JP3266164B2 - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

ポリアセタール樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、熱安定性の改良され
た新規なポリアセタール樹脂組成物に関し、更に詳しく
言えば、本願発明は、ポリアセタール樹脂に、ジエン系
重合体と、メラミン誘導体、または、さらにアルカリ金
属、アルカリ土類金属化合物、ヒドラジド誘導体と、酸
アミド化合物の中から選ばれた一種類、または、二種類
以上のものとを添加・配合して、均一に溶融混練してな
る熱安定性の改良された新規なポリアセタール樹脂組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアセタール樹脂は、物理的性質、例
えば、耐摩擦摩耗性、耐疲労性、電気的性質など、およ
び、化学的性質、例えば、耐薬品性や耐水性などに優れ
ているため、主として金属代用分野において使用され、
例えば電気・電子分野や建築分野、並びに、自動車産業
や雑貨分野などの部品等として使用されている。
【0003】しかし、ポリアセタール樹脂は、他のポリ
マーに比較してその分子構造に由来する熱安定性が悪
い。成形加工における熱酸化の条件下で、ポリマー分子
末端からの解重合、主鎖の切断などの熱酸化分解が発生
するが、熱酸化分解により発生するホルマリンがさらに
酸化されギ酸となり、ポリマーの熱酸化分解を促進す
る。そのため、ポリアセタール樹脂の熱安定性の改良に
は、従来よりポリマー連鎖切断により、また、酸化され
たポリマー分子中におけるヒドロペルオキシドなどの分
解により発生するラジカルを捕捉するために、酸化防止
剤、特に、ヒンダードフェノール類の酸化防止剤を添加
する。ポリマー分解により発生するホルマリンを捕捉す
るために、メラミン、尿素、各種のポリアミドなどのホ
ルマリン受容体を添加する。また、ホリマリンの酸化に
より生成するギ酸を捕捉するため、アリカリまたはアル
カリ土類金属化合物などのギ酸受容体を添加することが
行われている、特に、熱酸化により切断されたポリマー
の脱ホルマリン反応などを阻止すると同時に、ホルマリ
ンやギ酸の捕捉を行う方法、即ち、酸化防止剤とホルマ
リン受容体を併用する方法、酸化防止剤、ホルマリン受
容体とギ酸受容体を併用する方法などが、ポリアセター
ル樹脂の熱安定性の改良には、大きな相乗効果を発揮で
きるため、ポリアセタール樹脂の熱安定化技術として完
成されつつある。
【0004】その中に、酸化防止剤、特にヒンダードフ
ェノール類の酸化防止剤は、ポリマー分子切断により発
生するラジカルやポリマー中のヒドロペルオキシドなど
の分解により発生するラジカルなどを捕捉し、効率良く
ラジカル連鎖反応を阻止することができるため、ポリア
セタール樹脂の熱安定性の改良には、特に有効で不可欠
である。一方、ヒンダードフェノール類酸化防止剤は、
各種のラジカルを捕捉しポリマー熱酸化反応の進行を阻
止すると同時に、自分自身から各種のキノン系化合物を
生成する。これらのキノン系化合物は、ポリアセタール
着色の要因になったり、また、特に添加量の多いとき、
かえって分解しポリアセタールの分解促進剤になったり
することが多い。それにも関わらず、これらのキノン系
化合物には、紫外部に吸収を持つものが多く光増感作用
があるので、ポリアセタール試料が光照射される場合、
その耐候(光)性が急速に劣化する。また、さらに、酸
化防止剤と光安定剤と併用する場合でも、酸化防止剤と
光安定剤とが化学反応を起こし、光安定剤を消費するた
め、ポリアセタール樹脂の耐候(光)性を低下すること
が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本願発明者らは、上述
した問題点を解決するために、ポリアセタール樹脂組成
物について鋭意検討を行った結果、ポリアセタール樹脂
に、ジエン系重合体と、メラミン誘導体、または、さら
にアルカリ金属、アルカリ土類金属化合物、ヒドラジド
誘導体、酸アミド化合物などから選ばれた一種類、また
は、二種類以上のものとを添加・配合して、均一に溶融
混練することによって、本来有しているポリアセタール
樹脂の優れた耐摩擦摩耗性や耐疲労性、および、耐薬品
性や電気的性質を損なうことなく、耐熱性に極めて優れ
た新規なポリアセタール樹脂組成物を得ることができる
との知見を得て、更に、技術的改良と再現性の確認実験
を行い、本願発明を完成させた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明は、ポリアセタ
ール樹脂に、ジエン系重合体とメラミン誘導体、また
は、さらにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属化合
物、ヒドラジド誘導体および酸アミド化合物から選ばれ
た一種、または、二種類以上のものとを添加・配合し
て、均一に溶融混練してなる耐熱性の改良された新規な
ポリアセタール樹脂組成物に関する。さらに詳しく言え
ば、本願発明は、ポリアセタール樹脂(A)100重量
部に対して、ジエン系重合体(B)0.05〜3.0
量部と、メラミン誘導体(C)0.01〜5.0重量部
からなる耐熱性の改良された新規なポリアセタール樹脂
組成物に関するものである。また、上記の(A)、
(B)、(C)成分に対して、さらにポリアセタール樹
脂(A)100重量部に対して、アルカリ金属もしくは
アルカリ土類金属化合物(D)0.01〜1.0重量
部、ヒドラジド誘導体(E)0.01〜5.0重量部、
および酸アミド化合物(F)0.01〜1.0重量部の
中から選ばれた一種類、または、二種類以上のものとを
添加・配合して、均一に溶融混練してなる耐熱性の改良
された新規なポリアセタール樹脂組成物に関するもので
ある。
【0007】本願発明において、ポリアセタール樹脂
(A)とは、既に一般に市販されているポリアセタール
(ポリオキシメチレン)、および、ポリアセタールコポ
リマーを意味する。更に具体的に言えば、例えば、ホル
ムアルデヒド、または、その3量体(トリオキサン)、
並びに、その4量体(テトラオキサン)を原料として製
造される実質的にオキシメチレン単位構造からなるオキ
シメチレンホモポリマー、および、或いは、ホルムアル
デヒド、または、その3量体(トリオキサン)、並び
に、その4量体(テトラオキサン)とエチレンオキサイ
ド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソラン、1,
3,5−トリオキセパン、グリコ−ルのホルマール、ジ
グリコールのホルマール、ジグリコールのホルマール等
の炭素数2〜8の環状エーテルから製造されるオキシア
ルキレン単位構造を0.1〜20重量%含有するオキシ
メチレンコポリマー、或いは、および、オキシメチレン
ホモポリマー、または、オキシメチレンコポリマーを主
構造としてオキシメチレン単位構造以外のブロック構
造、または、末端構造を有するオキシメチレンブロック
コポリマー、または、オキシメチレングラフトポリマ
ー、若しくは、架橋構造を有する公知のオキシメチレン
架橋ポリマーなどのことを意味する。
【0008】本願発明において添加・配合されるジエン
系重合体(B)とは、共役ジオレフィンの単独重合体、
あるいは、共役ジオレフィンと他の共役ジオレフィン、
オレフィン、芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル
およびアセチレン化合物からなる群から選ばれた一種
類、あるいは、二種類以上のものとの共重合体であるこ
とを意味する。さらに具体的に言えば、共役ジオレフィ
ンの単独重合体、および、共役ジオレフィンと他の共役
ジオレフィンとの共重合体としては、たとえば、ブタジ
エン、イソプレン、1,3ペンタジエン、シクロペンタ
ジエン、2,3−ジメチルブタジエン、クロロプレン、
2−フェニルブタジエンなどの単独重合体、あるいは、
これらの共役ジオレフィン同志の共重合体などを挙げら
れることができる。また、共役ジオレフィンと、オレフ
ィン、芳香族ビニル化合物、およびアセチレン化合物か
らなる共重合体としては、たとえば、エチレン、プロピ
レン、ブテン−1、イソブチレン、ペンテン−1、ヘキ
セン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ドデセン−
1、スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシス
チレン、アクリロニトリル、およびアセチレンなどから
なる群から選ばれた一種類、あるいは、二種類以上のも
のと前述の共役ジオレフィンとの共重合体を挙げられる
ことができる。また、本発明におけるジエン系重合体が
天然物、合成物、重合度、物理状態、分子状態、およ
び、二重結合のミクロ構造に限定されず、すなわち、炭
素−炭素の二重結合が重合体全体の5%以上であれば、
天然物および合成物のいかなる重合度のもの、ビニル
基、トランス−1,4構造、シス−1,4構造の各種比
率の重合体、1,2重合体、1,4重合体のいかなる二
重結合のミクロ構造のもの、分子状態として直鎖状、グ
ラフト状、部分環状、およびブロック状、ランダム状の
いかなるもの、また、液状、粉末、フレーク、塊状、ペ
レットのいかなる物理状態のものでも、本発明に含まれ
る。
【0009】本発明において添加・配合されるメラミン
誘導体(C)とは、下記の一般式
【0010】
【化5】
【0011】〔ただし、式中R1 、R2 およびR3 は、
水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコ
キシ基、アリール基、水添アリール基、アミノ基または
置換アミノ基を意味し、その中の少なくとも一つはアミ
ノ基もしくは置換アミノ基である〕で示すアミン置換ト
リアジン類のものであることを意味する。更に具体的に
言えば、例えば、メラミン(2,4,6−トリアミノ−
sym−トリアジン)、グアナミン(2,4−ジアミノ
−sym−トリアジン)、N−ブチルメラミン、N−フ
ェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N
−ジアリルメラミン、N,N’,N”−トリフェニルメ
ラミン、N,N’,N”−トリメチロールメラミン、ベ
ンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−s
ym−トリアジン)、2,4−ジアミノ−6−ブチル−
sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ベンジル
オキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−
ブトキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6
−シクロヘキシル−sym−トリアジン、2,4−ジア
ミノ−6−クロロ−sym−トリアジン、2,4−ジア
ミノ−6−メルカブト−sym−トリアジン、2,4−
ジオキシ−6−アミノ−sym−トリアジン、2−オキ
シ−4,6−ジアミノ−sym−トリアジン、N,N,
N’,N’−テトラシアノエチルベンゾグアナミンなど
を挙げることができる。
【0012】本願発明において、アルカリ金属、また
は、アルカリ土類金属化合物(D)とは、アルカリ金
属、または、アルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、
カルボン酸塩、アルコールの金属塩などを意味する。さ
らに具体的に言えば、水酸化物として、例えば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水
酸化カルシウム、水酸化バリウムなどが挙げられる。無
機酸塩として、例えば、炭酸、りん酸、けい酸、ほう酸
のナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、
バリウム、および、その他の金属塩などを挙げられる。
カルボン酸塩として、一価、二価、または、多価のカル
ボン酸の塩、例えば、酢酸、酪酸、モンタン酸、クエン
酸、アジピン酸、ステアリン酸などのナトリウム、カリ
ウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、および、
その他の金属塩などが挙げられる。また、アルコールの
金属塩として、例えば、メタノール、エタノール、1−
ドデカノール、1−トリデカノール、1−ペンタデカノ
ール、ステアリルアルコール、1−エイコサノールなど
のナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、
バリウム、および、その他の金属塩などを挙げられるこ
とができる。
【0013】本願発明において添加・配合されるヒドラ
ジド誘導体(E)とは、下記の一般式
【0014】
【化6】
【0015】
【化7】 〔ただし、式中R1 、R2 は、飽和または不飽和アルキ
ル基、アリル基を意味し、また、R3 は二価の飽和ま
たは不飽和アルキル基、アリ基を意味する〕で示す
ものであることを意味する。さらに具体的に言えば、例
えば、イソフタル酸ビス[2−フェノキシプロピオニル
ヒドラジド]、N,N’−[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラ
ジン、デカンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジドな
どを挙げることができる。
【0016】本願発明において、酸アミド化合物(F)
とは、下記の一般式
【0017】
【化8】
【0018】〔ただし、式中R1 は、飽和または不飽和
アルキル基、アリル基を意味し、また、R2 は水素原
子、飽和または不飽和アルキル基、アリ基を意味す
る〕で示すものであるものであることを意味する。さら
に具体的に言えば、例えば、オレイン酸アミド、ステア
リン酸アミド、エルシン酸アミド、メチレンビスステア
リン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、N−
ステアリルエルカアミド、N−オレインパルミトアミド
などを挙げることができる。
【0019】本願発明において、ポリアセタール樹脂に
ジエン系重合体と、メラミン誘導体を添加することによ
り、ポリアセタール樹脂の耐熱性が改良される理由につ
いては、実験結果に基づいてそのメカニズムを次のよう
に解釈することができる。熱酸化により、一本のポリア
セタール分子中に一個所が酸化切断されれば、二つのポ
リマーラジカルが生成し、このポリマーラジカルのラジ
カル末端から次々と脱ホルマリン反応が発生するため、
それぞれポリマーラジカルの寿命が相対的に長い、ま
た、ポリアセタール樹脂が熱酸化分解されやすいため、
系内にポリマーラジカルの数が相対的に多い。ジエン系
重合体を添加する場合、これらのジエン系重合体分子中
に多数の二重結合を含んでいるため、成形加工中におけ
る高温、高圧の条件下で、これらの二重結合がポリアセ
タールのポリマーラジカルを捕捉することによって、ジ
エン重合体にポリアセタール分子がグラフト化し、ジエ
ン系重合体を主鎖、ポリアセタールを側鎖とするグラフ
トコポリマーを生成すると同時に、ポリアセタールの分
解を阻止する。また、メラミン誘導体によりホルマリン
を捕捉し、ホルマリンによるポリアセタール熱酸化分解
の促進を抑えるため、ポリアセタール樹脂が安定化され
る。また、ポリアセタール、ジエン系重合体、および、
メラミン誘導体のほかに、さらに、アルカリ金属、また
は、アルカリ土類金属化合物と、ヒドラジド誘導体、お
よび酸アミド化合物から選ばれた一種類、および、二種
類以上のものを添加する場合、これらのものとメラミン
誘導体との相乗効果が発揮され、熱酸化によるポリアセ
タール樹脂系内に生成するギ酸やホルマリンの捕捉効果
が高められるため、ポリアセタール樹脂の耐熱性が一層
向上する。
【0020】本願発明を実施するとき、その目的とする
ポリアセタール樹脂組成物を、通常一般的な用途に使用
する場合には、特に、特殊な品質のポリアセタール樹脂
を選ぶ必要はなく、通常一般に、粉末、フレーク、或い
は、ペレットの形状で市販されているポリアセタール樹
脂の中から、その用途を考慮して適宜に選択すれば、十
分にその目的を達成することができる。
【0021】本願発明において、ジエン系重合体(B)
の配合量は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して
0.05〜3.0重量部、より好ましくは、0.5〜
3.0重量部である。ジエン系重合体(B)の配合量が
0.05重量部よりも少ないと、ポリアセタール樹脂の
熱安定化効果を十分に発揮できず、また、逆に、ジエン
系重合体(B)の配合量が3.0重量部よりも多くなる
と、場合によって、製品の機械的物性の低下などを招く
ことがあるので好ましくない。
【0022】本願発明において、メラミン誘導体(C)
の配合量は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して
0.01〜5.0重量部、より好ましくは0.10〜
0.50重量部である。メラミン誘導体(C)の配合量
が0.01重量部よりも少ないと、ジエン系重合体など
との熱的相乗効果が十分に得られない。また、逆に、メ
ラミン誘導体(C)の配合量が、5.0重量部よりも多
くなると、製品の機械的物性の劣化や射出成形中におけ
るモールドデポジットなどが発生するおそれがあるので
好ましくない。
【0023】本願発明を実施するとき、アルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属化合物(D)の配合量は、ポリア
セタール樹脂100重量部に対して0.01〜1.0重
量部より好ましくは0.05〜0.5重量部である。
アルカリ金属まはアルカリ土類金属化合物(D)の配
合量が0.01重量部よりも少ないと、その配合による
熱的相乗効果を十分に発揮できず、また、逆に、アルカ
リ金属まはアルカリ土類金属化合物(D)の配合量
が、1.0重量部よりも多くなると、樹脂の変色をもた
らす場合があるので好ましくない。
【0024】本願発明を実施するとき、ヒドラジド誘導
体(E)の配合量は、ポリアセタール樹脂100重量部
に対して0.01〜5.0重量部、より好ましくは0.
1〜3.0重量部である。ヒドラジド誘導体(E)の配
合量が0.01重量部よりも少ないと、その配合による
熱的相乗効果が少ない、また、逆に、ヒドラジド誘導体
(E)の配合量が5.0重量部よりも多くなると、製品
の機械的物性が低下し、経済的にも不利である。
【0025】本願発明を実施するとき、酸アミド化合物
(F)の配合量は、ポリアセタール樹脂100重量部に
対して0.01〜1.0重量部、より好ましくは0.1
0〜0.50重量部である。酸アミド化合物(F)の配
合量が0.01重量部よりも少ないと、その添加による
熱的相乗効果を十分に発揮できず、また、逆に、酸アミ
ド化合物(F)の配合量が1.0重量部よりも多くなる
と、製品の機械的物性の低下やブリードアウトの発生な
どを招く場合があるので好ましくない。
【0026】また、本願発明を実施するとき、本願発明
のポリアセタール樹脂組成物には、所望により更に、各
種の酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、核化
剤、カーボンブラックや公知の充填剤、並びに、顔料、
界面活性剤、帯電防止剤などの二種類以上を、適宜に併
用添加することができる。
【0027】本願発明を実施するとき、本願発明のポリ
アセタール樹脂組成物は、一般公知の溶融混練装置、更
に具体的に言えば、1軸、または、2軸の押出機やニー
ダー等、および、ペレタイザーを用いて、容易に製造す
ることができる。このことを更に具体的に説明すると、
本願発明のポリアセタール樹脂組成物は、一般公知の方
法に従って、例えば、ポリアセタール樹脂の粉末(A)
に、所定量のジエン系重合物(B)、メラミン誘導体
(C)、および、さらに、アルカリ金属、または、アル
カリ土類金属化合物(D)と、ヒドラジド誘導体
(E)、または、酸アミド化合物(F)の中から選ばれ
た一種類、あるいは、二種類以上のものとを添加・配合
してスーパーミキサなどを用いて均一に混合したのち、
2軸押出機などを用いて溶融混練し、引き続いてペレッ
ト化することによって得られる。
【0028】ここに得られた本願発明のポリアセタール
組成物は、一般公知の成形方法、即ち、射出成形法、押
出成形法、圧縮成形法、吹込成形法、真空成形法、発泡
成形法などによって容易に成形することができる。
【0029】以下、本願発明を実施例、および、比較例
によってその実施態様等を具体的に、かつ詳細に説明す
るが、以下の例は、具体的に説明するためのものであっ
て、本願発明の実施態様や発明の範囲を限定するものと
しては意図されていない。
【0030】
【実施例】
実施例1 ポリアセタール樹脂〔三菱瓦斯化学製、ユピタール、メ
ルトインデックスMI10g/10min〕100重量
部、ポリブタジエン[日本石油化学製、B−2000]
0.20重量部、メラミン0.20重量部をそれぞれ秤
取り均一に混合したのち、48gを秤取り、次の条件下
においてラボプラストミルでその耐熱性を測定し、5分
間ごと試料のトルク変化、および、30分間混練したあ
との発泡や変色の有無などで耐熱性を評価した。得られ
た結果を表2に示した。 ラボプラストミルの測定条件 測定機械: 東洋精機製30C150型ラボプラストミ
ル、 試験温度: 220℃ Z型スクリュー回転数: 60rpm 雰囲気: 空気
【0031】実施例2〜 表1に示した比率で、各成分を混合した以外は、全て実
施例1と同様に測定し、得られた結果を表2に示した
【0032】比較例1〜5 表3に示した比率で、各成分を混合した以外は、全て実
施例1と同様に測定して、得られた結果を表4に示し
た。
【0033】実施例〜1 表5に示した比率で、各成分を混合した以外は、て実
施例1と同様に測定し、得られた結果を表6に示した。
【0034】実施例1〜2 表7に示した比率で、各成分を混合した以外は、て実
施例1と同様に測定し、得られた結果を表8に示した。
【0035】比較例6〜7 実施例1において、ポリブタジエン0.20重量部の替
わりに、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン[チバ・ガイギー社製、Irganox 1
010]をそれぞれ0.30重量部と0.50重量部を
使用したほかに、ステアリン酸カルシウム0.05重量
部を添加し、実施例1と同様に測定して、得られた結果
を表8に示した。
【0036】比較例8 実施例1において、ポリブタジエン0.20重量部の替
わりに、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン[チバ・ガイギー社製、Irganox 1
010]0.50重量部を使用したほかに、水酸化マグ
ネシウム0.05重量部を添加し、実施例1と同様に測
定して、得られた結果を表8に示した。
【0037】
【発明の効果】本願発明のポリアセタール樹脂組成物
は、ポリアセタール樹脂(A)に、ジエン系重合体
(B)、メラミン誘導体(C)よりなる、あるいは、
(A)、(B)、(C)と、下記の(D)、(E)、
(F)の中から選ばれた一種類、または、二種類以上の
ものとを添加・配合して、均一に溶融混練してなる新規
なポリアセタール樹脂組成物である。ただし、 (D)アルカリ金属、または、アルカリ土類金属化合物 (E)ヒドラジド誘導体 (F)酸アミド化合物 本願発明のポリアセタール樹脂組成物は、極めて優れた
耐熱性を有しており、しかも、本来有しているポリアセ
タール樹脂の優れた耐摩擦摩耗性や耐疲労性、および、
耐薬品性や電気的性質を損なうことなく、とくに、酸化
防止剤による変色や光増感作用はないため、各種のポリ
アセタール成形品の材料として好適に用いることができ
る。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】
【表7】
【0045】
【表8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−81242(JP,A) 米国特許出願公開3975459(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 59/00 - 59/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリアセタール樹脂100重量部に
    対して、(B)共役ジオレフィンの単独重合体、あるい
    は共役ジオレフィンと他の共役ジオレフィン、オレフィ
    ン、芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、及びアセ
    チレン化合物からなる群から選ばれた一種類、あるい
    は、二種類以上のものとの共重合体であるジエン系重合
    体0.05〜3.0重量部、(C)メラミン誘導体0.
    01〜5.0重量部よりなるポリアセタール樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1の成分(A)、(B)、(C)
    と、下記の(D)、(E)、(F)の中から選ばれた一
    種類、または、二種類以上のものとを添加・配合して、
    均一に溶融混練してなるポリアセタール樹脂組成物。た
    だし、 (D)アルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物0.
    01〜1.0重量部 (E)ヒドラジド誘導体0.01〜5重量部 (F)酸アミド化合物0.01〜1.0重量部
  3. 【請求項3】 メラミン誘導体が、下記の一般式れた1
    種以上のものである請求項1または2記載の強化ポリカ
    ーボネート樹脂組 【化1】 〔ただし、式中R1 、R2 およびR3 は、水素原子、ハ
    ロゲン原子、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アリ
    ール基、水添アリール基、アミノ基または置換アミノ基
    を意味し、その中の少なくとも一つはアミノ基もしくは
    置換アミノ基である〕で示すアミノ置換トリアジン類の
    ものである請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 アルカリ金属、または、アルカリ土類金
    属化合物が、アルカリ金属、または、アルカリ土類金属
    の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩、アルコールの金
    属塩などである請求項記載のポリアセタール組成物。
  5. 【請求項5】ヒドラジ誘導体が、下記一般式 【化2】 【化3】 〔ただし、式中R1 、R2 は、飽和または不飽和アルキ
    ル基、アリール基を意味し、また、R3 は二価の飽和ま
    たは不飽和アルキル基、アリール基を意味する〕で示す
    ものである請求項記載のポリアセタール組成物。
  6. 【請求項6】 酸アミド化合物が、下記一般式 【化4】 〔ただし、式中R1 は、飽和または不飽和アルキル基、
    アリール基を意味し、また、R2 は水素原子、アルキル
    基、アリール基を意味する〕で示すものである請求項
    記載のポリアセタール組成物。
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