JP3538759B2 - 有害生物防除用エアゾール組成物 - Google Patents

有害生物防除用エアゾール組成物

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JP3538759B2 JP03902794A JP3902794A JP3538759B2 JP 3538759 B2 JP3538759 B2 JP 3538759B2 JP 03902794 A JP03902794 A JP 03902794A JP 3902794 A JP3902794 A JP 3902794A JP 3538759 B2 JP3538759 B2 JP 3538759B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有害生物防除用エアゾー
ル組成物に関する。詳しくは、殺虫剤および/または殺
ダニ剤などの油溶性の有効成分を油性溶媒中に溶解し、
使用時にエアゾール組成物を振とうし油性溶媒中に水を
分散させて用いる。使用時振とう型の有害生物防除用水
性エアゾール組成物に関する。
【0002】
【従来技術】従来より殺虫剤を水に希釈して使用するこ
とは、水性乳剤などですでに行なわれている。そして水
性のエアゾール組成物についても各種の検討が行われて
いる。例えば、特開昭55−43140号には、ガス
(LPG)、界面活性剤、水の混合比率が特定された水
性のエアゾール製剤が示されているのを始め、特開昭6
3−267704号にはピレスロイド系殺虫剤と、ポリ
オキシエチレンの付加モル数が15から30のポリオキ
シエチレン系の界面活性剤、石ケン系(例えばアルキル
ベンゼンスルホン酸など)の界面活性剤より選ばれた界
面活性剤を用いた水性ピレスロイド系殺虫組成物が、特
開平1−190609号には3−フェノキシベンジルを
有するピレスロイド系殺虫剤とカーバメイト系化合物ま
たは有機りん剤に、低級アルコール系溶剤5−20%に
水、さらにジメチルエーテルを含む噴射剤からなる組成
物を特定の耐圧容器に充てんする殺虫噴射剤、特開平1
−258607号には、ピレスロイド系の1群とさらに
他のピレスロイド系の1群より各々化合物を1種以上選
択し、これに有機溶剤(低級アルコール、グリコール類
など)および緩衝剤を添加してPHを7.0から9.0
に調整したジメチルエーテルを噴射剤とするエアゾール
殺虫剤が示されているが本発明の組成物に関することは
なんら示されていない。
【0003】そしてN−長鎖アシル−L−グルタミン酸
・ポリオキシエチレン(nモル)高級アルコールエーテ
ルジエステルおよびピログルタミン酸モノ脂肪酸グリセ
リルの用途としては、各種の研究がなされている。例え
ば、皮膚化粧料、整髪料、シャンプー、石けん、白濁化
粧水、白濁ヘアローションおよび白濁ヘアトニック(特
開昭49−63683号、特開昭50−154440
号、特開昭56−55307号)などは既に示されてい
るが、有害生物防除用組成物に用いることは、何ら記載
されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、環境に対する配
慮から油成分が少ない、より環境にやさしい薬剤が求め
られている。しかしながら殺虫成分および殺ダニ成分の
多くは油溶性であるため、これまで油性溶媒に溶解し、
各種の方法で噴射または散布されてきた。その内もっと
も油成分が少ない散布方法として害虫駆除業者が行って
きたULV法がある。これは、専用の噴射機器を用いる
必要があり、この機器は高価であることから一般の家庭
ではULV法は行われていない。そこで前記のようにこ
れまで水性エアゾール組成物が検討されているが、有効
成分の水への分散性、あるいは油性溶媒への溶解性など
の点から充分な製剤はできていない。
【0005】一方エアゾール製剤は、フロンガス全廃の
ために高圧ガス取締り法が改訂され、可燃性ガスがより
多くの場面で使用できるようになった反面、逆に使用時
の引火性あるいは爆発性について考慮する必要性が出て
きた。つまりより引火性あるいは爆発性が低い、あるい
は火炎長が短いことが要求されている。そこで水性エア
ゾール組成物はこの点からも有利な点が多く市場からの
要求は高い。しかし、殺虫成分などを溶解している有機
溶媒と水とが均一に分散した状態を安定して持続してい
る水性エアゾールを形成することは非常に困難なことで
ある。
【0006】本発明は、これらの欠点を解消した水性エ
アゾール組成物を得ることを目的とするものである。さ
らに、本発明は噴射時に殺虫成分などを溶解している有
機溶媒と水が均一に分散した状態を安定に維持しうる水
性エアゾール組成物を得ることを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、油
溶性の殺虫成分および/または殺ダニ成分を有効成分と
する水性エアゾール組成物の検討、詳しくは油溶性の殺
虫成分および/または殺ダニ成分を溶解した油性溶液、
分散助剤(界面活性剤)、水および噴射剤からなる水性
エアゾール組成物を検討した結果、特定の界面活性剤を
用いることで、使用時に振とうすることで均一なW/O
のエマルジョンが得られる水性エアゾール組成物を調製
し本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、油溶性の殺虫成分お
よび/または殺ダニ成分からなる有効成分、分散助剤、
水、油性溶媒、防錆剤および噴射剤からなるエアゾール
組成物において、有効成分を前記油性溶媒に対して0.
1〜10(w/v)%含有し、分散助剤として少なくと
もN−ラウロイル−グルタミン酸・ポリオキシエチレン
(5モル)2−オクチルドデシルエーテルジエステルお
よび/またはピログルタミン酸モノオレイン酸グリセリ
ルを前記油性溶媒に対して1.0〜15(w/v)%含
有し、防錆剤として安息香酸ナトリウムを前記水に対し
て0.1〜0.5重量%含有することにより、防錆剤添
加に対して乳化力が低下せず、分散する時間が短くなら
ないようにし、前記の目的を達成した。
【0009】本発明において油溶性の殺虫成分の1つと
してはピレスロイド系化合物が挙げられる。例えば、d
−フェノトリン(3−フェノキシベンジル d−シス/
トランス−クリサンテマート)、ペルメトリン(3−フ
ェノキシベンジル dl−シス/トランス−2,2−ジ
メチル−3−(2’,2’−ジクロロビニル)−シクロ
プロパンカルボキシレート)、レスメトリン((5−ベ
ンジル−3−フリル)メチル dl−シス/トランス−
クリサンテマート),アレスリン(dl−3−アリル−
2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル dl
−シス/トランス−クリサンテマート)、フタルスリン
((N−3,4,5,6−テトラヒドロ−フタルイミ
ド)メチル dl−シス/トランス−クリサンテマー
ト)、エムペントリン(1−エチニル−2−メチル−2
−ペンテニル dl−シス/トランス−クリサンテマー
ト)、1−エチニル−2−エチル−2−ペンテニル−
2,2,3,3−テトラメチル−シクロプロパンカルボ
キシレート、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニ
ル−2,2−ジメチル−3−(2’,2’−ジクロロビ
ニル)−シクロプロパンカルボキシレート、d,d−プ
ラレトリン(d−2−メチル−4−オキソ−3−プロパ
ルギルシクロペント−2−エニル d−シス/トランス
−クリサンテマート)、テフルスリン(2,3,5,6
−テトラフルオロ−4−メチルベンジル−3−(2’−
クロロ−3’,3’,3’−トリフルオロ−1−プロペ
ニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレ
ート)、ベンフルスリン(2,3,5,6−テトラフル
オロベンジル−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,
2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート)、テラ
レスリン(3−アリル−2−メチル−4−オキソシクロ
ペント−2−エニル 2,2,3,3−テトラメチルシ
クロプロパンカルボキシレート)およびこれらの化合物
の異性体、誘導体および類縁体などが用いられ、これら
ピレスロイド系化合物より選択した1種以上の化合物
を、有害生物防除用エアゾール組成物に配合できる。
【0010】さらに他の油溶性の殺虫成分として有機り
ん系殺虫剤あるいはカーバメイト系殺虫剤が挙げられ
る。例えば、有機りん系殺虫剤としてはフェニトロチオ
ン、クロルピリホス、マラソン、ジクロルボス、ピリダ
フェンチオンおよびトリクロホンなど、カーバメイト系
殺虫剤としてはカルバリル、ベンフラカブル、プロポキ
スルなどが例示できる。
【0011】そして、油溶性の殺虫成分の1種としてピ
レスロイド系化合物の殺虫効力を増強する化合物(一般
の協力剤)としては、例えばピペロニルブトキサイド、
オクタクロロジプロピルエーテル、N−(2−エチルヘ
キシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ
〔2,2,2〕オクト−5−エン−2,3−ジカルボキ
シイミド、イソボルニルチオシアノアセテートおよびN
−(2−エチニル)−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプタ
−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドなどより選択
された化合物の1種以上を有害生物防除用エアゾール組
成物に添加することもできる。
【0012】本発明において油溶性の殺ダニ成分として
は、前記のピレスロイド系化合物、有機りん系殺虫剤お
よびカーバメイト系殺虫剤以外のものとして次の油溶性
の殺ダニ剤が例示できる。例えばオクタクロロジプロピ
ルエーテル、N−(2−エチルヘキシル)−1−イソプ
ロピル−4−メチルビシクロ〔2,2,2〕オクト−5
−エン−2,3−ジカルボキシイミド、イソボルニルチ
オシアノアセテート、N−(2−エチニル)−ビシクロ
〔2,2,1〕−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボ
キシイミド、ベンジルベンゾエートと脂肪酸エステルの
混合物、N,N−ジエチル−m−トルアミド、トリハロ
イミダゾール誘導体、ヒノキ、スギ及びヒバの精油、メ
ントール、キハダ類の抽出物、柑橘類の果皮及び種子か
らの抽出物、芳香族スルフォンアミド誘導体、水酸化ト
リシクロヘキシル錫、4,4’−ジブロムベンジル酸イ
ソプロピル、2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7
−ベンゾ〔b〕フラニルニ−N−ジブチルアミノチオ−
N−メチルカーバメイト、シラン化合物、ケイ皮酸誘導
体、酢酸シンナミル、ブフロフェジン、イソプロチオラ
ン、パラオキシ安息香酸エステル、ヨウ素化ホルマー
ル、フェノール類、フタル酸エステル、3−ブロモ−
2,3−ヨード−2−プロペニル−エチルカルボナー
ト、モノテルペン系ケトン類、モノテルペン系アルデヒ
ド類、モノテルペン系エポキサイド類、サリチル酸ベン
ジル、サリチル酸フェニルなどおよびこれらの化合物の
異性体、誘導体、類縁体などが用いられ、これら油溶性
の殺虫成分および/または殺ダニ成分より選択した少な
くとも1種以上の有効成分を、有害生物防除用エアゾー
ル組成物に配合できる。
【0013】本発明において油性溶媒としては、従来よ
りエアゾール組成物に用いられている油性溶媒であれば
何ら限定されない。例えば、ヘキサン、ケロシン、灯
油、n−ペンタン、iso−ペンタン、シクロペンタン
などの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレ
ンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタン、四塩化炭素
などのハロゲン化炭化水素類;エタノール、イソプロピ
ルアルコール、エチレングルコールなどのアルコール
類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル
などのエーテル類;酢酸エチルなどのエステル類;アセ
トニトリルなどのニトリル類;ジメチルホルムアミドな
どの酸アミド類;大豆油、綿実油などの植物油などが挙
げられ、これらの油性溶媒から選択した1種以上の化合
物を配合することができる。
【0014】本発明において噴射剤(容器内圧調整剤を
含む)としては、例えば、液化石油ガス(LPG)、プ
ロパン、n−ブタン、iso−ブタン、n−ペンタン、
iso−ペンタン、シクロペンタン、フロン134a
(沸点−26.2℃)、フロン143a(沸点−47.
3℃)、フロン152a(沸点−24.1℃)、フロン
125(沸点−48.5℃)、フロン23(沸点−8
2.0℃)、フロン32(沸点−51.7℃)、ジフル
オロメタン、オクタフルオロプロパン、1,1,1,
4,4,4−ヘキサフルオロブタン、2−トリフルオロ
メチル−3,3,3−トリフルオロプロパン、ジメチル
エーテル、窒素ガスおよび液化炭酸ガスなどが挙げられ
る。特に水性エアゾール組成物に用いられている親水性
の高いジメチルエーテルに比して液化石油ガスを用いた
場合は、より分散助剤の影響が強く出る。そして、本発
明において水としては、従来より用いられている精製水
あるいは脱イオン水に加えて脱酸素水なども用いられ
る。特に脱酸素水を用いた場合は、エアゾール組成物容
器の防錆の観点からも有用である。
【0015】本発明において有効成分、分散助剤、油性
溶媒、水および噴射剤の混合比率は次のとおり例示でき
る。まず、油性溶媒に対して有効成分が0.1〜10
(w/v)%、分散助剤が1.0〜15(w/v)%を
配合して油性原液が調製できる。前記の有効成分、分散
助剤および油性溶媒からなるものを「油性原液」とい
う。そしてこの油性原液と水を混合する比率としては、
油性原液:水の混合比率(用量比)が1:29〜1:1
が例示できる。そしてエアゾール組成物中の原液(油性
原液と水の混合液):噴射剤の混合比率(用量比)は
9:1〜1:9が好ましい。特に、噴射剤が液化石油ガ
スの場合の原液:噴射剤の混合比率(用量比)は、7:
3〜3:7が示される。
【0016】一方、前記のように本発明の水として精製
水あるいは脱イオン水を用いる場合はエアゾール容器が
長時間保存すると、該エアゾール容器の内壁にサビが発
生して劣化し、最後には穴が開き内容物が噴出する恐れ
があるため、これを防ぐために防錆剤を配合する必要が
ある。この防錆剤としては、安息香酸ナトリウムが好ま
しい。そして該防錆剤の配合量は、本発明の有害生物防
除用エアゾール組成物の水に対して0.1から0.5重
量%が配合できる。
【0017】そして、本発明の殺虫成分および殺ダニ成
分以外にも各種の薬剤が添加できる。例えば、害虫およ
びげっ歯類忌避剤、殺菌剤、防黴剤、消臭剤、芳香剤、
着色料などを配合することもでき、害虫およびげっ歯類
忌避剤として2,3,4,5−ビス(δ−ブチレン)−
テトラヒドロフルフラール、N,N−ジエチル−m−ト
ルアミド、ジ−n−プロピルイソシンコロメート、ジ−
n−ブチル酢酸、2−ハイドロキシエチルオクチル硫
酸、2−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3−
t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、シクロヘキシ
ミド、β−ニトロスチレンシアノアクリルニトリル、ト
リブチル錫塩酸塩、トリニトロベンゼン−アニリン複合
体、ナフタリンなど、殺菌剤あるいは防黴剤としては、
2,4,4’−トリクロロ−2’−ハイドロキシジフェ
ニルエーテル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−
(メチルスルホニル)ピリジン、アルキルベンジルメチ
ルアンモニウムクロライド、ベンジルメチル−{2−
〔2−(p−1,1,3,3−テトラメチルブチルフェ
ノキシ)エトキシ〕エチル}アンモニウムクロライド、
4−イソプロピルトロポロン、N,N−ジメチル−N’
−フェニル−N’−(フルオロジクロロメチルチオ)ス
ルフォンアミド、2−(4’−チアゾリル)ベンズイミ
ダゾール、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタ
ルイミド、6−アセトキシ−2,4−ジメチル−m−ジ
オキシン、イソプロピルメチルフェノール、O−フェニ
ルフェノール、p−クロロ−m−キシレノール等が用い
られ、消臭剤としては、ラウリル酸メタアクリレートな
ど、そして、芳香剤としてはイグサの精油成分、シトロ
ネラ、レモン、レモングラス、オレンジ、ユーカリ、ラ
ベンダーなどが配合できる。
【0018】さらに、有効成分のうちpHの値により著
しく分解される物を配合した場合は、PHを調節するた
めの緩衝成分、例えばりん酸1ナトリウム−りん酸2ナ
トリウム、安息香酸アンモニウム−水酸化ナトリウム、
安息香酸ナトリウム−安息香酸、安息香酸アンモニウム
−アンモニア水、安息香酸アンモニウム−安息香酸、リ
ん酸2カリウム−水酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム
−重マレイン酸ナトリウム、トリス・マレイト−水酸化
ナトリウム、炭酸ナトリウム−炭酸水素ナトリウムなど
の組み合わせを水に添加してpHの値を7.0から9.
0にすることが好ましい。
【0019】本発明における有害生物としては、屋内外
に生息する害虫および屋内塵性ダニ類など全般にわた
る。屋内外に生息する害虫としては衛生害虫あるいは生
活害虫等が挙げられる。例えば衛生害虫としてはゴキブ
リ類(チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブ
リ等)、ハエ類(イエバエ、クロバエ、ニクバエ等)、
カ類(イエカ、ヤブカ、シマカ等)、シラミ類、ノミ類
等が挙げられ、更に生活害虫としてはシロアリ(羽ア
リ)、クロアリ、クモ、ハチ、ケムシ、ムカデ、ゲジゲ
ジ、ヤスデ、シバンムシ、アリガタバチ、ユスリカ、チ
ョウバエ、カメムシ、ヨコバイ、キクイムシ、ダンゴム
シ、ワラジムシ、シミ、イガ、コイガ、カツオブシムシ
およびヌカカ等が例示できる。更に屋内塵性ダニ類とし
ては室内で繁殖増殖するダニ類、あるいは室内に迷入し
てくるダニ類として例えば、コナヒョウヒダニ、ヤケヒ
ョウヒダニ等のヒョウヒダニ類、ケナガコナダニ、ムギ
コナダニ等のコナダニ類、チリニクダニ、イエニクダニ
等のニクダニ類、フトツメダニ、ミナミツメダニ等のツ
メダニ類、ホコリダニ類、ササラダニ類、イエダニ、ト
リサシダニ、ワクモ、マダニ類等の動物寄生性ダニ類な
どが挙げられる。
【0020】本発明の有害生物防除用エアゾール組成物
を充填するエアゾール組成物容器としては、押しボタン
の噴射口径0.3から0.8mm、ステム孔の内径0.
3から1.0mm、アンダータップの内径0.3から
2.2mmを示す容器が好ましい。そして、このような
エアゾール組成物容器に本発明の組成物を充填する場合
は、まず、油溶性の殺虫成分および/または殺ダニ成分
からなる有効成分、分散助剤および油性溶媒を混合後充
分に撹拌しこれを該容器に入れる。次に水または緩衝成
分および/または防錆剤を添加した水を入れて、バルブ
を付したハウジングキャップを該容器に密着固定して、
さらに噴射剤を充填することで有害生物防除用エアゾー
ルを調製することができる。
【0021】そしてこのように調製された本発明の有害
生物防除用エアゾール組成物が充填された有害生物防除
用エアゾールを使用する場合は、当該有害生物防除用エ
アゾールを数回振とうし、有効成分を溶解した油性溶媒
および噴射剤と水を混合しW/Oエマルジョンに近い状
態まで分散させた後は、通常の殺虫エアゾール組成物と
同様の使用方法で用いることができる。
【0022】
【作用】油溶性の殺虫成分および/または殺ダニ成分を
溶解した油溶性溶媒と水とを均一に分散させ、かつその
状態を安定に維持することは非常に困難なことである。
本発明においては、特定の分散助剤を用いることで、従
来から用いられている油溶性溶媒に油溶性の殺虫成分お
よび/または殺ダニ成分を噴射時間程度の比較的短い時
間ならばその間充分に分散させることができる。また、
噴射剤が添加されて使用された場合でも、殺虫効果は同
等またはそれ以上の効果を示す。また、本発明のエアゾ
ールにおける分散助剤とは異なる他の分散助剤では防錆
剤を添加すると乳化力が低下し、均一に分散する時間が
短くなるが、本発明の組成物ではそのような現象は見ら
れない。
【0023】
【実施例】以下に示す試験例および製剤例により、本発
明の有害生物防除用エアゾールをより詳細に説明する。
但し、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0024】(試験例) a.界面活性剤選択試験 (処方) 試験に用いた組成物は、有効成分として3.0%ネオピ
ナミンf(d−T80フタルスリン)、0.4%クリス
ロンf(d−T80レスメトリン)の1号灯油溶液25
mlと各種分散助剤3.14gを混合した後、1号灯油
にて50mlにフィルアップして油性溶媒組成物(前記
した有効成分、油性溶媒および分散助剤からなるもの)
を調製した。そして、該油性溶媒組成物5.0ml、精
製水15.0mlおよびLPG30.0mlをエアゾー
ル容器に充填することで各エアゾール組成物を調製し
た。使用した分散助剤は次の化合物を使用した。またポ
リオキシエチレンはPOEと略記する。 分散助剤a:ピログルタミン酸オレイン酸グリセリル
(商品名:アミファットP−30,味の素株式会社製) 分散助剤b:ラウロイルグルタミン酸POE(5)オク
チルドデシルエーテル(商品名:アミテルLGOD−
5,日本エマルジョン(株)製) 分散助剤c:ラウロイルグルタミン酸POE(5)ステ
アリルエーテル(商品名:アミテルLGS−5,日本エ
マルジョン(株)製) 分散助剤d:ジグリセリルモノオレエート(商品名:N
IKKOL DGMO−90,目光ケイミカル(株)) 分散助剤e:POE(8)ジイソステアリルエーテル
(商品名:400di−IS,日本エマルジョン(株)
製) 分散助剤f:POE(12)ジイソステアリルエーテル
(商品名:600di−IS,日本エマルジョン(株)
製) 分散助剤g:POE(20)グリセリルトリイソステア
リルエーテル(商品名:GWIS−320 ,日本エマ
ルジョン(株)製)
【0025】b.方法および結果 b−1.溶解性 油性溶媒組成物を室温下で、100mlのガラスビーカ
ー中に約50mlを入れガラス棒にてよく撹拌した後、
静置してその白濁の度合いを、表1記載の油性溶媒組成
物に用いた界面活性剤ごとに目視観察した。その結果透
明に溶解したものを「◎」、わずかに白濁したものを
「○」、そして分離したものを「×」で表中に示した。
【0026】b−2.乳化性 エアゾール組成物を、100ml耐圧ガラス試験ビン
(日本高分子社製)に充填し、手で約50回程度激しく
振とうし、室温で24時間後に水と油層(LPGを含
む)が分離するか。あるいは析出物があるか否かを、表
1記載のエアゾール組成物に用いた界面活性剤ごとに目
視観察した。その結果水の分離がなかったものを
「○」、試験をしなかったものを「−」で表中に示し
た。
【0027】b−3.ガス混合性 エアゾール組成物を、100ml耐圧ガラス試験ビンに
充填し、手で約50回程度激しく振とう後静置して、
「ガス層が50%分離する」時間を、表1記載のエアゾ
ール組成物に用いた界面活性剤ごとに測定した。その結
果30秒以上でも分離しなかったものを「○」、試験を
しなかったものを「−」で表中に示した。「ガス層が5
0%分離」という状態は、100ml耐圧ガラス試験ビ
ン中の液層が振とう前は上層の透明層と下層の白濁層の
2層に分離しており、該液層が振とうされることで均一
な白濁層となる。その後静置することで徐々に液層の上
層が透明層に変わっていき、液層の約2分の一が透明層
に変わった状態を意味する。
【0028】b−4.刺激 エアゾール組成物を100ml耐圧ガラス試験ビンに充
填し、手で激しく振とうした後、中空円筒(内径20×
高さ40cm)内にエアゾール組成物を約1秒間噴霧
し、噴射後約10秒以内に円筒上面に顔を近づけて鼻か
ら大きく深呼吸を行いその刺激の感触を確かめた。その
結果あったものを「○」、試験をしなかったものを
「−」で示す。
【0029】b−5.結果 上記のb−1、2、3および4の試験より、分散助剤a
およびbでは良好な結果が得られたが、分散助剤cは溶
解直後より分離するため、溶解試験以外は判断しなかっ
た。
【0030】
【表1】
【0031】c.防錆剤の添加による乳化力の変化 試験に用いたエアゾール組成物は、有効成分としてネオ
ピナミンf75mg、クリスロンf10mgをネオチオ
ゾール(中央化成社製)5mlと各種分散助剤0.2g
を混合した後、脱イオン水15mlおよび安息香酸ナト
リウム225mgを添加してからエアゾール容器に入れ
た。その後容器にエアゾール噴射部を装着した後LPG
30mlを該エアゾール容器に充填することで各エアゾ
ール組成物50mlを調製した。そして、乳化するまで
手で耐圧ガラス試験ビンを転倒させその転倒回数を測定
し、その結果を表2に記載した。さらに、該エアゾール
組成物を充填した試験ビンを一昼夜静置して2層に分離
させた後、手で3回振とうし、その直後より0〜5、5
5〜60および295〜300秒後の各時間に、エアゾ
ール組成物をアセトン15ml中に噴射して、その噴射
量(g)とアセトン中のd−T80フタルスリンの含量
を測定した。d−T80フタルスリンの定量方法は殺虫
剤指針1990年版(日本薬業新聞社 p110(19
90))の方法により求めた。結果は表2に記載し、表
中において転倒回数、d−T80フタルスリンの含量は
2回の平均にて求めた。
【0032】
【表2】
【0033】d.殺虫試験 表3記載の有害生物防除用エアゾール組成物を調製し耐
圧容器に充填した(バルブおよびボタンは(株)丸一社
製を用いた)。そして、各有害生物防除用エアゾールを
供試虫はイエバエ(Musca domestica
伝研系(アース製薬(株)にて累代飼育したもの)の成
虫約20頭(雄/雌=1/1)をゲージ(250×25
0×250mm)にいれて、チャンバー内(360×3
60×270cm)に天井から約100cmの位置に吊
り下げ、ゲージの中心から水平距離で約75cmの位置
から、該有害生物防除用エアゾール組成物をゲージに向
かって約1.5秒間噴射し、経時的にイエバエのノック
ダウン数を計測し、KT50(供試虫の50%が仰転す
るまでの時間(分))を求め、さらに24時間後の致死
率を測定した。結果はそれぞれ3回の平均にて示す。
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】本発明の有害生物防除用エアゾール組成
物は、使用時に振とうすることで、有効成分を含む油性
溶媒が素早く均一に水系に分散する。そして、使用中は
有効成分と溶媒(油性溶媒、水および噴射剤を含む)が
分離することなく、有効成分が均一な濃度で噴射される
ので、有効なエアゾールを形成することができる。さら
に効力面においても、従来の油溶媒の物に比べて同等以
上の効果を示した。さらに、他の分散助剤では防錆剤を
添加すると乳化力が低下し、均一に分散する時間が短く
なるが、本発明の有害生物防除用エアゾール組成物では
乳化力は低下せず、添加しない場合と同等の効果を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−112427(JP,A) 特開 昭56−55307(JP,A) 特開 昭50−154440(JP,A) 特開 昭49−63683(JP,A) 特開 昭63−270605(JP,A) 特開 平5−70713(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 25/06 A01N 25/30 C23F 11/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油溶性の殺虫成分および/または殺ダニ
    成分からなる有効成分、分散助剤、水、油性溶媒、防錆
    剤および噴射剤からなるエアゾール組成物において、
    効成分を前記油性溶媒に対して0.1〜10(w/v)
    %含有し、分散助剤として少なくともN−ラウロイル−
    グルタミン酸・ポリオキシエチレン(5モル)2−オク
    チルドデシルエーテルジエステルおよび/またはピログ
    ルタミン酸モノオレイン酸グリセリルを前記油性溶媒に
    対して1.0〜15(w/v)%含有し、防錆剤として
    安息香酸ナトリウムを前記水に対して0.1〜0.5重
    量%含有することを特徴とする有害生物防除用エアゾー
    ル組成物。
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