JP2002350644A - 光学フィルムとそれを用いた偏光板及び表示装置 - Google Patents
光学フィルムとそれを用いた偏光板及び表示装置Info
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Abstract
に優れ、工程汚染がなく、ロール汚れ、押され故障、ブ
リードアウト故障が低減された光学フィルムとそれを用
いた偏光板と表示装置を提供することにある。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される紫外線吸収
剤を含有することを特徴とする光学フィルム。 〔式中、Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5の
アルキル基もしくは炭素数1〜5のアルコキシ基を表
し、R1〜R4は、各々水素原子もしくは炭素数2〜20
の置換、無置換のアルキル基を表す。ただし、R1〜R4
のうち少なくとも1つは2級アルキル基を表す。〕 【化1】
Description
れるフィルムに関するものであり、詳しくは、液晶表示
装置等に用いられる偏光板用保護フィルム、位相差フィ
ルム、視野角拡大フィルム、輝度向上フィルム、プラズ
マディスプレイ等に用いられる反射防止フィルムなどの
各種機能フィルム、又、有機ELディスプレイ等で使用
される各種機能フィルム等にも利用することができる光
学フィルムとそれを用いた偏光板及び表示装置に関する
ものである。
ベンゾトリアゾール系化合物或いはベンゾフェノン系化
合物、シアノアクリレート系化合物、サリチル酸系化合
物等の紫外線吸収剤を混入してフィルム形成し、それに
より紫外線をカットし、液晶や偏光子の劣化を防止して
いた。近年、ノートパソコン、液晶モニターの大画面
化、高精細化、薄型軽量化の開発が進んでいる。それに
伴って、液晶用偏光板の保護フィルムもますます高性能
化、薄膜化の要求が強くなってきている。しかしなが
ら、薄膜化した場合であっても、光学フィルムに求めら
れる紫外線カット性能は変わらないため、この結果、薄
膜化するほど光学フィルムの総固形分に占める紫外線吸
収剤の比率は増加する傾向にある。これまで提案されて
いた融点の高く常温で固体の紫外線吸収剤は、添加量を
増加させると光学フィルム表面に析出し、これが搬送ロ
ールに付着することで、押され故障の原因となり、光学
フィルムの収率低下の要因となっていた。
は、特開2001−72782で、液状の紫外線吸収剤
を含有させた光学フィルムを提案している。これによ
り、押され故障は解決できたが、しかしながら、この提
案で例示している液体の紫外線吸収剤は紫外線吸収性能
が不十分であった。本発明者らは、鋭意研究の結果、押
され故障がなく、UVカット性能も満足する紫外線吸収
剤を見いだし、本発明に至ったものである。
鑑みてなされたものであり、その目的は、紫外線吸収性
能に優れ、押され故障がなく、生産性に優れた光学フィ
ルムとそれを用いた偏光板及び表示装置を提供すること
にある。
下の構成により達成された。
収剤を含有することを特徴とする光学フィルム。
(1)で表される紫外線吸収剤とを含有することを特徴
とする光学フィルム。
収剤の融点が、20℃以下であることを特徴とする前記
1または2項に記載の光学フィルム。
り、かつ見かけ比重が70g/リットル以上である二酸
化珪素微粒子を含有することを特徴とする前記1〜3項
のいずれか1項に記載の光学フィルム。
徴とする前記1〜4項のいずれか1項に記載の光学フィ
ルム。
有することを特徴とする偏光板。 7.前記1〜5項に記載の光学フィルムを用いることを
特徴とする表示装置。
発明においては、光学フィルムが前記一般式(1)で表
される紫外線吸収剤を含有していることが特徴である。
細について、以下説明する。前記一般式(1)におい
て、Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアル
キル基、もしくは炭素数1〜5のアルコキシ基を表す。
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、イソブ
チル基、sec−ブチル基等を挙げることができる。ハ
ロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子等を挙
げることができる。
えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキ
シ基、ペンチルオキシ基、イソプロポキシ基、tert
−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基等
を挙げることができる。
々、水素原子もしくは炭素数2〜20の置換、無置換の
アルキル基を表す。ただし、R1〜R4のうち少なくとも
1つは2級アルキル基を表し、好ましくは2つ以上が2
級アルキル基である。
基とは、直鎖であっても、分岐であっても良く、また、
ハロゲン原子や置換基を有していても良い。炭素数2〜
20の置換、無置換のアルキル基としては、例えば、エ
チル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ter
t−アミル基、tert−オクチル基、ヒドロキシエチ
ル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、ブト
キシエチル基等が挙げられる。2級アルキル基とは、ア
ルキル基を構成する炭素原子のうち、ベンゼン環に結合
する炭素原子が、1個の水素原子を有しているものを言
い、置換、無置換のどちらでも良く、更には、構造異性
体の混合物であっても良い。2級アルキル基としては、
例えば、1−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、
1−エチルプロピル基、1−メチルペンチル基、1−エ
チルブチル基、1,1−ジプロピルメチル基、1−メチ
ルヘキシル基、1−エチルペンチル基、1−プロピルブ
チル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル
基、1−プロピルペンチル基、1,1−ジブチルメチル
基等を挙げることができる。好ましくは、1−メチルプ
ロピル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基
である。
(1)で表される紫外線吸収剤の融点が、20℃以下で
あることが特徴であり、好ましくは融点が−80〜20
℃である。融点が20℃を越える紫外線吸収剤と併用す
ることもできるが、光学フィルムに含有される紫外線吸
収剤の50質量%以上が融点20℃以下であることが好
ましく、70質量%がさらに好ましく、100質量%が
最も好ましい。融点20℃以下の紫外線吸収剤の比率が
多い程、押され故障を減らすことができ好ましい。
収剤の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
(1)で表される紫外線吸収剤と共に、従来公知の紫外
線吸収剤を用いることもできる。従来公知の紫外線吸収
剤としては、特に限定されないが、例えば、サリチル酸
系紫外線吸収剤(フェニルサリシレート、p−tert
−ブチルサリシレート等)或いはベンゾフェノン系紫外
線吸収剤(2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,
2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェ
ノン等)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(2−
(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−
メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2
−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミ
ル−フェニル)ベンゾトリアゾール等)、シアノアクリ
レート系紫外線吸収剤(2’−エチルへキシル−2−シ
アノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−
シアノ−3−(3’,4’−メチレンジオキシフェニ
ル)−アクリレート等)、トリアジン系紫外線吸収剤、
或いは特開昭58−185677号、同59−1493
50号記載の化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体
などが挙げられる。
線吸収剤と共に用いられる従来公知の紫外線吸収剤とし
ては、透明性が高く、偏光板や液晶素子の劣化を防ぐ効
果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾ
フェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより
少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好まし
い。
及び公知の紫外線吸収剤の添加方法は、直接添加しても
よいが、生産性の優れるインライン添加が好ましい。イ
ンライン添加は、予め有機溶剤(例えば、メタノール、
メチレンクロライドなど)に溶解したものに、少量のセ
ルロースエステルを添加、溶解した後、インラインのミ
キサーでドープ組成中に添加するのがよい。好ましいセ
ルロースエステルの量は、溶剤100質量部に対して1
〜10質量部、より好ましくは、3〜5質量部である。
セルロースエステルを添加すると、紫外線吸収剤含有液
の粘度が高くなり、インラインで多く添加することが容
易になる。
紫外線吸収剤の使用量は、化合物の種類、使用条件など
により一様ではないが、通常は光学フィルム1m2当り
0.2〜2.0gが好ましく、0.4〜1.5gが更に
好ましく、0.6〜1.0gが特に好ましい。
0nm以下の紫外線吸収性能に優れ、かつ、良好な液晶
表示性の観点から、400nm以上の可視光吸収が少な
いものが好ましい。本発明においては、特に波長380
nmでの透過率が8%以下であることが好ましく、4%
以下がさらに好ましく、1%以下であることが特に好ま
しい。
て説明する。本発明の光学フィルムとしては、特に限定
されるものではなく、公知の透明樹脂フィルムの中から
適宜選択して用いることができる。この様な透明プラス
チックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフ
タレートやポリエチレンナフタレートの様なポリエステ
ルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフ
ィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、
トリアセチルセルロースフィルム、セルロースアセテー
トプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチ
レートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビ
ニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エ
チレンビニルアルコールフィルム、ポリスチレンフィル
ム、シンジオタクチックポリスチレン系フィルム、ノル
ボルネン樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポ
リアリレートフィルム、ポリメチルメタアクリレートフ
ィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリオレフィン系
ノルボルネン樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィル
ム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルエーテルケ
トンフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリ
エーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素
樹脂フィルム、ナイロンフィルム、アクリルフィルムを
挙げることができるが、本発明においては特にセルロー
ストリアセテートフィルムの他に、セルロースジアセテ
ート、セルロースアセテートブチレート、セルロースア
セテートフタレート、セルロースプロピオネート、セル
ロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテー
トプロピオネートブチレートなどのセルロースエステル
フィルムを用いることが特に好ましい。
して、前記一般式(1)で表される紫外線吸収剤ととも
に、セルロースエステルを含有していることが特徴であ
る。
ロースエステルフィルムの製造方法について説明する。
の製造に用いられる好ましい製膜工程としては、下記に
示す溶解工程、流延工程、溶媒蒸発工程、剥離工程、乾
燥工程及び巻き取り工程からなる。以下に、各々の工程
について説明する。
エステル溶液のことをセルロースエステルドープ又は単
にドープという。溶解工程とは、セルロースエステルの
フレークに、後述の良溶媒を主とする有機溶媒に溶解釜
中でフレークを攪拌しながら溶解し、ドープを形成する
工程である。
質量%以上とすることが好ましく、特に18〜35質量
%のものが好ましく用いられる。
の粘度が高くなりすぎ、流延時にシャークスキンなどが
生じてフィルム平面性が劣化する場合があるので、35
質量%以下であることが望ましい。
調整されることが好ましい。溶解には、常圧で行う方
法、好ましい有機溶媒(即ち、良溶媒)の沸点以下で行
う方法、上記の良溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、
冷却溶解法で行う方法、高圧で行う方法等種々の溶解方
法等がある。良溶媒の沸点以上の温度で、かつ沸騰しな
い圧力をかけて溶解する方法としては、40.4〜12
0℃で0.11〜1.50MPaに加圧することで発泡
を抑え、かつ、短時間に溶解することができる。
しては、セルロースの低級脂肪酸エステルが好ましく用
いられる。
における低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸
を意味し、例えば、セルロースアセテート、セルロース
プロピオネート、セルロースブチレート等、又特開平1
0−45804号、同8−231761号、米国特許第
2,319,052号等に記載されているセルロースア
セテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレ
ート等の混合脂肪酸エステルなどがセルロースの低級脂
肪酸エステルの例として挙げられる。
85のセルロースエステルが好ましく用いられる。
ト、セルロースアセテートプロピオネートが好ましく用
いられるが、本発明に係るセルロースエステルフィルム
の場合には、フィルム強度の観点から、特に重合度25
0〜400のものが好ましく用いられる。
は総置換度が2.5〜3.0のセルロースエステルが好
ましく用いられるが、特に総置換度が2.55〜2.8
5のセルロースエステルが好ましく用いられる。総置換
度が2.55以上になると本発明の一般式(1)で示さ
れる化合物を含むフィルムの機械強度が増加し、2.8
5以下になるとセルロースエステルの溶解性が向上した
り、異物の発生が低減されるため、より好ましい。
合、アセチル基置換度をX、プロピオニル基置換度をY
とすると 2.55≦X+Y≦2.85 1.5≦X≦2.4 の範囲にあるものが好ましく用いられる。
合成されたセルロースエステルと木材パルプから合成さ
れたセルロースエステル、それ以外の原料から合成され
たセルロースエステルを単独或いは混合して用いること
ができる。
ては、セルロースエステルを溶解できる溶媒であれば特
に限定はされないが、又単独で溶解できない溶媒であっ
ても他の溶媒と混合することにより、溶解できるもので
あれば使用することができる。一般的には、良溶媒であ
るメチレンクロライドとセルロースエステルの貧溶媒か
らなる混合溶媒を用い、かつ混合溶媒中には貧溶媒を4
〜30質量%含有するものが好ましく用いられる。
レンクロライド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミ
ル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソ
ラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エ
チル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,
3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−
ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,
3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパ
ノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プ
ロパノール、ニトロエタン等を挙げることができるが、
メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物、ジオキソ
ラン誘導体、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン等が好
ましい有機溶媒(即ち、良溶媒)として挙げられる。酢
酸メチルを用いると、得られるフィルムのカールが少な
くなるため特に好ましい。
えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i
so−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノ
ール、tert−ブタノール等の炭素原子数1〜8のア
ルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、酢酸エチル、酢酸プロピル、モノクロルベンゼン、
ベンゼン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、メチ
ルセロソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル
等を挙げることができ、これらの貧溶媒は単独もしくは
2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
の製造において、セルロースエステルを溶解する際に冷
却溶解法を用いることも好ましい。冷却溶解方法として
は、例えば、特開平9−95538号、同9−9554
4号、同9−95557号に記載の方法を使用すること
ができる。又、特開平11−21379号に記載の高圧
溶解方法も好ましく使用できる。
プ)を濾材で濾過した後、脱泡してポンプで次工程に送
ることが好ましく、又、その際、ドープ中には、可塑
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、微粒子等が、適
宜添加される。
液の調製の際に、セルロースエステルや溶媒と共に添加
してもよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。
することができる。これらは一般式(1)で表される紫
外線吸収剤と併用することができる。
ば、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑
剤、クエン酸エステル系可塑剤などを用いることができ
るがこれらに限定されるものではない。リン酸エステル
系では、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレ
ジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、
オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニ
ルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチ
ルホスフェート等があり、フタル酸エステル系として
は、例えば、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフ
タレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレー
ト、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタ
レート、ブチルベンジルフタレート、ジベンジルフタレ
ート、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタ
リルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコ
レート等があり、クエン酸エステル系可塑剤としては、
例えば、トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシト
レート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ
−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n−(2−エ
チルヘキシル)シトレート等を好ましく用いることがで
きる。
また必要に応じて2種類以上を併用して用いてもよい。
又、可塑剤の使用量は、セルロースエステルに対して1
〜30質量%含有させることができ、好ましくは2〜2
5質量%、特に好ましくは10〜20質量%である。
塑剤の他にも可塑剤と同様の作用を示す添加剤が含有さ
せることができる。これらの添加剤としては、例えば、
セルロースエステルフィルムを可塑化することのできる
低分子有機化合物であれば、可塑剤と同様の効果を得る
ことができる。これらの成分は可塑剤に比べ直接フィル
ムを可塑化する目的で添加されるものではないが、量に
応じて上記可塑剤と同様の作用を示す。
調整するために、例えば、青色染料等を添加剤として用
いてもよい。好ましい染料として、アンスラキノン系染
料が挙げられる。アンスラキノン系染料は、アンスラキ
ノンの1位から8位迄の位置に任意の置換基を有するこ
とができる。好ましい置換基としては、置換されてもよ
いアニリノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、
又は水素原子が挙げられる。これらの染料のフィルムへ
の添加量は、フィルムの透明性を維持するため0.1〜
1000μg/m2、好ましくは10〜100μg/m2
である。
剤として微粒子を加えることが好ましい。本発明に使用
される微粒子としては無機化合物として、例えば、二酸
化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコ
ニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、ク
レイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸
カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム
及びリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子
は、ケイ素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、
請求項4に係る発明では、1次平均粒子径が20nm以
下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上であ
る二酸化珪素微粒子を用いることが特徴である。特に、
本発明に係る光学フィルムでは、二酸化珪素の微粒子を
含むことにより、本発明に係る紫外線吸収剤と二酸化珪
素の微粒子を含むセルロースエステル溶液を用いて流延
製膜することによって、セルロースエステル溶液中の微
粒子の凝集に起因した異物故障が著しく低減されるた
め、特に好ましい。
は、5〜16nmがより好ましく、5〜12nmがさら
に好ましい。1次粒子の平均径が小さい方がヘイズが低
く好ましい。また、見かけ比重は90〜200g/リッ
トルが好ましく、100〜200g/リットルが更に好
ましい。見かけ比重が大きい程、高濃度の分散液を作る
ことが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ま
しい。
〜1.0gが好ましく、0.03〜0.3gが更に好ま
しく、0.08〜0.16gが特に好ましい。
アエロジル(株)製のAEROSIL R972、R9
72V、R974、R812、200、200V、30
0、R202、OX50、TT600などが挙げられ、
この中でも、AEROSIL200V、R972Vが1
次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が
70g/リットル以上である二酸化珪素の微粒子であ
り、光学フィルムの濁度を低く保ちながら、摩擦係数を
さげる効果が大きいため特に好ましい。
は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日
本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使
用することができる。また、ポリマーの例として、シリ
コーン樹脂、弗素樹脂及びアクリル樹脂を挙げることが
できる。シリコーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状
構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール10
3、同105、同108、同120、同145、同31
20及び同240(以上東芝シリコーン(株)製)の商
品名で市販されており、使用することができる。
〜1.0μmの2次粒子を形成し、これらの微粒子はフ
ィルム中では、1次粒子の凝集体として存在しフィルム
表面に0.01〜1.0μmの凹凸を形成させる。これ
らの微粒子の含有量は、光学フィルムに対して0.00
5〜0.3質量%が好ましい。
分散液を調製する方法としては、例えば、以下に示す3
つの方法が挙げられる。
た後、分散機で分散を行い、微粒子分散液を調製した
後、これをドープ液に加えて撹拌する方法。
た後、分散機で分散を行い、微粒子分散液を調製し、こ
れとは別に溶剤に少量のセルロースエステルを加え、撹
拌溶解する。これに上記微粒子分散液を加えて撹拌して
微粒子添加液を調製した後、これをインラインミキサー
でドープ液と十分混合する方法。
ステルを加え、撹拌溶解する。これに微粒子を加えて分
散機で分散を行い、微粒子添加液を調製した後、これを
インラインミキサーでドープ液と十分混合する方法。
優れ、調製方法Cは二酸化珪素微粒子が再凝集しにくい
点で優れているが、中でも、調製方法Bは二酸化珪素微
粒子の分散性と、二酸化珪素微粒子が更に再凝集しにく
い等、両方に優れている点で好ましい調製方法である。
と混合して分散する際、二酸化珪素の濃度は5〜30質
量%であることが好ましく、10〜25質量%が更に好
ましく、15〜20質量%が最も好ましい。分散濃度は
高い方が、添加量に対する液濁度は低くなる傾向があ
り、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
ては、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブ
チルアルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の
溶媒として、特に限定されないが、セルロースエステル
の製膜時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
下に説明する流延工程を経てセルロースエステルフィル
ムを作製することができる。
を、加圧型定量ギヤポンプを通して加圧ダイに送液し、
流延位置において、無限に移送する無端の金属ベルト或
いは回転する金属ドラムの流延用支持体(以降、単に支
持体ということもある)上に、加圧ダイからドープを流
延する工程である。流延用支持体の表面は鏡面となって
いる。
流延されたドープ膜をブレードで膜厚を調節するドクタ
ーブレード法、或いは逆回転するロールで膜厚を調節す
るリバースロールコーターによる方法等があるが、口金
部分のスリット形状を調整でき、膜厚を均一にし易い加
圧ダイが好ましい。加圧ダイには、例えば、コートハン
ガーダイやTダイ等があるが、何れも好ましく用いられ
る。
支持体上に2基以上設け、ドープ量を分割して塗布して
もよい。或いは、ダイの内部をスリットで分割し、組成
の異なる複数のドープ液を同時に流延(共流延とも言
う)して、積層構造のセルロースエステルフィルムを得
ることもできる。
ドラム等の支持体上に流延し、製膜するが、本発明にお
いては、特に、ベルトを用いた溶液流延製膜法が、特に
有効である。これは、後述のように支持体上での乾燥条
件を細かく調整することが容易な点にある。
を流延し、形成されたドープ膜(以下、ウェブともい
う)を流延用支持体上で加熱し、溶媒を蒸発させる工程
である。溶媒を蒸発させるには、ウェブ表面側から風を
吹かせる方法及び/又は支持体の裏面から液体により伝
熱させる方法、輻射熱により表裏面から伝熱する方法等
があるが、裏面液体伝熱の方法が、乾燥効率の点で好ま
しい。また、それらを組み合わせる方法も好ましい。流
延後、支持体上のウェブは、40〜100℃の雰囲気下
で、支持体上で乾燥させることが好ましい。40〜10
0℃の雰囲気に維持するには、この温度の温風をウェブ
上面に当てるか、あるいは赤外線等の手段により加熱す
ることが好ましい。
90秒以内でウェブを支持体から剥離することが好まし
い。30秒未満で剥離すると、フィルムの面品質が低下
するだけでなく、透湿性の点でも好ましくない。逆に、
90秒を越えて乾燥させると、剥離性の悪化などにより
面品質の低下や、フィルムに強いカールが発生するため
好ましくない。
ェブを、剥離位置で支持体から剥離する工程である。剥
離されたウェブは次工程に送られる。剥離する時点での
ウェブの残留溶媒量(下記式)があまり大き過ぎると、
剥離し難かったり、逆に支持体上で充分に乾燥させてか
ら剥離すると、途中でウェブの一部が剥がれたりする。
しくは10〜40℃であり、更に好ましくは11〜30
℃である。剥離位置におけるウェブの残留溶媒量は25
〜120質量%が好ましく、更に好ましくは40〜10
0質量%である。
式で定義される。残留溶媒量=(ウェブの加熱処理前質
量−ウェブの加熱処理後質量)/(ウェブの加熱処理後
質量)×100%尚、残留溶媒量を測定する際の加熱処
理とは、115℃で1時間の加熱処理を行うことを表
す。
るには、流延後の流延用支持体の表面温度を制御し、ウ
ェブからの有機溶媒の蒸発を効率的に行えるように、流
延用支持体上の剥離位置における温度を上記の温度範囲
に設定することが好ましい。支持体温度を制御するに
は、伝熱効率のよい伝熱方法を使用するのがよく、例え
ば、液体による裏面伝熱方法が好ましい。
度のコントロールが難しく、好ましい方法とはいえない
が、ベルト(支持体)マシンにおいて、移送するベルト
が下側に来た所の温度制御には、緩やかな風でベルト温
度を調節することができる。
によって、部分的に支持体温度を変えることができ、流
延用支持体の流延位置、乾燥部、剥離位置等異なる温度
とすることができる。
るだけ多いうちに剥離するため製膜速度を上げることが
できる)として、残留溶媒が多くとも剥離できるゲル流
延法(ゲルキャスティング)がある。ゲル流延法には、
ドープ中にセルロースエステルに対する貧溶媒を加え
て、ドープ流延後、ゲル化する方法、支持体の温度を低
めてゲル化する方法等がある。又、ドープ中に金属塩を
加える方法もある。
よって、剥離を早め製膜速度を上げることもできる。
合、ウェブが柔らか過ぎると剥離時平面性を損なった
り、剥離張力によるツレや縦スジが発生し易く、経済速
度と品質との兼ね合いで剥離残留溶媒量を決められる。
支持体とフィルムを剥離する際の剥離張力は、通常19
6〜245N/mで剥離が行われるが、剥離の際にシワ
が入り易い場合、190N/m以下で剥離することが好
ましく、更には、剥離できる最低張力〜167N/m、
次いで、最低張力〜137N/mで剥離することが好ま
しいが、特に好ましくは、最低張力〜100N/mで剥
離することである。剥離張力が低いほど、面内リターデ
ーションR0が低く保てるため好ましい。面内リターデ
ーションR0は20nm未満であることが好ましく、更
には、10nm未満、次いで、5nm未満であることが
好ましいが、最も好ましくは0〜1nmである。
0は、例えば、自動複屈折率計KOBRA−21ADH
(王子計測機器(株)製)を用いて、590nmの波長
において、三次元屈折率測定を行い、得られた屈折率n
x、ny、nzから算出することができる。又、膜厚方
向のリターデーション値Rtは0〜300nmのものが
得られ、更に好ましくは0〜150nm、より好ましく
は0〜70nmのものが用途に応じて好ましく得られ
る。R0及びRtは、下式により求めることができる。
向と製膜方向とのなす角度θ(ラジアン)と面内方向の
レターデーションR0が下記の関係にあり、特に偏光板
用保護フィルム等の光学フィルムとして好ましく用いら
れる。
ルム面内の進相軸方向の屈折率、nzはフィルムの厚み
方向の屈折率であり、dはフィルムの膜厚(nm)であ
る。θはフィルム面内の遅相軸方向と製膜方向(フィル
ムの直尺方向)とのなす角度(°ラジアン)、λは上記
nx、ny、nz、θを求める三次元屈折率測定の際の
光の波長590nm、πは円周率である。
に配置したロールに交互に通して搬送する乾燥装置、あ
るいはクリップ又はピンでウェブの両端を保持して搬送
するテンター装置を用いて、巾保持しながらウェブを乾
燥する工程である。乾燥工程における搬送張力も、可能
な範囲で低めに維持することがR0が低く維持できるた
め好ましく、190N/m以下であることが好ましく、
更に好ましくは170N/m以下であり、更に好ましく
は140N/m以下であり、100〜130N/mであ
ることが特に好ましい。特に、フィルム中の残留溶媒量
が少なくとも5質量%以下となるまで上記搬送張力以下
に維持することが効果的である。
せるのが一般的であるが、風の代わりにマイクロウェー
ブを当てて加熱する手段もある。あまり急激な乾燥は、
でき上がりのフィルムの平面性を損ね易い。高温による
乾燥は、残留溶媒が8質量%以下から行うことが好まし
い。全体を通し、乾燥温度は、概ね40〜250℃で行
われる。特に40〜160℃で乾燥させることが好まし
い。
では、溶媒の蒸発によってウェブは巾方向に収縮しよう
とする。高温度で急激に乾燥するほど収縮が大きくな
る。
ることが、でき上がったフィルムの平面性を良好にする
上で好ましい。この観点から、例えば、特開昭62−4
6625号に示されているような、乾燥全工程或いは一
部の工程を巾方向にクリップ又はピンでウェブの巾両端
を巾保持しつつ乾燥させる方法(テンター方式と呼ばれ
る)、中でも、クリップを用いるテンター方式、ピンを
用いるピンテンター方式が好ましく用いられる。
100%であることが好ましく、偏光板保護フィルムと
して用いる場合は、5%〜20%が更に好ましく、8%
〜15%が最も好ましく、位相差フィルムとして用いる
場合は、10%〜40%が更に好ましく、20%〜30
%が最も好ましい。延伸倍率によってR0をコントロー
ルすることが可能で、延伸倍率が高い方ができ上がった
フィルムの平面性に優れるため好ましい。
は、テンター開始時に20〜100質量%であるのが好
ましく、かつウェブの残留溶媒量が10質量%以下にな
るまでテンターをかけながら乾燥を行うことが好まし
く、更に好ましくは5質量%以下である。
150℃が好ましく、50〜120℃が更に好ましく、
70〜100℃が最も好ましい。乾燥温度の低い方が紫
外線吸収剤、可塑剤などの蒸散が少なく、工程汚染に優
れ、乾燥温度の高い方がフィルムの平面性に優れる。一
般式(1)で表される紫外線吸収剤は、乾燥温度が高い
場合でも、蒸散しにくいため、テンター乾燥温度が高
く、延伸倍率の高い製造条件のときに、その効果が顕著
発揮される。
体より剥離したフィルムを更に乾燥し、残留溶媒量を
0.5質量%以下にすることが好ましく、更に好ましく
は0.1質量%以下であり、更に好ましくは0〜0.0
1質量%以下とすることである。
式か、上記のようなピンテンター方式でフィルムを搬送
しながら乾燥する方式が採られる。フィルムを乾燥させ
る手段は、特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱
ロール、マイクロ波等で行う。簡便さの点で熱風で行う
のが好ましい。乾燥温度は40〜150℃の範囲で3〜
5段階の温度に分けて、段々高くしていくことが好まし
く、80〜140℃の範囲で行うことが寸法安定性を良
くするため更に好ましい。
での工程において、乾燥装置内の雰囲気を、空気とする
のもよいが、窒素ガスや炭酸ガス、アルゴン等の不活性
ガス雰囲気で行ってもよい。ただし、乾燥雰囲気中の蒸
発溶媒の爆発限界の危険性は、常に考慮されなければな
らないことは勿論のことである。
2質量%以下となってから、乾燥されたセルロースエス
テルフィルムとして巻き取る工程であり、残留溶媒量を
0.4質量%以下にすることにより、寸法安定性の良好
なフィルムを得ることができる。
のを用いればよく、例えば、定トルク法、定テンション
法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラム
テンションコントロール法等があり、それらを適宜選択
して使いわければよい。
に、ドープ濃度、ポンプの送液量、ダイの口金のスリッ
ト間隙、ダイの押し出し圧力、流延用支持体の速度等を
コントロールするのがよい。又、膜厚を均一にする手段
として、膜厚検出手段を用いて、プログラムされたフィ
ードバック情報を上記各装置にフィードバックさせて調
節するのが好ましい。
によって異なるが、仕上がりフィルムとして、通常5〜
500μmの範囲にあり、更に10〜250μmの範囲
が好ましく、特に液晶画像表示装置用フィルムとしては
10〜120μmの範囲が用いられる。請求項5に係る
発明では、光学フィルムの膜厚が20〜65μmの薄い
フィルムであることが特徴であり、この膜厚の範囲とす
ることにより、透湿性とともに寸法安定にも優れる。
208に記載の方法で測定された値で定義する。透湿度
は20〜250g/m2・24時間であることが好まし
いが、特に20〜200g/m2・24時間であること
が好ましい。透湿性が、250g/m2・24時間を超
えた場合では偏光板の耐久性が著しく低下し、逆に20
g/m2・24時間未満では、偏光板製造時の接着剤に
使われている水等の溶媒が乾燥しにくくなり、乾燥時間
が長くなるため好ましくない。より好ましくは25〜2
00g/m2・24時間である。
90%RHにおける質量変化を少なくすることで、寸法
安定性を更に改善することができる。
%RHで48時間加熱処理した前後での質量変化率が、
±2%以内とすることがより好ましく、これによって、
透湿度が改善された薄膜フィルムでありながら、寸法変
化率も優れたセルロースエステルフィルムを得ることが
できる。
RH雰囲気下で48時間加熱処理した際の寸法変化率
は、MD方向(フィルムの製膜方向)、TD方向(フィ
ルムの幅手方向)共に±0.5%以内であることが好ま
しく、更に±0.3%以内であることが好ましく、更に
±0.1%以内であることが好ましく、更に±0.05
%以内であることが好ましい。本発明でいう寸法変化率
とは、温度や湿度の条件が過酷な状況でのフィルム縦方
向及び横方向の寸法変化を表す特性値である。具体的に
は加熱条件、加湿条件、熱湿条件にフィルムを置いて強
制劣化としての、縦、横の寸法変化を測定する。例え
ば、測定しようとするフィルム試料について、幅手方向
150mm×長手方向120mmサイズに断裁し、該フ
ィルム表面に、幅手方向及び長手方向それぞれに100
mm間隔で2カ所、カミソリ等の鋭利な刃物で十文字型
の印を付ける。該フィルムを23℃、55%RHの環境
下で24時間以上調湿し、工場顕微鏡で処理前の幅手方
向及び長手方向のそれぞれの印間距離L1を測定する。
次に、該試料を電気恒温槽中で、高温高湿処理(条件;
80℃、90%RHの環境下で48時間放置をする)す
る。再び、該試料を23℃、55%RHの環境下で24
時間調湿し、工場顕微鏡で処理後の幅手方向及び長手方
向のそれぞれの印間距離L2を測定する。この処理前後
の変化率を次式によって求める。
を表す。
法変化率は、MD方向、TD方向共に±0.5%以内で
あることが好ましく、更に±0.3%以内であることが
好ましく、更に±0.1%以内であることが好ましく、
更に±0.05%以内であることが好ましい。
向、TD方向共に90〜170N/mm2であることが
好ましく、特に120〜160N/mm2であることが
好ましい。
0.3〜4%がより好ましく、0.5〜2%であること
が更に好ましい。
以上であることが望ましく、更に好ましくは92%以上
であり、更に好ましくは93%以上である。又、ヘイズ
は0.5%以下であることが好ましく、特に0.1%以
下であることが好ましく、0%であることが更に好まし
い。
値は絶対値が小さい方が好ましく、変形方向は、+方向
でも、−方向でもよい。カール値の絶対値は30以下で
あることが好ましく、更に好ましくは20以下であり、
10以下であることが特に好ましい。尚、カール値は、
曲率半径(1/m)で表される。
膜法による製造方法について、図を用いて更に詳細に説
明する。
しい一例を示す模式図である。図1(a)は流延後、ロ
ール搬送・乾燥工程で乾燥する場合の模式図である。図
1(b)は流延後、ロール搬送・乾燥工程で乾燥し、そ
の後テンター搬送・乾燥工程で乾燥を行う場合の模式図
である。図1(c)は流延後、テンター搬送・乾燥工程
で乾燥し、その後ロール搬送・乾燥工程で乾燥を行う場
合の模式図である。図1(d)は流延後、ロール搬送・
乾燥工程で乾燥し、その後テンター搬送・乾燥工程で乾
燥し、その後ロール搬送・乾燥工程で乾燥を行う場合の
模式図である。
工程及びロール搬送・乾燥工程を含む工程とは、支持体
から剥離されたフィルムを乾燥して巻き取る迄の工程の
どこかに、フィルムの乾燥伸縮率を調整するテンター搬
送・乾燥工程及びロール搬送・乾燥工程を有する工程を
いう。テンター搬送・乾燥工程とはテンター搬送装置で
搬送しながら同時に乾燥を行い、乾燥伸縮率を調整する
工程を言い、ロール搬送・乾燥工程とはロール搬送装置
で搬送しながら同時に乾燥を行い、乾燥伸縮率を調整す
る工程をいう。
支持体を示す。支持体としては鏡面帯状金属が使用され
ている。2はセルロースエステル樹脂を溶媒に溶解した
ドープを、支持体1に流延するダイスを示す。3は支持
体1に流延されたドープが固化したフィルムを剥離する
剥離点を示し、4は剥離されたフィルムを示す。5はテ
ンター搬送・乾燥工程を示し、51は排気口を示し、5
2は乾燥風取り入れ口を示す。尚、排気口51と乾燥風
取り入れ口52は逆であっても良い。6は張力カット手
段を示す。張力カット手段としてはニップロール、サク
ションロール等が挙げられる。尚、張力カット手段は各
工程間に設けてもかまわない。
乾燥箱を示し、82は排気口を示し、83は乾燥風取り
入れ口を示す。尚、排気口82と乾燥風取り入れ口83
は逆であっても良い。84は上部搬送用ロールを示し、
85は下部搬送用ロールを示す。該搬送用ロール84、
85は上下で一組で、複数組から構成されている。7は
巻き取られたロール状のフィルムを示す。
ター搬送・乾燥工程5の前のロール搬送・乾燥工程を第
1ロール搬送・乾燥工程と呼び、テンター搬送・乾燥工
程5の後のロール搬送・乾燥工程を第2ロール搬送・乾
燥工程と呼ぶ。尚、図1(a)〜(d)では示されてい
ない冷却工程を、巻き取る前に必要に応じて設けても良
い。
延製膜法による形態でセルロースエステルフィルムを製
造しても構わない。
寸法安定性等から液晶表示用部材、詳しくは偏光板用保
護フィルムに用いられるのが好ましい。特に、透湿度と
寸法安定性に対してともに厳しい要求のある偏光板用保
護フィルムにおいて、本発明の光学フィルムは好ましく
用いられる。
製することができる。例えば、光学フィルム或いはセル
ロースエステルフィルムをアルカリケン化処理し、ポリ
ビニルアルコールフィルムをヨウ素溶液中に浸漬、延伸
して作製した偏光膜の両面に、完全ケン化型ポリビニル
アルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。ア
ルカリケン化処理とは、水系接着剤の濡れを良くし、接
着性を向上させるために、セルロースエステルフィルム
を高温の強アルカリ液中に漬ける処理のことをいう。
層、防眩層、反射防止層、防汚層、帯電防止層、導電
層、光学異方層、液晶層、配向層、粘着層、接着層、下
引き層等の各種機能層を付与することができる。これら
の機能層は塗布或いは蒸着、スバッタ、プラズマCV
D、大気圧プラズマ処理等の方法で設けることができ
る。
ルの片面又は両面に設けられ、これを用いて、本発明の
液晶表示装置が得られる。
護フィルムを用いることにより、薄膜化とともに、耐久
性及び寸法安定性、光学的等方性に優れた偏光板を提供
することができる。更に、本発明の偏光板或いは位相差
フィルムを用いた液晶表示装置は、長期間に亘って安定
した表示性能を維持することができる。
ルム或いは光学補償フィルムの基材としても使用でき
る。
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
る紫外線吸収剤である例示化合物UV−1の合成例を示
す。
ニトロアニリンを500mlの濃塩酸水溶液と十分撹拌
し、750mlの水を加え0〜5℃に冷却する。そこへ
150mlの水に溶解させた硝酸ナトリウム70g(1
mol)をゆっくり滴下し、0〜5℃に保ったまま約1
時間撹拌する。
mol)の2,4−ジ−sec−ブチルフェノール、1
40gの酢酸ナトリウム、400gの40%水酸化ナト
リウム水溶液、2.3Lのメタノール混合溶液中に0〜
5℃ですばやく滴下し、0〜5℃に保ったまま約1時
間、その後、室温まで昇温させ約2時間撹拌する。沈殿
した赤いアゾ色素をろ別し、水で洗って乾燥する。
ドロキシ−3′,5′−sec−ブチルベンゼンを2.
5Lのエタノール、2.5Lの水、520gの水酸化ナ
トリウムと混合し、この反応液を激しく撹拌しながら2
30gの亜鉛粉末を少しずつ加え、反応液の赤色が消え
るまで撹拌する。未反応の亜鉛粉末をろ過し、濾液のp
Hを塩酸で3〜4の間になるように調節した後、酢酸エ
チルで抽出して、例示化合物UV−1である5−クロロ
−2−(3,5−ジ−sec−ブチル−2−ヒドロキシ
フェニル)−2H−ベンゾトリアゾールが得られた。収
量は約165g(収率46%)であった。
光学フィルムである試料1〜11を作製した。
ンゴーリンで分散を行った。分散後の液濁度は93pp
mであった。
溶解した後、濾過した。これに、上記酸化珪素分散液の
12質量部を撹拌しながら加え、さらに30分間撹拌し
た後、アドバンテック東洋(株)のポリプロピレンワイ
ンドカートリッジフィルターTCW−PPS−20Nで
濾過し、インライン添加液Aを調製した。
溶解し、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使
用して濾過し、ドープ液Aを調製した。
線(株)製のファインメットNF(絶対濾過精度50μ
m、15μm、5μmの順に順次濾過精度を上げて使
用)でドープ液Aを濾過した。一方、インライン添加液
ライン中で、日本精線(株)製のファインメットNF
(絶対濾過精度50μm、15μm、5μmの順に順次
濾過精度を上げて使用)によりインライン添加液Aを濾
過した。濾過したドープ液A100質量部に対し、濾過
したインライン添加液Aを2.2質量部加えて、インラ
インミキサー(東レ社製静止型管内混合機 Hi−Mi
xer、SWJ)で十分混合し、次いで、ベルト流延装
置を用い、温度33℃、1500mm幅でステンレスバ
ンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド支持体
で、残留溶媒量が80%になるまで溶媒を蒸発させ、剥
離張力127N/mでステンレスバンド支持体上から剥
離した。剥離したセルローストリアセテートフィルムを
1550mm幅にスリットし、その後、テンターで幅方
向に10%延伸しながら、70℃の乾燥温度で乾燥さ
せ、その後、120℃、135℃の乾燥ゾーンを多数の
ロールで搬送させながら乾燥を終了させ、1330mm
幅にスリットし、フィルム両端に幅10mm、高さ5μ
mのナーリング加工を施して、セルローストリアセテー
トフィルム試料1〜11を得た。各試料の膜厚は40μ
m、巻数は2000mであった。
うにして作製した各試料に対し、下記に示す各評価を行
った。
測定)Spectrophotometer U−32
00(日立製作所製)を用い、各試料の分光吸収スペク
トルを測定し、500nmと380nmに於ける透過率
を求め、以下のようにランク分けを行った。500nm
の透過率は高い程優れており、380nmの透過率は低
い程優れている。
後、ステンレスバンド支持体から剥離したフィルムが接
する一本目のロールの汚れ具合を、以下に記載の評価基
準に則り、目視観察した。
ロールを清掃するレベルと判断した。
ースエステルフィルムを作製した時点で、フィルム試料
をサンプリングし、得られたフィルム1m2上に存在す
る30μm以上の押され故障の数を計測した。
℃、90%RHの高温高湿雰囲気下で100時間放置し
た後、試料表面を下記に示す基準に則り目視評価を行っ
た。
る C:フィルム表面にブリードアウトがハッキリと認めら
れる (耐光性の評価)以下に記載の方法に従い、各試料のア
ルカリケン化処理を行った後、偏光板を作製し、未処理
試料の平行透過率(H0)と直行透過率(H90)を測定
し、下式に従って偏光度を算出した。その後、各々の偏
光板をサンシャインウェザーメーター500時間、UV
カットフィルター無しでの条件で強制劣化処理を施した
後、再度、劣化処理後の平行透過率(H0′)と直行透
過率(H90′)を測定し、下式に従って偏光度P0、P
500を算出し、偏光度変化量を下記式により求めた。
00 偏光度P500=〔(H0′−H90′)/(H0′+
H90′)〕1/2×100 偏光度変化量=P0−P500 P0:強制劣化前の偏光度 P500:強制劣化処理500時間後の偏光度 以上のようにして求めた偏光度変化量を、以下の様にラ
ンク分けを行った。
行い、次いで80℃で乾燥を行った。
ニルアルコールフィルムを、沃素1kg、ホウ酸4kg
を含む水溶液100kgに浸漬し、50℃で6倍に延伸
して偏光膜を作った。この偏光膜の両面に、上記アルカ
リケン化処理を行った試料を、完全ケン化型ポリビニル
アルコール5%水溶液を粘着剤として各々貼り合わせ偏
光板を作製した。
1に示す。表1より明らかなように、一般式(1)で表
される紫外線吸収剤を含有した本発明の試料は、比較試
料に対し、紫外部の吸収特性に優れ、ロール汚れ、押さ
れ故障、及びブリードアウト故障の発生が低減され、か
つ耐光性に優れていることが判る。
プレイ MultiSync LCD1525J 型名
LA−1529HM)の最表面の偏光板を注意深く剥
離した、ここに実施例2で作製した各偏光板を、偏光方
向を合わせて液晶表示パネルに張り付けた。それぞれの
液晶表示パネルについて、目視にてコントラストを評価
した結果、本発明の偏光板を用いた液晶表示パネルは、
比較例の偏光板を用いた液晶表示パネルに対し長期間に
渡って、高いコントラストが維持されていることが確認
された。
性に優れ、工程汚染がなく、ロール汚れ、押され故障、
ブリードアウト故障が低減された光学フィルムとそれを
用いた偏光板と表示装置を提供することができた。
Claims (7)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で表される紫外線吸収
剤を含有することを特徴とする光学フィルム。 【化1】 〔式中、Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5の
アルキル基もしくは炭素数1〜5のアルコキシ基を表
し、R1〜R4は、各々水素原子もしくは炭素数2〜20
の置換、無置換のアルキル基を表す。ただし、R1〜R4
のうち少なくとも1つは2級アルキル基を表す。〕 - 【請求項2】 セルロースエステルと前記一般式(1)
で表される紫外線吸収剤とを含有することを特徴とする
光学フィルム。 - 【請求項3】 前記一般式(1)で表される紫外線吸収
剤の融点が、20℃以下であることを特徴とする請求項
1または2に記載の光学フィルム。 - 【請求項4】 1次平均粒子径が20nm以下であり、
かつ見かけ比重が70g/リットル以上である二酸化珪
素微粒子を含有することを特徴とする請求項1〜3のい
ずれか1項に記載の光学フィルム。 - 【請求項5】 膜厚が20〜65μmであることを特徴
とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィル
ム。 - 【請求項6】 請求項1〜5に記載の光学フィルムを有
することを特徴とする偏光板。 - 【請求項7】 請求項1〜5に記載の光学フィルムを用
いることを特徴とする表示装置。
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