JP2001075098A - 位相差板の製造方法、光学部材及び液晶表示装置 - Google Patents

位相差板の製造方法、光学部材及び液晶表示装置

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JP2001075098A
JP2001075098A JP25387499A JP25387499A JP2001075098A JP 2001075098 A JP2001075098 A JP 2001075098A JP 25387499 A JP25387499 A JP 25387499A JP 25387499 A JP25387499 A JP 25387499A JP 2001075098 A JP2001075098 A JP 2001075098A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱収縮性フィルムの収縮力を熱可塑性フィル
ムに効率よく伝達できて変形を容易に制御でき、位相差
精度に優れる位相差板を得ることができる製造方法の開
発。 【解決手段】 初期寸法を基準とした収縮開始温度をT
i、熱可塑性フィルムのガラス転移温度をTgとしたと
き、Tg−90≦Tiを満足する熱収縮性フィルムを熱
可塑性フィルムの片面又は両面に接着し、加熱によるそ
の熱収縮性フィルムの収縮力の作用下に前記熱可塑性フ
ィルムを少なくとも縦横の一方向に延伸又は収縮させた
のち当該熱収縮性フィルムを剥離する位相差板の製造方
法、その位相差板と偏光板との積層体からなる光学部
材、及び前記位相差板又はそれと偏光板を液晶セルの少
なくとも片側に有する液晶表示装置。 【効果】 液晶セルの複屈折による位相差を高度に補償
でき視野角やコントラストに優れる液晶表示装置が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、液晶表示装置の視野角や
コントラストの改善に好適な位相差板を精度よく製造で
きる方法、及びその位相差板を用いた光学部材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶セルの複屈折による位相差を
補償して液晶表示装置の視野角の拡大やコントラストの
向上を達成しうる位相差板の製造方法として、熱可塑性
フィルムに熱収縮性フィルムを接着して加熱によるその
収縮力の作用下に延伸処理する方法が知られていた(特
開平5−157911号公報)。かかる延伸処理後の熱
収縮性フィルムは、得られた位相差板より剥離される。
【0003】前記の方法によれば、積層して用いること
が必要な一軸延伸フィルムの場合の生産性やコストでの
不利や、二軸延伸ポリスチレンフィルム等の場合の耐熱
性に乏しくて液晶表示装置の形成に不向きな点などを克
服することができる。しかしながら従来の方法では、熱
収縮性フィルムの収縮が先行して接着界面にズレや剥が
れが発生し、熱可塑性フィルムに対する収縮力が不足し
て変形制御が難しく得られる位相差板の位相差精度に乏
しい問題点があった。
【0004】
【発明の技術的課題】本発明は、熱収縮性フィルムの収
縮力を熱可塑性フィルムに効率よく伝達できて変形を容
易に制御でき、位相差精度に優れる位相差板を得ること
ができる製造方法の開発を課題とする。
【0005】
【課題の解決手段】本発明は、初期寸法を基準とした収
縮開始温度をTi、熱可塑性フィルムのガラス転移温度
をTgとしたとき、Tg−90≦Tiを満足する熱収縮
性フィルムを熱可塑性フィルムの片面又は両面に接着
し、加熱によるその熱収縮性フィルムの収縮力の作用下
に前記熱可塑性フィルムを少なくとも縦横の一方向に延
伸又は収縮させたのち当該熱収縮性フィルムを剥離する
ことを特徴とする位相差板の製造方法を提供するもので
ある。
【0006】また本発明は、前記の製造方法による位相
差板と偏光板との積層体からなることを特徴とする光学
部材、及び前記の製造方法による位相差板又はそれと偏
光板を液晶セルの少なくとも片側に有することを特徴と
する液晶表示装置を提供するものである。
【0007】
【発明の効果】本発明によれば、熱収縮性フィルムの収
縮先行による接着界面でのズレや剥がれを抑制して、熱
可塑性フィルムが変形しやすい温度で熱収縮性フィルム
の収縮力を効率よく付与でき、液晶の複屈折を補償して
視角による表示色やコントラストの変化等を防止するた
めに要求される例えばnx<nzの特性、すなわちnz>
nx>nyの屈折率特性を満足する良耐熱性の位相差板な
どもnx>nyの熱可塑性フィルムを用いて効率よく得る
ことができる。なお前記のnx、nyは面内の主屈折率、
nzは厚さ方向の主屈折率を意味する(以下同じ)。
【0008】前記の結果、熱収縮性フィルムの収縮力の
作用下に熱可塑性フィルムの変形を容易に制御して位相
差を高度に調節した位相差板を効率よく得ることがで
き、それを用いて液晶セルの複屈折による位相差を高度
に補償した視野角やコントラストに優れる液晶表示装置
を得ることができる。
【0009】
【発明の実施形態】本発明による製造方法は、初期寸法
を基準とした収縮開始温度をTi、熱可塑性フィルムの
ガラス転移温度をTgとしたとき、Tg−90≦Tiを
満足する熱収縮性フィルムを熱可塑性フィルムの片面又
は両面に接着し、加熱によるその熱収縮性フィルムの収
縮力の作用下に前記熱可塑性フィルムを少なくとも縦横
の一方向に延伸又は収縮させたのち当該熱収縮性フィル
ムを剥離して位相差板を得るものである。
【0010】位相差板の母体となる熱可塑性フィルムと
しては、特に限定はなく、光透過性の適宜な熱可塑性樹
脂からなるフィルムを用いうる。就中、光透過率が75
%以上、特に85%以上の透光性に優れるフィルムが好
ましい。また耐熱性に優れる位相差板を得る点よりは、
延伸方向の屈折率が高くなる正の複屈折特性を示すポリ
マーからなるものが好ましく用いられる。
【0011】ちなみに前記した正の複屈折特性を示すポ
リマーの例としてはポリカーボネート、ポリビニルアル
コール、セルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
トやポリエチレンナフタレートの如きポリエステル、ポ
リアリレート、ポリイミド、ノルボルネン系樹脂、ポリ
スルホン、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレンの如
きポリオレフィンなどがあげられる。
【0012】熱可塑性フィルムは、例えば流延法等のキ
ャスティング法や、押出法などの適宜な方式で形成した
ものであってよい。キャスティング法等の溶液製膜法が
厚さムラや配向歪ムラ等の少ないフィルムを得る点など
より好ましい。熱可塑性フィルムは、バッチ処理用の規
定サイズにて用いることもできるし、連続製造を目的に
長尺フィルムとして用いることもできる。
【0013】熱可塑性フィルムの厚さは、目的とする位
相差板の位相差特性などにより適宜に決定することがで
きる。一般には5〜500μm、就中10〜400μm、
特に20〜300μmの厚さとされる。位相差は、屈折
率差(△n)と光路長(L)の積(△n×L)として求
めることができる。なお本発明にて処理対象とする熱可
塑性フィルムは、無配向のものであってもよいし、予め
一軸延伸等の適宜な配向処理を施した配向フィルムであ
ってもよい。
【0014】熱可塑性フィルムの片面又は両面に接着す
る熱収縮性フィルムは、その加熱による収縮力を熱可塑
性フィルムに伝達してその収縮力の作用下に熱可塑性フ
ィルムを縦又は横の一方向又は両方向に延伸又は収縮さ
せてその位相差特性、特に厚さ方向の屈折率を制御する
ことなどを目的とし、本発明においては初期寸法を基準
とした収縮開始温度をTi、熱可塑性フィルムのガラス
転移温度をTgとしたとき、Tg−90≦Tiを満足す
る熱収縮性フィルムが用いられる。
【0015】すなわち図1に例示した曲線の如く、熱収
縮性フィルムの加熱収縮処理では通例、温度上昇による
熱膨張で初期の寸法よりも長さを増したのち収縮を開始
して寸法が初期よりも短くなる挙動を示す。その場合
に、本発明にては膨張後の収縮でその寸法が初期と同じ
となる温度を収縮開始温度Tiと定義し、そのTiと熱可
塑性フィルムのTgが式:Tg−90≦Tiを満足する
熱収縮性フィルムが用いられる。
【0016】熱収縮性フィルムの収縮力の伝達による熱
可塑性フィルムの効率的な変形性、ひいては位相差制御
の高度化などの点より好ましく用いうる熱収縮性フィル
ムは、Tg−70≦Ti、就中Tg−50≦Tiを満足す
るものである。なお熱可塑性フィルムに均一な配向を付
与する点よりは、熱収縮力がフィルム全面で可及的に均
一で表面平滑性に優れる熱収縮性フィルムが好ましく用
いられる。
【0017】熱収縮性フィルムは、前記のTi条件を満
足するものであればよく、従って例えばポリ塩化ビニル
やポリエチレン、ポリプロピレンやポリエステル、ポリ
スチレンやポリアミドの如き熱可塑性樹脂からなるフィ
ルムの一軸や二軸等による延伸フィルムなどの、加熱処
理にて収縮性を示す適宜なものを用いることができ、特
に限定はない。就中、位相差の制御性などの点より正の
複屈折特性を示すポリマーからなるものが好ましく用い
られる。熱収縮力は、熱可塑性樹脂の種類や延伸倍率等
の延伸条件などにより相違させることができる。
【0018】熱可塑性フィルムと熱収縮性フィルムの接
着処理は、熱収縮性フィルムの加熱収縮力の伝達が可能
な適宜な方式で行いうる。収縮処理後の容易な分離性な
どの点よりは粘着層を介した接着方式が好ましい。熱収
縮性フィルムと熱可塑性フィルムの接着力は、適宜に決
定しうるが一般には加熱収縮力の伝達性や収縮処理後の
容易な分離性などの点より、常温でのT型剥離に基づい
て45〜200gf/50mm、就中48〜190gf/50mm、
特に50〜180gf/50mmが好ましい。
【0019】なお前記の粘着層を形成する粘着剤につい
ては、特に限定はなく例えばアクリル系やシリコーン
系、ポリエステル系やポリウレタン系、ポリエーテル系
やゴム系などの適宜なものを用いることができる。就
中、熱収縮性フィルムの加熱収縮処理で接着力が可及的
に上昇しにくいものが好ましい。
【0020】粘着層は、熱可塑性フィルムと熱収縮性フ
ィルムの接着時にその一方又は両方の接着面に付設する
こともできるが、予め熱収縮性フィルムに付設した状態
で用いることが形成された位相差板と熱収縮性フィルム
の分離時における糊残りを防止して製造効率の向上等を
はかる点より好ましい。すなわち粘着層を熱収縮性フィ
ルムに随伴させた状態で分離して、形成された位相差板
に粘着層が残存することを防止することが製造効率等の
点より好ましい。
【0021】熱収縮性フィルムへの粘着層の付設は、粘
着剤を熱収縮性フィルムに塗工して乾燥処理する方式な
どにても行いうるが、その乾燥処理等による熱収縮性フ
ィルムの収縮特性の変化を防止する点などよりは、セパ
レータ上に設けた粘着層を熱収縮性フィルムに移着する
方式などが好ましい。
【0022】なお前記のセパレータは、そのまま接着し
て熱収縮性フィルムを実用に供するまでの間、粘着層の
汚染等を防止する保護カバーとして利用することもでき
る。粘着層を付設する熱収縮性フィルム面には、粘着層
との密着力の向上を目的としたコロナ処理等の適宜な表
面処理を施すことができる。
【0023】熱収縮性フィルムは、上記したように目的
とする収縮力等に応じて熱可塑性フィルムの片面又は両
面に1枚又は2枚以上の適宜な数を接着しうるが、両面
に接着する場合や片面に複層を接着する場合には、その
表裏や上下における熱収縮性フィルムは、同じものであ
ってもよいし、熱収縮率等の熱収縮特性が相違するもの
であってもよい。
【0024】熱可塑性フィルムに接着した熱収縮性フィ
ルムの収縮処理は、ロール延伸機やテンターや二軸延伸
機等の適宜な延伸機を介して行うことができる。その処
理温度は、熱可塑性フィルムのTg近傍、就中Tgの±
20℃以内の温度範囲、特にTg以上で行うことが処理
操作の制御性による位相差の高精度化などの点より好ま
しい。
【0025】加熱による熱収縮性フィルムの収縮力の作
用下に熱可塑性フィルムに与える処理は、延伸か収縮の
いずれかであり、形成目的の位相差板に応じて適宜に決
定してよい。また与える処理は、熱可塑性フィルムの縦
横方向(長さ方向と幅方向)のいずれか一方であっても
よいし、両方であってもよい。両方の方向に処理を与え
る場合、一方の方向には収縮処理を、他方の方向には延
伸処理を与える組合せとすることもできる。前記した熱
収縮性フィルムの収縮力の作用下に熱可塑性フィルムに
与える処理は、2回又は3回以上の工程に分けて行うこ
ともできる。
【0026】本発明による方法は、厚さ方向の屈折率n
zを制御して、フィルム面内の屈折率差(nx−ny)に
よる位相差よりも、厚さ方向の屈折率が関係する方向の
位相差が大きくなる位相差板の製造などに有利に用いう
る。厚さ方向の屈折率の制御は通例、熱可塑性フィルム
の縦横方向の少なくとも一方を収縮させる方式などによ
り行うことができる。特に液晶の複屈折による視角特性
を補償する点よりはnz>nx>nyの屈折率特性を満足
する位相差板が好ましく用いうる。
【0027】上記により必要な処理を終えると、形成さ
れた位相差板より収縮処理後の熱収縮性フィルムが剥離
されてそれらが分離される。得られた位相差板は、その
まま実用に共することもできるし、それにさらに延伸処
理等を加えて位相差特性を調節したものとして実用に共
することもできる。
【0028】本発明による好ましい位相差板は、それに
限定するものではないが、複屈折による位相差と配向軸
のバラツキが可及的に小さく、就中そのフィルム面に垂
直な(正面方向の)透過光における位相差のバラツキが
10nm以下、特に5nm以下で、配向軸のバラツキが5度
以下、特に3度以下に形成されたものである。
【0029】本発明による位相差板は、その単層物や同
種又は異種の積層物などとして液晶セルの視野角の拡大
やコントラストの向上などを目的とした複屈折による位
相差の補償などに好ましく用いうる。その実用に際して
は、例えば位相差板の片面又は両面に粘着層を設けたも
のや、その粘着層を介して偏光板、又は等方性の透明な
樹脂層やガラス層等からなる保護層を接着積層したもの
などの適宜な形態の光学部材として適用することもでき
る。
【0030】前記した偏光板等との積層は、液晶表示装
置の製造過程で順次別個に積層する方式にても行いうる
が、予め積層することにより、品質の安定性や積層作業
性等に優れて液晶表示装置の製造効率を向上させうる利
点などがある。なお接着には適宜な接着剤等を用いう
る。就中、上記で例示したものなどの粘着層、特に耐熱
性や光学特性などの点よりアクリル系のものが好ましく
用いられる。
【0031】接着層には、必要に応じて例えば天然物や
合成物の樹脂類、ガラス繊維やガラスビーズ、金属粉や
その他の無機粉末等からなる充填剤や顔料、着色剤や酸
化防止剤などの適宜な添加剤を配合することもできる。
また微粒子を含有させて光拡散性を示す接着層とするこ
ともできる。
【0032】位相差板と積層する偏光板としては、適宜
なものを用いてよく、その例としてはポリビニルアルコ
ール系フィルムや部分ホルマール化ポリビニルアルコー
ル系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケ
ン化フィルムの如き親水性高分子フィルムにヨウ素及び
/又は二色性染料を吸着させて延伸したもの、ポリビニ
ルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処
理物の如きポリエン配向フィルム等からなる偏光フィル
ムなどがあげられる。
【0033】また偏光板は、前記した偏光フィルムの片
側又は両側に透明保護層を有するものであってもよい。
さらに偏光板は、反射層やハーフミラー等を有する反射
型や半透過型のものなどであってもよい。反射型の偏光
板は、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示
するタイプの液晶表示装置などを形成するためのもので
あり、バックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶表
示装置の薄型化をはかりやすいなどの利点を有する。
【0034】前記の透明保護層は、ポリマーの塗布層や
保護フィルムの積層物などとして適宜に形成でき、その
形成には透明性や機械的強度、熱安定性や水分遮蔽性等
に優れるポリマーなどが好ましく用いられる。その例と
してはポリエステル系樹脂やアセテート系樹脂、ポリエ
ーテルサルホン系樹脂やポリカーボネート系樹脂、ポリ
アミド系樹脂やポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂やアクリル系樹脂、あるいはアクリル系やウレタン
系、アクリルウレタン系やエポキシ系やシリコーン系等
の熱硬化型、ないし紫外線硬化型の樹脂などがあげられ
る。透明保護層は、微粒子の含有によりその表面が微細
凹凸構造に形成されていてもよい。
【0035】また反射型偏光板の形成は、必要に応じ透
明樹脂層等を介して偏光板の片面に金属等からなる反射
層を付設する方式などの適宜な方式で行うことができ、
例えば必要に応じマット処理した保護フィルム等の透明
樹脂層の片面に、アルミニウム等の反射性金属からなる
箔や蒸着膜を付設したものや、前記透明樹脂層の微粒子
含有による表面微細凹凸構造の上に蒸着方式やメッキ方
式等の適宜な方式で金属反射層を付設したものなどがあ
げられる。半透過型偏光板は、前記の反射層をハーフミ
ラー等の半透過型のものとすることにより得ることがで
きる。
【0036】なお位相差板と偏光板の積層に際して、そ
れらの透過軸や進相軸等の光軸の配置角度については特
に限定はなく、適宜に決定することができる。ちなみに
STN型の液晶セルに適用する場合には、45度等の斜
め交叉角に配置する場合が多く、TN型の液晶セルに適
用する場合には略平行又は略直交の交叉角に配置する場
合が多い。
【0037】位相差板は、その2枚以上を積層して用い
うることを上記したが、これは補償効果の向上などを目
的とし、その場合に本発明にては本発明によるものとそ
れ以外の位相差板との積層体とすることもできる。その
位相差板としては、例えば上記の熱可塑性フィルムで例
示したフィルムの一軸や二軸等による延伸処理物、ディ
スコティック系やネマチック系等の液晶配向板などの適
宜なものを用いうる。
【0038】上記した位相差板や偏光板、透明保護層や
粘着層などの各層は、例えばサリチル酸エステル系化合
物やベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系
化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系
化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などにより紫外
線吸収能をもたせることもできる。
【0039】本発明による位相差板は、例えば正面方向
でのコントラストの低下を防止した斜視方向位相差の打
消し補償や、正面方向と斜視方向の位相差の打消し補償
等の、TN型やSTN型やπ型等の各種の液晶セルにお
ける複屈折による視角特性の補償などに好ましく用いう
る。
【0040】前記位相差板を用いての液晶表示装置の形
成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は
一般に、液晶セルと光学補償用の位相差板、及び必要に
応じての偏光板や照明システム等の構成部品を適宜に組
立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、
本発明においては本発明による位相差板を光学補償用の
ものに用いて、それを必要に応じ偏光板と共に液晶セル
の少なくとも片側に設ける点を除いて特に限定はなく、
従来に準じうる。
【0041】従って液晶セルの片側又は両側に偏光板を
配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライト
あるいは反射板や半透過型反射板を用いてなる透過型や
反射型、あるいは反射・透過両用型などの適宜な液晶表
示装置を形成することができる。偏光板を用いた液晶表
示装置の場合、光学補償用の位相差板は液晶セルと偏光
板、特に視認側の偏光板との間に配置することが補償効
果の点などより好ましい。その配置に際しては、上記の
光学部材としたものを用いることもできる。
【0042】前記において液晶表示装置の形成部品は、
積層一体化されていてもよいし、分離状態にあってもよ
い。また液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板
やアンチグレア層、反射防止膜、保護層や保護板などの
適宜な光学素子を適宜に配置することができる。かかる
素子は、位相差板と積層してなる上記した光学部材の形
態にて液晶表示装置の形成に供することもできる。
【0043】本発明による位相差板やそれを用いた光学
部材は、視野角の拡大やコントラストの向上などの、液
晶セルの複屈折による位相差の補償を目的にTN型やS
TN型等の複屈折を示す液晶セルを用いたTFT型やM
IM型等の種々の表示装置に好ましく用いうる。その場
合、光学補償用の位相差板としては液晶セルの複屈折に
よる位相差を広い視角範囲にわたり補償するものが好ま
しく用いられる。
【0044】
【実施例】実施例1 ホスゲンとビスフェノールAの重縮合物からなる分子量
約8万のポリカーボネートの二塩化メチレン20重量%
溶液を、スチールドラム上に連続的に流延し、それを順
次剥取って乾燥させ、厚さ60μmで位相差がほぼ0の
長尺ポリカーボネートフィルムを得、そのTgが145
℃のフィルムの両面にTiが115℃の熱収縮性フィル
ムをそれに付設したアクリル系粘着層を介し接着した
後、延伸機を介し160℃で横方向5%の収縮処理を施
して熱収縮性フィルムを粘着層と共に剥離し、位相差板
を連続して得た。
【0045】比較例 Tiが65℃の熱収縮性フィルムを用いたほかは実施例
1に準じて位相差板を得た。
【0046】前記において実施例1ではポリカーボネー
トフィルムを効率よく変形処理して目的とする位相差を
有する位相差板を効率よく得ることができたが、比較例
では加熱により熱収縮性フィルムの収縮が先行して接着
面にズレと剥がれが発生し収縮力の伝達不足で目的とす
る位相差を付与することができなかった。またTN型液
晶セルの両側に、実施例1で得た位相差板を介して偏光
板を配置し、正面方向のコントラストと視角変化による
表示特性を調べたところ、コントラストに優れて広い視
角範囲で表示特性に変化はなく、視認性に優れる高表示
品位の液晶表示装置であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】収縮開始温度Tiの説明図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 伸一 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号日東電 工株式会社内 Fターム(参考) 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z FC06 FC07 FC08 FC09 FD06 HA10 LA17 LA30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 初期寸法を基準とした収縮開始温度をT
    i、熱可塑性フィルムのガラス転移温度をTgとしたと
    き、Tg−90≦Tiを満足する熱収縮性フィルムを熱
    可塑性フィルムの片面又は両面に接着し、加熱によるそ
    の熱収縮性フィルムの収縮力の作用下に前記熱可塑性フ
    ィルムを少なくとも縦横の一方向に延伸又は収縮させた
    のち当該熱収縮性フィルムを剥離することを特徴とする
    位相差板の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、熱収縮性フィルム及
    び熱可塑性フィルムが正の複屈折特性を示すポリマーか
    らなるものである製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の製造方法による
    位相差板と偏光板との積層体からなることを特徴とする
    光学部材。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の製造方法による
    位相差板又はそれと偏光板を液晶セルの少なくとも片側
    に有することを特徴とする液晶表示装置。
JP25387499A 1999-09-08 1999-09-08 位相差板の製造方法、光学部材及び液晶表示装置 Expired - Lifetime JP4371333B2 (ja)

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