JP5055998B2 - 目地部材、および建築物 - Google Patents

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Description

本発明は、目地部材、および建築物に関する。
コンクリートは、セメントの水和熱や外気温などによる温度変化、乾燥収縮、予想外の外力といった変形を生じる様々な要因を抱えており、これらの要因により壁面にひび割れの生じる可能性がある。このひび割れが壁面にランダムに発生すると建築物の美観が損なわれてしまう。そこで、一般に、コンクリートの建築物には、壁面の特定位置に、ひび割れを誘発するための目地が凹設されている。
また、コンクリートの建築物において、コンクリートの打継ぎ部(各階躯体の区切りとなる水平方向の打継ぎ部、あるいは各階での工区割りにおける鉛直方向の打継ぎ部)にも、打継ぎ用の目地が凹設されている。
そして、これらの目地内部にシーリング材を充填することにより、コンクリートのひび割れや、打継ぎ部分への水分の浸入を防止している。
従来、目地の形成は、例えばコンクリート型枠に木製の棒(以下、目地棒と称する)を釘止めしておき、当該コンクリート型枠にコンクリートを打ち込んだ後、コンクリート型枠および目地棒を脱型していた。そして、形成された目地内部に、シーリング材を充填していた。
しかし、この場合、目地棒の脱型やシーリング材の充填が必要であり、作業が煩雑になるという問題があった。例えば、目地内部にシーリング材を充填する作業は、高度の熟練を要し、美しい仕上げを達成するには手間ひまがかかるものであった。また、シーリング材は、例えば紫外線などによって劣化するので、定期的に取り替える必要があるという問題もあった。
そこで、例えば特許文献1では、脱型およびシーリング材の施工を不要とした目地部材が提案されている。図13は、その目地部材を用いた建築物の目地構造を示す図である。
図13に示す建築物は、コンクリート310と、コンクリート310の壁面に凹設された目地305と、目地部材300とを備えている。また、目地部材300は、壁面下地材301、止水シート302、透水目地材303を有している。
壁面下地材301は、コンクリート310に物性の近い材料で形成され、コンクリート310の壁面と略同一平面を形成するように配置されている。
止水シート302は、壁面下地材301の裏面に固着されている。この止水シート302には、伸び率の高い非加硫ブチルゴムが使用されている。
透水目地材305は、吸水力を伴う透水性を有するもの(例えば連続発泡体、無機繊維材など)であり、止水シート302に固定されるとともに、目地305に嵌合されている。
この構成により、目地305の形成位置にコンクリート310のひび割れを誘発し、止水シート302および透水目地材303を組み合わせた止水機能によって、ひび割れへの水分の浸入を防止するようにしていた。
特開2005−61178号公報
目地部材300では、ひび割れの発生位置が目地305からずれることを考慮して、図13に示すように、止水シート302を目地305よりも広い範囲に亘って配置している。このことにより、図13に示すように目地部材300の形状が複雑となり、形成する目地305の大きさに対して目地部材300のサイズが大きくなるという問題があった。
また、この形状のため、例えば壁面下地材301とコンクリート310の境界部分にひび割れが発生する可能性があり、その場合、止水シート302および透水目地材305によって止水を行うことができないという問題があった。
さらに、止水シート302を構成する非加硫ブチルゴムは、コンクリート310に対して、剥離が生じないための十分な付着強度(例えば4kgf/cm)を有していない。このため、止水シート302がコンクリート310から剥がれる可能性があり、確実に止水を行うことができない虞があるという問題点があった。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、従来よりも目地部分の構成の簡素化及び小型化を実現でき、さらに確実に止水を行うことが可能な目地部材、および建築物を提供することにある。
かかる目的を達成するために、本発明の目地部材は、コンクリートの壁面の目地に配設される目地部材であって、前記目地に応じた外形形状を有する基材と、前記外形形状に沿って前記基材に配置されたエチレン酢酸ビニル樹脂系シートと、を備え、前記エチレン酢酸ビニル樹脂系シートは、表面が起毛していることを特徴とする。
このような目地部材によれば、従来よりも目地部分の構成の簡素化及び小型化を実現でき、さらに確実に止水を行うことが可能である。また、コンクリートのセメントの成分がエチレン酢酸ビニル樹脂系シートの起毛部分に浸込んで毛を掴んで固まるため、コンクリートとの付着強度及び密着性を高めることができ、より確実に止水を行うことが可能である。
また、本発明の他の目地部材は、コンクリートの壁面の目地に配設される目地部材であって、前記目地に応じた外形形状を有する基材と、前記外形形状に沿って前記基材に配置されたエチレン酢酸ビニル樹脂系シートと、を備え、前記基材は、セメント系材料であることを特徴とする。このような目地部材によれば、基材と前記エチレン酢酸ビニル樹脂系シートとの付着強度及び密着性を高めることが可能である。
また、本発明の他の目地部材は、コンクリートの壁面の目地に配設される目地部材であって、前記目地に応じた外形形状を有する基材と、前記外形形状に沿って前記基材に配置されたエチレン酢酸ビニル樹脂系シートと、を備え、前記基材は、前記壁面と略同一平面を形成する端面を有し、当該端面に切欠部が形成されていることを特徴とする。このような目地部材によれば、切欠部で基材を破断させることができ、これにより酢酸ビニル樹脂系シートをコンクリートとの付着を保ったまま、ひび割れに追随して変形させることが可能となる。
また、かかる目地部材において、前記切欠部は、前記壁面に発生する引っ張り応力によって、前記エチレン酢酸ビニル樹脂系シートと前記コンクリートとの付着が剥がれるよりも前、且つ、前記エチレン酢酸ビニル樹脂系シートが破れるよりも前に、前記基材を破断させるものであることが望ましい。このような目地部材によれば、より確実に止水を行うことが可能である。
さらに、かかる目地部材において、前記切欠部に充填される充填材を有していてもよい。このような目地部材によれば、壁面の目地の形状を塞ぐことが可能である。また、充填材に木製の棒を用いると、例えば釘止めによってコンクリート型枠に容易に且つ確実に固定することが可能となる。
また、かかる目的を達成するために、本発明の建築物は、コンクリートの壁と、前記壁の壁面に凹設された目地と、前記目地内部を覆うエチレン酢酸ビニル樹脂系シートと、前記エチレン酢酸ビニル樹脂系シート上に配置され、前記壁面と略同一平面を形成する端面を有する基材と、を備え、前記壁面に発生する引っ張り応力によって、前記エチレン酢酸ビニル樹脂系シートと前記コンクリートとの付着が剥がれるよりも前、且つ、前記エチレン酢酸ビニル樹脂系シートが破れるよりも前に前記基材を破断させる切欠部が、当該基材の前記端面に形成されていることを特徴とする。
このような建築物によれば、目地部分の構成を簡素に、且つ、小さくすることができ、また、ひび割れや打継ぎ部分の止水を確実に行うことが可能である。また、エチレン酢酸ビニル樹脂系シートが破れたりコンクリートから剥がれたりすることを防止でき、より確実に止水を行うことが可能である。
本発明によれば、目地部分の構成の簡素化及び小型化を実現でき、さらに確実に止水を行うことが可能である。
以下、本発明の一実施形態について図面に基づいて説明する。
===第1の実施形態===
図1は、目地部材10′を備えた建築物11を示す断面図である。図1に示す建築物11は、コンクリート20、目地12、目地部分10′を備えている。本実施形態では建築物11は、打放しコンクリート仕上げであることとする。
コンクリート20は、建築物11の躯体(壁など)を構成するものである。
目地12は、コンクリート20の壁面に、例えば鉛直方向に沿って凹設されている。
目地部分10′は、目地12の溝内部に配設されている。また、目地部分10′は、目地12内部を覆うエチレン酢酸ビニル樹脂系シート(以下、EVAシートと称する)14、EVAシート14上に配置され、コンクリート20の壁面と略同一平面を構成する端面を有する基材16、を有している。
また、基材16の端面には切欠部17が形成されている。なお、目地部分10′は後述する目地部材10に基づいて形成されたものである。
≪目地部材の構成≫
図2は、本発明の第1の実施形態に係る目地部材10の構成の一例を示す斜視図である。目地部材10は、基材16、EVAシート14、棒部材18(充填材)を備えている。
基材16は、図1の目地12に応じた形状(例えば半円形)の曲面(外形形状)と、建築物11の壁面と略同一平面を形成する端面とを有している。また、基材16の端面には、棒部材18が埋設されている。基材16としては、例えばポリマーセメントモルタルやモルタルなどのセメント系材料が好ましい。これらのセメント系材料は、EVAシート14との付着強度、密着性が高く、また、目地形成後に脱型を行う必要がない。本実施形態では基材16に、ポリマーセメントモルタルを適用することとする。
棒部材18は、例えば断面が台形の木製の目地棒である。なお、図1の目地部分10′は、目地部材10から、この棒部材18が除去されることによって形成されたものである。
EVAシート14は、伸び率及び止水性に優れた止水材であり、基材16の曲面に沿って配置されている。
図3は、EVAシート14の構造を説明するための図である。図3に示すようにEVAシート14は、シート本体14aと、シート本体14aの表面に形成された起毛層14bとを備えている。EVAシート14に起毛層14bが形成されていることによって、基材16やコンクリート20などのセメントの成分が起毛層14bの間に浸込んで毛を掴んで固まるため、これらとの付着強度及び密着性が高まることになる。
表1は、EVAシート14と、図13の目地部材300の止水シート302として使用される非加硫ブチルゴムとの物性を比較したものである。
Figure 0005055998
なお、付着強度はコンクリート(あるいはモルタル)との付着強度を示している。表1よりEVAシート14の付着強度及びせん断強度は、非加硫ブチルゴムに比べて高いことがわかる。例えば表1より、非加硫ブチルゴムでは、付着強度が1kgf/cmであり、コンクリートとの剥離(浮き上がりを含む)が生じないために必要とされる強度(4kgf/cm)を満たしていない。一方、EVAシート14では、付着強度が9kgf/cmであるので剥離が生じないことになる。
また、EVAシート14の伸び率は500%である。これは、非加硫ブチルゴムの伸び率よりは小さいが、コンクリート20のひび割れに追従するのには十分な値である。ただし、この伸び率は図3における面内方向(A方向)の伸び率であり、厚み方向(B方向)の伸び率は、この値とは異なる。
図4は、EVAシート14における応力と厚み方向の伸び率の関係の一例を示した図である。図4より、前述した付着強度(9kgf/cm)の応力に対する厚み方向の伸び率は10%を越える程度であることがわかる。例えば、図3においてEVAシート14の厚さが1mmの場合、B方向に9kgf/cmの引っ張り応力を加えても、B方向には0.1mm程度しか伸びないことになる。つまり、図1に示す建築物11の壁面の表層部分におけるEVAシート14の伸びが小さいことになり、ひび割れが発生すると、この部分でEVAシート14とコンクリート20とが剥離したり、EVAシート14が破れたりする可能性がある。
そこで、本実施形態の目地部材10では基材16に切欠部17を設けている。この切欠部17は、壁面の表層部のEVAシート14とコンクリート20との付着が剥がれるよりも前、且つ、EVAシート14が破れるよりも前に基材16を破断させるべく形成されている。図1において切欠部17で基材16が破断すると、EVAシート14が、破断した基材16及びコンクリート20との付着を保ったまま、ひび割れに追従することができるようになる。従って、EVAシート14によって確実に止水を行うことが可能となる。
≪目地部材の形成方法≫
図5(a)〜(c)は、目地部材10の形成方法の一例を示す図である。まず、図5(a)に示すように、断面が半円形状の金型30の内面に沿ってEVAシート14を配置する。また、同図に示すように、棒部材18を治具(不図示)等によってEVAシートの上方に保持しておく。そして、図5(b)に示すように、棒部材18とEVAシート14との間にポリマーセメントモルタルを流し込む。ポリマーセメントモルタルが固まった後(基材16の形成後)、図5(c)に示すように金型30を除去する。
このように、目地部材10は容易に形成することができる。また、目地部材10は、この方法以外によっても形成することが可能である。例えば金型30にEVAシート14を配置した後、EVAシート14内に所定量のポリマーセメントモルタルを流し込み、ポリマーセメントモルタルが固化する前に棒部材18をその上方から押し込むようにしてもよい。
≪建築物の施工方法≫
図6(a)〜(c)は、目地部材10を用いた建築物11の施工方法の一例を説明するための図である。
まず、図6(a)に示すように、コンクリート型枠22におけるコンクリート打込み側の所定位置に、目地部材10を固定する。この固定は、コンクリート型枠22と棒部材18とを、例えば釘止めすることにより行うことができる。
そして、図6(b)に示すように、コンクリート型枠22内にコンクリート20を打込む。
コンクリート20が固まった後、コンクリート型枠22、および棒部材18の脱型を行う。こうすることにより、図6(c)に示すように、目地12、及び目地部分10′を備えた建築物11が形成される。なお、木製の棒部材18と、ポリマーセメントモルタルの基材16との付着強度は弱く(例えば1kgf/cm)、棒部材18は基材16から容易に脱型することが可能である。
≪他の適用例≫
図7は、目地部材10の他の適用例を示す図である。図7に示す建築物11′は、コンクリート20、目地部分10′、鉄筋40、無収縮モルタル50、塩化ビニルパイプ52を備えている。
鉄筋40は、横筋40aと縦筋40bとによって格子状に形成されたものであり、建築物11′の内部に間隔を隔てて配筋されている。
塩化ビニルパイプ52は、コンクリート20との界面付着がほとんどないパイプであり、鉄筋40の間に挟まれて埋設されている。
無収縮モルタル50は、塩化ビニルパイプ52内に充填されている。
以上の構成により、塩化ビニルパイプ52と、目地部材10′との間のコンクリート20の厚さが、その周辺と比べて薄くなっているため、建築物11′に発生するひび割れ21を、塩化ビニルパイプ52と、目地部材10′との間に確実に誘発することが可能となる。
従って、EVAシート14によって、コンクリート20のひび割れ21への水分の浸入を確実に止水することができ、鉄筋40の発錆や劣化を防止することができる。
===第2の実施形態===
図8は、本発明の第2の実施形態に係る目地部材100の一例を示す斜視図である。図8において、図2と同一構成の部分には同一符号を付し説明を省略する。
図8に示す目地部材100は、EVAシート14、基材16aを備えている。また、基材16aは、例えば半円形状の曲面と、壁面と略同一平面を形成する端面とを有している。そして、その端面には線状の切欠部19が形成されている。
目地部材100は、例えば第1の実施形態と同様の金型30の内面にEVAシート14を配置し、そこにポリマーセメントモルタルを流し込んで固めた後、その端面に切欠部19を形成することにより得られる。なお、切欠部19は、例えばカッターなどを用いてポリマーセメントモルタルを切除することで形成することができる。この切欠部19も、前述した切欠部17と同様、壁面の表層部のEVAシート14とコンクリート20との付着が剥がれるよりも前、且つ、EVAシート14が破れるよりも前に基材16aを破断させるべく適宜の大きさ(深さ)に設けられている。
本実施形態では切欠部19内は空洞であることとするが、切欠部19に、例えば低強度モルタル、樹脂、塩化ビニル(充填材)などを充填するようにしてもよい。こうすることにより、切欠部19の空洞の形状を塞ぐことが可能である。
図9(a)〜(d)は、目地部材100を用いた建築物110の施工方法の一例を示す図である。なお、建築物110は、下地モルタル付きのタイル張りコンクリートであることとする。
まず、目地部材100の基材16aの端面に、例えば両面テープ(不図示)の一方の面を貼着する。そして、当該両面テープの他方の面を、コンクリート型枠22の所定位置に貼着する。こうして図9(a)に示すように、コンクリート型枠22と目地部材100を固定する。
この状態で、図9(b)に示すように、コンクリート型枠22内にコンクリート20を打込む。
コンクリート20が固まった後、図9(c)に示すように、コンクリート型枠22の脱型を行い、さらに両面テープを目地部材100から除去する。
この後、タイル張り仕上げの周知の施工方法により、図9(d)に示すように、下地モルタル32、張付けモルタル34、タイル36、バックアップ材38、弾性シーリング材39をそれぞれ形成する。張付けモルタル34は、下地モルタル32とタイル36との接着を行うものであり、また、バックアップ材38はクッション性を有するものである。なお、バックアップ材38は切欠部19には入り込まず、切欠部19は空洞のままとなっている。本実施形態では弾性シーリング材39を設けるようにしているが、ひび割れへの水分の浸入はEVAシート14によって確実に止水することが可能であるので、弾性シーリング材39を設けないようにしてもよい。
このように目地部材100では、カッターなどによって線状の切欠部19を形成しているで、より簡素な構成とすることができ、また基材16aの端面側の面積をさらに小さくすることができる。また、切欠部19の位置で必ず基材16aを破断させることが可能になり、EVAシート14が、破断した基材16a及びコンクリート20との付着を保ったままひび割れに追従できるようになるので、ひび割れへの水分の浸入を確実に止水することができる。
===第3の実施形態===
前述した目地部材10、100では、それぞれ切欠部17、19を設けることにより、コンクリート20にひび割れが生じた場合に、基材16、16aが破断しやすくなるようにしたが、ひび割れを誘発する目的以外(例えばコンクリートの水平打継ぎ部)の場合には切欠部17、19を設けなくてもよい。
図10は、本発明の第3の実施形態に係る目地部材200の一例を示す斜視図である。図10において、図2と同一構成の部分には同一符号を付し説明を省略する。
図10に示す目地部材200は、基材16b、EVAシート14、ボルト24を備えている。
基材16bの端面には、ボルト24が所定間隔で複数配置されている。ボルト24は、耐腐食性の材料(例えば、ステンレスやプラスチック)で形成されており、その頭部側は基材16内に埋設され、雄螺子部側は基材16bの端面から突出している。
図11(a)〜(d)は、本発明の第3の実施形態に係る目地部材200の形成方法の一例を示す図である。
先ず、図11(a)に示すように、断面が半円形状の金型30の内面に沿ってEVAシート14を配置する。そして、図11(b)に示すように、例えば治具(不図示)等を用いて、ボルト24の頭部側をEVAシート14の内側に保持する。このとき、同図に示す距離aは、後述するコンクリート型枠23の厚さよりも十分大きくなるようにしておく。そして、図11(c)に示すように、金型30内のEVAシート14上にポリマーセメントモルタルを流し込み基材16bを形成する。そして、ポリマーセメントモルタルが固まった後、図5(d)に示すように金型30を除去する。
図12(a)〜(d)は、目地部材200を用いた建築物210の水平打継ぎ部の施工方法の一例を説明するための断面図である。なお、コンクリート型枠23には、目地部材200のボルト24に対応する位置に、ボルト24の雄螺子部を通すための開口が形成されていることとする。
先ず図12(a)に示すように、目地部材200から突出したボルト24の雄螺子部を、コンクリート型枠23の開口を介して、コンクリート型枠23の外側で、当該雄螺子部と螺合する雌螺子部を有するナット26によって締め付ける。このようにして、目地部材200をコンクリート型枠23に固定しておく。そして、下階部分のコンクリート20aの打込みを行う。この打込みによりEVAシート14とコンクリート20aの界面に目地12aが形成される。
コンクリート20aが固まった後、図12(b)に示すように、上階部分のコンクリート20bの打込みを行う。この打込みによりEVAシート14とコンクリート20bの界面に目地12bが形成される。
そして、コンクリート20bが固まった後、図12(c)に示すように、ナット26をボルト24の雄螺子部から取り外し、さらにコンクリート型枠23を脱型する。最後に、図12(d)に示すように、基材16bから突出したボルト24の雄螺子部分をサンダー等で切断し、ボルト24′とする。
このようにして、建築物210の水平方向の打継ぎ部分に目地12a、12bを形成することができる。そして、EVAシート14によって、コンクリート20aとコンクリート20bとの打継ぎ部への水分の浸入を確実に止水することができる。なお、本実施形態では、目地部材200に配設したボルト24と、ナット26を用いることによって目地部材200をコンクリート型枠23に固定することとしたが、固定方法はこれに限定されない。例えば前述した第2の実施形態と同様に両面テープを使用して固定するようにしてもよい。その場合、目地部材200にボルト24を設ける必要が無くなり、目地部材200をさらに簡素な構成とすることができる。
以上説明したように、本発明によれば、目地12に応じた外形形状を有する基材16と、その外形形状に沿って配置されたEVAシート14という簡素な構成により、目地12と同じサイズの目地部分10′を形成することができる。EVAシート14は、面内方向の伸び率が500%と高く、また、コンクリート20との付着強度および密着性が高いので、ひび割れや打継ぎ部の止水を確実に行うことができる。
上記実施形態においては、基材16、16a、16bの曲面部分を半円形状としたが、これには限定されない。例えば半楕円形状やU字状などの形状に形成してもよい。また、例えば台形の金型を用いて、基材の断面が台形となるようにしてもよい。
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
本発明の第1の実施形態に係る目地部材を適用した建築物を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る目地部材の構成の一例を示す斜視図である。 EVAシートの構造を説明するための図である。 EVAシートにおける応力と厚み方向の伸び率の関係を示した図である。 本発明の第1の実施形態に係る目地部材の形成方法を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る目地部材を用いた建築物の施工方法を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係る目地部材の他の適用例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る目地部材の構成の一例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る目地部材を用いた建築物の施工方法を説明するための図である。 本発明の第3の実施形態に係る目地部材の構成を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る目地部材の形成方法を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る目地部材を用いた建築物の水平打継ぎ部の施工方法を説明するための断面図である。 従来の目地部材を用いた目地構造を示す図である。
符号の説明
10、100、200 目地部材(本発明)
10′ 目地部分
11、110、210 建築物
12、12a、12b、305 目地
14 EVAシート
14a シート本体
14b 起毛層
16、16a、16b 基材
17、19 切欠部
18 棒部材
20、310 コンクリート
21 ひび割れ
22、23 コンクリート型枠
24 ボルト
26 ナット
30 金型
32 下地モルタル
34 張付けモルタル
36 タイル
38 バックアップ材
39 弾性シーリング材
40 鉄筋
40a 横筋
40b 縦筋
50 無収縮モルタル
52 塩化ビニルパイプ
300 目地部材(従来)
301 壁面下地材
302 止水シート
303 透水目地材

Claims (6)

  1. コンクリートの壁面の目地に配設される目地部材であって、
    前記目地に応じた外形形状を有する基材と、
    前記外形形状に沿って前記基材に配置されたエチレン酢酸ビニル樹脂系シートと、
    を備え
    前記エチレン酢酸ビニル樹脂系シートは、表面が起毛していることを特徴とする目地部材。
  2. コンクリートの壁面の目地に配設される目地部材であって、
    前記目地に応じた外形形状を有する基材と、
    前記外形形状に沿って前記基材に配置されたエチレン酢酸ビニル樹脂系シートと、
    を備え、
    前記基材は、セメント系材料であることを特徴とする目地部材。
  3. コンクリートの壁面の目地に配設される目地部材であって、
    前記目地に応じた外形形状を有する基材と、
    前記外形形状に沿って前記基材に配置されたエチレン酢酸ビニル樹脂系シートと、
    を備え、
    前記基材は、
    前記壁面と略同一平面を形成する端面を有し、当該端面に切欠部が形成されていることを特徴とする目地部材。
  4. 前記切欠部は、
    前記壁面に発生する引っ張り応力によって、前記エチレン酢酸ビニル樹脂系シートと前記コンクリートとの付着が剥がれるよりも前、且つ、前記エチレン酢酸ビニル樹脂系シートが破れるよりも前に、前記基材を破断させるものである、ことを特徴とする請求項3に記載の目地部材。
  5. 前記切欠部に充填される充填材を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の目地部材。
  6. コンクリートの壁と、
    前記壁の壁面に凹設された目地と、
    前記目地内部を覆うエチレン酢酸ビニル樹脂系シートと、
    前記エチレン酢酸ビニル樹脂系シート上に配置され、前記壁面と略同一平面を形成する端面を有する基材と、
    を備え
    前記壁面に発生する引っ張り応力によって、前記エチレン酢酸ビニル樹脂系シートと前記コンクリートとの付着が剥がれるよりも前、且つ、前記エチレン酢酸ビニル樹脂系シートが破れるよりも前に前記基材を破断させる切欠部が、当該基材の前記端面に形成されていることを特徴とする建築物。
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