの温度の温風をウェブ上面にあてるか赤外線等の手段により加熱することが好ましい。
特に本発明のセルロースエステルフィルムは、流延から30〜90秒以内で該ウェブを支持体から剥離することが望ましい。30秒未満で剥離するとフィルムの面品質が低下するだけでなく、透湿性の点でも好ましくない。90秒を越えて乾燥させると剥離性が悪化することなどによる面品質の低下や、フィルムに強いカールが発生するため好ましくない。
《剥離工程》
支持体上で溶媒が蒸発したウェブを、剥離位置で支持体から剥離する工程である。剥離されたウェブは次工程に送られる。剥離する時点でのウェブの残留溶媒量(下記式)があまり大き過ぎると剥離し難かったり、逆に支持体上で充分に乾燥させてから剥離すると、途中でウェブの一部が剥がれたりする。
支持体上の剥離位置における温度は、好ましくは10〜40℃であり、さらに好ましくは11〜30℃である。該剥離位置におけるウェブの残留溶媒量は25〜120質量%が好ましく、さらに好ましくは40〜100質量%である。
本発明に係るウェブの残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量=(ウェブの加熱処理前質量−ウェブの加熱処理後質量)/(ウェブの加熱処理後質量)×100%
尚、残留溶媒量を測定する際の加熱処理とは、115℃で1時間の加熱処理を行うことを表す。
上記のように剥離時の残留溶媒量を調整するには、流延後の流延用支持体の表面温度を制御し、ウェブからの有機溶媒の蒸発を効率的に行えるように、流延用支持体上の剥離位置における温度を上記の温度範囲に設定することが好ましい。支持体温度を制御するには、伝熱効率のよい伝熱方法を使用するのがよく、例えば、液体による裏面伝熱方法が好ましい。
輻射熱や熱風等による伝熱方法は支持体温度のコントロールが難しく、好ましい方法とはいえないが、ベルト(支持体)マシンにおいて、移送するベルトが下側に来た所の温度制御には、緩やかな風でベルト温度を調節することができる。
支持体の温度は、加熱手段を分割することによって、部分的に支持体温度を変えることができ、流延用支持体の流延位置、乾燥部、剥離位置等異なる温度とすることができる。
製膜速度をあげる方法(残留溶媒量ができるだけ多いうちに剥離するため製膜速度をあげることができる)として、残留溶媒が多くとも剥離できるゲル流延法(ゲルキャスティング)がある。
それは、ドープ中にセルロースエステルに対する貧溶媒を加えて、ドープ流延後、ゲル化する方法、支持体の温度を低めてゲル化する方法等がある。又、ドープ中に金属塩を加える方法もある。
支持体上でゲル化させ膜を強くすることによって、剥離を早め製膜速度をあげることができる。
残留溶媒量がより多い時点で剥離する場合、ウェブが柔らか過ぎると剥離時平面性を損なったり、剥離張力によるツレや縦スジが発生し易く、経済速度と品質との兼ね合いで剥離残留溶媒量を決められる。支持体とフィルムを剥離する際の剥離張力は、通常196〜245N/mで剥離が行われるが、剥離の際にシワが入り易い場合、190N/m以下で剥離することが好ましく、さらには、剥離できる最低張力〜166.6N/m、次いで、最低張力〜137.2N/mで剥離することが好ましいが、特に好ましくは、最低張力〜100N/mで剥離することである。剥離張力が低いほど面内リターデーションRoが低く保てるため好ましい。面内リターデーションRoは20nm未満であることが好ましく、さらには、10nm未満、次いで、5nm未満であることが好ましいが、最も好ましくは0〜1nmである。
本発明において、面内リターデーションRoは自動複屈折率計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、590nmの波長において、三次元屈折率測定を行い、得られた屈折率nx、ny、nzから算出することができる。又、膜厚方向のリターデーション値Rtは0〜300nmのものが得られ、さらに好ましくは0〜150nm、より好ましくは0〜70nmのものが用途に応じて好ましく得られる。
Ro=(nx−ny)×d
Rt=((nx−ny)/2−nz)×d
本発明のセルロースエステルフィルムは、遅相軸方向と製膜方向とのなす角度θ(ラジアン)と面内方向のリターデーションRoが下記の関係にあり、特に偏光板用保護フィルム等の光学フィルムとして好ましく用いられる。
P≦1−sin(2θ)×sin(πRo/λ)
P=0.9999
nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率、nzはフィルムの厚み方向の屈折率であり、dはフィルムの膜厚(nm)である。θはフィルム面内の遅相軸方向と製膜方向(フィルムの直尺方向)とのなす角度(ラジアン)、λは上記nx、ny、nz、θを求める三次元屈折率測定の際の光の波長590nm、πは円周率である。
《乾燥工程》
ウェブを千鳥状に配置したロールに交互に通して搬送する乾燥装置及び/またはクリップまたはピンでウェブの両端を保持して搬送するテンター装置を用いて巾保持しながら、ウェブを乾燥する工程である。乾燥工程における搬送張力も可能な範囲で低めに維持することがRoが低く維持できるため好ましく、190N/m以下であることが好ましい。さらに好ましくは170N/m以下であることが好ましく、さらに好ましくは140N/m以下であることが好ましく、100〜130N/mであることが特に好ましい。特に、フィルム中の残留溶媒量が少なくとも5質量%以下となるまで上記搬送張力以下に維持することが効果的である。
乾燥の手段はウェブの両面に熱風を吹かせるのが一般的であるが、風の代わりにマイクロウェーブをあてて加熱する手段もある。あまり急激な乾燥は出来上がりのフィルムの平面性を損ね易い。高温による乾燥は残留溶媒が8質量%以下くらいから行うのがよい。全体を通し、乾燥温度は概ね40〜250℃で行われる。特に40〜160℃で乾燥させることが好ましい。
流延用支持体面から剥離した後の乾燥工程では、溶媒の蒸発によってウェブは巾方向に収縮しようとする。高温度で急激に乾燥するほど収縮が大きくなる。
この収縮を可能な限り抑制しながら乾燥することが、出来上がったフィルムの平面性を良好にする上で好ましい。
この観点から、例えば、特開昭62−46625号に示されているような乾燥全工程或いは一部の工程を巾方向にクリップまたはピンでウェブの巾両端を巾保持しつつ乾燥させる方法(テンター方式と呼ばれる)、中でも、クリップを用いるテンター方式、ピンを用いるピンテンター方式が好ましく用いられる。
このとき幅手方向の延伸倍率は0%〜100%であることが好ましく、偏光板保護フィルムとして用いる場合は5%〜20%がさらに好ましく、8%〜15%が最も好ましく、位相差フィルムとして用いる場合は10%〜40%がさらに好ましく、20%〜30%が最も好ましい。延伸倍率によってRoをコントロールすることが可能で、延伸倍率が高い方が出来上がったフィルムの平面性に優れるため好ましい。
テンターを行う場合のウェブの残留溶媒量は、テンター開始時に20〜100質量%であるのが好ましく、且つ、ウェブの残留溶媒量が10質量%以下になるまでテンターをかけながら乾燥を行うことが好ましく、さらに好ましくは5質量%以下である。
テンターを行う場合の乾燥温度は、30〜150℃が好ましく、50〜120℃がさらに好ましく、70〜100℃が最も好ましい。乾燥温度の低い方が紫外線吸収剤、可塑剤などの蒸散が少なく、工程汚染に優れ、乾燥温度の高い方がフィルムの平面性に優れる。一般式(1)で示される紫外線吸収剤は乾燥温度が高い場合でも、蒸散しにくいため、テンター乾燥温度が高く、延伸倍率の高い製造条件のときに、その効果が顕著発揮される。
又、フィルムの乾燥工程においては、支持体より剥離したフィルムをさらに乾燥し、残留溶媒量を0.5質量%以下にすることが好ましく、さらに好ましくは0.1質量%以下であり、さらに好ましくは0〜0.01質量%以下とすることである。
フィルム乾燥工程では一般にロール懸垂方式か、上記のようなピンテンター方式でフィルムを搬送しながら乾燥する方式が採られる。フィルムを乾燥させる手段は特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行う。簡便さの点で熱風で行うのが好ましい。乾燥温度は40〜150℃の範囲で3〜5段階の温度にわけて、段々高くしていくことが好ましく、80〜140℃の範囲で行うことが寸法安定性を良くするためさらに好ましい。
溶液流延製膜法を通しての流延直後から乾燥までの工程において、乾燥装置内の雰囲気を、空気とするのもよいが、窒素ガスや炭酸ガス、アルゴン等の不活性ガス雰囲気で行ってもよい。
ただ、乾燥雰囲気中の蒸発溶媒の爆発限界の危険性は常に考慮されなければならないことは勿論のことである。
《巻き取り工程》
ウェブ中の残留溶媒量が2質量%以下となってからセルロースエステルフィルムとして巻き取る工程であり、残留溶媒量を0.4質量%以下にすることにより寸法安定性の良好なフィルムを得ることができる。
巻き取り方法は、一般に使用されているものを用いればよく、定トルク法、定テンション法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等があり、それらを使いわければよい。
膜厚の調節には、所望の厚さになるように、ドープ濃度、ポンプの送液量、ダイの口金のスリット間隙、ダイの押し出し圧力、流延用支持体の速度等をコントロールするのがよい。
又、膜厚を均一にする手段として、膜厚検出手段を用いて、プログラムされたフィードバック情報を上記各装置にフィードバックさせて調節するのが好ましい。
セルロースエステルフィルムの膜厚は、使用目的によって異なるが、仕上がりフィルムとして、通常5〜500μmの範囲にあり、さらに10〜250μmの範囲が好ましく、特に液晶画像表示装置用フィルムとしては10〜120μmの範囲が用いられる。本発明のセルロースエステルフィルムは特に、10〜60μmの膜厚の薄いフィルムでありながら、透湿性とともに寸法安定にも優れる。
本発明における透湿度とは、JIS Z 0208に記載の方法で測定された値で定義する。透湿度は20〜250g/m・24時間であることが好ましいが、特に20〜200g/m・24時間であることが好ましい。透湿性が、250g/m・24時間を超えた場合では偏光板の耐久性が著しく低下し、逆に20g/m・24時間未満では、偏光板製造時の接着剤に使われている水等の溶媒が乾燥しにくくなり、乾燥時間が長くなるため好ましくない。より好ましくは25〜200g/m・24時間である。
又、本発明のセルロースエステルフィルムでは80℃、90%RHにおける質量変化を少なくすることで、寸法安定性をさらに改善することができる。
本発明のセルロースエステルフィルムでは80℃、90%RHで48時間加熱処理した前後での質量変化率が±2%以内とすることがより好ましく、これによって、透湿度が改善された薄膜フィルムでありながら、寸法変化率も優れたセルロースエステルフィルムを得ることができる。
本発明のセルロースエステルフィルムは、80℃、90%RH雰囲気下で48時間加熱処理した際の寸法変化率はMD方向(フィルムの製膜方向)、TD方向(フィルムの幅手方向)共に±0.5%以内であることが好ましく、さらに±0.3%以内であることが好ましく、さらに±0.1%以内であることが好ましく、さらに±0.05%以内であることが好ましい。
本発明でいう寸法変化率とは、温度や湿度の条件が過酷な状況でのフィルム縦方向及び横方向の寸法変化を表す特性値である。具体的には加熱条件、加湿条件、熱湿条件にフィルムを置いて強制劣化としての、縦、横の寸法変化を測定する。例えば、測定しようとするフィルム試料について、幅手方向150mm×長手方向120mmサイズに断裁し、該フィルム表面に、幅手方向及び長手方向それぞれに100mm間隔で2ヶ所、カミソリ等の鋭利な刃物で十文字型の印を付ける。該フィルムを23℃、55%RHの環境下で24時間以上調湿し、工場顕微鏡で処理前の幅手方向及び長手方向のそれぞれの印間距離L1を測定する。次に、該試料を電気恒温槽中で、高温高湿処理(条件;80℃、90%RHの環境下で48時間放置をする)する。再び、該試料を23℃、55%RHの環境下で24時間調湿し、工場顕微鏡で処理後の幅手方向及び長手方向のそれぞれの印間距離L2を測定する。この処理前後の変化率を次式によって求める。
寸法変化率(%)=(L−L)/L×100
式中、Lは処理前の印間距離、Lは処理後の印間距離を表す。
即ち、付す印の位置をフィルムの長手方向、幅手方向に付けることによって所望の寸法変化率測定を行うことができるのである。
105℃で5時間処理したときの寸法変化率は、MD方向、TD方向共に±0.5%以内であることが好ましく、さらに±0.3%以内であることが好ましく、さらに±0.1%以内であることが好ましく、さらに±0.05%以内であることが好ましい。
本発明のセルロースエステルフィルムは抗張力がMD方向、TD方向共に90〜170N/mmであることが好ましく、特に120〜160N/mmであることが好ましい。
含水率としては0.1〜5%が好ましく、0.3〜4%がより好ましく、0.5〜2%であることがさらに好ましい。
本発明のセルロースエステルフィルムは、透過率が90%以上であることが望ましく、さらに好ましくは92%以上であり、さらに好ましくは93%以上である。又、ヘイズは0.5%以下であることが好ましく、特に0.1%以下であることが好ましく、0%であることがさらに好ましい。
本発明のセルロースエステルフィルムにおいては、カール値は絶対値が小さい方が好ましく、変形方向は、+方向でも、−方向でもよい。カール値の絶対値は30以下であることが好ましく、さらに好ましくは20以下であり、10以下であることが特に好ましい。尚、カール値は、曲率半径(1/m)で表される。
以下に本発明のセルロースエステルフィルムの溶液流延製膜法による製造方法について、図を用いてさらに詳細に説明する。
図2はフィルムの溶液流延製膜法の好ましい一例を示す模式図である。図2(a)は流延後、ロール搬送・乾燥工程で乾燥する場合の模式図である。図2(b)は流延後、ロール搬送・乾燥工程で乾燥し、その後テンター搬送・乾燥工程で乾燥を行う場合の模式図である。図2(c)は流延後、テンター搬送・乾燥工程で乾燥し、その後ロール搬送・乾燥工程で乾燥を行う場合の模式図である。図2(d)は流延後、ロール搬送・乾燥工程で乾燥し、その後テンター搬送・乾燥工程で乾燥し、その後ロール搬送・乾燥工程で乾燥を行う場合の模式図である。
尚、本発明において、テンター搬送・乾燥工程及びロール搬送・乾燥工程を含む工程とは、支持体から剥離されたフィルムを乾燥して巻き取る迄の工程のどこかに、フィルムの乾燥伸縮率を調整するテンター搬送・乾燥工程及びロール搬送・乾燥工程を有する工程をいう。テンター搬送・乾燥工程とはテンター搬送装置で搬送しながら同時に乾燥を行い、乾燥伸縮率を調整する工程を言い、ロール搬送・乾燥工程とはロール搬送装置で搬送しながら同時に乾燥を行い、乾燥伸縮率を調整する工程をいう。
図2において、1はエンドレスで走行する支持体を示す。支持体としては鏡面帯状金属が使用されている。2はセルロースエステル樹脂を溶媒に溶解したドープを、支持体1に流延するダイスを示す。3は支持体1に流延されたドープが固化したフィルムを剥離する剥離点を示し、4は剥離されたフィルムを示す。5はテンター搬送・乾燥工程を示し、51は排気口を示し、52は乾燥風取り入れ口を示す。尚、排気口51と乾燥風取り入れ口52は逆であっても良い。6は張力カット手段を示す。張力カット手段としてはニップロール、サクションロール等が挙げられる。尚、張力カット手段は各工程間に設けてもかまわない。
8はロール搬送・乾燥工程を示し、81は乾燥箱を示し、82は排気口を示し、83は乾燥風取り入れ口を示す。尚、排気口82と乾燥風取り入れ口83は逆であっても良い。84は上部搬送用ロールを示し、85は下部搬送用ロールを示す。該搬送用ロール84、85は上下で一組で、複数組から構成されている。7は巻き取られたロール状のフィルムを示す。
図2(d)で示される工程において、テンター搬送・乾燥工程5の前のロール搬送・乾燥工程を第1ロール搬送・乾燥工程と呼び、テンター搬送・乾燥工程5の後のロール搬送・乾燥工程を第2ロール搬送・乾燥工程と呼ぶ。尚、図2(a)〜(d)では示されていない冷却工程を、巻き取る前に必要に応じて設けても良い。
本発明においては、上述した何れの溶液流延製膜法による形態でセルロースエステルフィルムを製造しても構わない。
本発明のセルロースエステルフィルムは、良好な透湿性、寸法安定性等から液晶表示用部材、詳しくは偏光板用保護フィルムに用いられるのが好ましい。特に、透湿度と寸法安定性に対して共に厳しい要求のある偏光板用保護フィルムにおいて、本発明のセルロースエステルフィルムは好ましく用いられる。
本発明に係る偏光板は、一般的な方法で作製することができる。例えば、光学フィルム或いはセルロースエステルフィルムをアルカリケン化処理し、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素溶液中に浸漬、延伸して作製した偏光膜の両面に、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリケン化処理とは、水系接着剤の濡れを良くし、接着性を向上させるために、セルロースエステルフィルムを高温の強アルカリ液中に漬ける処理のことをいう。
このようにして得られた偏光板が、液晶セルの片面または両面に設けられ、これを用いて、本発明の液晶表示装置が得られる。
本発明のセルロースエステルフィルムからなる偏光板用保護フィルムを用いることにより、薄膜化と共に、耐久性及び寸法安定性、光学的等方性に優れた偏光板を提供することができる。さらに、本発明の光学フィルムを用いた偏光板或いは位相差フィルムを液晶表示装置に用いることにより、長期間に亘って安定した表示性能を維持することができる。
本発明のセルロースエステルフィルムにはハードコート層、防眩層、反射防止層、防汚層、帯電防止層、導電層、光学異方層、液晶層、配向層、粘着層、接着層、下引き層等の各種機能層を付与することができる。これらの機能層は塗布或いは蒸着、スパッタ、プラズマCVD、大気圧プラズマ処理等の方法で設けることができる。本発明のセルロースエステルフィルムは反射防止用フィルム或いは光学補償フィルムの基材としても使用できる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1
〈フィルム試料1〜15の作製〉
(酸化珪素分散液)
アエロジル200V(日本アエロジル(株)製) 10質量部
(一次粒子の平均径12nm、見掛け比重100g/リットル)
エタノール 90質量部
以上をディゾルバーで30分間撹拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。分散後の液濁度は93ppmであった。
(添加液Aの作製)
表1記載の紫外線吸収剤 10質量部
リンター綿から合成されたセルローストリアセテート 4質量部
メチレンクロライド 100質量部
以上を密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、濾過した。
これに前記酸化珪素分散液12質量部を撹拌しながら加えて、さらに30分間撹拌した後、アドバンテック東洋(株)のポリプロピレンワインドカートリッジフィルターTCW−PPS−20Nで濾過し、添加液Aを調製した。
(ドープ液Aの調製)
リンター綿から合成されたセルローストリアセテート 85質量部
木材パルプから合成されたセルローストリアセテート 15質量部
アジピン酸−1,3ブチレングリコールの
ポリエステル(Mw=600) 15質量部
メチレンクロライド 475質量部
エタノール 50質量部
以上を密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、ドープ液Aを調製した。
製膜ライン中で日本精線(株)製のファインメットNFでドープ液Aを濾過した。インライン添加液ライン中で、日本精線(株)製のファインメットNFで添加液Aを濾過した。濾過したドープ液A100質量部に対して濾過した添加液Aを表1記載の紫外線吸収剤の量になるように加えて、インラインミキサー(東レ静止型管内混合機 Hi−Mixer、SWJ)で十分混合し、次いで、ベルト流延装置を用い、温度33℃、1500mm幅でステンレスバンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド支持体で、残留溶媒量が80%になるまで溶媒を蒸発させ、剥離張力127Newton/mでステンレスバンド支持体上から剥離した。剥離したセルローストリアセテートフィルムを1550mm幅にスリットし、その後、テンターで幅方向に10%延伸しながら、70℃の乾燥温度で、乾燥させ、その後、120℃、135℃の乾燥ゾーンを多数のロールで搬送させながら乾燥を終了させ、1330mm幅にスリットし、フィルム両端に幅10mm、高さ5μmのナーリング加工を施して、セルローストリアセテートフィルム試料1を得た。このときのセルローストリアセテートフィルムの膜厚は40μm、巻数は2000mであった。
試料1と同様の作製方法で、ドープ液A、添加液Aを表1記載のものにかえた以外は同様にしてフィルム試料2〜15を作製した。
(ドープ液Bの調製)
リンター綿から合成されたセルローストリアセテート 85質量部
木材パルプから合成されたセルローストリアセテート 15質量部
アジピン酸−1,3ブチレングリコールの
ポリエステル(Mw=600) 14質量部
トリフェニルフォスフェイト 1質量部
メチレンクロライド 475質量部
エタノール 50質量部
以上を密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、ドープ液Bを調製した。
(ドープ液Cの調製)
リンター綿から合成されたセルローストリアセテート 85質量部
木材パルプから合成されたセルローストリアセテート 15質量部
アジピン酸−1,3ブチレングリコールの
ポリエステル(Mw=600) 13質量部
トリフェニルフォスフェイト 2質量部
メチレンクロライド 475質量部
エタノール 50質量部
以上を密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、ドープ液Cを調製した。
(添加液Bの作製)
表1記載の紫外線吸収剤 20質量部
メチレンクロライド 100質量部
以上を密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、濾過した。
これに酸化珪素分散液12質量部を撹拌しながら加えて、さらに30分間撹拌した後、アドバンテック東洋(株)のポリプロピレンワインドカートリッジフィルターTCW−PPS−20Nで濾過し、添加液Bを調製した。
得られたフィルム試料について以下に示すと共に、以下の測定方法に従って、分光透過率を測定した結果を示す。
《測定方法》
(分光透過率)
Spectrophotometer U−3200(日立製作所製)を用い、フィルムの分光吸収スペクトルを測定し、350nmと390nmに於ける透過率を求めた。
Figure 2012014187
Figure 2012014187
フィルム試料4及びフィルム試料13について、255nmから800nmの間、5nmずつそれぞれのフィルム試料について透過率を測定した値を表にしたものを表2に示した。
Figure 2012014187
また、図3は、これをグラフ化したもので、フィルムの透過率特性を示す図である。(a)は波長250nm〜750nmまでの範囲でそれぞれの透過率特性を示したものであり、(b)は波長範囲を250〜450nmで示したものである。フィルムの透過率特性が350nm〜410nmの範囲で大きく異なっていることがわかる。
得られた各フィルム試料を下記に示すアルカリケン化処理を行い、下記の作製法に従って、表3に示す組み合わせで、偏光板試料1〜21を作製した。表3に示す光学フィルム1は偏光子の外側(液晶パネルとは反対側)に配置される光学フィルムであり、図1に示す偏光板の光学フィルム1と同じようにして配置される。光学フィルム2は偏光子の内側に配置される光学フィルムであり、図1に示した偏光板の光学フィルム2と同じようにして配置される。
〈アルカリケン化処理〉
ケン化工程 2mol/l−NaOH 50℃ 90秒
水洗工程 水 30℃ 45秒
中間工程 10質量%HCl 30℃ 45秒
水洗工程 水 30℃ 45秒
上記条件でフィルム試料をケン化、水洗、中和、水洗の順に行い、次いで80℃で乾燥を行う。
(偏光板の作製)
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを、沃素1kg、ホウ酸4kgを含む水溶液100kgに浸漬し50℃で6倍に延伸して偏光膜を作った。この偏光膜の両面にアルカリケン化処理を行ったセルロースエステルフィルム試料を完全ケン化型ポリビニルアルコール5%水溶液を粘着剤として各々貼り合わせ偏光板を作製した。
下記に示す測定方法で評価を行った。結果を表3に示す。
《測定方法》
(耐光性)
作製した偏光板について先ず平行透過率と直行透過率を測定し、下記式に従って偏光度を算出した。その後各々の偏光板の光学フィルム2側に反射板を張り合わせ、サンシャインウェザーメーター300時間、UVカットフィルター無しでの条件で偏光板の光学フィルム1の方向から光をあてて強制劣化後、偏光板を取り外し、再度平行透過率と直行透過率を測定し、下記式に従って偏光度を算出した。偏光度変化量を下記式により求めた。
偏光度P=((H−H90)/(H+H90))1/2×100
偏光度変化量=P−P500
:平行透過率
90 :直交透過率
:強制劣化前の偏光度
500:強制劣化500時間後の偏光度
◎:偏光度変化率10%未満
○:偏光度変化率10%以上25%未満
×:偏光度変化率25%以上。
(色再現性)
反射型TFTカラー液晶表示装置を搭載した市販の携帯機器(シャープ製 パーソナルモバイルツール Zaurus 型名 MI−L1)の偏光板を注意深く剥離し、ここに前記作製した偏光板を偏光方向を合わせて、又、光学フィルム2側に液晶表示パネルがくるように貼り付けた。それぞれの液晶表示パネルについて、目視にて偏光板試料21(比較試料)を貼り付けた液晶表示パネルと比較して、色再現を評価し、下記のようにランクわけを行った。
◎:比較と同等の優れた色再現性
○:色再現性の劣化が少しわかる
△:色再現性の劣化がわかる
×:色再現性の劣化がはっきりわかる
Figure 2012014187
本発明の光学フィルム試料を用いた偏光板試料は耐光性に優れ、液晶表示装置として用いた場合にも色再現性に優れることがわかる。
1 鏡面帯状金属流延支持体
2 ダイス
4 セルロースエステルフィルム
5 テンター搬送・乾燥工程
6 張力カット手段
8 ロール搬送・乾燥工程
84 上部搬送用ロール
85 下部搬送用ロール

Claims (8)

  1. 偏光素子を両側からサンドイッチする形で光学フィルムが配置された偏光板において、一方の側に配置された光学フィルムは下記一般式〔1〕または〔2〕で示される紫外線吸収剤を1mあたり0.3g以上3.0g以下で含有して390nmにおける分光透過率が50%以上95%以下で、350nmにおける分光透過率が5%以下とされ、他方の側に配置された光学フィルムには、紫外線吸収剤が全く含まれず、前記紫外線吸収剤を含有する光学フィルムを偏光素子の外側として反射型または半透過型液晶表示装置の外側に配置されることを特徴とする偏光板。
    Figure 2012014187
    (式中、R、R、R、R及びRは同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、アシルアミノ基または5〜6員の複素環基を表し、RとRは閉環して5〜6員の炭素環を形成してもよい。)
    Figure 2012014187
    (式中、Yは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、及びフェニル基を表し、これらのアルキル基、アルケニル基及びフェニル基は置換基を有していてもよい。Aは水素原子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基または−CO(NH)n−1−D基を表し、Dはアルキル基、アルケニル基または置換基を有していてもよいフェニル基を表す。m及びnは1または2を表す。)
  2. 前記紫外線吸収剤を含有する光学フィルムが、実質的にリン酸エステルを含有しないことを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記紫外線吸収剤を含有する光学フィルムが、可塑剤として重量平均分子量300〜1000のポリマーまたはオリゴマーを含むことを特徴とする請求項2に記載の偏光板。
  4. 前記紫外線吸収剤を含有する光学フィルムが、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上である二酸化珪素微粒子を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板。
  5. 前記紫外線吸収剤を含有する光学フィルムが、2次平均粒子径が0.3μm以上、1.5μm以下である二酸化珪素微粒子を含有することを特徴とする請求項4に記載の偏光板。
  6. 前記紫外線吸収剤を含有する光学フィルムが、セルロースエステルを主成分とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光板。
  7. 前記紫外線吸収剤を含有する光学フィルムの膜厚が20〜65μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の偏光板。
  8. 偏光素子の外側に配置された光学フィルムが下記一般式〔1〕または〔2〕で示される紫外線吸収剤を1mあたり0.3g以上3.0g以下で含有して390nmにおける分光透過率が50%以上95%以下で、350nmにおける分光透過率が5%以下とされ、他方の側に配置された光学フィルムには、紫外線吸収剤が全く含まれない偏光板、液晶層および反射板がこの順で配置されることを特徴とする液晶表示装置。
    Figure 2012014187
    (式中、R、R、R、R及びRは同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、アシルアミノ基または5〜6員の複素環基を表し、RとRは閉環して5〜6員の炭素環を形成してもよい。)
    Figure 2012014187
    (式中、Yは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、及びフェニル基を表し、これらのアルキル基、アルケニル基及びフェニル基は置換基を有していてもよい。Aは水素原子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基または−CO(NH)n−1−D基を表し、Dはアルキル基、アルケニル基または置換基を有していてもよいフェニル基を表す。m及びnは1または2を表す。)
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