JPH0781047B2 - 変性ポリオレフインの製造法 - Google Patents

変性ポリオレフインの製造法

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JPH0781047B2
JPH0781047B2 JP712487A JP712487A JPH0781047B2 JP H0781047 B2 JPH0781047 B2 JP H0781047B2 JP 712487 A JP712487 A JP 712487A JP 712487 A JP712487 A JP 712487A JP H0781047 B2 JPH0781047 B2 JP H0781047B2
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信敏 小森
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、変性ポリオレフィンの製造法に関する。さら
に詳しくは、触媒残渣のチタン分を5ppm以上またはパナ
ジウム分を0.5ppm以上含有するポリオレフィンに特定の
フォスファイト系化合物(以下、化合物Aという。)、
チオエーテル系酸化防止剤、ラジカル発生剤および変性
剤を特定量配合し、温度150℃〜300℃で溶融混練処理す
ることを特徴とする変性されたポリオレフィンの製造法
に関する。
〔従来の技術〕
一般にポリオレフィンは比較的安価でかつ優れた機械的
性質を有するので、射出成形品、中空成形品、フィル
ム、シート、繊維など各種の成形品の製造に用いられて
いる。しかしながら、ポリオレフィンは該ポリオレフィ
ンの融点以上の温度で成形加工されるが、その際の溶融
混練時の熱により酸化劣化を受け、該ポリオレフィンの
分子鎖の切断による加工性および機械的強度の低下また
は架橋による加工性の低下ならびに酸化劣化に起因する
着色、臭い問題が起こる。特にプロピレン系重合体は、
該重合体中に酸化を受け易い第3級炭素を有しているた
め、成形加工時の溶融混練により熱酸化劣化を受けやす
く、また実用時の熱的安定性にも問題がある。このた
め、従来より溶融混練時の熱酸化劣化を防止する目的
で、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)の如
き低分子量のフェノール系酸化防止剤が、また実用時の
熱的安定性を付与するために高分子量のフェノール系酸
化防止剤が広く用いられている。
しかしながら、上述のフェノール系酸化防止剤を配合し
たポリオレフィンを溶融混練すると用いたフェノール系
酸化防止剤がポリオレフィン中の触媒残渣であるチタン
またはバナジウムの鎖化合物によって溶融混練時に酸化
されキノン化合物を生成し、得られるポリオレフィンが
着色するといった問題が起こる。本発明者らは、触媒残
渣としてのチタン分またはパナジウム分を多く含有する
ポリオレフィンの着色性について研究する過程におい
て、該触媒残渣のチタン分またはパナジウム分を多く含
有するポリオレフィンに上述のフェノール系酸化防止剤
を配合して溶融混練処理しても実用上問題となる程の着
色は起こらないが、かかるフェノール系酸化防止剤を配
合したポリオレフィンを、変性剤を用いてラジカル発生
剤の存在下に溶融混練処理して変性すると、得られる変
性ポリオレフィンが著しく着色することを見い出し、先
にポリオレフィンにポリオールもしくはポリオールと脂
肪酸の部分エステルおよびフェノール系酸化防止剤を配
合し、変性剤を用いてラジカル発生剤の存在下に溶融混
練処理する変性ポリオレフィンの製造方法(特願昭61−
157316号)を提案した。
また、ポリオレフィンは該ポリオレフィンの無極性に起
因する金属、極性樹脂との接着ならびに印刷、塗装、ホ
ットスタンプ、メッキなどが困難であるため、これらの
欠点を改善する目的でポリオレフィンに極性基の導入と
りわけ不飽和カルボン酸またはその誘導体からなる変性
剤を用いてラジカル発生剤の存在下に溶融混練処理して
ポリオレフィンを変性する方法はよく知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、先に特願昭61−157316号において提案し
た変性ポリオレフィンの製造方法に満足することなく、
触媒残渣としてのチタン分またはバナジウム分を多く含
有するポリオレフィンを、変性剤を用いてラジカル発生
剤の存在下に溶融混練処理しても着色のない変性ポリオ
レフィンを得る方法についてさらに鋭意研究した。その
結果、触媒残渣のチタン分を5ppm以上またはバナジウム
分を0.5ppm以上含有するポリオレフィンに特定のフォス
ファイト系化合物(以下、化合物Aという。)、チオエ
ーテル系酸化防止剤、ラジカル発生剤および変性剤を特
定量配合し溶融混練処理すると、着色がなく溶融混練時
の熱酸化劣化防止性および実用時の熱的安定性が実用上
満足できる変性されたポリオレフィンが得られることを
見い出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
以上の記述から明らかなように、本発明の目的は、触媒
残渣のチタン分を5ppm以上またはバナジウム分を0.5ppm
以上含有するポリオレフィンに、化合物A、チオエーテ
ル系酸化防止剤、ラジカル発生剤および変性剤を配合
し、溶融混練処理することにより着色のない変性ポリオ
レフィンを製造する方法を提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は下記の構成を有する。
触媒残渣のチタン分を5ppm以上またはバナジウム分を0.
5ppm以上含有するポリオレフィン100重量部に対して、
下記一般式〔I〕で示されるフォスファイト系化合物
(以下、化合物Aという。)およびチオエーテル系酸化
防止剤をそれぞれ0.01〜1重量部、ラジカル発生剤を0.
001〜0.5重量部、不飽和カルボン酸またはその誘導体か
ら なる変性剤を0.01〜5重量部配合し、150℃〜300℃
で溶融混練処理することを特徴とする変性ポリオレフィ
ンの製造法。
[ただし、式中R1は水素もしくは炭素数1〜3のアルキ
ル基または−CH2−CH(CH3)−R4を、R2およびR3は炭素
数1〜8の同種もしくは異種のアルキル基を、R4は−O
−P(OR5(R5は炭素数8〜18のアルキル基)をそ
れぞれ示す] 本発明の製造法で用いるポリオレフィンは、触媒残渣の
チタン分を5ppm以上またはバナジウム分を0.5ppm以上含
有するものであって、例えば飽和炭化水素溶媒を用いた
溶液重合法、バルク重合法、気相重合法もしくはバルク
重合法と気相重合法の組み合わせによる重合法により得
られるポリオレフィンである。本発明の製造法にあって
は触媒残渣のチタン分の含有量が5ppm未満またはバナジ
ウム分の含有量が0.5ppm未満のポリオレフィンを用いて
も何ら差し支えない。本発明で用いるポリオレフィンと
しては、触媒残渣のチタン分を5ppm以上またはバナジウ
ム分を0.5ppm以上含有するポリオレフィンであって、エ
チレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−
メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1な
どのα−オレフィンの単独重合体、これら2種以上のα
−オレフィンの結晶性もしくは非晶性ランダム共重合体
または結晶性ブロック共重合体、非晶性エチレン−プロ
ピレン−非共役ジエン 3元共重合体、これらα−オレ
フィンと酢酸ビニル、アクリル酸エステルなどの共重合
体もしくは該共重合体のケン化物、これらα−オレフィ
ンと不飽和カルボン酸もしくはその無水物との共重合
体、該共重合体と金属イオン化合物との反応生成物など
を例示することができ、これらポリオレフィンの単独使
用は勿論のこと、2種以上のポリオレフィンを混合して
用いることもできる。また上述のポリオレフィンと各種
合成ゴム(例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、塩
素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、スチレン−
ブタジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブ
ロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロ
ック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレ
ンブロック共重合体、スチレン−プロピレン−ブチレン
−スチレンブロック共重合体など)または熱可塑性合成
樹脂(例えばポリスチレン、スチレン−アクリロニトリ
ル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
共重合体、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルなど)と
の混合物を用いることもできる。プロピレン単独重合
体、結晶性もしくは非晶性エチレン−プロピレンランダ
ム共重合体、結晶性エチレン−プロピレンブロック共重
合体、結晶性プロピレン−ブテン−1ランダム共重合
体、結晶性エチレン−プロピレン−ブテン−1 3元共
重合体、結晶性プロピレン−ヘキセン−ブテン−1 3
元共重合体であって触媒残渣のチタン分を5ppm以上また
はバナジウム分を05ppm以上含有するプロピレン系重合
体が特に好ましく用いられる。
本発明で用いられる化合物Aとしては、1,1′−ビス
(4−ジ−ノニルフォスファイト−3,5−ジ−t−ブチ
ルフェニル)メタン、1,1′−ビス(4−ジ−トリデシ
ルフォスファイト−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)メ
タン、1,1′−ビス(4−ジ−ステアリルフォスファイ
ト−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)メタン、1,1′−ビ
ス(3−メチル−4−ジ−ノニルフォスファイト−5−
t−ブチルフェニル)メタン、1,1′−ビス(3−メチ
ル−4−ジ−トリデシルフォスファイト−5−t−ブチ
ルフェニル)メタン、1,1′−ビス(3−メチル−4−
ジ−ステアリルフォスファイト−5−t−ブチルフェニ
ル)メタン、4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−
6−t−ブチルフェニル)ジ−ノニルフォスファイト、
4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチ
ルフェニル)ジ−トリデシルフォスファイト、4,4′−
ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニ
ル)ジ−ステアリルフォスファイト、1,1′−ビス(2
−ジ−ノニルフォスファイト−3−t−ブチル−5−メ
チルフェニル)メタン、1,1′−ビス(2−ジ−トリデ
シルフォスファイト、−3−t−ブチル−5−メチルフ
ェニル)メタン、1,1′−ビス(2−ジ−ステアリルフ
ォスファイト−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)
メタン、1,1′−ビス(2−ジ−ノニルフォスファイト
−3−t−ブチル−5−エチルフェニル)メタン、1,
1′−ビス(2−ジ−トリデシルフォスファイト−3−
t−ブチル−5−エチルフェニル)メタン、1,1′−ビ
ス(2−ジ−ステアリルフォスファイト−3−t−ブチ
ル−5−エチルフェニル)メタン、1,1′−ビス(2−
ジ−ノニルフォスファイト−3,5−ジ−t−ブチルフェ
ニル)メタン、1,1′−ビス(2−ジ−トリデシルフォ
スファイト−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)メタン、
1,1′−ビス(2−ジ−ステアリルフォスファイト−3,5
−ジ−t−ブチルフェニル)メタン、2,2′−ビス(1
−ジ−ノニルフォスファイト−4,6−ジ−t−ブチルフ
ェニル)エタン、2,2′−ビス(1−ジ−トリデシルフ
ォスファイト−4,6−ジ−t−ブチルフェニル)エタ
ン、2,2′−ビス(1−ジ−ステアリルフォスファイト
−4,6−ジ−t−ブチルフェニル)エタン、1,1′−ビス
(2−ジ−ノニルフォスファイト−3−t−オクチル−
5−メチルフェニル)メタン、1,1′−ビス(2−ジ−
トリデシルフォスファイト−3−t−オクチル−5−メ
チルフェニル)メタン、1,1′−ビス(2−ジ−ステア
リルフォスファイト−3−t−オクチル−5−メチルフ
ェニル)メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ
−ノニルフォスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブ
タン、1,1,3−トリス(2−メチル4−4ジ−トリデシ
ルフォスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−ステアリルフォ
スファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタおよびこれ
らの2以上の混合物などを例示できる。特に4,4′−ブ
チリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニ
ル)ジ−トリデシルフォスファイト、1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ジ−トリデシルフォスファイト−5
−t−ブチルフェニル)ブタンまたはこれらの2以上の
混合物が好ましい。チオエーテル系酸化防止剤としては
ジラウリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジ
プロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、
ジセチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプ
ロピオネート、ジラウリルチオジブチレート、ジトリデ
シルチオジブチレート、ジミリスチルチオジブチレー
ト、ジセチルチオジブチレート、ジステアリルチオジブ
チレート、ペンタエリスリトール−β−ラウリル−チオ
ジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオ
ネート、ペンタエリストール−テトラキス−(3−ラウ
リルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テ
トラキス−(3−ミリスチルチオプロピオネート)、ペ
ンタエリストール−テトラキス−(3−ステアリルチオ
プロピオネート)、ビス(4−t−アミルフェニル)ス
ルフィド、ジステアリルジスルフィド、チオエチレング
リコール−ビス(β−アミノクロトネート)、ポリ
((1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン−
チオ−ジプロピオネート))およびこれらの2以上の混
合物を例示できる。特にジミリスチルチオジプロピオネ
ート、ジステアリルチオジプロピオネートおよびペンタ
エリストール−テトラキス−(3−ラウリルチオプロピ
オネート)およびこれらの2以上の混合物が好ましい。
該化合物Aおよびチオエーテル系酸化防止剤の配合割合
は、ポリオレフィン100重量部に対してそれぞれ0.01〜
1重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部である。0.01重
量部未満の配合では変性ポリオレフィンの溶融混練時の
熱酸化劣化の防止効果および実用時の熱的安定性が不充
分であり、また1重量部を超えても構わないが、それ以
上の溶融混練時の熱酸化劣化の防止効果および実用時の
熱的安定性の向上が期待できず実際的でないばかりでな
くまた不経済である。
本発明で用いられるラジカル発生剤としては、均一な組
成物を得るためには分解温度は低過ぎない方が望まし
く、半減期10時間を得るための温度が70℃以上、好まし
くは100℃以上のものでありベンゾイルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパーアセ
テート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(ベンゾイ
ルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチル−ジ−パーア
ジペート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチル
ヘキサノエート、メチル−エチルケトンパーオキサイ
ド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジ−t−ブチル
パーオキサイド、ジキュミルパーオキサイド、2,5−ジ
−メチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキ
シイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルキュミルパーオ
キサイド、1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス−(t−ブ
チルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス−(t−
ブチルパーオキシ)ブタン、p−メタンハイドロパーオ
キサイド、ジ−イソプロピルベンゼンハイドロパーオキ
サイド、キュメンハイドロパーオキサイド、t−ブチル
ハイドロパーオキサイド、p−サイメンハイドロパーオ
キサイド、1,1,3,3−テトラ−メチルブチルハイドロパ
ーオキサイドもしくは2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(ハ
イドロパーオキシ)ヘキサンなどの有機過酸化物を例示
できる。特に2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(t−ブチル
パーオキシ)ヘキサン、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3または1,3−ビス−
(5−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンが好ま
しい。該ラジカル発生剤の配合割合は、通常ポリオレフ
ィン100重量部に対して、0.001〜0.5重量部、好ましく
は0.01〜0.2重量部である。また溶融混練処理の方は、
後述の各種溶融混練装置により150℃〜300℃、好ましく
は180℃〜270℃の温度で行う。溶融混練処理温度が150
℃未満では充分な変性が行われず、300℃を超えるとポ
リオレフィンの熱酸化劣化が促進され、該ポリオレフィ
ンの着色が顕著となるので好ましくない。
本発明で用いられる不飽和カルボン酸またはその誘導体
からなる変性剤(以下、単に変性剤という)としては具
体的には以下のものである。不飽和カルボン酸としてア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン
酸、ナジック酸(商品名;エンドシス−ビシクロ〔2,2,
1〕ペプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸)、メチルナ
ジック酸(商品名;メチル−エンドシス−ビシクロ〔2,
2,1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸)、ハイミ
ック酸、アンゲリカ酸、テトラヒドロフタル酸、ソルビ
タン酸、メサコン酸およびこれらの2以上の混合物など
を例示できる。不飽和カルボン酸の誘導体としては、酸
無水物、エステル、アミド、イミド、酸ハライド、金属
塩などがあり、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水
シトラコン酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック
酸、無水ハイミック酸、アクリル酸メチル、メタクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、ア
クリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−ブチル、ア
クリル酸−i−ブチル、メタクリル酸−i−ブチル、ア
クリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、マレイ
ン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステ
ル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエ
ステル、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸ジ
メチルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、
マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン
酸−N−モノエチルアミド、マレイン酸−N,N−ジエチ
ルアミド、マレイン酸−N−モノブチルアミド、マレイ
ン酸−N,N−ジブチルアミド、フマル酸モノアミド、フ
マル酸ジアミド、フマル酸−N−モノエチルアミド、フ
マル酸−N,N−ジエチルアミド、フマル酸−N−モノブ
チルアミド、フマル酸−N,N−ジブチルアミド、マレイ
ミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミ
ド、塩化マレオイル、アクリル酸ナトリウム、メタクリ
ル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カ
リウムおよびこれらの2以上の混合物などを例示でき
る。特に無水マレイン酸が好ましい。該変性剤の配合割
合は、通常ポリオレフィン100重量部に対して、0.01〜
5重量部、好ましくは0.05〜2重量部である。0.01重量
部未満の配合では変性ポリオレフィンの接着性などの改
善効果が充分に発揮されず、また5重量部を超えても接
着性などの改善の程度は少なく、かつ、変性ポリオレフ
ィン中に残存する未反応の変性剤の量が多くなり、得ら
れる成形品の色相が悪化したり気泡が発生するなどの欠
点が生じる。
本発明の製造法にあっては、用いる触媒残渣のチタン分
を5ppm以上またはバナジウム分を0.5ppm以上含有するポ
リオレフィンに通常ポリオレフィンに添加される各種の
添加剤例えばリン系酸化防止剤、光安定剤、透明化剤、
造核剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキン
グ剤、無滴剤、顔料、重金属不活性化剤(銅害防止
剤)、金属石鹸類などの分散剤もしくは中和剤、無機充
填剤(例えばタルク、マイカ、クレー、ウォラストナイ
ト、ゼオライト、アスベスト、炭酸カルシウム、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、二
酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、硫化亜鉛、
硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ガラス繊維、炭酸繊
維、チタン酸カリウム、金属繊維など)もしくはカップ
リング剤(例えばシラン系、チタネート系、ボロン系、
アルミネート系、ジルコアルミネート系など)の如き表
面処理剤で表面処理された前記無機充填剤または有機充
填剤(例えば木粉、パルプ、故紙、合成繊維、天然繊維
など)を本発明の目的を損なわない範囲で配合して用い
ることができる。
本発明の製造法は触媒残渣のチタン分を5ppm以上または
バナジウム成分を0.5ppm以上含有するポリオレフィンに
前述の化合物A、チオエーテル系酸化防止剤、ラジカル
発生剤、変性剤ならびに通常ポリオレフィンに添加され
る前述の各種添加剤の所定量を通常の混合装置例えばヘ
ンセルミキサー(商品名)、スーパーミキサー、リボン
ブレンダー、バンバリミキサーなどを用いて、配合した
ラジカル発生剤が分解しない程度の温度で混合し、通常
の単軸押出機、2軸押出機、ブラベンダーまたはロール
などで、溶融混練温度150℃〜300℃、好ましくは180℃
〜270℃で溶融混練処理することにより行われる。
〔作用〕
本発明において化合物Aはフェノール系酸化防止剤とリ
ン系酸化防止剤との性能を併せ持つものであり、ラジカ
ル捕捉剤および過酸化物分解剤として作用し、溶融混練
時の熱酸化劣化の防止および実用時の熱安定性の向上に
寄与する。さらに、チオエーテル系酸化防止剤は過酸化
分解剤として実用時の熱的安定性の向上に、またラジカ
ル発生剤は溶融混練処理すなわち加熱によりラジカルを
発生して、ポリオレフィンの水素原子の引き抜きを行い
ポリオレフィンにラジカルを生成し、変性剤は該ポリオ
レフィンのラジカルにグラフトすなわちポリオレフィン
を変性し接着性などの改善に作用することは周知の通り
である。
本発明の製造法において前述の化合物Aが着色を起こさ
ないのは、化合物Aが通常のフェノール系酸化防止剤と
異なり、ヒンダードフェノールの水酸基がフォスファイ
トを形成しているため、フェノール系酸化防止剤の酸化
防止過程に見られるようなキノン化合物の如き発色原子
団を生成しないためと考えられる。
〔効果〕
本発明の製造法により得られる変性ポリオレフィンは、
本発明者らの出願による前記特願昭61−157316号に係わ
る変性ポリオレフィンにくらべてさらに着色がなく、接
着性などが改善されるので射出成形法、押出成形法(特
に積層押出成形法)、ブロー成形法などの各種成形法に
より目的とする成形品の製造に好適に使用することがで
きる。
〔実施例〕
以下、実施例および比較例によって本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。
尚、実施例および比較例で用いた評価方法は次の方法に
よった。
着色性:得られたペレットのYI(Yellowness Index)を
測定(JIS K 7103に準拠)し、このYIの数値の大小より
着色性を評価した。
この数値が小さい程、着色がないことを示す。
実施例1〜12、比較例1〜3 ポリオレフィンとして、MFR(230℃における荷重2.16kg
を加えた場合の10分間の溶融樹脂の吐出量)2.0g/10分
の安定化されていない粉末状プロピレン単独重合体(チ
タン含有量30ppm)100重量部に、化合物Aとして4,4′
−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェ
ニル)ジ−トリデシルフォスファイトもしくは1,1,3−
トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルフォスファイ
ト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、チオエーテル系
酸化防止剤としてジミリスチルチオジプロピオネート、
ジステアリルチオジプロピオネートもしくはペンタエリ
スリトール−テトラキス−(3−ラウリルチオプロピオ
ネート)、ラジカル発生剤として2,5−ジ−メチル−2,5
−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンもしくは1,3
−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼ
ン、変性剤として無水マレイン酸および他の添加剤のそ
れぞれ所定量を後述の第1表に記載した配合割合でヘン
セルミキサー(商品名)に入れ、3分間撹拌混合した後
口径40mmの半軸押出機で200℃にて溶融混練処理して変
性し、ペレット化した。また、比較例1〜3としてMFR
が2.0g/10分の安定化されていない粉末状プロピレン単
独重合体(チタン含有量30ppm)100重量部に後述の第1
表に記載の添加剤のそれぞれ所定量を配合し、実施例1
〜12に準拠して溶融混練処理して変性したペレットを得
た。
得られたペレットを用いて前記の試験方法により着色性
の評価を行った。その結果を第1表に示した。
実施例13〜24、比較例4〜6 ポリオレフィンとして、MFR7.0g/10分の安定化されてい
ない粉末状結晶性エチレン−プロピレンランダム共重合
体(エチレン含有量2.5重量%、チタン含有量33ppm)10
0重量部に、化合物Aとして4,4′−ブチリデン−ビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェニル)ジ−トリデシ
ルフォスファイトもしくは1,1,3−トリス(2−メチル
−4−ジ−トリデシルフォスファイト−5−t−ブチル
フェニル)ブタン、チオエーテル系酸化防止剤としてジ
ミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジ
プロピオネートもしくはペンタエリストール−テトラキ
ス−(3−ラウリルチオプロピオネート)、ラジカル発
生剤として2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサンもしくは1,3−ビス−(t−ブチル
パーオキシイソプロピル)ベンゼン、変性剤として無水
マレイン酸および他の添加剤のそれぞれ所定量を後述の
第2表に記載した配合割合でヘンセルミキサー(商品
名)に入れ、3分間撹拌混合した後口径40mmの単軸押出
機で200℃にて溶融混練処理して変性し、ペレット化し
た。また、比較例4〜6としてMFRが7.0g/10分の安定化
されていない粉末状結晶性エチレン−プロピレンランダ
ム共重合体(エチレン含有量2.5重量%、チタン含有量3
3ppm)100重量部に後述の第2表に記載の添加剤のそれ
ぞれ所定量を配合し、実施例13〜24に準拠して溶融混練
処理して変性したペレットを得た。
得られたペレットを用いて前記の試験方法により着色性
の評価を行った。その結果を第2表に示した。
実施例25〜36、比較例7〜9 ポリオレフィンとして、MFR4.0g/10分の安定化されてい
ない粉末状結晶性エチレン−プロピレンブロック共重合
体(エチレン含有量8.5重量%、チタン含有量33ppm)10
0重量部に、化合物Aとして4,4′−ブチリデン−ビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェニル)ジ−トリデシ
ルフォスファイもしくは1,1,3−トリス(2−メチル−
4−ジ−トリデシルフォスファイト−5−t−ブチルフ
ェニル)ブタン、チオエーテル系酸化防止剤としてジミ
リスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプ
ロピオネートもしくはペンタエリストリール−テトラキ
ス−(3−ラウリルチオプロピオネート)、ラジカル発
生剤として2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(5−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサンもしくは1,3−ビス−(t−ブチル
パーオキシイソプロピル)ベンゼン、変性剤として無水
マレイン酸および他の添加剤のそれぞれ所定量を後述の
第3表に記載した配合割合でヘンセルミキサー(商品
名)に入れ、3分間撹拌混合した後口径40mmの単軸押出
機で200℃にて溶融混練処理して変性し、ペレット化し
た。また、比較例7〜9としてMFRが4.0g/10分の安定化
されていない粉末状結晶性エチレン−プロピレンブロッ
ク共重合体(エチレン含有量8.5重量%、チタン含有量3
3ppm)100重量部に後述の第3表に記載の添加剤のそれ
ぞれ所定量を配合し、実施例25〜36に準拠して溶融混練
処理して変性したペレットを得た。
得られたペレットを用いて前記の試験方法により着色性
の評価を行った。その結果を第3表に示した。
実施例37〜48、比較例10〜12 ポリオレフィンとして、MFR7.0g/10分の安定化されてい
ない粉末状結晶性エチレン−プロピレン−ブテン−1
3元共重合体(エチレン含有量2.5重量%、ブテン−1
含有量4.5重量%、チタン含有量33ppm)100重量部に、
化合物Aとして4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル
−6−t−ブチルフェニル)ジ−トリデシルフォスファ
イトもしくは1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−ト
リデシルフォスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブ
タン、チオエーテル系酸化防止剤としてジミリスチルチ
オジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネー
トもしくはペンタエリスリトール−テトラキス−(3−
ラウリルチオプロピオネート)、ラジカル発生剤として
2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)
ヘキサンもしくは1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシ
イソプロピル)ベンゼン、変性剤として無水マレイン酸
および他の添加剤のそれぞれ所定量を後述の第4表に記
載した配合割合でヘンセルミキサー(商品名)に入れ、
3分間撹拌混合した後口径40mmの単軸押出機で200℃に
て溶融混練処理して変性し、ペレット化した。また、比
較例10〜12としてMFRが7.0g/10分の安定化されていない
粉末状結晶性エチレン−プロピレン−ブテン−1 3元
共重合体(エチレン含有量2.5重量%、ブテン−1含有
量4.5重量%、チタン含有量33ppm)100重量部に後述の
第4表に記載の添加剤のそれぞれ所定量を配合し、実施
例37〜48に準拠して溶融混練処理して変性したペレット
を得た。
得られたペレットを用いて前記の試験方法により着色性
の評価を行った。その結果を第4表に示した。
実施例49〜60、比較例13〜15 ポリオレフィンとして、MI(190℃における荷重2.16kg
を加えた場合の10分間の溶融樹脂の吐出量)15.0g/10分
の安定化されていない粉末状チーグラ・ナッタ系高密度
エチレン単独重合体(チタン含有量8ppm)100重量部
に、化合物Aとして4,4′−ブチリデン−ビス(3−メ
チル−6−t−ブチルフェニル)ジ−トリデシルフォス
ファイトもしくは1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ
−トリデシルフォスファイト−5−t−ブチルフェニ
ル)ブタン、チオエーテル系酸化防止剤としてジミリス
チルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピ
オネートもしくはペンタエリスリトール−テトラキス−
(3−ラウリルチオプロピオネート)、ラジカル発生剤
として2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサもしくは1,3−ビス−(t−ブチルパーオ
キシイソプロピル)ベンゼン、変性剤として無水マレイ
ン酸および他の添加剤のそれぞれ所定量を供述の第5表
に記載した配合割合でヘンセルミキサー(商品名)に入
れ、3分間撹拌混合した後口径40mmの単軸押出機で200
℃にて溶融混練処理して変性し、ペレット化した。ま
た、比較例13〜15としてMIが15.0g/10分の安定化されて
いない粉末状チーグラ・ナッタ系高密度エチレン単独重
合体(チタン含有量8ppm)100重量部に後述の第5表に
記載の添加剤のそれぞれ所定量を配合し、実施例49〜60
に準拠して溶融混練処理して変性したペレットを得た。
得られたペレットを用いて前記の試験方法により着色性
の評価を行った。その結果を第5表に示した。
実施例61〜72、比較例16〜18 ポリオレフィンとして、MFR4.0g/10分の安定化されてい
ない粉末状結晶性エチレン−プロピレンブロック共重合
体(エチレン含有量16.0重量%、パナジウム含有量0.6p
pm)100重量部に、化合物Aとして4,4′−ブチリデン−
ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル)ジ−トリ
デシルフォスファイトもしくは1,1,3−トリス(2−メ
チル−4−ジ−トリデシルフォスファイト−5−t−ブ
チルフェニル)ブタン、チオエーテル系酸化防止剤とし
てジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチ
オジプロピオネートもしくはペンタエリスリトール−テ
トラキス−(3−ラウリルチオプロピオネート)、ラジ
カル発生剤として2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサンもしくは1,3−ビス−(t−
ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、変性剤とし
て無水マレイン酸および他の添加剤のそれぞれ所定量を
後述の第6表に記載した配合割合でヘンセルミキサー商
品名)に入れ、3分間撹拌混合した後口径40mmの単軸押
出機で200℃にて溶融混練処理して変性し、ペレット化
した。また、比較例16〜18としてMFRが4.0g/10分の安定
化されていない粉末状結晶性エチレン−プロピレンブロ
ック共重合体(エチレン含有量16.0重量%、バナジウム
含有量0.6ppm)100重量部に後述の第6表に記載の添加
剤のそれぞれ所定量を配合し、実施例61〜72に準拠して
溶融混練処理して変性したペレットを得た。
得られたペレットを用いて前記の試験方法により着色性
の評価を行った。その結果を第6表に示した。
実施例73〜84、比較例19〜21 ポリオレフィンとして、MI6.0g/10分の安定化されてい
ない粉末状チーグラ・ナッタ系高密度エチレン−プロピ
レン共重合体(メチル分岐3.0個/1000炭素、バナジウム
含有量0.6ppm)100重量部に、化合物Aとして4,4′−ブ
チリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニ
ル)ジ−トリデシルフォスファイトもしくは1,1,3−ト
リス(2−メチル−4−ジ−トリデシルフォスファイト
−5−t−ブチルフェニル)ブタン、チオエーテル系酸
化防止剤としてジミリスチルチオジプロピオネート、ジ
ステアリルチオジプロピオネートもしくはペタエリスリ
トール−テトラキス−(3−ラウリルチオプロピオネー
ト)、ラジカル発生剤として2,−ジ−メチル−2,5−ジ
−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンもしくは1,3−ビ
ス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、
変性剤として無水マレイン酸および他の添加剤のそれぞ
れ所定量を後述の第7表に記載した配合割合でヘンセル
ミキサー(商品名)に入れ、3分間撹拌混合した後口径
40mmの単軸押出機で200℃にて溶融混練処理して変性
し、ペレット化した。また、比較例19〜21としてMIが6.
0g/10分の安定化されていない粉末状チーグラ・ナッタ
系高密度エチレン−プロピレン共重合体(メチル分岐3.
0個/1000炭素、バナジウム含有量0.6ppm)100重量部に
後述の第7表に記載の添加剤のそれぞれ所定量を配合
し、実施例73〜84に準拠して溶融混練処理して変性した
ペレットを得た。
得られたペレットを用いて前記の試験方法により着色性
の評価を行った。その結果を第7表に示した。
実施例85〜96、比較例22〜24 ポリオレフィンとして、ムーニー粘度ML1+4(100℃)
25の安定化されていない粉末状非晶性エチレン−プロピ
レンランダム共重合体(プロピレン含有量25%、バナジ
ウム含有量0.6ppm)100重量部に、化合物Aとして4,4′
−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェ
ニル)ジ−トリデシルフォスファイトもしくは1,1,3−
トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルフォスファイ
ト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、チオエーテル系
酸化防止剤としてジミリスチルチオジプロピオネート、
ジステアリルチオジプロピオネートもしくはペンタエリ
スリトール−テトラキス−(3−ラウリルチオプロピオ
ネート)、ラジカル発生剤として2,5−ジ−メチル−2,5
−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンもしくは1,3
−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼ
ン、変性剤として無水マレイン酸および他の添加剤のそ
れぞれ所定量を後述の第8表に記載した配合割合でヘン
セルミキサー(商品名)に入れ、3分間撹拌混合した後
口径40mmの単軸押出機で200℃にて溶融混練処理して変
性し、ペレット化した。また、比較例22〜24としてムー
ニー粘度ML1+4(100℃)が25の安定化されていない粉
末状非晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体(プ
ロピレン含有量25%、バナジウム含有量0.6ppm)100重
量部に後述の第8表に記載の添加剤のそれぞれ所定量を
配合し、実施例85〜96に準拠して溶融混練処理して変性
したペレットを得た。
得られたペレットを用いて前記の試験方法により着色性
の評価を行った。その結果を第8表に示した。
第1〜8表に示される各種化合物および添加剤は下記の
通りである。
化合物A〔I〕;4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル
−6−t−ブチルフェニル)ジ−トリデシルフォスファ
イト 化合物A〔II〕;1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−
トリデシルフォスファイト−5−5−ブチルフェニル)
ブタン チオエーテル系酸化防止剤〔I〕;ジミリスチルチオジ
プロピオネート チオエーテル系酸化防止剤〔II〕;ジステアリルチオジ
プロピオネート チオエーテル系酸化防止剤〔III〕;ペンタエリスリト
ール−テトラキス−(3−ラウリルチオプロピオネー
ト) ラジカル発生剤〔I〕;2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン ラジカル発生剤〔II〕;1,3−ビス−(t−ブチルパーオ
キシイソプロピル)ベンゼン 変性剤;無水マレイン酸 フェノール系酸化防止剤1;2,6−ジ−t−ブチル−p−
クレゾール フェノール系酸化防止剤2;テトラキス〔メチレン−3−
(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕メタン ポリオール系化合物(ポリオールと脂肪酸の部分エステ
ル);ペンタエリストールモノステアレート フォスファイト系化合物(フェノール性水酸基が残存す
るフォスファイト系化合物);ビス(p−オクチル)フ
ェニル−ビス〔2−t−ブチル−5−メチル−4−〔α
−(3−t−ブチル−6−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)〕ブチルフェニル〕−1,6−ヘキサンジオール−
ジフォスファイト Ca−St;ステアリン酸カルシウム 第1表に記載の実施例および比較例は、ポリオレフィン
としてプロピレン単独重合体を用いた場合である。第1
表からわかるように、実施例1〜12は本発明に係わる触
媒残渣のチタン分を30ppm含有するプロピレン単独重合
体に化合物A、チオエーテル系酸化防止剤、ラジカル発
生剤および変性剤を配合し、溶融混練処理し変性したも
のである。実施例1〜12と比較例1(本発明者らが先に
提案した特願昭61−157316号の変性ポリオレフィンの製
造方法すなわちポリオレフィンにポリオールと脂肪酸の
部分エステル、フェノール系酸化防止剤、ラジカル発生
剤および変性剤を配合し、溶融混練処理し変性したも
の)をくらべると、実施例1〜12が比較例1よりも着色
が少なく、着色防止性が改善されていることがわかる。
化合物Aの替わりにフェノール性水酸基が残存するフォ
スファイト系化合物を用いた比較例2と実施例1〜12を
くらべると、比較例2は着色が顕著であり、この着色は
前記フォスファイト系化合物のフェノール性水酸基がキ
ノン化合物を生成することに起因することがわかる。ま
た比較例1で用いたポリオールと脂肪酸の部分エステル
を比較例2にさらに追加した比較例3と実施例1〜12を
くらべると、比較例3は比較例1同様着色性は改善され
るものの実施例1〜12に及ばないことがわかる。
第2〜8表は、ポリオレフィンとしてそれぞれ結晶性エ
チレン−プロピレンランダム共重合体、結晶性エチレン
−プロピレンブロック共重合体、結晶性エチレン−プロ
ピレン−ブテン−1 3元共重合体、チーグラ・ナッタ
系エチレン単独重合体、結晶性エチレン−プロピレンブ
ロック共重合体、チーグラ・ナッタ系エチレン−プロピ
レン共重合体、非晶性エチレン−プロピレンランダム共
重合体を用いたものであり、これらについても上述と同
様の効果が確認された。
従って、本発明の製造法によって得られる変性ポリオレ
フィンは着色がなく、その接着性などが改善されること
がわかる。
このことから本発明の製造法で得られる変性ポリオレフ
ィンは、従来から知られた着色防止効果を有する化合物
を配合して変性剤を用いてラジカル発生剤の存在下に溶
融混練処理して変性したものにくらべて、着色防止性が
著しく優れていることがわかり本発明の顕著な効果が確
認された。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/00 KES KFD //(C08K 5/00 5:524 5:36 5:14 5:09) (56)参考文献 特開 昭63−172713(JP,A) 特開 昭63−172714(JP,A) 特開 昭63−172751(JP,A) 特開 昭63−12603(JP,A) 特開 昭63−175050(JP,A) 特開 昭63−172712(JP,A) 特開 昭63−172752(JP,A) 特開 昭63−172754(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒残渣のチタン分を5ppm以上またはバナ
    ジウム分を0.5ppm以上含有するプロピレン系重合体100
    重量部に対して、下記一般式[I]で示されるフオスフ
    アイト系化合物(以下、化合物Aという)およびチオエ
    ーテル系酸化防止剤をそれぞれ0.01〜1重量部、ラジカ
    ル発生剤を0.001〜0.5重量部配合し、不飽和カルボン酸
    またはその誘導体からなる変性剤を0.01〜5重量部配合
    し、150℃〜300℃で溶融混練処理することを特徴とする
    変性ポリオレフィンの製造法。 [ただし、式中R1は水素もしくは炭素数1〜3のアルキ
    ル基または−CH2−CH(CH3)−R4を、R2およびR3は炭素
    数1〜8の同種もしくは異種のアルキル基を、R4は−O
    −P(OR5(R5は炭素数8〜18のアルキル基)をそ
    れぞれ示す。]
  2. 【請求項2】一般式[I]において、R2およびR3で示さ
    れるアルキル基がメチル基またはt−ブチル基である特
    許請求の範囲第(1)項に記載の変性ポリオレフィンの
    製造法。
  3. 【請求項3】化合物Aとして、4,4′−ブチリデン−ビ
    ス(3−メチル−6−t−ブチルフエニル(ジ−トリデ
    シルフォスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4
    −ジ−トリデシルフォスファイト−5−t−ブチルフエ
    ニル)ブタンまたはこれらの2以上の混合物を配合して
    なる特許請求の範囲第(1)項記載の変性ポリオレフィ
    ンの製造法。
  4. 【請求項4】チオエーテル系酸化防止剤として、ジミリ
    スチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロ
    ピオネート、ペンタエリストール−テトラキス−(3−
    ラウリルチオプロペオネート)またはこれらの2以上の
    混合物を配合してなる特許請求の範囲第(1)項に記載
    の変性ポリオレフィンの製造法。
  5. 【請求項5】ラジカル発生剤として2,5−ジ−メチル−
    2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジ
    −メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
    −3、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピ
    ル)ベンゼンまたはこれらの2以上の混合物を配合して
    なる特許請求の範囲第(1)項に記載の変性ポリオレフ
    ィンの製造法。
  6. 【請求項6】ポリオレフィンとして、プロピレン単独重
    合体、結晶性もしくは非晶性エチレン−プロピレンラン
    ダム共重合体、結晶性エチレン−プロピレンブロック共
    重合体、結晶性プロピレン−ブテン−1ランダム共重合
    体 結晶性エチレン−プロピレン−ブテン−1 3元共
    重合体、結晶性プロピレン−ヘキセン−ブテン−1 3
    元共重合体またはこれらの2以上の混合物を用いる特許
    請求の範囲第(1)項に記載の変性ポリオレフィンの製
    造法。
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