JP5055998B2 - 目地部材、および建築物 - Google Patents
目地部材、および建築物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5055998B2 JP5055998B2 JP2006340194A JP2006340194A JP5055998B2 JP 5055998 B2 JP5055998 B2 JP 5055998B2 JP 2006340194 A JP2006340194 A JP 2006340194A JP 2006340194 A JP2006340194 A JP 2006340194A JP 5055998 B2 JP5055998 B2 JP 5055998B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- joint
- concrete
- joint member
- base material
- vinyl acetate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Building Environments (AREA)
Description
また、コンクリートの建築物において、コンクリートの打継ぎ部(各階躯体の区切りとなる水平方向の打継ぎ部、あるいは各階での工区割りにおける鉛直方向の打継ぎ部)にも、打継ぎ用の目地が凹設されている。
そして、これらの目地内部にシーリング材を充填することにより、コンクリートのひび割れや、打継ぎ部分への水分の浸入を防止している。
しかし、この場合、目地棒の脱型やシーリング材の充填が必要であり、作業が煩雑になるという問題があった。例えば、目地内部にシーリング材を充填する作業は、高度の熟練を要し、美しい仕上げを達成するには手間ひまがかかるものであった。また、シーリング材は、例えば紫外線などによって劣化するので、定期的に取り替える必要があるという問題もあった。
図13に示す建築物は、コンクリート310と、コンクリート310の壁面に凹設された目地305と、目地部材300とを備えている。また、目地部材300は、壁面下地材301、止水シート302、透水目地材303を有している。
壁面下地材301は、コンクリート310に物性の近い材料で形成され、コンクリート310の壁面と略同一平面を形成するように配置されている。
止水シート302は、壁面下地材301の裏面に固着されている。この止水シート302には、伸び率の高い非加硫ブチルゴムが使用されている。
透水目地材305は、吸水力を伴う透水性を有するもの(例えば連続発泡体、無機繊維材など)であり、止水シート302に固定されるとともに、目地305に嵌合されている。
この構成により、目地305の形成位置にコンクリート310のひび割れを誘発し、止水シート302および透水目地材303を組み合わせた止水機能によって、ひび割れへの水分の浸入を防止するようにしていた。
このような目地部材によれば、従来よりも目地部分の構成の簡素化及び小型化を実現でき、さらに確実に止水を行うことが可能である。また、コンクリートのセメントの成分がエチレン酢酸ビニル樹脂系シートの起毛部分に浸込んで毛を掴んで固まるため、コンクリートとの付着強度及び密着性を高めることができ、より確実に止水を行うことが可能である。
このような建築物によれば、目地部分の構成を簡素に、且つ、小さくすることができ、また、ひび割れや打継ぎ部分の止水を確実に行うことが可能である。また、エチレン酢酸ビニル樹脂系シートが破れたりコンクリートから剥がれたりすることを防止でき、より確実に止水を行うことが可能である。
図1は、目地部材10′を備えた建築物11を示す断面図である。図1に示す建築物11は、コンクリート20、目地12、目地部分10′を備えている。本実施形態では建築物11は、打放しコンクリート仕上げであることとする。
コンクリート20は、建築物11の躯体(壁など)を構成するものである。
目地12は、コンクリート20の壁面に、例えば鉛直方向に沿って凹設されている。
目地部分10′は、目地12の溝内部に配設されている。また、目地部分10′は、目地12内部を覆うエチレン酢酸ビニル樹脂系シート(以下、EVAシートと称する)14、EVAシート14上に配置され、コンクリート20の壁面と略同一平面を構成する端面を有する基材16、を有している。
また、基材16の端面には切欠部17が形成されている。なお、目地部分10′は後述する目地部材10に基づいて形成されたものである。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る目地部材10の構成の一例を示す斜視図である。目地部材10は、基材16、EVAシート14、棒部材18(充填材)を備えている。
棒部材18は、例えば断面が台形の木製の目地棒である。なお、図1の目地部分10′は、目地部材10から、この棒部材18が除去されることによって形成されたものである。
EVAシート14は、伸び率及び止水性に優れた止水材であり、基材16の曲面に沿って配置されている。
図5(a)〜(c)は、目地部材10の形成方法の一例を示す図である。まず、図5(a)に示すように、断面が半円形状の金型30の内面に沿ってEVAシート14を配置する。また、同図に示すように、棒部材18を治具(不図示)等によってEVAシートの上方に保持しておく。そして、図5(b)に示すように、棒部材18とEVAシート14との間にポリマーセメントモルタルを流し込む。ポリマーセメントモルタルが固まった後(基材16の形成後)、図5(c)に示すように金型30を除去する。
図6(a)〜(c)は、目地部材10を用いた建築物11の施工方法の一例を説明するための図である。
まず、図6(a)に示すように、コンクリート型枠22におけるコンクリート打込み側の所定位置に、目地部材10を固定する。この固定は、コンクリート型枠22と棒部材18とを、例えば釘止めすることにより行うことができる。
そして、図6(b)に示すように、コンクリート型枠22内にコンクリート20を打込む。
コンクリート20が固まった後、コンクリート型枠22、および棒部材18の脱型を行う。こうすることにより、図6(c)に示すように、目地12、及び目地部分10′を備えた建築物11が形成される。なお、木製の棒部材18と、ポリマーセメントモルタルの基材16との付着強度は弱く(例えば1kgf/cm2)、棒部材18は基材16から容易に脱型することが可能である。
図7は、目地部材10の他の適用例を示す図である。図7に示す建築物11′は、コンクリート20、目地部分10′、鉄筋40、無収縮モルタル50、塩化ビニルパイプ52を備えている。
鉄筋40は、横筋40aと縦筋40bとによって格子状に形成されたものであり、建築物11′の内部に間隔を隔てて配筋されている。
塩化ビニルパイプ52は、コンクリート20との界面付着がほとんどないパイプであり、鉄筋40の間に挟まれて埋設されている。
無収縮モルタル50は、塩化ビニルパイプ52内に充填されている。
以上の構成により、塩化ビニルパイプ52と、目地部材10′との間のコンクリート20の厚さが、その周辺と比べて薄くなっているため、建築物11′に発生するひび割れ21を、塩化ビニルパイプ52と、目地部材10′との間に確実に誘発することが可能となる。
従って、EVAシート14によって、コンクリート20のひび割れ21への水分の浸入を確実に止水することができ、鉄筋40の発錆や劣化を防止することができる。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る目地部材100の一例を示す斜視図である。図8において、図2と同一構成の部分には同一符号を付し説明を省略する。
図8に示す目地部材100は、EVAシート14、基材16aを備えている。また、基材16aは、例えば半円形状の曲面と、壁面と略同一平面を形成する端面とを有している。そして、その端面には線状の切欠部19が形成されている。
この状態で、図9(b)に示すように、コンクリート型枠22内にコンクリート20を打込む。
コンクリート20が固まった後、図9(c)に示すように、コンクリート型枠22の脱型を行い、さらに両面テープを目地部材100から除去する。
前述した目地部材10、100では、それぞれ切欠部17、19を設けることにより、コンクリート20にひび割れが生じた場合に、基材16、16aが破断しやすくなるようにしたが、ひび割れを誘発する目的以外(例えばコンクリートの水平打継ぎ部)の場合には切欠部17、19を設けなくてもよい。
図10に示す目地部材200は、基材16b、EVAシート14、ボルト24を備えている。
基材16bの端面には、ボルト24が所定間隔で複数配置されている。ボルト24は、耐腐食性の材料(例えば、ステンレスやプラスチック)で形成されており、その頭部側は基材16内に埋設され、雄螺子部側は基材16bの端面から突出している。
先ず、図11(a)に示すように、断面が半円形状の金型30の内面に沿ってEVAシート14を配置する。そして、図11(b)に示すように、例えば治具(不図示)等を用いて、ボルト24の頭部側をEVAシート14の内側に保持する。このとき、同図に示す距離aは、後述するコンクリート型枠23の厚さよりも十分大きくなるようにしておく。そして、図11(c)に示すように、金型30内のEVAシート14上にポリマーセメントモルタルを流し込み基材16bを形成する。そして、ポリマーセメントモルタルが固まった後、図5(d)に示すように金型30を除去する。
10′ 目地部分
11、110、210 建築物
12、12a、12b、305 目地
14 EVAシート
14a シート本体
14b 起毛層
16、16a、16b 基材
17、19 切欠部
18 棒部材
20、310 コンクリート
21 ひび割れ
22、23 コンクリート型枠
24 ボルト
26 ナット
30 金型
32 下地モルタル
34 張付けモルタル
36 タイル
38 バックアップ材
39 弾性シーリング材
40 鉄筋
40a 横筋
40b 縦筋
50 無収縮モルタル
52 塩化ビニルパイプ
300 目地部材(従来)
301 壁面下地材
302 止水シート
303 透水目地材
Claims (6)
- コンクリートの壁面の目地に配設される目地部材であって、
前記目地に応じた外形形状を有する基材と、
前記外形形状に沿って前記基材に配置されたエチレン酢酸ビニル樹脂系シートと、
を備え、
前記エチレン酢酸ビニル樹脂系シートは、表面が起毛していることを特徴とする目地部材。 - コンクリートの壁面の目地に配設される目地部材であって、
前記目地に応じた外形形状を有する基材と、
前記外形形状に沿って前記基材に配置されたエチレン酢酸ビニル樹脂系シートと、
を備え、
前記基材は、セメント系材料であることを特徴とする目地部材。 - コンクリートの壁面の目地に配設される目地部材であって、
前記目地に応じた外形形状を有する基材と、
前記外形形状に沿って前記基材に配置されたエチレン酢酸ビニル樹脂系シートと、
を備え、
前記基材は、
前記壁面と略同一平面を形成する端面を有し、当該端面に切欠部が形成されていることを特徴とする目地部材。 - 前記切欠部は、
前記壁面に発生する引っ張り応力によって、前記エチレン酢酸ビニル樹脂系シートと前記コンクリートとの付着が剥がれるよりも前、且つ、前記エチレン酢酸ビニル樹脂系シートが破れるよりも前に、前記基材を破断させるものである、ことを特徴とする請求項3に記載の目地部材。 - 前記切欠部に充填される充填材を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の目地部材。
- コンクリートの壁と、
前記壁の壁面に凹設された目地と、
前記目地内部を覆うエチレン酢酸ビニル樹脂系シートと、
前記エチレン酢酸ビニル樹脂系シート上に配置され、前記壁面と略同一平面を形成する端面を有する基材と、
を備え、
前記壁面に発生する引っ張り応力によって、前記エチレン酢酸ビニル樹脂系シートと前記コンクリートとの付着が剥がれるよりも前、且つ、前記エチレン酢酸ビニル樹脂系シートが破れるよりも前に前記基材を破断させる切欠部が、当該基材の前記端面に形成されていることを特徴とする建築物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006340194A JP5055998B2 (ja) | 2006-12-18 | 2006-12-18 | 目地部材、および建築物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006340194A JP5055998B2 (ja) | 2006-12-18 | 2006-12-18 | 目地部材、および建築物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008150865A JP2008150865A (ja) | 2008-07-03 |
JP5055998B2 true JP5055998B2 (ja) | 2012-10-24 |
Family
ID=39653330
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006340194A Expired - Fee Related JP5055998B2 (ja) | 2006-12-18 | 2006-12-18 | 目地部材、および建築物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5055998B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5034981B2 (ja) * | 2008-01-28 | 2012-09-26 | 株式会社大林組 | 建築物の施工方法及び目地部材付き型枠 |
JP5034980B2 (ja) * | 2008-01-28 | 2012-09-26 | 株式会社大林組 | 建築物の施工方法及び目地部材付き型枠 |
JP5034991B2 (ja) * | 2008-02-06 | 2012-09-26 | 株式会社大林組 | 目地部材及び建築物 |
JP2011226099A (ja) * | 2010-04-16 | 2011-11-10 | Ohbayashi Corp | 誘発目地形成部材及びそれを用いた誘発目地形成方法並びに誘発目地構造 |
JP5899546B2 (ja) * | 2013-02-21 | 2016-04-06 | 有限会社 守安ハウジングパーク | ひび割れ防止溝を有するコンクリート面形成施工方法とそれに用いる躯体 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57135613U (ja) * | 1981-02-19 | 1982-08-24 | ||
JPS6117148Y2 (ja) * | 1981-03-09 | 1986-05-26 | ||
JPH0266242A (ja) * | 1988-08-31 | 1990-03-06 | Taisei Giken Kogyo Kk | 構築物用目地部材 |
JP4399793B2 (ja) * | 2004-08-26 | 2010-01-20 | アオイテクノサービス株式会社 | 止水機能付き目地板 |
JP2008115556A (ja) * | 2006-11-01 | 2008-05-22 | Takenaka Komuten Co Ltd | 亀裂誘発目地部構造 |
-
2006
- 2006-12-18 JP JP2006340194A patent/JP5055998B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008150865A (ja) | 2008-07-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5055998B2 (ja) | 目地部材、および建築物 | |
JP4364937B1 (ja) | コンクリート打ち継ぎ用目地材、及び防水施工方法 | |
JP5171083B2 (ja) | 耐震補強構造及び耐震補強方法 | |
JP4958081B2 (ja) | コン止めスポンジ | |
JP2006200173A (ja) | コンクリート構造物の打継部分の止水機構及び止水部材 | |
EP3006642B1 (en) | Building panels comprising a construction plate and a mesh structure and process for manufacturing the building panel | |
JP3140216U (ja) | クラック誘発防水構造 | |
JP5553981B2 (ja) | トンネルの覆工コンクリート構造物の切削補強工法 | |
ITRM20110632A1 (it) | Trave strutturale perfezionata, sistema strutturale utilizzante tale trave perfezionata e metodo di realizzazione. | |
JPH1161978A (ja) | コンクリート構造及びその製造方法 | |
JP5034980B2 (ja) | 建築物の施工方法及び目地部材付き型枠 | |
JP2003293324A (ja) | コンクリート構造物の補強工法 | |
KR101777525B1 (ko) | 보강용 섬유판넬과 섬유지 적층판넬을 이용한 다양한 구조물의 보수 및 보강 공법 | |
JP5034991B2 (ja) | 目地部材及び建築物 | |
JP5034981B2 (ja) | 建築物の施工方法及び目地部材付き型枠 | |
JP7317663B2 (ja) | プレキャストpc床版 | |
JP2006291668A (ja) | コンクリート構造物の経年劣化状況の目視及びコンクリート片落下防止用ネット | |
JP2000226936A (ja) | 水平スリット施工部材 | |
KR20160027360A (ko) | 외단열 콘크리트 구조물의 시공방법 | |
JP3952879B2 (ja) | コンクリート版のひび割れ防止スリットの形成方法 | |
JP4905169B2 (ja) | 止水パネルの製造方法 | |
JP2006057394A (ja) | コンクリート構造物の誘発目地構造 | |
JP2004293153A (ja) | 鉄筋コンクリート造建築の帳壁用断熱複合パネル | |
JP4959459B2 (ja) | コンクリート建築物の構築法及びコンクリート建築物の構造 | |
JP3544205B1 (ja) | レンガ壁の乾式施工方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20091120 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120214 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120406 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120703 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120716 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150810 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |