JP3205480B2 - サスペンション装置 - Google Patents

サスペンション装置

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JP3205480B2
JP3205480B2 JP06448495A JP6448495A JP3205480B2 JP 3205480 B2 JP3205480 B2 JP 3205480B2 JP 06448495 A JP06448495 A JP 06448495A JP 6448495 A JP6448495 A JP 6448495A JP 3205480 B2 JP3205480 B2 JP 3205480B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車に用いられるサ
スペンション装置に関する。
【０００２】
【従来技術】従来より、車輪から車体に伝達される振動
を減衰するようにするため、車輪と車体との間にはサス
ペンション装置が介装されている。このようなサスペン
ション装置として、図４に示すように、車輪側に連結さ
れる筒状部材１１ａと該筒状部材１１ａに対し進退自在
に設けられ車体側に連結されるピストンロッド１１ｂと
を有するショックアブソーバ１１と、ショックアブソー
バ１１の外側に間を隔てて配設され、筒状部材１１ａ側
に取付けられた第１受座１６にインシュレータ１７を介
して一端が支持されるとともにピストンロッド１１ｂ側
に取付けられた第２受座１５に他端が保持されたコイル
スプリング１８と、ピストンロッド１１ｂ側に一端が保
持され、ショックアブソーバ１１とコイルスプリング１
８との間に配設された筒状のダストカバー１３とを備え
たものが知られている。
【０００３】ところで、上記ダストカバー１３は、ピス
トンロッド１１ｂが摺動自在に保持された筒状部材１１
ａ上端のシール部の保護をより確実にするため、下方に
長く形成される傾向にある。そのため、ダストカバー１
３の下端が第１受座１６に接近した状態となり、バウン
ドの発生時にピストンロッド１１ｂと共に下降するダス
トカバー１３の下端が第１受座１６に当接する頻度が多
くなる。
【０００４】一方、金属製の第１受座１６は、その表面
にカチオン塗装等で充分な防錆処理が施されているもの
の、ダストカバー１３が繰返し当接することにより摩耗
してしまい、その結果、腐食が発生したり金属素地が削
り取られることにより強度低下を招くという問題があ
る。そこで、この問題に対処するため、実開昭６０−１
７３４０６号公報には、ダストカバー１３の下端部に突
起部を設けることにより、ダストカバー１３と第１受座
１６との接触面積を少なくするようにした技術が記載さ
れている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報のよ
うに、ダストカバー１３の下端部に突起部を設けた場合
には、ダストカバー１３が第１受座１６に当接するとき
にダストカバー１３全体の荷重が突起部からそのまま第
１受座１６に伝達されることとなるため、第１受座１６
の荷重伝達部が集中し、早期に摩耗する可能性がある。
【０００６】本発明は上記問題に鑑み案出されたもので
あり、ダストカバーの当接による第１受座の摩耗を低減
し、腐食の発生や強度低下を防止し得るサスペンション
装置を提供することを解決すべき課題とするものであ
る。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明のサスペンション装置は、筒状部材と該筒状部材に対
し進退自在に設けられたピストンロッドとを有するショ
ックアブソーバと、該ショックアブソーバの外側に間を
隔てて配設され、前記筒状部材側に取付けられた第１受
座にインシュレータを介して一端が支持されるとともに
前記ピストンロッド側に取付けられた第２受座に他端が
保持されたコイルスプリングと、前記ピストンロッド側
に一端が保持され、前記ショックアブソーバと前記コイ
ルスプリングとの間に配設された筒状のダストカバーと
を備えたサスペンション装置において、前記インシュレ
ータは、前記コイルスプリングを支持する本体部と、該
本体部より求心方向に延出して前記ダストカバーの他端
と当接する部位を有する被当接部とを備え、該被当接部
と前記ダストカバーの他端とが当接した時に、前記被当
接部の前記ダストカバーの他端が当接する部位よりも外
方部分と前記第１受座との間に空間部を有することを特
徴とするものである。
【０００８】本発明の好適な態様として、前記被当接部
は、前記ダストカバーの他端と当接していない時に、前
記第１受座と当接していないように構成される。
【０００９】
【作用】本発明のサスペンション装置では、バウンドの
発生によりショックアブソーバがコイルスプリングの付
勢力に抗して収縮動すると、ピストンロッドと共に下降
するダストカバーの下端がインシュレータの被当接部に
当接する。このとき、被当接部自体に剛性がある場合に
はダストカバーの荷重は被当接部により受止められるこ
とによって第１受座に伝達されず、また、被当接部自体
にそれほど剛性がない場合にはその荷重は被当接部が撓
むことにより緩和されて第１受座に伝達される。したが
って、ダストカバーの荷重がそのまま第１受座に伝達さ
れることがないので、第１受座の摩耗は低減し、腐食の
発生や強度低下が防止される。
【００１０】また、被当接部とダストカバーの他端とが
当接した時に、被当接部のダストカバーの他端が当接す
る部位よりも外方部分と第１受座との間に空間部を有す
ることから、被当接部が第１受座の表面に接触する面積
が少なくなるため、水等が残留することがなくなり、第
１受座の腐食発生が抑制される。そして、被当接部がダ
ストカバーの他端と当接していない時に第１受座と当接
していないように構成されていれば、ダストカバーから
被当接部を介して第１受座に伝達される荷重が更に緩和
されるとともに、第１受座の腐食発生も更に抑制され
る。
【００１１】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図１は本実施例に係るサスペンション装置の断面図
であり、図２は本実施例に係るインシュレータの平面図
であり、図３は図２のIII −III 線矢視断面図である。
【００１２】本実施例のサスペンション装置は、図１に
示すように、車輪側に連結される筒状部材１ａと筒状部
材１ａに対し進退自在に設けられ車体側に連結されるピ
ストンロッド１ｂとを有するショックアブソーバ１を備
えている。ピストンロッド１ｂの先端には、ピストンロ
ッド１ｂの下方への過大な変位を規制するゴムストッパ
２と、ピストンロッド１ｂの周囲を覆うダストカバー３
とを保持する保持金具４が取付られている。
【００１３】この保持金具４は、下端が開口し上端壁に
取付孔を有する円筒状に形成されており、ピストンロッ
ド１ｂの先端部に形成された雄ねじ部にその取付孔が嵌
挿されてナット１ｃにより締着されている。ゴムストッ
パ２は、略蛇腹円筒状に形成されており、ピストンロッ
ド１ｂの外周に嵌挿された状態でその上端が保持金具４
の上端壁内面に固着されている。また、ダストカバー３
は、ショックアブソーバ１の筒状部材１ａよりやや大き
い径をもつ略蛇腹円筒状に形成されており、その上端が
保持金具４の外周部に固着されている。
【００１４】そして、ピストンロッド１ｂ先端の雄ねじ
部には、保持金具４の上方に重合されて上受座（第２受
座）５が取付けられている。この上受座５は、円筒状の
取付金具５ａと、取付金具５ａの外側に同軸状に配置さ
れたリング状の補強金具５ｂと、取付金具５ａ及び補強
金具５ｂに一体的に加硫接着されたリング状のゴムブロ
ック５ｃとからなり、略円盤状に形成されている。ゴム
ブロック５ｃの下面にはリング状の座部５ｄが形成され
ている。
【００１５】一方、ショックアブソーバ１の筒状部材１
ａの外周には、中央孔をもち略皿状に形成された金属製
の下受座（第１受座）６がショックアブソーバ１にその
中央孔が嵌挿された状態で溶接固定されて取付けられて
いる。この下受座６と上受座５との間には、下受座６に
ゴム製のインシュレータ７を介して下端が支持されると
ともに、上受座５の座部５４に上端が保持されてコイル
スプリング８が介装されている。
【００１６】インシュレータ７は、コイルスプリング８
を支持するリング状の本体部７ａと、本体部７ａの内周
より求心方向に延出し周方向に等角度間隔に配置された
３個の被当接部７ｂとからなる。各被当接部７ｂは、下
降したダストカバー３の下端部が当接するようにその先
端がダストカバー３の下端部を少し越える位置まで延出
している。また、各被当接部７ｂ先端部の下面には突起
部７ｃが設けられており、この突起部７ｃによってダス
トカバー３の下端部が被当接部７ｂに当接した際に被当
接部７ｂの下面と下受座６との間に空間部７ｄが存在す
るように構成されている。即ち、図１はピストンロッド
１ｂが下方へ移動し、ダストカバー３が下降して被当接
部７ｂに当接した状態を示す図となっている。
【００１７】また、ダストカバー３の下端部が被当接部
７ｂに当接した際に被当接部７ｂの下面と下受座６との
間に空間部が存在するように構成されていれば、特に突
起部７ｃを備えている必要はない。以上のように構成さ
れた本実施例のサスペンション装置は、ショックアブソ
ーバ１の筒状部材１ａを車輪側に連結するとともに、ピ
ストンロッド１ｂの先端部を車体側に連結することによ
り配設される。そして、バウンドの発生によりピストン
ロッド１ｂがコイルスプリング８の付勢力に抗して下方
に収縮動すると、ピストンロッド１ｂと共に下降するダ
ストカバー３の下端がインシュレータ７の被当接部７ｂ
に当接し、これにより撓んだ状態に弾性変形する被当接
部７ｂを介してダストカバー３の荷重が下受座６に伝達
される。したがって、ダストカバー３の荷重はそのまま
第１受座６に伝達されないので、第１受座６の摩耗が低
減し、腐食の発生や強度低下が防止される。
【００１８】また、被当接部７ｂの下面に設けられた突
起部７ｃによって、被当接部７ｂの下面と下受座６との
間に空間部７ｄが形成され、被当接部７ｂと下受座６と
の接触面積が少なくされていることにより、水等の残留
が防止される。以上のように、本実施例のサスペンショ
ン装置によれば、インシュレータ７は、本体部７ａより
求心方向に延出し下受座６のダストカバー３下端部が当
接する部分に配置される被当接部７ｂを有するため、ダ
ストカバー３の当接による下受座６の摩耗を低減し、腐
食の発生や強度低下を防止することができる。
【００１９】また、インシュレータ７の被当接部７ｂの
下面には、被当接部７ｂの下面と下受座６との間に空間
部７ｄを形成する突起部７ｃが設けられているため、被
当接部７ｂが下受座６の表面に接触する面積が少なくな
り、水等が残留することがなくなることから、下受座６
の腐食発生を抑制することができる。なお、被当接部７
ｂの下面に突起部７ｃを設けるのに代えて或いは加え
て、被当接部７ｂを、少なくともダストカバー３下端部
が当接しないときに下受座６と接触しないような剛性を
有するもので構成することにより、突起部７ｃを設けた
場合と同様の効果或いは更なる衝撃緩和の効果が得られ
る。
【００２０】また、インシュレータ７の被当接部７ｂ
は、周方向において等角度間隔に配置すれば少なくとも
３箇所に配置されていればよく、勿論それ以上に配置箇
所を増加したり、あるいは周方向の全域に配置されるよ
うにリング状に形成した１個のもので構成することがで
きる。
【００２１】
【発明の効果】本発明のサスペンション装置によれば、
インシュレータは、本体部より求心方向に延出してダス
トカバーの他端と当接する部位を有する被当接部とを備
え、被当接部とダストカバーの他端とが当接した時に、
被当接部のダストカバーの他端が当接する部位よりも外
方部分と第１受座との間に空間部を有するため、ダスト
カバーの当接による第１受座の摩耗を低減することがで
きるとともに、腐食の発生や強度低下を防止することが
できる。
【００２２】そして、被当接部が、ダストカバーの他端
と当接していない時に第１受座と当接していないように
構成されていれば、ダストカバーから被当接部を介して
第１受座に伝達される荷重を更に緩和することができ、
第１受座の腐食発生も更に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例に係るサスペンション装置の断
面図である。
【図２】本発明の実施例に係るインシュレータの平面図
である。
【図３】図２のIII −III 線矢視断面図である。
【図４】従来のサスペンション装置の断面図である。
【符号の説明】
１、１１…ショックアブソーバ １ａ、１１ａ…筒状
部材 １ｂ、１１ｂ…ピストンロッド ２…ゴムストッパ ３、１３…ダストカバー ４…保持金具 ５、１５…上受座（第２受座） ６、１６…下受座
（第１受座） ７、１７…インシュレータ ７ａ…本体部 ７ｂ…
被当接部 ７ｃ…突起部 ７ｄ…空間部 ８、１８…コイルス
プリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古場 博之 愛知県豊田市トヨタ町１番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 実開 昭60−173735（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−173406（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−173407（ＪＰ，Ｕ) 米国特許4771996（ＵＳ，Ａ) 欧州特許出願公開407360（ＥＰ，Ａ １) 欧州特許出願公開480443（ＥＰ，Ａ ２) 仏国特許出願公開2660719（ＦＲ，Ａ １) 仏国特許出願公開1492826（ＦＲ，Ａ １) 仏国特許出願公開2578611（ＦＲ，Ａ １) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) F16F 9/32 F16F 9/38 B60G 15/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 筒状部材と該筒状部材に対し進退自在に
    設けられたピストンロッドとを有するショックアブソー
    バと、該ショックアブソーバの外側に間を隔てて配設さ
    れ、前記筒状部材側に取付けられた第１受座にインシュ
    レータを介して一端が支持されるとともに前記ピストン
    ロッド側に取付けられた第２受座に他端が保持されたコ
    イルスプリングと、前記ピストンロッド側に一端が保持
    され、前記ショックアブソーバと前記コイルスプリング
    との間に配設された筒状のダストカバーとを備えたサス
    ペンション装置において、 前記インシュレータは、前記コイルスプリングを支持す
    る本体部と、該本体部より求心方向に延出して前記ダス
    トカバーの他端と当接する部位を有する被当接部とを備
    え、該被当接部と前記ダストカバーの他端とが当接した
    時に、前記被当接部の前記ダストカバーの他端が当接す
    る部位よりも外方部分と前記第１受座との間に空間部を
    有することを特徴とするサスペンション装置。
  2. 【請求項２】 前記被当接部は、前記ダストカバーの他
    端と当接していない時に、前記第１受座と当接していな
    いことを特徴とする請求項１記載のサスペンション装
    置。
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