JP3407714B2 - 位相板 - Google Patents

位相板

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JP3407714B2 JP2000158312A JP2000158312A JP3407714B2 JP 3407714 B2 JP3407714 B2 JP 3407714B2 JP 2000158312 A JP2000158312 A JP 2000158312A JP 2000158312 A JP2000158312 A JP 2000158312A JP 3407714 B2 JP3407714 B2 JP 3407714B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位相板に関し、さ
らに詳しくは、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂から成
る延伸配向フィルムを複屈折性層に持つ光学的に均一な
位相板に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイの高精細大面積化を達
成するために、液晶分子のねじれ角を従来の90度より
大きくした高マルチプレクス駆動ディスプレイが実用化
されている。一般にスーパーツイストネマチックモード
(STN系モード)と呼ばれ、SBEモードやSTNモ
ードなどが知られている。このSTN系モードでは、電
圧印加による急峻な分子配向変形と光学的な複屈折効果
を組み合わせ、さらに優れた表示特性が得られるよう
に、レターデーション(液晶の屈折率異方性とセルギャ
ップの積=Δn・d)や偏光子の方位角の最適化を計っ
ている。近年、STNモードにおいて、位相板を用いて
複屈折効果により生じた透過光の位相差を補償する方式
などにより、白黒表示が達成されるようになった。ま
た、必要ならばカラーフィルターを附加してフルカラー
化することもできる。
【0003】ところで、このような位相板は、偏光され
た光の成分の相対位相を変えるのに用いられる複屈折性
の材料で作られた板であり、合成樹脂製の配向フィルム
が複屈折性層として用いられている。位相板の構造とし
ては、1つの複屈折性層からなる単層構造、複屈折性が
同一または異なる2層以上の複屈折層を積層した多層構
造、保護層を有するものなどがある(例えば、特開平2
−158701号)。
【0004】例えば、液晶ディスプレイ用位相板は、鮮
明な色彩と精細な画像を得るために、複屈折性層の全面
が光学的に均一であるとともに、温度や湿度の変化によ
っても光学的特性が変化しないことが必要である。特
に、自動車搭載用の液晶ディスプレイ・パネルに用いる
場合には、過酷な条件での使用が予測されるため、少な
くとも60℃以上、好ましくは80℃以上、より好まし
くは100℃以上の耐熱温度が要求される。
【0005】従来、このような位相板の合成樹脂材料と
して、フェノキシエーテル型架橋性樹脂、エポキシ樹
脂、ポリカーボネート樹脂、アリレート樹脂、ポリカー
ボネート樹脂などの各種フィルム形成性樹脂が使用され
てきた。
【0006】しかしながら、フェノキシエーテル型架橋
性樹脂やエポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、アリレ
ート樹脂などは、均一な延伸が困難なうえ、耐湿性が不
十分であり、0.1〜0.2重量%程度の吸湿性を有す
るため、使用環境の湿度変化によりレターデーション安
定性が低下する。また、ポリカーボネート樹脂やアリレ
ート樹脂などは、耐熱性が高いため、延伸温度が高温で
あり、そのため延伸温度の制御が困難で、光学的に均一
な位相板の製造が難しい。
【0007】溶液流延法により製造したシートを延伸配
向したフィルムは、表面の平滑性に優れるが、生産性が
悪く、また、溶媒が残留するため使用環境によっては用
いることができないという問題があり、ポリカーボネー
ト樹脂などではTダイを用いた押し出し成形法などが用
いられている。しかし、100〜200μmの厚さのシ
ートを成形する場合、成形中の収縮等により、全面での
厚さムラが6〜8μm程度にしか制御できない。
【0008】さらに、これらの合成樹脂配向フィルム
は、その光弾性係数が、通常、50〜100×10
−13cm/dyneと大きいため、僅かな応力によ
りレターデーションが大きく変化するという問題があ
る。また、延伸前のシートに厚さムラが生じるが、その
まま延伸後のレターデーションのバラツキに反映する。
【0009】このように、従来公知の合成樹脂配向フィ
ルムから成る位相板は、液晶ディスプレイ用として充分
満足できるものではなく、その改善が求められている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、複屈
折性層の全面が光学的に均一であり、かつ、温度や湿度
などが変化しても光学的に均一な液晶ディスプレイ用位
相板を提供することにある。
【0011】本発明者らは、前記従来技術の有する問題
点を克服するために鋭意研究した結果、溶融法で作製し
た熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂のシートを延伸して
得た配向フィルムが液晶ディスプレイ用位相板として優
れた性質を有していることを見い出し、その知見に基づ
いて本発明を完成するに到った。
【0012】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、溶融法で作製した熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂
シートを延伸配向して成るフィルムを複屈折性層として
有することを特徴とする液晶ディスプレイ用位相板が提
供される。
【0013】以下、本発明について詳述する。
【0014】(熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂)本発
明で使用する熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂として
は、例えば、(1)ノルボルネン系モノマーの開環
(共)重合体を、必要に応じてマレイン酸付加、シクロ
ペンタジエン付加のごときポリマー変性を行なった後
に、水素添加した樹脂、(2)ノルボルネン系モノマー
を付加型重合させた樹脂、(3)ノルボルネン系モノマ
ーとエチレンやα−オレフィンなどのオレフィン系モノ
マーと付加型共重合させた樹脂などが挙げることができ
る。重合方法および水素添加方法は、常法により行なう
ことができる。
【0015】ノルボルネン系モノマーとしては、例え
ば、ノルボルネン、およびそのアルキルおよび/または
アルキリデン置換体、例えば、5−メチル−2−ノルボ
ルネン、5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル
−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、
5−エチリデン−2−ノルボルネン等、これらのハロゲ
ン等の極性基置換体;ジシクロペンタジエン、2,3−
ジヒドロジシクロペンタジエン等;ジメタノオクタヒド
ロナフタレン、そのアルキルおよび/またはアルキリデ
ン置換体、およびハロゲン等の極性基置換体、例えば、
6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
6−エチリデン−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,
4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレ
ン、6−クロロ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,
4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレ
ン、6−シアノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,
4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレ
ン、6−ピリジル−1,4:5,8−ジメタノ−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、6−メトキシカルボニル−1,4:5,8−ジメ
タノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒ
ドロナフタレン等;シクロペンタジエンとテトラヒドロ
インデン等との付加物;シクロペンタジエンの3〜4量
体、例えば、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4
a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベ
ンゾインデン、4,11:5,10:6,9−トリメタ
ノ−3a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,
10a,11,11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペ
ンタアントラセン;等が挙げられる。
【0016】本発明においては、本発明の目的を損なわ
ない範囲内において、開環重合可能な他のシクロオレフ
ィン類を併用することができる。このようなシクロオレ
フィンの具体例としては、例えば、シクロペンテン、シ
クロオクテン、5,6−ジヒドロジシクロペンタジエン
などのごとき反応性の二重結合を1個有する化合物が例
示される。
【0017】本発明で使用する熱可塑性飽和ノルボルネ
ン系樹脂は、トルエン溶媒によるゲル・パーミエーショ
ン・クロマトグラフ(GPC)法で測定した数平均分子
量が通常25,000〜100,000、好ましくは3
0,000〜80,000、より好ましくは35,00
0〜70,000の範囲のものである。数平均分子量が
小さすぎると機械的強度が劣り、大きすぎると樹脂の合
成時、シートの作製時や延伸加工時の操作性が悪くな
る。
【0018】熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂がノルボ
ルネン系モノマーの開環重合体を水素添加して得られる
ものである場合、水素添加率は、耐熱劣化性、耐光劣化
性などの観点から、通常90%以上、好ましくは95%
以上、より好ましくは、99%以上とする。
【0019】熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂は、透明
性、耐熱性、耐湿性、耐薬品性等に優れている。特に、
吸湿性は、通常0.05%以下、好ましくは0.01%
以下のものを容易に得ることができる。また、その光弾
性係数は、3〜9×10−1 cm/dyneと小さ
く、光学的に均一な配向フィルムの製造に好適な材料で
ある。
【0020】本発明で用いる熱可塑性飽和ノルボルネン
系樹脂には、所望により、フェノール系やリン系などの
老化防止剤、耐電防止剤、紫外線安定剤などの各種添加
剤を添加してもよい。
【0021】(シート)本発明で用いる配向フィルム
は、まず、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂をシートに
成形し、該シートを延伸配向することにより作成され
る。
【0022】本発明においては、溶融成形法によりシー
トを成形する。溶融成形法としては、Tダイを用いた方
法やインフレーション法などの溶融押し出し法、カレン
ダー法、熱プレス法、射出成形法などがある。中でも、
厚さムラが小さく、50〜500μm程度の厚さに加工
しやすく、かつ、レターデーションの絶対値およびその
バラツキを小さくできるTダイを用いた溶融押し出し法
が好ましい。
【0023】溶融成形法の条件は同程度のTgを有する
ポリカーボネート樹脂に用いられる条件と同様である。
例えば、Tダイを用いる溶融押し出し法では、樹脂温度
240〜300℃程度で、引き取りロールの温度を10
0〜150℃程度の比較的高温として、樹脂を徐冷でき
る条件を選択することが好ましい。また、ダイライン等
の表面の欠陥を小さくするためには、ダイには滞留部が
極力少なくなるような構造が必要であり、ダイの内部や
リップにキズ等が極力無いものを用いることが好まし
い。
【0024】また、これらのシートは必要に応じて表面
を研磨することにより、更に表面精度を上げることがで
きる。
【0025】延伸前のシートは厚さが50〜500μm
程度の厚さが必要であり、厚さムラは小さいほど好まし
く、全面において±8%以内、好ましくは±6%以内、
より好ましくは±4%以内である。また、レターデーシ
ョンの絶対値が全面で50nm以下、好ましくは30n
m以下、より好ましくは20nm以下である。シートの
厚さムラが大きいと延伸配向フィルムのレターデーショ
ンのバラツキが大きくなる。
【0026】(延伸配向フィルム)本発明で用いる延伸
配向フィルムは、シートを一軸方向に延伸することによ
り得られる。延伸により分子が配向される。得られた延
伸配向フィルムは、一定のレターデーションを持つ。な
お、実質的な一軸延伸、例えば、分子の配向に影響のな
い範囲で延伸した後、分子を配向させるべく一軸方向に
延伸する二軸延伸であってもよい。
【0027】延伸倍率は1.3〜10倍、好ましくは
1.5〜8倍であり、この範囲で所定のレターデーショ
ンとなるようにすればよい。延伸倍率が低すぎるとレタ
ーデーションの絶対値が上がらずに所定の値とならず、
高すぎると破断することもある。
【0028】延伸は、通常、シートを構成する樹脂のT
g〜Tg+50℃、好ましくはTg〜Tg+40℃の温
度範囲で行なわれる。延伸温度が低すぎると破断し、高
すぎると分子配向しないため、所望の位相板が得られな
い。
【0029】このようにして得たフィルムは、延伸によ
り分子が配向されて、一定の大きさのレターデーション
を持つ。位相板に用いるためには延伸配向フィルムは、
波長550nmのレターデーションの絶対値が30〜1
000nm、好ましくは50〜800nmのものであ
り、目的に応じてこの範囲内の所望のレターデーション
を持たせるようにする。レターデーションは、延伸前の
シートのレターデーションと延伸倍率、延伸温度、延伸
配向フィルムの厚さにより制御することができる。延伸
前のシートが一定の厚さの場合、延伸倍率が大きいフィ
ルムほどレターデーションの絶対値が大きくなる傾向が
あるので、延伸倍率を変更することによって所望のレタ
ーデーションの延伸配向フィルムを得ることができる。
【0030】レターデーションのバラツキは小さいほど
好ましく、本発明の延伸配向フィルムは、波長550n
mのレダーデーションのバラツキが通常±50nm以
内、好ましくは±30nm以下、より好ましくは±20
nm以下の小さなものである。
【0031】レターデーションの面内でのバラツキや厚
さムラは、それらの小さな延伸前のシートを用いるほ
か、延伸時にシートに応力が均等にかかるようにするこ
とにより、小さくすることができる。そのためには、均
一な温度分布下、好ましくは±5℃以内、さらに好まし
くは±2℃以内、特に好ましくは±0.5℃以内に温度
を制御した環境で延伸することが望ましい。
【0032】(用途)本発明の位相板の用途としては、
偏光顕微鏡の部品、液晶ディスプレイの部品等がある。
【0033】(液晶ディスプレイ用位相板)液晶ディス
プレイ用位相板の基本的な構造としては、(1)上記延
伸配向フィルムの単層の複屈折性層からなるもの、およ
び(2)複屈折性層が、上記延伸配向フィルムを2枚以
上含む複数の複屈折性フィルムからなる多層構造を有し
ているものがある。多層構造を有する場合は、通常の光
軸を揃えて複屈折性フィルムを貼り合わせたもののほ
か、目的に応じて光軸が一定の角度になるように貼り合
わせたものでもよい。例えば、異なるレターデーション
を有する複数の延伸配向フィルムを光軸方向を同一方向
に合わせて積層すると、レターデーションの加成性を利
用して、多種のレターデーションを有する多層フィルム
が得られる。積層枚数は2〜6枚程度である。積層する
のに用いる接着剤には、エマルジョン型接着剤、ポリマ
ー溶液型接着剤、含溶剤または非溶剤の二液反応型接着
剤、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、ホットメル
ト接着剤等がある。
【0034】本発明の液晶ディスプレイ用位相板の他の
構造としては、(3)複屈折性層の少なくとも片面に光
等方性保護層(例えば、光等方性ポリカーボネートフィ
ルムなど)が積層された構造を有するもの、(4)複屈
折性層または光等方性保護層の少なくとも一方の面上
に、感圧性接着剤層(例えば、アクリル系感圧性接着剤
層など)を介して剥離性シートを積層した貼着型のもの
(剥離性シートを剥すことにより、液晶セルなどに容易
に貼着することができる)、あるいは(5)位相板が偏
光板と積層一体化して偏光板付き位相板となっているも
の、などを挙げることができる。
【0035】熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂から成る
複屈折性の延伸配向フィルムは、温度変化に強いのみで
なく、耐湿性、耐水性に優れている。従来の液晶ディス
プレイでは、駆動用液晶セルの保護のため、必要に応じ
て耐湿性、耐水性を有する樹脂から成る保護層を設ける
ことがあったが、本発明の液晶ディスプレイ用位相板を
用いると、そのような保護層の少なくとも1層を設けな
くとも充分な耐湿性、耐水性が得られ、構造を簡略化す
ることもできる。
【0036】
【実施例】以下に参考例、実施例および比較例を挙げ
て、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、こ
れらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以
下の例において、部および%は、特に断りのない限り重
量基準である。
【0037】以下の例において、物性の測定方法は次の
とおりである。 (1)数平均分子量は、トルエンを溶媒とするGPC法
により測定した。 (2)水素添加率は、1H−NMRにより測定した。 (3)ガラス転移温度(Tg)は、延伸前シートの一部
を試料として用いDSC法により測定した。 (4)レターデーションは、波長550nmのベレク・
コンペンセイターにより測定した。 (5)シートおよびフィルムの厚さは、ダイヤル式厚さ
ゲージにより測定した。 (6)光線透過率は、分光光度計により、波長400〜
700nmの範囲について波長を連続的に変化させて測
定し、最小の透過率をその延伸前シートまたは延伸配向
フィルムの光線透過率とした。
【0038】[比較例1]ポリカーボネート樹脂(GE
社製、商品名レキサン131−111)を40mmのフ
ルフライト型スクリューを有する単軸押出機を用いて、
幅300mmのTダイから、溶融押し出しし、直径30
0mmの3本構成の冷却ロールで巻き取ることにより、
シートを作製した。この際のダイ部での樹脂温度は28
5℃、冷却ロールの温度は、第1、第2、第3ロールの
順に120℃、120℃、100℃であった。
【0039】両端は厚さが不均一となるため、幅20m
mの部分は切り落として、Tg141℃、平均厚さ12
0μm、厚さムラ±8μm、レターデーションが平均で
15nm、その面内でのバラツキは±20nmの延伸前
のシートを得た。
【0040】得られた延伸前シートを155±3℃に制
御し、1.5倍の延伸倍率で一軸方向に延伸し、延伸フ
ィルムを得た。平均厚さは80μm、厚さムラは±6μ
m、レターデーションが平均で550nm、その面内で
のバラツキは±90nmであった。
【0041】この延伸フィルムを80℃で2時間保持し
た後、室温まで降温して測定したところ、レターデーシ
ョンの絶対値は、平均で540nmであり、80℃に保
持する以前と比較して変化率は2%であった。
【0042】[参考例1]6−メチル−1,4,5,8
−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン(以下、MTDと略記)に、重合
触媒としてトリエチルアルミニウムの15%シクロヘキ
サン溶液10部、トリエチルアミン5部、および四塩化
チタンの20%シクロヘキサン溶液10部を添加して、
シクロヘキサン中で開環重合し、得られた開環重合体を
ニッケル触媒で水素添加してポリマー溶液を得た。この
ポリマー溶液をイソプロピルアルコール中で凝固させ、
乾燥し、粉末状の樹脂を得た。この樹脂の数平均分子量
は40,000、水素添加率は99.8%以上、Tgは
142℃であった。
【0043】[実施例1]参考例1の粉末状の樹脂を2
50℃で溶融し、ペレット化を行った。このペレットを
用いて、比較例1と同様にシートを作製した。この際の
ダイ部での樹脂温度は275℃、冷却ロールの温度は、
第1、第2、第3ロールの順で120℃、120℃、1
00℃であった。
【0044】この延伸前シートの両端は厚さが不均一と
なるため、幅20mmの部分は切り落とし、表面を目視
および光学顕微鏡で観察したが、発泡、スジ、キズなど
は観察されなかった。Tgは139℃、平均厚さは15
0μmで厚さムラは±4μm以下、光線透過率は90.
5%、レターデーションは平均で22nm、その面内で
のバラツキは±10nmであった。
【0045】この延伸前のシートを140±2℃に制御
し、2.5倍の延伸倍率で一軸方向に延伸し、延伸配向
フィルムを得た。
【0046】延伸配向フィルムの平均厚さは55μm、
厚さムラは±1.5μm、レターデーションは平均で5
80nm、その面内でバラツキは±20nmであった。
【0047】この延伸配向フィルムを80℃で2時間保
持した後、室温まで降温し、レターデーションを測定し
たところ、平均で575nmであり、80℃に保持する
以前と比較して変化率は1%であった。したがって、こ
の延伸配向フィルムは、ポリカーボネート製のものと比
較すると、温度変化に対するレターデーション安定性に
優れ、レターデーションの面内でのバラツキが小さかっ
た。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、光学的に均一であり、
耐熱性、耐湿性に優れた位相板が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G02F 1/13363 G02F 1/13363 (72)発明者 夏梅 伊男 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1 号 日本ゼオン株式会社 総合開発セン ター内 (56)参考文献 特開 平2−196832(JP,A) 特開 平3−13917(JP,A) 特開 平4−245202(JP,A) 特開 平4−361230(JP,A) 特開 平2−256003(JP,A) 特開 平4−219237(JP,A) 化学工業,日本,1991年 2月,p p.20〜26 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/30

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Tダイを用いた溶融押し出し法により成
    形したレタデーションの絶対値が全面で30nm以下で
    且つ全面において±6%以内の厚さムラである熱可塑性
    飽和ノルボルネン系樹脂シートを、該シートの延伸温度
    を±5℃以内の温度分布になるように制御した環境下で
    一軸延伸配向又は実質的一軸延伸配向してなる波長55
    0nmのレタデーションの絶対値が50〜800nmの
    延伸配向フィルムを複屈折層として有することを特徴と
    する位相板。
  2. 【請求項2】 Tダイを用いた溶融押し出し法により成
    形した熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートが、レタ
    デーションの絶対値が全面で20nm以下で且つ全面に
    おいて±4%以内の厚さムラであることを特徴とする請
    求項1記載の位相板。
  3. 【請求項3】 複屈折性層が、延伸配向フィルムを2枚
    以上積層した多層構造を有する請求項1又は2記載の位
    相板。
  4. 【請求項4】 多層構造が、2枚以上の延伸配向フィル
    ムの光軸方向を同一方向に合わせたものである請求項3
    記載の位相板。
  5. 【請求項5】 複屈折性層の少なくとも片面に、光等方
    性保護層が積層されている請求項1ないし4のいずれか
    1項記載の位相板。
  6. 【請求項6】 少なくとも一方の最外層に、感圧性接着
    剤層を介して剥離性シートが積層されている請求項1な
    いし5のいずれか1項記載の液晶ディスプレイ用位相
    板。
  7. 【請求項7】 偏光板を積層一体化してなる請求項1な
    いし6のいずれか1項記載の液晶ディスプレイ用位相
    板。
JP2000158312A 1991-06-25 2000-05-29 位相板 Ceased JP3407714B2 (ja)

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