JP2001147325A - 位相差板の製造方法、光学部材及び液晶表示装置 - Google Patents

位相差板の製造方法、光学部材及び液晶表示装置

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JP2001147325A
JP2001147325A JP33120799A JP33120799A JP2001147325A JP 2001147325 A JP2001147325 A JP 2001147325A JP 33120799 A JP33120799 A JP 33120799A JP 33120799 A JP33120799 A JP 33120799A JP 2001147325 A JP2001147325 A JP 2001147325A
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film
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shrinkable film
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Seiji Kondo
誠司 近藤
Kazuyoshi Tsuchimoto
一喜 土本
Shinichi Sasaki
伸一 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 形成した位相差板に粘着層が良好に残存した
状態で収縮処理後の熱収縮性フィルムを分離できる位相
差板の製造方法の開発。 【解決手段】 熱可塑性フィルムの片面又は両面に粘着
層を介して表面張力が前記熱可塑性フィルムよりも3dy
n/cm以上小さい熱収縮性フィルムを接着し、加熱によ
るその熱収縮性フィルムの収縮力の作用下に熱可塑性フ
ィルムを少なくとも縦横の一方向に延伸又は収縮させた
のち当該熱収縮性フィルムを剥離する位相差板の製造方
法、その位相差板と偏光板との積層体からなる光学部材
及び前記位相差板又はそれと偏光板を液晶セルの少なく
とも片側に有する液晶表示装置。 【効果】 位相差板に残存の粘着層を利用して他部材に
接着でき、位相差を高度に制御した位相差板を効率よく
得て液晶セルの複屈折による位相差を高度に補償でき視
野角やコントラストに優れる液晶表示装置が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、液晶表示装置の視野角や
コントラストの改善に好適な位相差板を歩留まりよく製
造できる方法、及びその位相差板を用いた光学部材に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶セルの複屈折による位相差を
補償して液晶表示装置の視野角の拡大やコントラストの
向上を達成しうる位相差板の製造方法として、熱可塑性
フィルムに粘着層を介し熱収縮性フィルムを接着して加
熱によるその収縮力の作用下に延伸処理する方法が知ら
れていた(特開平5−157911号公報)。かかる延
伸処理後の熱収縮性フィルムは得られた位相差板より剥
離して分離される。
【0003】しかしながら、得られた位相差板と収縮処
理後の熱収縮性フィルムの剥離時に粘着層が熱収縮性フ
ィルムと共に分離されて位相差板より除去され、位相差
板を他部材と接着する場合に改めて別途の粘着層を新た
に設ける必要のある問題点があった。
【0004】
【発明の技術的課題】本発明は、粘着層が得られた位相
差板に良好に残存した状態で収縮処理後の熱収縮性フィ
ルムを分離できる位相差板の製造方法の開発を課題とす
る。
【0005】
【課題の解決手段】本発明は、熱可塑性フィルムの片面
又は両面に粘着層を介して表面張力が前記熱可塑性フィ
ルムよりも3dyn/cm以上小さい熱収縮性フィルムを接
着し、加熱によるその熱収縮性フィルムの収縮力の作用
下に熱可塑性フィルムを少なくとも縦横の一方向に延伸
又は収縮させたのち当該熱収縮性フィルムを剥離するこ
とを特徴とする位相差板の製造方法、並びにその位相差
板と偏光板との積層体からなることを特徴とする光学部
材及び前記位相差板又はそれと偏光板を液晶セルの少な
くとも片側に有することを特徴とする液晶表示装置を提
供するものである。
【0006】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性フィルムより
も表面張力が小さい熱収縮性フィルムを粘着層にて接着
したことにより、得られた位相差板と収縮処理後の熱収
縮性フィルムを剥離分離する際に粘着層を位相差板側に
良好に残存させることができ、その粘着層を利用して他
部材に接着できて位相差板に改めて別途粘着層を新たに
設ける必要を回避することができる。また収縮処理後の
熱収縮性フィルム側に糊残りして位相差板の粘着層に欠
損部の生じることも防止でき、その欠損による混入気泡
等に基づいて位相差板を接着した際に屈折率の異常点な
どが発生することも防止することができる。
【0007】前記の結果、熱収縮性フィルムの収縮力の
作用下に位相差を高度に制御した品質の良好な位相差板
を歩留まりよく効率的に得、それを用いて液晶セルの複
屈折による位相差を高度に補償して視野角やコントラス
トに優れる液晶表示装置を得ることができる。
【0008】
【発明の実施形態】本発明による製造方法は、熱可塑性
フィルムの片面又は両面に粘着層を介して表面張力が前
記熱可塑性フィルムよりも3dyn/cm以上小さい熱収縮
性フィルムを接着し、加熱によるその熱収縮性フィルム
の収縮力の作用下に熱可塑性フィルムを少なくとも縦横
の一方向に延伸又は収縮させたのち当該熱収縮性フィル
ムを剥離して位相差板を得るものである。
【0009】熱可塑性フィルムとしては、特に限定はな
く、光透過性の適宜な熱可塑性樹脂からなるフィルムを
用いうる。就中、光透過率が75%以上、特に85%以
上の透光性に優れるフィルムが好ましい。また耐熱性に
優れる位相差板を得る点よりは、延伸方向の屈折率が高
くなる正の複屈折特性を示すポリマーからなるものが好
ましく用いられる。
【0010】ちなみに前記した正の複屈折特性を示すポ
リマーの例としてはポリカーボネート、ポリビニルアル
コール、セルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
トやポリエチレンナフタレートの如きポリエステル、ポ
リアリレート、ポリイミド、ノルボルネン系樹脂、ポリ
スルホン、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレンの如
きポリオレフィンなどがあげられる。
【0011】熱可塑性フィルムは、例えば流延法等のキ
ャスティング法や、押出法などの適宜な方式で形成した
ものであってよい。キャスティング法等の溶液製膜法が
厚さムラや配向歪ムラ等の少ないフィルムを得る点など
より好ましい。熱可塑性フィルムは、バッチ処理用の規
定サイズにて用いることもできるし、連続製造を目的に
長尺フィルムとして用いることもできる。
【0012】熱可塑性フィルムの厚さは、目的とする位
相差板の位相差特性などにより適宜に決定することがで
きる。一般には5〜500μm、就中10〜400μm、
特に20〜300μmの厚さとされる。位相差は、屈折
率差(△n)と光路長(L)の積(△n×L)として求
めることができる。なお本発明にて処理対象とする熱可
塑性フィルムは、無配向のものであってもよいし、予め
一軸延伸等の適宜な配向処理を施した配向フィルムであ
ってもよい。
【0013】熱可塑性フィルムの片面又は両面に粘着層
を介して接着する熱収縮性フィルムは、その加熱による
収縮力を熱可塑性フィルムに伝達してその収縮力の作用
下に熱可塑性フィルムを縦又は横の一方向又は両方向に
延伸又は収縮させてその位相差特性、特に厚さ方向の屈
折率を制御することなどを目的とする。
【0014】従って熱収縮性フィルムとしては、例えば
ポリ塩化ビニルやポリエチレン、ポリプロピレンやポリ
エステル、ポリスチレンやポリアミドの如き熱可塑性樹
脂からなるフィルムの一軸や二軸等による延伸フィルム
などの、加熱処理にて収縮性を示す適宜なものを用いる
ことができ、特に限定はない。その場合、熱可塑性樹脂
の種類や延伸倍率等の延伸条件などを変えることにより
熱収縮力に相違をもたせることができる。
【0015】前記において熱収縮力の付与性の点より
は、熱可塑性フィルムの収縮処理温度よりも低温で熱収
縮を開始し、かつ熱可塑性フィルムのガラス転移温度付
近にて熱収縮性を示す熱収縮性フィルムが好ましく用い
られる。また熱可塑性フィルムに均一な配向を付与する
点よりは、熱収縮力がフィルム全面で可及的に均一で表
面平滑性に優れる熱収縮性フィルムが好ましく用いられ
る。さらに熱可塑性フィルムに熱収縮力を安定に付与し
て位相差のバラツキを防止する点などよりは、上記した
正の複屈折特性を示すポリマーからなる熱収縮性フィル
ムが好ましく用いられる。
【0016】熱可塑性フィルムと熱収縮性フィルムの接
着処理は、上記した熱収縮性フィルムの加熱収縮力の伝
達及びその収縮処理後の容易な分離性などを目的に粘着
層を介して行うが、その粘着層を形成する粘着剤につい
ては特に限定はなく、例えばアクリル系やシリコーン
系、ポリエステル系やポリウレタン系、ポリエーテル系
やゴム系などの適宜なものを用いることができる。就
中、熱収縮性フィルムの加熱収縮処理で接着力が可及的
に上昇しにくいものが好ましい。粘着層は、異種粘着剤
の重畳層として形成することもできる。
【0017】前記した加熱収縮力の伝達性や収縮処理後
の容易な分離性、加熱収縮時における接着界面での気泡
発生等の防止性などの点より熱収縮性フィルムに対する
粘着層の好ましい接着力は、常温でのT型剥離に基づい
て45〜200gf/50mm、就中48〜190gf/50mm、
特に50〜180gf/50mmである。
【0018】粘着層は、熱可塑性フィルムと熱収縮性フ
ィルムの接着時にその一方又は両方の接着面に付設する
こともできるが、予め熱可塑性フィルム又は熱収縮性フ
ィルムに付設した状態で用いることが形成された位相差
板と収縮処理後の熱収縮性フィルムの分離時において、
熱収縮性フィルム側に部分的な糊残りを生じることを防
止しつつ位相差板側に粘着層を良好な状態で残存させて
製造効率の向上等をはかる点より好ましい。
【0019】熱可塑性フィルム又は熱収縮性フィルムへ
の粘着層の付設は、粘着剤を熱可塑性フィルム又は熱収
縮性フィルムに塗工して乾燥処理する方式などにても行
いうるが、その乾燥処理等による熱可塑性フィルムの変
質又は熱収縮性フィルムの収縮特性の変化を防止する点
などよりは、セパレータ上に設けた粘着層を熱可塑性フ
ィルム又は熱収縮性フィルムに移着する方式などが好ま
しい。
【0020】前記の場合、セパレータはそのまま接着し
て熱可塑性フィルム又は熱収縮性フィルムを実用に供す
るまでの間、粘着層の汚染等を防止する保護カバーとし
て利用することもできる。粘着層を付設する熱可塑性フ
ィルム又は熱収縮性フィルム面には、粘着層との密着力
の向上を目的としたコロナ処理等の適宜な表面処理を施
すことができる。
【0021】熱収縮性フィルムは、上記したように目的
とする収縮力等に応じて熱可塑性フィルムの片面又は両
面に1枚又は2枚以上の適宜な数を接着しうるが、両面
に接着する場合や片面に複層を接着する場合には、その
表裏や上下における熱収縮性フィルムは、同じものであ
ってもよいし、熱収縮率等の熱収縮特性が相違するもの
であってもよい。
【0022】上記において本発明においては、熱可塑性
フィルムよりも表面張力が3dyn/cm以上小さい熱収縮
性フィルムが用いられる。これにより得られた位相差板
と収縮処理後の熱収縮性フィルムを分離する際にその粘
着層を位相差板に残存させることができ、熱収縮性フィ
ルム側に粘着層が部分的に糊残りしてそれが位相差板を
それに残存した粘着層を介して他部材と接着した際に気
泡混入等の原因となることを防止することができる。
【0023】前記した粘着層の位相差板側への良好な残
存性及び熱収縮性フィルム側における糊残りの防止性な
どの点より好ましい熱収縮性フィルムは、表面張力が熱
可塑性フィルムのそれよりも4dyn/cm以上、就中5dyn
/cm以上、特に7dyn/cm以上小さいものである。なお
上記した表面張力の関係は、熱可塑性フィルムに隣接す
る熱収縮性フィルムにおいて満足されていればよい。
【0024】熱可塑性フィルムに接着した熱収縮性フィ
ルムの収縮処理は、ロール延伸機やテンターや二軸延伸
機等の適宜な延伸機を介して行うことができる。その処
理温度は、熱可塑性フィルムのガラス転移温度の近傍、
就中ガラス転移温度の±20℃以内の温度範囲、特にガ
ラス転移温度以上で行うことが処理操作の制御性による
位相差の高精度化などの点より好ましい。またかかる点
より用いる熱収縮性フィルムは、上記したようにその処
理温度以下の温度で熱収縮を開始するものが好ましい。
【0025】加熱による熱収縮性フィルムの収縮力の作
用下に熱可塑性フィルムに与える処理は、延伸か収縮の
いずれかであり、形成目的の位相差板に応じて適宜に決
定することができる。また与える処理は、熱可塑性フィ
ルムの縦横方向(長さ方向と幅方向)のいずれか一方で
あってもよいし、両方であってもよい。両方の方向に処
理を与える場合、一方の方向には収縮処理を、他方の方
向には延伸処理を与える組合せとすることもできる。前
記した熱収縮性フィルムの収縮力の作用下に熱可塑性フ
ィルムに与える処理は、2回又は3回以上の工程に分け
て行うこともできる。
【0026】本発明による方法は、厚さ方向の屈折率を
制御して、フィルム面内の屈折率差による位相差より
も、厚さ方向の屈折率が関係する方向の位相差が大きく
なる位相差板の製造などに有利に用いうる。厚さ方向の
屈折率の制御は通例、熱可塑性フィルムの縦横方向の少
なくとも一方を収縮させる方式などにより行うことがで
きる。
【0027】上記により必要な処理を終えると、形成さ
れた位相差板より収縮処理後の熱収縮性フィルムが剥離
されてその粘着層が位相差板側に残存した状態で分離さ
れる。得られた位相差板は、そのまま実用に共すること
もできるし、それにさらに延伸処理等を加えて位相差特
性を調節したものとして実用に共することもできる。
【0028】本発明による好ましい位相差板は、それに
限定するものではないが、複屈折による位相差と配向軸
のバラツキが可及的に小さく、就中そのフィルム面に垂
直な(正面方向の)透過光における位相差のバラツキが
10nm以下、特に5nm以下で、配向軸のバラツキが5度
以下、特に3度以下に形成されたものである。
【0029】本発明による位相差板は、その単層物や同
種又は異種の積層物などとして液晶セルの視野角の拡大
やコントラストの向上などを目的とした複屈折による位
相差の補償などに好ましく用いうる。その実用に際して
は、例えば位相差板の片面又は両面に残存した粘着層を
介して偏光板又は等方性の透明な樹脂層やガラス層等か
らなる保護層を接着積層したものなどの適宜な形態の光
学部材として適用することもできる。
【0030】前記した偏光板等との積層は、液晶表示装
置の製造過程で順次別個に積層する方式にても行いうる
が、予め積層することにより、品質の安定性や積層作業
性等に優れて液晶表示装置の製造効率を向上させうる利
点などがある。なお接着に際し位相差板がその両面に上
記した残存粘着層を有しない場合にはその片面に適宜な
接着剤等による接着層を付加しうる。就中、上記で例示
したものなどの粘着層、特に耐熱性や光学特性などの点
よりアクリル系のものが好ましく用いられる。
【0031】前記粘着層等の接着層には、必要に応じて
例えば天然物や合成物の樹脂類、ガラス繊維やガラスビ
ーズ、金属粉やその他の無機粉末等からなる充填剤や顔
料、着色剤や酸化防止剤などの適宜な添加剤を配合する
こともできる。また微粒子を含有させて光拡散性を示す
接着層とすることもできる。熱可塑性フィルムと熱収縮
性フィルムを接着する粘着層の場合も同様である。
【0032】位相差板と積層する偏光板としては、適宜
なものを用いてよく、その例としてはポリビニルアルコ
ール系フィルムや部分ホルマール化ポリビニルアルコー
ル系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケ
ン化フィルムの如き親水性高分子フィルムにヨウ素及び
/又は二色性染料を吸着させて延伸したもの、ポリビニ
ルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処
理物の如きポリエン配向フィルム等からなる偏光フィル
ムなどがあげられる。
【0033】また偏光板は、前記した偏光フィルムの片
側又は両側に透明保護層を有するものであってもよい。
さらに偏光板は、反射層やハーフミラー等を有する反射
型や半透過型のものなどであってもよい。反射型の偏光
板は、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示
するタイプの液晶表示装置などを形成するためのもので
あり、バックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶表
示装置の薄型化をはかりやすいなどの利点を有する。
【0034】前記の透明保護層は、ポリマーの塗布層や
保護フィルムの積層物などとして適宜に形成でき、その
形成には透明性や機械的強度、熱安定性や水分遮蔽性等
に優れるポリマーなどが好ましく用いられる。その例と
してはポリエステル系樹脂やアセテート系樹脂、ポリエ
ーテルサルホン系樹脂やポリカーボネート系樹脂、ポリ
アミド系樹脂やポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂やアクリル系樹脂、あるいはアクリル系やウレタン
系、アクリルウレタン系やエポキシ系やシリコーン系等
の熱硬化型、ないし紫外線硬化型の樹脂などがあげられ
る。透明保護層は、微粒子の含有によりその表面が微細
凹凸構造に形成されていてもよい。
【0035】また反射型偏光板の形成は、必要に応じ透
明樹脂層等を介して偏光板の片面に金属等からなる反射
層を付設する方式などの適宜な方式で行うことができ
る。その具体例としては必要に応じマット処理した保護
フィルム等の透明樹脂層の片面に、アルミニウム等の反
射性金属からなる箔や蒸着膜を付設したものや、前記透
明樹脂層の微粒子含有による表面微細凹凸構造の上に蒸
着方式やメッキ方式等の適宜な方式で金属反射層を付設
したものなどがあげられる。半透過型偏光板は、前記の
反射層をハーフミラー等の半透過型のものとすることに
より得ることができる。
【0036】なお位相差板と偏光板の積層に際して、そ
れらの透過軸や進相軸等の光軸の配置角度については特
に限定はなく、適宜に決定することができる。ちなみに
STN型の液晶セルに適用する場合には、45度等の斜
め交叉角に配置する場合が多く、TN型の液晶セルに適
用する場合には略平行又は略直交の交叉角に配置する場
合が多い。
【0037】位相差板は、その2枚以上を積層して用い
うることを上記したが、これは補償効果の向上などを目
的とし、その場合に本発明にては本発明によるものとそ
れ以外の位相差板との積層体とすることもできる。その
位相差板としては、例えば上記の熱可塑性フィルムで例
示したフィルムの一軸や二軸等による延伸処理物、ディ
スコティック系やネマチック系等の液晶配向板などの適
宜なものを用いうる。
【0038】上記した位相差板や偏光板、透明保護層や
粘着層などの各層は、例えばサリチル酸エステル系化合
物やベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化
合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化
合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などにより紫外線
吸収能をもたせることもできる。
【0039】本発明による位相差板は、例えば正面方向
でのコントラストの低下を防止した斜視方向位相差の打
消し補償や、正面方向と斜視方向の位相差の打消し補償
等の、TN型やSTN型やπ型等の各種の液晶セルにお
ける複屈折による視角特性の補償などに好ましく用いう
る。
【0040】前記位相差板を用いての液晶表示装置の形
成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は
一般に、液晶セルと光学補償用の位相差板、及び必要に
応じての偏光板や照明システム等の構成部品を適宜に組
立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、
本発明においては本発明による位相差板を光学補償用の
ものに用いて、それを必要に応じ偏光板と共に液晶セル
の少なくとも片側に設ける点を除いて特に限定はなく、
従来に準じうる。
【0041】従って液晶セルの片側又は両側に偏光板を
配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライト
あるいは反射板や半透過型反射板を用いてなる透過型や
反射型、あるいは反射・透過両用型などの適宜な液晶表
示装置を形成することができる。偏光板を用いた液晶表
示装置の場合、光学補償用の位相差板は液晶セルと偏光
板、特に視認側の偏光板との間に配置することが補償効
果の点などより好ましい。その配置に際しては、上記の
光学部材としたものを用いることもできる。
【0042】前記において液晶表示装置の形成部品は、
積層一体化されていてもよいし、分離状態にあってもよ
い。また液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板
やアンチグレア層、反射防止膜、保護層や保護板などの
適宜な光学素子を適宜に配置することができる。かかる
素子は、位相差板と積層してなる上記した光学部材の形
態にて液晶表示装置の形成に供することもできる。
【0043】本発明による位相差板やそれを用いた光学
部材は、視野角の拡大やコントラストの向上などの、液
晶セルの複屈折による位相差の補償を目的にTN型やS
TN型等の複屈折を示す液晶セルを用いたTFT型やM
IM型等の種々の表示装置に好ましく用いうる。その場
合、光学補償用の位相差板としては液晶セルの複屈折に
よる位相差を広い視角範囲にわたり補償するものが好ま
しく用いられる。
【0044】
【実施例】実施例1 ホスゲンとビスフェノールAの重縮合物からなる分子量
約8万のポリカーボネートの二塩化メチレン20重量%
溶液を、スチールドラム上に連続的に流延し、それを順
次剥取って乾燥させ、厚さ60μm、表面張力44.5d
yn/cm、位相差がほぼ0の長尺ポリカーボネートフィル
ムを得、そのフィルムの両面に延伸ポリエステルフィル
ムからなる表面張力33.4dyn/cmの熱収縮性フィル
ムをアクリル系粘着層を介し接着した後、延伸機を介し
160℃で横方向5%の収縮処理を施して熱収縮性フィ
ルムを剥離し、位相差板を連続して得た。
【0045】比較例 表面張力が43.0dyn/cmの熱収縮性フィルムを用い
たほかは実施例1に準じて位相差板を連続して得た。
【0046】評価試験 実施例1、比較例において得られた位相差板と加熱処理
後の熱収縮性フィルムを分離する際の粘着層の残存側、
及び残存しない他方側における糊残りを調べた。その結
果を次表に示した。なお表には表面張力差(熱可塑性フ
ィルム−熱収縮性フィルム)も示した。
【0047】 表面張力差(dyn/cm) 粘着層残存側 他方側の糊残り 実施例1 11.1 位相差板 なし 比 較 例 1.5 主に位相差板 多量にあり
【0048】TN型液晶セルの両側に、実施例1で得た
位相差板をその残存粘着層を介し偏光板と接着してなる
光学部材を位相差板をセル側として配置し、正面方向の
コントラストと視角変化による表示特性を調べたとこ
ろ、コントラストに優れて広い視角範囲で表示特性に変
化はなく、視認性に優れる高表示品位の液晶表示装置で
あった。
フロントページの続き (72)発明者 佐々木 伸一 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号日東電 工株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA06 BA42 BB44 BB51 BC03 BC22 2H091 FA11X FA11Z FA14Z FB02 FC01 FC07 FC14 FC22 FD06 FD14 GA16 GA17 LA12 LA17 LA19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性フィルムの片面又は両面に粘着
    層を介して表面張力が前記熱可塑性フィルムよりも3dy
    n/cm以上小さい熱収縮性フィルムを接着し、加熱によ
    るその熱収縮性フィルムの収縮力の作用下に熱可塑性フ
    ィルムを少なくとも縦横の一方向に延伸又は収縮させた
    のち当該熱収縮性フィルムを剥離することを特徴とする
    位相差板の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、熱収縮性フィルムの
    表面張力が熱可塑性フィルムの表面張力よりも5dyn/c
    m以上小さいものである製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、熱可塑性フィ
    ルム及び熱収縮性フィルムが正の複屈折特性を示す熱可
    塑性樹脂からなるものである製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載の製造方法による位
    相差板と偏光板との積層体からなることを特徴とする光
    学部材。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3に記載の製造方法による位
    相差板又はそれと偏光板を液晶セルの少なくとも片側に
    有することを特徴とする液晶表示装置。
JP33120799A 1999-11-22 1999-11-22 位相差板の製造方法、光学部材及び液晶表示装置 Pending JP2001147325A (ja)

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