JP4364937B1 - コンクリート打ち継ぎ用目地材、及び防水施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コンクリートの打ち継ぎ目地部に充填する防水材からなる棒状の目地棒本体部と、この目地棒本体部の周側面において、コンクリート打設用型枠に取り付ける一面を除く他面の少なくとも一部に設けた、部分的に突出する隙間形成部と、目地棒本体部における一面側と他面側とを結ぶように配した複数の貫通孔部と、を少なくとも備えるコンクリート打ち継ぎ用目地材とする。このコンクリート打ち継ぎ用目地材をコンクリート打設用の型枠のコンクリート打設面に取り付け、型枠を組み立てた後、この型枠の内側にコンクリートを打設する。コンクリートの硬化後、型枠を取り外し、コンクリート側に付着係止したコンクリート打設用型枠に配された複数の貫通孔部より、隙間充填材を注入する。
【選択図】図1
Description
しかも、充填した防水材は、その後必要に応じて養生しなければならない場合があり、施工時間の面においても効率が良くないものである。
しかも、型枠と共に取付けキャップを撤去することになるので、この取付けキャップが再利用できれば良いが、使用後に廃棄されることになると、やはり無駄な費用を要すると共に環境問題において望ましくないものと言わざるを得ない。さらに、コンクリートの表面、特に、目地部分を覆うような目地材上への化粧部材の貼着が難しいものと思われる。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるため技術的に種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
ここで、棒状とは、単純な直線状をしたものに限定されず、形成される打ち継ぎ目地部の形状に適合した形状を意味する。したがって、直線を組み合わせた十字状やT字状、□状、及び曲線状もしくは波線状をしたものも含む。
図3(a)において、目地棒本体部1a(1)は、一面11と、当該一面11を除く三つの周側面12a,12b,12cとによって構成される他面12とからなる。この目地棒本体部1aは、一面11及び対向する周側面12bが平行であって、一面11側の幅の寸法が、周側面12b側の幅の寸法より長い(幅広である)と共に、他面12において上面に位置する周側面12aが水平であり、他面12において底面に位置する周側面12cが一面11側から周側面12b側に向かって上るように傾斜する台形状の断面をしたものとして示されている。
この隙間形成部2は、本目地材10(具体的には、目地棒本体部1の他面12側)と打設されたコンクリート面との間に部分的に隙間を形成するものであり、目地棒本体部1における一面11を除く他の周側面部分(すなわち、他面12)の少なくとも一部に設けられている。
ここで、網状部材とは、目地棒本体部1の他面12側において、少なくとも貫通孔部13の開口領域を塞がないと共に、目地棒本体部1の他面12側と打設されるコンクリートと間に、隙間充填材を後から注入することが可能となる適度な空間(間隔が不均一な隙間)を形成することが可能な厚みを有するものを意味し、必ずしも網目を有する必要は無い。したがって、たとえば、貫通孔部13の開口領域を塞がない開口を有するシート体と、このシート体上に部分的に配された複数の突起物とから構成されたものであっても良い。
この隙間形成部2は、たとえば、曲折可能な金属製の網状部材からなるものであると、目地棒本体部1の他面12に巻き付けるように被覆すると、保形性を有し容易に取り付けることができる。
ここでの目地棒本体部1と一体的に成形されているとは、目地棒本体部1の他面12側において、貫通孔部13の開口領域を塞がないように複数の突起部が規則的に並んでもしくは不規則に点在して形成されていることをいう。したがって、たとえば、隙間形成部2を構成する突起部を形成するための複数の窪みが設けられた目地棒本体部1形成用の注形型を用い、この注形型の中に目地棒本体部1となる防水材を流し込んで固めることで、目地棒本体部1と隙間形成部2とが一体的に成形されるものとする。
この遮蔽部材3は、打設した硬化前のコンクリートの貫通孔部13への進入を制御するものであり、たとえば、隙間充填材の通過は可能とする目の細かいメッシュ状部材とすることができる。
このように遮蔽部材3が目地棒本体部1と接して備えられることで、打設されたコンクリートが貫通孔部13から漏出することを制御することができる。
この遮蔽部材3は、たとえば、隙間形成部2が曲折可能な金属製の網状部材からなるものであれば、目地棒本体部1の他面12に対する隙間形成部2の巻き付けに伴って一緒に効率良く容易に取り付けることができる。
この遮蔽部材3は、たとえば、隙間形成部2に貼り付けることで、容易に目地棒本体部1の他面12に取り付けることができる。
このように遮蔽部材3が隙間形成部2を介して備えられることで、隙間形成部2による隙間の確保を助長すると共に、打設されたコンクリートが貫通孔部2から漏出することを制御することができる。
このように遮蔽部材3が目地棒本体部1と接する第1の遮蔽部材3aと、隙間形成部2を介して備えられる第2の遮蔽部材3bとから構成されることで、隙間形成部2による隙間の確保を助長できることはもちろんのこと、打設されたコンクリートが貫通孔部3から漏出することを一層確実に制御することができる。
この窪み部14は、目地棒本体部1Bの他面側12とコンクリートとの間においてより広い隙間空間が得られるように構成した凹状領域形成手段であり、たとえば、目地棒本体部1Bの他面側12を切削することで、もしくは底面が突出した目地棒本体部1形成用の注形型を用いることで一体的に、それぞれ成形されるものとすることができる。
このフランジ部4は、硬化したコンクリートの表面において、目地棒本体部1とコンクリートとの境界部を蔽うように形成された外方に広がる羽根状のものであり、たとえば、目地棒本体部1と一体的に成形されものとすることができる。
この頭大係止部5は、目地棒本体部1側に位置する基端部52よりも突出方向先端に位置する頭部51の方が径大となるものであり、たとえば、釘状のアンカー部材とすることができる。
この接着補助部材6は、コンクリート面を覆って装飾的効果を高める、パネルやボード、タイル等といった化粧部材の貼り付けを可能とする、接着剤との濡れ性が良好な性質を有するものであり、たとえば、表面が凹凸状のシート状部材とすることができる。
まず、図12(a)に示すように、コンクリートの硬化後に型枠fを取り外す際、この型枠fから外れてコンクリート側に付着係止するように、型枠fのコンクリート打設面(内側)に、その一面11側を向けて本目地材10を取り付ける。本目地材10の型枠fへの取り付けは、たとえば釘材nを用いることで容易に行なうことができる。また、この釘材nは、後に型枠fと共に撤去されるように、頭無し釘とすると望ましい。
引き続き、図12(c)に示すように、型枠f,fの内部に前打コンクリートc1を打設する。
その後、前打コンクリートc1を硬化させ、所定期間コンクリートを養生させてから、図12(d)に示すように、本目地材10がコンクリート側に付着係止するように型枠f,fを取り外し解体する。なお、この際、型枠fと共に釘材nが撤去されずにコンクリート面よりはみ出ている場合は、このはみ出た釘材n部分を切除する。
そして、図13(b)に示すように、後打コンクリートc2を硬化させ、所定期間コンクリートを養生してから型枠f,fを解体する。この際、本目地材10は除去しない。
Claims (9)
- コンクリート打設用型枠のコンクリート打設面に取り付けられ、前打コンクリートと後打コンクリートの境界部分に打ち継ぎ目地部に形成するのに用いられるコンクリート打ち継ぎ用目地材であって、
前記打ち継ぎ目地部に充填する防水材からなる棒状の目地棒本体部と、
前記目地棒本体部の周側面において、前記コンクリート打設用型枠に取り付ける一面を除く他面の少なくとも一部に設けた、部分的に突出する隙間形成部と、
前記目地棒本体部における一面側と他面側とを結ぶように配した複数の貫通孔部と、
を少なくとも備えることを特徴とするコンクリート打ち継ぎ用目地材。 - 前記隙間形成部は、前記目地棒本体部の他面側に設けた網状部材によりなることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート打ち継ぎ用目地材。
- 前記隙間形成部は、前記目地棒本体部と一体的に成形されていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート打ち継ぎ用目地材。
- 前記目地棒本体部の他面側に、当該目地棒本体部と接して、もしくは前記隙間形成部を介して、コンクリートの通過を制御する遮蔽部材をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコンクリート打ち継ぎ用目地材。
- 前記目地棒本体部は、前記他面側に窪み部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のコンクリート打ち継ぎ用目地材。
- 前記目地棒本体部は、前記一面側において外方に広がるフランジ部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のコンクリート打ち継ぎ用目地材。
- 前記目地棒本体部は、前記他面側において突出する頭大係止部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のコンクリート打ち継ぎ用目地材。
- 前記目地棒本体部は、前記一面側において化粧部材の貼り付けを助長する接着補助部材を一体的に備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のコンクリート打ち継ぎ用目地材。
- 前打コンクリートと後打コンクリートの境界部分に形成される打ち継ぎ目地部に充填する防水材からなる棒状の目地棒本体部と、前記目地棒本体部の周側面において、コンクリート打設用型枠のコンクリート打設面に取り付けられる一面を除く他面の少なくとも一部に設けた、部分的に突出する隙間形成部と、前記目地棒本体部における一面側と他面側とを結ぶように配した複数の貫通孔部と、を少なくとも備えるコンクリート打ち継ぎ用目地材を用いた防水施工方法であって、
コンクリートの硬化後に前記コンクリート打設用型枠を取り外す際、このコンクリート打設用型枠から外れてコンクリート側に付着係止するように、前記コンクリート打設用型枠のコンクリート打設面に、前記コンクリート打ち継ぎ用目地材を取り付ける第一工程、
前記コンクリート打ち継ぎ用目地材が取り付けられた前記コンクリート打設用型枠を組み立ててその内側にコンクリートを打設し、このコンクリートの硬化後、前記コンクリート打ち継ぎ用目地材がコンクリート側に付着係止するように前記コンクリート打設用型枠を取り外す第二工程、
前記コンクリート側に付着係止した前記コンクリート打ち継ぎ用目地材に配された複数の貫通孔部より、隙間充填材を注入する第三工程、
を含むことを特徴とする防水施工方法。
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