JP2007284457A - Pai−1低下剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】ジアシルグリセロールを日常の食用油脂として摂取すれば、血中PAI−1活性を低下できるため、血栓形成予防が可能となる。
【解決手段】ジアシルグリセロールを35重量%以上、及び植物ステロールを0.05重量%以上含有する油脂組成物を有効成分とするプラスミノーゲンアクチベータインヒビタータイプ1低下薬。
【選択図】なし
【解決手段】ジアシルグリセロールを35重量%以上、及び植物ステロールを0.05重量%以上含有する油脂組成物を有効成分とするプラスミノーゲンアクチベータインヒビタータイプ1低下薬。
【選択図】なし
Description
本発明は、日常の食用としても摂取し易い、血中プラスミノーゲンアクチベータインヒビタータイプ1(PAI−1)低下剤に関する。
血中の線溶酵素であるプラスミンは、プラスミノーゲンアクチベータの作用によりプラスミノーゲンから産生される。一方、プラスミノーゲンアクチベータの作用は、PAI−1によりコントロールされている。
このように、PAI−1の活性が亢進するとプラスミンの産生が抑制され血栓が形成されやすい状態となることから、血栓の形成防止剤としてのPAI−1低下剤の開発が要望されている。
本発明者は、食後の血中中性脂肪の上昇を抑制することが知られているジアシルグリセロールに着目し、そのPAI−1活性に与える影響について検討してきたところ、ジアシルグリセロールが優れたPAI−1活性低下作用を有し、かつ日常生活において摂取が容易であることから健康指向食品や医薬として有用であることを見出した。
すなわち、本発明は、ジアシルグリセロールを有効成分とするPAI−1低下剤を提供するものである。
ジアシルグリセロール又はこれを含む油脂組成物を日常の食用油脂として摂取すれば、血中のPAI−1活性を低下できるため、血栓形成予防が可能となる。
本発明のPAI−1低下剤に用いられるジアシルグリセロールの構成脂肪酸は、炭素数8〜24、特に16〜22であることが好ましい。全構成脂肪酸中不飽和脂肪酸を70重量%(以下単に%で示す)以上とすることが望ましい。更に、全構成脂肪酸中不飽和脂肪酸を70%以上、かつω3系高度不飽和脂肪酸が15%以上であるジアシルグリセロールがより好ましい。特にPAI−1低下効果をより高めるという点から、(シス型不飽和脂肪酸量)/(飽和脂肪酸量+トランス型不飽和脂肪酸量)〔(シス)/(トランス+飽和)重量比〕が5.5以上が好ましい。より好ましい重量比〔(シス)/(トランス+飽和)〕は、8以上であり、更に好ましくは9以上である。また、ジアシルグリセロールの構成脂肪酸のうち、トランス型不飽和脂肪酸含量は5%以下が特に好ましく、飽和脂肪酸含量も5%以下が特に好ましい。ここで、シス型不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、α−リノール酸、α−リノレン酸、シス−ジホモγ−リノレン酸、シス−アラキドン酸、シス−エイコサペンタエン酸、シス−ドコサヘキサエン酸などが挙げられる。またトランス型不飽和脂肪酸としては上記不飽和脂肪酸のトランス型が挙げられる。飽和脂肪酸としては、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸等が挙げられる。
ジアシルグリセロールは、例えば目的の構成脂肪酸を有する油脂とグリセリンとをエステル交換反応に付すか、あるいは目的の構成脂肪酸又はそのエステルとグリセリンとの混合物にリパーゼを作用させてエステル化反応を行うことにより製造される。反応中の異性化を防止するうえで、リパーゼを用いたエステル化反応がより好ましい。また、リパーゼを用いたエステル化反応によっても、反応終了後精製手段における異性化を防止するため、精製手段も脂肪酸の異性化が生起しないような穏和な条件で行うのが好ましい。
上記の方法で得られる組成物は、ジアシルグリセロールを含有する油脂組成物である。本発明においては、このジアシルグリセロールを含有する油脂組成物として用いるのが好ましい。当該油脂組成物としては、PAI−1低下作用の点からジアシルグリセロールを35%以上含有するのが好ましい。更にこの油脂組成物中のジアシルグリセロール含量は50%以上がより好ましく、更に60%以上、特に80%以上が好ましい。
植物ステロールはコレステロール低下効果を有する成分であり、通常の植物油に0.05〜1.2%程度含まれている。従って、前記の油脂組成物において、通常の植物油と同等のコレステロール低下効果を得るためには植物ステロール含量は0.05%以上、特に0.3%以上が好ましい。ジアシルグリセロールを含む油脂組成物中の植物ステロール含量は、その製造法によって異なる。例えば、一般に市販されている蒸留して得られた脂肪酸を原料として用いた場合には、組成物中の植物ステロール量は低下してしまう。このような場合には植物ステロールを0.05%以上になるように添加するのが好ましい。また植物ステロール含量の上限は特に限定されない。通常の植物油と同等のコレステロール低下を目的とする場合には0.05〜1.2%の範囲にあればよく、通常の植物油以上のコレステロール低下を目的とする場合には1.2%以上添加してもよい。ここで植物ステロールとしては、例えばα−シトステロール、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、α−シトスタノール、β−シトスタノール、スチグマスタノール、カンペスタノール、シクロアルテノール等のフリー体、及びこれらの脂肪酸エステル、フェルラ酸エステル、桂皮酸エステル等のエステル体が挙げられる。
前記油脂組成物に含まれる他の成分は、トリアシルグリセロール及びモノアシルグリセロールである。モノアシルグリセロール含量は2%以下、特に1.5%以下であるのが好ましい。残部はほとんどがトリアシルグリセロールである。
後記試験例に示す如く、ジアシルグリセロール及びこれを含む油脂組成物は、優れた血中PAI−1活性低下作用を有し、かつ日常摂取しやすいという特性を有することから血中PAI−1活性低下を目的とした健康指向の食品として、また医薬として有用である。
本発明のPAI−1低下剤には、通常の油脂組成物に含まれる成分、例えばトコフェロール、アスコルビン酸パルミテート、アスコルビン酸ステアレート、BHT、BHA、リン脂質等の抗酸化剤、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド等の乳化剤等を配合してもよい。
また、通常ジアシルグリセロールでは同じ脂肪酸組成のトリアシルグリセロールと比較して融点上昇が生じるが、上記の組成物では常温で液状となり、食用油として広く使用できるという利点もある。従って、本発明のPAI−1低下剤は、調理油及び種々の油脂加工食品として好適に使用することができる。加工食品の例としてはドリンク、デザート、アイスクリーム、ドレッシング、トッピング、マヨネーズ等の水中油型油脂加工食品;マーガリン、スプレッド等の油中水型油脂加工食品;ピーナッツバター、フライング、ベーキングショートニング等の加工油脂食品;ポテトチップ、スナック菓子、ケーキ、クッキー、パイ、パン、チョコレート等の加工食品;ベーカリーミックス;加工肉製品;冷凍アントレ;冷凍食品等に利用することができる。また、カプセル、錠剤等の形態でも利用可能である。
本発明のPAI−1低下剤の1日摂取量は、ジアシルグリセロールとして1〜25g、更に5〜20g、特に6〜15gが好ましい。
本発明のPAI−1低下剤の1日摂取量は、ジアシルグリセロールとして1〜25g、更に5〜20g、特に6〜15gが好ましい。
実施例1
トランス酸含量0.8%である市販大豆油を加水分解して得た脂肪酸をウインタリングにより飽和脂肪酸を低減させた後、市販の固定化1,3位選択リパーゼ(Lipozyme 3A、ノボインダストリーA.S.社製)を触媒とし、この脂肪酸とグリセリンを40℃で反応させた。リパーゼ製剤を濾別した後、反応終了品を分子蒸留にかけ、常法により精製して油脂組成物Aを得た。
トランス酸含量0.8%である市販大豆油を加水分解して得た脂肪酸をウインタリングにより飽和脂肪酸を低減させた後、市販の固定化1,3位選択リパーゼ(Lipozyme 3A、ノボインダストリーA.S.社製)を触媒とし、この脂肪酸とグリセリンを40℃で反応させた。リパーゼ製剤を濾別した後、反応終了品を分子蒸留にかけ、常法により精製して油脂組成物Aを得た。
実施例2
トランス酸含量0.6%である市販ナタネ油を加水分解して得た脂肪酸を市販の固定化1,3位選択リパーゼを触媒としグリセリンと40℃で反応させた。リパーゼ製剤を濾別した後、反応終了品を分子蒸留にかけ、常法により精製し、油脂組成物Bを得た。
トランス酸含量0.6%である市販ナタネ油を加水分解して得た脂肪酸を市販の固定化1,3位選択リパーゼを触媒としグリセリンと40℃で反応させた。リパーゼ製剤を濾別した後、反応終了品を分子蒸留にかけ、常法により精製し、油脂組成物Bを得た。
実施例3
トランス酸含量2.8%である市販ナタネ油を加水分解して得た脂肪酸を市販の固定化1,3位選択リパーゼを触媒としグリセリンと40℃で反応させた。リパーゼ製剤を濾別した後、反応終了品を分子蒸留にかけ、常法により精製して油脂組成物Cを得た。
トランス酸含量2.8%である市販ナタネ油を加水分解して得た脂肪酸を市販の固定化1,3位選択リパーゼを触媒としグリセリンと40℃で反応させた。リパーゼ製剤を濾別した後、反応終了品を分子蒸留にかけ、常法により精製して油脂組成物Cを得た。
実施例4
市販DHA高含有油とグリセリンを混合し、アルカリ触媒(ナトリウムメトキサイド)を触媒とし、減圧下100℃でエステル交換反応を行った。触媒を濾別した後、反応終了品を分子蒸留にかけ、常法により精製して油脂組成物Dを得た。
市販DHA高含有油とグリセリンを混合し、アルカリ触媒(ナトリウムメトキサイド)を触媒とし、減圧下100℃でエステル交換反応を行った。触媒を濾別した後、反応終了品を分子蒸留にかけ、常法により精製して油脂組成物Dを得た。
実施例1〜4及び大豆油(比較例1)のグリセリド組成及びジアシルグリセロールの構成脂肪酸を表1及び表2に示す。
〔グリセリド分布の測定〕
油脂をシリル化剤(関東化学製、シリル化剤TH)にてシリル化した後、キャピラリーカラム(J&W社製、DBTM−1)を用い、ガスクロマトグラフィーにて分析した。
〔ジアシルグリセロールの構成脂肪酸分布〕
カラムクロマトグラフ(和光純薬工業社製、ワコーゲルC−200とヘキサンでトリグリセリド画分を落とした後、ヘキサン/エーテル=70/30にてジアシルグリセロール画分を得た)により油脂中のジアシルグリセロール画分を集め、常法によりメチルエステル化後、キャピラリーカラム(クロムパック社製、CP−SIL88)を用い、ガスクロマトグラフィーにて分析した。
油脂をシリル化剤(関東化学製、シリル化剤TH)にてシリル化した後、キャピラリーカラム(J&W社製、DBTM−1)を用い、ガスクロマトグラフィーにて分析した。
〔ジアシルグリセロールの構成脂肪酸分布〕
カラムクロマトグラフ(和光純薬工業社製、ワコーゲルC−200とヘキサンでトリグリセリド画分を落とした後、ヘキサン/エーテル=70/30にてジアシルグリセロール画分を得た)により油脂中のジアシルグリセロール画分を集め、常法によりメチルエステル化後、キャピラリーカラム(クロムパック社製、CP−SIL88)を用い、ガスクロマトグラフィーにて分析した。
試験例1
各油脂組成物を、ふだん使用している食用油に置き換えて、3ケ月間使用した。その際の1日の摂取量は12.5gであった。各試験は、総コレステロールが高めの成人男女8名で行った。実施例及び比較例のPAI−1へ及ぼす効果を、表3に示した。初期の値を100とした場合の相対値を示した。
各油脂組成物を、ふだん使用している食用油に置き換えて、3ケ月間使用した。その際の1日の摂取量は12.5gであった。各試験は、総コレステロールが高めの成人男女8名で行った。実施例及び比較例のPAI−1へ及ぼす効果を、表3に示した。初期の値を100とした場合の相対値を示した。
Claims (3)
- ジアシルグリセロールを35重量%以上、及び植物ステロールを0.05重量%以上含有する油脂組成物を有効成分とするプラスミノーゲンアクチベータインヒビタータイプ1低下薬。
- ジアシルグリセロールの構成脂肪酸中、(シス型不飽和脂肪酸量)/(飽和脂肪酸量+トランス型不飽和脂肪酸量)が5.5以上である請求項1記載のプラスミノーゲンアクチベータインヒビタータイプ1低下薬。
- ジアシルグリセロールの構成脂肪酸中、トランス型不飽和脂肪酸の含量が5重量%以下である請求項1又は2記載のプラスミノーゲンアクチベータインヒビタータイプ1低下薬。
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Citations (2)
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JPS61246146A (ja) * | 1985-04-23 | 1986-11-01 | Nitsusui Seiyaku Kk | エイコサペンタエノイルグリセライド含有脂質低下剤 |
JP2001064169A (ja) * | 1999-08-24 | 2001-03-13 | Kao Corp | Pai−1低下剤 |
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