JP3268495B2 - 工作機械の主軸装置 - Google Patents
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Description
先端から噴出するものとした工作機械の主軸装置、及び
工具ホルダに関する。
の冷却及び潤滑、又は切屑の除去などのため加工部に切
削液を多量に供給しているが、これによるときは切削液
による環境汚染や人体の健康への悪影響、切削液の廃油
処理に伴う大きなコスト、被加工物の過冷却による刃具
寿命の低下、又は切削液過多による刃具の微細切込み加
工時の滑り磨耗などの問題があるほか、加工時に多量の
切削液が切屑に付着するため、切屑の処理や再利用のさ
い、これに付着した切削油を分離することが必要とな
る。これらの問題を解決するため、近年では極微量の切
削液を霧状にして加工部へ供給しながら切削する、いわ
ゆるドライ切削を行うものとした工作機械が出現してい
る。
の工作機械を実施しており、その主軸装置は例えば図3
又は図4に示すようなものとなされている。先ず図3に
示すものについて説明すると、2は主軸で、これの中心
部にドローバー7を配設し、ドローバー7の先端にクラ
ンプロッド11が螺着されている。そしてドローバー7
及びクランプロッド11の中心部に主軸内霧状切削液通
路102が形成してある。11cは工具ホルダ18のテ
ーパ嵌入軸部で、主軸2先端に形成されたテーパ嵌合孔
5aに密状に嵌入され、コレット12により後方f2へ
引張されてクランプ状態となされる。14は切削液の霧
化ノズルであり、また103は工具ホルダ18の中心部
に形成されたホルダ内霧状切削液通路で、この通路10
3の先端は工具ホルダ18に固定された刃具の先端面に
開口され、後端はテーパ嵌入軸部11cの中心箇所に形
成された凹み穴bの底面に開口されている。
主軸2の中心部にキャニスタ25が固定してあり、この
キャニスタ25の周壁に形成された透孔25aに鋼球2
6が半径方向の移動可能に支持されている。この鋼球2
6はドローバー7に結合されたクランプロッド11の後
方変位により楔面付凹み部27に押されてキャニスタ2
5の半径外方向へ変位され、この変位により工具ホルダ
18のテーパ嵌入軸部18cの周壁部の円孔b1に嵌合
し、テーパ嵌入軸部18cを後方f2へ引張する。これ
により、テーパ嵌入軸部18cはクランプ状態となされ
る。その他は図5のものと同じである。
軸2内の霧化ノズル14の出口から主軸内霧状切削液通
路102内へ霧状切削液を噴射されるものとなり、この
ように噴射された切削液はクランプロッド11の前端開
口から工具ホルダ18の凹み穴b内に流入し、次にホル
ダ内霧状切削液通路103及び、このホルダ18に固定
された刃具中心部に形成された霧状切削液通路を経て刃
具先端から大気側へ流出するものとなる。この種の工作
機械によれば、刃具がワークの深い箇所を切削する状態
となっても刃具の加工部は刃具先端から噴出する霧状切
削液により効果的に潤滑され、合理的な切削が行えるの
である。
来の工作機械では、工具ホルダ18の凹み穴b内に達し
た霧状切削液が部品間の隙間を経て大気へ流出し、切削
液が浪費されるのである。また工具ホルダ18の凹み穴
bがこれの前後の通路に対して比較的大きな径であるた
め、この凹み穴bに達した霧状切削液が液状化される現
象が生じるのであり、この液状化がワークの加工箇所へ
の切削液の安定的供給を阻害したり、刃具先端からの霧
状切削液噴出の開始及び停止の応答性を損ねる原因をな
すのである。本発明は、斯かる問題点に対処し得るもの
とした工作機械の主軸装置を提供するほか、これに使用
される工具ホルダを提供することを目的とする。
め、本発明の主軸装置では請求項1に記載したように、
主軸の先端部にコレットクランプ手段を介して工具ホル
ダを機械的な脱着可能に固定させる工作機械であって、
工具ホルダの中心部には切削液通路を備えており、且つ
該中心部に形成された凹み穴底面箇所へ一定長の口金部
材をネジ具を介し取付けてホルダ内切削液通路を後方へ
延長した態様の延長通路に形成し、一方主軸側クランプ
手段のドローバー中心部には気液通路、霧化手段及び主
軸内霧状切削液通路を形成すると共に、霧化手段は主軸
外方から気液通路を経て供給される切削液と圧縮空気と
を混合撹拌して霧状切削液となす霧化ノズルと、該ノズ
ル前方の主軸内霧状切削液通路内へ噴出された霧状切削
液の圧力が低下したときに前方へ少し変位して霧状切削
液に圧縮空気通路内の圧縮空気を直接に吹き込むものと
した圧縮空気供給弁体とからなり、且つ主軸内霧状切削
液通路は圧縮空気供給弁体の内孔で形成されるものとな
し、該主軸内霧状切削液通路先端と前記延長通路を介し
て工具ホルダ内霧状切削液通路間を連通させたものとす
る。
ルダ内霧状切削液通路及び延長通路のそれぞれの径が大
きく異ならないものとなり、またこれら通路が密状に連
通されるものとなる。従って、これら通路を通過する霧
状切削液は通路径の急変による液状化を生じなくなって
工具ホルダの刃具先端から安定的に噴出されるものとな
り、また前記の各通路は密状に接続されるため、部品間
の隙間を通じて大気へ無駄に流出するのを阻止される。
また工具ホルダに延長通路を形成したことが従来の主軸
側の構造をそのまま使用し得るものとなす。
ち、請求項2に記載したように圧縮空気供給弁体の外形
を大径部と小径部の段差部を備えたものに形成し、小径
部をクランプ手段のクランプロッドの内孔に螺着させた
締結ネジ体の中心孔に位置させると共に、該締結ネジ体
と上記段差部間にスプリングを介在させたものとなし、
その弾力で霧化ノズル側へ押圧されるものとする。
に工具ホルダの締め付け時に圧縮空気供給弁体の小径先
端が、工具ホルダに於ける口金部材後端内へ部分的に内
挿される構成とする。
軸部に形成された比較的大きな径の凹み穴の底面中央部
に、ホルダ本体部の中心部に形成されたホルダ内霧状切
削液通路を後方へ延長した態様の延長通路に形成した構
成となされているので、従来のクランプ手段を殆どその
まま使用できるものとなる。
作機械の主軸装置を示す側面視断面図、図2は前記主軸
装置の要部の拡大側面図であり、以下これらの図を参照
して説明する。
2は主軸であって軸受3を介して回転自在に支持されて
いる。4は軸受3や主軸2の前後方向fの変位を規制す
るためのリング部材で、主軸支持フレーム1の前端面に
ボルト固定されている。
孔2aに嵌合され且つ主軸2にボルト固定されたリング
形支持部材である。このリング形支持部材5は前部に主
軸回転中心cと直交したフランジ端面s1を有すると共
に中心部にテーパ嵌合孔5aを形成されてなる。6は主
軸2の中心孔2bに内挿された筒形案内部材で、前端を
中心孔2bの段部kに係止された状態に保持されてい
る。
されており、具体的には次のようになされている。即
ち、筒形案内部材6の中心孔にドローバー7が前後方向
fの変位可能に内挿されており、このドローバー7の長
さ途中にバネ受け8を筒形案内部材6の前端に支持され
た状態に外嵌し、このバネ受け8の前側に皿バネ9を配
置し、この皿バネ9を前方から覆うように押圧用リング
部材10を主軸2の中心孔に内挿している。この際、押
圧用リング部材10は前部に前後方向fの切込みa1を
形成され且つ前端面を斜面s2となされ、外周面を主軸
2の中心孔により前後方向fの摺動変位自在に案内され
ている。
11が螺着されている。このクランプロッド11は前端
部を膨大部11aとなされると共にこの膨大部11aの
前後端面を斜面となされ、また後端面を斜面となされる
と共に、中心部に段付きの内孔11bを形成されてな
る。クランプロッド11の周囲にはコレット12が配置
してあり、このコレット12は円筒状部材となされ前部
の円周方向の適当間隔位置に前後方向の図示しない切込
みを形成され、この前部が半径方向へ適当に弾性変形す
るものとなされ、また後端部を膨大部となされ、この膨
大部の前後端を斜面となされると共に後端部に切込みa
2を形成され、この切込みの底面を前記斜面s2と衝接
される斜面となされている。
心部には気液通路100、霧化手段101及び主軸内霧
状切削液通路102が形成されている。気液通路100
はドローバー7の中心部に形成された段付きの内孔内に
内管13を同心状に配置したもので、内管13内を切削
液通路100aとなされ、ドローバー7の内孔と内管1
3と間を圧縮空気通路100bとなされており、霧化手
段101は主軸2外方から気液通路100を経て供給さ
れた切削液と圧縮空気とを混合攪拌して霧状切削液とな
す霧化ノズル14と、このノズル14前方の主軸内霧状
切削液通路102内へ噴出された霧状切削液の圧力が低
下したときに前方へ少し変位して霧状切削液に圧縮空気
通路100b内の圧縮空気を直接に吹き込むものとした
圧縮空気供給弁体15とからなっており、さらに主軸内
霧状切削液通路102は圧縮空気供給弁体15の内孔で
形成されてなる。
小径部による段差部を備えたものに形成し、小径部をク
ランプロッド11の内孔に螺着された締結ネジ体16の
中心孔に摺動変位自在に内挿されると共に、この締結ネ
ジ体16の後面と上記段差部とで支持されたスプリング
17の弾力で後方f2へ押圧されて圧縮空気通路100
bとの連通箇所を閉止するものとなす。なお、締結ネジ
体16はこれの中心孔の周囲に小透孔を設け、この小透
孔を通じて漏洩切削液や漏洩圧縮空気を適所へ逃がすよ
うになされている。
5aに嵌入され且つクランプ手段KRを介してクランプ
された工具ホルダである。この工具ホルダ18は前端に
刃具19を固定されたホルダ本体部18a、図示しない
自動工具交換装置により把持されるホルダ把持部18
b、及び、リング形支持部材5のテーパ嵌合孔5aに嵌
入されるテーパ嵌入軸部18cを備えている。
され、この内孔に刃具19を挿入されるのであり、この
刃具19はホルダ本体部18aの先部に装着された刃具
締結具20で締結されて固定状態となされる。そして、
刃具19の中心部には2本の霧状切削液通路19aが形
成される。また工具ホルダ18の内孔には雌ネジが形成
してあり、この雌ネジに、刃具19の後端を支持するた
めの刃具ストッパ21が螺入されている。
これの中心線(主軸回転中心cと一致するもの)と直交
した向きの当て面s4を備え、また中心部に比較的大き
な径の凹み穴bを形成されると共にこの凹み穴bの周壁
部に複数の円孔b1を形成されている。この際、テーパ
雄面s3と当て面s4はリング形支持部材5のテーパ嵌
合孔5aとフランジ端面s1とに同時に圧接されて主軸
2と同体状に拘束される。凹み穴bの内周面にはコッタ
ー12の前端部と係合される斜面を形成されるのであ
り、また凹み穴bの周壁部の後端には切欠部dが形成さ
れる。
底面s5よりも前方にはホルダ内霧状切削液通路103
を形成するのであって、具体的にはホルダ把持部18b
に中心孔を形成し、この中心孔に連通管22を内挿して
これの先端を刃具ストッパ21の中心孔に密状に内挿
し、連通管22の内孔前部及び刃具ストッパ21の中心
孔をホルダ内霧状切削液通路103となす。この際、連
通管22の先端は刃具ストッパ21に対し前後方向の相
対変位可能となして刃具19の前後位置調整を可能とな
す。
切削液通路103を後方へ向けて延長するものとした延
長通路104を形成するのであって、具体的には凹み穴
bの底面から後方f2へ突出された連通管22の後部に
一定長の口金部材23を外嵌してこの口金部材23の前
端鍔部を凹み穴bの底面にネジ具24を介して固定させ
るのであり、この際、連通管22の後部と口金部材23
の内方を延長通路104となす。そして、口金部材23
は主軸2への工具ホルダ18の装着の際、先端がクラン
プロッド11の内孔11bに略密状に内挿され、一方で
は圧縮空気供給弁体15の小径部の前端に略密状に外挿
されるものとなす。
軸2側に対し工具ホルダ18を脱着する際は、先ずドロ
ーバー7を前方f1へ変位させる。これにより、クラン
プロッド11が前方f1へ変位されてコレット12の前
部に対する拘束を解除するものとなり、コレット12の
前部は自身の弾性で縮径し、これによりコレット12
と、凹み穴bの周壁部の内周面上の斜面との係合が解除
され、クランプ手段KRによる工具ホルダ18のクラン
プは解除され、工具ホルダ18の抜取りが可能となる。
この状態の下で図示しない自動工具交換装置が工具ホル
ダ18を前方f1へ引き抜き、次に使用される工具ホル
ダ18のテーパ嵌合軸部18cをリング形支持部材5の
テーパ嵌合孔5aにこれの前方から嵌入させる。
る。これにより、クランプロッド11の膨大部11aが
コレット12の前部に係合しこれを拡径させて凹み穴b
の周壁部の内周面上の斜面に係合させ、さらにコレット
12及びテーパ嵌合軸部18cを皿バネ9の弾力に抗し
て後方f2へ変位させるものとなり、これによりテーパ
嵌合軸部18cのテーパ雄面s3はテーパ嵌合孔5a
に、そして当て面s4はフランジ端面s1に圧接された
状態となり、工具ホルダ18はクランプ手段KRにより
クランプされる。
ける主軸2の回転中、刃具19の先端から霧状切削液を
噴出させるときは、主軸2内の気液通路100に主軸2
の外方から圧縮空気と切削液のそれぞれを別々に適当圧
で供給するのであり、この後の各部の作動は次のように
行われる。即ち、気液通路100は切削液と圧縮空気を
霧化ノズル14に供給し、霧化ノズル14はこれらを混
合攪拌しつつ圧縮空気供給弁体15の内孔である主軸内
霧状切削液通路102内へ噴射して霧状切削液となし、
主軸内霧状切削液通路102はこの霧状切削液を工具ホ
ルダ18の口金部材23を介して延長通路104内へ送
り込む。
等の中心孔で形成されたホルダ内霧状切削液通路103
は延長通路104内に送り込まれた霧状切削液を刃具1
9内の霧状切削液通路19aに送り込むのであり、これ
により霧状切削液は刃具19の先端から噴出される。
長通路104とは略密状に連通された状態となるため、
霧状切削液は延長通路104外方の凹み穴b内に多量に
流出するのを抑制され、部品間の隙間から大気へ無駄に
飛散するのを防止される。また主軸内霧状切削液通路1
02、延長通路104及びホルダ内霧状切削液通路10
3はこれらの径がその長手方向で大きく変化しないもの
となるため、霧状切削液は通路の急拡大や急縮小に起因
した液状化を阻止され、刃具19の先端から安定的に噴
出されるものとなる。
レットクランプ手段を使用した工作機械の主軸装置に於
いて主軸内霧状切削液通路、ホルダ内霧状切削液通路及
び延長通路のそれぞれの径がその長手方向で大きく異な
らないものとなり、またこれら通路が密状に連通される
ため、これら通路を通過する霧状切削液が通路径の急変
による液状化を生じなくなり、工具ホルダの刃具先端か
ら霧状切削液を安定的に噴出させることができ、また霧
状切削液が部品間の隙間を通じて大気へ流出するのを抑
制して、霧状切削液の浪費を防止することができる。ま
た工具ホルダに延長通路を形成したため、従来の主軸側
の構造をそのまま使用することができる。
断面図である。
断面図である。
面視断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 主軸の先端部にコレットクランプ手段を
介して工具ホルダを機械的な脱着可能に固定させる工作
機械であって、工具ホルダの中心部には切削液通路を備
えており、且つ該中心部に形成された凹み穴底面箇所へ
一定長の口金部材をネジ具を介し取付けてホルダ内切削
液通路を後方へ延長した態様の延長通路に形成し、一方
主軸側クランプ手段のドローバー中心部には気液通路、
霧化手段及び主軸内霧状切削液通路を形成すると共に、
霧化手段は主軸外方から気液通路を経て供給される切削
液と圧縮空気とを混合撹拌して霧状切削液となす霧化ノ
ズルと、該ノズル前方の主軸内霧状切削液通路内へ噴出
された霧状切削液の圧力が低下したときに前方へ少し変
位して霧状切削液に圧縮空気通路内の圧縮空気を直接に
吹き込むものとした圧縮空気供給弁体とからなり、且つ
主軸内霧状切削液通路は圧縮空気供給弁体の内孔で形成
されるものとなし、該主軸内霧状切削液通路先端と前記
延長通路を介して工具ホルダ内霧状切削液通路間を連通
させる構成となしたことを特徴とする工作機械の主軸装
置。 - 【請求項2】 圧縮空気供給弁体の外形を大径部と小径
部の段差部を備えたものに形成し、小径部をクランプ手
段のクランプロッドの内孔に螺着させた締結ネジ体の中
心孔に位置させると共に、該締結ネジ体と上記段差部間
にスプリングを介在させたものとなし、その弾力で霧化
ノズル側へ押圧されるものとなしたことを特徴とする請
求項1記載の工作機械の主軸装置。 - 【請求項3】 工具ホルダの締め付け時に圧縮空気供給
弁体の小径部先端が工具ホルダに於ける口金部材後端内
へ部分的に内挿される構成となしたことを特徴とする請
求項1又は2記載の工作機械の主軸装置。
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