JP2005091900A - 光学フィルム、偏光板、位相差フィルム及び液晶表示装置 - Google Patents

光学フィルム、偏光板、位相差フィルム及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 透明性と低光弾性係数に優れかつ耐久性に優れた光学フィルム、及びこれを用いた偏光板、位相差フィルム、液晶表示装置を提供。
【解決手段】
ポリビニルアセタール樹脂からなり光弾性係数が10×10-122/N以下であることを特徴とする光学フィルム。または同フィルムにおいてアセタール化度が40モル%以上である光学フィルム。または上記ポリビニルアセタール樹脂が、ポリビニルアルコールを、炭素数1〜10の脂肪族もしくは脂環族アルデヒドでアセタール化して得られることを特徴とする上記いずれかの光学フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、透明性と光学的複屈折の制御が要求される光学フィルムに関し、更に詳細には、液晶表示装置(以下「LCD」と略す。)に使用する偏光子を保護する目的で使用される光学フィルム、及び光学補償素子として用いられる位相差フィルムおよびそれらを用いた液晶表示装置に関する。
近年、卓上電子計算機、電子時計、ワープロ、自動車、機械類の計器類等には液晶表示装置が用いられることが多い。代表的な液晶表示装置としては、液晶分子を封入した電極が組み込まれたガラスセルに位相差フィルムや偏光板が貼り合わされたものが挙げられる。
偏光板は、通常、延伸配向したポリビニルアルコール(以下「PVA」と略す。)樹脂フィルムにヨウ素又は二色性染料を吸着させた偏光子の両面に保護フィルム(偏光子の保護をするフィルム)がサンドイッチ状に接着された構成をしている。
従来、偏光子の保護をするフィルムとしては、特許文献1に代表されるように、セルローストリアセテート(以下「TAC」と略す。)樹脂フィルムが多用されてきた。しかし、耐久試験を行うと、着色及び辺に近い部分が額縁状に白抜け(コントラストの低下)する等、表示特性を悪化させる現象が起こる場合がある。
このような現象が起こる理由としては、以下のようなことが考えられる。
ガラスやプラスチックなどの透明な弾性体に応力が加わった際、一時的に光学的異方体となり、複屈折性を示す。このような材料を透過する光には、光弾性係数×応力で表される位相差が生じることが知られている。
一般に液晶表示装置では光の偏光状態を制御することでディスプレイとして利用しており、偏光子の間に存在する材料には、特に精密な光学設計がなされている。2枚の偏光板に挟まれた部分の構成は、例えば透過型については、"外側の偏光子保護フィルム−偏光子−内側の偏光子保護フィルム−位相差フィルム−液晶セル−内側の偏光子保護フィルム−偏光子−外側の偏光子保護フィルム"という構成になっており、光学的複屈折が特に問題になるのは、2枚の偏光子の間にあるフィルム、つまり内側の偏光子保護フィルムと位相差フィルムについてである。
このため、外的な応力でこれらの材料に位相差が生じると、画面に光抜け等が発生するため、画面の視認性が著しく落ちる。
液晶表示装置の耐熱耐久試験を行うと、偏光板中の偏光子が収縮するため、偏光子保護フィルムや位相差フィルムに収縮の応力がかかる。この時、応力に比例して複屈折が発生する。複屈折が発生すると、液晶モジュールを透過する際の光の偏光状態が本来の設計と異なってくるため、本来であれば遮光状態になるように設計されていても、光抜けが起こる。また、通常、この複屈折量は波長によって異なってくるため、変色も生じることになる。
光弾性係数が大きいと収縮応力で発生する位相差が大きくなるため、光弾性係数は小さい方がよい。従来偏光子保護フィルムとして用いられているセルローストリアセテートフィルムは、光弾性係数が大きいため、複屈折が発生しやすいため、光弾性係数のより小さい材料が望まれていた。また、位相差フィルム用材料としては、ポリカーボネート(以下「PC」と略す。)樹脂が代表的な材料として用いられてきた。しかし、ポリカーボネート樹脂も光弾性係数が大きいため、同様に光弾性係数が小さい材料が望まれていた。
一方ポリビニルアセタール樹脂は透明で強靱性に富むため、特許文献2に代表されるような自動車や建築物等の窓ガラスの中間膜として広く用いられている。なお、通常このような中間膜には可塑剤が20〜30%程度配合されている。また、特許文献3によると、置換基を変えて変成した樹脂をディスク状に射出成形して光ディスク用の基板としても使用できることが開示されている。しかし、光学用フィルム、特にLCD用フィルムについては一切記載も示唆もされていない。
特開平9−96722号公報 特開平8−26785号公報 特開昭62−36448号公報
本発明は、上記に鑑み、特に透明性と低光弾性係数に優れかつ耐久性に優れた光学フィルム、及びこれを用いた偏光板、位相差フィルム、液晶表示装置を提供することを目的とする。
第1の発明に係る光学フィルムは、ポリビニルアセタール樹脂からなり、光弾性係数が10×10-122/N以下であることを特徴とする光学フィルムである。
第2の発明に係る光学フィルムは、第1の発明に係る光学フィルムにおいて、アセタール化度が40モル%以上であることを特徴とする光学フィルムである。
第3の発明に係る光学フィルムは、第1の発明に係る光学フィルム又は第2の発明に係る光学フィルムにおいて、ポリビニルアセタール樹脂が、ポリビニルアルコールを、炭素数1〜10の脂肪族もしくは脂環族アルデヒドでアセタール化して得られることを特徴とする光学フィルムである。
第4の発明に係る偏光板は第1〜3の発明に係る光学フィルムが偏光子の少なくとも片面に積層されてなることを特徴とする偏光板である。
第5の発明に係る位相差フィルムは第1〜3の発明に係る光学フィルムからなる位相差フィルムである。
第6の発明に係る液晶表示装置は第4の発明に係る偏光板または第5の発明に係る位相差フィルムは光学フィルムからなる位相差フィルムのうち、少なくともいずれかを用いてなることを特徴とする液晶表示装置である。
以下本発明につき詳述する。
本発明の光学フィルムは主成分としてポリビニルアセタール樹脂が用いられる。ポリビニルアセタール樹脂の一般的な構造及び合成の反応式を下記式(1)に示す。
Figure 2005091900
ここでRはメチル基であり、Rは反応させるアルデヒドの種類により異なる。
今回、このポリビニルアセタール樹脂を可塑剤を実質的に含んでいない状態でフィルム化することにより、液晶ディスプレイに用いられる偏光板用保護フィルムや位相差フィルムとして応用する際に重要な、透明性・光弾性係数に優れたフィルムとしての物性を持っていることが明らかになった。
可塑剤が添加されていると、押出成膜性等が改善されるが、一般的にはフィルムの弾性率およびガラス転移温度が下がるため、偏光板保護用フィルムとして用いたときに、偏光板の加熱収縮率が大きくなる。よって、可塑剤の含有量は10重量%以下が好ましく、更に好ましくは3重量%以下、最も好ましくは実質的に含まないことである。
本発明の光学フィルムの主成分であるポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコール樹脂を炭素数1〜10のアルデヒドでアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。ポリビニルアルコールは一般的にはポリ酢酸ビニルをけん化して合成されており、若干の酢酸エステル基が残留している。このアセタール化するアルデヒドの種類としては、脂肪族、脂環族が好適に用いられる。芳香族アルデヒドは一般に分子複屈折が大きく、得られるポリビニルアセタール樹脂の光弾性係数が大きくなる傾向にあるので好ましくない。
上記ポリビニルアルコールをアセタール化するための炭素数1〜10のアルデヒドの種類としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、n−プロピルアルデヒド、iso−プロピルアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、iso−ブチルアルデヒド、n−ペンチルアルデヒド、シクロペンタンカルボキシアルデヒド、メチルシクロペンタンカルボキシアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、シクロヘキサンカルボキシアルデヒド、メチルシクロヘキサンカルボキシアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘプチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド等の脂肪族、脂環族アルデヒド等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
上記アルデヒドの炭素数が10を超えると、アセタール化反応時の反応性が著しく低下すると共に、得られるポリビニルアセタール樹脂の剛性が低下する。
上記炭素数1〜10のアルデヒドのなかでも、得られるポリビニルアセタール樹脂の剛性、耐熱性が優れていることから、炭素数2のアセトアルデヒド、炭素数7のシクロヘキサンカルボキシアルデヒドが特に好適に用いられる。更に、アセトアルデヒドを用いて得られるポリビニルアセタール樹脂は、優れた接着性や耐候性を有すると共に、偏光子保護フィルムとして用いた場合に適度な透湿性を有しており、更に製造も容易である。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は、40モル%以上であることが好ましく、なかでも50モル%以上であることがより好ましい。アセタール化度が40モル%未満であると、有機溶媒への溶解性が落ちるため、キャスト法でフィルムを作製することが困難になるためである。
尚、ここでいうアセタール化度は、ポリビニルアセタール樹脂がポリビニルブチラール樹脂である場合は、JIS K−6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定されたものであり、ポリビニルアセタール樹脂がポリビニルブチラール樹脂以外のポリビニルアセタール樹脂である場合は、JIS K−6729「ポリビニルホルマール試験方法」に準拠して測定されたものである。
上記ポリビニルアセタール樹脂の製造方法は特別なものではなく、例えば、ポリビニルアルコールを温水に溶解し、得られたポリビニルアルコールの水溶液を0〜95℃程度の温度に保持して、酸触媒の存在下でアルデヒドを加え、攪拌しながらアセタール化反応を進行させ、次いで温度を上げて熟成し、反応を完結させた後、中和、水洗及び乾燥を行うことにより所望のポリビニルアセタール樹脂を得ることが出来る。
また、本発明の光学フィルムには、フィルムの変色を防止するため、および液晶パネルに用いたときに偏光子および液晶の劣化を防止するために、紫外線吸収剤を含有させてもよい。上記紫外線吸収剤としては、例えば、p−t−ブチルフェニルサリシレート、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−(2′−ジヒドロキシ−4′−m−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
本発明の光学フィルムには、酸化防止剤、架橋助剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤、熱安定剤、光安定剤等の各種添加剤を必要に応じて1種類又は2種類以上含有させてもよい。これらの添加剤の添加量は本発明の効果を損なわない範囲であれば、特に限定されない。
本発明における光学フィルムの製造法としては、特に限定されず、溶液キャスト法やTダイ方式による溶融押出成形法が挙げられる。この時、溶液キャスト法で成形する場合には、溶液の粘度を安定させるために分子量を大きめにし、溶融押出成形法で成形する場合については、分子量が大きすぎると負荷が大きくなるので、小さめにする方がよい。
溶液キャスト法については、ポリカーボネート樹脂フィルムなどの光学フィルムの製造に用いられる一般的な溶液キャスト法を用いることができ、具体的にはバーコーター、ロールコーター、ダイコーター、コンマコーターなどを用いて、支持体としてポリエチレンテレフタレートなどの耐熱材料やスチールベルト等の平板またはロール上に、樹脂溶液を流延することができる。
樹脂溶液の流延後の乾燥工程については特に制限はなく従来公知の方法を用いることが出来るが数段階に分けて行うことが好ましく、1段階の乾燥としては比較的低い温度で乾燥を行い溶剤の急激な揮発による発泡を抑え、2段階以降で高温化して乾燥を行うことが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂を溶解するための溶媒としては、樹脂が溶解すれば特に限定されないが、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、塩化メチレン、クロロホルム、THF、トルエン−エタノール混合溶媒等がある。その中でもトルエン、エチルベンゼン、クロルベンゼンが好ましい。樹脂溶液の濃度としては10〜50重量%が好ましい。
溶融押出成形については、中間膜等のポリビニルアセタール樹脂の成形について、従来知られている技術を用いることができる。溶融押出時の樹脂温度としては、冷却ロールとフィルムとの接点直前におけるフィルムの温度がTg+50℃以上であると、この状態で非晶性熱可塑性樹脂からフィルムが変形されたとしても、樹脂における応力は著しく小さくなり、フィルム中の残留位相差を小さく保つことができる。さらに好ましくはTg+80℃である。残留位相差が大きいと、液晶パネルとしたときに光抜け等の光学特性を低下させる現象が起こるため、10nm以下にすることが好ましい。
これは、非晶性熱可塑性樹脂は、樹脂の温度が高温になればなるほど、変形したときに応力を発生しないためである。従って、製膜時において樹脂に変形を与える際に、適切な温度制御を行うことにより発生する樹脂の応力は小さくなり、残留位相差が発生しにくくなる。
本発明の光学フィルムの平行光線透過率は、85%以上が好ましい。平行光線透過率が85%未満であると透明性が低く、光学用フィルムとしては用途が極めて限定される。
本発明の光学フィルムの光弾性係数は10×10-122/N以下であることが好ましく、より好ましくは6×10-122/N以下、更に好ましくは3×10-122/N以下である。光弾性係数が大きくなると、外部応力が加わったときに位相差が発生しやすくなり、特に液晶表示装置を構成するフィルムとして用いたとき、光抜け等が著しくなるため好ましくないためである。
本発明における偏光板は、偏光子の両面に保護フィルムが積層された構成をしており、上記偏光子の少なくとも片面、特に液晶セル側の面には本発明の光学フィルムが配されている。本発明の光学フィルムを用いてなる偏光板は、透明性、光弾性係数が優れていることから、特に各種の液晶表示装置に好適に用いられる。
これによって、液晶表示装置を耐久試験したときの、正面及び斜めから眺めたときの光漏れが少なくなり、正面のみならず斜めから眺めても高コントラストの画像を得ることができる。
また、液晶表示装置に用いられる偏光板の偏光板用保護フィルムについて、偏光板の外側の面(液晶セルと反対側の面)に用いられる偏光板用保護フィルムは、透明であれば、光弾性係数が高くともコントラスト等に問題がないため、本発明の光学フィルム以外のフィルムが用いられてもよく、例えば、樹脂としてはオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられ、更に溶融成形、溶液キャスト成形のどちらで製膜しても良く、一軸延伸、二軸延伸されていても構わない。
上記偏光子とは、偏光子の機能を有するフィルム又はシートであれば特に限定されることなく使用でき、例えば、PVAからなるフィルムにヨウ素を吸着させた後、ホウ酸浴中で一軸延伸したPVA・ヨウ素系偏光子、PVAフィルムに二色性の高い直接染料を拡散吸着させた後、一軸延伸したPVA・染料系偏光子、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物のようなポリエン配向偏光子等が挙げられる。
上記PVAは、酢酸ビニルのみを重合したポリ酢酸ビニルを鹸化して製造されたものだけでなく、酢酸ビニルに少量の不飽和カルボン酸(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等の共重合可能成分を共重合させたものが鹸化されたものでもよい。
本発明の光学フィルムと偏光子とを積層する方法としては、特に限定されず、一般に使用される方法としては、例えばウェットラミネーション等が用いられる。
ウェットラミネーションは、乾燥後の厚み、塗工の円滑性等を考慮して、例えば、接着剤を水により適当な濃度(例えば0.01〜50重量%)に希釈して塗工液を調製した後、公知の方法(例えば、グラビアコーター、マイクログラビアコーター等)でフィルム上に塗布するか、又は滴下した後、対ロールで余分な塗工液をしごきながらラミネートし、熱風等で乾燥させて接着する方法が挙げられる。
なお、ウェットラミネーションで製造する場合には、接着剤に含まれている水分を蒸発させるために、偏光板用保護フィルムには適度な透湿性が要求される。具体的には、少なくとも片面、好ましくは両面の偏光板用保護フィルムについて、JIS Z 0280で測定される透湿度が40g/m/日以上必要である。
上記接着剤は、透明性を有する接着剤又は粘着剤等であれば、特に限定されず、例えば、ウレタン系接着剤、PVA系接着剤等が高い接着性能や耐久性の面から好ましく用いられる。また、上記光学フィルムを積層する際に、フィルムの接着力を向上する目的で、光学フィルムの接着面にコロナ処理、紫外線照射処理等の一般に使用される表面処理を施すことが好ましい。
また、作製された光学フィルムの表面に、無機化合物、シランカップリング剤等の有機シリコーン化合物、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂等からなるハードコート層を形成することができる。上記ハードコート層の形成手段としては、例えば、熱硬化法、紫外線硬化法、電子線硬化法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の公知の方法が挙げられる。これによって、成形品の耐熱性、光学特性、耐薬品性、耐磨耗性及び透湿性等を向上させることができる。
本発明の光学フィルムは、各種の液晶ディスプレイに使用されている位相差フィルムにも好適に使用される。
位相差フィルムの製造法としては、従来知られている方法が使用でき、例えば、本発明の光学フィルムを一軸延伸、同時二軸延伸、逐次二軸延伸等の延伸処理を行うことで製造できる。
このように得られた位相差フィルムは通常、粘着剤によって偏光板に積層されるが、本発明の光学フィルムを用いた位相差フィルムは、偏光子の保護フィルムとしての機能も持ち合わせているため、上記に記載の保護フィルムと同様にして、偏光子に直接貼り合わせることで、位相差フィルムの機能を兼ね備えた保護フィルムとしても用いることができる。
以下、本発明の具体的な実施例を挙げることにより本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
アセトアルデヒドを原料としたポリビニルアセタール樹脂「KS−5」(積水化学工業社製)を15重量%になるようにTHFに溶解し、塗工ブレードを用いてキャストフィルムを作製し、90℃で12時間減圧乾燥させることで厚さ40μmの光学フィルムを得た。
なお、用いた樹脂の重合度は2400、アセタール化度は74モル%、得られたフィルムのガラス転移温度は113℃、透湿度は290g/m/日であった。
シクロヘキサンカルボキシアルデヒドを原料としたポリビニルアセタール樹脂を合成し、実施例1と同様にして厚さ40μmの光学フィルムを得た。
なお、用いた樹脂の重合度は500、アセタール化度は71モル%、得られたフィルムのガラス転移温度は110℃、透湿度は42g/m/日であった。
(比較例1)
実施例1で用いたポリビニルアセタール樹脂「KS−5」80重量部に対し、可塑剤フタル酸ジ−2−エチルヘキシル20重量部加えて均一混合させたものを樹脂と可塑剤あわせて15重量%になるようにTHFに溶解し、塗工ブレードを用いてキャストフィルムを作製し、90℃で12時間減圧乾燥させることで厚さ40μmの光学フィルムを得た。
なお、得られたフィルムのガラス転移温度は88℃、透湿度は310g/m/日であった。
(比較例2)
偏光子保護フィルムの比較例として、TACキャストフィルム(フジタッククリア、厚さ40μm、富士写真フィルム社製)を使用した。なお、このフィルムの透湿度は840g/m/日であった。
(比較例3)
位相差フィルムの比較例として、ポリカーボネートキャストフィルム(鐘淵化学工業社製、厚さ40μm)を165℃雰囲気中で長手方向に引っ張り速度50mm/minで7%延伸処理した。厚さは38μmであった。
実施例1、2及び比較例1〜3で得られた光学フィルムの平行光線透過率、光弾性係数を以下の方法により測定した。また、実施例1、2及び比較例1、2については、偏光板の耐久性を、実施例1、2及び比較例3については、位相差フィルムの耐久性を以下の方法により測定した。結果を下記表1に示す。
(平行光線透過率の測定)
JIS K 7150に準拠して、ヘイズメーターTC−H III DPK(東京電色社製)を用いて測定した。
(光弾性係数の測定)
実施例及び比較例にて得られた光学フィルムを、流れ方向に平行に、巾1cm長さ15cmのサイズに切り出し、長さ方向に0,400,800,1200,1600,2000gの荷重を負荷した状態で位相差を測定し、荷重と位相差を最小2乗近似によって得られた直線の傾きから光弾性係数を求めた。位相差はKOBRA−21ADH(王子計測機器社製)を用い測定波長590nmにて測定した。測定は、フィルム平面に対する法線方向について行った。
(偏光板の作製及び耐久性の評価)
実施例1,2及び比較例1にて得られた光学フィルムを用い、偏光板を作製した。
先ず偏光子を以下のようにして作製した。鹸化度99モル%、厚み75μmのPVA未延伸フィルムを室温の水で洗浄した後、縦一軸に5倍延伸を行った。このフィルムの緊張状態を保持したままヨウ素0.5重量%、ヨウ化カリウム5重量%からなる水溶液に浸漬し二色性色素を吸着させた。さらにホウ酸10重量%、ヨウ化カリウム10重量%からなる50℃の水溶液で5分間架橋処理を行い、偏光子を得た。これを70℃で5分乾燥して、水分率を8重量%にしたものを用いた。
次に、実施例1,2及び比較例1にて得られた光学フィルムをA4サイズに切り出し、偏光子との接着面側にコロナ処理を施した。
接着剤溶液として、水性ウレタン接着剤(EL−436A/B、東洋モートン社製)の主剤/硬化剤(混合比10/3)を不揮発分が10重量%になるように水で希釈し調製した。次に、この接着剤溶液をメイヤーバー#8で上記フィルムのコロナ処理面に塗布した。これに偏光子を貼り合わせた。更に、この操作を偏光子のもう一方の面にも行い、偏光子の両面に光学フィルムを貼り付けた。これを45℃の恒温槽で72時間保持し乾燥・養生を行い、偏光板を作製した。
この偏光板を再度コロナ処理し、両面粘着シートを貼合後、偏光板の吸収軸が各辺に対して45°となるように15cm角に切り出し、無アルカリガラス基板に貼り付けた。この偏光板付きガラスを80℃のオーブンに100時間投入し、耐久試験をした。耐久試験後の偏光板に市販の偏光板(サンリッツ社製「UHLC2−5618」)を、クロスニコルになるように重ね、ライトボックス上に置いて観察することで、正面方向の光抜けを観察した。光抜けが観察されるものについては×、観察されないものについては○とした。
(位相差フィルムの作製及び耐久性の評価)
実施例1,2及び比較例2にて得られた光学フィルムを幅5cm、長さ30cmに切り出し、引っ張り試験機を用いてチャック間距離20cmで引っ張り試験を行った。
実施例1については120℃雰囲気中で引っ張り速度100mm/minで100%延伸処理した。実施例2については95℃雰囲気中で引っ張り速度100mm/minで100%延伸処理した。比較例2については165℃雰囲気中で引っ張り速度50mm/minで7%延伸処理した。得られたフィルムの中央部を10cmの長さに切り、位相差フィルム用サンプルとした。次に、無アルカリガラスに、ガラス−偏光板(配向角0°)−位相差フィルム(配向角45°)−偏光板(配向角90°)となるように粘着剤を用いて積層した。
この偏光板付きガラスを80℃のオーブンに100時間投入し、耐久試験をした。耐久試験後のサンプルをライトボックスに置いて観察することで、耐久試験前のサンプルと比較した。色の変化が大きいものについては×、色の変化がほとんど観察されないものについては○とした。
(評価結果)
結果を表1に示す。
Figure 2005091900
表1から明らかなように、従来偏光子保護フィルムとして使われてきたTAC、位相差フィルムとして使われてきたPCは光弾性係数が大きいため、耐久試験時の、主として偏光子の収縮張力によって生じる応力によって、複屈折性が発現し、結果として偏光板、位相差フィルムの特性が劣化している。それに対し、ポリビニルアセタールを用いたものは、光弾性係数が小さいために、耐久試験を行っても光学特性の劣化がきわめて小さく、偏光板及び位相差フィルムは良好な耐久性を示す。
本発明の光学フィルム、偏光板、位相差フィルム、液晶表示装置は光学用特に液晶表示装置に好適に用いられ、中でも高い耐久性の要求される液晶表示装置用のフィルムとして好適に用いられる。

Claims (6)

  1. ポリビニルアセタール樹脂からなり、光弾性係数が10×10-122/N以下であることを特徴とする光学フィルム。
  2. アセタール化度が40モル%以上であることを特徴とする、請求項1記載の光学フィルム。
  3. ポリビニルアセタール樹脂が、ポリビニルアルコールを、炭素数1〜10の脂肪族もしくは脂環族アルデヒドでアセタール化して得られることを特徴とする、請求項1または2記載の光学フィルム。
  4. 請求項1〜3に記載の光学フィルムが、偏光子の少なくとも片面に積層されてなることを特徴とする偏光板。
  5. 請求項1〜3に記載の光学フィルムからなる位相差フィルム。
  6. 請求項4に記載の偏光板もしくは、請求項5に記載の位相差フィルムのうち、少なくともいずれかを用いてなることを特徴とする液晶表示装置。
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