JP2007020435A - ベーカリー製品用油脂含有組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 製造後の比容積が大きくかつ釜落ちせず、外観にも優れ、またソフト感、口溶け、しっとり感等の食感が良好で、更に卵風味に優れたものとし、これらが従来のものに比べて極めて高いレベルで達成されたベーカリー製品とする。
【解決手段】 次の成分(A)及び(B):
(A)ジアシルグリセロールを10〜90質量%含有する油脂20〜60質量%
(B)卵黄を乾燥質量で3〜10質量%
を含有するベーカリー製品用油脂含有組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 次の成分(A)及び(B):
(A)ジアシルグリセロールを10〜90質量%含有する油脂20〜60質量%
(B)卵黄を乾燥質量で3〜10質量%
を含有するベーカリー製品用油脂含有組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ベーカリー分野でショートニング、マーガリンとして用いられる油脂含有組成物に関する。
一般にパン、ケーキ類に代表される小麦粉を主体としたベーカリー製品においては、組織をソフトにし、食感や口溶けを向上させる目的で、ショートニングやマーガリンの形態で油脂が配合されており、また、食感のみならず風味を向上させる目的で卵も配合されている(特許文献1参照)。
油脂に関しては、油脂そのものの改質や乳化剤等の開発により、ベーカリー製品の生地の起泡性を低下させることなく、更に起泡性を向上させる技術が提案され、食感等の向上に寄与している(特許文献2参照)。特に、ジグリセリド(ジアシルグリセロールともいう)を一定量含有させた油脂を用いることにより、比容積を増大させ、食感をソフトにする技術が提案されている(特許文献3〜5参照)。更に、ジグリセリドを水相に微細に乳化分散させることによりきめを細かくし、均一で品質の良い小麦粉食品とする乳化油脂組成物の技術もある(特許文献6参照)。
このように、ベーカリー製品における食感、品質の要求は多種多様であり、またそのレベルにおいても高度なものが求められている。
特開昭64−16554公報
特開平5−493882号公報
特開平2−124052号公報
特開平2−124055号公報
特開平4−349841号公報
特開平7−289143号公報
本発明は、製造後の比容積が大きくかつ釜落ちせず、外観にも優れ、またソフト感、口溶け、しっとり感等の食感が良好で、更に卵風味に優れたものとし、これらが従来のものに比べて極めて高いレベルで達成されたベーカリー製品とし、かつ従来のショートニング、マーガリンと同様に用いられるベーカリー製品用油脂含有組成物を提供することを目的とする。
従来から、食感のみならず風味を向上させる目的で卵が配合されてきたが、あまり卵を高配合とすると、風味は向上するものの生地中の泡の安定性が低下し、生地比重が大きくなり、ベーカリー製品の比容積が大きくならず、食感が良好とならないという課題があった。
本発明者らは、上記目的を達成するため検討した結果、一定量のジアシルグリセロールを含有した油脂を用いることにより、生地中に卵を高配合可能であることを見出し、その結果、生地の起泡性が高いと共に、焼成後のベーカリー製品の比容積も増大し、食感及び風味も良好となることを見出した。
即ち本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)ジアシルグリセロールを10〜90質量%含有する油脂20〜60質量%
(B)卵黄を乾燥質量で3〜10質量%
を含有するベーカリー製品用油脂含有組成物を提供するものである。
本発明者らは、上記目的を達成するため検討した結果、一定量のジアシルグリセロールを含有した油脂を用いることにより、生地中に卵を高配合可能であることを見出し、その結果、生地の起泡性が高いと共に、焼成後のベーカリー製品の比容積も増大し、食感及び風味も良好となることを見出した。
即ち本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)ジアシルグリセロールを10〜90質量%含有する油脂20〜60質量%
(B)卵黄を乾燥質量で3〜10質量%
を含有するベーカリー製品用油脂含有組成物を提供するものである。
本発明のベーカリー製品用油脂含有組成物を使用することにより、製造後の比容積が大きくかつ釜落ちせず、外観にも優れ、またソフト感、口溶け、しっとり感等の食感が良好で、更に卵風味に優れたものとし、これらが従来のものに比べて極めて高いレベルで達成されたベーカリー製品とすることができ、かつ従来のベーカリー製品用のショートニング、マーガリンとして好適に用いられる。
本発明のベーカリー用油脂含有組成物は、(A)ジアシルグリセロールを10〜90質量%(以下、単に%と記載する)含有する油脂を20〜60%含有するが、更に25〜55%、特に25〜50%、殊更25〜40%であることが、生地の起泡性、焼成後の釜落ち防止、製品の外観、口溶け感の良さ、しっとり感の向上の点から好ましい。油脂中のジアシルグリセロール含量は、同様の点から更に20〜70%、特に30〜70%、殊更35〜70%であることが好ましい。
本発明の態様において、ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、不飽和脂肪酸の含有量は90%以上であることが好ましいが、更に93〜100%、特に93〜98%、殊更94〜98%であるのが、口溶け感の良さ、しっとり感の向上、生理効果、油脂の工業的生産性の点で好ましい。該不飽和脂肪酸の炭素数は14〜24であるのが好ましく、更に16〜22であるのが、生理効果の点で好ましい。
本発明の態様において、ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、オレイン酸の含有量は20〜65%、好ましくは25〜60%、特に30〜50%、殊更30〜45%であるのが風味、生理効果、酸化安定性の点で好ましい。更に同様の点から、オレイン−オレインジアシルグリセロール含有量は、45%未満、特に0〜40%が好ましい。
本発明の態様において、ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうちリノール酸の含有量は15〜65%、更に20〜60%、特に30〜55%、殊更35〜50%であるのが風味、生理効果、酸化安定性の点で好ましい。更に、酸化安定性、混和性、保型性、生理効果の点から、リノール酸/オレイン酸の含有質量比が0.01〜2、好ましくは0.1〜1.8、特に0.3〜1.7であることが好ましい。特に、健康への影響を考慮すると、リノール酸/オレイン酸の含有質量比は2以下、必須脂肪酸摂取の点から、0.01以上であることが好ましい。
本発明の態様において、ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうちリノレン酸の含有量は15%未満、更に0〜13%、特に1〜10%、殊更2〜9%であるのが風味、酸化安定性、生理効果の点で好ましい。リノレン酸には、異性体としてα−リノレン酸とγ−リノレン酸が知られているが、生理効果の点でα−リノレン酸が好ましい。
本発明の態様において、ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、飽和脂肪酸の含有量は0〜10%であるのが好ましいが、更に0〜7%、特に2〜7%、殊更2〜6%であるのが風味、酸化安定性、口溶け、生理効果、油脂の工業的生産性の点で好ましい。飽和脂肪酸としては、炭素数14〜24、特に16〜22のものが好ましく、パルミチン酸、ステアリン酸が最も好ましい。
本発明の態様において、ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸中、炭素数12以下の脂肪酸の含有量は、風味の点で5%以下であるのが好ましく、更に0〜2%、特に0〜1%、実質的に含まないのが最も好ましい。残余の構成脂肪酸は炭素数14〜24、特に16〜22であるのが好ましい。
本発明の態様において、生理効果、風味、油脂の工業的生産性の点から、ジアシルグリセロール中の1,3−ジアシルグリセロールの割合が50%以上、更に52〜100%、特に54〜90%、殊更56〜80%であるジアシルグリセロールを用いるのが好ましい。
本発明の態様において、油脂組成物中の1,2(2,3)−ジアシルグリセロールの割合は、30%以下であるのが好ましく、更に0〜25%、特に5〜25%、殊更10〜20%であるのが、風味、生理効果、油脂の工業的生産性の点から好ましい。
本発明の態様において、ジアシルグリセロールは、構成脂肪酸中に不飽和脂肪酸残基を多く含む油脂、例えば、菜種油、大豆油、ひまわり油、サフラワー油、オリーブ油、綿実油、コーン油、パーム油等の植物性油脂、あるいはラード、牛脂、バター等の動物性油脂を原料として製造することが好ましい。具体的には、これら油脂を分別、混合、エステル交換等の方法により所望する脂肪酸組成となるよう調整する。次いで、油脂とグリセリンを混合して触媒存在下でエステル交換反応するか、より好ましくは上記油脂を予め常法により加水分解し、得られた脂肪酸を常法によりウィンタリング、分別、蒸留等の操作により飽和脂肪酸を低減した後、グリセリンを混合して触媒存在下でエステル化反応することによって得ることができる。エステル化反応は、1,3位選択リパーゼ等を用いて酵素的に穏和な条件で行うことが風味等の点で優れており、好ましい。
本発明の態様において、ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、トランス型不飽和脂肪酸の含有量は0〜5%であるのが好ましく、更に0.1〜4.5%、特に0.2〜4.1%、殊更0.5〜3.5%であるのが風味、生理効果、油脂の工業的生産性の点で好ましい。
本発明の態様において、油脂中のジアシルグリセロール以外の部分はトリアシルグリセロールであることが好ましい。油脂中のトリアシルグリセロールの含有量は、10〜90%、更に20〜70%、特に30〜70%、殊更35〜70%であることが、起泡性、保型性を発現させる点から好ましい。
本発明の態様において、トリアシルグリセロールの構成脂肪酸は、起泡性、保型性を発現させる点から、10〜40%、更に15〜35%、特に20〜30%の飽和脂肪酸を含むことが好ましい。飽和脂肪酸は、炭素数14〜24、特に16〜22のものが好ましく、更にパルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、特にパルミチン酸、ステアリン酸が好ましい。
本発明の態様において、トリアシルグリセロールの構成脂肪酸中、パルミチン酸(C16:0)の含有量は1〜45%であるのが好ましく、更に3〜35%、特に7〜30%であるのが、起泡性、保型性、可塑性、口溶け、風味の点で好ましい。
本発明の態様において、トリアシルグリセロールの構成脂肪酸中、ステアリン酸(C18:0)の含有量は10〜69%であるのが好ましく、更に20〜65%、特に30〜60%であるのが、起泡性、保型性、可塑性、口溶け、風味の点で好ましい。
本発明の態様において、トリアシルグリセロールの構成脂肪酸中、アラキン酸(C20:0)の含有量は5%以下であるのが好ましく、更に0〜3%、特に0.1〜1%であるのが、口溶け、保型性、風味の点で好ましい。
本発明の態様において、トリアシルグリセロールの構成脂肪酸中、ベヘン酸(C22:0)の含有量は3%以下であるのが好ましく、更に0〜2%、特に0〜1%であるのが、口溶け、保型性、風味の点で好ましい。
本発明の態様において、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸の内、不飽和脂肪酸の含有量は25〜55%であるのが好ましく、更に27〜50%、特に30〜45%、殊更34〜42%であるのが起泡性、口溶け、可塑性、風味の点から好ましい。
本発明の態様において、トリアシルグリセロールを構成する不飽和脂肪酸は、炭素数14〜24、特に炭素数16〜22のものが好ましく、更にオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ガトレン酸、エルカ酸が好ましく、特にオレイン酸、リノール酸、リノレン酸が好ましい。
本発明の態様において、トリアシルグリセロールの構成脂肪酸中、オレイン酸の含有量は5〜30%であるのが好ましく、更に10〜20%、特に12〜18%であるのが、保型性、起泡性、口溶け、可塑性、風味の点で好ましい。
本発明の態様において、トリアシルグリセロールの構成脂肪酸中、リノール酸の含有量は5〜30%であるのが好ましく、更に10〜25%、特に12〜22%であるのが、脂肪酸の摂取バランス、酸化安定性、保型性、起泡性、口溶け、可塑性、風味の点で好ましい。
本発明の態様において、トリアシルグリセロールの構成脂肪酸中、リノレン酸の含有量は0.1〜10%であるのが好ましく、更に1〜8%、特に2〜5%であるのが、脂肪酸の摂取バランス、酸化安定性、保型性、起泡性、口溶け、可塑性、風味の点で好ましい。尚、リノレン酸はα−リノレン酸であるのが好ましい。
本発明の態様において、トリアシルグリセロールの原料としては、パーム油、ラード、牛脂等の飽和脂肪酸を多く含む油脂を使用することもできるが、菜種油、大豆油等の不飽和脂肪酸を多く含む油脂を部分的に硬化させた油脂、又は極度に硬化させた油脂と硬化させていない油脂との混合油を使用することもできる。
極度に硬化させた油脂は、各種の植物油、動物油を、ヨウ素価5以下、より好ましくは0〜2まで極度硬化することで得られ、例えば大豆極度硬化油脂、菜種極度硬化油脂、パーム極度硬化油脂を使用することができる。
本発明の態様において、ジアシルグリセロールを10〜90%含有する油脂は、固体脂含量(SFC)が、35℃で0〜5、25℃で1〜15、15℃で1〜20、5℃で10〜35であるのが好ましく、更に35℃で0〜3、25℃で1〜13、15℃で3〜20、5℃で13〜35、特に35℃で0〜2、25℃で1〜10、15℃で5〜20、5℃で15〜30であるのが起泡性、口溶け、保型性、食感等の点で好ましい。なお、ここで25℃のSFC(固体脂含量)は、「暫1−1996 固体脂含量 NMR法」に準じて行った(基準油脂分析試験法、日本油化学協会編)。また、測定機器は、MARAN23(レゾナンス社)等が挙げられる。
本発明の態様において、ジアシルグリセロールを10〜90%含有する油脂は、遊離脂肪酸またはその塩(FFA)が3.5%以下に低減されるのがよく、好ましくは0〜1%、更に0〜0.5%、特に0.05〜0.2%とするのが風味、乳化性、油脂の工業的生産性の点で好ましい。
本発明の態様において、ジアシルグリセロールを10〜90%含有する油脂を構成する全脂肪酸中、炭素−炭素二重結合を4つ以上有する脂肪酸の含有量は、酸化安定性、生地調製時の作業性、生理効果、着色等の点で0〜40%、更に0〜20%、特に0〜10%、殊更0〜1%であるのが好ましく、実質的に含まないのが最も好ましい。
本発明のベーカリー用油脂含有組成物は、(B)卵黄を乾燥質量で3〜10%含有するが、更に4〜10、特に4〜9%、殊更4〜8%であることが、生地の起泡性、焼成後の釜落ち防止、製品の外観、口溶け感の良さ、しっとり感の向上の点から好ましい。また、卵黄は粉末、通常の液状卵黄、又は全卵の形態で含有されていても良いが、通常の液状卵黄の場合には上記乾燥質量の約2倍量となり、即ち6〜21%、更に8〜21%、特に8〜19%、殊更8〜17%が好ましい。更に、全卵の場合には卵白も含むため約6.4倍量となり、即ち19〜64%、更に25〜64%、特に25〜58%、殊更25〜52%が好ましい。更に、卵黄又は全卵は、凍結、加塩、加糖等いずれの形態でも良く、卵黄の乾燥質量で前記範囲となれば良い。
また、卵黄はその一部又は全部が酵素処理されたものであっても良い。この場合、卵黄のみを酵素処理しても良く、全卵を酵素処理しても良い。また、卵黄のみを酵素処理し、その後卵白と混合しても良い。含有量は、生地の起泡性、焼成後の釜落ち防止、製品の外観、口溶け感の良さ、しっとり感の向上の点から、液状卵黄換算で6〜21%、更に8〜21%、特に8〜19%、殊更8〜17%であることが好ましい。
また、卵黄の酵素処理に用いる酵素としては、エステラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼが好ましく、リパーゼ、ホスホリパーゼがより好ましく、ホスホリパーゼが特に好ましい。ホスホリパーゼの中でも、ホスホリパーゼA、すなわちホスホリパーゼA1及びA2が好ましく、特にホスホリパーゼA2が好ましい。
酵素処理条件は、卵黄の全部に酵素処理卵黄を用いる場合、リゾ比率が15%以上となるような条件を選択することが好ましい。具体的には、酵素添加量は、酵素活性が10000IU/mLの場合、卵黄に対して0.0001〜0.1質量%、特に0.001〜0.01質量%が好ましい。反応温度は20〜60℃、特に30〜55℃が好ましい。反応時間は1〜30時間、特に5〜25時間が好ましい。また卵黄の一部に酵素処理卵黄を用いる場合、酵素未処理卵黄と酵素処理卵黄の合計のリゾ比率が上記範囲となるように酵素処理条件を選択することが好ましい。かかる酵素処理は、各原料を混合して乳化処理する以前の段階で行うことが好ましい。
本発明のベーカリー用油脂含有組成物には、植物ステロール成分を添加するのが、血中コレステロール低下効果、ジアシルグリセロールを10〜90%含有する油脂を構成する脂肪酸中の飽和脂肪酸の低減化、ベーカリー製品への加工特性の点で好ましい。更に本発明においては、植物ステロールは高含量のジアシルグリセロールに溶解しやすいことから、たとえ植物ステロールが結晶化した場合でも、トリアシルグリセロール中での結晶に比べて微細な結晶となるため、起泡性、口溶け、食感等への影響が少ないという利点がある。
本発明の態様において、植物ステロールには植物スタノールが含まれ、例えばα−シトステロール、β−シトステロール、スチグマステロール、7−スチグマステノール、カンペステロール、ブラシカステロール、イソフコステロール、α−シトスタノール、β−シトスタノール、スチグマスタノール、7−スチグマスタノール、カンペスタノール、ブラシカスタノール、イソフコスタノール、シクロアルテノール、コレステロール、アベナステロール等のフリー体、及びこれらの脂肪酸エステル、フェルラ酸エステル、桂皮酸エステル等のエステル体が挙げられる。
植物ステロール脂肪酸エステルとしては、植物スタノール脂肪酸エステルも含まれ、例えばα−シトステロール脂肪酸エステル、β−シトステロール脂肪酸エステル、スチグマステロール脂肪酸エステル、7−スチグマステノール脂肪酸エステル、カンペステロール脂肪酸エステル、ブラシカステロール脂肪酸エステル、イソフコステロール脂肪酸エステル、α−シトスタノール脂肪酸エステル、β−シトスタノール脂肪酸エステル、スチグマスタノール脂肪酸エステル、7−スチグマスタノール脂肪酸エステル、カンペスタノール脂肪酸エステル、ブラシカスタノール脂肪酸エステル、イソフコスタノール脂肪酸エステル、シクロアルテノール脂肪酸エステル、コレステロール脂肪酸エステル、アベナステロール脂肪酸エステル等が挙げられる。
本発明の態様において、これら植物ステロールのうち、ブラシカステロール、カンペステロール、スチグマステロール、β−シトステロール、及びこれらの脂肪酸エステルが、油脂の工業的生産性、風味の点で好ましい。植物ステロール中、ブラシカステロール、カンペステロール、スチグマステロール、β−シトステロールの合計含有量は、植物ステロール遊離体換算で90%以上であるのが好ましく、更に92〜100%、特に94〜99%であるのが、風味、油脂の工業的生産性、結晶析出、生理効果の点で好ましい。
本発明の態様において、植物ステロール中のブラシカステロールの含有量は、植物ステロール遊離体換算で0.5〜15%であるのが好ましく、更に0.7〜11%、特に3〜10%であるのが、風味、油脂の工業的生産性、結晶析出、生理効果の点で好ましい。
本発明の態様において、植物ステロール中の、カンペステロールの含有量は、植物ステロール遊離体換算で10〜40%であるのが好ましく、更に20〜35%、特に23〜29%であるのが、風味、油脂の工業的生産性、結晶析出、生理効果の点で好ましい。
本発明の態様において、植物ステロール中の、スチグマステロールの含有量は、植物ステロール遊離体換算で3〜30%であるのが好ましく、更に11〜25%、特に17〜24%であるのが、風味、油脂の工業的生産性、結晶析出、生理効果の点で好ましい。
本発明の態様において、植物ステロール中の、β−シトステロールの含有量は、植物ステロール遊離体換算で20〜60%であるのが好ましく、更に30〜56%、特に42〜51%であるのが、風味、油脂の工業的生産性、結晶析出、生理効果の点で好ましい。
本発明の態様において、植物ステロール中の、コレステロールの含有量は1%以下であるのが好ましく、更に0.01〜0.8%、特に0.1〜0.7%、特に0.2〜0.6%であるのが、血中コレステロール低下、油脂の工業的生産性の点で好ましい。
本発明の態様において、植物ステロール中の、カンペステロールの含有量は、植物ステロール遊離体換算で10〜40%であるのが好ましく、更に20〜35%、特に23〜29%であるのが、風味、油脂の工業的生産性、結晶析出、生理効果の点で好ましい。
本発明の態様において、植物ステロール中の、スチグマステロールの含有量は、植物ステロール遊離体換算で3〜30%であるのが好ましく、更に11〜25%、特に17〜24%であるのが、風味、油脂の工業的生産性、結晶析出、生理効果の点で好ましい。
本発明の態様において、植物ステロール中の、β−シトステロールの含有量は、植物ステロール遊離体換算で20〜60%であるのが好ましく、更に30〜56%、特に42〜51%であるのが、風味、油脂の工業的生産性、結晶析出、生理効果の点で好ましい。
本発明の態様において、植物ステロール中の、コレステロールの含有量は1%以下であるのが好ましく、更に0.01〜0.8%、特に0.1〜0.7%、特に0.2〜0.6%であるのが、血中コレステロール低下、油脂の工業的生産性の点で好ましい。
本発明の態様において、植物ステロール脂肪酸エステルを構成する脂肪酸のうち、不飽和脂肪酸の含有量は、80%以上であるのが好ましく、更に85〜100%、特に86〜98%、特に88〜93%であるのが、風味、結晶析出、油脂の工業的生産性、酸化安定性、生理効果の点で好ましい。
本発明の態様において、植物ステロール類の含量は、ベーカリー用油脂含有組成物100質量部に対して、0.05〜20質量部であるのが好ましく、より好ましくは0.3〜15質量部、更に0.5〜10質量部、特に1〜5質量部、殊更1〜4.7質量部、最も好ましくは2〜4.7質量部であるのが、血中コレステロール低下効果、ベーカリー製品への加工特性の点から好ましい。
また、本発明のベーカリー用油脂含有組成物には、通常の油脂組成物に含まれる成分、例えばビタミンE(トコフェロール)、ビタミンC又はその誘導体(アスコルビン酸パルミテート、アスコルビン酸ステアレート)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシルアニソール(BHA)、ターシャルブチルヒドロキノン(TBHQ)等の抗酸化剤を配合してもよい。
本発明の態様において、抗酸化剤の含有量は、風味、酸化安定性、着色等の点で油脂組成物100質量部に対して、0.005〜0.5質量部であるのが好ましく、更に0.04〜0.25質量部、特に0.08〜0.2質量部であるのが好ましい。
本発明の態様において、ビタミンEとしては、α、β、γ、δ−トコフェロール又はこれらの混合物を使用することができる。特に、酸化安定性の観点から、δ−トコフェロールが好ましい。ビタミンEの市販品としては、イーミックスD、イーミックス80(エーザイ(株)製)、MDE−6000((株)八代製)、Eオイル−400(理研ビタミン(株)製)等が挙げられる。本発明において、ビタミンEの含有量は、油脂組成物100質量部に対して、トコフェロールとして0.01〜0.5質量部が好ましく、更に0.02〜0.3質量部、特に0.05〜0.2質量部が好ましい。
本発明のベーカリー用油脂含有組成物において、ビタミンC又はその誘導体の含有量は、ベーカリー用油脂含有組成物100質量部に対して、アスコルビン酸として0.004〜0.1質量部が好ましく、更に0.006〜0.08質量部、特に0.008〜0.06質量部が好ましい。
また、本発明のベーカリー用油脂含有組成物が水と混合され、又は水を含む食品に使用された場合であって、長期保存又は明所保存される場合には、抗酸化剤としてL−アスコルビン酸脂肪酸エステルを実質的に含ませず、ビタミンE、好ましくはδ−トコフェロールを使用することが、風味劣化、異味発生を防止する点から好ましい。
本発明のベーカリー用油脂含有組成物においては、更に炭素数2〜8の有機カルボン酸を添加することが好ましい。炭素数2〜8の有機カルボン酸の含有量は、油脂組成物100質量部に対して、0.001〜0.01質量部であるのが好ましく、更に0.0012〜0.007、特に0.0015〜0.0045質量部、殊更0.0025〜0.0034質量部であるのが風味、外観、酸化安定性の点で好ましい。
本発明のベーカリー用油脂含有組成物には、必要に応じて乳化剤を配合してもよい。使用できる乳化剤としては、レシチン、酵素分解レシチン、グリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記乳化剤のHLB値は0〜20であるのが好ましく、更に1〜16、特に7〜15であるのが好ましい。
乳化剤の含有量は、ベーカリー用油脂含有組成物100質量部に対して0.01〜8質量部、更に0.02〜5質量部、特に0.05〜2質量部、殊更0.07〜1.5質量部であるのが、風味、起泡性等の点で好ましい。
本発明のベーカリー用油脂含有組成物には、必要により、βカロチンやアナトー色素等の着色料、フレーバー、調味料等を用いることができる。
本発明のベーカリー用油脂含有組成物は、更に(C)糖類を含有するのが好ましい。使用される糖類としては、グルコース、マルトース、フラクトース、シュークロース、ラクトース、トレハロース、マルトトリオース、マルトテトラオース、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール等の単糖類、二糖類、三糖類、四糖類、五糖類、六糖類、澱粉加水分解物及びこれらを還元した糖アルコール、それらの混合物、各種水飴が例示される。
本発明の態様において、糖類の含有量は、ベーカリー用油脂含有組成物中15〜40%であるのが好ましく、更に20〜40%、特に25〜40%であるのが、保存性、甘味、焼き色の点で好ましい。
本発明のベーカリー用油脂含有組成物は、ショートニングやマーガリンとして使用することができる。具体的にはケーキ、蒸しケーキ、菓子パン、ワッフル、スコーン、シュー、デニッシュ、ドーナツ、揚げ物菓子、スポンジケーキ、バターケーキ、ロールケーキ、スイスロール、ブッセ、バームクーヘン、パウンドケーキ、チーズケーキ、スナックケーキ等の各種ベーカリー製品に利用することができる。
本発明のベーカリー製品用油脂含有組成物は、小麦粉100質量部に対し、200〜500質量部含有させ、ベーカリー製品とすることが好ましい。まず、小麦粉と本発明のベーカリー製品用油脂含有組成物を配合することにより生地を調製し、その後焼成又は蒸すことによりベーカリー製品を製造することが好ましい。ベーカリー製品用油脂含有組成物の含有量は、更に、小麦粉100質量部に対し200〜450質量部、特に250〜400質量部、殊更300〜400質量部であることが、ベーカリー製品製造時の簡便性、食感、風味等の点から好ましい。このとき、ベーカリー製品中の成分(A)の含有量が、小麦粉100質量部に対して85〜250質量部、更に90〜200質量部、特に90〜180質量部、殊更95〜150質量部となるように、また、ベーカリー製品中の成分(B)の含有量が、小麦粉100質量部に対して14〜32質量部、更に14〜30質量部、特に15〜26質量部となるように配合することが好ましい。
本発明の態様において、生地は焼成又は蒸す前に、比重を0.5〜0.8g/mlに調整することが、ベーカリー製品の比容積が大きく、ソフト感、口溶け、しっとり感等の食感が良好となる点から好ましい。生地の比重は更に0.53〜0.75g/ml、特に0.55〜0.7g/mlとすることが好ましい。生地比重を当該範囲に調製するためには、本発明のベーカリー製品用油脂含有組成物を起泡し、その比重を0.35〜0.65g/ml、更に0.4〜0.6g/ml、特に0.45〜0.6g/mlとしておくことが好ましく、その後に小麦粉と混合することが好ましい。
本発明の態様において、ベーカリー製品は、生地を焼成又は蒸した後の製品の比容積を3ml/g以上とすることがソフト感、口溶け、しっとり感等の食感が良好となる点から好ましい。製品の比容積は更に3〜4ml/g、特に3〜3.5ml/gとすることが好ましい。
以下に実施例を記載するが、本発明の範囲は下記実施例に限定されるものではない。
〔油脂1(ジアシルグリセロール高含有油脂)の調製〕
ウインタリングにより飽和脂肪酸を低減させた大豆油脂肪酸を455質量部と、菜種油脂肪酸195質量部と、グリセリン107質量部とを、リポザイムIM(ノボザイムス社製)を使用して0.07hPaで40℃、5時間エステル化を行った。次いで酵素を濾別し、235℃で分子蒸留し、更に脱色、水洗した。次いでこの油脂150質量部に10%クエン酸水溶液7.5質量部を加え、60℃で20分間攪拌した後、110℃で脱水した。これを235℃で2時間脱臭して、油脂1を調製した。
〔油脂1(ジアシルグリセロール高含有油脂)の調製〕
ウインタリングにより飽和脂肪酸を低減させた大豆油脂肪酸を455質量部と、菜種油脂肪酸195質量部と、グリセリン107質量部とを、リポザイムIM(ノボザイムス社製)を使用して0.07hPaで40℃、5時間エステル化を行った。次いで酵素を濾別し、235℃で分子蒸留し、更に脱色、水洗した。次いでこの油脂150質量部に10%クエン酸水溶液7.5質量部を加え、60℃で20分間攪拌した後、110℃で脱水した。これを235℃で2時間脱臭して、油脂1を調製した。
〔油脂2(植物硬化油脂)の調製〕
硬化パーム油、硬化ナタネ油を主体とする融点38℃の油脂を以下の方法にて調製した。パーム油及びナタネ油にニッケル触媒(N122AF3 日揮化学(株))を0.06%添加し、170℃、3.5〜4.0Kg/cm2で融点が38℃になるまで硬化した。硬化後、常法により脱臭(230℃、2時間、水蒸気3%添加)を行い、油脂を精製した。
硬化パーム油、硬化ナタネ油を主体とする融点38℃の油脂を以下の方法にて調製した。パーム油及びナタネ油にニッケル触媒(N122AF3 日揮化学(株))を0.06%添加し、170℃、3.5〜4.0Kg/cm2で融点が38℃になるまで硬化した。硬化後、常法により脱臭(230℃、2時間、水蒸気3%添加)を行い、油脂を精製した。
油脂1及び油脂2について、下記方法により分析を行った結果を表1に示す。
〔分析方法〕
(i)グリセリド組成
ガラス製サンプル瓶に、サンプル10mgとトリメチルシリル化剤(「シリル化剤TH」、関東化学(株))0.5mLとを加え、密栓した後、70℃で15分間加熱した。これをガスクロマトグラフィー(GLC)に供して、グリセリド組成分析を行なった。
GLC条件
装置;Hewlett Packard製 6890型
カラム;DB−1HT(J&W Scientific製) 7m
カラム温度;initial=80℃、final=340℃
昇温速度=10℃/分、340℃にて20分間保持
検出器;FID、温度=350℃
注入部;スプリット比=50:1、温度=320℃
サンプル注入量;1μL
キャリアガス;ヘリウム、流量=1.0mL/分
(i)グリセリド組成
ガラス製サンプル瓶に、サンプル10mgとトリメチルシリル化剤(「シリル化剤TH」、関東化学(株))0.5mLとを加え、密栓した後、70℃で15分間加熱した。これをガスクロマトグラフィー(GLC)に供して、グリセリド組成分析を行なった。
GLC条件
装置;Hewlett Packard製 6890型
カラム;DB−1HT(J&W Scientific製) 7m
カラム温度;initial=80℃、final=340℃
昇温速度=10℃/分、340℃にて20分間保持
検出器;FID、温度=350℃
注入部;スプリット比=50:1、温度=320℃
サンプル注入量;1μL
キャリアガス;ヘリウム、流量=1.0mL/分
(ii)構成脂肪酸組成
日本油化学協会編「基準油脂分析試験法」中の「脂肪酸メチルエステルの調製法(2.4.1.2−1996)」に従って、脂肪酸メチルエステルを調製した。得られたサンプルを、GLCに供して構成脂肪酸組成分析を行った(American Oil Chem. Soc. Official Method:Ce1f-96、 2002年)。
日本油化学協会編「基準油脂分析試験法」中の「脂肪酸メチルエステルの調製法(2.4.1.2−1996)」に従って、脂肪酸メチルエステルを調製した。得られたサンプルを、GLCに供して構成脂肪酸組成分析を行った(American Oil Chem. Soc. Official Method:Ce1f-96、 2002年)。
〔ベーカリー製品用油脂含有組成物の調製〕
油脂1、油脂2及び菜種油を油脂3とし、表2に示す配合により各種のベーカリー製品用油脂含有組成物(組成物A〜G)を調製した。ベーカリー製品用油脂含有組成物の調製は、表2の成分を混合後60℃で溶解し、チラー(乳化混練機、多摩精器工業(株))を用いて−5℃/min.の冷却速度で15℃まで冷却し、20℃で1日間保温(テンパリング)した後冷蔵庫(5℃)にて保存した。また、別途油脂部分のみの配合品のSFCを、MARAN23(レゾナンス社)にて測定した。なお、全卵は卵黄乾燥質量の6.4倍量とみなして配合した。
油脂1、油脂2及び菜種油を油脂3とし、表2に示す配合により各種のベーカリー製品用油脂含有組成物(組成物A〜G)を調製した。ベーカリー製品用油脂含有組成物の調製は、表2の成分を混合後60℃で溶解し、チラー(乳化混練機、多摩精器工業(株))を用いて−5℃/min.の冷却速度で15℃まで冷却し、20℃で1日間保温(テンパリング)した後冷蔵庫(5℃)にて保存した。また、別途油脂部分のみの配合品のSFCを、MARAN23(レゾナンス社)にて測定した。なお、全卵は卵黄乾燥質量の6.4倍量とみなして配合した。
試験例1〜10
表3に示す配合によりケーキ生地を調製し、その生地を焼成又は蒸し処理した。また、生地の調製は次に示す方法により行った。ケーキ生地について比重、焼成又は蒸し処理後のケーキについて、比容積、釜落ち、表面状態、及び食感(口溶け感、しっとり感、ばらけ感、及び卵風味)について、次に示す各評価方法、及び評価基準により評価を行った。結果を表3に示す。
表3に示す配合によりケーキ生地を調製し、その生地を焼成又は蒸し処理した。また、生地の調製は次に示す方法により行った。ケーキ生地について比重、焼成又は蒸し処理後のケーキについて、比容積、釜落ち、表面状態、及び食感(口溶け感、しっとり感、ばらけ感、及び卵風味)について、次に示す各評価方法、及び評価基準により評価を行った。結果を表3に示す。
〔生地調製及びベーカリー製品の製造法〕
試験例1〜6、9及び10については、A〜Gのいずれか1つの組成物を泡立て器で起泡し、比重を0.5g/mlとした後、薄力粉及びベーキングパウダーを加え混合し、生地を調製した。試験例7及び8については、油脂と上白糖を混合、起泡し、更に全卵を徐々に加えながら起泡し、比重を0.5g/mlとした。その後、薄力粉及びベーキングパウダーを加え混合し、生地を調製した。得られた生地を4号丸型(直径12cm、高さ5.5cm)の金属型に220g入れ、175〜180℃に設定した電気オーブン中で35分間焼成を行った。室温(20〜25℃)にて一昼夜放置後、評価を行った。また、生地をグラシンカップ(直径5.5cm、高さ3.5cm)に45g入れ、91℃、18分間蒸しを行った。室温(20〜25℃)にて一昼夜放置後、評価を行った。
試験例1〜6、9及び10については、A〜Gのいずれか1つの組成物を泡立て器で起泡し、比重を0.5g/mlとした後、薄力粉及びベーキングパウダーを加え混合し、生地を調製した。試験例7及び8については、油脂と上白糖を混合、起泡し、更に全卵を徐々に加えながら起泡し、比重を0.5g/mlとした。その後、薄力粉及びベーキングパウダーを加え混合し、生地を調製した。得られた生地を4号丸型(直径12cm、高さ5.5cm)の金属型に220g入れ、175〜180℃に設定した電気オーブン中で35分間焼成を行った。室温(20〜25℃)にて一昼夜放置後、評価を行った。また、生地をグラシンカップ(直径5.5cm、高さ3.5cm)に45g入れ、91℃、18分間蒸しを行った。室温(20〜25℃)にて一昼夜放置後、評価を行った。
〔生地比重の測定〕
得られた生地の比重を比重カップにより測定した。
比重(g/ml)=生地の質量(g)/比重カップの容量(ml)
得られた生地の比重を比重カップにより測定した。
比重(g/ml)=生地の質量(g)/比重カップの容量(ml)
〔ケーキ比容積の測定〕
ケーキの比容積は、レーザー体積計測機(Selnac−VM ASTEX社)にて測定した。
ケーキの比容積は、レーザー体積計測機(Selnac−VM ASTEX社)にて測定した。
〔釜落ちの評価基準〕
4:焼成後、十分に膨らんでいる
3:焼成後、膨らんでいる
2:焼成後、やや膨らんでいる
1:焼成後、膨らみがない
4:焼成後、十分に膨らんでいる
3:焼成後、膨らんでいる
2:焼成後、やや膨らんでいる
1:焼成後、膨らみがない
〔表面状態の評価基準〕
4:表面が非常に滑らか
3:表面が滑らか
2:表面にやや皺があり
1:表面がぼそぼそし皺が多い
4:表面が非常に滑らか
3:表面が滑らか
2:表面にやや皺があり
1:表面がぼそぼそし皺が多い
〔口溶け感の評価基準〕
4:咀嚼時に速やかに口中で解ける感じ
3:咀嚼時に口中で解ける感じ
2:ややネトツキ感がある
1:ネトツキ感がある
4:咀嚼時に速やかに口中で解ける感じ
3:咀嚼時に口中で解ける感じ
2:ややネトツキ感がある
1:ネトツキ感がある
〔しっとり感の評価基準〕
4:非常にしっとりとした食感
3:しっとりとした食感
2:ややパサツキ感があり
1:パサツキ感があり
4:非常にしっとりとした食感
3:しっとりとした食感
2:ややパサツキ感があり
1:パサツキ感があり
〔ばらけ感の評価基準〕
4:口中で速やかに分散する
3:口中で分散する
2:口中にダマが残る
1:口中でダマになり溶けない
4:口中で速やかに分散する
3:口中で分散する
2:口中にダマが残る
1:口中でダマになり溶けない
〔卵風味の評価基準〕
4:非常に濃厚な卵風味
3:濃厚な卵風味
2:やや卵風味がする
1:あまり卵風味がしない
4:非常に濃厚な卵風味
3:濃厚な卵風味
2:やや卵風味がする
1:あまり卵風味がしない
本発明品である組成物A〜Dを用いた試験例は、その他の試験例に比べ、ケーキ生地の起泡性に優れ、焼成後又は蒸し処理後のケーキの比容積も大きかった。また、焼成中の釜落ちも少なく、蒸し処理後の表面状態も良好であった。更に、口溶け、しっとり感、ばらけ感の食感、及び卵風味も良好であった。
Claims (3)
- 次の成分(A)及び(B):
(A)ジアシルグリセロールを10〜90質量%含有する油脂20〜60質量%
(B)卵黄を乾燥質量で3〜10質量%
を含有するベーカリー製品用油脂含有組成物。 - 成分(A)の油脂の25℃におけるSFCが1〜15である請求項1記載のベーカリー製品用油脂含有組成物。
- 更に(C)糖類を15〜40質量%含有する請求項1又は2に記載のベーカリー製品用油脂含有組成物。
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- 2005-07-13 JP JP2005204404A patent/JP2007020435A/ja active Pending
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