JP3199444B2 - 害虫防除方法 - Google Patents

害虫防除方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、害虫防除用エアゾール
剤組成物を噴射してエアゾールを形成することにより有
効に害虫の防除を行う害虫防除方法に関し、特に速効性
があり、かつ致死率が高い害虫防除用エアゾール剤組成
を噴射して害虫の防除を行う害虫防除方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、害虫防除用エアゾール剤は、害虫
そのものに直接適用するとか、害虫の出そうな場所に限
定的に使用されるため、有効性が高く、また速効性が高
く、エアゾール缶から噴射するので、簡便性があると
か、使用便宜性があり、かつ安全性が高いので、非常に
広く使用されている。
【0003】害虫防除用エアゾール剤は、殺虫剤などの
薬剤そのもの、或いはそれを溶媒に溶解した溶液、いわ
ゆる原液と噴射剤とをエアゾール缶に入れ、噴射剤の圧
力によりエアゾール缶のノズルから害虫のいる、或いは
来そうな適用場所に噴射して使用するものであり、原液
の組成や噴射剤の種類などは、その適用害虫などにより
最適の効果を生ずるように種々検討されている。
【0004】エアゾール剤の噴射剤としては、以前不燃
性の点からトリクロロフルオロメタン(フロン11)や
ジクロロジフロロメタン(フロン12)などのフロンガ
スが使用されていたが、フロンガスがオゾン層を破壊す
るという問題から使用が制限され、その代わりに主とし
て液化石油ガス(略称LPG、いわゆる液化石油ガスの
他に液化天然ガスをも包含する。プロパン、ブタン、イ
ソブタン等の低級炭化水素を主成分とする。)が用いら
れている。
【0005】殺虫用エアゾール剤の代表的なものは、例
えば、ピレスロイド系殺虫剤を無臭灯油と混合したもの
と液化石油ガスの噴射剤とをエアゾール缶に充填したも
のである。その場合、ピレスロイド系殺虫剤は溶媒に溶
解した原液として混合することもある。害虫防除用エア
ゾール剤については、種々の改良が提案されており、そ
の一つとして、特開昭56−167601号公報では、
エアゾール式殺虫駆虫剤をベニア板、布或いは紙等に噴
射した場合には、殺虫剤液が内部に浸透してしまい、殺
虫剤と害虫との接触の機会が少なくなるという問題を解
決するため、殺虫剤が塗布面に止まるように、エアゾー
ル剤中に、それ自身は常温で固体の物質で、エアゾール
剤中に均一に溶解し、噴射された時に固体として析出す
る非極性物質を含有させておいたエアゾール式殺虫駆虫
剤組成物が提案されている。この非極性物質としては、
例えば昇華性固体であるシクロデカン、ナフタリン等、
ろう状固体として固形パラフィン等が挙げられている。
【0006】そして、このエアゾール式殺虫駆虫剤組成
物では、常温固体の非極性物質が噴射剤のみでは均一に
溶解しない場合には、非極性で揮発性の高い溶剤を少量
用いて溶解することができるとされており、このような
溶剤として、塩化メチレン、クロロホルム、ペンタン、
ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン等が挙げられてい
る。また、このような溶剤は、必要以上に多量に加える
と、噴射した際に、常温固体の非極性物質が固体として
析出できなくなるので、できる限り少量加えるべきであ
るとされており、具体的にはエアゾール剤300mlを
製造するのに、固形パラフィン45gに対し塩化メチレ
ン10g又は20gという少量を使用している。
【0007】また、特開昭57−42603号公報に
は、エアゾール剤に限定されるものではないが、炭素数
5〜12の脂肪族炭化水素の1種又は2種以上を含有し
た蟻用殺虫剤が開示されており、この殺虫剤は、前記の
炭素数5〜12の脂肪族炭化水素が蟻に触れたときに、
その炭化水素自体が蟻に対し特異的に作用をする(薬効
作用であるかは不明であるが)というもので、その中で
炭素数5〜12の脂肪族炭化水素の1種又は2種以上
に、更にピレスロイド系殺虫剤を配合したものを噴射剤
とともにエアゾール缶に充填して、エアゾール剤とする
ことが示されている。しかし、具体例では、ピレスロイ
ド系殺虫剤を無臭灯油に溶解した原液20gをジメチル
エーテル及びLPG(配合割合は不明)の20gと一緒
に充填しているのみで、主としてプロパン、プタン、イ
ソプタンからなるLPGを使用した例を示してはいる
が、炭素数5〜12の脂肪族炭化水素を使用したエアゾ
ール剤については何も示していないものである。
【0008】さらに、殺虫用エアゾール剤ではないが、
打撲などの治療に使用する冷却エアゾール剤の分野で
は、特開平3−209315号公報には、イソペンタン
と液化石油ガスの混合比が60:40〜40:60重量
%である冷却エアゾール剤が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】殺虫用エアゾール剤
は、前述したように害虫そのものに直接噴射することが
できるため、有効性が高く、また害虫に直接殺虫剤がか
かるため、速効性が大きいが、殺虫剤などの薬剤の薬理
作用が働いて虫に効くためには多少の時間を要するの
で、速効性は大きいほどよい。特に、前記の薬理作用が
働いても虫が死ぬまでに時間がかかると、その間に虫が
移動して目に触れなくなれば、その後死んでも確認でき
ないから、使用した者には効果があったことが分から
ず、有効性がないと誤認されてしまい、殺虫用エアゾー
ル剤の商品価値の評価が低くみられることになる。ま
た、虫が移動すると、虫の周囲の場所に噴射により散布
されている薬剤の影響を受けなくなり、前記の作用が減
少するということも考えられる。更に、虫に噴射した後
で虫が動いていると、殺虫剤の効力が低いと誤認して、
再び噴射を行い、殺虫剤を過剰に使用することになる。
このことは人の健康上からも好ましいことではない。
【0010】このため、殺虫用エアゾール剤のような害
虫防除用エアゾール剤は、その速効性がなるべく大きい
方がよく、使用者にその有効性を確認できるようなもの
であることが必要である。もっとも、薬理作用がほとん
どなく、害虫が一時的に仮死状態になる(ノックダウン
率が高い)ような薬剤では、致死率が極めて低いため実
用性がなくて使用できないから、致死率が高いものがよ
く、更には殺虫剤成分を含有することが好ましいが、そ
れによる致死率になるべく近いか、或いはそれよりも高
いノックダウン率(初期)を有するものであることが好
ましい。
【0011】本発明は、上記の要望に沿って、速効性の
なるべく高い害虫防除方法を提供することを目的とする
ものである。また、本発明は、ノックダウン率が高くか
つ致死率の高い、使用時初期にその有効性を確認できる
害虫防除方法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決する手段を種々検討したところ、液化ガスを含有
する害虫防除用エアゾール剤において、液化ペンタンを
相当量多く含有させたものが、薬理的にも速効性が高い
ことを見いだし、この知見に基づいて研究を行い、次の
手段によって前記の目的を達成した。
【0013】(1) 主として液化ガスを含有する害虫
防除用エアゾール剤組成物を噴射しエアゾールを形成し
て害虫を防除する方法において、液化ペンタンと他の液
化ガス及び/又は圧縮ガスとの混合物を全体の75重量
%以上を含有し、このうち液化ペンタンを25重量%以
上を含有する害虫防除用エアゾール剤組成物を、噴射し
た際に液化ペンタンが液体として防除すべき害虫に付着
するように噴射することを特徴とする害虫防除方法
【0014】(2) 噴射する害虫防除用エアゾール剤
組成物が、液化ペンタンの保留剤として灯油を用いたも
のであることを特徴とする前記(1)記載の害虫防除方
法。 (3) 噴射する害虫防除用エアゾール剤組成物が、前
記灯油を全体の5〜15重量%含有するものであること
を特徴とする前記(2)記載の害虫防除方法。 (4) 噴射する害虫防除用エアゾール剤組成物が、液
化ペンタン単独もしくは他の液化ガス及び/又は圧縮ガ
スとの混合物7〜20重量部に対し、害虫防除剤含有原
液1重量部の割合で配合されたものであることを特徴と
する前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の害虫防
除方法。 (5) 害虫防除用エアゾール剤組成物を噴射して噴射
対象部位の冷却温度が低くなりすぎない有効冷却温度と
なるように噴射することを特徴とする前記(1)〜
(4)のいずれか1項に記載の害虫防除方法。
【0015】本発明で用いる液化ペンタンとしては、イ
ソペンタン、n−ペンタンのいずれか一方でもよく、ま
た両者の混合物でもよい。液化ペンタンとともに用いる
液化ガスとしては、プロパン、n−ブタン、イソブタ
ン、DME(ジメチルエーテル)、LPG、CO2 等を
挙げることができ、その少なくとも1種を用いることが
できる。なお、液化炭化水素としては、前記のプロパン
等の単一な炭化水素の外、前記のLPGのような炭化水
素の混合物でもよく、天然ガスの液化物をも含む。また
圧縮ガスとしては空気、アルゴンガス、炭酸ガス、窒素
ガス、笑気ガスを挙げることができ、その少なくとも1
種を用いることができる。これら他の液化ガス、圧縮ガ
スは単独、もしくは適宜組み合わせて用いることができ
る。
【0016】本発明において保留剤としては、灯油が液
化ペンタン用保留剤として好ましいが、その他、1,
1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、トリクロロ
モノフルオロメタン、四塩化炭素、1,1,2−トリク
ロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、クロロホル
ム、塩化エチレン、1,2−ジブロモ−1,1,2,2
−テトラフルオロエタンを挙げることができる。
【0017】本発明において、上記液化ペンタンは全ガ
ス量の25重量%以上となるように調整され、好ましく
は40重量%〜100重量%である。また、液化ガス及
び/又は圧縮ガスを加えたガスは、エアゾール剤全体の
75重量%以上となるように調整され、好ましくは80
重量%〜90重量%配合される。その配合を具体的に説
明すると、本発明のエアゾール剤は、液化ペンタン単独
からなってもよく、この場合液化ペンタンは噴射剤の作
用をし、噴射されたものは害虫防除作用をする。液化ペ
ンタンを害虫防除剤又は害虫防除剤含有溶液(以下、両
者を合わせた意味で「原液」ということがある)との混
合物として用いる場合には、原液は20重量%以下とす
るのが好ましく、害虫防除剤(有効成分)のみを混合す
るときには、極めて少量でよく、例えば0.01〜2重
量%とすることができる。この場合、液化ペンタンは害
虫防除剤の溶剤ともなり、全体の75重量%以上とす
る。前記害虫防除剤含有溶液としては、例えば灯油に害
虫防除剤を含有させたものが好ましく、この灯油は溶剤
としての作用と、液化ペンタンの保留剤の作用をする。
灯油の使用量は全体の5〜15重量%とすることが好ま
しい。
【0018】また、液化ペンタンを他の液化ガス及び/
又は圧縮ガスと混合して使用する場合には、液化ペンタ
ンの量は全体の25重量%以上とし、この場合液化ペン
タンは主として害虫防除作用をするが、圧力調整剤の作
用もするものと考えられる。他の液化ガスと圧縮ガスと
の使用割合は、噴射を最適にできるように適宜選択する
ことができる。前記の液化ペンタンと他の液化ガス及び
/又は圧縮ガスとの混合物を原液と混合して用いるとき
には、液化ペンタンの量は全体の25重量%以上とし、
原液の量は上記の液化ペンタンのみと混合する場合と同
様とすることが好ましい。また、前記の混合物の量はエ
アゾール剤全体の75重量%以上とする。その配合に際
しては、例えば液化ペンタン単独もしくは他の液化ガ
ス、圧縮ガスとの混合物7〜20重量部に対し、害虫防
除剤含有原液1重量部の割合で配合することが好まし
い。
【0019】本発明において、害虫防除用薬剤として
は、殺虫剤、殺蟻剤、殺穿孔虫剤、共力剤などの各種薬
剤を用いることができる。代表的な薬剤としては、O,
O−ジエチル−O−(5−フェニル−3−イソキサゾリ
ル)ホスホロチオエート、O,O−ジメチル−O−(3
−メチル−4−ニトロフェニル)ホスホロチオエート、
O,O−ジエチル−S−(2−エチルチオエチル)ホス
ホロジチオエート、γ−BHC、O,O−ジエチル−O
−〔2−クロロ−1−(2,4−ジクロロフェニル)ビ
ニル〕フォスフェート、O,O−ジメチル−S−(N−
メチル−カーバモイルメチル)フォスフォロジチオエー
ト、O,S−ジメチル−N−アセチルフォスフォロアミ
ドチオエート、O−エチル−O−2,4−ジクロロフェ
ニルベンゼンフォスフォノチオエート、2−メトキシ4
H−1,1,3,2−ベンゾオキサフォスフォラン−2
−4オン、メチルN−〔(メチルカーバモイル)オキ
シ〕チオアセトイミデート、O,O−ジメチル−S−
〔2−メトキシ−1,3,4−チアジアゾール−5(4
H)−オン−4−イル)メチル〕ジチオフォスフェー
ト、O,O−ジエチル−O−(3,5,6−トリクロロ
−2−ピリジル)フォスフォロチオエート、1,3−ビ
ス(カーバモイルチオ)−2−(N,N−ジメチルアミ
ノ)プロパンハイドロクロライド、ピリダフェレチオ
ン、ペルメトリン、フェノトリン、フェンプロパトリ
ン、フェンバレレート、アレスリン、レスメトリン、フ
ラメトリン、フェニトロチオン、フタルスリン、カーバ
リール、プロボクサー等の殺虫剤、他殺穿孔虫剤、クロ
ールデン、ペルメトリン、ヒドラメチルノン、ホウ酸等
の殺蟻剤、6−(プロピルピルピペロニル)−プチルカ
ルビチルエーテル、N−(2−エチルヘキシル)−1−
イソプロピル−4−メチルビシクロ(2,2,2)オク
ト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、イソボル
ニルチオシアノアセテート、アクタクロロジプロピルエ
ーテル(S421)等の共力剤等を挙げることができ
る。
【0020】また、害虫防除剤の有効成分の溶液を形成
するのに溶剤を用いることができ、その溶剤としては、
例えばヘキサン、3,3,4−トリメチルノナン、シク
ロヘキサン、灯油(ケロシン)、ナフサ、ノルマルパラ
フィン、イソパラフィン、流動パラフィンなどの石油系
溶剤、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどの塩化炭
化水素、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、
エチレングリコール、などのアルコール類及びエーテル
誘導体、及び水などである。
【0021】
【作用】本発明のエアゾール剤においては、液化ペンタ
ンのみを用いても殺虫活性を有し、その作用は従来のエ
アゾール剤においては全く知られていながったところで
あって、従来のエアゾール剤に噴射剤としてLPGなど
を使用したときには、LPGに少量のペンタンが含有さ
れていることから、噴射にさいしてはペンタンも同時に
噴射されているが、その量程度では本発明における効果
を生じさせることはできない。本発明では特定量以上と
いう多量の液化ペンタンを使用することにより有効な害
虫防除作用を与える。
【0022】本発明では、イソペンタン280ccと灯
油20ccとの配合物を14cm/3秒の条件で噴射す
るだけで殺虫活性が認められるが、他の液化ガスだけで
はこのような活性を期待することはできず、このため本
発明では液化ペンタンの配合割合に意味があり、その使
用の際において最も活性がよいのは冷却温度が−2〜5
℃であって、この場合−5℃のときよりも高い活性を有
する。本発明のエアゾール剤を噴射したときに害虫を冷
却する作用をするが、単純に冷却効果だけで全体の効果
が決まるわけではなく、前記したようにその温度の範囲
の外ペンタン自体の害虫に対する作用も関係しているよ
うである。
【0023】特に本発明は、抵抗性害虫に対して有効な
作用をする。従来の殺虫用エアゾール剤においては、エ
アゾール缶に充填する際、薬液の量をなるべく多くする
ため、液化石油ガス等の噴射剤の量はなるべく少ないよ
うにして、薬液全部を放出することができる程度に止め
るようにしている。このため、殺虫用エアゾール剤をノ
ズルから噴射したときには、噴射剤の液化石油ガスの気
化による気化熱がとられて、噴射したガスは温度が低い
ものであるが、それほど温度は低下しておらず、また液
化石油ガスはノズルから気体として出るので、容易に拡
散して害虫にまでにはあまり届かない。
【0024】本発明でエアゾール剤に含有させる液化ペ
ンタンは、沸点がn−ペンタンで36.1℃、イソペン
タンで30.0〜30.2℃で、常温常圧で液体であ
り、蒸気圧の高い、いわゆる低沸点溶剤であるため、こ
れを単独若しくは従来の薬剤及び液化石油ガスや圧縮ガ
スに加えて噴射するときには、それ単独が液体として、
或いは薬剤があるときには薬剤とともに液体として、前
記の気化熱にもとづく低温を保持したまま害虫に付着す
る。そして、本発明では液化ペンタン単独からなるか、
或いはその含有量が多いため、害虫を防除する作用が大
きい。更に、液化ペンタンは、常温で液体ではあるが、
比較的容易に気化するため、その気化熱によっても冷却
が行われる。このエアゾール剤が噴射されたときに生成
する液体の粒子の大きさも、有効な活性を得る上では最
適の効果を生ずるようなものとすることが好ましく、そ
のような粒子の大きさは例えば50〜300μmであ
る。
【0025】このため、本発明のエアゾール剤を噴射し
たときには、害虫が当初冷却されて麻痺し、それととも
にペンタン自体の害虫に対する有効な作用が害虫に働
き、かつ殺虫剤などの薬剤が害虫に作用し、これらのう
ちのペンタンの作用により害虫を致死せしめることがで
き、薬剤の添加量を減らすことが期待できる。そして、
速効性しか期待できなかった薬剤でも致死効果が期待で
きる。特に、害虫を冷却麻痺させておいた状態でペンタ
ンや薬剤が作用するため、それらの作用が強く働くの
で、速効性が大きく、かつ致死率が高くなる。しかも、
前記の冷却作用は、温度が下がればよいというわけでは
なく、実施例にみるように、本発明による液化ペンタン
を使用するときに害虫を防除する効果が最も大きい作用
がなされるようであるが、その作用機構は不明である。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。 実施例1 金属製300ml充填用エアゾール容器に、下記第1表
に記載した各種害虫防除剤を灯油に含有させた原液20
〜30mlを入れ、バルブを前記容器に取り付けた。次
いで、この容器にバルブを通してガスを充填し、全量を
300mlとし、本発明害虫防除用エアゾール剤組成物
を得た。第1〜2表には使用した液化ガスの種類を示す
とともに、それらの配合割合、その液化ガスと前記原液
との使用割合を重量百分率で示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】実施例2 本発明の害虫防除用エアゾール剤組成物を作り、その生
物試験を行った。用いた害虫防除用エアゾール剤の試料
は、次の組成を有するものである。 原液 イソペンタン LPG 試料1 20ml 130ml 150ml 試料2 20ml 100ml 180ml 前記原液として灯油100%のものを使用した。
【0030】これらの試料及び市販の殺虫用エアゾール
剤を用いて、噴射したときの冷却温度を測定し、また標
的害虫に対して21cm離した位置から3秒間噴射し
て、次のような生物試験を行った。 (冷却温度測定方法)棒状水銀温度系(JIS規格)の
感温部分に、水平距離で7〜35cm離れてノズルを立
てた状態で、エアゾール剤を3秒及び5秒間噴射する。
その直後からの温度計の目盛りを目視し、最低温度を記
録する。試験は25℃の恒温室で行い、繰り返しは最低
2回とする。 (生物試験−−改良ダーツ法)金網(4mm目)で作っ
た直径45mm、高さ30mmの円筒に、クロゴキブリ
雌成虫1頭を入れ、同じ金網で作った蓋(7cm×7c
m)をする。上方21cmの距離からエアゾール剤をノ
ズルを立てた状態で3秒間噴射し、直後に金網を取り去
る。その時点からのゴキブリの行動〔静止状態の有無、
及び回復(蘇生)するまでの時間〕を観察する。
【0031】その結果を以下のように表示する。 クロゴキブリ雌成虫のエアゾール噴射後の状態(頭
数): A:3分以上静止 B:1〜3分間静止 C:1分以内の静止 D:歩行 比較例として、市販のエアゾール剤を使用した。
【0032】試験結果を第3表に示す。
【0033】
【表3】
【0034】第3表によれば、本発明のエアゾール剤
は、特定ガスを特定配合量用いているため、生物試験で
も害虫に対する作用が強い。 実施例3 第4表に示す組成のエアゾール剤について、実施例2と
同様に冷却温度を測定し、かつ生物試験を行った。その
試験結果を第4表に示す。
【0035】
【表4】
【0036】第4表における生物試験は、実施例2と同
様な試験法であって、改良ダーツ法と呼ばれるものであ
る。第4表によれば、試料3の従来品では、冷却効果は
全く認められない。試料3のDMEをすべてLPGに置
き換えたもの(試料4)は、ある程度の冷却効果が得ら
れる。試料4のLPGをすべてブタンに置き換えたもの
は、更に冷却効果が増大する(試料5)。
【0037】また、灯油系原液をすべてイソペンタンに
変えると(試料6)、冷却効果は更に増大する。イソペ
ンタンに対するブタンの比率を増加させれば(試料7、
8)、更に冷却効果は増大する。ただし、噴射剤として
ブタンのみを用いた場合には(試料5)、内圧が低いた
めその効果が比較的大きくない。また、イソペンタンの
量が少ない場合には、1〜2分後に回復(蘇生)する個
体が認められる。 本発明のイソペンタンとLPGとを
配合したものは(試料10〜12)、LPG(4.0k
g/cm2 )を用いているため内圧が高くて噴射が容易
であり、冷却温度はやや高くなるが、ゴキブリに対する
効力は特に低下しない。試料6〜9のものに比して灯油
系原液を少量含有していても、冷却温度及びゴキブリに
対する効力は特に低下せず、冷却の持続性がある。試料
11、12でLPGとイソペンタンとの比率を変化させ
ると、それに応じて冷却温度及びゴキブリに対する効力
が変わってくる。 実施例4 本発明のエアゾール剤の噴射条件などによる冷却効果等
を調べるために、原液20ml、イソペンタン130m
l、LPG150mlの配合比率からなるエアゾール剤
を使用し、その際前記LPGとして組成を変えて圧力が
異なるものとし、またエアゾール缶のバルブ及びロング
ノズルとして特定のものを使用した。使用したLPGな
どに関する条件を第5〜6表に示す。
【0038】このエアゾール剤を前記のノズルなどによ
り噴射して、実施例2と同様に冷却温度を測定し、かつ
生物試験を行った。その試験結果を第6表に示す。
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】第6表における生物試験は、実施例2と同
様な試験法であって、改良ダーツ法と呼ばれるものであ
る。また、致死効果をみるため、前記のエアゾール剤
(有効成分:ペルメトリン0.33重量/容量%、ネオ
ピナミンf0.33重量/容量%)をロングノズルの先
端から21cm/3秒の条件で噴射したところ、80%
以上の致死率が得られた。これに対して、前記の殺虫成
分を含まないエアゾール剤を同じ先端から14cm/3
秒の条件で噴射したところ、80%以上の致死効果が得
られた。
【0042】
【発明の効果】本発明の害虫防除方法は、優れた速効性
を有し、致死効果も高い。特に、本発明で用いるエアゾ
ール剤組成物は抵抗性害虫に対して有効に作用する。更
に、液化ペンタンだけでも有効であり、害虫防除剤と併
用したときでも、液化ペンタン自体が害虫に対する作用
を有するため、薬剤の使用量を低減させることができ
る。そして、灯油系の保留剤の使用量が少なくてよいの
で、べとつき感がなく、また液化ペンタンはそれ自体無
臭であるため、エアゾール剤として無臭度の高いものが
得られる。更に、液化ペンタンは安定であるなどのた
め、缶の腐食が少ないなど安定性が高く、LPGなどに
比して沸点が高いので、安全である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−209303(JP,A) 特開 平3−170402(JP,A) 特開 平2−288811(JP,A) 特開 昭53−72821(JP,A) 特開 昭51−35421(JP,A) 特開 平4−120003(JP,A) 特開 平2−255889(JP,A) 特開 昭59−84802(JP,A) 特開 昭59−84801(JP,A) 特開 昭59−73502(JP,A) 特開 昭51−70826(JP,A) 特開 平3−209315(JP,A) 特開 昭57−42603(JP,A) 特開 昭56−167601(JP,A) 特公 昭28−2650(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 25/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主として液化ガスを含有する害虫防除用
    エアゾール剤組成物を噴射しエアゾールを形成して害虫
    を防除する方法において、液化ペンタンと他の液化ガス
    及び/又は圧縮ガスとの混合物を全体の75重量%以上
    を含有し、このうち液化ペンタンを25重量%以上を含
    有する害虫防除用エアゾール剤組成物を、噴射した際に
    液化ペンタンが液体として防除すべき害虫に付着するよ
    うに噴射することを特徴とする害虫防除方法
  2. 【請求項2】 噴射する害虫防除用エアゾール剤組成物
    が、液化ペンタンの保留剤として灯油を用いたものであ
    ることを特徴とする請求項1記載の害虫防除方法。
  3. 【請求項3】 噴射する害虫防除用エアゾール剤組成物
    が、前記灯油を全体の5〜15重量%含有するものであ
    ることを特徴とする請求項2記載の害虫防除方法。
  4. 【請求項4】 噴射する害虫防除用エアゾール剤組成物
    が、液化ペンタン単独もしくは他の液化ガス及び/又は
    圧縮ガスとの混合物7〜20重量部に対し、害虫防除剤
    含有原液1重量部の割合で配合されたものであることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の害虫防
    除方法。
  5. 【請求項5】 害虫防除用エアゾール剤組成物を噴射し
    て噴射対象部位の冷却温度が低くなりすぎない有効冷却
    温度となるように噴射することを特徴とする請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の害虫防除方法。
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