JP2001172616A - 全量噴射型のエアゾール製品 - Google Patents

全量噴射型のエアゾール製品

Info

Publication number
JP2001172616A
JP2001172616A JP36137699A JP36137699A JP2001172616A JP 2001172616 A JP2001172616 A JP 2001172616A JP 36137699 A JP36137699 A JP 36137699A JP 36137699 A JP36137699 A JP 36137699A JP 2001172616 A JP2001172616 A JP 2001172616A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquefied gas
stock solution
aerosol
gas
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP36137699A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruhisa Uenoyama
晴久 上野山
Masayuki Takahashi
正行 高橋
Kazuo Someya
和男 染谷
Shin Ito
慎 伊藤
Kazuo Iijima
和男 飯島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyowa Industrial Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyowa Industrial Co Ltd filed Critical Kyowa Industrial Co Ltd
Priority to JP36137699A priority Critical patent/JP2001172616A/ja
Publication of JP2001172616A publication Critical patent/JP2001172616A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Containers And Packaging Bodies Having A Special Means To Remove Contents (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 噴射剤に可燃性液化ガスと圧縮ガスとを併用
しつつも、可燃性液化ガスの使用量を低く抑え、最後ま
で良好な霧化状態を得ることができ、安全性が高く、し
かも、VOC問題をもクリアできる全量噴射型のエアゾ
ール製品の提供を図る。 【解決手段】 耐圧容器に収容された有効成分を含む原
液の全量を短時間に噴射するようにした全量噴射型のエ
アゾール製品である。この製品は、全量噴射終了までバ
ルブを開状態とする開状態固定装置を備え、噴射剤が圧
縮ガスと可燃性液化ガスとを併用したものであり、可燃
性液化ガス/原液の配合容積比が10/90〜35/6
5であり、耐圧容器の容量が150ml以下であると共
に、噴射用のエアゾールバルブがベーパータップ3を備
えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、エアゾール製
品、特に、耐圧容器に収容された有効成分を含む原液の
全量を短時間に噴射するようにした全量噴射型のエアゾ
ール製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エアゾール製品の噴射剤にはフロ
ンガス等の不燃性液化ガスが多用されていたが、地球環
境保護のためのフロンガスの排出規制により、可燃性液
化ガスが多用されている。ところが、可燃性液化ガスを
密閉空間に多量に噴射すると、爆発性が高くなる。特
に、全量噴射型のエアゾール製品については、室内空間
や自動車内空間等の実質的に密閉された空間内に、耐圧
容器内に収納された原液を全て噴射してしまう必要があ
ると同時に、空間内において原液を満遍なく拡散させる
ためには、良好な霧の状態で、最後まで全量を噴射する
必要がある。そこで良好な霧化の実現のため、可燃性液
化ガスを多量に使用すると、密閉空間内での可燃性ガス
の濃度が高くなり爆発の危険性が生じてしまい、逆に、
爆発の危険性が生じない程度の可燃性液化ガスの使用量
にすると、全量を噴射できなかったり、良好な霧の状態
を得ることができないと言った両立困難な問題に直面す
る。そこで、フロンガス等の不燃性液化ガスを用いず
に、爆発性などの危険性を含めた製品としての総合的な
安全性の高い範囲で、霧の細かい全量噴射型のエアゾー
ル製品を得る手段として、いわゆる噴射剤として、可燃
性液化ガスに加えて、炭酸ガス等の圧縮ガスを併用した
エアゾール製品が提案されている。
【0003】この種の液化ガスと圧縮ガスの併用した全
量噴射型エアゾール製品の発明としては、特許第281
8777号があるが、この発明については、可燃性液化
ガスとしてジメチルエーテルを採用すると共に、粗大粒
子の含有量を一定の値以下に制限している。また、現在
実用化されているこの種のエアゾール製品については、
エチルアルコールやプロピルアルコールのような低級ア
ルコール(特許第2818777号では、微粒化剤とし
て表記している)を溶媒に用いる製品においては、液化
ガス量よりずっと少ない溶剤量の製品でしか全量噴霧型
に相応しい噴霧状態とならないために、どうしてもエア
ゾール製品の内容物としては液化ガスの比率を低くする
ことが出来ず、製品としては現在問題となっている環境
問題であるVOC(揮発性有機化合物)削減に関する問
題及び可燃性液化ガスの危険性を逃れることができなか
った。
【0004】以上、今日の全量噴射型エアゾール製品に
あっては、次の3つの鼎立しがたい問題に直面してい
る。第1に、可燃性液化ガスの危険性に関する問題であ
る。これは、使用時の危険性と保管時の危険性との2つ
の面から検討する必要がある。一つは、前述した使用時
の安全性に関するもので、密閉空間内で全量噴射する
と、同空間内での可燃性ガスの濃度が高くなり爆発の危
険性が生じるという問題である。他の一つは、エアゾー
ル製品の保管時の危険性の問題で、現在高圧ガス保安法
において、エアゾール製品は「温度摂氏50度における
容器内の圧力の1.5倍の圧力で変形せず、かつ、温度
摂氏50度における容器内の圧力の1.8倍の圧力で破
裂しない容器に充填されたものであること。但し、圧力
1.3メガパスカルで変形せず、かつ、圧力1.5メガ
パスカルで破裂しない容器に充填されたものになって
は、この限りでない」旨の定めがある。よって、一般的
には、大半の製品が1.3メガパスカルで変形しない容
器を用いて製造されているのが現状であるが、法規上は
ともかく、例えば、自動車用品などにおいては、車内温
度が60°Cを越えることがしばしばあるし、また、室
内ではストーブ近くに放置される危険性がある。そのた
め万が一を考えると、より安全な製品とするために、7
0〜80°C下においても、エアゾール製品の内圧は、
上記の変形圧以下(1.3メガパスカル以下)であるこ
とが望ましい。従って、可燃性液化ガスの配合量が多い
と、高温時の安全性を確保することが困難となるため、
その配合量を大幅に減少させる必要がある。第2に、V
OC問題であり、これは、地球環境保護のため、大気中
に放出される揮発性有機化合物の量を削減を求めるもの
である。具体的には、アメリカ合衆国のカリフォルニア
州の大気保全局では、ヘアスプレー用のエアゾール製品
では、揮発性有機化合物を内容物中の55%以下に規制
せんとしており、この種の規制は、将来的には何れのエ
アゾール製品においても、また何れの国においても行わ
れるものと思われる。従って、この種の規制に適合する
には、低級アルコールや低沸点炭化水素油等の配合量を
大幅に減少させる必要がある。第3に、霧の状態を、全
量噴射中の最初から最後まで、良好に保つ必要がある。
良好な霧を得るには、可燃性液化ガスの配合量を多くす
る方法、可燃性液化ガスと圧縮ガスとを併用する方法が
一般的である。ことろが、このような手法によると、上
記の第1、第2の問題を解決することが困難である。ま
た、上記の特許第2818777号では、可燃性液化ガ
スと圧縮ガスとを併用し、さらに、低級アルコールや灯
油を溶剤等として用いることにより、霧の状態を良好に
保つ処方も示されているが、低級アルコールや灯油等の
VOC(揮発性有機化合物)を多量に用いる必要があ
り、第2の問題を解決し得ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本願の第1の発明は、
噴射剤に可燃性液化ガスと圧縮ガスとを併用しつつも、
可燃性液化ガスの使用量を低く抑え、なおかつ、最後ま
で良好な霧化状態を得ることができる全量噴射型のエア
ゾール製品の提供を図らんとするものである。また、本
願の第2の発明は、上記の目的に加えて、安全性の高い
製品で、かつ、現在の地球温暖化やその他の環境問題な
ど大きな問題となっているVOC問題をもクリアできる
ような安全な全量噴射型のエアゾール製品を提供せんと
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明は、耐
圧容器に収容された有効成分を含む原液の全量を短時間
に噴射するようにした全量噴射型のエアゾール製品にお
いて、噴射剤が、圧縮ガスと液化ガスとを併用したもの
であり、可燃性液化ガス/原液の配合容積比が1/99
〜40/60(20°Cの条件下)であり、噴射用のエ
アゾールバルブがベーパータップを備えたものであるこ
とを特徴とする全量噴射型のエアゾール製品を提供す
る。
【0007】本願の第2の発明は、耐圧容器に収容され
た有効成分を含む原液の全量を5分以内(より好ましく
3分以内)に噴射するようにした全量噴射型のエアゾー
ル製品であって、少なくとも全量噴射終了までバルブを
開状態とする開状態固定装置を備え、噴射剤が圧縮ガス
と可燃性液化ガスとを併用したものであり、可燃性液化
ガス/原液の配合容積比が10/90〜35/65(2
0°Cの条件下)であり、耐圧容器に収納された可燃性
液化ガスと原液の内容量が150ml以下(20°Cの条
件下)であり、噴射用のエアゾールバルブがベーパータ
ップを備えたものであることを特徴とする全量噴射型の
エアゾール製品を提供する。
【0008】本願発明のエアゾール製品には、噴射剤
と、原液とが収容される。原液は、有効成分に、必要に
応じて溶剤及び補助剤が配合される。有効成分として
は、エアゾール製品の用途に応じて種々のものが用いら
れる。特に、本願のエアゾール製品には、建築物(家
屋、ビル、工場、食堂、倉庫、病院、ビニールハウス
等)や電車、自動車の車内等の制限された空間(多少の
空気の流出入があっても実質的に閉じられた空間)内
に、短時間で全量を噴射して、当該空間内を殺虫処理し
たり、殺菌処理、防かび処理、消臭処理等をしたりする
のに適しており、その用途に応じて、殺虫剤、殺ダニ
剤、害虫忌避剤、燻蒸剤、殺菌剤、防かび剤、消臭剤等
を有効成分とすることができる。また、これらの薬剤
は、1種又2種以上を併用することができ、その他、芳
香剤等を用いることもできる。これらの有効成分は、通
常は液体であるが、微粉末状や微粒子状で実質的に溶剤
に混合できて、エアゾールバルブから噴射することがで
きるものであれば固体であってもよい。
【0009】溶剤は、有効成分を溶解又は分散させ、エ
アゾールバルブからの噴射(特に、噴霧)に適したもの
とするために用いられ、有効成分のみでエアゾールバル
ブから噴射することができる場合や、また、噴射液が溶
剤として作用する場合には、使用する必要はない。この
溶剤としては、従来のエアゾール製品と同様、水、アル
コール類(例えば、エタノール、プロパノール)、グリ
コール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレング
リコール)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン)、エステル類(例
えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等、その他
のエチルエーテル)、脂肪族炭化水素類(n−ヘキサ
ン、ケロシン、灯油、n−ペンタン、イソペンタン、シ
クロペンタン)及びハロゲン化炭化水素油等の種々の溶
剤を用いることができ、1種又は2種以上を併用しても
よい。但し、VOC(揮発性有機化合物)削減の観点か
らは、水や高沸点の溶剤が適しており、VOC(揮発性
有機化合物)の使用量を必要に応じて制限して用いる。
【0010】次に、噴射剤には、液化ガスと圧縮ガスと
を併用する。液化ガスとしては、LPG(プロパン、ブ
タン及びそれらの混合物を含む)、DME(ジメチルエ
ーテル)及び1−クロロ−1,1ジフルオロエタン等の
可燃性ハロゲン含有ガス等の可燃性液化ガスを用いるこ
とができる。また、圧縮ガスとしては、空気,二酸化炭
素,窒素,笑気ガス,酸素、ヘリウム等の噴射用ガス剤
としての気化ガスを用いる。
【0011】この原液と液化ガスとの配合容積比(20
°Cの条件下)は、60対40を上限とし、液化ガスの
値をこれより小さくする。望ましくは、可燃性液化ガス
の配合量は、35%(容積比で原液と液化ガスとの総和
を100%とする)以下、より望ましくは30%以下と
する。このように、可燃性液化ガスの配合量を、35%
(容積比で原液と液化ガスとの総和を100%とする)
以下に抑えることによって、第一に、高温下での安全性
を確保することができる。即ち、35%以下(より好ま
しくは30%以下)に抑えることによって、70〜80
°C下においても、エアゾール製品の内圧は、変形圧以
下(1.3メガパスカル以下)に抑えることができるも
のである。第二に、制限された空間内に全量噴射を行う
本願発明のエアゾール製品にあっては、制限された空間
内に耐圧容器内の全量の可燃性液化ガスが吐出されるこ
ととなるが、35%以下に抑えることによって当該空間
内での爆発の危険性を解消できる。さらに30%以下に
抑えることによって、高温での内圧をより低く抑えるこ
とができ、同時に爆発性に対する安全性もより向上す
る。他方、この可燃性液化ガスは、1%以上10%未満
とすることもできるが、あまりに小さくすると、単に、
原液を細かな霧状にするために作用するに止まり、噴射
時には圧縮ガスのみの力に頼ることになる。そのため、
周りの外気温等の環境によっては不安定な霧を生じる場
合がある。そこで加圧用の液化ガスとして加圧作用をも
発揮させるためには、10%以上として実施することが
望ましい。
【0012】ところが、液化ガスのみを用い内容物の3
5%以下で全量噴射型のエアゾール製品を作ろうとする
と、容器内の圧力を充分に高めることができず、良好な
噴霧状態を得ることができなかったり、或いは、噴霧高
さ(距離)が充分でなく、制限された空間内全体に、噴
霧を行き渡らせることが困難となる。そこで、本願発明
にあっては、前述のように噴射剤に圧縮ガスを用いる。
即ち、原液と液化ガスとを耐圧容器内に封入し、さらに
圧縮ガスを封入することによって、内圧を高める。この
圧縮ガスによる加圧は、容器内圧が0.5メガパスカル
以上(25°Cの条件下)とすることが望ましい。尚、
我が国の安全基準によると、摂氏35度において容器内
圧が0.81メガパスカル以下とする必要があるが、安
全基準を考慮しない場合には、それ以上の圧力としても
よい。
【0013】上記の原液と液化ガスは、耐圧容器に封入
される。耐圧容器に収納される原液と液化ガスの内容量
は、150ml以下とする。耐圧容器は、従来よりエアゾ
ール製品一般に使用されている噴射用のエアゾールバル
ブを備えた容器を用いることができるが、噴射用のエア
ゾールバルブにはベーパータップを形成する。具体的に
は、図1に示すように、このバルブは、ステム1を収納
するハウジング2に、ベーパータップ3を少なくも1
個、形成したものである。このベーパータップ3は、ア
ンダータップ4より小さく、直径0.2mm(総面積約
0.03平方ミリメートル)を越えることが望ましい。
より好ましくは、直径0.28mm(総面積約0.06平
方ミリメートル)〜0.6mm(総面積約0.57平方ミ
リメートル)が好ましい。ベーパータップの孔径が小さ
いと、霧化の作用が充分に発揮されず、且つ、小さな孔
を精度よく量産するのは製造に困難が伴い、コストアッ
プの要因となる。逆に、大き過ぎると、霧の状態か不安
定となり、霧の粒子が不揃いで大きな粒子が多数噴霧さ
れることとなる。
【0014】このバルブのステム1先端は、押しボタン
5に接続され、スプリング6の弾性に抗して押しボタン
5を押し下げることによって、押しボタン5に設けられ
た噴口7から、噴射剤の圧力によって原液及び液化ガス
が噴霧される。この例では、制限された空間内全体に原
液が行き渡るようにするため、噴口7は上方を向いて開
口している。また、全量噴射終了までバルブを開状態と
する開状態固定装置を備えており、この例では、押しボ
タン5の段部10と係合する突起9を、耐圧容器の肩部
に装着された押しボタン5と連結する肩カバー8の上部
に設けている。そして、押しボタン5を押し下げた時
に、突起9が段部10と係合し、押しボタン5が上昇し
ないように固定し、開状態を維持するものである。勿
論、これは一具体例に過ぎず、バルブを開状態に維持す
る手段としては、凹凸の係合、ねじ固定、嵌合固定等
々、種々の方法を採用し得る。また図示は省略するが、
バルブの形式は、ティルトバルブ等の他のものに変更し
て実施することもできる。尚、ステム1の先端から噴口
7に至るまでには、貯溜室等は特別な圧力調整機構は不
要であり、噴射剤の圧力により、噴口7より原液及び液
化ガスが噴射されるものとして実施すればよい。
【0015】この全量噴射型のエアゾール製品にあって
は、制限された空間内全体に有効成分をくまなく行き渡
らせる必要があり、そのためにも細かい霧を得る必要が
ある。上記のベーパータップは、霧化の状態を良好にす
るために液化ガスを用いた製品には使用されていたが、
圧縮ガスのみを用いた製品には、一般には使用されてい
なかった。これは、ベーパータップから圧縮ガスが消費
されてしまうため、初期の噴射段階では良好な霧状態を
得ることができるものの、終期に到っては圧力が低下
し、良好な霧化が困難となることによる。ところが、本
願発明では、原液と液化ガスとの配合容積比に関して上
記のように液化ガスを少なくし、圧縮ガスによる加圧を
0.5メガパスカル以上として、最後まで良好な霧の状
態で、且つ、噴射霧の噴射高さを1m前後の充分な高さ
を維持して、短時間(3〜5分以内)に全量噴射を完了
することができるエアゾール製品を提供することができ
たものである。しかも、液化ガスに比して、原液の量を
多くすることができ、特に、溶剤の量を多くすることが
できる。そのため、VOCに関する規制が必要な場合に
は、揮発性有機溶剤を水等のVOC規制に適合する溶剤
に変更しても、霧化に与える影響が少なくなり、VOC
規制に適合し易くなったものである。逆に言えば、溶剤
の量が少ないと、水等に変更した場合、充分な溶解を得
ることができなかったり、霧の状態を悪くなる場合が多
いが、本願発明では、このような問題をも解消できたも
のである。
【0016】
【実施例】以下、本願発明の理解を高めるために、本願
発明の実施例を示すが、本願発明は、この実施例に限定
して理解されるべきではない。
【0017】まず、表1に実施例1〜3及び比較例1〜
3を示す。実施例1は、有効成分としてハーブ油0.1
5g、溶剤として変性エタノール27.55gを用い、
噴射剤である液化ガスとしてLPG8.3gを用いたも
のであり、原液/液化ガスの配合容積比率を70/30
(25°Cの条件下)としたものである。これに圧縮ガ
スとして炭酸ガスを0.55Mpの圧力(25°Cの条
件下)となるように100mlの容積の耐圧容器に封入し
たものであり、内容量は50mlとした。エアゾールバル
ブは、噴口の直径が0.4mm、アンダータップ孔の直径
が0.55mm、ベーパータップ孔の直径が0.42mmと
した。実施例2,3は、噴口の直径、アンダータップ孔
の直径、ベーパータップ孔の直径を表1に示す値に変更
して実施した。比較例1〜3は、ベーパータップ孔を設
けずに実施したものであり、他の条件についても、表1
に示すものとした。
【0018】
【表1】
【0019】実施例1〜3及び比較例1〜3について噴
霧した結果を表1に(評価)として示す。尚、各例につ
いて、短時間(3〜5分以内)に噴霧が完了した。評価
項目は次の通りである。
【0020】「霧の状態(初期)」 AA:浮遊性のある煙霧 B:浮遊性のある充分に細かい霧 C:噴射中に落下しない程度の大きさの霧 D:噴射中に落下する霧を有するもの
【0021】「霧の状態(終期)」 AA:浮遊性のある煙霧 B:浮遊性のある充分に細かい霧 C:噴射中に落下しない程度の大きさの霧 D:噴射中に落下する霧を有するもの
【0022】「粒子の大きさ」 AA:50μm以上の粒子が10%以下である霧粒子 B:60μm以上の粒子を含むが、該粒子が20%以下
である霧粒子 C:100μm以上の粒子を含むが、該粒子が10%以
下である霧粒子 D:100μm以上の粒子が10%を超える霧粒子
【0023】「噴射霧の高さ」 A:1m以上の高さまで吹き上げる能力のあるもの B:70cm程度の高さまで吹き上げる能力のあるもの C:70cm程度の高さまでに達しないもの
【0024】「引火性」 A:ガス濃度検知管から1m離れた位置で同じものを4
本以上全量噴射したとき、検知器を作動させないもの。 B:ガス濃度検知管から1m離れた位置で同じものを2
〜3本全量噴射したとき、検知器を作動させないもの。 C:ガス濃度検知管から1m離れた位置で1本全量噴射
したとき、検知器を作動させるもの。
【0025】「VOC問題」 AA:例示処方がそのままVOC問題をクリアしている
もの。 A:例示処方の溶剤を不燃物に代えることによってVO
C問題をクリアできる可能性を持つもの。 B:例示処方の溶剤を不燃物に代えることによってVO
C問題をクリアできる可能性はあるが、その可能性が低
いもの。 C:VOC問題をクリアできる可能性がないもの。
【0026】「高温時の安全性」 AA:80°Cにおける内圧が1.3Mp以下のもの。 B:70°Cにおける内圧が1.3Mp以下のもの。 C:60°Cにおける内圧が1.3Mp以下のもの。 D:60°Cにおける内圧が1.3Mpを越えるもの。
【0027】「総合判断」 AA:上記の評価を総合的に判断して、極めて良好な結
果を示すもの。 B:上記の評価を総合的に判断して、良好な結果を示す
もの。 C:上記の評価を総合的に判断して、使用が困難なも
の。 D:上記の評価を総合的に判断して、使用不可なもの。
【0028】実施例1〜3は、何れも良好な結果を得ら
れたのに対して、ベーパータップのない比較例1,2に
あっては、霧の状態(終期)及び粒子の大きさに問題が
あった。また比較例3にあっては、液化ガスの量が多い
ため霧の状態(終期)及び粒子の大きさに問題は生じな
かったが、VOC問題及び高温時の安全性に欠けるもの
であった。
【0029】次に、表2に実施例4〜6及び比較例4,
5を示す。この例では、原液と液化ガスの配合比率を変
化させたもので、液化ガスの配合率が低い実施例4〜6
では何れも良好な結果を得られたのに対して、液化ガス
の配合率が高い比較例4,5では噴霧霧の高さ、引火
性、VOC問題及び高温時の安全性に欠けるものであっ
た。
【0030】
【表2】
【0031】次に、表3に実施例7〜11及び比較例6
を示す。この例では、原液と液化ガスの配合比率を変化
させると共に処方を変更した例を示したもので、液化ガ
スの配合率が低い実施例7〜11では何れも良好な結果
を得られたのに対して、液化ガスの配合率が高い比較例
6では霧の状態(終期)、粒子の大きさ及び高温時の安
全性に欠けるものであった。
【0032】
【表3】
【0033】最後に表4に比較例7〜9を示す。ベーパ
ータップが無く、液化ガスの配合率が高い比較例7,8
ではVOC問題及び高温時の安全性に欠けるものであ
り、また、ベーパータップが無く、液化ガスの配合率が
低い比較例9では、霧の状態(終期)、粒子の大きさに
問題が生じた。
【0034】
【表4】
【0035】
【発明の効果】以上、本願の第1の発明は、噴射剤に可
燃性液化ガスと圧縮ガスとを併用しつつも、可燃性液化
ガスの使用量を低く抑え、なおかつ、最後まで良好な霧
化状態を得ることができる全量噴射型のエアゾール製品
を提供することができたものである。本願の第2の発明
は、上記の第1の発明の効果に加えて、安全性の高い製
品で、かつ、現在の地球温暖化やその他の環境問題など
大きな問題となっているVOC問題をもクリアできるよ
うな安全性の高い全量噴射型のエアゾール製品の提供が
可能となったものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態に係るエアゾール容器の
要部断面図である。
【符号の説明】
1 ステム 2 ハウジング 3 ベーパータップ 4 アンダータップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 慎 群馬県多野郡鬼石町鬼石331−3 (72)発明者 飯島 和男 埼玉県浦和市大谷口973−5 Fターム(参考) 3E014 PA01 PB01 PD02 PE02 PF02 PF03 4H011 AC01 BA01 BB15 BC01 BC02 BC03 DA21 DB05 DE16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐圧容器に収容された有効成分を含む原
    液の全量を短時間に噴射するようにした全量噴射型のエ
    アゾール製品において、噴射剤が、圧縮ガスと液化ガス
    とを併用したものであり、可燃性液化ガス/原液の配合
    容積比が1/99〜40/60であり、噴射用のエアゾ
    ールバルブがベーパータップを備えたものであることを
    特徴とする全量噴射型のエアゾール製品。
  2. 【請求項2】 耐圧容器に収容された有効成分を含む原
    液の全量を5分以内に噴射するようにした全量噴射型の
    エアゾール製品において、少なくとも全量噴射終了まで
    バルブを開状態とする開状態固定装置を備え、噴射剤
    が、圧縮ガスと可燃性液化ガスとを併用したものであ
    り、可燃性液化ガス/原液の配合容積比が10/90〜
    35/65であり、耐圧容器に収納された可燃性液化ガ
    スと原液の内容量が150ml以下であり、噴射用のエア
    ゾールバルブがベーパータップを備えたものであること
    を特徴とする全量噴射型のエアゾール製品。
JP36137699A 1999-12-20 1999-12-20 全量噴射型のエアゾール製品 Pending JP2001172616A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36137699A JP2001172616A (ja) 1999-12-20 1999-12-20 全量噴射型のエアゾール製品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36137699A JP2001172616A (ja) 1999-12-20 1999-12-20 全量噴射型のエアゾール製品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001172616A true JP2001172616A (ja) 2001-06-26

Family

ID=18473327

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36137699A Pending JP2001172616A (ja) 1999-12-20 1999-12-20 全量噴射型のエアゾール製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001172616A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011246358A (ja) * 2010-05-24 2011-12-08 Fumakilla Ltd 防カビ用エアゾール装置
US8191739B1 (en) * 2008-05-30 2012-06-05 Amrep, Inc. Mixed gas method for filling aerosol containers and aerosol formulas for improved environmental profile by VOC/HFC reduction
JP2016172578A (ja) * 2015-03-17 2016-09-29 株式会社マンダム デオドラントスプレー、ならびにデオドラントスプレーの使用方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02272084A (ja) * 1989-04-13 1990-11-06 Lion Corp 人体塗布用エアゾール製品
JPH0368502A (ja) * 1989-08-08 1991-03-25 Earth Chem Corp Ltd 害虫防除用エアゾール組成物
JPH0374488A (ja) * 1989-08-17 1991-03-29 Osaka Aerosol Ind Corp 全量噴射型エアゾール製品
JPH04120003A (ja) * 1990-09-10 1992-04-21 Fumakilla Ltd 害虫駆除剤
JPH04273807A (ja) * 1991-02-28 1992-09-30 Mandamu:Kk 速破泡性エアゾールタイプ化粧料組成物
JPH07292351A (ja) * 1994-04-29 1995-11-07 Lion Corp 撥水剤組成物
JPH0967204A (ja) * 1995-09-04 1997-03-11 Fumakilla Ltd ケムシ防除用エアゾル剤
JPH10211978A (ja) * 1997-01-24 1998-08-11 Earth Chem Corp Ltd 全量噴射エアゾール装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02272084A (ja) * 1989-04-13 1990-11-06 Lion Corp 人体塗布用エアゾール製品
JPH0368502A (ja) * 1989-08-08 1991-03-25 Earth Chem Corp Ltd 害虫防除用エアゾール組成物
JPH0374488A (ja) * 1989-08-17 1991-03-29 Osaka Aerosol Ind Corp 全量噴射型エアゾール製品
JPH04120003A (ja) * 1990-09-10 1992-04-21 Fumakilla Ltd 害虫駆除剤
JPH04273807A (ja) * 1991-02-28 1992-09-30 Mandamu:Kk 速破泡性エアゾールタイプ化粧料組成物
JPH07292351A (ja) * 1994-04-29 1995-11-07 Lion Corp 撥水剤組成物
JPH0967204A (ja) * 1995-09-04 1997-03-11 Fumakilla Ltd ケムシ防除用エアゾル剤
JPH10211978A (ja) * 1997-01-24 1998-08-11 Earth Chem Corp Ltd 全量噴射エアゾール装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8191739B1 (en) * 2008-05-30 2012-06-05 Amrep, Inc. Mixed gas method for filling aerosol containers and aerosol formulas for improved environmental profile by VOC/HFC reduction
JP2011246358A (ja) * 2010-05-24 2011-12-08 Fumakilla Ltd 防カビ用エアゾール装置
JP2016172578A (ja) * 2015-03-17 2016-09-29 株式会社マンダム デオドラントスプレー、ならびにデオドラントスプレーの使用方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1590268B1 (en) Dispenser assembly for aerosols having low volatile organic compound (voc) content
US5620631A (en) Pressurized-gas pack and propellant for aerosols
US4198313A (en) Propellant compositions for aerosols
JPS6254838B2 (ja)
JPS6317875B2 (ja)
JP2008168193A (ja) エアゾール噴射装置
JP2000319643A (ja) エアゾール組成物およびエアゾール製品
WO1994001511A1 (en) Pressurised aerosol formulation
JP2001172616A (ja) 全量噴射型のエアゾール製品
JP2001072152A (ja) 全量噴射型エアゾール製品
AU2015235905B2 (en) Pump concentrated air freshener
JPH02272084A (ja) 人体塗布用エアゾール製品
AU2015308369B2 (en) Biocide and/or phytosanitary formulation for aerosol use, made of active biodegradable non-residual substances
JP6927769B2 (ja) スプレー式製品
EP4181861B1 (en) Aerosol product
US20230270656A1 (en) Aerosol hair care product
US7841490B2 (en) Mixture of low-boiling liquids with products dispensable by pumps
JP6912298B2 (ja) スプレー式発泡製品
JP6927745B2 (ja) エアゾール製品
KR100624322B1 (ko) 수성 겔 스프레이어 조성물
Sciarra et al. Aerosol technology
JP2022150456A (ja) エアゾール製品
EA046297B1 (ru) Технология "клапан с мешком"
ES2457720A1 (es) Composición propelente licuada para aerosoles
JPH05201477A (ja) エアゾール装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061211

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20071220

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100323

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100713