JP3220155B2 - 香味料組成物 - Google Patents

香味料組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、香味料(フレーバリング)組成物、当該組
成物を製造する方法、食品の香味附与における当該組成
物の用途、並びに得られる香味附与食品に関する。これ
に関して、香味(フレーバー)という用語は香気と味覚
の両方を意味する。
食品に香味を附与するための香味料組成物は周知であ
る。一般に、かかる組成物は別々の香味化合物又は香味
成分を混合することによって製造されている。しかし、
このような香味料組成物を使用してバターのフレーバー
のような既知の食品のフレーバーを模造しようとして
も、その感覚上の効果は目標とするフレーバーを十分に
模造していないのが一般的である。
香味料組成物が広く使用されている用途の一つは天然
バターのフレーバーの模造である。マーガリンのような
食品に若干のバター又はバター脂を添加することは、か
かる食品にはっきりとしたバターフレーバーを附与する
ための周知の方法である。
欧州特許EP−0298552号には、酸化処理に付しておい
たバター脂を添加することによって食品に調和のとれた
バターフレーバーを与えることのできる方法が開示され
ている。香味附与食品、食品に、n−ペンタナール含有
量0.5ppm以上及び/又は2−trans−ノネナール含有量
0.05ppm以上の酸化バター脂を0.05重量%以上配合する
ことによって製造される。こうして附与されたバターフ
レーバーは天然バターのフレーバーとほとんど区別でき
ない。非酸化バター脂と比べると、酸化バター脂では、
同じフレーバー強度を得るのに必要とされる量は格段に
少なくて済む。
欧州特許EP−0377239号には、天然トリグリセリド脂
肪を酸化防止剤の存在下で制御しながら酸化することに
よって得られる香味料組成物の製造方法が記載されてい
る。この方法では、それらの元のフレーバーを保ったま
までフレーバーの強度が格段に高まった(換言すれば増
幅された)生成物が得られる。例えばバター又はバター
オイルを原料とすると、バターフレーバーが強まる。ま
た、ピーナツ油を原料とすると、制御された酸化によっ
てピーナツフレーバーが増幅される。
欧州特許EP−0463239号には、香味料混合物を得るた
めに、天然トリグリセリド脂肪又はその構成成分たる脂
肪酸を酸化防止剤の存在下で酸化することが開示されて
いる。
酸化処理を用いて香味料組成物を製造するための公知
の方法はすべて天然グリセリド脂肪を出発原料として用
いるというものである。したがって、例えばバターフレ
ーバーを附与するための組成物の製造にはバター又はバ
ターオイルが依然として用いられているが、これらは、
他のフレーバー保有油脂と同じく、出発原料としては高
価である。したがって、もっと安価な代替出発脂肪が大
いに望まれている。
発明の概要 乳脂肪以外のグリセリド脂肪、脂肪酸又は脂肪酸誘導
体であるオレオケミカル(oleochemical)であって、ω
−3非共役性(non−conjugatable)二重結合系をもつ
少なくとも1種類のポリ不飽和脂肪酸を0.01重量%(脂
肪酸を基準)を超える量を含んでいるようなオレオケミ
カルの酸化によって、香味料組成物を得ることができる
ことが判明した。したがって、本発明には、乳脂肪以外
のグリセリド脂肪、脂肪酸又は脂肪酸誘導体であるオレ
オケミカルの酸化によって得ることのできる香味料組成
物にして、上記オレオケミカルがω−3非共役性二重結
合系をもつ少なくとも1種類のポリ不飽和脂肪酸を0.01
重量%(脂肪酸を基準)を超える量、好ましくは0.1重
量%を超える量で含んでいることを特徴とする香味料組
成物に関する発明が包含される。
さらに、かかる香味料組成物の製造方法にして、天然
グリセリド脂肪又は脂肪酸もしくは脂肪酸誘導体のいず
れかである改質オレオケミカルの使用を伴う方法を見い
だした。したがって、本発明には、天然グリセリド脂肪
又は脂肪酸もしくは脂肪酸誘導体のいずれかであるオレ
オケミカルを酸化処理に付すことによる香味料組成物の
製造方法にして、上記オレオケミカルを、脂肪酸組成の
変化をもたらして当該オレオケミカルがω−3非共役性
二重結合系をもつ少なくとも1種類のポリ不飽和脂肪酸
を0.01重量%以上含むようになる処理に付しておいたこ
とを特徴とする方法に関する発明も包含される。このよ
うな処理には、特に、水添、エステル交換及び分別が包
含される。
上述の先行技術の方法とは対照的に、本発明の方法
は、主に原料脂肪に既に存在していた本来のフレーバー
をある程度まで増幅するのではなく、処理前には原料脂
肪中にそれまで存在していなかった予想外のフレーバー
を発生する。特に、今回、バター様フレーバーが所望さ
れる食品組成物の香味附与に適した香味料組成物を、部
分的水添に付しておいた無刺激性(bland)大豆油の酸
化によって製造することが可能になった。こうして得ら
れるフレーバーには、バターフレーバーに強く認められ
る特徴的な甘く、クリーミィなノートが含まれている。
図面の簡単な説明 図1は、炭素数18の鎖長で共役性(1a)、共役(1b)
又は(1c)非共役性の二重結合系をもつω−3ポリ不飽
和脂肪酸の具体例を示す。
図2は、ポリ不飽和油脂の水添処理の際の非共役性二
重結合をもつポリ不飽和脂肪酸の合成経路を示す。リノ
レン酸(A)が最初にリノレン酸の位置異性体(B)
に、次いてリノール酸の位置異性体混合物(C)に変換
される。
図3は、酸化段階の温度依存性について例示する。こ
れは、各酸化温度について、認識し得るフレーバーの発
生に要する最少反応時間を時間単位で示したグラフであ
る。
発明の詳細 本発明に関し、香味料組成物とは、単独で又は一緒に
フレーバーカクテルを形成し得る別の香味料組成物、香
味成分又は香味化合物との配合物として、食品組成物の
香味附与に使用することのできるあらゆる組成物を意味
する。したがって、香味料組成物は単一の化合物であっ
てもよいが、(ほとんどの場合)混合物全体として適当
な濃度で使用したときに所望フレーバーの原因となるよ
うな数種類の化合物の混合物(その幾つかの成分は痕跡
量で存在していてもよい)であってもよい。単一化合物
ではない香味料組成物に関し、当該組成物が他の1種類
以上の香味料組成物を添加して初めて適当な挙動を示す
ようなときに、かかる組成物に対して「フレーバーブロ
ック」という用語がよく用いられる。
「バターフレーバー」とは、真のバターの匂い及び/
又は味覚の感覚を喚起させるようなフレーバーを意味す
る。ただし、このことは、香味料組成物によって附与さ
れたフレーバーが真のバターのフレーバーと必ずしも同
一であることを意味しない(真のバターのフレーバーに
ついては、「天然バターフレーバー」という用語で示
す)。本発明の目的の一つは、バターフレーバーの製造
に適したフレーバーブロックを提供することである。
本発明によれば、香味物質の製造に使用されるグリセ
リド脂肪は、本質的に、ω−3非共役性二重結合系をも
つポリ不飽和脂肪酸(例えば図1を参照)を比較的多量
に含んだ脂肪である。このような脂肪酸は0.01重量%を
超える量で存在していなければならない(不飽和条件
A)。好ましい量は、脂肪酸を基準にして、0.1重量%
を超える量であり、至適量は1〜5重量%である。
このような脂肪について香味料組成物の製造用出発原
料として開示されたことはこれまでなかった。本発明に
よれば、これらの脂肪は、脂肪の改質をもたらすような
処理によって都合よく得ることができる。本願明細書に
おいて、脂肪の改質とは、脂肪酸の組成が最初の脂肪酸
組成と比較して変化したことを意味する。脂肪の改質に
は、脂肪の加水分解のような脂肪酸の組成には何の影響
も与えない処理は含まれない。
脂肪の改質は、ω−3非共役性(non−conjugatabl
e)二重結合系をもつ少なくとも1種類のポリ不飽和脂
肪酸又は脂肪酸残基を十分な量で生じるべきである。こ
のような二重結合系には少なくとも2つの二重結合が含
まれており、その1つはω−3位にあって、すべての二
重結合は少なくとも2つのメチレン基で隔てられてい
る。その典型例は、9.15−オクタデカジエン酸、10,15
−オクタデカジエン酸及び11,15−オクタデカジエン酸
であり、共役(conjugated)及び共役性(conjugatabl
e)のω−3二重結合系を含んでいる9,13,15−オクタデ
カトリエン酸及び11,13,15−オクタデカトリエン酸とは
対照的である。
かかる脂肪酸残基を含んだ油を酸化すると、驚くべき
ことに、バターフレーバーの調製に用いられるフレーバ
ーブロックに強く認められる甘く、クリーミィなフレー
バーノートをもつ生成物が得られることが判明した。
トリグリセリド脂肪の脂肪酸組成の改質は、水添、エ
ステル交換及び分別からなる処理の1又はそれ以上の処
理によって好適に実現されるが、ただし、脂肪酸組成の
変化によって特にω−3非共役性二重結合系をもつ少な
くとも1種類のポリ不飽和脂肪酸を生じることを条件と
する。
一般に、水添(水素添加)は、グリセリド脂肪の不飽
和脂肪酸残基を不飽和度の低下した又は飽和脂肪酸に変
化させること(例えば、リノール酸からオレイン酸へ
の、或いはオレイン酸からステアリン酸への変化)を目
的とする。ω−3非共役性二重結合系をもつポリ不飽和
脂肪酸の含有量が増したグリセリド油を得るためには、
酸化すべき油は、水添によってω−3非共役性二重結合
系をもつポリ不飽和脂肪酸へと変換できるようなポリ不
飽和脂肪酸を含んでいるべきであり、このことは本発明
の効果を奏するための必須条件である。このような脂肪
酸の水添による生成経路の概略を図2に示す。
水添による脂肪酸組成の改質には、通常の水添方法を
用いることができる。ニッケル、パラジウム又は白金触
媒などを使用した化学的水添だけでなく、水添を水素添
加酵素存在下で遂行する生物学的水添も用いることがで
きる。
エステル交換による改質には、天然グリセリド脂肪に
脂肪酸源(例えば遊離脂肪酸又は異なるグリセリド脂肪
など)を添加すること、並びに上記天然脂肪の脂肪酸を
上記添加脂肪酸と少なくとも部分的に交換させることが
含まれる。化学的エステル交換及び酵素的エステル交換
を含めた通常のエステル交換法を使用することができ
る。
脂肪酸組成を改質するためのもう一つの方法は、天然
グリセリド脂肪、脂肪酸又は脂肪酸誘導体の分別(湿式
分別又は乾式分別のいずれでもよい)によるものであ
る。
「グリセリド脂肪」という用語は通常はトリグリセリ
ドを主成分としてなる混合物を意味する。ただし、かか
る脂肪は、十分に精製されていない状態では、相当量の
遊離脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド及びリン脂
質をさらに含んでいることもある。理論に束縛されるこ
とを望むわけではないが、香味附与化合物群は上記オレ
オケミカル中の不飽和脂肪酸部分の分解によって発生す
るものと考えられる。したがって、上記で定義した脂肪
酸が遊離分子として存在していようが、或いはモノグリ
セリド、ジグリセリド又トリグリセリドのような誘導体
として結合した状態にあろうが大した問題ではない。遊
離形でも誘導体形でも、それらの炭素鎖は酸化処理の際
に分解されて、本発明の香味組成物を与える。
このプロセスで出発原料として使用する場合、グリセ
リド脂肪は60重量%以上のトリグリセリドを含んでいる
のが通常である。
脂肪という用語と油という用語は互換的に用いられ
る。本発明の方法の前駆体として作用し得る脂肪酸を含
んでいれば、動物脂及び魚油を含め、如何なる種類の脂
肪を使用してもよいが、植物脂肪を使用するのが好まし
い。前駆体脂肪酸は、その水添後にω−3非共役性二重
結合系をもつ脂肪酸を生じることを特徴とする。このよ
うな脂肪は、大豆油、綿実油、トウモロコシ油、ナタネ
油及びアマニ油である。ヒマワリ油、パーム油、パーム
核油、落花生油、オリーブ油及びゴマ油並びにこれらの
混合油は本発明の方法の前駆体として作用し得る脂肪酸
を含んでいないので余り適しているとはいえず、単独で
は使用することができず、前者のカテゴリーに属する脂
肪との混合物とした場合にのみ使用することができる。
本発明では、「脂肪」という用語には脂肪酸スクロー
スエステルも包含され、これらはトリグリセリド原料の
一部又は全体の低カロリー代替物として使用し得る。
脂肪酸組成の改質を行うための最も都合のよい方法は
水添であり、水添には如何なる常法を用いることもでき
る。ただし、水添は完全に飽和されるまで行ってはなら
ず、さもなければ、後段の酸化プロセスに必要とされる
二重結合系が存在しなくなってしまう。好ましくは、50
以上のヨウ素価に止めておく。最適な水添の程度は脂肪
の種類によって左右されるが、数回の試行実験によって
容易に見いだすことができる。
理論に束縛されることを望むわけではないが、部分水
添処理は、後段の酸化処理の際に異臭の発生を引き起こ
すような二重結合を飽和すると考えられる(表II参
照)。
酸化プロセスに関しては、脂肪は好ましくは共役又は
共役性二重結合をもつポリ不飽和ω−3脂肪酸の量が比
較的少ないものを選択する。このような脂肪酸の存在下
での酸化は、グリーンでオイリーなひどい異臭を発する
可能性がある。ちにかく、酸化すべき脂肪におけるこの
ような脂肪の含有量は0〜5重量%、好ましくは0〜1
重量%である(不飽和条件B)。百分率はいつも通り脂
肪酸全体を基準にして計算したものである。
最良の結果は、ω−3非共役性二重結合系をもつポリ
不飽和脂肪酸とω−3共役又は共役性二重結合系をもつ
ポリ不飽和脂肪酸の比率が1を超えるとき(不飽和条件
C)に得られる。
さらに好ましい具体的態様によれば、水添樹脂はスリ
ップ融点が30〜45℃、好ましくは約35℃の水添大豆油で
ある。この水添樹脂の酸化処理は、バターフレーバーブ
ロックとして使用し得る香味料組成物をもたらす。この
フレーバーブロックを、所望により適当に稀釈した後
で、ジアセチル、δ−ラクトン類及びメチルケトン類の
ようなバターフレーバー化合物と混合すると、天然バタ
ーフレーバーに非常によく似た好適なバターフレーバー
が得られる。
本発明の香味料組成物は、特定の脂肪酸組成をもつ上
述のオレオケミカルを酸素、好適には周囲空気に暴露す
ることによって得られる。酸化は室温でも起こるが、温
度が50℃を超えると経済的な速度で酸化が進行する。し
たがって、プロセス温度を50℃よりも高い温度に上げる
のが好ましい。図3は、認識し得るフレーバーの発生に
要する最少加熱時間と温度との関係を示す。一般に、改
質脂肪は50〜150℃の温度で0.5時間〜1週間加熱され
る。比較的高い温度にすることの欠点は揮発性化合物が
反応混合物から逃散してしまうおそれがあることであ
る。50〜85℃では、好適な加熱時間は5〜50時間であ
る。8〜36時間で良好な結果が得られることが多い。約
100℃では、1時間の加熱で十分であることが多い。酸
化を還流条件下で行うと、良好で再現性のある結果が得
られる。85〜95℃の温度が、十分な反応速度と揮発性化
合物の抑制された逃散との間の最良の妥協点を与える。
制御された酸化処理は、好ましくは、2重量%以上の
水の存在下で50〜150℃の温度で実施される。100℃を超
えるプロセス温度を用いる場合に加圧すべきことは明ら
かであろう。出発原料中に水分が存在していない場合、
反応混合物に水分を加える。
酸化の際のある種の塩が存在していると、フレーバー
の発生に有益な効果をもつ。好ましくは、反応混合物は
3〜40重量%の食塩(水分量を基準に計算)を含む。
酸化プロセスに投入される脂肪は、メイラード反応へ
の参入し得る化合物を実質的に含んでいないべきであ
る。本明細書では、このことは、タンパク質と還元糖の
合計量が仮に存在していたとしても1重量%を超えない
ことを意味する。
改質脂肪の酸化処理は制御された酸化処理であるのが
好ましく、本明細書では、制御された酸化処理とは、そ
の効果の一つとして酸化を若干遅らせるような量の酸化
防止剤が存在するプロセスを意味する。酸化防止剤が酸
化すべき脂肪中に既に存在している生来の酸化防止剤で
はない場合、酸化防止剤を添加してもよい。
酸化防止剤は単一化合物であっても異なる化合物の混
合物であってもよい。好適な酸化防止剤は次の通りであ
る。
(1)トコフェロール類、トコトリエノール類、グアヤ
ク脂、ノルジヒドログアヤレチック酸、アスコルビン酸
などの天然の酸化防止剤又は天然のものと同じ酸化防止
剤; (2)ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル
化ヒドロキシトルエン(BHT)、t−ブチルヒドロキシ
キノン(TBHQ)、トリヒドロキシブチロフェノン、4−
ヒドロキシメチル−2,6−ジt−ブチルフェノール、ジ
ラウリルチオジプロピオネート、没食子酸エステル類、
アノクソマー(BHA、BHT及びTHBQの縮合生成物)、アス
コルビルパルミテートなどの合成酸化防止剤; (3)酒石酸、クエン酸及びエチレンジアミン四酢酸
(EDTA)などの金属イオン封鎖剤。
好ましくは、酸化防止剤は、天然の又は天然と同一の
酸化防止剤、クエン酸、酒石酸及びそれらの前駆体から
なる群から選択される。最も好ましい酸化防止剤はα−
トコフェロール及びトコフェロール混合物であり、これ
らは市販品として入手し得る。α−トコフェロールは植
物脂肪中に生来の酸化防止剤として広く存在している。
約0.1重量%(脂肪を基準に計算)のα−トコフェロー
ルで脂肪の誘導期間を1.5倍に引き延ばすのに十分であ
る(有効濃度)。誘導期間は、J.Am.Oil.Chem.Soc.Vol.
63,(1986)192−195に記載の方法を用いて、100℃で
求められる。
一般に、有効濃度は脂肪の種類及び酸化防止剤の種類
に依存する。酸化防止剤は有効濃度の1〜100倍の量で
配合される。α−トコフェロールが本発明の香味料組成
物中に存在する唯一の酸化防止剤である場合には、その
濃度は少なくとも0.01重量%である。
このプロセスは脂肪の温和な酸化を目的としたもので
あるが、このことは、本明細書では、酸化後の脂肪の過
酸化物価(通常は2以上である)が20を超えないように
配慮されることを意味する。過酸化物価は脂肪中に存在
する過酸化物の量を示し、脂肪1kg当りのミリ当量酸素
で表される。過酸化物価を求めるための方法はP.G.Powi
ck,J.Agric.Res.26,323(1923)に記載されている。
生成する香味化合物のかなり揮発性が高いので、酸化
段階は基本的に密閉系(すなわち、このような揮発性化
合物が逃散し得ない系)の中で行うのが好ましい。ここ
で、密閉系という用語には還流系も含まれる。密閉系
は、酸化処理時(かなり長時間を要することもある)に
水分だけでなく生成した揮発性フレーバー類(脂肪含有
酸化混合物中に存在する)が蒸発によって逃散しなくな
るようにする。
このプロセスに続いて、酸化脂肪中に存在するフレー
バー揮発分を回収することからなる段階を行ってもよ
い。それらの混合物からの単離は、例えば蒸留、超臨界
気体抽出又は溶媒抽出などで遂行することができる。揮
発分は好ましくは蒸留によって回収する。留出物には
(C5−C12)アルカナール類、(C5−C12)−2−アルケ
ナール類及び(C7−C12)−2,4−アルカジエナール類か
らなる混合物が含まれる。
別法では、揮発分を酸化プロセスの間に蒸留すること
もできる。そうすると、加熱によって酸化の速度及びフ
レーバー揮発分の蒸発の速度が共に高まる。
本発明には、食品の香味附与における本発明の組成物
の用途並びに香味附与食品自体に関する発明も包含され
る。この香味料組成物は、食品の重量を基準にして0.00
1〜10重量%、好ましくは0.5〜6重量%の量で、単独で
又は他の香味成分と共に食品中に配合される。
食品とは、人間の食用に適していて人間の食用にされ
る製品、すなわち、標準的な量で摂取しても毒性のない
製品のことであると理解される。典型的な香味料組成物
はバターフレーバーブロックであり、スプレッド類、非
乳製クリーム類、菓子類、アイスクリーム、シロップ、
ベーカリ材料、ベーカリ製品、ショートニング類、グレ
ービー類、スープ類、ソース類、ドレッシング類及びス
ナック類、総括的にはバターフレーバーをもつと有益な
食品の香味附与に特に適している。
本発明の香味組成物は通例連続脂肪相を有していて、
マーガリンや低脂肪スプレッドのような同じく連続脂肪
相を有する食品組成物にそのまま添加することができ
る。別法として、本発明の香味料組成物を水相中に乳化
すれば、クリームのような同じく水を連続相とするエマ
ルジョンタイプの食品組成物と容易に混合することがで
きる。
得られた香味附与食品は、好ましくは、10〜95重量%
の水及び5〜90重量%の脂肪(本発明の酸化脂肪並びに
非酸化脂肪)を含む。水と脂肪の合計含有量は70重量%
以上である。このような食品の具体例は、例えば80重量
%の脂肪相(その3重量%が酸化脂肪)を含んだ高脂肪
スプレッド、並びに例えば40重量%の脂肪(その1重量
%が酸化脂肪)を含んだ低脂肪スプレッドである。
香味附与食品中に存在する非酸化脂肪は低い過酸化物
価を有しており、好ましくは2未満、さらに好ましくは
0.1未満の過酸化物価を有している。さらに、この非酸
化脂肪は一般に1未満のアニシジン価及び5未満の全酸
化価を有している。アニシジン価の決定については、IU
PAC,Standard Methods for the Analysis of Oils,Fats
and Derivatives,6th Ed.(1979)(英国オックスフォ
ードのPergamon Press発行)Method 2504,143頁を参照
されたい。全酸化価(TOV)は過酸化物価(PV)及びア
ニシジン価(AV)から算出される。
TOV=2×PV+AV G.R.List他,J.Am.Oil.Chem.Soc.51,17(1974)参照。
本発明を以下の実施例により例示する。
実施例1〜9 バターフレーバー附与組成物、その製造及び官能評価 数種類の植物油を中和し、漂白し、次いで油を表Iに
示すスリップ融点に達するまで通常の一段階水添プロセ
スに付すことによって部分的に水添した。
水添温度は最初は140℃であったが、185℃に上昇し
た。特記(表I)しない限り、シリカに担持したニッケ
ル触媒を、油を基準にしたニッケル量が0.3重量%とな
る濃度で、使用した。表Iは、3種類の天然油の脂肪酸
組成とそれぞれの水添油の脂肪酸組成を示す。油の名前
の後の数値はスリップ融点を示す。
酸化の前には、原料油は天然型又は水添型いずれの場
合も味も匂いもしないべきである。その過酸化物価は1.
0未満であるべきである。
新鮮な精製油500gをトコフェロール混合物(エーザイ
(株)製,油中60%,α−、γ−及びδ−トコフェロー
ルを1:3.13:3.46の重量比で含む)0.2g及び16重量%の
塩の脱イオン水溶液125gに添加混合した。
油浴(108℃)に浸して還流凝縮器を装着した1三
首丸底フラスコ中で、連続的に撹拌しながら、このエマ
ルジョンを加熱(93℃)した。24時間後(実施例6では
48時間後)に、塩分を含んだ水相を脂肪相から遠心又は
デカンテーション(油が固体になった場合)によって分
離した。
実施例3の油の分析:高真空脱気法(1.33mPa,90℃,5
時間)で酸化脂肪から揮発分を回収し、ガスクロマトグ
ラフィーで分析した。
μg/kg(ppb) ペンタナール 590 ヘキサナール 720 ヘプタナール 460 オクタナール 530 ノナナール 570 デカナール 440 ウンデカナール 85 ドデカナール 30 2−ペンテナール 120 2−ヘキセナール 340 2−ヘプテナール 840 2−オクテナール 1180 2−ノネナール 1340 2−デセナール 1615 2−ウンデセナール 1350 2−ドデセナール 460 2,4−ヘプタジエナール 100 2,4−オクタジエナール 135 2,4−ノナジエナール 700 2,4−デカジエナール 2520 2,4−ウンデカジエナール 430 2,4−ドデガジエナール 40 比較のため、上述の不飽和条件を満足しない脂肪につ
いても上記の酸化処理に付した(例A、B、C、D及び
E)。
官能評価 無刺激油(中鎖トリグリセリド油)に上記の酸化油及
び対照油4重量%を溶解した。
上記稀釈油の試料をマーガリンフレーバーの熟練者10
人からなるパネルで評価した(表II参照)。バター類似
性以外に、グリーンでオイリーな異臭並びにバターフレ
ーバーにはっきりと寄与する甘く、クリーミィなノート
について評価した。比較例Dはかなり強い異臭を示した
ことに留意されたい。この油は水添に付したものではあ
るが、不飽和条件B及びCを満足しない。比較例Eは条
件Bを満足するので異臭を示さないが、条件Aを満足し
ていないので有益なフレーバーも示さない。
実施例10 酸化した水添大豆油を香味料組成物として使用したクロ
ワッサンの製造 それぞれ下記の成分(重量%)からなる水相(17重量
%)と脂肪相(83重量%)から、ボテーター(Votator,
登録商標,掻き取り式熱交換器)を用いてクロワッサン
用のベーカリマーガリン(いわゆるダニッシュペースト
リマーガリン)を製造した。
水相: 86% 脱イオン水 2.4% 加工デンプン 5.5% 塩 5.5% サッカロース 0.4% クエン酸 0.2% ソルビン酸カリウム 8ppm ジアセチル 脂肪相: 40% 硬化パーム油(融点42℃) 30% 硬化ナタネ油(融点32℃) 11% 大豆油 15% ラード 4% 実施例2の香味料オイル 下記の組成の生地からクロワッサンを製造した。
1000g 小麦粉 40g パン酵母 25g 塩 100g サッカロース 300g 水 300g ミルク 生地を捏ねあげた。しかる後に、生地をブリキ製容器
に入れて、表面が堅くならないようにカバーした。発酵
のため、生地を室温に1時間保った。次に、生地をこわ
して冷蔵庫に入れ庫内に一晩おいた。生地を次に小片に
切り分けた。生地を折り返すため、小片を方形に引き延
ばし、その半分に、予め調温しておいた500gのマーガリ
ンをかぶせた。この引き延ばした生地を2つに折ってマ
ーガリンを覆い、縁と縁をくっつけた。これを3つに折
り畳み、次に4つに折り畳んだ(これは1度の折り返し
と2度目の折り返しを意味する)。生地を厚さ約3mmに
延ばした。
成形のため、生地を20cm幅の細長い片に切り取り、40
〜50gの生地からなる三角形に分割した。クロワッサン
を高さ18〜20cm及び底辺9〜10cmの非常に長細い三角形
にカットした。これらを次に数重にくるくる巻きにし
た。
さらに発酵させるため、クロワッサンをドラフトのシ
ェルターの下又はプルーバー内で30〜35℃で膨らませ
た。ベーキングは活発に(約250℃で)湿気を加えずに
約12分間行った。クロワッサンを卵で2回洗い、最後の
発酵の前にもう一回洗った。
比較例F 本明細書の実施例2のオイルの代わりに欧州特許EP−
0377239号の例1にしたがって製造した酸化バター脂を
用いてマーガリンを製造したことを除いては、実施例10
を繰り返した。
官能評価 フレーバーの熟練者10人からなるパネルにより、実施
例10に記載の通り製造したクロワッサン及び比較例Fに
記載の通り製造したクロワッサンの双方について、標準
として本当のバターで製造した通常のクロワッサンと対
比した。両方のクロワッサン(実施例10及び例F)共に
パネルから良い評価を得たが、前者のクロワッサンの方
が後者のクロワッサンよりも若干評点が高かった。
実施例11 酸化した水添大豆油を香味料組成物として使用したパフ
ペーストリスティックの製造 それぞれ下記の成分(重量%)からなる水相(17重量
%)と脂肪相(83重量%)から、ボテーター(Votator,
登録商標,掻き取り式熱交換器)を用いてクロワッサン
用のベーカリマーガリン(いわゆるダニッシュペースト
リマーガリン)を製造した。
水相: 86% 脱イオン水 2.4% 加工デンプン 5.5% 塩 5.5% サッカロース 0.4% クエン酸 0.2% ソルビン酸カリウム 8ppm ジアセチル 16ppm δ−デカラクトンとδ−ドデカラクトンの
1:1混合物 1ppm 2−ペンタノンと2−ヘプタノンと2−プ
ロパノンの1:1:1混合物 脂肪相: 40% 硬化パーム油(融点42℃) 30% 硬化ナタネ油(融点32℃) 11% 大豆油 15% ラード 4% 実施例2の香味料オイル パフペーストリスティックを製造するため、下記の成
分: 500g 小麦粉(Columbus,登録商標,Meneba社製) 260g 水 200g マーガリン 300g 折り返し用マーガリン を用いて、下記の手順(スコティッシュ/ダニッシュ
法)を用いた。
− 小麦粉と水と前生地用マーガリンをDiosna捏上機で
200回折り畳む。
− 生地を10分間寝かせる。
− 生地を厚さ5mmに引き延ばす。
− この塊りにマーガリンを手作業で押し延ばす。
− 生地を3つに折り畳み、20分間寝かせる。
− 後の操作を2度繰り返す。
− この塊を3mmの厚さに引き延ばして、12×2cmのステ
ィックにカットする。
− 200℃でベーキングする。
比較例G 本明細書の実施例2のオイルの代わりに欧州特許EP−
0377239号の例1にしたがって製造した酸化バター脂を
用いてマーガリンを製造したことを除いては、実施例11
を繰り返した。
官能評価 フレーバーの熟練者10人からなるパネルにより、実施
例11に記載の通り製造したパフペーストリスティック及
び比較例Gに記載の通り製造したクロワッサンの双方に
ついて、標準として本当のバターで製造した通常のパフ
ペーストリスティックと対比した。両方のパフペースト
リスティック(実施例11及び例E)共にパネルから良い
評価を得たが、前者のパフペーストリスティック(実施
例11)の方が後者のパフペーストリスティック(例G)
よりも若干評点が高かった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 モスタート、クリーン オランダ国、3134 シーブイ・ヴラーデ ィンゲン、ウィルヘルミナストラート 46 (72)発明者 ボット、デビッド・サイモン・マリア オランダ国、3571 ブイダブリュー・ウ トレヒト、ベルク・バン・デア・ボル ト・バン・ジプリン 38 (72)発明者 バーガー、マッテアス オランダ国、3013 エイエル・ロッテル ダム、ヴェーナ 223 (56)参考文献 特開 平4−141048(JP,A) 特開 平2−227030(JP,A) 特開 平5−68506(JP,A) 特開 昭63−240755(JP,A) 欧州特許出願公開172275(EP,A 1) 欧州特許出願公開295509(EP,A 1) 欧州特許出願公開298552(EP,A 1) 欧州特許出願公開377239(EP,A 1) 欧州特許出願公開463660(EP,A 1) 特表 平2−502010(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/22 - 1/24

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乳脂肪以外の脂肪酸又は脂肪酸誘導体又は
    これらの混合物の酸化によって得ることのできる香味料
    組成物にして、上記脂肪酸がω−3非共役性二重結合系
    をもつ少なくとも1種類のポリ不飽和脂肪酸を、脂肪酸
    を基準にして、0.01重量%を超える量、好ましくは0.1
    重量%を超える量で含んでいることを特徴とする香味料
    組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の香味料組成物において、前
    記脂肪酸が、9,15−オクタデカジエン酸、10,15−オク
    タデカジエン酸及び11,15−オクタデカジエン酸からな
    る群から選択される少なくとも1種類の脂肪酸を含んで
    なることを特徴とする香味料組成物。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2記載の香味料組成物
    において、前記脂肪酸又は脂肪酸誘導体が、ω−3共役
    又は共役性二重結合系をもつポリ不飽和脂肪酸を0〜5
    重量%、好ましくは0〜1重量%(脂肪酸を基準)含ん
    でいることを特徴とする香味料組成物。
  4. 【請求項4】請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載
    の香味料組成物において、ω−3非共役性二重結合系を
    もつポリ不飽和脂肪酸とω−3共役又は共役性二重結合
    系をもつポリ不飽和脂肪酸の重量比が1を超えることを
    特徴とする脂肪酸組成を有する香味料組成物。
  5. 【請求項5】天然グリセリド脂肪の脂肪酸組成を改質さ
    せる処理に前もって付しておいたグリセリド脂肪の酸化
    によって得ることのできる請求項1記載の香味料組成
    物。
  6. 【請求項6】請求項5記載の香味料組成物において、前
    記改質処理が、水添、エステル交換及び分別を包含する
    ことを特徴とする香味料組成物。
  7. 【請求項7】請求項5記載の香味料組成物において、当
    該組成物が、食品組成物のバターフレーバーブロックと
    しての使用に適していて、かつスリップ融点30〜45℃ま
    で水添しておいた大豆油の酸化によって得られるもので
    あることを特徴とする香味料組成物。
  8. 【請求項8】天然グリセリド脂肪又は脂肪酸又は脂肪酸
    誘導体を酸化処理に付すことによる香味料組成物の製造
    方法にして、上記天然グリセリド脂肪又は脂肪酸又は脂
    肪酸誘導体が、ω−3非共役性二重結合系をもつ少なく
    とも1種類のポリ不飽和脂肪酸の量を、脂肪酸を基準に
    して、0.01重量%以上に上昇させる処理に前もって付し
    ておいた天然脂肪であることを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】請求項8記載の方法において、前記改質処
    理が、ω−3共役又は共役性二重結合系をもつポリ不飽
    和脂肪酸を、脂肪酸を基準にして、0〜5重量%含んだ
    脂肪酸組成の生成物を与えることを特徴とする方法。
  10. 【請求項10】請求項8又は請求項9項記載の方法にお
    いて、前記改質処理が、ω−3非共役性二重結合系をも
    つポリ不飽和脂肪酸とω−3共役又は共役性二重結合系
    をもつポリ不飽和脂肪酸の重量比が1を超える脂肪酸組
    成の生成物を与えることを特徴とする方法。
  11. 【請求項11】請求項8乃至請求項10のいずれか1項記
    載の方法において、前記天然グリセリド脂肪又は脂肪酸
    又は脂肪酸誘導体を水添処理に付しておいたことを特徴
    とする方法。
  12. 【請求項12】請求項8乃至請求項10のいずれか1項記
    載の方法において、前記天然グリセリド脂肪又は脂肪酸
    又は脂肪酸誘導体をエステル交換処理に付しておいたこ
    とを特徴とする方法。
  13. 【請求項13】請求項8乃至請求項10のいずれか1項記
    載の方法において、前記天然グリセリド脂肪又は脂肪酸
    又は脂肪酸誘導体を分別処理に付しておいたことを特徴
    とする方法。
  14. 【請求項14】請求項8乃至請求項13のいずれか1項記
    載の方法において、前記天然脂肪が、大豆油、ナタネ
    油、綿実油、トウモロコシ油及びゴマ油からなる群から
    選択されることを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】請求項11記載の方法において、前記天然
    グリセリド脂肪又は脂肪酸又は脂肪酸誘導体をヨウ素価
    が50を下回らないように水添しておくことを特徴とする
    方法。
  16. 【請求項16】請求項11又は請求項15記載の方法におい
    て、前記脂肪が、スリップ融点30〜45℃まで水添された
    大豆油であることを特徴とする方法。
  17. 【請求項17】請求項8乃至請求項16のいずれか1項記
    載の方法において、改質した脂肪又は脂肪酸又は脂肪酸
    誘導体を、酸素、好ましくは空気の接触下で加熱するこ
    とによって酸化することを特徴とする方法。
  18. 【請求項18】請求項17記載の方法において、改質した
    脂肪又は脂肪酸又は脂肪酸誘導体を、脂肪の誘導期間を
    少なくとも1.5倍に引き延ばすのに十分な濃度で当該改
    質脂肪と混合しておいた酸化防止剤の存在下で、酸化す
    ることを特徴とする方法。
  19. 【請求項19】請求項17又は請求項18記載の方法におい
    て、改質した脂肪又は脂肪酸又は脂肪酸誘導体を、50〜
    150℃の温度で0.5時間〜1週間加熱することを特徴とす
    る方法。
  20. 【請求項20】請求項17乃至請求項19のいずれか1項記
    載の方法において、改質した脂肪を水の存在下で50〜15
    0℃の温度に加熱することを特徴とする方法。
  21. 【請求項21】請求項17乃至請求項20のいずれか1項記
    載の方法において、出発原料が、メイラード反応への参
    入し得るタンパク質と還元糖を実質的に含んでいないこ
    とを特徴とする方法。
  22. 【請求項22】請求項21記載の方法において、メイラー
    ド反応への参入し得るタンパク質と還元糖の合計量が1
    重量%以下であることを特徴とする方法。
  23. 【請求項23】請求項1乃至請求項7のいずれか1項記
    載の香味料組成物又は請求項8乃至請求項22のいずれか
    1項記載の方法で得られる香味料組成物を、食品の香味
    附与に使用することを特徴とする香味料組成物の使用方
    法。
  24. 【請求項24】請求項1乃至請求項7のいずれか1項記
    載の香味料組成物又は請求項8乃至請求項22のいずれか
    1項記載の方法で得られる香味料組成物によって香味付
    与された食品。
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