JP3277131B2 - 仕上げ面の施工方法 - Google Patents

仕上げ面の施工方法

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JP3277131B2
JP3277131B2 JP29891496A JP29891496A JP3277131B2 JP 3277131 B2 JP3277131 B2 JP 3277131B2 JP 29891496 A JP29891496 A JP 29891496A JP 29891496 A JP29891496 A JP 29891496A JP 3277131 B2 JP3277131 B2 JP 3277131B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新設のコンクリー
ト構造物に仕上げ面を形成したり、若しくは既設のコン
クリート構造物の既存仕上げ面を補修・改修したりする
ための仕上げ面の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、タイル張りの壁面を補修する場合
には、例えば特公平8−14182号公報(Int.Cl.E04F
13/02) に開示されているように、タイルの剥離部分の
表面に下地材としてラテックスモルタルを塗布してその
表面にネットを配置し、このネットの上からピンを打込
んでネットを押さえ、その後、ネットおよびピンがかく
れるように再度ラテックスモルタルを塗布するようにな
っている。つまり、タイル壁面にラテックスモルタルに
よってネットを張付けた後、このラテックスモルタルが
硬化した後にピン打込み用の穿孔を施してピンを打込
み、このピンで既存壁の剥離部分を固定するようにして
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来のタイル壁の補修方法では、上述したようにタイル
壁面にラテックスモルタルでネットを張付けた後に穿孔
してピンを打込む手順となっていて、モルタルの硬化後
にドリルによって穿孔するためその削り粉が外壁面に付
着してしまう。外壁面に付着した削り粉は完全に除去す
ることが非常に困難であり、次に塗布するラテックスモ
ルタルとの接着不良が生じやすい。
【0004】また、前記ネットはこれを張付けるための
ラテックスモルタル内に埋設されるため、ピン打込み用
の孔部を形成すべくドリリングする際にネットを切断し
てしまうおそれがあり、このようにネットが切断される
と補修壁面の強度が著しく低下してしまうという各種課
題があった。
【0005】またこのような課題は、ネットを用いた上
でピンをメカニカルアンカーとして躯体側に打ち込む構
成の仕上げ面形成方法及び仕上げ面構造では常につきま
とう問題点であり、従って上述したような補修の場合に
限らず、仕上げ面を改修する際や新設のコンクリート構
造物に仕上げを施す場合にあっても同様に問題となって
いた。
【0006】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て、メカニカルアンカーとネットとを併用して仕上げ面
を形成する場合に、メカニカルアンカーの取り付けに際
して、穿孔による削り粉が接着の障害となることを防止
できるようにするとともに、ネットが傷つくことを防止
できるようにした仕上げ面の施工方法を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明の請求項1の仕上げ面の施工方法は、コンク
リート構造物の表面を仕上げるに際して、施工対象面に
形成した穴部に、分離可能な埋め込み部材と押さえ部材
とからなるメカニカルアンカーの該埋め込み部材をその
頭部が塗り仕上げ層の厚み分だけ施工対象面から突出す
るように挿入し、上記埋め込み部材には上記押さえ部材
を固定するための孔部を形成しておき、次いで、上記埋
め込み部材の孔部にこれを塞ぐとともに上記押さえ部材
を該埋め込み部材に装着する際に目印となる着脱自在な
キャップを装着し、次いで上記施工対象面に塗り仕上げ
層を形成し、その後該塗り仕上げ層の表面に、表裏に立
毛部を有する3次元構造のネットを、その裏面側立毛部
を該塗り仕上げ層に埋め込み、表面側立毛部を露出させ
て張り付け、次いで上記キャップを取り外して上記ネッ
トの表面側から網目を介して上記メカニカルアンカーの
上記押さえ部材を上記埋め込み部材に固定して該押さえ
部材で該ネットを押さえ、その後該ネット上にその表面
側立毛部を介して仕上げ層を形成するようにしたことを
特徴とする。
【0008】請求項1の発明にあっては、埋め込み部材
と押さえ部材とが分離可能なメカニカルアンカーを用
い、施工対象面に形成した穴部に埋め込み部材を挿入し
た後に塗り仕上げ層を介して3次元構造のネットを張付
け、その後このネットの網目から前記メカニカルアンカ
ーの押さえ部材を前記埋め込み部材に固定するようにな
っている。つまり、前記ネットを張付ける以前に施工対
象面に穴部を確保しておいて、この穴部にメカニカルア
ンカーの埋め込み部材を挿入しておくことができるた
め、メカニカルアンカーの施工対象面への取り付けに際
してネットを傷付けてしまうことを確実に防止すること
ができる。また、前記穴部を形成した後に塗り仕上げ層
を形成するので、この塗り仕上げ層を形成する以前に、
施工対象面を十分にクリーニングしておくこともでき、
すなわち施工対象面が汚れている場合にもこれを容易か
つきれいに除去することができて、塗り仕上げ層の施工
対象面への接着性を著しく向上することができる。
【0009】また、上記構成の3次元構造のネットを用
い、裏面側立毛部を塗り仕上げ層に埋め込んで当該ネッ
トを施工対象面側に定着させる一方で、表面側立毛部を
介して当該ネット上に仕上げ層を施工するようにしたの
で、施工対象面側から順次重ねるようにして各層を形成
していくだけでネット表裏の立毛部によって各層同士の
十分な付着を確保することができて、仕上げ層の塗り仕
上げ層からの剥離、ひいては施工対象面からの剥離を確
実に防止することができる。
【0010】
【0011】さらに、埋め込み部材の頭部が塗り仕上げ
層の厚み分だけ施工対象面から突出するように挿入する
とともに、埋め込み部材に押さえ部材を固定するための
孔部を形成し、施工対象面に対して塗り仕上げ層を形成
する前に埋め込み部材の孔部にこれを塞ぐとともに押さ
え部材を埋め込み部材に装着する際に目印となる着脱自
在なキャップを装着し、押さえ部材を埋め込み部材に固
定する際にこのキャップを取り外すようにしていて、押
さえ部材の埋め込み部材への固定を孔部によって容易化
する一方で、この孔部には着脱自在なキャップを装着し
て塗り仕上げ層の形成時に孔部が塞がれるのを防止する
とともに、押さえ部材を埋め込み部材に装着する際に目
印ともなるようにしている。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】本発明の請求項2の仕上げ面の施工方法
は、前記ネットが、耐アルカリ性を有する繊維を素材と
して、平面の縦横方向およびその表裏の厚さ方向に繊維
を配向させて織布あるいは編布とした立毛3次元構造で
あることを特徴とする。
【0016】請求項2の発明は、上記構成のネットを用
いたので、平面の縦横方向の繊維で仕上げ層のひび割れ
を防止できると共に、表裏の厚さ方向の繊維で仕上げ層
の塗り仕上げ層からの剥離、ひいては施工対象面からの
剥離を確実に防止することができ、またこの繊維を、耐
アルカリ性を有する素材としていることから、コンクリ
ート構造物表面に発生するアルカリ成分に対して十分な
耐久性を発揮し、このネットによる剥離防止効果を長期
にわたって確実に維持することができる。
【0017】本発明の請求項3の仕上げ面の施工方法
は、補修・改修しようとするコンクリート構造物の既存
仕上げ面に穴部を穿設し、この穴部に分離可能な埋め込
み部材と押さえ部材とからなるメカニカルアンカーの該
埋め込み部材をその頭部が塗り仕上げ層の厚み分だけ既
存仕上げ面から突出するように挿入し、上記埋め込み部
材には上記押さえ部材を固定するための孔部を形成して
おき、次いで、上記埋め込み部材の孔部にこれを塞ぐと
ともに上記押さえ部材を該埋め込み部材に装着する際に
目印となる着脱自在なキャップを装着し、次いで上記既
存仕上げ面にポリマーセメントモルタルで塗り仕上げ層
を形成し、その後該塗り仕上げ層の表面に、表裏に立毛
部を有する3次元構造のネットを、その裏面側立毛部を
該塗り仕上げ層に埋め込み、表面側立毛部を露出させて
張り付け、次いで上記キャップを取り外して上記ネット
の表面側から網目を介して上記メカニカルアンカーの上
記押さえ部材を上記埋め込み部材に固定して該押さえ部
材で該ネットを押さえ、その後該ネット上にその表面側
立毛部を介して塗り仕上げやタイル張りなどの仕上げ層
を形成するようにしたことを特徴とする。
【0018】請求項3の発明は、請求項1の仕上げ面の
施工方法を、補修・改修しようとするコンクリート構造
物の既存仕上げ面に適用する場合であって、この場合に
は既存仕上げ面には一般に穴部がないので、先行してメ
カニカルアンカーの埋め込み部材を挿入するための穴部
を既存仕上げ面に穿設するようにする。穴部が存在する
場合には、請求項1の施工方法による。したがって、穿
孔作業の後は請求項1の施工方法と同様であって、埋め
込み部材と押さえ部材とが分離可能なメカニカルアンカ
ーを用い、既存仕上げ面に形成した穴部に埋め込み部材
を挿入した後に、当該既存仕上げ面であっても接着性能
の良好なポリマーセメントモルタルによる塗り仕上げ層
を形成し、その上に3次元構造のネットを張付け、その
後このネットの網目から前記メカニカルアンカーの押さ
え部材を前記埋め込み部材に固定するようになってい
る。当該請求項3の発明にあっても、メカニカルアンカ
ーの既存仕上げ面への取り付けに際してネットを傷付け
てしまうことを確実に防止することができる。また、前
記穴部を形成した後に塗り仕上げ層を形成するので、こ
の塗り仕上げ層を形成する以前に、既存仕上げ面を十分
にクリーニングしておくこともでき、すなわち既存仕上
げ面が汚れている場合にもこれを容易かつきれいに除去
することができて、塗り仕上げ層の既存仕上げ面への接
着性を著しく向上することができる。
【0019】また、上記構成の3次元構造のネットを用
いたので、既存仕上げ面側から順次重ねるようにして各
層を形成していくだけでネット表裏の立毛部によって各
層同士の十分な付着を確保して施工することができる。
さらに、埋め込み部材の頭部が塗り仕上げ層の厚み分だ
け施工対象面から突出するように挿入するとともに、埋
め込み部材に押さえ部材を固定するための孔部を形成
し、施工対象面に対して塗り仕上げ層を形成する前に埋
め込み部材の孔部にこれを塞ぐとともに押さえ部材を埋
め込み部材に装着する際に目印となる着脱自在なキャッ
プを装着し、押さえ部材を埋め込み部材に固定する際に
このキャップを取り外すようにしていて、押さえ部材の
埋め込み部材への固定を孔部によって容易化する一方
で、この孔部には着脱自在なキャップを装着して塗り仕
上げ層の形成時に孔部が塞がれるのを防止するととも
に、押さえ部材を埋め込み部材に装着する際に目印とも
なるようにしている。
【0020】本発明の請求項4の仕上げ面の施工方法
は、請求項3に記載の仕上げ面の施工方法であって、前
記既存仕上げ面に前記穴部を穿設した後で該既存仕上げ
面に塗り仕上げ層を形成する前に、この既存仕上げ面を
クリーニングするようにしたことを特徴とする。
【0021】請求項4の発明は、既存仕上げ面に穴部を
穿設した後でかつ既存仕上げ面に塗り仕上げ層を形成す
る前に、当該既存仕上げ面をクリーニングするので、塗
り仕上げ層の既存仕上げ面への接着性をさらに向上する
ことができる。
【0022】本発明の請求項5の仕上げ面の施工方法
は、新設のコンクリート構造物の仕上げ面に予めナット
部を有する穴部を形成し、この穴部に分離可能な、内外
周にネジ条が形成されたパイプとネジによって該パイプ
に固定される座部とからなるメカニカルアンカーの該
イプをその外周のネジ条によって上記ナット部に螺入し
挿入し、次いで、上記仕上げ面からこれに施工する下
地モルタル層の厚み相当分だけ突出させた位置で上記パ
イプを切断し、次いで上記仕上げ面に下地モルタル層を
形成し、その後該下地モルタル層の表面に、表裏に立毛
部を有する3次元構造のネットを、その裏面側立毛部を
該下地モルタル層側に埋め込み、表面側立毛部を露出さ
せて張り付け、次いで上記ネットの表面側から網目を介
して上記メカニカルアンカーの、ネジを接合しておいた
上記座部を上記パイプ内に該ネジを螺入していくことで
当該パイプに固定して該座部で該ネットを押さえ、その
後該ネット上にその表面側立毛部を介して塗り仕上げや
タイル張りなどの仕上げ層を形成するようにしたことを
特徴とする。
【0023】請求項5の発明は、請求項1の仕上げ面の
施工方法を新設のコンクリート構造物の仕上げ面に適用
する場合であり、メカニカルアンカーの内外周にネジ条
が形成されたパイプを挿入するためのナット部を有する
穴部を確保した後は請求項1の施工方法と同様であっ
て、メカニカルアンカーのパイプを穴部に挿入しておく
ことができるため、メカニカルアンカーの仕上げ面への
取り付けに際してネットを傷付けてしまうことを確実に
防止することができる。また、前記穴部を形成した後に
下地モルタル層を形成するので、この下地モルタル層を
形成する以前に、仕上げ面を十分にクリーニングしてお
くこともでき、すなわち仕上げ面が汚れている場合にも
これを容易かつきれいに除去することができて、下地モ
ルタル層の仕上げ面への接着性を著しく向上することが
できる。また、上記構成の3次元構造のネットを用いて
いるので、仕上げ面側から順次重ねるようにして下地モ
ルタル層や仕上げ層を形成していくだけでネット表裏の
立毛部によって各層同士の十分な付着を確保して施工す
ることができる。
【0024】本発明の請求項6の仕上げ面の施工方法
は、新設のコンクリート構造物の仕上げ面に予めナット
部を有する穴部を形成し、この穴部に分離可能な、内外
周にネジ条が形成されたパイプとネジによって該パイプ
に固定される座部とからなるメカニカルアンカーの該パ
イプをその外周のネジ条によって上記ナット部に螺入し
て挿入し、上記パイプは、上記ナット部に螺入される基
端部とは反対側の先端部が漸次先細りに形成されるとと
もにその周方向に適宜間隔を隔てて長さ方向に切り込み
が入れられていて、その尖端を切断すると径方向外方へ
萼様に広げることができるように形成され、かつ該パイ
プを上記穴部に固定した際に下地モルタル層の施工厚さ
程度の突出位置に六角ナットが接合され、次いで上記仕
上げ面に下地モルタル層を形成し、その後該下地モルタ
ル層の表面に、表裏に立毛部を有する3次元構造のネッ
トを、その網目を上記パイプの先端部に通しながらその
裏面側立毛部を該下地モルタル層側に埋め込み、表面側
立毛部を露出させて張り付け、次いで、上記パイプの尖
端を切断し、先端部を広げて該ネットを押さえ、次いで
上記メカニカルアンカーの、ネジを接合しておいた上記
座部を上記パイプ内に該ネジを螺入していくことで当該
パイプに固定して該座部で上記ネットをさらに押さえ、
その後該ネット上にその表面側立毛部を介して塗り仕上
げやタイル張りなどの仕上げ層を形成するようにしたこ
とを特徴とする。請求項6の発明は、請求項1の仕上げ
面の施工方法を新設のコンクリート構造物の仕上げ面に
適用する場合であり、メカニカルアンカーの内外周にネ
ジ条が形成されたパイプを挿入するためのナット部を有
する穴部を確保した後は請求項1の施工方法と同様であ
って、メカニカルアンカーのパイプを穴部に挿入してお
くことができるため、メカニカルアンカーの仕上げ面へ
の取り付けに際してネットを傷付けてしまうことを確実
に防止することができる。また、前記穴部を形成した後
に下地モルタル層を形成するので、この下地モルタル層
を形成する以前に、仕上げ面を十分にクリーニングして
おくこともでき、すなわち仕上げ面が汚れている場合に
もこれを容易かつきれいに除去することができて、下地
モルタル層の仕上げ面への接着性を著しく向上すること
ができる。また、上記構成の3次元構造のネットを用い
ているので、仕上げ面側から順次重ねるようにして下地
モルタル層や仕上げ層を形成していくだけでネット表裏
の立毛部によって各層同士の十分な付着を確保して施工
することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態
を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1から図3
は本発明にかかる仕上げ面の施工方法を、補修・改修し
ようとするコンクリート構造物の既存仕上げ面に適用し
た場合の実施形態を示し、図1は補修・改修を完了した
既存壁の断面図、図2は本実施形態に用いられるメカニ
カルアンカーおよびそのキャップを示す図、図3は本実
施形態に用いられる3次元構造のネットの要部拡大図で
ある。
【0026】即ち、本実施形態の補修・改修しようとす
るコンクリート製既存壁10には、図1に示すように外
壁の本体部分12表面に形成した下塗り層14と、この
下塗り層14にモルタル16を介して張付けたタイル1
8とによって構成される既存仕上げ層20が設けられて
いる。そして、剥離による前記タイル18の落下を防止
するために、前記既存仕上げ層20を施工対象面として
その表面に改修若しくは補修による新たな改修層22が
本発明によって設けられる。
【0027】前記改修層22は、前記タイル18の表面
に塗布されるポリマーセメントモルタルなどによる塗り
仕上げ層24と、この塗り仕上げ層24に対して張付け
られる立毛3次元ネット26と、この立毛3次元ネット
26の表面に塗布される上塗りモルタルなどの塗り仕上
げによる仕上げ層28と、この仕上げ層28の表面に塗
布される高耐候性塗料30とからなり、前記立毛3次元
ネット26はメカニカルアンカー32によって外壁本体
部分12に押付けて取り付けられるようになっている。
【0028】メカニカルアンカー32は図2に示すよう
に傾斜機能型のものが用いられ、このメカニカルアンカ
ー32は埋め込み部材である軸部32aと押さえ部材で
ある大径円板状の座部32bとに分離可能となってお
り、座部32b中央の孔を介して軸部32aに形成され
た軸孔32cにネジ32dを螺入することにより、座部
32bが軸部32aに固定されて、両者が一体化される
ようになっている。
【0029】また、立毛3次元ネット26は図3に示す
ように、耐アルカリ性を有する繊維26aを素材とし
て、平面の縦横方向(X軸,Y軸方向)およびその表裏
の厚さ方向(Z軸方向)に繊維26aを配向させて織布
あるいは編布としたものである。表裏の厚さ方向に配向
させた繊維26aについては、同図(a)のようにその
先端部に球状ないしは鍔状頭部26bを形成したり、ま
た同図(b)のようにループ状部分26cを形成したり
して、塗り仕上げ層24および仕上げ層28に十分に付
着させて、確実なアンカー効果を得ることができるよう
になっている。
【0030】ところで、前記改修層22を形成するにあ
たっては、まず、既存仕上げ層20の表面、つまりタイ
ル18の表面からメカニカルアンカー32を打ち込むた
めの墨出しを行い、この墨出しに沿ってドリリングによ
り多数の穴部34を穿設する。この穿設時には多量の削
り粉が出てタイル18表面に付着するが、これら穴部3
4を形成した後、前記タイル18の表面に放水するなど
してクリーニングする。
【0031】その後、前記穴部34に前記メカニカルア
ンカー32の軸部32aを打込む。軸部32aを打込む
際には、この軸部32aの頭部が前記塗り仕上げ層24
の厚み分だけタイル18表面から突出するようにする。
また、前記軸部32aを打込んだ状態で、軸孔32cか
ら穴部34内に接着剤を注入しておく。次いでこの軸部
32aの軸孔32cに、これを塞ぐための着脱自在なキ
ャップ36を装着する。このキャップ36は図2に示し
たように、頭部が太径なニードル状に形成され、軸孔3
2cに嵌入されてこれを塞ぎ、塗り仕上げ層24の施工
にあたって、軸孔32cが目詰まりするのを防止するよ
うになっている。キャップ36を装着した後に、タイル
18表面に寸法安定性に優れた低収縮ポリマーセンメン
トモルタルを吹付けて塗り仕上げ層24を形成する。
【0032】塗り仕上げ層24を施工したならばこの表
面に前記立毛3次元ネット26を張付ける。この際、ネ
ット26の裏面側立毛部を塗り仕上げ層24中に埋め込
むようにするとともに、表面側立毛部を外側に露出させ
て張り付けるようにする。そして、前記立毛3次元ネッ
ト26を張付けた後、メカニカルアンカー32の軸孔3
2cを塞いでいた目印のキャップ36を取り外し、ネッ
ト26の表面側から前記メカニカルアンカー32の座部
32bを押し当てて、ネジ32dを立毛3次元ネット2
6の網目を介して軸部32aに嵌入して固定する。この
状態で前記立毛3次元ネット26は前記座部32bによ
って既存壁10に対して押え付けられることになり、そ
の後、ネット26の表面側立毛部に対して前記仕上げ層
28を施工するとともに、前記高耐候性塗料30を施工
する。前記高耐候性塗料30に代えてタイルを張付ける
こともできる。
【0033】以上の本実施形態の補修・改修に係る仕上
げ面の施工方法は要するに、既存壁10のタイル18表
面に穴部34を形成し、この穴部34にメカニカルアン
カー32の軸部32aを打込んだ後に塗り仕上げ層24
によって立毛3次元ネット26を張付け、次いでこのネ
ット26の網目からネジ32dを差し込んで軸部32a
に嵌入することにより、前記メカニカルアンカー32の
座部32bを前記軸部32aに固定するようにしてい
る。したがって本実施形態では、前記立毛3次元ネット
26を張付ける以前にメカニカルアンカー32の軸部3
2aを打込み、座部32bを軸部32aに固定する際に
は立毛3次元ネット26を確認しつつ作業を行うことが
できるため、この立毛3次元ネット26が傷付くことを
確実に防止することができる。したがって、ネット26
が切断されると補修・改修壁面の強度が著しく低下して
しまうという課題を確実に防ぐことができる。
【0034】また、前記穴部34を形成した後に前記立
毛3次元ネット26を張付けるための塗り仕上げ層24
を形成するので、この塗り仕上げ層24を施工する以前
にタイル18表面をクリーニングすることができ、穴部
34を形成した際の削り粉を容易にかつきれいに除去す
ることができる。このため、前記塗り仕上げ層24の既
存仕上げ層20に対する接着性を著しく向上でき、ひい
ては補修・改修面の強度を著しく増大することができ
る。
【0035】更に、本実施形態ではネットとして、平面
の縦横方向および厚さ方向に繊維26aを配向させて織
布若しくは編布とした前記立毛3次元ネット26を用い
たので、縦横方向の繊維26aで仕上げ層28のひび割
れを防止できると共に、表裏の厚さ方向の繊維26aで
仕上げ層28の塗り仕上げ層24からの剥離、ひいては
既存壁10からの剥離を確実に防止することができると
ともに、特にこの繊維26aを耐アルカリ性を有する素
材としていることから、コンクリート表面に発生するア
ルカリ成分に対して十分な耐久性を発揮し、このネット
26による剥離防止効果を長期にわたって確実に維持す
ることができる。
【0036】また、上述した3次元構造のネット26を
用い、裏面側立毛部を塗り仕上げ層24に埋め込んで当
該ネット26を既存壁10側に定着させる一方で、表面
側立毛部を介して当該ネット26上に仕上げ層28を施
工するようにしたので、既存壁10側から順次重ねるよ
うにして各層24,28を形成していくだけでネット2
6表裏の立毛部によって各層24,28同士の十分な付
着を確保しつつ施工することができる。
【0037】さらに、メカニカルアンカー32に関し
て、軸部32aに座部32bを固定するための軸孔32
cを形成し、既存仕上げ層20に対して塗り仕上げ層2
4を形成する前に軸部32aの軸孔32cにこれを塞ぐ
ための着脱自在なキャップ36を装着し、座部32bを
軸部32aに固定する際にこのキャップ36を取り外す
ようにして、座部32bの軸部32aへの固定を軸孔3
2cによって容易化する一方で、この軸孔32cには着
脱自在なキャップ36を装着して塗り仕上げ層24の形
成時に軸孔32cが塞がれるのを防止するとともに、座
部32bを軸部32aに装着する際に目印ともなるよう
に用いることができ、良好な施工性を確保することがで
きる。
【0038】図4から図6は本発明にかかる仕上げ面の
施工方法を新設のコンクリート壁に適用した場合の実施
形態を示し、図4は新設のコンクリート壁の要部拡大断
面図、図5は本実施形態の第1工程を示す要部拡大断面
図、図6は本実施形態の第2工程を示す要部拡大断面図
である。
【0039】通常、新設のコンクリート壁40は、セパ
レータ42を介して間隔を隔てて設けた一対の合板型枠
間にコンクリートを現場打ちして形成され、したがって
コンクリート壁40の仕上げ面40aには、合板型枠と
セパレータ42とを結合するために設けられ、施工後コ
ンクリート壁40から取り外されるPコンと称されるセ
パレータ取付具の撤去跡が、あるいはコンクリート壁4
0内にそのまま埋め込まれるレジコン44と称されるセ
パレータ取付具の埋め込み跡が穴部46として存在す
る。この様子が第4図に示されている。そして本実施形
態では、この穴部46を利用して上記実施形態と同様な
メカニカルアンカー48を取り付けて仕上げ面の施工を
行うようになっている。まず、後述するメカニカルアン
カー48のパイプ48aをこの穴部46に装着するため
に、Pコンの場合には、これを撤去した穴部46内に突
出しているセパレータ42端部に螺合可能なナット部5
0aを有し、かつコンクリート壁40仕上げ面側の開口
を塞ぐ鍔部50bを一端に有する筒状のアタッチメント
50を準備し、これを穴部46に装着してセパレータ4
2に結合する。筒体状に形成されてコンクリート壁40
に埋め込まれるレジコン44の場合には、セパレータ4
2端部に螺合するナット部44aを有しているので、こ
れをそのまま利用する。以後の説明にあっては、レジコ
ン44を用いた場合を図5および図6に例示して説明す
るが、Pコンを撤去してアタッチメント50を装着した
場合にあっても同様に適用することができる。
【0040】本実施形態のメカニカルアンカー48は、
分離可能な埋め込み部材としてのパイプ48aと押さえ
部材としての座部48bとから主に構成され、座部48
bは上記実施形態と同様にネジ52によってパイプ48
aに固定されるようになっている。
【0041】まずパイプ48aをレジコン44のナット
部44aにコンクリート壁40の仕上げ面側から挿入す
る。パイプ48aは、その内外周にネジ条が形成されて
いて、外周のネジ条によってレジコン44のナット部4
4aに螺入されるようになっている。その後、このパイ
プ48a内にその内周のネジ条を利用してさらに固定ビ
ス54を螺入して、レジコン44のナット部44aとの
間に挟んでパイプ48aをレジコン44に固定する。次
いで、コンクリート壁40の仕上げ面からこれに施工す
る左官下地モルタル層56の厚み相当分だけ突出させた
位置でパイプ48aを切断する。
【0042】このようにしてメカニカルアンカー48の
パイプ48aの取り付けが完了したならば、左官下地モ
ルタル層56を施工する。次いで、この左官下地モルタ
ル層56の表面にネット張り付けモルタル58を施工
し、この張り付けモルタル層58に対して上記実施形態
と同様に上記立毛3次元ネット26を張り付ける。メカ
ニカルアンカー48の座部48bにはネジ52を接合し
ておき、ネット26の上から網目を介してパイプ48a
内にネジ52を螺入していくことで座部48bをパイプ
48aに固定するとともに、この座部48bでネット2
6を押さえる。その後、ネット26の表面側立毛部を利
用してこのネット26の上にタイル張り付けモルタル6
0を施工し、さらにタイル62を張り付けて仕上げ層6
4の施工を完了する。
【0043】このような新設のコンクリート構造物の仕
上げ面に適用した実施形態であっても、上記実施形態と
同様にメカニカルアンカー48のパイプ48aを穴部4
6に挿入しておくことができるため、メカニカルアンカ
ー48の仕上げ面への取り付けに際してネット26を傷
付けてしまうことを確実に防止することができる。ま
た、前記穴部46を形成した後に左官下地モルタル層5
6を形成するので、この左官下地モルタル層56を形成
する以前に、仕上げ面を十分にクリーニングしておくこ
ともでき、すなわち仕上げ面が汚れている場合にもこれ
を容易かつきれいに除去することができて、左官下地モ
ルタル層56の仕上げ面40aへの接着性を著しく向上
することができる。
【0044】また、上記構成の3次元構造のネット26
を用いているので、仕上げ面40a側から順次重ねるよ
うにして左官下地モルタル層56や仕上げ層64を形成
していくだけでネット26表裏の立毛部によって各層5
6,64同士の十分な付着を確保して施工することがで
きる。
【0045】図7から図9は本発明にかかる仕上げ面の
施工方法を新設のコンクリート壁に適用した場合の他の
実施形態を示し、図7は本実施形態の第1工程を示す要
部拡大断面図、図8は本実施形態の第2工程を示す要部
拡大断面図、図9は本実施形態の第3工程を示す要部拡
大断面図である。
【0046】本実施形態にあっても、レジコン44やP
コンの埋め込み跡、撤去跡をメカニカルアンカー66用
の穴部46として利用していて、以後の説明にあって
は、レジコン44を用いた場合を図示して説明するが、
上記実施形態と同じようにPコンを撤去してアタッチメ
ント50を装着した場合にあっても同様に適用すること
ができる。
【0047】本実施形態のメカニカルアンカー66にあ
っても、分離可能な埋め込み部材としてのパイプ66a
と押さえ部材としての座部66bとから主に構成され、
座部66bは上記実施形態と同様にネジ52によってパ
イプ66aに固定されるようになっている。
【0048】まずパイプ66aをレジコン44のナット
部44aにコンクリート壁40の仕上げ面側から挿入す
る。本実施形態のパイプ66aは、レジコン44のナッ
ト部44aに螺入される基端部66cの外周にネジ条が
形成され、また長さ方向中央部の内周面にもネジ条が形
成され、他方先端部66dは漸次先細りに形成されると
ともにその周方向に適宜間隔を隔てて長さ方向に切り込
みが入れられていて、その尖端を切断すると径方向外方
へ萼様に広げることができるように形成され、さらにパ
イプ66aをレジコン44に固定した際に左官下地モル
タル層56の施工厚さ程度の突出位置には六角ナット6
6eが接合されている。
【0049】このように構成されたパイプ66aをレジ
コン44のナット部44aに螺合して固定したならば、
左官下地モルタル層56を施工する。次いで、この左官
下地モルタル層56の表面にネット張り付けモルタル5
8を施工し、この張り付けモルタル層58に対して上記
実施形態と同様に上記立毛3次元ネット26を張り付け
る。この際、ネット26の網目をパイプ66aの先端部
66dに通しながら張り付けるようにする。この状態で
上述したようにパイプ66aの尖端を切断し、先端部6
6dを広げてネット26に押しつける。メカニカルアン
カー66の座部66bにはネジ52を接合しておき、パ
イプ66a内にネジ52を螺入していくことで座部66
bをパイプ66aに固定するとともに、この座部66b
でネット26をさらに押さえる。その後、ネット26の
表面側立毛部を利用してこのネット26の上にタイル張
り付けモルタル60を施工し、さらにタイル62を張り
付けて仕上げ層64の施工を完了する。
【0050】本実施形態による新設のコンクリート構造
物の仕上げ面に適用した実施形態であっても、上記実施
形態と同様にメカニカルアンカー66の仕上げ面40a
への取り付けに際してネット26を傷付けてしまうこと
を確実に防止することができる。また、左官下地モルタ
ル層56を形成する以前に、仕上げ面40aを十分にク
リーニングしておくこともでき、左官下地モルタル層5
6の仕上げ面40aへの接着性を著しく向上することが
できる。
【0051】そしてまた、上記構成の3次元構造のネッ
ト26を用いているので、ネット26表裏の立毛部によ
って各層56,64同士の十分な付着を確保して施工す
ることができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
示す仕上げ面の施工方法にあっては、ネットを張付ける
以前に施工対象面の穴部にメカニカルアンカーの埋め込
み部材を挿入しておくようにしたので、メカニカルアン
カーの施工対象面への取り付けに際してネットを傷付け
てしまうことを確実に防止することができ、ネットの切
断による仕上げ面の強度低下を確実に防ぐことができ
る。
【0053】また、穴部を形成した後に塗り仕上げ層を
形成するようにしたので、この塗り仕上げ層を形成する
以前に施工対象面を十分にクリーニングしておくことも
でき、すなわち施工対象面が汚れている場合にもこれを
容易かつきれいに除去することができて、塗り仕上げ層
の施工対象面への接着性を著しく向上することができ
る。
【0054】また、3次元構造のネットを用い、裏面側
立毛部を塗り仕上げ層に埋め込んで当該ネットを施工対
象面側に定着させる一方で、表面側立毛部を介して当該
ネット上に仕上げ層を施工するようにしたので、施工対
象面側から順次重ねるようにして各層を形成していくだ
けでネット表裏の立毛部によって各層同士の十分な付着
確保することができて、仕上げ層の塗り仕上げ層から
の剥離、ひいては施工対象面からの剥離を確実に防止す
ることができる
【0055】また、押さえ部材の埋め込み部材への固定
を孔部によって容易化できる一方で、この孔部には着脱
自在なキャップを装着して塗り仕上げ層の形成時に孔部
が塞がれるのを防止できるとともに、押さえ部材を埋め
込み部材に装着する際にこのキャップを目印とすること
もでき、施工性を向上することができる。
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】さらに、本発明の請求項2に示す仕上げ面
の施工方法にあっては、平面の縦横方向の繊維で仕上げ
層のひび割れを防止できると共に、表裏の厚さ方向の繊
維で仕上げ層の塗り仕上げ層からの剥離、ひいては施工
対象面からの剥離を確実に防止することができ、そして
またこの繊維を耐アルカリ性を有する素材としているこ
とから、コンクリート構造物表面に発生するアルカリ成
分に対して十分な耐久性を発揮させて、このネットによ
る剥離防止効果を長期にわたって確実に維持することが
できる。
【0060】また、本発明の請求項3に示す仕上げ面の
施工方法にあっては、補修・改修しようとするコンクリ
ート構造物の既存仕上げ面に適用する場合であって、こ
のような場合であってもメカニカルアンカーの既存仕上
げ面への取り付けに際してネットを傷付けてしまうこと
を確実に防止することができる。
【0061】また、既存仕上げ面を十分にクリーニング
しておくこともできて、塗り仕上げ層の既存仕上げ面へ
の接着性を著しく向上することができる。
【0062】また、3次元構造のネットにより各層同士
の十分な付着を確保して施工することができる。また、
押さえ部材の埋め込み部材への固定を孔部によって容易
化できる一方で、この孔部には着脱自在なキャップを装
着して塗り仕上げ層の形成時に孔部が塞がれるのを防止
できるとともに、押さえ部材を埋め込み部材に装着する
際にこのキャップを目印とすることもでき、施工性を向
上することができる。
【0063】また、本発明の請求項4に示す仕上げ面の
施工方法にあっては、既存仕上げ面に穴部を穿設した後
でかつ既存仕上げ面に塗り仕上げ層を形成する前に、当
該既存仕上げ面をクリーニングするようにしたので、塗
り仕上げ層の既存仕上げ面への接着性をさらに向上する
ことができる。
【0064】また、本発明の請求項5および6に示す仕
上げ面の施工方法にあっては、新設のコンクリート構造
物の仕上げ面に適用する場合であって、このような場合
であってもメカニカルアンカーの仕上げ面への取り付け
に際してネットを傷付けてしまうことを確実に防止する
ことができる。
【0065】また、仕上げ面を十分にクリーニングして
おくこともできて、下地モルタル層の仕上げ面への接着
性を著しく向上することができる。
【0066】また、3次元構造のネットにより各層同士
の十分な付着を確保して施工することができるという各
種優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる仕上げ面の施工方法の一実施形
態を示す補修・改修を完了した既存壁の断面図である。
【図2】図1の実施形態に用いられるメカニカルアンカ
ーおよびそのキャップを示す図である。
【図3】図1の実施形態に用いられる3次元構造のネッ
トの要部拡大図である。
【図4】本発明にかかる仕上げ面の施工方法を新設のコ
ンクリート壁に適用した場合の実施形態を示す要部拡大
断面図である。
【図5】図4の実施形態の第1工程を示す要部拡大断面
図である。
【図6】図4の実施形態の第2工程を示す要部拡大断面
図である。
【図7】本発明にかかる仕上げ面の施工方法を新設のコ
ンクリート壁に適用した場合の他の実施形態における第
1工程を示す要部拡大断面図である。
【図8】本発明にかかる仕上げ面の施工方法を新設のコ
ンクリート壁に適用した場合の他の実施形態における第
2工程を示す要部拡大断面図である。
【図9】本発明にかかる仕上げ面の施工方法を新設のコ
ンクリート壁に適用した場合の他の実施形態における第
3工程を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
10 既存壁 20 既存仕上げ層 22 改修層 24 塗り仕上げ層 26 立毛3次元ネット 28,64 仕上げ層 32,48 メカニカルアンカー 32a 軸部 32b 座部 32c 軸孔 34 穴部 36 キャップ 40 新設のコンクリート壁 40a 仕上げ面 44 レジコン 44a レジコンのナット部 46 穴部 48a パイプ 48b 座部 56 左官下地モルタル層 66 メカニカルアンカー 66a パイプ 66b 座部
フロントページの続き (72)発明者 小川 晴果 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株 式会社大林組技術研究所内 (72)発明者 三谷 一房 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株 式会社大林組技術研究所内 (72)発明者 川原 正雄 埼玉県川越市南台1−10−4 株式会社 ショックベトン・ジャパン内 (56)参考文献 特開 平3−33360(JP,A) 特開 平8−158216(JP,A) 特開 昭63−147056(JP,A) 特開 平3−191163(JP,A) 特開 昭60−175665(JP,A) 実開 昭61−25403(JP,U) 実開 昭57−181835(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04F 13/04 E04B 1/41 501 D04B 21/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート構造物の表面を仕上げるに
    際して、施工対象面に形成した穴部に、分離可能な埋め
    込み部材と押さえ部材とからなるメカニカルアンカーの
    該埋め込み部材をその頭部が塗り仕上げ層の厚み分だけ
    施工対象面から突出するように挿入し、上記埋め込み部
    材には上記押さえ部材を固定するための孔部を形成して
    おき、次いで、上記埋め込み部材の孔部にこれを塞ぐと
    ともに上記押さえ部材を該埋め込み部材に装着する際に
    目印となる着脱自在なキャップを装着し、次いで上記施
    工対象面に塗り仕上げ層を形成し、その後該塗り仕上げ
    層の表面に、表裏に立毛部を有する3次元構造のネット
    を、その裏面側立毛部を該塗り仕上げ層に埋め込み、表
    面側立毛部を露出させて張り付け、次いで上記キャップ
    を取り外して上記ネットの表面側から網目を介して上記
    メカニカルアンカーの上記押さえ部材を上記埋め込み部
    材に固定して該押さえ部材で該ネットを押さえ、その後
    該ネット上にその表面側立毛部を介して仕上げ層を形成
    するようにしたことを特徴とする仕上げ面の施工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の仕上げ面の施工方法で
    あって、 前記ネットは、耐アルカリ性を有する繊維を素
    材として、平面の縦横方向およびその表裏の厚さ方向に
    繊維を配向させて織布あるいは編布とした立毛3次元構
    造であることを特徴とする仕上げ面の施工方法
  3. 【請求項3】 補修・改修しようとするコンクリート構
    造物の既存仕上げ面に穴部を穿設し、この穴部に分離可
    能な埋め込み部材と押さえ部材とからなるメカニカルア
    ンカーの該埋め込み部材をその頭部が塗り仕上げ層の厚
    み分だけ既存仕上げ面から突出するように挿入し、上記
    埋め込み部材には上記押さえ部材を固定するための孔部
    を形成しておき、次いで、上記埋め込み部材の孔部にこ
    れを塞ぐとともに上記押さえ部材を該埋め込み部材に装
    着する際に目印となる着脱自在なキャップを装着し、
    いで上記既存仕上げ面にポリマーセメントモルタルで塗
    り仕上げ層を形成し、その後該塗り仕上げ層の表面に、
    表裏に立毛部を有する3次元構造のネットを、その裏面
    側立毛部を該塗り仕上げ層に埋め込み、表面側立毛部を
    露出させて張り付け、次いで上記キャップを取り外して
    上記ネットの表面側から網目を介して上記メカニカルア
    ンカーの上記押さえ部材を上記埋め込み部材に固定して
    該押さえ部材で該ネットを押さえ、その後該ネット上に
    その表面側立毛部を介して塗り仕上げやタイル張りなど
    の仕上げ層を形成するようにしたことを特徴とする仕上
    げ面の施工方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に 記載の仕上げ面の施工方法で
    あって、前記既存仕上げ面に前記穴部を穿設した後で該
    既存仕上げ面に塗り仕上げ層を形成する前に、この既存
    仕上げ面をクリーニングするようにしたことを特徴とす
    る仕上げ面の施工方法。
  5. 【請求項5】 新設のコンクリート構造物の仕上げ面に
    予めナット部を有する穴部を形成し、この穴部に分離可
    能な、内外周にネジ条が形成されたパイプとネジによっ
    て該パイプに固定される座部とからなるメカニカルアン
    カーの該パイプをその外周のネジ条によって上記ナット
    部に螺入して挿入し、次いで、上記仕上げ面からこれに
    施工する下地モルタル層の厚み相当分だけ突出させた位
    置で上記パイプを切断し、次いで上記仕上げ面に下地モ
    ルタル層を形成し、その後該下地モルタル層の表面に、
    表裏に立毛部を有する3次元構造のネットを、その裏面
    側立毛部を該下地モルタル層側に埋め込み、表面側立毛
    部を露出させて張り付け、次いで上記ネットの表面側か
    ら網目を介して上記メカニカルアンカーの、ネジを接合
    しておいた上記座部を上記パイプ内に該ネジを螺入して
    いくことで当該パイプに固定して該座部で該ネットを押
    さえ、その後該ネット上にその表面側立毛部を介して塗
    り仕上げやタイル張りなどの仕上げ層を形成するように
    したことを特徴とする仕上げ面の施工方法。
  6. 【請求項6】 新設のコンクリート構造物の仕上げ面に
    予めナット部を有する穴部を形成し、この穴部に分離可
    能な、内外周にネジ条が形成されたパイプとネジによっ
    て該パイプに固定される座部とからなるメカニカルアン
    カーの該パイプをその外周のネジ条によって上記ナット
    部に螺入して挿入し、上記パイプは、上記ナット部に螺
    入される基端部とは反対側の先端部が漸次先細りに形成
    されるとともにその周方向に適宜間隔を隔てて長さ方向
    に切り込みが入れられていて、その尖端を切断すると径
    方向外方へ萼様に広げることができるように形成され、
    かつ該パイプを上記穴部に固定した際に下地モルタル層
    の施工厚さ程度の突出位置に六角ナットが接合され、次
    いで上記仕上げ面に下地モルタル層を形成し、そ の後該
    下地モルタル層の表面に、表裏に立毛部を有する3次元
    構造のネットを、その網目を上記パイプの先端部に通し
    ながらその裏面側立毛部を該下地モルタル層側に埋め込
    み、表面側立毛部を露出させて張り付け、次いで、上記
    パイプの尖端を切断し、先端部を広げて該ネットを押さ
    え、次いで上記メカニカルアンカーの、ネジを接合して
    おいた上記座部を上記パイプ内に該ネジを螺入していく
    ことで当該パイプに固定して該座部で上記ネットをさら
    に押さえ、その後該ネット上にその表面側立毛部を介し
    て塗り仕上げやタイル張りなどの仕上げ層を形成するよ
    うにしたことを特徴とする仕上げ面の施工方法
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