JP3268500B2 - 害虫駆除剤 - Google Patents

害虫駆除剤

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JP3268500B2 JP23724290A JP23724290A JP3268500B2 JP 3268500 B2 JP3268500 B2 JP 3268500B2 JP 23724290 A JP23724290 A JP 23724290A JP 23724290 A JP23724290 A JP 23724290A JP 3268500 B2 JP3268500 B2 JP 3268500B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、害虫駆除用液剤に関し、さらに詳しくは、
ハエ、カ、ゴキブリ等室内害虫およびムカデ、ゲジゲ
ジ、ヤスデ等多足害虫の駆除効果に優れ、しかも低汚染
性で安全性の高い害虫駆除用液剤に関する。
〔従来の技術〕
一般に、害虫駆除剤、例えばエアゾール剤は、人畜に
被害を及ぼす蚊、蝿、蚤、南京虫、ゴキブリ、ダニ、ム
カデ、ゲジゲジなどの害虫を殺滅駆除するため、害虫駆
除成分を多量に含有する薬剤を噴射して直接虫体と接触
せしめるものである。これらの害虫は人間の住居内に棲
息することが多いため、害虫駆除エアゾール剤は人体に
影響を及ぼすものであってはならない。
さらに、このような害虫駆除エアゾール剤は、室外で
使用される他、室内でも使用されることから、床、壁、
家具、食器、玩具などを油分で汚染してはならない。
ところが、従来のエアゾール剤においては、害虫駆除
成分を溶解する溶剤としての石油分40〜50容量%及び噴
射剤50〜60容量%の処方が通常であり(例えば、特開昭
52−47922号公報、特開昭59−84801号公報等参照)、こ
のようなエアゾール剤を蝿や蚊、ゴキブリ等が匍匐、静
止している鏡面やガラス面、床面等に直接噴射するとそ
の表面が著しく汚染されることから明らかなように、そ
の汚染性は相当に高い。このため、台所や高級家具、絨
毯のある部屋等での使用はひかえられる傾向にある。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記したように、害虫駆除剤については、人体に対す
る安全性や取締り法規に規定された条件を満たすと共
に、害虫駆除効果に優れ、しかも低汚染性であることが
必要であるが、このような要求を全て満たす害虫駆除剤
は未だ開発されていないのが現状である。
ところで、上記低汚染性という要望だけを達成するた
めには、原液の量を減らし、噴射剤の量を増やせばよ
い。すなわち、例えば一般にエアゾール剤は、害虫駆除
成分とこれを溶解するケロシン等の溶剤から成る原液
と、これを噴霧するための噴射剤とから成っており、従
って、汚染性を低減するためには溶剤の配合量を減ら
し、噴射剤の配合量を増やせばよいわけである。しか
し、この方法では、汚染の少ない程度まで溶剤(原液)
の量を減らすと、害虫駆除成分の虫体内への付着性・浸
透性(量、速度)が悪くなり、害虫駆除効力は著しく低
下する。従って、単純に溶剤の配合量を減らし噴射剤の
配合量を増しただけでは、汚染性の低減という目的は達
成し得るが、害虫駆除効力も著しく減少するという問題
が生ずる。
また、従来の害虫駆除剤においては、ゴキブリ用、ハ
エ・カ用、アリ用等と数多くの各種害虫専用の剤、例え
ばエアゾール剤が市販されているが、対象の害虫専用の
殺虫剤を選択し、調合・製造されており、ハエ・カ用の
ものはゴキブリには効力が低い等の欠点があり、互換代
用性がなく使用しにくいものであった。
さらに、従来より、フロンガスが爆発性、燃焼性など
の危険性が無く、噴射状態も良好であるので、エアゾー
ル殺虫剤用の噴射剤としては最も広く用いられ、さらに
フロン系溶剤としても使用されてきた。しかしながら、
近年、米国において大気汚染のオゾン層破壊に伴う毒性
問題から使用禁止となり、わが国においても自主規制実
施の状況となっており、規制フロンを用いないエアゾー
ル製剤が望まれている。
従って、本発明の目的は、広範囲な種類の害虫に対し
ての害虫駆除効果に優れ、かつ低汚染の安全な害虫駆除
用液剤を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば、前記目的を達成するため、害虫駆除
成分0.001〜0.100w/v%を含有し、n−ペンタン、イソ
ペンタン及びシクロペンタンから成る群から選ばれた少
なくとも1種の、害虫麻酔効果を有する化合物を害虫駆
除用液剤全量の20v/v%以上含有することを特徴とする
アリ以外の室内害虫および多足害虫駆除用液剤が提供さ
れる。
さらに本発明によれば、その第二態様として、前記化
合物と共に、さらに害虫駆除成分を含有することを特徴
とする害虫駆除剤が提供される。
〔発明の作用及び態様〕
本発明の害虫駆除剤は、揮発性の高い前記特定の化合
物を含有することを特徴とするものであり、これらの化
合物が有する麻酔作用及び蒸発潜熱を利用した低温麻酔
作用によって害虫のノックダウン・致死効果を奏する。
また、本発明の第二態様の害虫駆除剤は、前記特定の
化合物と共に害虫駆除成分を含有せしめることによっ
て、前記特定の化合物による麻酔作用及び低温麻酔作用
と害虫駆除成分の作用による害虫のノックダウン・致死
効果とを併せ具有せしめたものである。
以下、本発明の害虫駆除剤のこの主要な作用について
説明する。
一般に、害虫の麻酔方法としては、ジメチルエーテル
や二酸化炭素、クロロホルムによる麻酔剤を適当量使用
して害虫を麻酔させ、一定時間後に蘇生し得るものが知
られ、各種生物試験等において使用されている。これら
の麻酔剤は、害虫の中枢神経系等に作用し、運動機能を
麻痺させて麻酔効果を発現するものである。その他、ド
ライアイス等による低温麻酔方法も知られている。
本発明者らは、害虫に対する麻酔作用について鋭意研
究の結果、前記した特定の化合物、n−ペンタン、イソ
ペンタン及びシクロペンタンが、従来より知られている
ジメチルエーテルなどよりも害虫に対し即効性の麻酔効
果を有し、害虫駆除剤として用いることができることを
見い出した。これらの化合物は、気門等から体内へ吸入
・吸収され、中枢神経に作用することにより麻酔効果を
現わすものと考えられ、吸入・吸収後の蘇生が生じにく
い量を施用することにより、運動機能の回復が阻害さ
れ、使用者に不快感を与えることなく殆ど完全に死滅せ
しめることができる。
また一般に、越冬中の生物は、その組織液の氷点以下
の過冷却状態でも、凍結が起こらなければ死に至ること
はなく、一部の昆虫では凍結しても温めると再び活動す
るものもあり、これらは昆虫の種類や成長段階によって
も異なることなどが知られている。このように、変温動
物である昆虫は、温度を下げることにより体温が下が
り、活動が低下し、ついには不動状態や休眠状態となる
ことは一般的によく知られた現象であり、恒温動物にお
いても極度に体温を下げることにより活動が低下する。
このような現象を段階的に見ると、まず昆虫を極度に
冷却することにより筋肉収縮運動が不能になり、硬化し
て不動となる寒冷硬化が生じ(いわゆる低温麻酔)、次
に温度を徐々に上げると体肢が動かし得るようになり、
さらに歩行できるようになり、飛行できるまでに回復す
る。
本発明は上記低温麻酔作用をも害虫駆除に利用したも
のであり、そのための冷却剤として揮発性の前記特定の
化合物を用い、該化合物の揮発による蒸発潜熱により害
虫の低温麻酔をも行なうものである。すなわち、上記冷
却剤を瞬時に噴射処理し害虫に付着せしめると、該化合
物の揮発に伴う蒸発潜熱により害虫の体温は奪われ、急
速冷却されて寒冷硬化により害虫の動きが止められ、い
わゆるノックダウン効果が得られる。しかし、この作用
のみでは、一時的に低温麻酔された状態であり、前記し
たように、しばらくすると通常の歩行、飛行などの運動
機能を回復するので、実用上の効果は得られ難いもので
ある。
しかしながら、本発明で用いる前記特定の化合物は、
上記低温麻酔作用の他にも前述した麻酔作用を有してい
るため、各種害虫に対しても著しい即効性を発現でき
る。従って、各種害虫に対するノックダウン致死効果を
有する新規な害虫駆除剤が提供される。
また、本発明の害虫駆除剤は、その殆ど大部分が揮発
性であるため害虫以外の床や壁に付着しても揮発してし
まい、残渣が殆ど残らず汚染の危険性がない。
本発明の害虫駆除剤は、害虫に直接噴射して付着せし
めることによって充分な効果が発揮されるものであり、
このような意味において、従来の空間用エアゾール(空
間噴霧)剤等に比べてその適用態様において趣を異にし
ており、いわば直接噴射塗布式ということができる。従
って、前記化合物の周辺への拡がりを抑え、多量の前記
化合物を昆虫の体表に塗布でき、比較的に強靭な害虫に
対しても十分量の害虫駆除剤塗布ができ、良好な害虫駆
除効力を有する。
また、本発明の第二態様においては、前記特定の化合
物に加えて、さらに従来より使用されている殺虫剤、忌
避剤等の害虫駆除成分を添加することにより、前記特定
の化合物の麻酔作用及び低温麻酔作用による害虫のノッ
クダウン・致死効果に加えての害虫駆除成分の各種作用
の相乗・相加効果により、さらに強靭な害虫に対しても
高い駆除効果が発現できる。
前記特定の化合物に加えて添加される害虫駆除成分と
しては、一般に用いられる各種薬剤が使用でき、例えば
アレスリン、ピレトリン、フタルスリン、レスメトリ
ン、ペルメトリン、フラメトリン、フェノトリン、サイ
フェノトリン、フエンフルスリン、プラレスリン、エン
ペンスリン等のピレスロイド系殺虫剤、フェニトロチオ
ン、DDVP、ジクロルボス、プロペタンホス、クロルピリ
ホス、ホキシム、アザメチホス、フェンチオン、ピリダ
フェンチオン、ブロモフォス等の有機リン系殺虫剤、プ
ロポクスル、メトキサジアゾン、カルバリル、エチオフ
ェンカーブ等のカーバメート系殺虫剤などの各種殺虫
剤;ピペロニールブトキサイド、オクタクロロジプロピ
ルエーテル、チオシアノ酢酸イソボルニル、N−(2−
エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタ−5−
エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−エチルヘ
キシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ[2,
2,2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドおよ
びβ−ブトキシ−β′−チオシアノジエチルエーテル等
の効力増強剤などが挙げられる。また一般に使用される
忌避剤や殺ダニ剤を使用することもでき、例えば、フタ
ル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、
N,N−ジエチル−m−トルアミド、サリチル酸フェニ
ル、安息香酸ベンジル等の防虫・忌避剤、安息香酸エチ
ル、サフロール、オイゲノール、シトロネロール、アネ
トール、l−カルボン、リナロール等の防虫性香料など
が挙げられる。
以上のような害虫駆除成分は、単独でも又は混合して
も用いることができる。このような害虫駆除成分をも含
有する本発明の害虫駆除剤は、前記特定の化合物の害虫
に対する麻酔及び低温麻酔によるノックダウン及び致死
効果と他の害虫駆除成分の作用による駆除効果とを併せ
具有するもので、前記害虫駆除成分の配合量が極微量で
も充分な除去効力を発揮する。後述する実施例からも明
らかなように、0.01w/v%以上の配合量で100%の死亡率
が得られ、実用上安全性、経済性等を考慮すると、害虫
駆除成分の配合量は1.0w/v%以下が好ましく、より好ま
しくは0.1w/v%以下である。
さらに、本発明の害虫駆除剤には、通常用いられてい
る効力増強剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消臭剤、香
料、着色剤等の各種添加剤を任意に添加することができ
る。その他、汚染の少ない量的範囲内において溶剤を添
加することもできる。例えば、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール
類;ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、灯油、ナフ
サ、n−パラフィン、イソパラフィン、芳香族系等の石
油系溶剤;アセトン等のケトン類;3−メチル−3−メト
キシブタノール等のエーテル類;エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレン
グリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリ
コールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル、グリ
コール類;シリコン系溶剤などが挙げられる。より好ま
しい揮散性溶剤としては、酢酸エチル(沸点76.8℃、以
下同様にカッコ内には各化合物の沸点を示す)、酢酸メ
チル(56.3℃)等のエステル類、n−ヘキサン(68.8
℃)、ヘプタン(98.4℃)、シクロヘキサン(80.8
℃)、ベンゼン(80.1℃)、イソプレン(34.1℃)等の
炭化水素類、アセトン(56.3℃)、メチルエチルケトン
(79.6℃)等のケトン類、フロン112(92.8℃)、フロ
ン114B2(47.3℃)、クロロホルム(61.2℃)、四塩化
炭素(76.7℃)等のフロン系、ハロゲン化物、エタノー
ル(78.3℃)、メタノール(64.7℃)等のアルコール
類、ジエチルエーテル(34.5℃)、ブチルエチルエーテ
ル(92℃)、ビニルエーテル(28.4℃)、メチルイソプ
ロピルエーテル(32℃)、メチルプロピルエーテル(38
℃)等のエーテル類などが挙げられるが、エアゾール剤
に製剤した場合の前記化合物及び害虫駆除成分の噴射剤
との相溶性あるいは反応性あるいはさらに毒性等を考慮
して選択することが望ましい。これらの揮散性溶剤は、
1気圧下で0℃以上100℃以下の沸点を有することが望
ましい。その理由は、この沸点範囲の揮散性溶剤であれ
ば、処理後適当な時間で揮散して、いつまでも噴射面に
残留せず、汚染の原因とならないためである。
また、エアゾール剤に製剤する場合の噴射剤として
は、ジメチルエーテル(DME)、プロパン、イソブタ
ン、ノルマルブタンなどの液化石油ガス(LPG)、また
規制対象外のフロンガスとして、フロン134a(1,1,1,2
−テトラフルオロエタン)、フロン123(2,2−ジクロロ
−1,1,1−トリフルオロエタン)、フロン141b(1,1−ジ
クロロ−1−フルオロエタン)、フロン142b(1−クロ
ロ−1,1−ジフルオロエタン)、フロン152a(1,1−ジフ
ルオロエタン)等、および窒素ガス、炭酸ガス等が利用
でき、またこれら噴射剤を混合して使用することもで
き、20℃で1−6kg/cm2の内圧にする事が好ましい。ま
た、噴射量は、効力面から1g/秒以上が好ましく、実用
上6g/秒以下が望ましく、バルブ、ボタン等で調整でき
る。バルブにおいては、ベーパータップ径が0〜0.3m
m、ステム径及びハウジング径は0.6mm以上であることが
好ましく、ボタンにおいては0.6mm以上、好ましくは1mm
以上であり、命中性を考慮すると、ボタンにはノズル部
を設け、好ましくは10mm以上である。
しかしながら、本発明の害虫駆除剤はエアゾール剤に
限定されることはなく、圧縮噴射方式、例えば弾性材や
加圧材・畜圧材を応用したエクセル方式(ゴム製の風船
状の袋内に薬剤を加圧充填し、そのゴムの弾性力を利用
して内容物を噴霧状に排出する方式)、エンバイロ方式
(化学的に反応する酸やアルカリ性物質を別々のカプセ
ルに入れておき、缶充填時に双方のカプセルを破り、直
ちにクリンプ(密封)して保圧せしめる方式)、トリガ
ー方式等も使用できる。また、単に溶液を封入した容
器、活性剤利用のフォーム剤等の剤型でも使用でき、他
の溶剤等との混合使用もできる。
〔実 施 例〕
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明す
る。
実施例1 10用のガラス容器の中にn−ペンタン及びi−ペン
タンの混合物(混合比50:50)10mlをいれた上面網付き
シャーレ(90mmφ)を底部におき、即時クロゴキブリの
成虫を10匹放飼し、経過時間ごとのノックダウン数を調
べた。尚、比較例としては市販のゴキブリ用殺虫剤の原
液(第3石油類)と麻酔剤として試験でよく使用される
ジエチルエーテルを用い、同様の試験を行った。その結
果を表−1に併せて示す。
上記表−1から明らかなように、ジエチルエーテルに
比べ、本発明の化合物は、ゴキブリ等の害虫に対し、揮
発後の蒸気接触・吸入等により著しく早いノックダウン
効果を示した。これに対して市販のゴキブリ用殺虫剤の
原液にはこの効果が全く認められなかった。
また、別途本発明の化合物を用い、ノックダウン後早
期にガラス容器外に取り出した場合は供試虫が蘇生し、
一方、10分後に取り出した供試虫は致死することから、
麻酔効果及び麻酔致死効果を有すると推定される。
実施例2 表−2に示す如き各種処方のエアゾール剤を調製し、
冷却効果、効力及び汚染性について調べた。効力試験
は、内径8cm、高さ6cmのガラス円筒の底部にネットを張
り、床面より1cm離して固定し、内部にクロゴキブリ成
虫5匹を放飼した後、底部より100cm上方から、各処方
のエアゾール剤を5秒間噴射し、このときの100%ノッ
クダウン時間(KT100)を求め、これを5回繰り返し、
平均値を求めた。冷却保持時間は100cm離れた位置から
エアゾール剤を床面に2秒間噴霧し、その表面温度が氷
点下である時間を測定し求め、さらに、汚染状態を観察
した。その結果を各々3段階に区分(汚染性は2段階)
して評価し、表−2に併せて示す。尚、市販のゴキブリ
用殺虫エアゾール剤(第3石油類150ml、LPG150mm)を
比較例として用いた。
前記表−2において、各符号の意味は以下のとおりで
ある。
[冷却保持時間] ○…氷点下保持時間が10秒以上。
△…氷点下保持時間が3〜10秒。
×…氷点下保持時間が3秒以下。
[汚染性] ○…残渣が殆どなく、処理前後の差がない。
×…残渣が認められ、処理前後の差が判断できる。
[効力] ○…ノックダウンまでの時間が5秒以下。
△…ノックダウンまでの時間が5秒以上30秒以下。
×…ノックダウンまでの時間が30秒以上。
前記表−2に示す結果から明らかなように、ペンタン
の配合量が20v/v%以上、好ましくは30v/v%以上で卓越
した害虫駆除効果が得られた。
実施例3 表−3に示す如き各種処方のエアゾール剤を調製し、
冷却効果、効力及び汚染性について調べた。効力試験は
内径8cm、高さ6cmのガラス円筒の底部にネットを張り、
底面より1cm離して固定し、内部にヤスデ5匹を放飼し
た後、底部より50cm上方から、各処方のエアゾール剤を
5秒間噴射し、このときの100%ノックダウン時間(KT1
00)を求め、これを5回繰り返し、平均値を求めた。冷
却保持時間は50cm離れた位置からエアゾール剤を床面に
2秒間噴霧し、その表面温度が氷点下である時間を測定
し求めた。その結果を各々3段階に区分(汚染性は2段
階)して評価し、表−3に併せて示す。尚、市販の不快
害虫用殺虫エアゾール剤(第3石油類 180ml、LPG−DM
E120ml)を比較例として用いた。
前記表−3において各符号の意味は、前記表−2と同
様である。
前記表−3に示す結果から明らかなように、本発明の
化合物は麻酔効果及び冷却麻酔効果を有し、従来品に比
較し卓越した害虫駆除効果及び低汚染性を有している。
実施例4 表−4に示す如き各種害虫に対して、本発明の化合物
(n−ペンタン、i−ペンタン、シクロペンタン)を炭
酸ガスにて5kg/cm2に調圧したエアゾール剤を噴射量1g/
秒に調整し、効力試験を行った。効力試験は、内径8c
m、高さ6cmのガラス円筒の底部にネットを張り、床面よ
り1cm離して固定し、内部に各種害虫5匹を放飼した
後、底部より75cm上方から、各処方のエアゾール剤を3
秒間噴射し、このときの50%ノックダウン時間(KT50)
を求め、さらにその供試虫を他の容器にすみやかに移
し、2時間後の死亡率を求め、これを5回繰り返し、平
均値を求めた。その結果を表−4に併せて示す。尚、市
販の不快害虫用殺虫エアゾール剤(第3石油類180ml、L
PG−DME120ml)を比較例として用いた。
上記表−4に示す結果から明らかなように、本発明の
化合物は、いずれの害虫に対しても市販の殺虫剤と比
べ、著しくノックダウンが早く、致死効果も非常に優れ
ている。これは麻酔効果及び冷却麻酔効果がいかなる害
虫に対してもほぼ同様に存在すると推定され、従来にな
い卓越した効果及び対象害虫の広範性を有する害虫駆除
剤であるといえる。
実施例5 i−ペンタン97w/w%、窒素ガス3w/w%に表−5に示
す如き害虫駆除成分を添加してエアゾール剤を調製し、
効力試験を行った。すなわち、内径8cm、高さ6cmのガラ
ス円筒の底部にネットを張り、底面より1cm離して固定
し、内部にクロゴキブリ成虫5匹を放飼した後、底部よ
り150cm上方から、各処方のエアゾール剤を1秒間噴射
し、このときの100%ノックダウン時間(KT100)を求
め、さらにその後クロゴキブリを他の容器に移し、24時
間後の死亡率を求め、これを5回繰り返し、平均値を求
めた。その結果を表−5に併せて示す。
表−5の結果から明らかなように、殺虫剤が添加され
ていないサンプルNo.9(対照)の場合、i−ペンタンの
麻酔効果及び低温麻酔効果により5秒未満のKT100を示
し、本発明のエアゾール剤は極めて高いノックダウン効
果を示すことが分かる。しかし、害虫駆除成分を小量添
加することによって高い死亡率が得られ、0.01v/v%に
おいても、殺虫効力が著しく優れている。すなわち、従
来より殺虫剤が少量で効果を発現するため、コスト低減
がはかれ、安全性も向上する。
また、ピレスロイド系殺虫剤に限らず、有機隣系殺虫
剤、カーバメイト系殺虫剤を添加した場合においても同
様の傾向がみられた。なお、共力剤を添加することも有
効であった。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明の害虫駆除剤は、前記した特定
の化合物の麻酔作用及び低温麻酔作用を利用して害虫の
ノックダウン・致死効果を奏するものであるため、アリ
以外の室内害虫及び多足害虫に対しての害虫駆除効果に
優れ、またこれらの化合物は揮発性が高く、使用後速や
かに揮散するため、低汚染性でしかも安全であるという
利点が得られる。
また、前記化合物に加えて害虫駆除成分を添加するこ
とにより、前記化合物の麻酔作用及び低温麻酔作用によ
る害虫のノックダウン・致死効果に加えての害虫駆除成
分の各種作用の相乗・相加効果により、さらに強靭な害
虫に対しても高い駆除効果が得られる。しかも、害虫駆
除成分を小量添加することによって高い死亡率が得ら
れ、殺虫効力が著しく優れている。従って従来より少量
の害虫駆除成分で効果を発現するため、コスト低減がは
かれると共に、安全性も向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−42603(JP,A) 特開 昭62−33115(JP,A) 特開 昭62−132803(JP,A) 特公 昭28−2650(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 27/00 A01N 25/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】害虫駆除成分0.001〜0.100w/v%を含有
    し、n−ペンタン、イソペンタン及びシクロペンタンか
    ら成る群から選ばれた少なくとも1種の、害虫麻酔効果
    を有する化合物を害虫駆除用液剤全量の20v/v%以上含
    有することを特徴とするアリ以外の室内害虫駆除用液
    剤。
  2. 【請求項2】害虫駆除成分0.001〜0.100w/v%を含有
    し、n−ペンタン、イソペンタン及びシクロペンタンか
    ら成る群から選ばれた少なくとも1種の、害虫麻酔効果
    を有する化合物を害虫駆除用液剤全量の20v/v%以上含
    有することを特徴とする多足害虫駆除用液剤。
  3. 【請求項3】1気圧において、沸点が0℃〜100℃の揮
    散性溶剤を配合することを特徴とする特許請求の範囲1
    または2記載の害虫駆除用液剤。
  4. 【請求項4】害虫駆除用液剤がエアゾール製剤である場
    合、その噴射量が1〜6g/l秒であることを特徴とする特
    許請求の範囲1または2記載の害虫駆除用液剤。
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