JP2020042166A - 表面保護フィルム用基材、該基材を用いた表面保護フィルム、および表面保護フィルム付位相差層付偏光板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の表面保護フィルム用基材は、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板に剥離可能に貼り合わせられる表面保護フィルムの基材である。該基材の面内位相差Reb(550)と該位相差層付偏光板の位相差層の面内位相差Rer(550)とは下記関係式(1)を満足し、該表面保護フィルムが該位相差層付偏光板に貼り合わせられた場合に、該基材の遅相軸は該位相差層の遅相軸に対して実質的に直交するよう構成されている:
Rer(550)−20<Reb(550)<Rer(550)+20 ・・・(1)。
【選択図】なし
Description
Rer(550)−20<Reb(550)<Rer(550)+20 ・・・(1)。
本発明の別の表面保護フィルム用基材は、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板に剥離可能に貼り合わせられる表面保護フィルムの基材である。該基材の面内位相差Reb(550)と該位相差層付偏光板の位相差層の面内位相差Rer(550)とは下記関係式(2)を満足し、該表面保護フィルムが該位相差層付偏光板に貼り合わせられた場合に、該基材の遅相軸は該位相差層の遅相軸に対して実質的に平行となるよう構成されている:
280−Rer(550)−20<Reb(550)<280−Rer(550)+20 ・・・(2)。
1つの実施形態においては、上記位相差層付偏光板の位相差層の面内位相差Rer(550)は80nm〜160nmである。
本発明の別の局面によれば、表面保護フィルムが提供される。この表面保護フィルムは、上記表面保護フィルム用基材と粘着剤層とを含む。
本発明のさらに別の局面によれば、表面保護フィルム付位相差層付偏光板が提供される。この表面保護フィルム付位相差層付偏光板は、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板と、該位相差層付偏光板に剥離可能に貼り合わせられた上記表面保護フィルムと、を含む。
本発明の実施形態による表面保護フィルム用基材は、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板に剥離可能に貼り合わせられる表面保護フィルムの基材である。基材の面内位相差Reb(550)と位相差層付偏光板の位相差層の面内位相差Rer(550)とは下記関係式(1)を満足する:
Rer(550)−20<Reb(550)<Rer(550)+20 ・・・(1)。
Reb(550)とRer(550)とは、好ましくは下記関係式(1a)を満足し、より好ましくは下記関係式(1b)を満足し、さらに好ましくは下記関係式(1c)を満足する:
Rer(550)−10<Reb(550)<Rer(550)+10 ・・・(1a)
Rer(550)−5<Reb(550)<Rer(550)+5 ・・・(1b)
Rer(550)−3<Reb(550)<Rer(550)+3 ・・・(1c)。
Reb(550)とRer(550)とがこのような関係であれば、後述するように基材の遅相軸方向と位相差層の遅相軸方向との関係を最適化する効果との相乗的な効果により、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板の光学検査時の光漏れ、着色および虹ムラを良好に抑制することができる。この場合、基材を含む表面保護フィルムが位相差層付偏光板に貼り合わせられた場合に、基材の遅相軸は位相差層の遅相軸に対して実質的に直交するよう構成されている。このような構成であれば、上記のようなReb(550)とRer(550)との関係を最適化する効果との相乗的な効果により、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板の光学検査時の光漏れ、着色および虹ムラを良好に抑制することができる。なお、本明細書において「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した正面方向の位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re=(nx−ny)×dによって求められる。したがって、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した正面方向の位相差である。ここで、「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率である。また、添え字の「b」は表面保護フィルム用基材を表し、「r」は位相差層付偏光板の位相差層を表す。したがって、「Reb(λ)」は、表面保護フィルム用基材の面内位相差を表す。さらに、本明細書において、「実質的に垂直」、「実質的に直交」および「略直交」という表現は、2つの方向のなす角度が90°±10°である場合を包含し、好ましくは90°±7°であり、さらに好ましくは90°±5°である。「実質的に平行」および「略平行」という表現は、2つの方向のなす角度が0°±10°である場合を包含し、好ましくは0°±7°であり、さらに好ましくは0°±5°である。さらに、本明細書において単に「垂直」または「直交」あるいは「平行」というときは、実質的に垂直または直交あるいは実質的に平行な状態を含み得るものとする。なお、本明細書において角度に言及するときは、当該角度は基準方向に対して時計回りおよび反時計回りの両方を包含する。
280−Rer(550)−20<Reb(550)<280−Rer(550)+20 ・・・(2)。
Reb(550)とRer(550)とは、好ましくは下記関係式(2a)を満足し、より好ましくは下記関係式(2b)を満足し、さらに好ましくは下記関係式(2c)を満足する:
280−Rer(550)−10<Reb(550)<280−Rer(550)+10・・・(2a)
280−Rer(550)−5<Reb(550)<280−Rer(550)+5 ・・・(2b)
280−Rer(550)−3<Reb(550)<280−Rer(550)+3 ・・・(2c)。
Reb(550)とRer(550)とがこのような関係であれば、後述するように基材の遅相軸方向と位相差層の遅相軸方向との関係を最適化する効果との相乗的な効果により、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板の光学検査時の光漏れ、着色および虹ムラを良好に抑制することができる。この場合、基材を含む表面保護フィルムが位相差層付偏光板に貼り合わせられた場合に、基材の遅相軸は位相差層の遅相軸に対して実質的に平行となるよう構成されている。このような構成であれば、上記のようなReb(550)とRer(550)との関係を最適化する効果との相乗的な効果により、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板の光学検査時の光漏れ、着色および虹ムラを良好に抑制することができる。
上記A項に記載の表面保護フィルム用基材は、表面保護フィルムに好適に用いられ得る。したがって、本発明の実施形態は、表面保護フィルムも包含する。本発明の実施形態による表面保護フィルムは、上記A項に記載の表面保護フィルム用基材と粘着剤層とを含む。
上記B項に記載の表面保護フィルムは、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板(最終的には、画像表示装置)が実際に使用されるまでの間、当該位相差層付偏光板を保護するために用いられる。したがって、本発明の実施形態は、表面保護フィルム付位相差層付偏光板も包含する。本発明の実施形態による表面保護フィルム付位相差層付偏光板は、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板と、当該位相差層付偏光板の視認側(位相差層側)に剥離可能に貼り合わせられた上記B項に記載の表面保護フィルムとを含む。
実施例および比較例で得られた表面保護フィルム用基材、ならびに実施例および比較例に用いた位相差層付偏光板の位相差層を長さ4cmおよび幅4cmに切り出し、測定試料とした。当該測定試料について、Axometrics社製、製品名「Axoscan」を用いてRe(450)およびRe(550)を測定した。さらに、波長分散特性の指標としてRe(450)/Re(550)を算出した。測定波長は450nmおよび550nm、測定温度は23℃であった。
(2)光漏れ
実施例および比較例で得られた表面保護フィルム用基材を、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板の位相差層表面に配置した。さらに、位相差層付偏光板の表面保護フィルム用基材と反対側に、通常の偏光板をクロスニコル状態となるように配置した。このようにして、表面保護フィルム用基材/位相差層/視認側偏光板/下側偏光板の構成を有する試験サンプルを得た。下側偏光板の下側から蛍光灯の光を照射し、光漏れの有無を目視により観察した。以下の基準で評価した。
○:光漏れは認められなかった
△:光漏れがわずかに認められた
×:光漏れが顕著に認められた
さらに、虹ムラの有無についても目視により観察し、以下の基準で評価した。
○:虹ムラは認められなかった
△:虹ムラがわずかに認められた
×:虹ムラが顕著に認められた
なお、位相差層付偏光板としては、日東電工社製の製品名「NZD−MCDGRTTKHC10」を用いた。この位相差層付偏光板の位相差層のRe(550)は100nmであり、Re(450)/Re(550)は1.01であった。さらに、位相差層の遅相軸方向は、偏光子の吸収軸方向を0°としたとき45°であった。
市販のポリカーボネート樹脂フィルム(三菱ケミカル社製、商品名「DURABIO T7450A」、イソソルビド構造単位62モル%、トリシクロデカンジメタノール構造単位38モル%))を105℃で5時間真空乾燥をした後、単軸押出機(東芝機械社製、シリンダー温度230℃)、Tダイ(幅1700mm、温度230℃)、キャストロール(温度120℃)および巻取機を備えたフィルム製膜装置を用いて、厚み75μmのフィルムを作製した。このフィルムを、斜め方向に1.96倍に斜め延伸した。延伸方向は135°延伸温度は[139(Tg+10)℃]であった。このようにして、表面保護フィルム用基材(厚み40μm)を得た。得られた表面保護フィルム用基材のRe(550)は100nmであり、Rth(550)は118nmであり、Re(450)/Re(550)は1.02であった。得られた表面保護フィルム用基材を上記光漏れおよび虹ムラの評価に供した。結果を表1に示す。なお、測定サンプルの作製において、表面保護フィルム用基材は、その遅相軸方向が位相差層付偏光板の偏光子の吸収軸方向を0°としたとき135°となるようにして、位相差層付偏光板の位相差層表面に配置した。すなわち、表面保護フィルム用基材の遅相軸方向が位相差層付偏光板の位相差層の遅相軸方向と直交するようにして、表面保護フィルム用基材を配置した。
延伸方向を45°、延伸温度を[133.7(Tg+4.7)℃]にしたこと以外は実施例1と同様にして表面保護フィルム用基材(厚み40μm)を得た。得られた表面保護フィルム用基材のRe(550)は180nmであり、Rth(550)は201.6nmであり、Re(450)/Re(550)は1.02であった。得られた表面保護フィルム用基材を上記光漏れおよび虹ムラの評価に供した。結果を表1に示す。なお、測定サンプルの作製において、表面保護フィルム用基材は、その遅相軸方向が位相差層付偏光板の偏光子の吸収軸方向を0°としたとき45°となるようにして、位相差層付偏光板の位相差層表面に配置した。すなわち、表面保護フィルム用基材の遅相軸方向が位相差層付偏光板の位相差層の遅相軸方向と平行となるようにして、表面保護フィルム用基材を配置した。
市販の位相差フィルム(日本ゼオン社製、商品名「ZD12−099063−C1300UHC)をそのまま用いたこと以外は実施例1と同様にして表面保護フィルム用基材(厚み80μm)を得た。得られた表面保護フィルム用基材のRe(550)は100nmであり、Rth(550)は110nmであり、Re(450)/Re(550)は1.01であった。得られた表面保護フィルム用基材を上記光漏れおよび虹ムラの評価に供した。結果を表1に示す。なお、測定サンプルの作製において、表面保護フィルム用基材は、その遅相軸方向が位相差層付偏光板の偏光子の吸収軸方向を0°としたとき45°となるようにして、位相差層付偏光板の位相差層表面に配置した。すなわち、表面保護フィルム用基材の遅相軸方向が位相差層付偏光板の位相差層の遅相軸方向と平行となるようにして、表面保護フィルム用基材を配置した。
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した縦型反応器2器からなるバッチ重合装置を用いて重合を行った。ビス[9−(2−フェノキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン29.60質量部(0.046mol)、イソソルビド29.21質量部(0.200mol)、スピログリコール42.28質量部(0.139mol)、ジフェニルカーボネート63.77質量部(0.298mol)及び触媒として酢酸カルシウム1水和物1.19×10−2質量部(6.78×10−5mol)を仕込んだ。反応器内を減圧窒素置換した後、熱媒で加温を行い、内温が100℃になった時点で撹拌を開始した。昇温開始40分後に内温を220℃に到達させ、この温度を保持するように制御すると同時に減圧を開始し、220℃に到達してから90分で13.3kPaにした。重合反応とともに副生するフェノール蒸気を100℃の還流冷却器に導き、フェノール蒸気中に若干量含まれるモノマー成分を反応器に戻し、凝縮しないフェノール蒸気は45℃の凝縮器に導いて回収した。第1反応器に窒素を導入して一旦大気圧まで復圧させた後、第1反応器内のオリゴマー化された反応液を第2反応器に移した。次いで、第2反応器内の昇温および減圧を開始して、50分で内温240℃、圧力0.2kPaにした。その後、所定の攪拌動力となるまで重合を進行させた。所定動力に到達した時点で反応器に窒素を導入して復圧し、生成したポリエステルカーボネートを水中に押し出し、ストランドをカッティングしてペレットを得た。
市販のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含有するポリカーボネート樹脂(三菱化学(株)製、商品名DURABIO T7450A、イソソルビド構造単位62モル%、トリシクロデカンジメタノール構造単位38モル%)を105℃で5時間真空乾燥をした後、単軸押出機(東芝機械社製、スクリュー径25mm、シリンダー設定温度:230℃)、Tダイ(幅1700mm、設定温度:230℃)、チルロール(設定温度:120℃)および巻取機を備えたフィルム製膜装置を用いて、厚み40μmのポリカーボネート樹脂フィルムを作製し、表面保護フィルム用基材とした。得られた表面保護フィルム用基材のRe(550)は5.6nmであり、Rth(550)は11.5nmであり、Re(450)/Re(550)は1.02であった。得られた表面保護フィルム用基材を上記光漏れおよび虹ムラの評価に供した。結果を表1に示す。なお、測定サンプルの作製において、表面保護フィルム用基材は、その遅相軸方向が位相差層付偏光板の偏光子の吸収軸方向を0°としたとき1.6°となるようにして、位相差層付偏光板の位相差層表面に配置した。
市販の超高位相差ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ケミカル社製、商品名「ダイアホイルMRF38CK」)をそのまま用いて表面保護フィルム用基材(厚み38μm)とした。表面保護フィルム用基材のRe(550)は2950nmであり、Rth(550)は8989.4nmであり、Re(450)/Re(550)は1.06であった。得られた表面保護フィルム用基材を上記光漏れおよび虹ムラの評価に供した。結果を表1に示す。なお、測定サンプルの作製において、表面保護フィルム用基材は、その遅相軸方向が位相差層付偏光板の偏光子の吸収軸方向を0°としたとき1.3°となるようにして、位相差層付偏光板の位相差層表面に配置した。
表1から明らかなように、本発明の実施例の表面保護フィルム用基材は、光漏れおよび虹ムラが抑制されていることがわかる。なお、着色についても虹ムラおよび光漏れと同様の結果が得られることを確認した。
Claims (5)
- 視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板に剥離可能に貼り合わせられる表面保護フィルムの基材であって、
該基材の面内位相差Reb(550)と該位相差層付偏光板の位相差層の面内位相差Rer(550)とが下記関係式(1)を満足し、
該表面保護フィルムが該位相差層付偏光板に貼り合わせられた場合に、該基材の遅相軸が該位相差層の遅相軸に対して実質的に直交するよう構成されている、表面保護フィルム用基材:
Rer(550)−20<Reb(550)<Rer(550)+20 ・・・(1)。 - 視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板に剥離可能に貼り合わせられる表面保護フィルムの基材であって、
該基材の面内位相差Reb(550)と該位相差層付偏光板の位相差層の面内位相差Rer(550)とが下記関係式(2)を満足し、
該表面保護フィルムが該位相差層付偏光板に貼り合わせられた場合に、該基材の遅相軸が該位相差層の遅相軸に対して実質的に平行となるよう構成されている、表面保護フィルム用基材:
280−Rer(550)−20<Reb(550)<280−Rer(550)+20 ・・・(2)。 - 前記位相差層付偏光板の位相差層の面内位相差Rer(550)が80nm〜160nmである、請求項1または2に記載の表面保護フィルム用基材。
- 請求項1から3のいずれかに記載の表面保護フィルム用基材と粘着剤層とを含む、表面保護フィルム。
- 視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板と、該位相差層付偏光板に剥離可能に貼り合わせられた請求項4に記載の表面保護フィルムと、を含む、表面保護フィルム付位相差層付偏光板。
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