JPH0796588B2 - 架橋プロピレン系重合体の製造法 - Google Patents

架橋プロピレン系重合体の製造法

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JPH0796588B2
JPH0796588B2 JP428887A JP428887A JPH0796588B2 JP H0796588 B2 JPH0796588 B2 JP H0796588B2 JP 428887 A JP428887 A JP 428887A JP 428887 A JP428887 A JP 428887A JP H0796588 B2 JPH0796588 B2 JP H0796588B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、架橋プロピレン系重合体の製造法に関する。
さらに詳しくは、触媒残渣のチタン分を5ppm以上または
バナジウム分を0.5ppm以上含有するプロピレン系重合体
に特定のフオスフアイト系化合物(以下、化合物Aとい
う。)、チオエーテル系酸化防止剤、ラジカル発生剤お
よび架橋助剤を特定量配合し、温度150℃〜300℃で溶融
混練処理することを特徴とする架橋されたプロピレン系
重合体の製造法に関する。
〔従来の技術〕
一般にプロピレン系重合体は比較的安価でかつ優れた機
械的性質を有するので、射出成形品、中空成形品、フイ
ルム、シート、繊維など各種の成形品の製造に用いられ
ている。しかしながら、プロピレン系重合体は該プロピ
レン系重合体の融点以上の温度で成形加工されるが、そ
の際の溶融混練時の熱により酸化劣化を受け、該プロピ
レン系重合体の分子鎖の切断による加工性および機械的
強度の低下ならびに酸化劣化に起因する着色、臭いの問
題が起こる。特にプロピレン系重合体は、該重合体中に
酸化を受け易い第3級炭素を有しているため、成形加工
時の溶融混練により熱酸化劣化を受けやすく、また実用
時の熱的安定性にも問題がある。このため、従来より溶
融混練時の熱酸化劣化を防止する目的で、2,6−ジ−t
−ブチル−p−クレゾール(BHT)の如き低分子量のフ
エノール系酸化防止剤が、また実用時の熱的安定性を付
与するために高分子量のフエノール系酸化防止剤が広く
用いられている。
しかしながら、上述のフエノール系酸化防止剤を配合し
たプロピレン系重合体を溶融混練すると用いたフエノー
ル系酸化防止剤がプロピレン系重合体中の触媒残渣であ
るチタンまたはバナジウムの錯化合物によつて溶融混練
時に酸化されキノン化合物を生成し、得られるプロピレ
ン系重合体が着色するといつた問題が起こる。本発明者
らは、触媒残渣としてのチタン分またはバナジウム分を
多く含有するプロピレン系重合体の着色性について研究
する過程において、該触媒残渣のチタン分またはバナジ
ウム分を多く含有するプロピレン系重合体に上述のフエ
ノール系酸化防止剤を配合して溶融混練処理しても実用
上問題となる程の着色は起こらないが、かかるフエノー
ル系酸化防止剤を配合したプロピレン系重合体を、架橋
助剤を用いてラジカル発生剤の存在下に溶融混練処理す
ると、得られる架橋プロピレン系重合体が著しく着色す
ることを見い出し、先にプロピレン系重合体にポリオー
ルもしくはポリオールと脂肪酸の部分エステルおよびフ
エノール系酸化防止剤を配合し、架橋助剤を用いてラジ
カル発生剤の存在下に溶融混練処理する架橋プロピレン
系重合体の製造方法(特願昭61−147581号)を提案し
た。
また、プロピレン系重合体の機械的強度、耐熱剛性など
を改善する目的で多官能性モノマーなどからなる架橋助
剤を用いてラジカル発生剤の存在下に溶融混練処理して
プロピレン系重合体を架橋する方法はよく知られてい
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは先に特願昭61−147581号において提案した
架橋プロピレン系重合体の製造方法に満足することな
く、触媒残渣としてのチタン分またはバナジウム分を多
く含有するプロピレン系重合体を、架橋助剤を用いてラ
ジカル発生剤の存在下に溶融混練処理しても着色のない
架橋プロピレン系重合体を得る方法についてさらに鋭意
研究した。その結果、触媒残渣のチタン分を5ppm以上ま
たはバナジウム分を0.5ppm以上含有するプロピレン系重
合体に特定のフオスフアイト系化合物(以下、化合物A
という。)チオエーテル系酸化防止剤、ラジカル発生剤
および架橋助剤を特定量配合し溶融混練処理すると、着
色がなく溶融混練時の熱酸化劣化防止性および実用時の
熱的安定性が実用上満足できる架橋されたプロピレン系
重合体が得られることを見い出し、この知見に基づいて
本発明を完成した。
以上の記述から明らかなように、本発明の目的は触媒残
渣のチタン分を5ppm以上またはバナジウム分を0.5ppm以
上含有するプロピレン系重合体に、化合物A、チオエー
テル系酸化防止剤、ラジカル発生剤および架橋助剤を配
合し、溶融混練処理することにより着色のない架橋プロ
ピレン系重合体の製造法を提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は下記の構成を有する。
触媒残渣のチタン分を5ppm以上またはバナジウム分を0.
5ppm以上含有するプロピレン系重合体100重量部に対し
て、下記一般式〔I〕で示されるフオスフアイト系化合
物(以下、化合物Aという。)およびチオエーテル系酸
化防止剤をそれぞれ0.01〜1重量部、ラジカル発生剤を
0.005〜5重量部、架橋助剤を0.1〜20重量部配合し、15
0℃〜300℃で溶融混練処理することを特徴とする架橋プ
ロピレン系重合体の製造法。
〔ただし、式中R1は水素、炭素数1〜3のアルキル基ま
たは-CH2-CH(CH3)-R4{R4は、-O-P(OR5)2(R5は、炭素
数8〜18のアルキル基)}を示す。また、R2およびR3
炭素数1〜8の同種または異種のアルキル基を示す。〕 本発明の製造法で用いるプロピレン系重合体は、触媒残
渣のチタン分を5ppm以上またはバナジウム分を0.5ppm以
上含有するものであつて、例えば飽和炭化水素溶媒を用
いた溶液重合法、バルク重合法、気相重合法もしくはバ
ルク重合法と気相重合法の組み合わせによる重合法によ
り得られるプロピレン系重合体である。本発明の製造方
法にあつては触媒残渣のチタン分の含有量が5ppm未満ま
たはバナジウム分の含有量が0.5ppm未満のプロピレン系
重合体を用いても何ら差し支えない。本発明で用いるプ
ロピレン系重合体としては、触媒残渣のチタン分を5ppm
以上またはバナジウム分を0.5ppm以上含有するプロピレ
ン系重合体であつて、プロピレンの単独重合体、プロピ
レンとエチレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチ
ル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などの
α−オレフインの1種もしくは2種以上との結晶性ラン
ダム共重合体もしくは結晶性ブロツク共重合体、プロピ
レンと酢酸ビニル、アクリル酸エステルなどとの共重合
体もしくは該共重合体のケン化物、プロピレンと不飽和
カルボン酸もしくはその無水物との共重合体、該共重合
体と金属イオン化合物との反応生成物などを例示するこ
とができ、これらプロピレン系重合体の単独使用は勿論
のこと、2種以上のプロピレン系重合体を混合して用い
ることもできる。また上述のプロピレン系重合体と各種
合成ゴム(例えばエチレン−プロピレン共重合体ゴム、
エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム、ポ
リブタジエン、ポリイソプレン、塩素化ポリエチレン、
塩素化ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン系ゴム、
スチレン−ブタジエン−スチレンブロツク共重合体、ス
チレン−イソプレン−スチレンブロツク共重合体、スチ
レン−エチレン−ブチレン−スチレンブロツク共重合
体、スチレン−プロピレン−ブチレン−スチレンブロツ
ク共重合体など)または熱可塑性合成樹脂(例えばポリ
エチレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン−1
の如きプロピレン系重合体を除くポリオレフイン、ポリ
スチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリア
ミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリ塩化ビニルなど)との混合物を用いる
こともできる。プロピレン単独重合体、結晶性エチレン
−プロピレンランダム共重合体、結晶性エチレン−プロ
ピレンブロツク共重合体、結晶性プロピレン−ブテン−
1ランダム共重合体、結晶性エチレン−プロピレン−ブ
テン−1 3元共重合体、結晶性プロピレン−ヘキセン
−ブテン−1 3元共重合体またはこれら2以上の混合
物であつて触媒残渣のチタン分を5ppm以上またはバナジ
ウム分を0.5ppm以上含有するプロピレン系重合体が特に
好ましく用いられる。
本発明で用いられる化合物Aとしては、1,1′−ビス
(4−ジ−ノニルフオスフアイト−3,5−ジ−t−ブチ
ルフエニル)メタン、1,1′−ビス(4−ジ−トリデシ
ルフオスフアイト−3,5−ジ−t−ブチルフエニル)メ
タン、1,1′−ビス(4−ジ−ステアリルフオスフアイ
ト−3,5−ジ−t−ブチルフエニル)メタン、1,1′−ビ
ス(3−メチル−4−ジ−ノニルフオスフアイト−5−
t−ブチルフエニル)メタン、1,1′−ビス(3−メチ
ル−4−ジ−トリデシルフオスフアイト−5−t−ブチ
ルフエニル)メタン、1,1′−ビス(3−メチル−4−
ジ−ステアリルフオスフアイト−5−t−ブチルフエニ
ル)メタン、4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−
6−t−ブチルフエニル)ジ−ノニルフオスフアイト、
4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチ
ルフエニル)ジ−トリデシルフオスフアイト、4,4′−
ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフエニ
ル)ジ−ステアリルフオスフアイト、1,1′−ビス(2
−ジ−ノニルフオスフアイト−3−t−ブチル−5−メ
チルフエニル)メタン、1,1′−ビス(2−ジ−トリデ
シルフオスフアイト−3−t−ブチル−5−メチルフエ
ニル)メタン、1,1′−ビス(2−ジ−ステアリルフオ
スフアイト−3−t−ブチル−5−メチルフエニル)メ
タン、1,1′−ビス(2−ジ−ノニルフオスフアイト−
3−t−ブチル−5−エチルフエニル)メタン、1,1′
−ビス(2−ジ−トリデシルフオスフアイト−3−t−
ブチル−5−エチルフエニル)メタン、1,1′−ビス
(2−ジ−ステアリルフオスフアイト−3−t−ブチル
−5−エチルフエニル)メタン、1,1′−ビス(2−ジ
−ノニルフオスフアイト−3,5−ジ−t−ブチルフエニ
ル)メタン、1,1′−ビス(2−ジ−トリデシルフオス
フアイト−3,5−ジ−t−ブチルフエニル)メタン、1,
1′−ビス(2−ジ−ステアリルフオスフアイト−3,5−
ジ−t−ブチルフエニル)メタン、2,2′−ビス(1−
ジ−ノニルフオスフアイト−4,6−ジ−t−ブチルフエ
ニル)エタン、2,2′−ビス(1−ジ−トリデシルフオ
スフアイト−4,6−ジ−t−ブチルフエニル)エタン、
2,2′−ビス(1−ジ−ステアリルフオスフアイト−4,6
−ジ−t−ブチルフエニル)エタン、1,1′−ビス(2
−ジ−ノニルフオスフアイト−3−t−オクチル−5−
メチルフエニル)メタン、1,1′−ビス(2−ジ−トリ
デシルフオスフアイト−3−t−オクチル−5−メチル
フエニル)メタン、1,1′−ビス(2−ジ−ステアリル
フオスフアイト−3−t−オクチル−5−メチルフエニ
ル)メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−ノ
ニルフオスフアイト−5−t−ブチルフエニル)ブタ
ン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシル
フオスフアイト−5−t−ブチルフエニル)ブタン、1,
1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−ステアリルフオス
フアイト−5−t−ブチルフエニル)ブタンおよびこれ
らの2以上の混合物などを例示できる。特に4,4′−ブ
チリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフエニ
ル)ジ−トリデシルフオスフアイト、1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ジ−トリデシルフオスフアイト−5
−t−ブチルフエニル)ブタンまたはこれらの混合物が
好ましい。また、チオエーテル系酸化防止剤としてはジ
ラウリルチオジプロオネート、ジトリデシルチオジプロ
ピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジセ
チルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピ
オネート、ジラウリルチオジブチレート、ジトリデシル
チオジブチレート、ジミリスチルチオジブチレート、ジ
セチルチオジブチレート、ジステアリルチオジブチレー
ト、ペンタエリスリトール−β−ラウリル−チオジプロ
ピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネー
ト、ペンタエリスリトール−テトラキス−(3−ラウリ
ルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テト
ラキス−(3−ミリスチルチオプロピオネート)、ペン
タエリスリトール−テトラキス−(3−ステアリルチオ
プロピオネート)、ビス(4−t−アミルフエニル)ス
ルフイド、ジステアリルジスルフイド、チオエチレング
リコール−ビス(β−アミノクロトネート)、ポリ
((1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン−
チオ−ジプロピオネート))およびこれらの2以上の混
合物を例示できる。特にジミリスチルチオジプロピオネ
ート、ジステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリ
スリトール−テトラキス−(3−ラウリルチオプロピオ
ネート)およびこれらの混合物が好ましい。該化合物A
およびチオエーテル系酸化防止剤の配合割合は、プロピ
レン系重合体100重量部に対してそれぞれ0.01〜1重量
部、好ましくは0.05〜0.5重量部である。0.01重量部未
満の配合では架橋プロピレン系重合体の溶融混練時の熱
酸化劣化の防止効果および実用時の熱的安定性が不充分
であり、また1重量部を超えても構わないが、それ以上
の溶融混練時の熱酸化劣化の防止効果および実用時の熱
的安定性の向上が期待できず実際的でないばかりでなく
また不経済である。
本発明で用いられるラジカル発生剤としては、均一な組
成物を得るためには分解温度は低過ぎない方が望まし
く、半減期10時間を得るための温度が70℃以上、好まし
くは100℃以上のものであり、ベンゾイルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパーアセ
テート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(ベンゾイ
ルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチル−ジ−パーア
ジペート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチル
ヘキサノエート、メチル−エチルケトンパーオキサイ
ド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジ−t−ブチル
パーオキサイド、ジキユミルパーオキサイド、2,5−ジ
−メチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキ
シイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルキユミルパーオ
キサイド、1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス−(t−ブ
チルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス−(t−
ブチルパーオキシ)ブタン、p−メンタンハイドロパー
オキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンハイドロパーオ
キサイド、キユメンハイドロパーオキサイド、t−ブチ
ルハイドロパーオキサイド、p−サイメンハイドロパー
オキサイド、1,1,3,3−テトラ−メチルブチルハイドロ
パーオキサイドもしくは2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−
(ハイドロパーオキシ)ヘキサンなどの有機過酸化物を
例示できる。特に2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ
−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3または1,3−
ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン
が好ましい。該ラジカル発生剤の配合割合は、通常プロ
ピレン系重合体100重量部に対して、0.005〜5重量部、
好ましくは0.01〜1重量部である。また溶融混練処理の
方法は、後述の各種溶融混練装置により150℃〜300℃、
好ましくは180℃〜270℃の温度で行う。溶融混練処理温
度が150℃未満では充分な架橋が行われず、300℃を超え
るとプロピレン系重合体の熱酸化劣化が促進され、該プ
ロピレン系重合体の着色が顕著となるので好ましくな
い。
本発明で用いられる架橋助剤としては、多官能性モノマ
ー、一官能性モノマー、キノンジオキシム化合物、ニト
ロソ化合物、マレイミド化合物またはこれらの2以上の
混合物であり、エチレングリコールジアクリレート、エ
チレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコ
ールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリ
レート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリ
エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレン
グリコールジアクリレート、テトラエチレングリコール
ジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレ
ート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、プロ
ピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコー
ルジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジアク
リレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレー
ト、グリセロールジアクリレート、グリセロールジメタ
クリレート、グリセロールトリアクリレート、グリセロ
ールトリメタクリレート、グリセロールアリロキシジア
クリレート、グリセロールアリロキシジメタクリレー
ト、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチ
ロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメ
タクリレート、1,2,3−プロパントリオールトリアクリ
レート、1,2,3−プロパントリオールトリメタクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタン
ジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトール
ジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエ
リスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメ
タクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチ
ル)シアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシ
エチル)シアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキ
シエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロ
イルオキシエチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリア
クリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、1,3,5−ト
リメタクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、1,1,
1−トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレート、1,
1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジメタクリレー
ト、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリアクリ
レート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリメ
タクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパ
ンジアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプ
ロパンジメタクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメ
チルプロパントリアクリレート、1,1,1−トリスヒドロ
キシメチルプロパントリメタクリレート、2,2′−メチ
レン−ビス−(6−t−ブチル−4−メチルフエノー
ル)ジアクリレート、2,2′−メチレン−ビス−(6−
t−ブチル−4−メチルフエノール)ジメタクリレー
ト、2,2′−メチレン−ビス−(6−t−ブチル−4−
エチルフエノール)ジアクリレート、2,2′−メチレン
−ビス−(6−t−ブチル−4−エチルフエノール)ジ
メタクリレート、2,2′−メチレン−ビス−(4,6−ジ−
t−ブチルフエノール)ジアクリレート、2,2′−メチ
レン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフエノール)ジメ
タクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイ
ソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリル
フタレート、ジアリルテレフタレート、トリメリツト酸
トリアリルエステル、トリメシン酸トリアリルエステ
ル、ピロメリツト酸トリアリルエステル、スチレンモノ
マー、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニ
ルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、ジビニルピリ
ジン、p,p′−ジベンゾイルキノンジオキシム、p−ニ
トロソフエノール、N,N′(m−フエニレン)ビスマレ
イミド、N,N′−(p−フエニレン)ビスマレイミド、
N,N′−(4−メチル−m−フエニレン)ビスマレイミ
ド、N,N′−(4,4′−メチレン−ジフエニル)ビスマレ
イミド、N,N′−(4,4′−エチレン−ジフエニル)ビス
マレイミド、N,N′−(3,3′−ジクロロ−4,4′−ビフ
エニル)ビスマレイミド、N,N′−(3,3′−ジクロロ−
4,4′−メチレン−ジフエニル)ビスマレイミド、N,N′
−(3,3′−ジクロロ−4,4′−エチレン−ジフエニル)
ビスマレイミド、N,N′−(3,3′−ジメチル−4,4′−
メチレン−ジフエニル)ビスマレイミド、N,N′−(3,
3′−ジメチル−4,4′−エチレン−ジフエニル)ビスマ
レイミド、N,N′−(4,4′−ビニレン−ジフエニル)ビ
スマレイミド、N,N′−(4,4′−スルホニル−ジフエニ
ル)ビスマレイミド、N,N′−(2,2′−ジチオ−ジフエ
ニル)ビスマレイミド、N,N′−(4,4′−エチレン−ビ
スオキシフエニル)ビスマレイミド、N,N′−(ヘキサ
メチレン)ビスマレイミド、N,N′−(4,4′−トリメチ
レングリコール−ジベゾエート)ビスマレイミド、N,
N′−(3,3′−ジクロロ−4,4′−トリメチレングリコ
ール−ジベンゾエート)ビスマレイミド、N,N′−(3,
3′−ジメチル−4,4′−トリメチレングリコール−ジベ
ンゾエート)ビスマレイミドおよびこれらの2以上の混
合物などを例示できる。特にトリメチロールプロパント
リアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリ
レートまたはこれらの混合物が好ましい。該架橋助剤の
配合割合は、通常プロピレン系重合体100重量部に対し
て、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜2重量部である。
0.1重量部未満の配合では架橋プロピレン系重合体の機
械的強度などの改善効果が充分に発揮されず、また20重
量部を超えても機械的強度などの改善の程度は少なく、
かつ、架橋プロピレン系重合体中に残存する未反応の架
橋助剤の量が多くなり、得られる成形品の色相が悪化し
たり気泡が発生するなどの欠点が生じる。
本発明の製造法にあつては、用いる触媒残渣のチタン分
を5ppm以上またはバナジウム分を0.5ppm以上含有するプ
ロピレン系重合体に通常プロピレン系重合体に添加され
る各種の添加剤例えばリン系酸化防止剤、光安定剤、透
明化剤、造核剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブ
ロツキング剤、無滴剤、顔料、重金属不活性化剤(銅害
防止剤)、金属石鹸類などの分散剤もしくは中和剤、無
機充填剤(例えばタルク、マイカ、クレー、ウオラスト
ナイト、ゼオライト、アスベスト、炭酸カルシウム、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化ケイ
素、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、硫化
亜鉛、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ガラス繊維、
炭素繊維、チタン酸カリウム、金属繊維など)もしくは
カツプリング剤(例えばシラン系、チタネート系、ボロ
ン系、アルミネート系、ジルコアルミネート系など)の
如き表面処理剤で表面処理された前記無機充填剤または
有機充填剤(例えば木粉、パルプ、故紙、合成繊維、天
然繊維など)を本発明の目的を損なわない範囲で配合し
て用いることができる。
本発明の製造法は触媒残渣のチタン分を5ppm以上または
バナジウム分を0.5ppm以上含有するプロピレン系重合体
に前述の化合物A、チオエーテル系酸化防止剤、ラジカ
ル発生剤、架橋助剤ならびに通常プロピレン系重合体に
添加される前述の各種添加剤の所定量を通常の混合装置
例えばヘンセルミキサー(商品名)、スーパーミキサ
ー、リボンブレンダー、バンバリミキサーなどを用い
て、配合したラジカル発生剤が分解しない程度の温度で
混合し、通常の単軸押出機、2軸押出機、ブラベンダー
またはロールなどで、溶融混練温度150℃〜300℃、好ま
しくは180℃〜270℃で溶融混練処理することにより行わ
れる。
〔作用〕
本発明において化合物Aはフエノール系酸化防止剤とリ
ン系酸化防止剤との性能を併せ持つものであり、ラジカ
ル捕捉剤および過酸化物分解剤として作用し、溶融混練
時の熱酸化劣化の防止および実用時の熱的安定性の向上
に寄与する。さらに、チオエーテル系酸化防止剤は過酸
化物分解剤として実用時の熱的安定性の向上に、またラ
ジカル発生剤は溶融混練処理すなわち加熱によりラジカ
ルを発生して、プロピレン系重合体の水素原子の引き抜
きを行いプロピレン系重合体のラジカルを生成し、架橋
助剤は該プロピレン系重合体のラジカルと反応してプロ
ピレン系重合体を架橋し機械的強度などの改善に作用す
ることは周知の通りである。
本発明の製造法において前述の化合物Aが着色を起こさ
ないのは、化合物Aが通常のフエノール系酸化防止剤と
異なり、ヒンダードフエノールの水酸基がフオスフアイ
トを形成しているため、フエノール系酸化防止剤の酸化
防止過程に見られるようなキノン化合物の如き発色原子
団を生成しないためと考えられる。
〔効果〕
本発明の製造法により得られる架橋プロピレン系重合体
は、本発明者らの出願による前記特願昭61−147581号に
係わる架橋プロピレン系重合体にくらべてさらに着色が
なく、機械的強度などが改善されるので射出成形法、押
出成形法、ブロー成形法などの各種成形法により目的と
する成形品の製造に好適に使用することができる。
〔実施例〕 以下、実施例および比較例によつて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれによつて限定されるものではな
い。
尚、実施例および比較例で用いた評価方法は次の方法に
よつた。
着色性:得られたペレツトのYI(Yellowness Index)を
測定(JIS K7103に準拠)し、このYIの数値の大小より
着色性を評価した。この数値が小さい程、着色がないこ
とを示す。
実施例1〜12、比較例1〜3 プロピレン系重合体として、MFR(230℃における荷重2.
16Kgを加えた場合の10分間の溶融樹脂の吐出量)2.0g/1
0分の安定化されていない粉末状プロピレン単独重合体
(チタン含有量30ppm)100重量部に、化合物Aとして4,
4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチル
フエニル)ジ−トリデシルフオスフアイトもしくは1,1,
3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルフオスフ
アイト−5−t−ブチルフエニル)ブタン、チオエーテ
ル系酸化防止剤としてジミリスチルチオジプロピオネー
ト、ジステアリルチオジプロピオネートもしくはペンタ
エリスリトール−テトラキス−(3−ラウリルチオプロ
ピオネート)、ラジカル発生剤として2,5−ジ−メチル
−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンもしく
は1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)
ベンゼン、架橋助剤としてトリメチロールプロパントリ
アクリレートおよび他の添加剤のそれぞれ所定量を後述
の第1表に記載した配合割合でヘンセルミキサー(商品
名)に入れ、3分間攪拌混合した後口径40mmの単軸押出
機で200℃にて溶融混練処理して架橋し、ペレツト化し
た。また、比較例1〜3としてMFRが2.0g/10分の安定化
されていない粉末状プロピレン単独重合体(チタン含有
量30ppm)100重量部に後述の第1表に記載の添加剤のそ
れぞれ所定量を配合し、実施例1〜12に準拠して溶融混
練処理して架橋したペレツトを得た。
得られたペレツトを用いて前記の試験方法により着色性
の評価を行つた。その結果を第1表に示した。
実施例13〜24、比較例4〜6 プロピレン系重合体として、MFR7.0g/10分の安定化され
ていない粉末状結晶性エチレン−プロピレンランダム共
重合体(エチレン含有量2.5重量%、チタン含有量33pp
m)100重量部に、化合物Aとして4,4′−ブチリデン−
ビス(3−メチル−6−t−ブチルフエニル)ジ−トリ
デシルフオスフアイトもしくは1,1,3−トリス(2−メ
チル−4−ジ−トリデシルフオスフアイト−5−t−ブ
チルフエニル)ブタン、チオエーテル系酸化防止剤とし
てジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチ
オジプロピオネートもしくはペンタエリスリトール−テ
トラキス−(3−ラウリルチオプロピオネート)、ラジ
カル発生剤として2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサンもしくは1,3−ビス−(t−
ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、架橋助剤と
してトリメチロールプロパントリアクリレートおよび他
の添加剤のそれぞれ所定量を後述の第2表に記載した配
合割合でヘンセルミキサー(商品名)に入れ、3分間攪
拌混合した後口径40mmの単軸押出機で200℃にて溶融混
練処理して架橋し、ペレツト化した。また、比較例4〜
6としてMFRが7.0g/10分の安定化されていない粉末状結
晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体(エチレン
含有量2.5重量%、チタン含有量33ppm)100重量部に後
述の第2表に記載の添加剤のそれぞれ所定量を配合し、
実施例13〜24に準拠して溶融混練処理して架橋したペレ
ツトを得た。
得られたペレツトを用いて前記の試験方法により着色性
の評価を行つた。その結果を第2表に示した。
実施例25〜36、比較例7〜9 プロピレン系重合体として、MFR4.0g/10分の安定化され
ていない粉末状結晶性エチレン−プロピレンブロツク共
重合体(エチレン含有量8.5重量%、チタン含有量33pp
m)100重量部に、化合物Aとして4,4′−ブチリデン−
ビス(3−メチル−6−t−ブチルフエニル)ジ−トリ
デシルフオスフアイトもしくは1,1,3−トリス(2−メ
チル−4−ジ−トリデシルフオスフアイト−5−t−ブ
チルフエニル)ブタン、チオエーテル系酸化防止剤とし
てジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチ
オジプロピオネートもしくはペンタエリスリトール−テ
トラキス−(3−ラウリルチオプロピオネート)、ラジ
カル発生剤として2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサンもしくは1,3−ビス(t−ブ
チルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、架橋助剤とし
てトリメチロールプロパントリアクリレートおよび他の
添加剤のそれぞれ所定量を後述の第3表に記載した配合
割合でヘンセルミキサー(商品名)に入れ、3分間攪拌
混合した後口径40mmの単軸押出機で200℃にて溶融混練
処理して架橋し、ペレツト化した。また、比較例7〜9
としてMFRが4.0g/10分の安定化されていない粉末状結晶
性エチレン−プロピレンブロツク共重合体(エチレン含
有量8.5重量%、チタン含有量33ppm)100重量部に後述
の第3表に記載の添加剤のそれぞれ所定量を配合し、実
施例25〜36に準拠して溶融混練処理して架橋したペレツ
トを得た。
得られたペレツトを用いて前記の試験方法により着色性
の評価を行つた。その結果を第3表に示した。
実施例37〜48、比較例10〜12 プロピレン系重合体として、MFR7.0g/10分の安定化され
ていない粉末状結晶性エチレン−プロピレン−ブテン−
1 3元共重合体(エチレン含有量2.5重量%、ブテン
−1含有量4.5重量%、チタン含有量33ppm)100重量部
に、化合物Aとして4,4′−ブチリデン−ビス(3−メ
チル−6−t−ブチルフエニル)ジ−トリデシルフオス
フアイトもしくは1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ
−トリデシルフオスフアイト−5−t−ブチルフエニ
ル)ブタン、チオエーテル系酸化防止剤としてジミリス
チルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピ
オネートもしくはペンタエリスリトール−テトラキス−
(3−ラウリルチオプロピオネート)、ラジカル発生剤
として2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサンもしくは1,3−ビス−(t−ブチルパー
オキシイソプロピル)ベンゼン、架橋助剤としてトリメ
チロールプロパントリアクリレートおよび他の添加剤の
それぞれ所定量を後述の第4表に記載した配合割合でヘ
ンセルミキサー(商品名)に入れ、3分間攪拌混合した
後口径40mmの単軸押出機で200℃にて溶融混練処理して
架橋し、ペレツト化した。また、比較例10〜12としてMF
Rが7.0g/10分の安定化されていない粉末状結晶性エチレ
ン−プロピレン−ブテン−1 3元共重合体(エチレン
含有量2.5重量%、ブテン−1含有量4.5重量%、チタン
含有量33ppm)100重量部に後述の第4表に記載の添加剤
のそれぞれ所定量を配合し、実施例37〜48に準拠して溶
融混練処理して架橋したペレツトを得た。
得られたペレツトを用いて前記の試験方法により着色性
の評価を行つた。その結果を第4表に示した。
実施例49〜60、比較例13〜15 プロピレン系重合体として、MFR4.0g/10分の安定化され
ていない粉末状結晶性エチレン−プロピレンブロツク共
重合体(エチレン含有量16.0重量%、バナジウム含有量
0.6ppm)100重量部に、化合物Aとして4,4′−ブチリデ
ン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフエニル)ジ−
トリデシルフオスフアイトもしくは1,1,3−トリス(2
−メチル−4−ジ−トリデシルフオスフアイト−5−t
−ブチルフエニル)ブタン、チオエーテル系酸化防止剤
としてジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリ
ルチオジプロピオネートもしくはペンタエリスリトール
−テトラキス−(3−ラウリルチオプロピオネート)、
ラジカル発生剤として2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサンもしくは1,3−ビス−
(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、架橋
助剤としてトリメチロールプロパントリアクリレートお
よび他の添加剤のそれぞれ所定量を後述の第5表に記載
した配合割合でヘンセルミキサー(商品名)に入れ、3
分間攪拌混合した後口径40mmの単軸押出機で200℃にて
溶融混練処理して架橋し、ペレツト化した。また、比較
例13〜15としてMFRが4.0g/10分の安定化されていない粉
末状結晶性エチレン−プロピレンブロツク共重合体(エ
チレン含有量16.0重量%、バナジウム含有量0.6ppm)10
0重量部に後述の第5表に記載の添加剤のそれぞれ所定
量を配合し、実施例49〜60に準拠して溶融混練処理して
架橋したペレツトを得た。
得られたペレツトを用いて前記の試験方法により着色性
の評価を行つた。その結果を第5表に示した。
第1〜5表に示される各種化合物および添加剤は下記の
通りである。
化合物A〔I〕;4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル
−6−t−ブチルフエニル)ジ−トリデシルフオスフア
イト 化合物A〔II〕;1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−
トリデシルフオスフアイト−5−t−ブチルフエニル)
ブタン チオエーテル系酸化防止剤〔I〕; ジミリスチルチオジプロピオネート チオエーテル系酸化防止剤〔II〕; ジステアリルチオジプロピオネート チオエーテル系酸化防止剤〔III〕; ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリルチオ
プロピオネート) ラジカル発生剤〔I〕; 2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)
ヘキサン ラジカル発生剤〔II〕; 1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベ
ンゼン 架橋助剤;トリメチロールプロパントリアクリレート フエノール系酸化防止剤1; 2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール フエノール系酸化防止剤2; テトラキス〔メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチ
ル−4′−ヒドロキシフエニル)プロピオネート〕メタ
ン ポリオール系化合物(ポリオールと脂肪酸の部分エステ
ル);ペンタエリスリトールモノステアレート フオスフアイト系化合物(フエノール性水酸基が残存す
るフオスフアイト系化合物); ビス(p−オクチル)フエニル−ビス〔2−t−ブチル
−5−メチル−4−〔α−(3−t−ブチル−6−メチ
ル−4−ヒドロキシフエニル)〕ブチルフエニル〕−1,
6−ヘキサンジオール−ジフオスフアイト Ca−St;ステアリン酸カルシウム 第1表に記載の実施例および比較例は、プロピレン系重
合体としてプロピレン単独重合体を用いた場合である。
第1表からわかるように、実施例1〜12は本発明に係わ
る触媒残渣のチタン分を30ppm含有するプロピレン単独
重合体に化合物A、チオエーテル系酸化防止剤、ラジカ
ル発生剤および架橋助剤を配合し、溶融混練処理し架橋
したものである。実施例1〜12と比較例1(本発明者ら
が先に提案した特願昭61−147581号公報の架橋プロピレ
ン系重合体の製造方法すなわちプロピレン系重合体にポ
リオールと脂肪酸の部分エステル、フエノール系酸化防
止剤、ラジカル発生剤および架橋助剤を配合し、溶融混
練処理し架橋したもの)をくらべると、実施例1〜12が
比較例1よりも着色が少なく、着色防止性が改善されて
いることがわかる。化合物Aの替わりにフエノール性水
酸基が残存するフオスフアイト系化合物を用いた比較例
2と実施例1〜12をくらべると、比較例2は着色が顕著
であり、この着色は前記フオスフアイト系化合物のフエ
ノール性水酸基がキノン化合物を生成することに起因す
ることがわかる。また比較例1で用いたポリオールと脂
肪酸の部分エステルを比較例2にさらに追加した比較例
3と実施例1〜12をくらべると、比較例3は比較例1同
様着色は改善されるものの実施例1〜12に及ばないこと
がわかる。
第2〜5表は、プロピレン系重合体としてそれぞれ結晶
性エチレン−プロピレンランダム共重合体、結晶性エチ
レン−プロピレンブロツク共重合体、結晶性エチレン−
プロピレン−ブテン−1 3元共重合体、結晶性エチレ
ン−プロピレンブロツク共重合体を用いたものであり、
これらについても上述と同様の効果が確認された。
従つて、本発明の製造法によつて得られる架橋プロピレ
ン系重合体は着色がなく、その機械的強度や耐熱剛性な
どが改善されることがわかる。
このことから本発明の製造法で得られる架橋プロピレン
系重合体は、従来から知られた着色防止効果を有する化
合物を配合して架橋助剤を用いてラジカル発生剤の存在
下に溶融混練処理して架橋したものにくらべて、着色防
止性が著しく優れていることがわかり本発明の顕著な効
果が確認された。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒残渣のチタン分を5ppm以上またはバナ
    ジウム分を0.5ppm以上含有するプロピレン系重合体100
    重量部に対して、下記一般式〔I〕で示されるフオスフ
    アイト系化合物(以下、化合物Aという。)およびチオ
    エーテル系酸化防止剤をそれぞれ0.01〜1重量部、ラジ
    カル発生剤を0.005〜5重量部、架橋助剤を0.1〜20重量
    部配合し、150℃〜300℃で溶融混練処理することを特徴
    とする架橋プロピレン系重合体の製造法。 〔ただし、式中R1は水素、炭素数1〜3のアルキル基ま
    たは-CH2-CH(CH3)-R4{R4は、-O-P(OR5)2(R5は、炭素
    数8〜18のアルキル基)}を示す。また、R2およびR3
    炭素数1〜8の同種または異種のアルキル基を示す。〕
  2. 【請求項2】一般式〔I〕においてR2およびR3で示され
    るアルキル基が、メチル基またはt−ブチル基である特
    許請求の範囲第(1)項に記載の架橋プロピレン系重合
    体の製造法。
  3. 【請求項3】化合物Aとして、4,4′−ブチリデン−ビ
    ス(3−メチル−6−t−ブチルフエニル)ジ−トリデ
    シルフオスフアイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4
    −ジ−トリデシルフオスフアイト−5−t−ブチルフエ
    ニル)ブタンまたはこれらの混合物を配合してなる特許
    請求の範囲第(1)項に記載の架橋プロピレン系重合体
    の製造法。
  4. 【請求項4】チオエーテル系酸化防止剤として、ジミリ
    スチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロ
    ピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(3
    −ラウリルチオプロピオネート)またはこれら2以上の
    混合物を配合してなる特許請求の範囲第(1)項に記載
    の架橋プロピレン系重合体の製造法。
  5. 【請求項5】ラジカル発生剤として、2,5−ジ−メチル
    −2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−
    ジ−メチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
    シン−3、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプ
    ロピル)ベンゼンまたはこれらの2以上の混合物を配合
    する特許請求の範囲第(1)項に記載の架橋プロピレン
    系重合体の製造法。
  6. 【請求項6】架橋助剤として、多官能性モノマー、一官
    能性モノマー、キノンジオキシム化合物、ニトロソ化合
    物、マレイミド化合物またはこれらの2以上の混合物を
    配合する特許請求の範囲第(1)項に記載の架橋プロピ
    レン系重合体の製造法。
  7. 【請求項7】プロピレン系重合体として、結晶性プロピ
    レン単独重合体、結晶性エチレン−プロピレンランダム
    共重合体、結晶性エチレン−プロピレンブロツク共重合
    体、結晶性プロピレン−ブテン−1ランダム共重合体、
    結晶性エチレン−プロピレン−ブテン−1 3元共重合
    体、結晶性プロピレン−ヘキセン−ブテン−1 3元共
    重合体またはこれらの2以上の混合物を用いる特許請求
    の範囲第(1)項に記載の架橋プロピレン系重合体の製
    造法。
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