JP6226589B2 - タイル張り工法及び外壁 - Google Patents

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Description

本発明は、タイル張り工法及びこのタイル張り工法によりタイル張りされた外壁に関する。
例えば新築時におけるRC躯体への外装用タイルの張付施工は、一般に、図6(A)に示すように、躯体コンクリート51の表面に下地モルタル層52、張付モルタル層53を順に形成し、その外側にタイル54を張り付けることで行われる。仕上がった外壁は、躯体コンクリート51からタイル54まで順次接着された積層構造を持ち、気温、日射量、降水量等の変動に伴って周囲の温湿度が変化すると、温湿度膨張係数の違いから外壁の各層51,52,53は異なった伸縮をする。そのため、外壁の各層間の界面(接着界面)55,56には、せん断応力となるディファレンシャルムーブメントが経年的に繰り返し発生する。そして、疲労の蓄積によりせん断強度が低下した界面55,56には剥離が生じ、この剥離がさらに拡大して剥落に繋がる。近年では、以上のようなメカニズムが、経年によるタイル剥離・剥落の主たる原因と考えられている。
尚、タイル54の裏面には、図6(A)に示すように蟻足形状の裏足54aが設けられ、その機械的な拘束力によってタイル54は張付モルタル層53から剥落し難くなっているので、裏足54aに張付モルタルが十分に充填された状態では、張付モルタル層53とタイル54との界面における剥離は度外視することができる。
一方、建物の外壁の改修を行う場合、古くなった外壁を撤去して新たに外壁を形成する方法や、古くなった外壁を撤去せずその外側に新たに外壁を積層する方法が採られることがある。そして、何れの方法においても、新設した外壁は、通常、モルタルやタイルが順次接着された積層構造を有するので、上記新築時の場合と同様に、やはりディファレンシャルムーブメントの発生に起因するタイルの剥落が問題となり得る。
そこで、タイルの剥落防止を図るために、新築工事や改修工事に適用可能な種々の工法がこれまで提案されている。
その一例について図6(B)を参照しながら説明する。同図に示す外壁を形成する工法では、コンクリート躯体の既設外壁57に、下地調整用セメント系塗材58とネット組織体張り付け用セメント系塗材59とを順次塗り付けた後、ネット組織体60を毛羽立たせた状態で張り付ける。そして、その養生後に、ネット組織体60の外側からコンクリート躯体の内部に至るまでアンカーピン61を打ち込み固定し、これに挿入セットされたワッシャー62によりネット組織体60を押さえ付け、ネット組織体60とアンカーピン61の全体を被覆するように、仕上げ材張り付け用セメント系塗材63を一定の厚みに塗り付け、タイル64を張り付け固定する(例えば特許文献1参照)。
上記工法によれば、下地調整用セメント系塗材58とネット組織体張り付け用セメント系塗材59との界面に剥離が生じても、この界面をネット組織体60がその外側から押さえ込んでいるので、剥落へと結び付き難くなるものと考えられる。
特許第2832430号公報
しかし、上記工法では、ネット組織体60の外側に形成される仕上げ材張り付け用セメント系塗材63からなる層を、当然のことながらネット組織体60によって外側から押さえ込むことはできない。また、ネット組織体張り付け用セメント系塗材59の養生後(硬化後)に仕上げ材張り付け用セメント系塗材63を塗り付けるので、ネット組織体張り付け用セメント系塗材59からなる層と仕上げ材張り付け用セメント系塗材63からなる層との間に界面が形成される。そして、この界面での剥離を防止するために、上記工法ではネット組織体60を毛羽立たせるが、毛羽立ち状態が不十分であった場合には、上記界面で剥離ひいては剥落が生じ易くなる恐れがある。
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、下地モルタル層からタイルまでの間に形成される積層構造の一体不可分性の向上を図り、たとえ積層構造中の何れかの界面で部分的な剥離が生じても剥落へと繋がり難くすることができるタイル張り工法及び外壁を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係るタイル張り工法は、下地モルタル層の外側に、張付モルタル層と、タイルとを順に配するタイル張り工法であって、前記張付モルタル層の形成は、前記下地モルタル層の表面に張付モルタルを塗布し、塗布した張付モルタルが硬化しない間に、該張付モルタルに対してネットを伏せ込むと共に該ネットを被覆するようにさらに張付モルタルを塗布することによって行い、前記張付モルタル層の形成中に、前記ネットを外側から直接または間接的に押圧し、かつ前記下地モルタル層を貫通するアンカー材又は金属製の線材を植立し、前記アンカー材又は金属製の線材を被覆する位置に配する前記タイルを、接着材を用いて後張りするようにし、後張りした前記タイルと前記張付モルタル層に直接張った他の前記タイルとが面一となるように、前記張付モルタル層を形成する際に、該張付モルタル層において前記タイルが後張りされる部分の厚みを薄くする(請求項1)。
上記タイル張り工法において、前記アンカー材又は金属製の線材として、座金を介して前記ネットを外側から押圧するように構成されたアンカー材を用い、前記座金を当該アンカー材の頭部と共に前記張付モルタル層内に埋め込んだ状態にして、その外側に前記タイルを張ってもよい(請求項2)。
一方、上記目的を達成するために、本発明に係る外壁は、請求項1又は2に記載のタイル張り工法によりタイル張りされている(請求項3)。
本願発明では、下地モルタル層からタイルまでの間に形成される積層構造の一体不可分性の向上を図り、たとえ積層構造中の何れかの界面で部分的な剥離が生じても剥落へと繋がり難くすることができるタイル張り工法及び外壁が得られる。
すなわち、本願の請求項1に係る発明のタイル張り工法では、下地モルタル層と張付モルタル層との間に界面が形成されるが、ネット(剥落防止ネット)を内在させているにもかかわらず張付モルタル層の内部には界面が形成されず、張付モルタルがネットで補強された一体の層となる。従って、剥離の原因となる界面の数が少ない分、建物躯体からタイルまでの間に形成される積層構造の一体不可分性がそれだけ高まることになる。
請求項1に係る発明のタイル張り工法では、アンカー材とネットによって、剥離の原因となる下地モルタル層とその裏(内)側に形成されるコンクリート面等との間の界面、下地モルタル層とその表(外)側に形成される張付モルタル層との間の界面を押さえ込むことができ、たとえそれらの界面の何れかにおいて部分的な剥離が生じても、その剥離が拡大して剥落へと繋がるといったことは起こり難くなる。
請求項1に係る発明のタイル張り工法では、張付モルタルのオープンタイム内にアンカー材を打ち込む必要がなく、それだけアンカー材の打設作業が容易になる。
(A)〜(F)は、第1の実施の形態に係るタイル張り工法の構成を概略的に示す説明図である。 (A)〜(H)は、第2の実施の形態に係るタイル張り工法の構成を概略的に示す説明図である。 (A)〜(I)は、第3の実施の形態に係るタイル張り工法の構成を概略的に示す説明図である。 (A)〜(F)は、第4の実施の形態に係るタイル張り工法の構成を概略的に示す説明図である。 (A)〜(C)は、第4の実施の形態におけるアンカー材の変形例を示す斜視図である。 (A)は一般的なタイル張りRC壁の断面構成を示す図、(B)は従来のタイル張り工法によりタイル張りされた外壁の断面構成を示す図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら以下に説明する。
図1(A)〜(F)に第1の実施の形態に係るタイル張り工法(以下、第1の工法という)を示す。この第1の工法では、図1(F)に示すように、建物躯体(例えばRC躯体)1の壁面の外側に、下地モルタル層2と、張付モルタル層3と、タイル4とを順に配した外壁を形成するために、図1(A)に示す下地モルタル層形成工程と、図1(B)、(D)にわたって示す張付モルタル層形成工程と、図1(C)、(D)にわたって示すアンカー植立工程と、図1(E)、(F)にわたって示すタイル張付工程とを行う。以下、第1の工法の各工程について説明する。
図1(A)に示す下地モルタル層形成工程では、建物躯体(躯体コンクリート)1の表面に、例えば鏝を用いて下地モルタルを塗布して下地モルタル層2を形成する。なお、必要に応じて、下地モルタルを塗り付ける前に、建物躯体1の表面に対して超高圧水による目荒らし等の処理を施し、建物躯体1と下地モルタル層2との接着性の向上を図るようにしてもよい。
図1(B)、(D)にわたって示す張付モルタル層形成工程は、下地モルタル層2の養生後に行う。そして、この工程では、下地モルタル層2の表面に例えば鏝を用いて張付モルタル3aを一定厚み(例えば1mm程度)となるように塗布し、塗布した張付モルタル3aが硬化しない間に(オープンタイム内に)、フレッシュな状態の張付モルタル3aに対してネット(剥落防止ネット)3bを伏せ込む(図1(B)参照)と共にネット3bを被覆するようにさらに張付モルタル3aを塗布する(図1(D)参照)。
ここで、フレッシュな状態の張付モルタル3aに対するネット3bの伏せ込みは、張付モルタル3aの塗布領域にネット3bをあてがい、この状態のネット3bの表面を例えば鏝で軽くなぞるだけで行うことができる。すなわち、フレッシュな状態の張付モルタル3aにネット3bをあてがうと、ネット3bは張付モルタル3aに付着し、張付モルタル3aによって仮保持(一時的に保持)された状態となる。そして、張付モルタル3aに仮保持された状態のネット3bの表面を鏝で軽くなぞると、張付モルタル3aの一部がネット3bの表面に回り込み、その部分が張付モルタル3aに埋まってなじんだ状態となるのであり、ネット3bの全体の2/3以上が張付モルタル3aになじんだ(色が変わった)状態となるようにすればよい。
続いて、ネット3bを被覆するように張付モルタル3aを塗布するのであるが、ネット3bの伏せ込み前に塗布した張付モルタル3aと、ネット3bの伏せ込み後に塗布した張付モルタル3aとの間に界面が形成されてしまうと、この界面が将来的に剥離・剥落の原因になり得る。従って、ネット3bの伏せ込み前後に塗布する張付モルタル3aの間に上記のような界面が形成されず、ネット3bを挟む内外の張付モルタル3aがネット3bと共に一体化されるように、ネット3bの伏せ込み前に塗布した張付モルタル3aが十分フレッシュな状態で、ネット3bの伏せ込み後に行う張付モルタル3aの塗布を完了する必要がある。
なお、下地モルタル層2の表面に一度に塗布する張付モルタル3aの面積は、張付モルタル3aのオープンタイム内に図1(F)に示すタイル張付工程までを完了することができる範囲とすればよい。
ネット3bの形状は、例えば、複数本の線材を2軸以上の方向に配列交錯させた多角形の網目を有するシート状とすることができ、ネット3bの素材には、経年による劣化の進行が遅いガラス繊維等の無機質なものを選択するのが望ましい。このような条件を満たすネット3bとして用いることができる市販品としては、日本化成株式会社の「NSネットスーパー」(三軸ビニロン繊維ネット)、全日本外壁ピンネット工事業協同組合の「タケモル(登録商標)ネット」(二軸ネット)を挙げることができる。例示したネットはいずれも比較的薄手のものであり、これらを用いれば張付モルタル層3を薄く仕上げることができる。
また、ネット3bの大きさについては、例えば、ネット3bが、巾1mで長尺のロール状に巻かれた状態で供給され、そこから随時必要な長さ分だけ切断して用いられるものであって、このようなネット3bを横張りとする場合には、必然的にネット3bの縦幅は1mとなり、ネット3bの横幅を、一人の作業員がネット3bを横幅方向に展張した状態で持てる範囲(1〜1.5m程度)としてあれば、ネット3bがよれて皺になるということがなく、その伏せ込みを比較的簡単かつ良好に行える。
図1(C)、(D)にわたって示すアンカー植立工程は、図1(B)、(D)にわたって示す張付モルタル層形成工程と並行して(張付モルタル層3の形成中に)行われるものであり、張付モルタル層形成工程においてネット3bの伏せ込みが完了した箇所から随時行うことができる。そして、この工程では、下地モルタル層2を貫通し先端が建物躯体1の内部に至るアンカー材5を打設し、アンカー材5に挿入セットした座金6がネット3bを外側から押圧する状態となるようにする。また、植立したアンカー材5の頭部に張付モルタル層3の浮きなどが生じないように、アンカー材5の頭部及び座金6を張付モルタル層3内に埋め込んだ状態にする。
ここで、アンカー材5を打ち込むアンカー孔の孔径は6mm程度、アンカー材5の外径は4mm程度あれば十分であるが、もちろんこれらより径を大きくしてもよい。このような条件を満たすアンカー材5として用いることができる市販品としては、例えばイー・プランナー株式会社の「ドッグバイトアンカー」(外径4.5mmまたは6.0mm、長さ45mm)を挙げることができる。
また、アンカー材5の上下左右の打設間隔は、地上レベルで900mm、地上100mで500mm程度とすることができる。
一方、座金6の外径は、座金6によってネット3bを押圧する目的から、ネット3bの目合いよりも大きくする必要があり、例えば20mm程度とすることができる。また、座金6の表裏に張付モルタル3aが回り込み易くなるように、座金6に複数の貫通孔を設けてあることが好ましい。
図1(E),(F)にわたって示すタイル張付工程では、張付モルタル3aのオープンタイム内に複数のタイル4を張付モルタル層3に張り付け、複数のタイル4が上下左右の目地幅分だけ空隙をおいて配列した状態となるようにする。その後、タイル4の目地に目地モルタル等の目地材7を充填する。
タイル4の裏面には蟻足形状の裏足4aを設けてあるので、張付モルタル3aの養生後には、裏足4aと張付モルタル層3との間に機械的な拘束力が働き、タイル4は張付モルタル層3から極めて剥離し難い状態となる。
以上説明した第1の工法によって形成される外壁は、図1(F)に示すように、建物躯体1と下地モルタル層2との間、下地モルタル層2と張付モルタル層3との間にそれぞれ界面8,9を有するが、張付モルタル層3の内部には界面が形成されず、張付モルタル層3はネット3bで補強された一層のモルタル面となる。従って、剥離の原因となる界面の数が少ない分、建物躯体1からタイル4までの間に形成される積層構造の一体不可分性がそれだけ高まることになる。
また、図1(F)に示す外壁では、座金6によって張付モルタル層3内のネット3bが外側から押圧され、ネット3bを含む張付モルタル層3全体が二つの界面8,9を外側から押さえ込む状態となっているので、たとえ界面8,9の何れかにおいて部分的な剥離が生じても、その剥離が拡大して剥落へと繋がるといったことは起こり難くなっている。
さらに、第1の工法では、下地モルタル層2、張付モルタル層3各々の厚みを、図6(A)に示したような在来工法と同等程度(例えば下地モルタル層2を10mm程度、張付モルタル層3を2mm程度)とすることができ、各層2,3が厚くなることに伴う、材料や手間の増加、養生期間の長期化等のデメリットが生じることはない。
しかも、第1の工法では、図1(A)〜(F)に示す各工程において用いる部材を市販品・汎用品とすることができるので、施工コストの上昇を抑えることができる。
その上、第1の工法では、図1(E)に示すようにアンカー材5を張付モルタル層3内に埋設した後、アンカー材5を被覆する位置に配するタイル4と他の位置に配するタイル4との張付けを同じタイミングで同様に行えるので、アンカー材5の打設位置をタイル4の割付に縛られずに自由に決定することができ、それだけ施工の自由度が増し、施工性の向上を期待することもできる。
図2(A)〜(H)に、第2の実施の形態に係るタイル張り工法(以下、第2の工法という)を示す。第1の工法では、図1(B)、(D)にわたって示す張付モルタル層形成工程と、図1(C)、(D)にわたって示すアンカー植立工程とを並行させ、また、アンカー材5を被覆する位置に配するタイル4と他のタイル4との張付方法を同一としているが、第2の工法では、張付モルタル層形成工程において形成した張付モルタル層の養生後にアンカー植立工程を行い、また、アンカー材5を被覆する位置に配するタイル4と他のタイル4との張付方法は異なる。
すなわち、第2の工法では、図2(A)に示す下地モルタル層形成工程と、図2(B)、(C)にわたって示す張付モルタル層形成工程と、図2(D)、(E)にわたって示すタイル張付工程と、図2(F)に示すすき取り工程と、図2(F)、(G)にわたって示すアンカー植立工程と、図1(G)、(H)にわたって示す後張り工程とをこの順に行う。以下、第2の工法の各工程について説明する。
図2(A)〜(C)に示す工程は、図1(A)に示す下地モルタル層形成工程及び図1(B)、(D)にわたって示す張付モルタル層形成工程と同様に行える。但し、図2(B)に示す張付モルタル層形成工程において、下地モルタル層2の表面に一度に塗布する張付モルタル3aの面積は、張付モルタル3aのオープンタイム内に図2(F)に示すすき取り工程までを完了することができる範囲とすればよい。
図2(D)、(E)にわたって示すタイル張付工程では、後のアンカー植立工程(図2(F)及び(G)参照)において植立されるアンカー材5を被覆する位置に配するタイル4(以下、被覆タイル4Aという)を除いたタイル4のみの張付けを行う。
図2(F)に示すすき取り工程では、張付モルタル層3において被覆タイル4Aが後張りされる部分の厚みが薄くなるように、その部分に占める張付モルタル3aを皮すき等で除去する。この除去は、図2(D)、(E)にわたって示すタイル張付工程で張付モルタル層3に直接張ったタイル4の外面と、後の後張り工程(図2(H)参照)において後張りする被覆タイル4Aの外面とを面一とすることができるように行う。
図2(F)、(G)にわたって示すアンカー植立工程は、張付モルタル3aの養生後に行う。そして、この工程では、下地モルタル層2を貫通し先端が建物躯体1の内部に至るアンカー材5を打設し、アンカー材5に挿入セットした座金6がネット3bを外側から押圧する状態となるようにする。尚、アンカー材5及び座金6としては、図1(D)、(E)にわたって示すアンカー植立工程において用いたものと同様のものを用いることができる。
図2(G)、(H)にわたって示す後張り工程では、アンカー材5及び座金6の外側に被覆タイル4Aを接着剤(例えば弾性エポキシ接着剤等の弾性接着剤)10にて接着張りする。被覆タイル4Aとしては、他のタイル4と同一のものを用いることができる。また、接着張りを行う際、被覆タイル4Aの裏足に接着剤10が十分に充填された状態となるようにするのが好ましく、そのためには、例えば、接着材10を、張付モルタル層3の表面と被覆タイル4Aの裏面の両方に塗布すればよい。
以上のようにして行う第2の工法では、張付モルタル3aのオープンタイム内にアンカー材を打ち込む必要がなく、それだけまとまった数量を一度に施工できるなどアンカー材5の打設作業が容易になるというメリットがある。従って、アンカー材5の打設を、張付モルタル層3の形成後(養生後)に行えばよいが、張付モルタル層3の形成中(養生前)にアンカー材5の打設を行うようにしてもよい。
図3(A)〜(I)に、第3の実施の形態に係るタイル張り工法(以下、第3の工法という)を示す。第2の工法では、アンカー材5の打設を、後から被覆タイル4Aで覆われる箇所に対して行うが、第3の工法では、タイル4の目地部に対してアンカー材5を打設する。すなわち、第3の工法は、タイル4の目地幅がある程度広い場合に適用可能な工法である。
そして、この第3の工法では、図3(A)に示す下地モルタル層形成工程と、図3(B)、(C)にわたって示す張付モルタル層形成工程と、図3(D)、(E)にわたって示すタイル張付工程と、図3(E)、(F)にわたって示すアンカー植立工程と、図3(G)、(H)に示す係留工程と、図3(I)に示す目地詰め工程とをこの順に行う。以下、第3の工法の各工程について説明する。
図3(A)〜(C)に示す工程は、図2(A)〜(C)に示す下地モルタル層形成工程及び張付モルタル層形成工程と同一である。尚、図3(B)に示す張付モルタル層形成工程において、下地モルタル層2の表面に一度に塗布する張付モルタル3aの面積は、張付モルタル3aのオープンタイム内に図3(E)に示すタイル張付工程までを完了することができる範囲とすればよい。
図3(D)、(E)にわたって示すタイル張付工程では、張付モルタル3aのオープンタイム内に複数のタイル4を張付モルタル層3に張り付け、複数のタイル4が上下左右の目地幅分だけ空隙をおいて配列した状態となるようにする。
図3(E)、(F)にわたって示すアンカー植立工程は、張付モルタル3aの養生後に行う。そして、この工程では、タイル4の目地の上下に隣り合う交差部に、下地モルタル層2を貫通し先端が建物躯体1の内部に至るアンカー材5を二本一組で打設する。ここで、アンカー材5の頭部の外径は、タイル4の割れを防止するために、隣接するタイル4の角に接触しない範囲とすればよい。
図3(G)、(H)に示す係留工程では、二本一組のアンカー材5どうしを線材(例えばステンレス製のなまし線等の金属線)11により繋ぐ。例えば、一本の線材11を二本のアンカー材5にわたって巻き付けるようにすればよい。
図3(I)に示す目地詰め工程では、タイル4の目地に目地モルタル等の目地材7を充填し、このとき、アンカー材5、線材11も目地材7で被覆した状態となるようにする。
以上のようにして行う第3の工法でも、第2の工法と同様に、張付モルタル3aのオープンタイム内にアンカー材5を打ち込む必要がなく、それだけまとまった数量を一度に施工できるなどアンカー材5の打設作業が容易になるというメリットがある。従って、アンカー材5の打設を、張付モルタル層3の形成後(養生後)に行えばよいが、張付モルタル層3の形成中(養生前)にアンカー材5の打設を行うようにしてもよい。
尚、図3(H)に示す例では、二本一組のアンカー材5の打設箇所を、タイル4の目地において上下に隣り合う交差部としているが、これに限らず、例えば、アンカー材5の打設箇所を、タイル4の目地において左右に隣り合う交差部としてもよいし、タイル4の目地において間に一つ以上の交差部を挟んで上下又は左右に並ぶ二つの交差部としてもよく、また、タイル4の目地において交差部以外の箇所としてもよい。さらに、三本以上のアンカー材5を一組としてタイル4の目地部に打設し、線材11によって互いに係留し合うようにしてもよい。
図4(A)〜(F)に、第4の実施の形態に係るタイル張り工法(以下、第4の工法という)を示す。この第4の工法は、躯体コンクリートに埋設されたセパレータをアンカー材の植立に利用するものである。
すなわち、この第4の工法では、図4(A)、(B)にわたって示すアンカー材取付工程と、図4(C)に示す下地モルタル層形成工程と、図4(D)、(E)にわたって示す張付モルタル層形成工程と、図4(E)、(F)にわたって示すタイル張付工程とを行う。以下、第4の工法の各工程について説明する。
図4(A)、(B)にわたって示すアンカー材取付工程では、躯体コンクリート12に埋設されたセパレータ13から裁頭円錐状を呈するコーン(Pコン)14を取り外し、アンカー材15をセパレータ13に連結する。
すなわち、躯体コンクリート12は、図外のコンクリート型枠に、端部にコーン14を螺合連結した状態の多数のセパレータ13を所定ピッチで配置して打設されたものであり、コンクリート型枠の脱型後、コーン14をセパレータ13から取り外すと、躯体コンクリート12の表面に形成されたコーン14の抜き取り跡である凹部16内にセパレータ13の端部が突出した状態となる。
一方、アンカー材15は、例えば合成樹脂からなる略円筒状の部材であって、セパレータ13の端部に螺合連結される雌ねじが形成された筒状部15Aを一端側に有し、筒状部15Aと一体化された可変形部15Bを他端側に有している。この可変形部15Bは、アンカー材15の他端側の筒状の端部に長手方向に延びる切込みを複数入れることによって形成されている。そして、セパレータ13に対するアンカー材15の連結は、アンカー材15の筒状部15Aの雌ねじをセパレータ13の端部の雄ねじに螺着することによって行える。
図4(C)に示す下地モルタル層形成工程は、セパレータ13の端部にアンカー材15の筒状部15Aを螺合連結した状態で、下地モルタル層2を形成するのであり、この形成自体は図1(A)に示す下地モルタル層形成工程と同様に行える。そして、この際、アンカー材15を軸回りに回動操作して、形成しようとする下地モルタル層2の厚みに応じてアンカー材15の位置を前後方向に調整し、少なくとも可変形部15Bの一部が下地モルタル層2の外側に位置するようにする。尚、アンカー材15の位置調整は、下地モルタル層2の形成前、形成中(養生前)の何れのタイミングで行ってもよい。
図4(D),(E)にわたって示す張付モルタル層形成工程は、図1(B)、(D)にわたって示す張付モルタル層形成工程と同様に行うことができる。但し、図4(D)、(E)に示すように、張付モルタル層3の形成時(張付モルタル層3の形成中または張付モルタル層3の養生前)に、アンカー材15の可変形部15Bをネット3bの外側においてネット3bに係止するように変形させる必要がある。図4(D)、(E)に示す例では、蛸足状の可変形部15Bを展開してネット3bに係止するようにしている。
なお、下地モルタル層2の表面に一度に塗布する張付モルタル3aの面積は、張付モルタル3aのオープンタイム内に図4(F)に示すタイル張付工程までを完了することができる範囲とすればよい。
図4(E),(F)にわたって示すタイル張付工程は、図1(E),(F)にわたって示すタイル張付工程と同様に行える。
以上のようにして行う第4の工法では、セパレータ13を有効利用することにより、アンカー材15の植立作業を容易に行うことができる。
ここで、アンカー材15の可変形部15Bは、図4(C)に示す下地モルタル層形成工程を行う際に下地モルタル2a内に埋もれない程度の保形性と、図4(D)、(E)にわたって示す張付モルタル層形成工程を行う際に、ネット3bに係止するように容易に変形させることのできる程度の変形容易性とを併せ持っていることが好ましい。そして、そのような可変形部15Bを有するアンカー材15として、例えば、図5(A)〜(C)に示すようなものを用いることもできる。
すなわち、図5(A)に示すアンカー材15は、図4(A)に示すコーン14と同様の形状を有しセパレータ13に螺合連結可能なコーン部材(例えばPコン)17に、四本の線材(例えばステンレス線)18を埋設したものである。図5(B)に示すアンカー材15は、コーン部材17にループ状に曲げた二本の線材18を埋設したものである。図5(C)に示すアンカー材15は、コーン部材17に一本のビニル線19を埋設したものである。そして、図5(A)〜(C)に示す例では、コーン部材17が本体部15Aに相当し、線材18及びビニル線19が可変形部15Bに相当する。
本発明者らは、図5(A)及び(B)に示すアンカー材15の線材18として、外径が0.28mmのステンレス線を用いた場合や、図5(C)に示すアンカー材15を用いた場合には、線材18あるいはビニル線19からなる可変形部15Bが、上記保形性と変形容易性とを併せ持つことを確認している。しかし、これらに限らず、例えば、線材18として、外径が0.28mm以外のステンレス線や、ステンレス線以外の線材を用いてもよく、また、線材18、ビニル線19の本数を図示例以外の本数としてもよい。
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
例えば、上記各実施の形態は、新築構造物の外壁に限らず、既設構造物の外壁(改修)に適用することもできる。
第1及び第2の工法では、アンカー材5を植立しているが、これに限らず、例えばステンレス等の金属製の線材をアンカー材5の代わりに植立するようにし、この線材をネット3bに係止させるようにしてもよい。
なお、本明細書で挙げた変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
1 建物躯体
2 下地モルタル層
3 張付モルタル層
3a 張付モルタル
3b ネット
4 タイル
4A 被覆タイル
5 アンカー材
6 座金
7 目地材
8 界面
9 界面
10 接着剤
11 線材
12 躯体コンクリート
13 セパレータ
14 コーン
15 アンカー材
15A 筒状部
15B 可変形部
16 凹部
17 コーン部材
18 線材
19 ビニル線
51 躯体コンクリート
52 下地モルタル層
53 張付モルタル層
54 タイル
54a 裏足
55 界面
56 界面
57 既設外壁
58 下地調整用セメント系塗材
59 ネット組織体張り付け用セメント系塗材
60 ネット組織体
61 アンカーピン
62 ワッシャー
63 仕上げ材張り付け用セメント系塗材
64 タイル

Claims (3)

  1. 下地モルタル層の外側に、張付モルタル層と、タイルとを順に配するタイル張り工法であって、
    前記張付モルタル層の形成は、前記下地モルタル層の表面に張付モルタルを塗布し、塗布した張付モルタルが硬化しない間に、該張付モルタルに対してネットを伏せ込むと共に該ネットを被覆するようにさらに張付モルタルを塗布することによって行い、
    前記張付モルタル層の形成中に、前記ネットを外側から直接または間接的に押圧し、かつ前記下地モルタル層を貫通するアンカー材又は金属製の線材を植立し、
    前記アンカー材又は金属製の線材を被覆する位置に配する前記タイルを、接着材を用いて後張りするようにし、
    後張りした前記タイルと前記張付モルタル層に直接張った他の前記タイルとが面一となるように、前記張付モルタル層を形成する際に、該張付モルタル層において前記タイルが後張りされる部分の厚みを薄くすることを特徴とするタイル張り工法。
  2. 前記アンカー材又は金属製の線材として、座金を介して前記ネットを外側から押圧するように構成されたアンカー材を用い、前記座金を当該アンカー材の頭部と共に前記張付モルタル層内に埋め込んだ状態にして、その外側に前記タイルを張る請求項1に記載のタイル張り工法。
  3. 請求項1又は2に記載のタイル張り工法によりタイル張りされた外壁。
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