JP3235159U - アンカー孔閉塞具 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンカーの再利用の機会を確保しながらアンカー孔を塞ぐことのできるアンカー孔閉塞具を提供する。【解決手段】アンカー孔閉塞具1は、表面部と裏面部とを有し、表面部が外壁Hの表面部Haと面一となる一方、裏面部がアンカー孔hの内方に向くようにアンカー孔hに配置されて、アンカー孔hを塞ぐ化粧カバー本体と、化粧カバー本体の裏面部からアンカー孔hの内方に突出する刺突部とを備え、全体画鋲状をなす化粧カバー部材20と、アンカー101に形成された壁つなぎ部材挿入孔111に圧入固定される固定用軸部11と、アンカー孔hの内部で壁つなぎ部材挿入孔111外に配置される頭部12とを備え、頭部12の表面部中央に、化粧カバー部材20の刺突部を受容する受入用孔部を有する化粧カバー固定用ボルト10とを備える。【選択図】図3

Description

本考案は、ビル等の外壁施工に用いられるアンカーの挿入孔を塞ぐアンカー孔閉塞具に関する。
ビル等の建築物または構造物を対象とする外壁施工では、作業用の足場を組まなければならない。足場の構築では、施工対象物の外壁に足場を固定するため、直径数cm程度のアンカー孔を外壁表面に穿設する。そして、このアンカー孔に筒型ボルト形状のアンカーまたはグリップアンカーを打ち込み、打ち込まれたアンカーに対し、足場本体部を壁つなぎ部材により連結し、足場を固定する(特許文献1)。
ビルの外壁施工は、(1)ビルの躯体外面にタイルを敷き詰める方法(以下「タイル施工法」という)と、(2)タイルを用いず、躯体外面に塗装処理を施すに止める方法(以下「塗装施工法」という)との2つに大別される。タイル施工法では、躯体外面にタイルを貼り付けた後、タイルの中央部にアンカー孔を穿設する。これに対し、塗装施行法では、モルタルによる調整後の躯体外面に対し、アンカー孔を直接穿設する。
実用新案登録第3179279号公報
外壁施工が完了した場合は、足場を解体した後、外壁表面に残るアンカー孔を塞ぐ必要がある。
ここで、タイル施工法による場合は、足場を解体した後、アンカー孔が設けられたタイルまたはタイルピースを、ダイヤモンドカッターにより接合部で切断して除去し、新たなタイルを装着する。しかし、アンカー孔が残るタイルの除去および新たなタイルの装着にかかる作業が非常に繁雑であることに加え、ダイヤモンドカッターによる切断時に発する騒音が大きいという問題がある。
さらに、アンカー孔を完全に塞いでしまえば、新築後に定期的に行う必要のある保全ないし修繕作業の際に、既に埋め込まれているアンカーを再利用することができず、新たなアンカーを打ち込むことが必要となる。このことは、作業性の制限およびコストの増大等の問題として、タイル施工法による場合に限らず、塗装施工法による場合についても同様に懸念される事項である。
このような実情に鑑み、本考案は、アンカーの再利用の機会を確保しながらアンカー孔を塞ぐことのできるアンカー孔閉塞具を提供することを目的とする。
請求項1に記載の考案は、施工対象物の外壁に開設されたアンカー孔に埋設され、施工時の足場の固定に用いられるアンカーに装着されて、施工後のアンカー孔を塞ぐアンカー孔閉塞具であって、表面部と裏面部とを有し、表面部が外壁の表面部と面一となる一方、裏面部がアンカー孔の内方に向くようにアンカー孔に配置されて、アンカー孔を塞ぐ化粧カバー本体と、化粧カバー本体の裏面部からアンカー孔の内方に突出する刺突部とを備え、全体画鋲状をなす化粧カバー部材と、アンカーに形成された壁つなぎ部材挿入孔に圧入固定される固定用軸部と、アンカー孔の内部で壁つなぎ部材挿入孔外に配置される頭部とを備え、頭部の表面部中央に、化粧カバー部材の刺突部を受容する受入用孔部を有する化粧カバー固定用ボルトとを備えることを特徴とする。
請求項2に記載の考案にあっては、化粧カバー本体の表面部に外壁の表面部の柄が付され、表面保護用のコーティング処理が施されていることを特徴とする。
請求項3に記載の考案にあっては、化粧カバー本体は、化粧カバー固定用ボルトの頭部よりも大きな外径を有することを特徴とする。
請求項4に記載の考案にあっては、化粧カバー部材の刺突部は、化粧カバー本体の裏面部が化粧カバー固定用ボルトの頭部に接した状態で、当該頭部を化粧カバー固定用ボルトの軸方向に貫通する長さを有することを特徴とする。
請求項5に記載の考案にあっては、化粧カバー固定用ボルトの頭部は、固定用軸部よりも大きな外径を有することを特徴とする。
請求項6に記載の考案にあっては、化粧カバー固定用ボルトは、少なくとも固定用軸部が樹脂材により形成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の考案において、外壁施工時には、施工対象物の外壁表面にアンカー孔を開設し、このアンカー孔にアンカーを打ち込む。そして、打ち込まれたアンカーに対し、作業用の足場の壁つなぎ部材を連結し、足場を外壁に固定する。ここで、アンカーに対する壁つなぎ部材の連結は、アンカーに形成された壁つなぎ部材挿入孔に壁つなぎ部材を挿入し、壁つなぎ部材をアンカーに接合固定することによる。
施工を終え、足場を解体した後、アンカー孔に残るアンカーに対し、化粧カバー固定用ボルトをアンカーの壁つなぎ部材挿入孔に圧入固定する。さらに、化粧カバー部材を、その刺突部が化粧カバー固定用ボルトの頭部に刺突し、頭部の表面部中央に備わる受入用孔部に受容された状態で固定する。これにより、アンカー孔の閉塞が完了する。
施工後、定期または臨時に行う保全ないし修繕作業では、化粧カバー部材を化粧カバー固定用ボルトの頭部から取り外すとともに、化粧カバー固定用ボルトをアンカーから取り外すことで、アンカー孔に残るアンカーを再利用して足場を組むことが可能である。
このように、請求項1に記載の考案によれば、施工法を問わず、施工後、単にアンカー孔を塞ぐだけでなく、次回以降の施工時におけるアンカーの再利用の機会を確保することが可能となるので、アンカー孔が残るタイルを除去したり、施工のたびにアンカーを打ち込んだりする必要がなく、足場の構築にかかる作業を効率的にかつコストを抑えながら行うことができる。
請求項2に記載の考案によれば、化粧カバー本体の表面部に付された柄により、化粧カバー部材の存在が目立ち難くなるので、外壁の仕上がりをより良好なものとすることが可能である。さらに、表面保護用のコーティング処理により、表面部の柄を摩耗等の外傷から保護し、仕上がりの状態をより長期に亘って維持することが可能である。
請求項3に記載の考案によれば、化粧カバー本体が化粧カバー固定用ボルトの頭部よりも大きな外径であることで、化粧カバー本体によりアンカー孔をより緊密にまたは隙間なく塞ぐことが可能となるので、外壁の仕上がりをより良好なものとするとともに、アンカー孔閉塞具による止水性の向上を図ることができる。
請求項4に記載の考案によれば、化粧カバー部材の刺突部が、化粧カバー本体の裏面部が化粧カバー固定用ボルトの頭部に接した状態で、当該頭部を化粧カバー固定用ボルトの軸方向に貫通することで、化粧カバー部材をより安定した状態で化粧カバー固定用ボルトに固定し、次回の施工(つまり、アンカーの再利用時)まで、外壁の外観を維持し、良好な止水性を保つことができる。
請求項5に記載の考案によれば、化粧カバー固定用ボルトの頭部が固定用軸部よりも大きな外径を有することで、化粧カバー固定用ボルトの固定用軸部がアンカーの壁つなぎ部材挿入孔に圧入固定された状態で、化粧カバー固定用ボルトの頭部がアンカー孔の内周面に近接するので、頭部とアンカー孔の内周面との間にシーリング剤を施し、化粧カバー固定用ボルトを確実に固定しながら、外部、つまり、アンカー孔外からの水の侵入を抑制することが可能である。
請求項6に記載の考案によれば、化粧カバー固定用ボルトのうち、少なくとも固定用軸部が樹脂剤より形成されていることで、固定用軸部を特別な工具によらず、施工の現場で容易に切断することが可能となるので、化粧カバー固定用ボルトの長さを実際の状況、特に実際のアンカーの状態に応じて適宜に調整し、化粧カバー部材がアンカー孔から過度に出っ張ったり、引っ込んだりして、外観が損なわれる事態を回避することができる。
図1は、本考案の一実施形態に係るアンカー孔閉塞具を構成する化粧カバー固定用ボルトの側面図である。 図2は、同上実施形態に係るアンカー孔閉塞具を構成する化粧カバー部材の(a)側面図および(b)正面図である。 図3は、同上実施形態に係るアンカー孔閉塞具を、タイル施工法による施工後の外壁に適用した状態を示す断面図である。 図4は、同上実施形態に係るアンカー孔閉塞具を、塗装施工法による施工後の外壁に適用した状態を示す断面図である。 図5は、同上実施形態に係るアンカー孔閉塞具を装着可能なアンカーおよび壁つなぎ部材により、外壁と作業用の足場とを連結した施工時の状態を示す概略図である。
以下に添付の図面を参照して、本考案の実施の形態について説明する。
図1は、本考案の一実施形態に係るアンカー孔閉塞具(以下「アンカーキャップ」という)1を構成する化粧カバー固定用ボルト10の側面図である。
図2は、アンカーキャップ1を構成する化粧カバー部材20の(a)側面図および(b)正面図である。
図3は、アンカーキャップ1をタイル施工法による施工後の外壁に適用した状態を示す断面図である。
図3を適宜に参照しながら、図1および2に基づき、本実施形態に係るアンカー孔閉塞具(アンカーキャップ)1について説明する。
アンカーキャップ1は、化粧カバー固定用ボルト10および化粧カバー部材20により構成される。化粧カバー固定用ボルト10は、その形状を形容した呼称であって、必ずしもボルトに備わるべき機能、つまり、ボルトのねじ部を有しておらず、後に述べるように、アンカー101に形成された壁つなぎ部材挿入孔111に圧入可能なものであればよい。アンカーキャップ1は、ビル等の建築物を対象とする外壁施工に際して作業用の足場の固定に用いられるアンカー101を埋設するためのアンカー孔hを、施工完了後に塞ぐものである。
化粧カバー固定用ボルト10は、固定用軸部11と、固定用軸部11に対して首部13を介して結合された頭部12とを備える。
固定用軸部11は、アンカーキャップ1をアンカー101に装着する際に、アンカー101の壁つなぎ部材挿入孔111に圧入固定され、アンカーキャップ1に対し、アンカー孔hを塞ぐ際のアンカー101に対する固定強度を付与するために使用される。固定用軸部11は、軸方向の先端側に先端部11aを有するとともに、基端側に蛇腹部11bを有し、先端部11aは、外周面がテーパー状をなして、先端側に向けて縮径させられており、蛇腹部11bは、軸方向の全体に亘って同径であるとともに、外周面が蛇腹状に形成されている。蛇腹部11bは、固定用軸部11をアンカー101の壁つなぎ部材挿入孔111に圧入する際に、壁つなぎ部材挿入孔111内に圧入される。
頭部12は、固定用軸部11よりも大きな外径を有するとともに、固定用軸部11に対して同軸に配置され、アンカーキャップ1を化粧カバー固定用ボルト10を介してアンカー101に装着した状態で、アンカー孔hの内部で壁つなぎ部材挿入孔111外に配置される(図3)。
首部13は、固定用軸部11および頭部12のいずれよりも小さな外径を有する。アンカーキャップ1を化粧カバー固定用ボルト10を介してアンカー101に装着した状態で、首部13は、少なくとも頭部12表面側の一部が壁つなぎ部材挿入孔111外に配置され、本実施形態では、全体が壁つなぎ部材挿入孔111外に配置される(図3)。
ここで、頭部12および首部13(壁つなぎ部材挿入孔111の外部に配置される部分)の外周面とアンカー孔hの内周面との間に形成される空隙ないし隙間は、アンカーキャップ1によりアンカー孔hを塞ぐ際に、アンカー孔hに残る空隙を充填するためのシーリング剤51(図3)の貯留部を形成する。
本実施形態では、頭部12の外周面がテーパー状をなすとともに、首部13が径方向内側に凸となる半円状の内面を有することで、貯留部の容積が確保されている。適用可能なシーリング剤として、例えば、シリコーン充填剤が挙げられる。固定用軸部11がアンカー101の壁つなぎ部材挿入孔111に圧入され、化粧カバー固定用ボルト10がアンカー101に固定された状態で、化粧カバー固定用ボルト10の頭部12は、外周面、特に最も径の大きな外縁部がアンカー孔hの内周部に当接する。
化粧カバー固定用ボルト10は、少なくとも固定用軸部11が樹脂材により形成されているのが好ましく、本実施形態では、全体が樹脂剤により形成されている。化粧カバー固定用ボルト10に適用可能な樹脂剤として、例えば、シリコーンゴムが挙げられる。
図2に示すように、化粧カバー部材20は、化粧カバー本体21および刺突部22を備え、図2(a)に示すように、全体として画鋲状をなす。
化粧カバー本体21は、図2(b)に示すように、平面視で円盤状をなし、アンカー孔hを塞ぐ際にアンカー孔hの外方、つまり、施工対象である外壁Hの表面部Haと同方向に向く表面部21aと、表面部21aとは反対側、つまり、アンカー孔hの内方に向く裏面部21bとを有する。表面部21aは、アンカー孔hを塞ぐ際に外壁Hの表面部Haと略面一となるように配置される。
図3に示すように、本実施形態において、化粧カバー本体21は、化粧カバー固定用ボルト10の頭部12よりも大きな外径を有する。
さらに、化粧カバー本体21は、表面部21aに外壁Hの表面部Haの柄と同様の柄が付され、表面保護用のコーティング処理が施されている。例えば、タイル施工法による施工では、化粧カバー本体21の表面部21aにタイル柄が付される。図2(a)は、化粧カバー本体21の表面部21aに設けられた保護コーティング部23を、点線により模式的に示す。
刺突部22は、化粧カバー本体21の裏面部21bに結合される基端部22aと、基端部22aとは軸方向の反対側に位置し、アンカー孔hを塞ぐ際に化粧カバー本体21の裏面部21bに対してアンカー孔hの内方に突出する先端部22bとを有する。
図1に示すように、本実施形態において、化粧カバー固定用ボルト10の頭部12は、表面部の径方向中央に、化粧カバー部材20の刺突部22を受容する受入用孔部12aを有する。施工後、外壁Hに残るアンカー孔hを塞ぐ際に、アンカー孔h内のアンカー101に固定された化粧カバー固定用ボルト10の頭部12に化粧カバー部材20が差し込まれ、化粧カバー部材20が化粧カバー固定用ボルト10に固定される。
この際、受入用孔部12aは、化粧カバー部材20の刺突部22を受容し、化粧カバー部材20および刺突部22の中心軸に沿った円滑な移動を案内する。ここで、化粧カバー部材20の化粧カバー本体21は、裏面部21bが化粧カバー固定用ボルト10の頭部12に接した状態で、表面部21aは外壁Hの表面部Haと略面一となり、図3に示すように、刺突部22は、頭部12を化粧カバー固定用ボルト10の軸方向に沿って配置される。
以下に、アンカーキャップ1の使用方法を、タイル施工法による場合を例に説明する。
図5は、本実施形態に係るアンカー孔閉塞具(アンカーキャップ)1を装着可能なアンカー101および壁つなぎ部材201により、外壁Hと作業用の足場301とを連結した施工時の状態を示す概略図である。
タイル施工法による施行では、建築物の躯体Fの外面にタイルTを敷き詰め、貼り付ける。躯体F外面上のタイルTにより、建築物の外壁Hの表面部Haが形成される。外壁Hの表面部Haに、タイルTの表面側からドリル等の工具を用いてアンカー孔hを開設し、開設されたアンカー孔hに残る切り屑を除去してアンカー孔hを清掃した後、アンカー孔hにアンカー101を打ち込む。
本実施形態では、アンカー101として、いわゆるグリップアンカーを採用するが、グリップアンカー以外のアンカー101を採用してもよいことは、勿論である。
図5に示すように、打ち込まれたアンカー101に対して壁つなぎ部材201を連結するとともに、壁つなぎ部材201のクランプ部203により足場301を拘束することにより、壁つなぎ部材201と作業用の足場301とを連結し、足場301を外壁Hに固定する。図5は、足場301の骨格部分を二点鎖線により模式的に示す。
本実施形態において、アンカー101に対する壁つなぎ部材201の連結は、アンカー101に形成された壁つなぎ部材挿入孔111に壁つなぎ部材201のねじ部202を挿入し、このねじ部202と壁つなぎ部材挿入孔111の内周面に形成されたねじ部とを螺合させ、壁つなぎ部材201をアンカー101に接合固定することによる。
施工を終え、足場301を解体するとともに、壁つなぎ部材201をアンカー孔hから除去した後、アンカー孔hに残るアンカー101に対し、化粧カバー固定用ボルト10を固定する(図3)。アンカー101に対する化粧カバー固定用ボルト10の固定は、アンカー101の壁つなぎ部材挿入孔111に化粧カバー固定用ボルト10の固定用軸部11を圧入する。
化粧カバー固定用ボルト10のうち、アンカー101の壁つなぎ部材挿入孔111外に配置される部分(本実施形態では、頭部12と首部13の全体)と、壁つなぎ部材挿入孔111の内周面との間にシーリング剤51を充填することで、化粧カバー固定用ボルト10の固定強度が増強されるとともに、アンカー孔hへの水の進入が防止される。
その後、化粧カバー部材20を、刺突部22が化粧カバー固定用ボルト10の頭部12に差し込み、頭部12の表面部中央に備わる受入用孔部12aに受容された状態で固定する。これにより、図3に示すように、アンカーキャップ1によるアンカー孔hの閉塞が完了する。
施工後、定期または臨時に行う保全ないし修繕作業では、化粧カバー部材20を化粧カバー固定用ボルト10の頭部12から取り外すとともに、化粧カバー固定用ボルト10をアンカー101から取り外す。そして、作業用の足場301を改めて構築するとともに、アンカー孔hに残るアンカー101を再利用して壁つなぎ部材201を外壁Hに固定し、壁つなぎ部材201と足場301とを連結することで、足場301を外壁Hに固定する。
本実施形態に係るアンカー孔閉塞具(アンカーキャップ)1は、以上の構成を有し、本実施形態により得られる効果について、以下に説明する。
第1に、施工後、単にアンカー孔hを塞ぐだけでなく、次回以降の施工時(例えば、定期または臨時に行う保全ないし修繕作業時)におけるアンカー101の再利用の機会を確保することが可能となる。よって、次回以降の施工に際し、ダイヤモンドカッターにより騒音を伴いながらアンカー101が残るタイルTを除去したり、施工のたびにアンカー101を打ち込んだりする必要がなく、足場301の構築にかかる作業を、騒音を発生させることなく、効率的にかつコストを抑えながら行うことができる。
第2に、化粧カバー本体21の表面部21aに付された柄により、化粧カバー部材20の存在が目立ち難くなるので、外壁Hの仕上がりをより良好なものとすることが可能である。さらに、保護コーティング部23により、表面部21aの柄を摩耗または風雨等の外傷から保護し、施工後、次回の施工に至るまでの間、仕上がりの状態をより良好に維持することが可能である。
第3に、化粧カバー本体21を化粧カバー固定用ボルト10の頭部12よりも大きな外径としたことで、化粧カバー本体21によりアンカー孔hをより緊密にまたは隙間なく塞ぐことが可能となり、外壁Hの仕上がりをより良好なものとするとともに、アンカーキャップ1による止水性の向上を図ることができる。
第4に、化粧カバー部材20の刺突部22が、化粧カバー本体21の裏面部21bが化粧カバー固定用ボルト10の頭部12に接した状態で、頭部12を化粧カバー固定用ボルト10の軸方向に貫通することで、化粧カバー部材20をより安定した状態で化粧カバー固定用ボルト10に固定し、次回の施工(つまり、アンカー101の再利用時)まで、外壁Hの外観を維持する。
第5に、化粧カバー固定用ボルト10の頭部12が固定用軸部11よりも大きな外径を有し、特に本実施形態では、頭部12がテーパー状をなすとともに、化粧カバー固定用ボルト10の固定用軸部11がアンカー10の壁つなぎ部材挿入孔111に圧入固定された状態で、頭部12表面側の外縁部がアンカー孔hの内周面に近接するので(図3)、頭部12とアンカー孔hの内周面との間に、シーリング剤51の貯留部として良好な空間を確保するとともに、シーリング剤51の緊密な施工が可能となり、化粧カバー固定用ボルト10を確実に固定しながら、外部からの水の侵入を抑制することが可能である。
第6に、化粧カバー固定用ボルト10を樹脂剤により形成することで、固定用軸部11を特別な工具によらず、施工の現場で容易に切断することが可能となるので、化粧カバー固定用ボルト10の長さを実際の状況、特に実際のアンカー101の状態に応じて適宜に調整し、化粧カバー部材20、特に化粧カバー本体21がアンカー孔hから過度に出っ張ったり、引っ込んだりして、外観が損なわれる事態を回避することができる。
以上の説明では、外壁Hの施工法としてタイル施工法を採用した場合について説明した。しかし、適用可能な施工法は、これに限定されるものではなく、例えば、塗装施工法を採用することが可能である。塗装施工法では、タイルを用いず、施工対象物の躯体Fの外面に塗装処理を施すに止める。タイル施工法では、タイルTの貼付後、タイルTの中央部にアンカー孔hを穿設するが(図3)、塗装施工法では、モルタルによる調整後の外壁Hの表面部Haに対し、アンカー孔hを直接穿設する。
図4は、本実施形態に係るアンカー孔閉塞具(アンカーキャップ)1を、塗装施工法による施工後の外壁Hに適用した状態を示す断面図である。
図4に示すように、塗装施工法では、躯体F外面上の塗装層Pにより、建築物の外壁Hの表面部Haが形成される。
本実施形態によれば、上記第1から第6の効果を、塗装施行法による施工後の外壁Hについて得ること、つまり、タイル施行法による場合に限らず、施行法を問わずに得ることが可能であり、施工を終えてアンカー孔hを塞いだ後、次回以降の施工時におけるアンカー101の再利用の機会を確保し、足場301の構築にかかる作業を効率的にかつコストを抑えながら行うことができる。
1…アンカー孔閉塞具(アンカーキャップ)
10…化粧カバー固定用ボルト
11…固定用軸部
11a…先端部
11b…蛇腹部
12…頭部
12a…受入用孔部
13…首部
20…化粧カバー部材
21…化粧カバー本体
21a…表面部
21b…裏面部
22…刺突部
22a…基端部
22b…先端部
23…保護コーティング部
51…シーリング剤
101…アンカー
111…壁つなぎ部材挿入孔
201…壁つなぎ部材
202…ねじ部
203…クランプ部
301…足場
h…アンカー孔
H…外壁
Ha…表面部
F…躯体
T…タイル
P…塗装層

Claims (6)

  1. 施工対象物の外壁に開設されたアンカー孔に埋設され、施工時の足場の固定に用いられるアンカーに装着されて、施工後の前記アンカー孔を塞ぐアンカー孔閉塞具であって、
    表面部と裏面部とを有し、前記表面部が前記外壁の表面部と面一となる一方、前記裏面部が前記アンカー孔の内方に向くように前記アンカー孔に配置されて、前記アンカー孔を塞ぐ化粧カバー本体と、前記化粧カバー本体の裏面部から前記アンカー孔の内方に突出する刺突部とを備え、全体画鋲状をなす化粧カバー部材と、
    前記アンカーに形成された壁つなぎ部材挿入孔に圧入固定される固定用軸部と、前記アンカー孔の内部で前記壁つなぎ部材挿入孔外に配置される頭部とを備え、前記頭部の表面部中央に、前記化粧カバー部材の刺突部を受容する受入用孔部を有する化粧カバー固定用ボルトとを備えることを特徴とするアンカー孔閉塞具。
  2. 前記化粧カバー本体の表面部に前記外壁の表面部の柄が付され、表面保護用のコーティング処理が施されていることを特徴とする、
    請求項1に記載のアンカー孔閉塞具。
  3. 前記化粧カバー本体は、前記化粧カバー固定用ボルトの頭部よりも大きな外径を有することを特徴とする、
    請求項1に記載のアンカー孔閉塞具。
  4. 前記化粧カバー部材の刺突部は、前記化粧カバー本体の裏面部が前記化粧カバー固定用ボルトの頭部に接した状態で、当該頭部を前記化粧カバー固定用ボルトの軸方向に貫通する長さを有することを特徴とする、
    請求項1に記載のアンカー孔閉塞具。
  5. 前記化粧カバー固定用ボルトの頭部は、前記固定用軸部よりも大きな外径を有することを特徴とする、
    請求項1に記載のアンカー孔閉塞具。
  6. 前記化粧カバー固定用ボルトは、少なくとも前記固定用軸部が樹脂材により形成されていることを特徴とする、
    請求項1に記載のアンカー孔閉塞具。
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