JP2020042166A - 表面保護フィルム用基材、該基材を用いた表面保護フィルム、および表面保護フィルム付位相差層付偏光板 - Google Patents

表面保護フィルム用基材、該基材を用いた表面保護フィルム、および表面保護フィルム付位相差層付偏光板 Download PDF

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Abstract

【課題】視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板の光学検査時の光漏れ、着色および虹ムラを良好に抑制し得る表面保護フィルム用基材を提供すること。
【解決手段】本発明の表面保護フィルム用基材は、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板に剥離可能に貼り合わせられる表面保護フィルムの基材である。該基材の面内位相差Reb(550)と該位相差層付偏光板の位相差層の面内位相差Rer(550)とは下記関係式(1)を満足し、該表面保護フィルムが該位相差層付偏光板に貼り合わせられた場合に、該基材の遅相軸は該位相差層の遅相軸に対して実質的に直交するよう構成されている:
Rer(550)−20<Reb(550)<Rer(550)+20 ・・・(1)。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面保護フィルム用基材、該基材を用いた表面保護フィルム、および表面保護フィルム付位相差層付偏光板に関する。
光学フィルム(例えば、偏光板、偏光板を含む積層体)には、当該光学フィルムが適用される画像表示装置が実際に使用されるまでの間、当該光学フィルム(最終的には、画像表示装置)を保護するために表面保護フィルムが剥離可能に貼り合わせられている。実用的には、光学フィルム/表面保護フィルムの積層体が表示セルに貼り合わせられて画像表示装置が作製され、当該積層体が貼り合わせられた状態で画像表示装置が光学試験(例えば、点灯試験)に供され、その後の適切な時点で表面保護フィルムが剥離除去される。表面保護フィルムは、代表的には、基材としての樹脂フィルムと粘着剤層とを有する。ところで、光学フィルムとして、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板が知られている。このような位相差層付偏光板は、代表的には、偏光サングラスを介して視認する場合の視認性を向上させるために用いられ得る。このような位相差層付偏光板を光学検査に供する場合、従来の表面保護フィルムによれば、当該光学検査の際に光漏れ、着色、虹ムラ等が発生し、光学検査の精度低下の原因となる場合がある。その結果、画像表示装置自体には問題がないにもかかわらず出荷前の光学検査で不良と判断されてしまう場合があり、これにより、画像表示装置の製造から出荷までの効率が低下してしまうという問題がある。
特開2017−190406号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板の光学検査時の光漏れ、着色および虹ムラを良好に抑制し得る表面保護フィルム用基材を提供することにある。
本発明の表面保護フィルム用基材は、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板に剥離可能に貼り合わせられる表面保護フィルムの基材である。該基材の面内位相差Reb(550)と該位相差層付偏光板の位相差層の面内位相差Rer(550)とは下記関係式(1)を満足し、該表面保護フィルムが該位相差層付偏光板に貼り合わせられた場合に、該基材の遅相軸は該位相差層の遅相軸に対して実質的に直交するよう構成されている:
Rer(550)−20<Reb(550)<Rer(550)+20 ・・・(1)。
本発明の別の表面保護フィルム用基材は、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板に剥離可能に貼り合わせられる表面保護フィルムの基材である。該基材の面内位相差Reb(550)と該位相差層付偏光板の位相差層の面内位相差Rer(550)とは下記関係式(2)を満足し、該表面保護フィルムが該位相差層付偏光板に貼り合わせられた場合に、該基材の遅相軸は該位相差層の遅相軸に対して実質的に平行となるよう構成されている:
280−Rer(550)−20<Reb(550)<280−Rer(550)+20 ・・・(2)。
1つの実施形態においては、上記位相差層付偏光板の位相差層の面内位相差Rer(550)は80nm〜160nmである。
本発明の別の局面によれば、表面保護フィルムが提供される。この表面保護フィルムは、上記表面保護フィルム用基材と粘着剤層とを含む。
本発明のさらに別の局面によれば、表面保護フィルム付位相差層付偏光板が提供される。この表面保護フィルム付位相差層付偏光板は、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板と、該位相差層付偏光板に剥離可能に貼り合わせられた上記表面保護フィルムと、を含む。
本発明の実施形態によれば、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板に貼り合わせられる表面保護フィルムにおいて、基材の面内位相差と位相差層付偏光板の位相差層の面内位相差との関係を最適化し、かつ、基材の遅相軸方向と位相差層の遅相軸方向との関係を最適化することにより、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板の光学検査時の光漏れ、着色および虹ムラを良好に抑制し得る表面保護フィルム用基材を実現することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
A.表面保護フィルム用基材
本発明の実施形態による表面保護フィルム用基材は、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板に剥離可能に貼り合わせられる表面保護フィルムの基材である。基材の面内位相差Reb(550)と位相差層付偏光板の位相差層の面内位相差Rer(550)とは下記関係式(1)を満足する:
Rer(550)−20<Reb(550)<Rer(550)+20 ・・・(1)。
Reb(550)とRer(550)とは、好ましくは下記関係式(1a)を満足し、より好ましくは下記関係式(1b)を満足し、さらに好ましくは下記関係式(1c)を満足する:
Rer(550)−10<Reb(550)<Rer(550)+10 ・・・(1a)
Rer(550)−5<Reb(550)<Rer(550)+5 ・・・(1b)
Rer(550)−3<Reb(550)<Rer(550)+3 ・・・(1c)。
Reb(550)とRer(550)とがこのような関係であれば、後述するように基材の遅相軸方向と位相差層の遅相軸方向との関係を最適化する効果との相乗的な効果により、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板の光学検査時の光漏れ、着色および虹ムラを良好に抑制することができる。この場合、基材を含む表面保護フィルムが位相差層付偏光板に貼り合わせられた場合に、基材の遅相軸は位相差層の遅相軸に対して実質的に直交するよう構成されている。このような構成であれば、上記のようなReb(550)とRer(550)との関係を最適化する効果との相乗的な効果により、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板の光学検査時の光漏れ、着色および虹ムラを良好に抑制することができる。なお、本明細書において「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した正面方向の位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re=(nx−ny)×dによって求められる。したがって、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した正面方向の位相差である。ここで、「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率である。また、添え字の「b」は表面保護フィルム用基材を表し、「r」は位相差層付偏光板の位相差層を表す。したがって、「Reb(λ)」は、表面保護フィルム用基材の面内位相差を表す。さらに、本明細書において、「実質的に垂直」、「実質的に直交」および「略直交」という表現は、2つの方向のなす角度が90°±10°である場合を包含し、好ましくは90°±7°であり、さらに好ましくは90°±5°である。「実質的に平行」および「略平行」という表現は、2つの方向のなす角度が0°±10°である場合を包含し、好ましくは0°±7°であり、さらに好ましくは0°±5°である。さらに、本明細書において単に「垂直」または「直交」あるいは「平行」というときは、実質的に垂直または直交あるいは実質的に平行な状態を含み得るものとする。なお、本明細書において角度に言及するときは、当該角度は基準方向に対して時計回りおよび反時計回りの両方を包含する。
別の実施形態においては、基材の面内位相差Reb(550)と位相差層付偏光板の位相差層の面内位相差Rer(550)とは下記関係式(2)を満足する:
280−Rer(550)−20<Reb(550)<280−Rer(550)+20 ・・・(2)。
Reb(550)とRer(550)とは、好ましくは下記関係式(2a)を満足し、より好ましくは下記関係式(2b)を満足し、さらに好ましくは下記関係式(2c)を満足する:
280−Rer(550)−10<Reb(550)<280−Rer(550)+10・・・(2a)
280−Rer(550)−5<Reb(550)<280−Rer(550)+5 ・・・(2b)
280−Rer(550)−3<Reb(550)<280−Rer(550)+3 ・・・(2c)。
Reb(550)とRer(550)とがこのような関係であれば、後述するように基材の遅相軸方向と位相差層の遅相軸方向との関係を最適化する効果との相乗的な効果により、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板の光学検査時の光漏れ、着色および虹ムラを良好に抑制することができる。この場合、基材を含む表面保護フィルムが位相差層付偏光板に貼り合わせられた場合に、基材の遅相軸は位相差層の遅相軸に対して実質的に平行となるよう構成されている。このような構成であれば、上記のようなReb(550)とRer(550)との関係を最適化する効果との相乗的な効果により、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板の光学検査時の光漏れ、着色および虹ムラを良好に抑制することができる。
上記のとおり、表面保護フィルム用基材の面内位相差Reb(550)は、位相差層付偏光板の位相差層の面内位相差Rer(550)を基準にして設定され得る。基準となる位相差層の面内位相差Rer(550)は、好ましくは80nm〜160nmであり、より好ましくは90nm〜150nmであり、さらに好ましくは100nm〜140nmである。Rer(550)がこのような範囲であれば、位相差層付偏光板から円偏光が出射し得る。Rer(550)を基準にして基材の面内位相差Reb(550)を上記のような関係を満足するよう設定することにより、当該円偏光を良好に直線偏光に変換することができる。その結果、光学検査において(特に、偏光フィルターが取り付けられたカメラを用いて検査する場合に)、当該直線偏光の偏光方向と偏光フィルターの吸収軸方向とを調整することにより、光漏れ、着色および虹ムラを顕著に抑制することができる。
上記のとおり、表面保護フィルム用基材は、所定の面内位相差を有し、遅相軸を有する。したがって、表面保護フィルム用基材は、代表的には屈折率特性がnx>nyの関係を示す。表面保護フィルム用基材は、nx>nyの関係を有する限り、任意の適切な屈折率特性を示す。好ましくは、表面保護フィルム用基材の屈折率特性は、nx>ny≧nzの関係を示す。なお、ここで「ny=nz」はnyとnzが完全に等しい場合だけではなく、実質的に等しい場合を包含する。したがって、本発明の効果を損なわない範囲で、ny<nzとなる場合があり得る。表面保護フィルム用基材のNz係数は、好ましくは0.9〜2であり、より好ましくは0.9〜1.5であり、さらに好ましくは0.9〜1.2である。「Nz係数」は、Nz=Rth(λ)/Re(λ)で求められる。「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Rth=(nx−nz)×dによって求められる。したがって、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。ここで、「nz」は厚み方向の屈折率である。
表面保護フィルム用基材は、面内位相差が測定光の波長に応じて大きくなる逆分散波長特性を示してもよく、面内位相差が測定光の波長に応じて小さくなる正の波長分散特性を示してもよく、面内位相差が測定光の波長によってもほとんど変化しないフラットな波長分散特性を示してもよい。好ましくは、表面保護フィルム用基材の波長分散特性は、位相差層付偏光板の位相差層の波長分散特性と同一特性である。例えば、位相差層が逆分散波長分散特性を示す場合には、表面保護フィルム用基材も逆分散波長分散特性を示すことが好ましい。このような構成であれば、光学検査においてニュートラルな色相が実現されるので、光学検査の精度をさらに向上させることができる。例えば、表面保護フィルム用基材のRe(450)/Re(550)と位相差層のRe(450)/Re(550)との差は、好ましくは0.03以下であり、より好ましくは0.01以下である。
表面保護フィルム用基材の全光線透過率は、好ましくは80%以上であり、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上であり、特に好ましくは95%以上である。さらに、表面保護フィルム用基材のヘイズは、好ましくは1.0%以下であり、より好ましくは0.7%以下であり、さらに好ましくは0.5%以下であり、特に好ましくは0.3%以下である。全光線透過率またはヘイズがこのような範囲であれば、本発明の表面保護フィルム用基材を用いた表面保護フィルムを画像表示装置の光学検査に供した場合に、優れた視認性を確保することができる。その結果、画像表示装置の光学検査の精度を顕著に向上させることができる。
表面保護フィルム用基材は、MIT試験における破断までの折り曲げ回数が好ましくは500回以上であり、より好ましくは700回以上であり、さらに好ましくは900回以上であり、特に好ましくは1100回以上である。すなわち、表面保護フィルム用基材は、好ましくは優れた可撓性または耐折り曲げ性を有し得る。このような構成であれば、貼り合わせ時および剥離時の操作性に優れ、かつ、割れが抑制された表面保護フィルムを得ることができる。なお、MIT試験は、JIS P 8115に準拠して行われ得る。
表面保護フィルム用基材は、吸水率が好ましくは5%以下であり、より好ましくは4%以下であり、さらに好ましくは2%以下である。また、表面保護フィルム用基材は、40℃および92%RHの環境下に24時間放置した後の透湿度が、好ましくは400g/m・24h以下であり、より好ましくは160g/m・24h以下であり、さらに好ましくは130g/m・24h以下であり、特に好ましくは90g/m・24h以下である。吸水率または透湿度がこのような範囲であれば、加湿環境下における浮きを抑制することができる。その結果、長距離輸送(例えば、輸出)時の品質安定性が確保され得る。なお、吸水率は、JIS K 7209に準拠して測定され得る。透湿度は、JIS Z 0208に準拠して測定され得る(温湿度条件:40℃、90%RH)。
表面保護フィルム用基材は、ガラス転移温度(Tg)が好ましくは145℃以上であり、より好ましくは160℃以上である。Tgがこのような範囲であれば、表面保護フィルムを作製する際に粘着剤層を表面保護フィルム用基材に直接塗工することにより形成することができる。言い換えれば、所定のフィルム上に形成した粘着剤層を表面保護フィルム用基材に転写する必要がない。したがって、非常に優れた製造効率で表面保護フィルムを作製することができる。一方、表面保護フィルム用基材のTgの上限は、例えば200℃であり得る。
表面保護フィルム用基材の弾性率は、好ましくは、引張速度100mm/minにおいて50MPa〜350MPaである。弾性率がこのような範囲であれば、搬送性および操作性に優れた表面保護フィルムを得ることができる。本発明の実施形態によれば、優れた弾性率(強さ)と上記のような優れた可撓性または耐折り曲げ性(柔らかさ)とを両立することができる。なお、弾性率は、JIS K 7127:1999に準拠して測定される。
表面保護フィルム用基材の引張伸度は、好ましくは70%〜200%である。引張伸度がこのような範囲であれば、搬送中に破断しにくいという利点を有する。なお、引張伸度は、JIS K 6781に準拠して測定される。
表面保護フィルム用基材は、枚葉状であってもよく、長尺状であってもよい。表面保護フィルム用基材が長尺状である場合、その遅相軸は長尺方向に対して所定角度を有する方向であり得る。このような構成であれば、位相差層付偏光板と表面保護フィルムとをいわゆるロールトゥロールで貼り合わせることができる。当該所定角度は、位相差層付偏光板と表面保護フィルムとを貼り合わせた場合に、位相差層の遅相軸と表面保護フィルム用基材の遅相軸とが実質的に直交または平行となるような角度である。
表面保護フィルム用基材は、上記のような所望の特性を有し得る限り、任意の適切な材料で構成され得る。表面保護フィルム用基材は、代表的には樹脂フィルムで構成され得る。フィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリアリレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリアリールエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリビニルアルコール、ポリフマル酸エステル、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォン、シクロオレフィン系樹脂(例えば、ノルボルネン系樹脂)、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、セルロース樹脂(例えば、トリアセチルセルロース)、アクリル系樹脂およびポリウレタンが挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いてもよく組み合わせて用いてもよい。
表面保護フィルム用基材は、例えば、上記樹脂から形成されたフィルムを延伸することにより得られる。樹脂からフィルムを形成する方法としては、任意の適切な成形加工法が採用され得る。具体例としては、圧縮成形法、トランスファー成形法、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、粉末成形法、FRP成形法、キャスト塗工法(例えば、流延法)、カレンダー成形法、熱プレス法等が挙げられる。押出成形法またはキャスト塗工法が好ましい。得られるフィルムの平滑性を高め、良好な光学的均一性を得ることができるからである。成形条件は、使用される樹脂の組成や種類、表面保護フィルム用基材に所望される特性等に応じて適宜設定され得る。
上記延伸は、任意の適切な延伸方法、延伸条件(例えば、延伸温度、延伸倍率、延伸方向)が採用され得る。具体的には、自由端延伸、固定端延伸、自由端収縮、固定端収縮などの様々な延伸方法を、単独で用いることも、同時もしくは逐次で用いることもできる。延伸方向に関しても、長さ方向、幅方向、厚さ方向、斜め方向等、様々な方向や次元に行なうことができる。
上記延伸方法、延伸条件を適宜選択することにより、上記所望の光学特性(例えば、屈折率特性、面内位相差、Nz係数)を有する表面保護フィルム用基材を得ることができる。
1つの実施形態においては、表面保護フィルム用基材は、樹脂フィルムを一軸延伸もしくは固定端一軸延伸することにより作製される。固定端一軸延伸の具体例としては、樹脂フィルムを長手方向に走行させながら、幅方向(横方向)に延伸する方法が挙げられる。延伸倍率は、好ましくは1.1倍〜3.5倍である。
別の実施形態においては、表面保護フィルム用基材は、長尺状の樹脂フィルムを長手方向に対して所定の角度の方向に連続的に斜め延伸することにより作製され得る。斜め延伸を採用することにより、フィルムの長尺方向に対して所定角度の方向に遅相軸を有する長尺状の延伸フィルムが得られ、例えば、位相差層付偏光板との貼り合わせに際してロールトゥロールが可能となり、製造工程を簡略化することができる。なお、当該所定角度は、上記のとおりである。
斜め延伸に用いる延伸機としては、例えば、横および/または縦方向に、左右異なる速度の送り力もしくは引張り力または引き取り力を付加し得るテンター式延伸機が挙げられる。テンター式延伸機には、横一軸延伸機、同時二軸延伸機等があるが、長尺状の樹脂フィルムを連続的に斜め延伸し得る限り、任意の適切な延伸機が用いられ得る。
上記延伸機において左右の速度をそれぞれ適切に制御することにより、上記所望の面内位相差を有し、かつ、上記所望の方向に遅相軸を有する表面保護フィルム用基材(実質的には、長尺状の位相差フィルム)が得られ得る。
斜め延伸の方法としては、例えば、特開昭50−83482号公報、特開平2−113920号公報、特開平3−182701号公報、特開2000−9912号公報、特開2002−86554号公報、特開2002−22944号公報等に記載の方法が挙げられる。
上記フィルムの延伸温度は、表面保護フィルム用基材に所望される面内位相差値および厚み、使用される樹脂の種類、使用されるフィルムの厚み、延伸倍率等に応じて変化し得る。具体的には、延伸温度は、好ましくはTg+5℃〜Tg+30℃、さらに好ましくはTg+10℃〜Tg+30℃である。このような温度で延伸することにより、本発明において適切な特性を有する表面保護フィルム用基材が得られ得る。
表面保護フィルム用基材は、市販の樹脂フィルムをそのまま用いてもよく、市販の樹脂フィルムを上記のような延伸処理に供することにより形成されてもよい。
表面保護フィルム用基材の厚みは、代表的には10μm〜100μmであり、好ましくは20μm〜70μmである。
B.表面保護フィルム
上記A項に記載の表面保護フィルム用基材は、表面保護フィルムに好適に用いられ得る。したがって、本発明の実施形態は、表面保護フィルムも包含する。本発明の実施形態による表面保護フィルムは、上記A項に記載の表面保護フィルム用基材と粘着剤層とを含む。
粘着剤層を形成する粘着剤としては、任意の適切な粘着剤が採用され得る。粘着剤のベース樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂が挙げられる。このようなベース樹脂は、例えば、特開2015−120337号公報または特開2011−201983号公報に記載されている。これらの公報の記載は、本明細書に参考として援用される。耐薬品性、浸漬時における処理液の浸入を防止するための密着性、被着体への自由度等の観点から、アクリル系樹脂が好ましい。粘着剤に含まれ得る架橋剤としては、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物が挙げられる。粘着剤は、例えばシランカップリング剤を含んでいてもよい。粘着剤の配合処方は、目的および所望の特性に応じて適切に設定され得る。
粘着剤層の貯蔵弾性率は、好ましくは1.0×10Pa〜1.0×10Paであり、より好ましくは2.0×10Pa〜5.0×10Paである。粘着剤層の貯蔵弾性率がこのような範囲であれば、ロール形成時のブロッキングを抑制することができる。なお、貯蔵弾性率は、例えば、温度23℃および角速度0.1rad/sでの動的粘弾性測定から求めることができる。
粘着剤層の厚みは、好ましくは1μm〜60μmであり、より好ましくは3μm〜30μmである。厚みが薄すぎると、粘着性が不十分となり、粘着界面に気泡等が入り込む場合がある。厚みが厚すぎると、粘着剤がはみ出すなどの不具合が生じやすくなる。
実用的には、表面保護フィルムが実際に使用される(すなわち、光学フィルムまたは画像表示装置に貼り合わせられる)までの間、粘着剤層表面にセパレーターが剥離可能に仮着されている。セパレーターを設けることにより、粘着剤層を保護するとともに、表面保護フィルムをロール状に巻き取ることが可能となる。セパレーターとしては、例えば、シリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤、長鎖アルキルアクリレート系剥離剤等の剥離剤により表面コートされたプラスチック(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン)フィルム、不織布または紙などが挙げられる。セパレーターの厚みは、目的に応じて任意の適切な厚みを採用することができる。セパレーターの厚みは、例えば10μm〜100μmである。
C.表面保護フィルム付光学フィルム
上記B項に記載の表面保護フィルムは、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板(最終的には、画像表示装置)が実際に使用されるまでの間、当該位相差層付偏光板を保護するために用いられる。したがって、本発明の実施形態は、表面保護フィルム付位相差層付偏光板も包含する。本発明の実施形態による表面保護フィルム付位相差層付偏光板は、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板と、当該位相差層付偏光板の視認側(位相差層側)に剥離可能に貼り合わせられた上記B項に記載の表面保護フィルムとを含む。
位相差層付偏光板は、視認側から順に位相差層と偏光子とを含む。偏光子の片側または両側に保護フィルムが配置されてもよい。位相差層付偏光板は、代表的には画像表示装置の視認側に配置され得る。このような位相差層付偏光板は、例えば、偏光サングラスを介して視認される画像表示装置に用いられ得る。
位相差層の面内位相差Rer(550)は、上記のとおり、好ましくは80nm〜160nmであり、より好ましくは90nm〜150nmであり、さらに好ましくは100nm〜140nmである。位相差層は、代表的には屈折率特性がnx>nyの関係を示し、遅相軸を有する。位相差層の遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は、好ましくは35°〜55°または125°〜145°であり、より好ましくは38°〜52°または128°〜142°であり、さらに好ましくは42°〜48°または132°〜138°であり、特に好ましくは約45°または約135°である。当該角度がこのような範囲であれば、位相差層が上記のような面内位相差を有することにより、偏光サングラスを介して視認した際に非常に優れた視認性を実現することができる。
位相差層は、面内位相差が測定光の波長に応じて大きくなる逆分散波長特性を示してもよく、面内位相差が測定光の波長に応じて小さくなる正の波長分散特性を示してもよく、面内位相差が測定光の波長によってもほとんど変化しないフラットな波長分散特性を示してもよい。好ましくは、上記のとおり、位相差層の波長分散特性は、表面保護フィルム用基材の波長分散特性と同一特性である。このような構成であれば、光学検査においてニュートラルな色相が実現されるので、光学検査の精度をさらに向上させることができる。
位相差層の構成材料および製造方法等については、表面保護フィルム用基材に関してA項で説明したとおりである。偏光子および保護フィルムについては、任意の適切な構成が採用され得るので詳細な説明は省略する。
位相差層付偏光板は、枚葉状であってもよく、長尺状であってもよい。位相差層付偏光板が長尺状である場合、位相差層の遅相軸は長尺方向に対して上記の角度(例えば、約45°)を規定する方向であり得る。このような構成であれば、位相差層(位相差フィルム)と偏光子(または偏光板)とをロールトゥロールで貼り合わせることができる。偏光子の吸収軸は代表的には長尺方向に発現するので、位相差層の遅相軸を吸収軸に対して上記の角度(例えば、約45°)を規定する方向とすることにより、偏光サングラスを介して視認した際に非常に優れた視認性を有する位相差層付偏光板をロールトゥロールにより作製することができる。さらに、このような長尺状の位相差層付偏光板は、搬送されている表示セルに直接かつ連続的に貼り合わせることができるので(いわゆるロールトゥパネル)、画像表示装置の製造効率を格段に向上させることができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。実施例における各特性の測定方法は以下の通りである。なお、特に明記しない限り、実施例における「部」および「%」は重量基準である。
(1)面内位相差Re(450)およびRe(550)
実施例および比較例で得られた表面保護フィルム用基材、ならびに実施例および比較例に用いた位相差層付偏光板の位相差層を長さ4cmおよび幅4cmに切り出し、測定試料とした。当該測定試料について、Axometrics社製、製品名「Axoscan」を用いてRe(450)およびRe(550)を測定した。さらに、波長分散特性の指標としてRe(450)/Re(550)を算出した。測定波長は450nmおよび550nm、測定温度は23℃であった。
(2)光漏れ
実施例および比較例で得られた表面保護フィルム用基材を、視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板の位相差層表面に配置した。さらに、位相差層付偏光板の表面保護フィルム用基材と反対側に、通常の偏光板をクロスニコル状態となるように配置した。このようにして、表面保護フィルム用基材/位相差層/視認側偏光板/下側偏光板の構成を有する試験サンプルを得た。下側偏光板の下側から蛍光灯の光を照射し、光漏れの有無を目視により観察した。以下の基準で評価した。
○:光漏れは認められなかった
△:光漏れがわずかに認められた
×:光漏れが顕著に認められた
さらに、虹ムラの有無についても目視により観察し、以下の基準で評価した。
○:虹ムラは認められなかった
△:虹ムラがわずかに認められた
×:虹ムラが顕著に認められた
なお、位相差層付偏光板としては、日東電工社製の製品名「NZD−MCDGRTTKHC10」を用いた。この位相差層付偏光板の位相差層のRe(550)は100nmであり、Re(450)/Re(550)は1.01であった。さらに、位相差層の遅相軸方向は、偏光子の吸収軸方向を0°としたとき45°であった。
<実施例1>
市販のポリカーボネート樹脂フィルム(三菱ケミカル社製、商品名「DURABIO T7450A」、イソソルビド構造単位62モル%、トリシクロデカンジメタノール構造単位38モル%))を105℃で5時間真空乾燥をした後、単軸押出機(東芝機械社製、シリンダー温度230℃)、Tダイ(幅1700mm、温度230℃)、キャストロール(温度120℃)および巻取機を備えたフィルム製膜装置を用いて、厚み75μmのフィルムを作製した。このフィルムを、斜め方向に1.96倍に斜め延伸した。延伸方向は135°延伸温度は[139(Tg+10)℃]であった。このようにして、表面保護フィルム用基材(厚み40μm)を得た。得られた表面保護フィルム用基材のRe(550)は100nmであり、Rth(550)は118nmであり、Re(450)/Re(550)は1.02であった。得られた表面保護フィルム用基材を上記光漏れおよび虹ムラの評価に供した。結果を表1に示す。なお、測定サンプルの作製において、表面保護フィルム用基材は、その遅相軸方向が位相差層付偏光板の偏光子の吸収軸方向を0°としたとき135°となるようにして、位相差層付偏光板の位相差層表面に配置した。すなわち、表面保護フィルム用基材の遅相軸方向が位相差層付偏光板の位相差層の遅相軸方向と直交するようにして、表面保護フィルム用基材を配置した。
<実施例2>
延伸方向を45°、延伸温度を[133.7(Tg+4.7)℃]にしたこと以外は実施例1と同様にして表面保護フィルム用基材(厚み40μm)を得た。得られた表面保護フィルム用基材のRe(550)は180nmであり、Rth(550)は201.6nmであり、Re(450)/Re(550)は1.02であった。得られた表面保護フィルム用基材を上記光漏れおよび虹ムラの評価に供した。結果を表1に示す。なお、測定サンプルの作製において、表面保護フィルム用基材は、その遅相軸方向が位相差層付偏光板の偏光子の吸収軸方向を0°としたとき45°となるようにして、位相差層付偏光板の位相差層表面に配置した。すなわち、表面保護フィルム用基材の遅相軸方向が位相差層付偏光板の位相差層の遅相軸方向と平行となるようにして、表面保護フィルム用基材を配置した。
<実施例3>
市販の位相差フィルム(日本ゼオン社製、商品名「ZD12−099063−C1300UHC)をそのまま用いたこと以外は実施例1と同様にして表面保護フィルム用基材(厚み80μm)を得た。得られた表面保護フィルム用基材のRe(550)は100nmであり、Rth(550)は110nmであり、Re(450)/Re(550)は1.01であった。得られた表面保護フィルム用基材を上記光漏れおよび虹ムラの評価に供した。結果を表1に示す。なお、測定サンプルの作製において、表面保護フィルム用基材は、その遅相軸方向が位相差層付偏光板の偏光子の吸収軸方向を0°としたとき45°となるようにして、位相差層付偏光板の位相差層表面に配置した。すなわち、表面保護フィルム用基材の遅相軸方向が位相差層付偏光板の位相差層の遅相軸方向と平行となるようにして、表面保護フィルム用基材を配置した。
<実施例4>
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した縦型反応器2器からなるバッチ重合装置を用いて重合を行った。ビス[9−(2−フェノキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン29.60質量部(0.046mol)、イソソルビド29.21質量部(0.200mol)、スピログリコール42.28質量部(0.139mol)、ジフェニルカーボネート63.77質量部(0.298mol)及び触媒として酢酸カルシウム1水和物1.19×10−2質量部(6.78×10−5mol)を仕込んだ。反応器内を減圧窒素置換した後、熱媒で加温を行い、内温が100℃になった時点で撹拌を開始した。昇温開始40分後に内温を220℃に到達させ、この温度を保持するように制御すると同時に減圧を開始し、220℃に到達してから90分で13.3kPaにした。重合反応とともに副生するフェノール蒸気を100℃の還流冷却器に導き、フェノール蒸気中に若干量含まれるモノマー成分を反応器に戻し、凝縮しないフェノール蒸気は45℃の凝縮器に導いて回収した。第1反応器に窒素を導入して一旦大気圧まで復圧させた後、第1反応器内のオリゴマー化された反応液を第2反応器に移した。次いで、第2反応器内の昇温および減圧を開始して、50分で内温240℃、圧力0.2kPaにした。その後、所定の攪拌動力となるまで重合を進行させた。所定動力に到達した時点で反応器に窒素を導入して復圧し、生成したポリエステルカーボネートを水中に押し出し、ストランドをカッティングしてペレットを得た。
上記の方法で重合した樹脂を120℃で5時間真空乾燥をした後、単軸押出機(東芝機械社製、シリンダー温度260℃)、Tダイ(幅1700mm、温度260℃)、キャストロール(温度120℃)および巻取機を備えたフィルム製膜装置を用いて、厚み130μmのフィルムを作製した。このフィルムを1.96倍に斜め延伸した。延伸方向は135°延伸温度は[145(Tg+5)℃]であった。このようにして、表面保護フィルム用基材(厚み58μm)を得た。得られた表面保護フィルム用基材のRe(550)は100nmであり、Rth(550)は112nmであり、Re(450)/Re(550)は0.855であった。得られた表面保護フィルム用基材を上記光漏れおよび虹ムラの評価に供した。結果を表1に示す。なお、測定サンプルの作製において、表面保護フィルム用基材は、その遅相軸方向が位相差層付偏光板の偏光子の吸収軸方向を0°としたとき135°となるようにして、位相差層付偏光板の位相差層表面に配置した。すなわち、表面保護フィルム用基材の遅相軸方向が位相差層付偏光板の位相差層の遅相軸方向と直交となるようにして、表面保護フィルム用基材を配置した。
<比較例1>
市販のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含有するポリカーボネート樹脂(三菱化学(株)製、商品名DURABIO T7450A、イソソルビド構造単位62モル%、トリシクロデカンジメタノール構造単位38モル%)を105℃で5時間真空乾燥をした後、単軸押出機(東芝機械社製、スクリュー径25mm、シリンダー設定温度:230℃)、Tダイ(幅1700mm、設定温度:230℃)、チルロール(設定温度:120℃)および巻取機を備えたフィルム製膜装置を用いて、厚み40μmのポリカーボネート樹脂フィルムを作製し、表面保護フィルム用基材とした。得られた表面保護フィルム用基材のRe(550)は5.6nmであり、Rth(550)は11.5nmであり、Re(450)/Re(550)は1.02であった。得られた表面保護フィルム用基材を上記光漏れおよび虹ムラの評価に供した。結果を表1に示す。なお、測定サンプルの作製において、表面保護フィルム用基材は、その遅相軸方向が位相差層付偏光板の偏光子の吸収軸方向を0°としたとき1.6°となるようにして、位相差層付偏光板の位相差層表面に配置した。
<比較例2>
市販の超高位相差ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ケミカル社製、商品名「ダイアホイルMRF38CK」)をそのまま用いて表面保護フィルム用基材(厚み38μm)とした。表面保護フィルム用基材のRe(550)は2950nmであり、Rth(550)は8989.4nmであり、Re(450)/Re(550)は1.06であった。得られた表面保護フィルム用基材を上記光漏れおよび虹ムラの評価に供した。結果を表1に示す。なお、測定サンプルの作製において、表面保護フィルム用基材は、その遅相軸方向が位相差層付偏光板の偏光子の吸収軸方向を0°としたとき1.3°となるようにして、位相差層付偏光板の位相差層表面に配置した。
Figure 2020042166
<評価>
表1から明らかなように、本発明の実施例の表面保護フィルム用基材は、光漏れおよび虹ムラが抑制されていることがわかる。なお、着色についても虹ムラおよび光漏れと同様の結果が得られることを確認した。
本発明の表面保護フィルム用基材は、表面保護フィルムに好適に用いられる。本発明の表面保護フィルムは、光学フィルム(最終的には、画像表示装置)が実際に使用されるまでの間、当該光学フィルムを保護するために用いられる。本発明の表面保護フィルム用基材および表面保護フィルムを用いることにより、画像表示装置の光学検査の精度を顕著に向上させることができる。

Claims (5)

  1. 視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板に剥離可能に貼り合わせられる表面保護フィルムの基材であって、
    該基材の面内位相差Reb(550)と該位相差層付偏光板の位相差層の面内位相差Rer(550)とが下記関係式(1)を満足し、
    該表面保護フィルムが該位相差層付偏光板に貼り合わせられた場合に、該基材の遅相軸が該位相差層の遅相軸に対して実質的に直交するよう構成されている、表面保護フィルム用基材:
    Rer(550)−20<Reb(550)<Rer(550)+20 ・・・(1)。
  2. 視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板に剥離可能に貼り合わせられる表面保護フィルムの基材であって、
    該基材の面内位相差Reb(550)と該位相差層付偏光板の位相差層の面内位相差Rer(550)とが下記関係式(2)を満足し、
    該表面保護フィルムが該位相差層付偏光板に貼り合わせられた場合に、該基材の遅相軸が該位相差層の遅相軸に対して実質的に平行となるよう構成されている、表面保護フィルム用基材:
    280−Rer(550)−20<Reb(550)<280−Rer(550)+20 ・・・(2)。
  3. 前記位相差層付偏光板の位相差層の面内位相差Rer(550)が80nm〜160nmである、請求項1または2に記載の表面保護フィルム用基材。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の表面保護フィルム用基材と粘着剤層とを含む、表面保護フィルム。
  5. 視認側に位相差層を有する位相差層付偏光板と、該位相差層付偏光板に剥離可能に貼り合わせられた請求項4に記載の表面保護フィルムと、を含む、表面保護フィルム付位相差層付偏光板。
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