JP3447986B2 - 油脂組成物 - Google Patents
油脂組成物Info
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Description
高濃度で含有する油脂組成物及び植物ステロールを溶解
するための植物ステロール溶解剤に関する。
ステル、配糖体、フェルラ酸エステル等の形態で広く植
物に存在するステロイドアルコールである。かかる植物
ステロールは、優れた血中コレステロール低下作用を有
するため、これを料理油やサラダ油等の食用油脂に配合
する技術が多く知られている。ところで、食用油脂は、
その使用性の観点から、油脂中の成分が、室温以下で保
存した場合に沈降しないこと、また水を添加した場合に
油相から分離しないことが必要である。さらに、食用油
脂をマヨネーズ等の油脂含有食品に利用した場合、保存
中に油脂中の成分が結晶化してざらつきが生じる等食感
が劣化することがないことが必要である。
で極めてわずかしか溶解しないため、食用油脂や油脂含
有食品に植物ステロールを大量に配合すると、保存中に
植物ステロールが沈降したり、植物ステロールが結晶化
して食感がざらつく等、商品価値が著しく低下してしま
うという問題があった。また、不溶化した植物ステロー
ルは、体内で吸収され難く、血中コレステロール低下作
用を発揮できないという問題があった。
脂等としては、少なくとも1種の食用油と、それと均質
に混和している約2〜6重量%の植物ステロール及び約
0.5〜15重量%の炭素数6〜18の脂肪酸を含有す
る食品組成物(特開昭50−40605号公報)、ビタ
ミンE及び乳化剤(オレイン酸ジグリセリド等)を配合
して植物ステロールを可溶化した飲食物(特開平10−
179086号公報)が知られている。
179086号公報の飲食物は、ビタミンEを大量に含
んでいるため風味が悪く、溶解性も十分ではなかった。
また、特開昭50−40605号公報の食品組成物は、
植物ステロールの溶解性が必ずしも十分ではなかった。
ロールを配合した場合でも、保存中に植物ステロールが
沈降したり、ざらつくことがなく、外観、食感、風味、
保存安定性に優れた油脂組成物及び高濃度で植物ステロ
ールを溶解するための植物ステロール溶解剤を提供する
ことを目的とする。
素数8〜24のジグリセリド30重量%以上、炭素数8
〜24の脂肪酸及び/又は該脂肪酸のモノエステル1〜
30重量%、並びに植物ステロール1.2〜7.5重量
%を含有する油脂組成物を提供することにより上記目的
を達成した。本発明はまた、炭素数8〜24の脂肪酸及
び/又は該脂肪酸のモノエステルとアシル基の炭素数8
〜24のジグリセリドとの重量比10/90〜75/2
5の組成物からなる植物ステロール溶解剤を提供する。
アシル基の炭素数が8〜24であり、特に12〜22で
あることが好ましい。また、不飽和のアシル基の量は、
全アシル基の量の55重量%(以下、単に「%」と表示
する)以上、特に70%以上が好ましい。さらに、不飽
和脂肪酸がオレイン酸15〜85%、リノール酸15〜
85%で構成されることが最も好ましい。かかる構成で
あれば、ジグリセリドは体温付近で液状であり、植物ス
テロールの溶解性が向上する。本発明に用いるジグリセ
リドは、1,2−ジグリセリド、1,3−ジグリセリド
のいずれでもよいが、血中コレステロール低下及び体脂
肪蓄積抑制効果の観点から、1,3−ジグリセリドが好
ましい。
ステル交換反応、又は油脂由来の脂肪酸とグリセリンと
のエステル化反応等任意の方法により得ることができ
る。反応方法は、アルカリ触媒等を用いた化学反応法、
リパーゼ等の油脂加水分解酵素を用いた生化学反応法等
が挙げられるが、着色等の油脂の劣化防止の観点から、
生化学反応法が好ましい。
含有量は、15%以上であることが必要であり、30%
以上が好ましく、55%以上がより好ましく、80%以
上が特に好ましい。15%以上であれば、植物ステロー
ルを1.2%以上溶解することができ、しかも油脂組成
物の保存安定性が向上する。また、植物ステロールとの
併用による脂質代謝改善効果が生じる。なお、ジグリセ
リド製造上の経済性の観点からは、95%以下であるこ
とが好ましい。
飽和脂肪酸のいずれでもよい。該脂肪酸は炭素数8〜2
4であり、好ましくは12〜22であり、ラウリン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール
酸、リノレン酸が特に好ましい。かかる脂肪酸は、例え
ば油脂の加水分解等により得ることができる。該脂肪酸
のモノエステルとしては、ジグリセリドに溶解するもの
でよく、例えば炭素数1〜6の一価アルコールとのエス
テル、エチレングリコール、プロピレングリコール、グ
リセリン、ポリグリセリン等多価アルコールとのエステ
ルが挙げられる。脂肪酸の炭化水素の長さが植物ステロ
ールの結晶性に関与していると推定される。事実直鎖構
造で自由度の高い中高級脂肪酸はステロイド骨格との相
溶性が高く、上記のようなモノエステルについても同効
果が確認されている。かかる脂肪酸、該脂肪酸のモノエ
ステル(以下「脂肪酸等」という)の、本発明の油脂組
成物中の含有量は、総量で1〜30%であることが必要
であり、1〜25%が好ましく、1〜20%が特に好ま
しい。1〜30%であれば、油脂組成物の風味を損なう
ことなく、植物ステロールの溶解性を向上させることが
できる。
例えばα−シトステロール、β−シトステロール、スチ
グマステロール、カンペステロール、シクロアルテノー
ル等のフリー体、及びこれらの脂肪酸エステル、フェル
ラ酸エステル、桂皮酸エステル、配糖体等の誘導体が挙
げられ、これらを1種以上用いることができる。かかる
植物ステロールは、これを含有する植物から常法に従っ
て調製することができる。
の含有量は、1.2〜15%であることが必要であり、
1.2〜10%が好ましく、5〜10%がより好まし
く、6%を超えて10%以下が特に好ましい。ジグリセ
リド含量を30%以上含む油脂は、植物ステロールが
7.5%以下であれば、室温付近で油脂中に完全に溶解
した状態である。また、室温で1週間以上保存した場合
でも、油脂組成物が懸濁したり、植物ステロールが沈降
することがなく安定である。7.5%を超えて15%以
下であれば、植物ステロールは、室温付近で溶解又は懸
濁状態であり、沈降しにくく、また、一部結晶化が起き
た場合でも、体温付近で再溶解しやすく、ざらつき感が
緩和される。なお、植物ステロールは、通常の油脂にも
含まれており、上記範囲は、油脂由来の量と添加する量
との合計量である。
に、通常の油脂組成物が含有する成分、例えば大豆油、
ナタネ油、米糠油、コーン油、パーム油等の天然の植物
油脂、それらのエステル交換油、水素添加油、分別油等
の油脂類;トコフェロール、アスコルビン酸パルミテー
ト、アスコルビン酸ステアレート、BHT、BHA、リ
ン脂質等の抗酸化剤等を含有してもよい。
要に応じて任意成分を混合し、必要に応じて加熱、撹拌
することにより製造することができる。
に使用することができる。また、ドリンク、デザート、
アイスクリーム、ドレッシング、トッピング、マヨネー
ズ、焼き肉のたれ等の水中油型油脂加工食品;マーガリ
ン、スプレッド等の油中水型油脂加工食品;ピーナッツ
バター、フライング、ベーキングショートニング等の加
工油脂食品;ポテトチップ、スナック菓子、ケーキ、ク
ッキー、パイ、パン、チョコレート等の加工食品;ベー
カリーミックス;加工肉製品;冷凍アントレ;冷凍食品
等に利用することができる。また、本発明の油脂組成物
は、体温付近の温度で植物ステロールが完全に溶解する
ことから、カプセル、糖衣、粉末等の形態にすることも
できる。本発明の油脂組成物の、上記食品への配合量
は、3%以上、特に5%以上が好ましい。
組み合わせれば、植物ステロール溶解剤として用いるこ
とができる。用いるジグリセリド及び脂肪酸等として
は、上記と同様のものが挙げられる。植物ステロール溶
解剤として用いる場合の脂肪酸等とジグリセリドとの配
合比(重量比)は、1/99以上であることが好まし
く、5/95以上がより好ましく、10/90〜75/
25が特に好ましく、20/80〜50/50が最も好
ましい。この組み合わせを用いれば、植物ステロールを
5%以上溶解させることができる。特に、上記配合比が
5/95以上の場合は6%以上、15/85〜75/2
5の場合は7%以上、20/80〜50/50の場合は
8%以上植物ステロールを溶解させることができる。さ
らに、上記範囲の植物ステロールを溶解した場合、室温
で1週間以上保存しても、懸濁したり、植物ステロール
が沈降することがない。また特に上記配合比が30/7
0以下であれば、風味にも優れた油脂組成物となる。
脂肪酸由来、全脂肪酸に対する不飽和脂肪酸量80%、
全ジグリセリドに対する1,3−ジグリセリド量70
%、以下同じ)及びオレイン酸混合物を調製した。次い
でこれに対して、植物ステロール(商品名「植物ステロ
ール」タマ生化学製)を85℃で徐々に添加し、撹拌し
ながら溶解させ、油脂組成物を調製した。このときの植
物ステロールの溶解度を表1に示す。
週間保存し、外観を目視で観察し、また風味を評価し
た。その結果、試験例1〜5のいずれの油脂組成物も透
明で、植物ステロールが完全に溶解していた。また、試
験例1、2及び3の油脂組成物は、渋味がなく、フラッ
トで、非常に優れた風味であった。
5%)及びオレイン酸混合物を調製した。次いで試験例
1と同様にして植物ステロールの溶解度を測定した。結
果を表2に示す。いずれの場合も植物ステロールの溶解
度は低かった。
ール20%からなる油脂組成物を調製した。これはビタ
ミンE量が多いため、風味が非常に悪かった。また、こ
れを9%用いてドレッシングを調製したところ、やはり
風味が悪かった。
でマーガリンを常法に従って製造した。得られたマーガ
リンは、外観、風味、食感、保存安定性に優れたもので
あった。
で得られた油脂組成物を用いてマイクロカプセルを調製
した。装置には同心二重ノズルを用い、内管には該油脂
組成物を入れ、外管にはゼラチン等の皮膜液を入れ、押
し出し口から硬化槽の中で押出すことによって目的のカ
プセルを調製した。カプセルの直径は10〜2000μ
mであり、微細なマイクロカプセル顆粒であった。該油
脂組成物は、植物ステロールが高濃度で含有される場合
でも、上記製造工程でハンドリング性に優れており、得
られた顆粒は外観、風味、食感が良好であった。本実施
例によって作られたマイクロカプセルは咀嚼することな
く食することが可能であり、高齢者にも利用しやすい形
態である。手軽に脂質代謝の改善、健康維持が期待でき
る。また、これを副原料として、別な食品形態に応用す
ることも可能である。尚、被覆化は、コアセルベーショ
ン法、乳化/噴霧乾燥法、液中硬化被覆法等の各種方法
によっても可能である。
テロールを含有したものであり、外観、風味、食感、保
存安定性に優れたものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 アシル基の炭素数8〜24のジグリセリ
ド30重量%以上、炭素数8〜24の脂肪酸及び/又は
該脂肪酸のモノエステル1〜30重量%、並びに植物ス
テロール1.2〜7.5重量%を含有する油脂組成物。 - 【請求項2】 炭素数8〜24の脂肪酸及び/又は該脂
肪酸のモノエステルとアシル基の炭素数8〜24のジグ
リセリドとの重量比10/90〜75/25の組成物か
らなる植物ステロール溶解剤。 - 【請求項3】 炭素数8〜24の脂肪酸及び/又は該脂
肪酸のモノエステルとアシル基の炭素数8〜24のジグ
リセリドとの重量比が15/85〜75/25である請
求項2記載の植物ステロール溶解剤。
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